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20年ぶりのベルリン:カフェ・イム・リテラトウーアハウスでの清々しい朝食

2012年4月14日土曜日@ベルリン/2回目

カフェ・イム・リテラトウーアハウスCafé im Literaturhausでの朝食です。公園の中のように感じられるオープンテラスで、気持ちのよい食事になりそうです。


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さて、何を頂きましょうか。ガイドブックで紹介されていたキノコ入りマロンクリームスープを“本指さし”でお願いしますが、それは冬季メニューだとのこと。残念です。saraiは朝食セットメニューの1番を、パンケーキが食べたくなった配偶者はアラカルトでお願いします。
まずは、パンとジュースと紅茶ポット、それにバター、ジャム、ヨーグルトのセットが運ばれてきます。飲み物を飲みながら、メインの料理を待ちます。


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パンケーキは、たっぷりのはちみつと果物が添えられて登場。表面がパリッと焼けていて中はふんわり。今まで食べたことのない美味しさとかで、ペロリと配偶者が頂きます。


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キノコ入りのオムレツもとても美味しくて、思わず写真を撮る前に半分、たいらげてしまいます!


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ハムエッグも大満足の美味しさ。


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太陽が美味しさを後押ししているとも思えますが、元来美味しいことは間違いないです。朝食を楽しんでいると、次々と人がやって来て、遂に満席。待ち行列ができてしまいます。


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待っている綺麗なお姉さんたちには悪いのですが、こんな美味しい朝食はゆっくりと楽しまないとね・・・まわりの皆さんも、慌てることなくゆったりとしていますよ。


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見上げると、美しい青空が広がっています。いかにもベルリンの休日っていう感じで幸せです。


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庭には綺麗な花々も咲いています。最高の朝食です。


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とはいえ待っている人もいるので、すっかり朝食を完食した後はほどほどに席を立ち、テーブルを譲ります。ちょっと庭を散策しましょう。まだ若葉の出ていない大きな木がとても存在感があります。これからどんどん緑に包まれて、この庭もさらに綺麗になっていくのでしょう。


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庭の地面は小さな白い花で覆われて、目をなごませてくれます。


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小さな本屋さんもちょっと覗いてみます。もちろんドイツ語の本ですから、眺めてみるだけです。でも、本屋さんが付属する公園のようなカフェなんて、とても文化的な感じです。


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とても清々しい朝食になりました。このあたりで、カフェ・イム・リテラトウーアハウスにお別れしましょう。


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ゆっくりと朝食を楽しんだ後は、博物館島Museumsinselに行きます。


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20年ぶりのベルリン:博物館島の華・・・驚異のペルガモン博物館

2012年4月14日土曜日@ベルリン/3回目

カフェでの美味しい朝食の後は博物館島Museumsinselに向かいます。
再びクーダムKu-dammの大通りに戻ってきます。目の前には、ホテル・ケンピンスキーKempinski Hotelが見えています。


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ここからは地下鉄に乗ります。地下鉄の駅ウーラント・シュトラーセU Uhlandstr. の入口はすぐそこにあり、あっと言う間に地下鉄のプラットホームに出ます。ここは地下鉄1号線U1の始発駅なので、人影もなくがらんとしています。


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もちろん、地下鉄に乗ってもガラガラです。


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U Hallesches Torハレッシェス門で地下鉄6号線U6に乗り換えて、フリードリッヒ・シュトラーセ駅S+U Friedrichstr.まで行きます。そこで地下鉄を下り、少し歩くと博物館島に着きます。博物館島はシュプレー川Spreeの中洲にあり、ここには5つの博物館が集まっています。歩道橋で博物館島に渡ります。


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一番の見ものはペルガモン博物館Pergamonmuseumです。まずはペルガモン博物館に向かいましょう。実に20年ぶりの訪問です。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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チケット窓口に向かいます。


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ミュージアム・パス・ベルリンの3日間券を提示して、入場パスを受け取ります。入場パスには、入場料が0.0ユーロと印字されています。


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入場すると、真っ先に《ペルガモンの大祭壇》が目に飛び込んできます。20年前に来たときも圧倒され、口あんぐりの驚きを禁じ得なかったことが思い出されます。堅牢な石造りの博物館の建物の中に、古代の巨大な祭壇がそのまま再現されているんですからね。見上げるほどの巨大な建築物です。まあ、とんでもないものを作ったと感心します。


