まず、今日のプログラムです。
ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
プリペアド・ピアノ:ハウシュカ
曲目は当日発表ということでしたが、結局、当日になっても曲目なしで演奏。
即興演奏だから、曲目発表なしっていうことでした。はてな???
まず、プリペアド・ピアノをご存じないかたもいらっしゃるでしょうから、その説明からです。といっても、実はsaraiも知らなかったんです。現代音楽に詳しいかたなら、作曲家ジョン・ケージの創った楽器ということで説明不要でしょう。グランド・ピアノの弦にボルトやゴム片などのさまざまな素材を挟みこんで、ピアノらしくない響きに変えてしまうものです。曲に合わせて、あらかじめ、適当な細工を施しておくことから、プリペア(準備)が必要ということで、このプリペアド・ピアノの名称が付けられました。実際、通常は結構な前準備の時間が必要なので、演奏曲の数だけ、ピアノを用意するそうです。10曲なら10台のピアノです。プリペアド・ピアノの響きは挟みこんだ素材特有の響きとなり、ピアノが打楽器と化したようになります。この日はさらに音響システム(マイク、アンプ、スピーカー、音響処理装置)も使用し、多彩な響きを引き出していました。ヒラリー・ハーンのヴァイオリンにもマイクが取り付けられ、ペダルで音響システムを操作していました。
ということで、音の響きは現代音楽みたいな感じですが、音楽そのものは平易なメロディー(アナトールではない)とシンコペーションのきいた小気味いいリズムで、ポップスを聴いているような気楽な音楽です。聴いてて楽しい音楽で難しく構えるようなものではありません。ステージと聴衆で楽しい時間を共有するというコンセプトのようです。
楽しみにしていたヒラリーのヴァイオリンの響きですが、それほど音響システムの影響もありませんでしたが、曲によっては金属的な響きも耳につくこともありました。ヒラリー固有の美しい響きもそれなりに聴くことができ、その部分は満足ではありました。
このお二人のコラボは既にCD化(LPもある)されており、《SILFRA》というアルバムになっています。saraiももちろん、ばっちり予習済みだったので、今夜のステージの演奏は想定内のものでした。どちらかというと、ステージの生演奏のほうが聴きやすかった感じです。CDはかなり音響処理もしてあるようです。
今夜のステージはプリペアド・ピアノ初体験という意義?とヒラリーの元気で楽しそうな演奏を聴いたことが収穫でした。やはり、普通のクラシックのコンサートのほうがsaraiには嬉しいかも・・・。
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