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ペルガモンは紀元前2世紀に小アジア(現在のトルコ)のほぼ全域を手中に収めた王国です。この大祭壇はそのペルガモン王国のアクロポリスに建立されたものです。2代目の王、エウメネス2世が最高神ゼウスに捧げる祭壇として造らせました。この祭壇は1864年に発見された後、ドイツ帝国の大調査団が1878年に遺跡発掘のために派遣され、貴重な古代遺産がベルリンに運ばれたそうです。今では、そんなことは決して許されないでしょうね。ペルガモン博物館は1930年に開館しましたが、その目玉として大祭壇の西側部分が復元されました。そういうわけで、我々が今こうしてこの驚異的な古代遺跡をベルリンで見ることができるんです。
この大祭壇の階段を上ってみましょう。祭壇には、「神々と巨人族の戦い(ギガントマキア)」という物語が浮き彫りにされています。その物語とは、大地の女神ガイアの子ギガンテスが最高神ゼウス率いる神々に戦いを挑みますが、英雄ヘラクレスを味方につけた神々に滅ぼされてしまうというものです。アテネのパルテノン神殿にも、この物語が浮き彫りにされているそうです。ペルガモン王国はガラティア人との戦いに勝利したことを、この物語に託して大祭壇に浮き彫りにしたそうです。
大祭壇の上からの眺めはこんな感じです。


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正面には、東フリーズの浮き彫りが展示されています。一番右側には、「アテナ群像」の浮き彫りがあります。「神々と巨人族の戦い(ギガントマキア)」の浮き彫りでもっとも知られる部分です。最高神ゼウスの娘でペルガモン王国の守護神アテナが大地の女神ガイアの息子である有翼の巨人の髪をつかみ、巨人はそれに抵抗して身悶えしています。アテナの顔が損なわれているのは残念です。


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その「アテナ群像」のすぐ左には、「ゼウス群像」の浮き彫りがあります。筋肉隆々の素晴らしい体の最高神ゼウスが、最強の武器である雷霆(ケラウノス)を投げようとする姿が表現されています。ゼウスも頭部が失われているのが残念です。抵抗する巨人の頭上にはゼウスの聖鳥の鷲が舞っています。


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この浮き彫りはこの展示室をぐるりと取り囲んでいて、壮観です。


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隣の展示室に移動します。


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正面には、神殿を背景に女神のような彫像が美しく立っています。


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その手前の床面には美しいモザイクがあります。


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女神像の前に立って、この展示室の入口の方を眺めます。


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ここもペルガモン王国のアクロポリスを復元しています。膨大な古代遺産です。
この展示室の先は何故か行き止まりになっていて、進めません。修復中なんでしょうか。また大祭壇に戻って、反対側の展示室に向かいます。
ペルガモン博物館の鑑賞は続きます。


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20年ぶりのベルリン:ペルガモン博物館は続きます・・・美しく青きイシュタル門

2012年4月14日土曜日@ベルリン/4回目

ペルガモン博物館Pergamonmuseumに再建されたペルガモン王国のアクアポリスの大祭壇は、2度目の訪問でもやはり度肝を抜かれます。
アクアポリスの丘の300分の1の模型が展示されていて、じっと見入ってしまいます。凄いですね。


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今度は、入って右側の方の展示室に移動します。
ここにもどでかい遺跡が再建されています。


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これは『ミレトスの市場門』です。ミレトスというのは、小アジアの西海岸の都市です。この都市は紀元前7世紀頃から、イオニア文化の中心地として栄えました。その後、ローマ帝国が地中海世界の覇権を握りますが、ローマ帝政期にもこの都市の繁栄は続きました。
この2階建ての大きな石造りの門も、そのローマ帝政期に建てられたもので、典型的なローマ建築のひとつです。
もう一度、門の右側をじっくりと見てみましょう。柱など、美しい建築物に魅了されます。


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展示室全体に遺跡が再建されており、その素晴らしさに圧倒されます。


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続いて、またまた凄いものがあります。特に色彩の鮮やかさに目を奪われます。


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ここからは古代オリエント美術の展示室です。この青い大きな門は、バビロンから発掘された紀元前6世紀前半の『イシュタル門』です。このスケールと美しさは何でしょうね!


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イシュタル門は新バビロニア帝国の首都バビロンの北側にある正門です。ネブカドネザル2世が建てたものです。イシュタルというのは、敵を征服する女神を意味しています。門は彩釉煉瓦で造られており、青い輝きを放っています。門に描かれた模様は、蛇の頭にライオンの前足と尾、鷲の後ろ足を持つ竜と牡牛が上下交互に並べられたものです。それぞれ、主神マルドゥクと天候神アダドを象徴しています。
このイシュタル門をくぐると、主神マルドゥクが祀られたエサギラ神殿まで、行列道路が延びています。


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ここに再建されているのはその一部でしょう。
イシュタル門とそれに続く行列道路の模型も展示されています。


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行列道路の壁面には、彩釉煉瓦でイシュタル女神を象徴するライオンの浮き彫りが施されています。工芸品を超えて、素晴らしい芸術品に昇華しています。その美しさに感動し、じっと立ちすくんで見入ってしまいます。


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この素晴らしいライオンが繰り返し、繰り返し、続いています。力強い脈動を感じます。余程の芸術家がいたんでしょう。古代オリエント美術、恐るべし!です。


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古代オリエント美術はまだまだ続きます。


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超名演!マーラー4番:インバル&東京都交響楽団&森麻季@横浜みなとみらいホール 2012.11.4

マーラーの交響曲のなかでは、比較的、地味な作品である交響曲第4番ですが、これまで生演奏でもCDでも聴いたことのない、超!をつけてもよいような名演に接し、感動に酔いしれました。今回のマーラー・ツィクルスはもちろん、東京都交響楽団の演奏したマーラーで最高の演奏でした。つい先週聴いた交響曲第3番を上回る素晴らしい名演にコンサートが終わった今でも胸に熱い思いが残っています。
白状すると、交響曲第4番を聴いて、気持ちがよくなることはあっても、感動したのは初めてです。もちろん、感動が頂点に達したのは第3楽章のアダージョです。それまでの第1楽章、第2楽章もまったく隙のない完璧な演奏で、第3楽章での感動に至る伏線はありました。今回はもう、これ以上、書くことはありませんが、それでも、もう少し、感想を綴ってみましょう。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:エリアフ・インバル
  バリトン:河野克典(少年の不思議な角笛)
  ソプラノ:森麻季(交響曲第4番)
  管弦楽:東京都交響楽団

  マーラー:「少年の不思議な角笛」より
         死んだ鼓手
         むだな骨折り
         番兵の夜の歌
         この歌を作ったのは誰?
         高き知性を讃えて
         塔の中の囚人の歌
  マーラー:交響曲第4番ト長調

最初は歌曲の「少年の不思議な角笛」からの6曲です。今日はバリトン独唱ですが、折角、ソプラノの森麻季も来ているので、掛け合いで歌ってほしい曲が数曲ありました。バリトンの河野克典はなかなかの歌唱でしたが、前にも書いたことがありますが、この歌曲はメゾ・ソプラノで歌われるのが好きなんです。まあ、気持ちよく、聴けました。オーケストラは抑え気味に伴奏していたので、ほとんど歌だけが耳に残りました。

休憩後、いよいよ、交響曲第4番です。最初の鈴が鳴るような部分から、のりの良い演奏です。しかも実にディテールまで表情の豊かな演奏です。インバルのマーラーはどちらかというと、ディテールを磨き上げるというよりも、大きな構造を組み立てていくような演奏ですが、今日の演奏は細かいところまで、実によく練り上げられた演奏で、そこを聴いているだけでも聴き惚れてしまいます。テンポの緩やかな変化、アクセント、思い切った強弱の変化などの彫りの深い表情付けがされていますが、それが一糸乱れず、パーフェクトに演奏されます。ずい分、リハーサルを重ねないとこういう演奏はできないでしょう。しかもインバルの指揮ですから、細部の磨き上げにとらわれず、全体の構造の見通しのよいパースペクティブな演奏に仕立て上がっています。こういうのを完璧な演奏というのでしょう。こんな素晴らしい第1楽章にはなかなか出会えません。しかも東京都交響楽団の強力な弦楽器セクションの響きの美しいこと、ほれぼれします。木管楽器も味わいの深い響きです。それもすべてインバルの意図した通りの演奏になっている感じです。インバルと東京都交響楽団のコンビはこれまでになく、高みに達した感があります。おそらく、インバルが頭の中に思い描いた通りの響きと表情が実現されているように感じます。インバルの意図した音楽、それは美しい表情をつけた楽想を自然な形で融合し、ザルツブルグの近くの湖沼と山に恵まれたザルツカンマーグートの美しい自然を彷彿とさせるものです。考え抜かれた音楽でありながら、少しも恣意的には感じられず、自然な流れの音楽となってます。第2楽章のレントラーも、その流れが続き、次第に来るべき第3楽章への期待感が高まってきます。第2楽章でのコンサートマスターの矢部達哉の素晴らしいヴァイオリン独奏も印象的でした。その響きの美しさもさることながら、インバルの指揮の意図を完全に理解し、具現化した演奏の素晴らしさに感服しました。そう言えば、今日はその矢部達哉の隣に座っている四方恭子がコンサートマスター席に座った前回の交響曲第3番の第4楽章でメゾ・ソプラノの独唱にオブリガート風に絡み合った素晴らしいヴァイオリン独奏の展開したことを思い出しました。書き漏らしていました。現在の東京都交響楽団はこの2人の最強のコンサートマスターがマーラー・ツィクルスに参加していることで、高いレベルの演奏を実現しているように感じます。第5番以降の5曲もこのまま、この2人の最強のコンサートマスターが継続して演奏してもらいたいものです。
さて、第3楽章のアダージョの美しくて敬虔にも感じられるメロディーがチェロで演奏され始めました。本当に強い感動を覚えます。自然な演奏なのですが、胸にぐっとくるものがあります。ヴィオラ、第2ヴァイオリンと受け継がれ、第1ヴァイオリンで演奏されるころには、もう、うるうるです。何たる感動でしょう。それも深くて静かな感動です。長大な第3楽章はもう胸が熱くなって、聴きいっていました。最高の演奏です。よもや、交響曲第4番を聴いて、感動するとは思ってもみませんでした。インバルの意図を先読みすると、第1楽章から第3楽章までを第1部として、ひとつの完結した交響曲のように演奏し、第3楽章で盛り上げていくというものです。まさに、交響曲第3番の第6楽章と交響曲第4番の第3楽章を双子の兄弟・姉妹のように位置づけて、同じような感動的な演奏を展開していくというように感じます。最終楽章の第4楽章は歌曲楽章なので、交響曲の締めとしては軽い感じがするので、エピソードのような扱いにするのもいいアイディアでしょう。事実、第3楽章の始めには、まだ、ソプラノ歌手が入場していないので、第4楽章は彼女の入場でちょっと時間を取って、第2部のように演奏するのではないかと思ったわけです。第3楽章も終盤にはいり、思いのこもった演奏でますます、感動が高まっていきます。静かで美しい響きが綿々と続きます。もう、頭の中は真っ白になりそうです。ほとんで、音楽に集中しきって、視界はぼやけています。その視界に何かが動いているのが見えます。黒いドレスの森麻季がそっと入場してきました。マーラーの叙情的な音楽が静かに響くなか、美しいソプラノ歌手が静かに歩いているのは実に様になっています。これも演出に思えるほどです。そして、森麻季がステージ中央に立ち、第3楽章の終わりを待っています。第3楽章は静かに静かに、そして、感動的に終わりました。間を置かずに、第4楽章の演奏が始まります。saraiの読みは見事に外れましたが、意味的には当たっているような気もします。第3楽章と第4楽章を一括りにして、愛4楽章は第3楽章のエピソードとして、取り扱うという意図でしょう。それによって、軽い歌曲楽章の第4楽章を終楽章にすることから、逃れることができます。終楽章はあくまでも第3楽章で、第4楽章はそれに付随したエピソードというわけです。確かに最後まで、感動を持続して、全曲を聴き終えることができました。ところで森麻季の歌唱ですが、彼女の実力からすると、もうひとつピュアーな高音が聴けなかったのが残念でした。なかなかの歌唱ではあったのですが、最高レベルとは言えません。

この日の演奏は録音されていました。そのうちにCD化されるようです。あまり、編集しないで素直なライブCDになれば、この交響曲のCDのなかでもベストワンも狙えそうです。もちろん、その際はこの超名演のCDを真っ先に購入することにしましょう。既に15枚以上の名盤と言われるCDを所有していますが、ベストCDの座が狙えそうです。それほど素晴らしい演奏でした。

次の来年1月の交響曲第5番が楽しみです。これはサントリーホールで聴きます。素晴らしいコンサートになることを確信しています。


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テーマ : クラシック
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20年ぶりのベルリン:ペルガモン博物館の膨大な情報量に疲れました!

2012年4月14日土曜日@ベルリン/5回目

ペルガモン博物館Pergamonmuseumの古代オリエント美術に圧倒され続きです。しかし、かなり時間をとってしまったので、ここからは少し早足で進みます。
こんなユーモラスな石像に微笑んでします。可愛いですね。ライオンの像でしょうか。


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一方、こちらは威厳のある石像です。神官でしょうか。とても大きな石像です。


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この2頭の石像も先程のものと似ていて、ちょっとユーモラスです。


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これは煉瓦を使った浮き彫りです。古代オリエントは浮き彫りを特徴としていたようです。


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これは『ダレイオスの射手』と呼ばれる彩釉煉瓦による浮き彫りです。アケメネス朝ペルシャの3代目の王ダレイオス一世のスーサの宮殿を飾っていたものです。ペルシャの大帝国の支配下にあった各地の建築様式を融合したアケメネス様式によるものです。色鮮やかな彩釉煉瓦はバビロンのイシュタル門に学んだものです。


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これも同じ意匠ですね。


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これはアッシリアの浮き彫りです。鳥の頭で翼を持っている人間です。なかなかの迫力です。


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これも同様の浮き彫りですが、人間の顔をしています。色々なバリエーションがあります。


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この浮き彫りを立体化したのがこの石像です。人間の顔で翼を持ち、体は牡牛です。


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この石像はアッシリアの宮殿入口になっていました。この向かい合わせにもう一体があります。


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真横から見てみます。完成度が高い石像です。


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まだまだ古代オリエント美術は続きますが、このあたりで2階に上がって、イスラム美術をさっとながめてみましょう。
イスラム文様の素晴らしい壁面があります。実に緻密です。


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この文様は色鮮やかです。


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2階の展示室からは下のバビロンの行列道路の回廊が見渡せます。凄い規模です。


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美しいイスラム文様の彫刻が施された建造物が再建されています。写真では分かりづらいですが、実に巨大なものです。


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こういう美しいものもあります。中央アジア的な要素が加わっているみたいですね。


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これまた美しい壁面ですが、中央アジアかインドの要素、あるいは中国的な要素が濃くなっています。文化はお互いに影響しあって、どんどん高まっていくのが分かります。


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次々に多彩な美術文化に触れていって、最後は何がなんだか、混乱しそうになります。というところで、ペルガモン博物館の鑑賞を終えましょう。
ペルガモン博物館の展示内容は20年前と基本的に変わりませんが、細部をさらに整備した感じがします。展示遺跡に上ったり触ったり、写真も撮り放題です。結構楽しいです。一番のお勧め観光スポットなので入場者も半端な数ではありませんが、ともかく広いので鑑賞の邪魔にはなりませんね。でも、正直言ってかなり疲れます。圧倒的な情報量なんです。

まだ、博物館島の鑑賞は続きます。


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20年ぶりのベルリン:ボ-デ博物館の美しいネオゴシック様式の建物

2012年4月14日土曜日@ベルリン/6回目

20年ぶりのペルガモン博物館Pergamonmuseumを十分過ぎるほどに堪能しました。20年前の旅は団体ツアーだったので時間的な制約もありましたが、今回は自分のペースでゆっくりと鑑賞できました。さて、次の博物館を訪ねますが、博物館島Museumsinselの内側は建物でぎっしりなので、いったんシュプレー川Spreeを渡って島の外側を回り込む必要があります。川を渡ってペルガモン博物館を見ますが、ともかくでっかい建物ですね。


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ペルガモン博物館の向かい岸の道路上では青空市がたっています。そう言えば、今日は土曜日なので土曜市なんですね。おっと、中古LPレコードの店があります。これは見逃せないでしょう。少し物色してみますが、掘り出し物は見つかりません。


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実に様々な店がずらっと並んでいます。横目で見物しながら通り過ぎます。


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目指すは、博物館島の北端にあるボーデ博物館Bode Museumです。もう一度、シュプレー川にかかる橋を渡ります。


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ここは博物館島の北の端なので、北の方を見ると、博物館島の中洲で分かれた川が合流して流れています。向こうからは、遊覧船が次々とやってきます。ここはベルリン観光の中心地です。


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ボーデ博物館の正面にでます。ここは初めてです。展示の内容以前に建物自体がとても素晴らしいです。美しいネオゴシック様式のドームです。彫刻の装飾も見事です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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このボーデ博物館の建物は、1904年に建造された歴史的なものです。建築家エルンスト・ フォン・イーネによるデザインで、当時のドイツ皇帝フリードリヒ3世にちなんで当初はカイザー=フリードリヒ博物館と呼ばれていました。その後、初代キュレータのヴィルヘルム・フォン・ボーデの名前をとって、1956年に現在の名前に変更されました。
早速、入館しましょう。さすがに冬が寒いベルリンだけあって、2重のドアになっています。2枚のドアを抜けると、いきなりドーム下の広いエントランスホールにでます。このエントランスホールの豪華さには圧倒されます。ホールの中央には、大きな騎馬像が立っています。
フリードリヒ・ヴィルヘルム大選帝侯(ブランデンブルク選帝侯)です。


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フリードリヒ・ヴィルヘルム大選帝侯はプロイセン公国をポーランドの支配から解放し、さらにフェールベリンの戦いなどに勝利して領内からスウェーデン勢力を駆逐しました。彼は後のプロイセン王国の基礎を築いた人物です。
エントランスホールは、高いドームまで吹き抜けになった美しいホールです。


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エントランスホールから美しい階段を上って、2階に上がります。そこからは騎馬像を見下ろすことができます。ようやく、騎馬像の全体像を見ることができます。


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2階はカフェとショップになっています。疲れているのでここでお茶したいところですが、もう少し頑張りましょう。


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このボーデ博物館はペルガモン博物館と違って訪問者の数が圧倒的に少なく、ゆったりと鑑賞できるのは有り難いことです。目玉のクラナッハの作品を1点だけ鑑賞させてもらいます。
これは《アダムとイブ》ですね。色んなところで鑑賞してきたクラナッハ得意の構図です。


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しかし、展示はほとんどが彫像です。まあいっぱいあるものですね。膨大な数の貨幣コレクションも並んでいます。いやでも移動距離が長くなるので、本当に疲れます。ボーデ博物館の一番奥まで達します。奥は入口と同様にドームのホールになっています。美しい階段が巡っています。金で装飾された手摺りの美しさは素晴らしい!


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ドームの天井は真っ白で美しい装飾が施され、その“美”に圧倒されます。


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窓からは、シュプレー川と向こう岸で休日の明るい陽光の下、楽しげに寛いでいるベルリン市民の姿が見えます。なんだか羨ましくなります。後であそこに行って、sarai達も寛いでみましょう。


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最後にビザンチン美術を鑑賞します。見事なモザイク美術をここに再建したようです。


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これでボーデ博物館の鑑賞は完了。かなり疲れました。でも、まだまだ他に見るものが残っています。


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20年ぶりのベルリン:博物館島は日光浴とアンペルマンのメッカ?

2012年4月14日土曜日@ベルリン/7回目

ボーデ博物館Bode Museumを出て、博物館島Museumsinselにある別の場所に移動です。博物館島内の移動はできないので、博物館島の外側のシュプレー川Spreeの岸辺を歩きます。先程、ボーデ博物館から見た日光浴の人で賑わっていた対岸に向かいます。ずっと先にテレビ塔が見えています。


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岸辺はゆったりとした時間を過ごす人達でいっぱいです。春になると、明るい陽光を求めるのがベルリンっ子達なんですね。


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川では、ひっきりなしにクルーズ船が行き来しています。また、一艘やってきます。船の横に見えるのはボーデ博物館の建物です。


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目の前に遊覧船がやってきます。屋上デッキは、陽光を浴びて気持ちよさそうですね。


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次々と遊覧船がやってきます。ベルリンでは遊覧船ビジネスが流行っているようです。


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と、目の前に面白い乗り物がのろのろと走ってきます。観光自転車タクシーです。それ自体は横浜でも走っており、そんなに珍しくはありません。面白いのはそのフードに描かれた絵です。ベルリン名物のアンペルマンがサッカーをやっています。アンペルマンは旧東ベルリンの交通シグナルのキャラクターマークです。今やキャラクターグッズが有名ですが、本場のベルリンにはもちろんショップがあります。が、フードに書かれている文字を読むと、東京とソウルにも展開しているようです。このあたりはsaraiもよく知りません。どなたか、教えてください。


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Sバーンの高架下を抜けると、そのアンペルマンのオープンカフェがあって、凄い賑わいようです。このオープンカフェはその先の高架下にあるレストラン・アンペルマン(イタリアンのお店です)が天気のよい日に営業しているようです。


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その先の交差点にありましたよ! アンペルマンの赤信号です。可愛いですね。


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歩行者用の押しボタンもアンペルマンです。いや・・・よくよく見ると違うようですね。なーんだ。


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交差点が青信号になります。もちろん、アンペルマンの青信号です。


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ようやく博物館島を大きく回って、ウンター・デン・リンデンUnter den Lindenの大通りの前にやってきます。再び、博物館島に侵入します。


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目の前には旧博物館Altes Museumが見えていますが、ここには行かないで、その左側にある新博物館Neues Museumに向かいます。


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右手にはベルリン大聖堂Berliner Domの巨大なドームが見えています。このベルリン大聖堂にも寄っていきたいところですが、何せ体力が消耗しきっています。というわけで結局、ベルリン大聖堂には行かず仕舞いになってしまいました。


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ようやく、新博物館の前に着きます。やれやれです。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ここでは、どうしても美貌のネフェルティティに再会しないといけません。


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20年ぶりのベルリン:20年ぶりのネフェルティティはやはり美しい!

2012年4月14日土曜日@ベルリン/8回目

ペルガモン博物館Pergamonmuseum、ボーデ博物館Bode Museumに続いて、同じ博物館島Museumsinselにある新博物館(ノイエス・ムゼウムNeues Museum)に入館します。もちろん、ミュージアム・パス・ベルリンの3日間券が有効です。パンフレットは英文版です。日本語版はありません。


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この新博物館は“新”という名前は付いていますが、もともとは19世紀の中頃に建設された長い歴史を持つ博物館です。何故、“新”という名前を冠しているかと言えば、旧博物館に収蔵しきれなくなった美術品を収めるために建てられたからです。新博物館の建物は第2次世界大戦で甚大な損害を受けて、長い間使えない状況が続いていました。1990年のベルリンの壁崩壊に始まる東西ドイツの統合を受け、新博物館の再建プランが練られるようになり、2003年からの長い修復工事の末、ようやく2009年に約70年ぶりの再オープンになりました。ほぼ2年半前にオープンしたばかりです。
したがって、この博物館の訪問は初めてです。20年前はここは廃墟だった筈です。しかし、初めての訪問とは言え、この新博物館の主な収蔵品であるエジプト美術作品は、20年前に別の場所にあったエジプト博物館で見ています。この新博物館に入場する頃からどっと疲労感が高まり、歩き続けることが困難になってきます。とりあえず、必見のネフェルティティの胸像だけは見ておきましょう。とは言え、1階のギャラリーにエジプト美術品はありますが、ネフェルティティの胸像だけは見当たりません。それでも、よろよろしながらエジプト美術の逸品に感嘆します。
これは象形文字が彫り込まれた石棺です。美しいですね。


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横からも見てみましょう。古代エジプトの意匠は素晴らしいです。


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この辺りには木棺が並べてあります。木棺の前には、木棺に収めてあった副葬品が置かれています。舟のミニチュアは死後の世界でナイル川を下るためのもので、冥界の神オシリスが祀られるアピドスに詣でることを目的としています。素晴らしい工芸品です。


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これはミイラを収めるためのものですね。なんだか見ちゃいけないものを見ている感覚に襲われます。ぶるっ・・・。


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ネフェルティティの胸像は、ずい分探し回った挙句に1階にはないことが分かり、2階のギャラリーにエレベーターで上がって20年ぶりの再会を果たします。以前よりも綺麗になっているように思えます。そのため、神秘性よりも1人の生身の女性の印象が強くなります。とは言え、エジプト美術の芸術性の高さを示す作品であることには変わりありません。残念ながら、このネフェルティティだけは撮影禁止なので、パンフレットの写真で代用します。悪しからず。


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このあたりで、早々に今日の日程はおしまいにしましょう。博物館・美術館は1日1つが良いですね。やはり疲れます。

最後は食い気で古き良きベルリンを感じさせてくれるレストランのトゥホルスキーRestauration Tucholskyに携帯で予約を入れてみます。


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首尾よく予約が取れ、早速お店に向かいます。なるべく歩く距離の短いルートを考えて、遠回りになりますが電車で移動することにします。
まずは博物館島から脱出しましょう。博物館前には、広々とした芝生広場ルストガルテンLustgartenがあります。


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ウンター・デン・リンデンUnter den Lindenの大通りを歩きます。この辺りはバスしか走っていないので、少し徒歩で移動する必要があります。


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ベルリン大聖堂Berliner Domの真ん前を通り過ぎます。実に凝った装飾が施されています。


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ハッケシャー・マルクト駅Hackescher MarktからSバーンを乗り継いで、レストランのトゥホルスキーの最寄り駅のオラニエンブルガー・シュトラーセ駅Oranienburger Str.に到着します。この駅からレストランまでは徒歩5分ほどです。またまた途中に花屋さんが見えますが、通りの反対側なのでパス。配偶者には遠くから見るだけにしてもらいます。


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やがて、通り(トアシュトラッセTorstraße)の向かい側にレストランが見えます。最後の力を振り絞って、何とか到着です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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このレストランでのドイツ料理のディナーを楽しみます。



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20年ぶりのベルリン:古きベルリンの雰囲気を感じさせるドイツ料理店レストラン・トゥホルスキー

2012年4月14日土曜日@ベルリン/9回目

ベルリンBerlinの人気ドイツ料理店レストラン・トゥホルスキーRestauration Tucholskyは、大きな通りトアシュトラッセTorstraße沿いにあります。


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が、大通り側には入口がないので、店の入口を探して店の左側にある中庭に入ってみます。中庭への入口には、トゥホルスキーの店名が大きく書かれた門があります。


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中庭は緑豊かな庭で、大きなオープンテラスのスペースになっています。でも今日は寒くて、とても戸外で食事する気にはなれません。ベルリンっ子なら平気なのかも知れませんけどね。


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やはり店の入り口は、この中庭に面してあります。建物も気取らず親しみやすい雰囲気です。


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店内のアンティークな装飾も素敵だし暖かいので、室内で頂くことにします。店内は日本で言うなら、昭和を感じさせる懐かしい作りとも言える雰囲気です。


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店内は全体が古色蒼然という感じ。店内に流れている音楽も古きベルリンっていう感じのものです。いかにもマレーネ・ディートリッヒが歌っているようなレコード音楽です。ノスタルジックな甘い響き・・・。こういう凝り方はsarai好みです。


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テーブルに案内してくれたウェートレスの女性にいきなり「日本人ね」(もちろん、英語で)って言われ驚いていたら、日本語メニューが出てきます。これは有り難いです。


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ドイツ料理のお勧めの「特大ロールキャベツ」(メニューに実際そう書いてあるんです!、11.5ユーロ)と「ハンブルク風カツレツ」(11.9ユーロ)をお願いします。「特大ロールキャベツ」には「ベルリン郷土料理の代表格」という説明が書いてあります。これは期待できそうですね。
トマトのクリームスープ(4.2ユーロ)とガーリック味のクリームスープ(4.2ユーロ)もお願いします。
saraiがオーダーしている相手のウェートレスが、先程気を利かせて日本語メニューを出してくれた女性です。


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中庭を望む窓際の席なので、窓際に飾った花とその先に中庭が見え、解放感があります。ゆったりとした気分でオーダーした料理を待ちます。


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レストランの内部もゆっくりと観察します。壁にはアンティークな写真や印刷物がびっしりと飾られています。いかにも、古きよきベルリンという感じです。まだ時間も早いので、客もまばらです。


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この雰囲気に浸りながら、のんびり料理を待ちます。テーブルに置いてあるレストランのパンフレット(ドイツ語)の店内紹介写真が綺麗なので、記念に1部もらって帰りましょう。


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古きベルリンの雰囲気に寛いで、今日の疲れも一時休まります。料理はどうなんでしょう。期待が高まります。


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20年ぶりのベルリン:レストラン・トゥホルスキーのドイツ料理は美味し過ぎ! でも、量が半端じゃない!

2012年4月14日土曜日@ベルリン/10回目

古きベルリンの雰囲気を感じさせるドイツ料理店レストラン・トゥホルスキーRestauration Tucholskyでのディナーです。

飲み物はすぐに出てきます。白ワインのハーフボトルをお願いしたら、デカンタ入りです。すっきりしたフルーティーな味の典型的なドイツワインです。


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パンも出てきたので、パンをかじりながらワインを味わいます。


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ようやく、料理が出てきます。
まずはスープです。これはガーリックスープで、クルトンが浮かんでいます。


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これはトマトクリームスープです。ジン風味のホイップクリームが中央に添えられています。


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寒いときのスープはとても美味しく、あっと言う間に片づけてしまいます。
まだ外は明るく、素敵な中庭を眺めながらの食事です。


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いよいよ、メインです。
これが巨大なロールキャベツです。ポテトも添えられています。


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こくのあるベーコンソースもついています。


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これはハンブルク風カツレツです。目玉焼きがのっています。珍しいですね。


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いずれも美味しいです! 配偶者とシェアしながら食べます。しかし、さすがに名前通り巨大なロールキャベツは食べきれません。完食できなかったのが残念ですが、料理は大満足です。
美味しい料理とワインに酔いしれ、疲れを忘れ、2人ともほろ酔い気分。ゆっくり酔いを醒ましてから、店を出ます。まだまだ明るいです。


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なるべく歩かないルートを選んでホテルに戻ります。
最寄り駅のオラニエンブルガー・シュトラーセ駅Oranienburger Straßeから地下鉄に乗ります。


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地下鉄の駅で奇妙なものを見つけます。面白い絵です。東京って書いてありますが、日本のことでしょうか?


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無事、ホテルに辿り着きます。
夏時間になったこともありますが、8時くらいまでは明るいので、まだ陽のあるうちにホテルにご帰還です。

さて、明日はどうしようかな。saraiはもう少し美術館を周りたい気持ちですが、配偶者はシャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgにも行きたいようです。明日の天気と体力次第ですね。

ともかく、今日は疲れが足にきました。今日の歩数は18,330歩です。1日に歩くのは1万5千歩が限度のようです。今日はゆっくりと休みましょう。


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超感動!セルゲイ・アントノフ・チェロ・リサイタルwithイリヤ・カザンツェフ@上大岡ひまわりの郷 2012.11.11

今日は上大岡ひまわりの郷コンサート・シリーズの2012年秋編の2回目のコンサートです。
このところ、毎回、感動!ってばかり書いて、実は今日も感動!というのは少し気が引けますが、本当に感動しました。
これで6回連続で感動のコンサートです。自分でも感性がおかしくなったのかしらんと思うのですが、希有な“当たり”のコンサートが続いているんです。
今日は比較的地味な室内楽のリサイタルですが、プログラムを見ても、マイナーな曲目が並び、通好みを通り越しているような気がします。
いわゆる名曲(有名曲)は皆無ですし、これまで1度も聴いたことのないバーバーとグリーグの曲もあります。
でも、本当に室内楽の醍醐味を味わうことのできる素晴らしいリサイタルでした。
チェロのアントノフは2007年のチャイコフスキーコンクールで優勝したロシアの俊英でテクニック、美音はもちろん、音楽性も素晴らしかったのですが、一番感銘を受けたのは精神性の高さ(感受性の高いハート)です。彼の演奏を聴いていると、すべての芸術の原点は、芸術作品の送り手(音楽の場合は演奏家)と受け手(音楽の場合は聴集)の間の魂の共鳴(あるいは魂の融合とまで言っていいかも知れません)だということに思い至ります。彼のチェロの響きを聴いているわけですが、もう、それは2次的なもの:単に演奏家と聴集の心をつなぐ手段でしかなく、リサイタルの場を支配しているのは彼の魂の叫びが自分の魂の奥深いところを直接揺り動かしている精神的な力です。音楽の外的な姿であるメロディーや響きはすべて、うすぼんやりとデフォルメされたようにしか感じられず、アントノフの心だけを受け止めている自分に気が付きます。
本物の芸術に出会ったときには、いつも感じる、あの感覚です。忘我の境地になって、芸術家の心と一体化した心だけの存在に昇華している自分があります。音楽はもちろんですが、素晴らしい絵画に出会ったときも希有に感じる感覚です。ココシュカの《風の花嫁》(バーゼル市立美術館)、ゴッホの《オーヴェールの教会》(オルセー美術館)など数回しか経験していませんが、美術でも同じ感覚に陥ることがあります。そう言えば、文学作品もそうですね。
こういう芸術的昇華を期待して、飽きずに芸術に接し続けているのかも知れません。
話がそれてしまいましたが、もうひとつ、このリサイタルで感銘を受けたのはチェロのアントノフの演奏だけではなく、ピアノのイリヤ・カザンツェフの演奏です。まさに彼ら二人は心をひとつにした室内楽の理想を具現化していました。それどころか、ピアノの独奏部分での美しい響きと音楽的表現は素晴らしく、ずっとチェロなしで聴いていたかったほどです。それもその筈、カザンツェフは2000年の若いピアニストのためのショパン国際コンクールで入賞した実力のある俊英です(演奏会のパンフレットにはショパン国際ショパンコンクールで入賞コンクールで入賞とありましたが、これは明らかに間違いのようです)。二人の音楽性が共鳴して、さらなる高みの音楽に達したのでしょう。楽器の違いを超えて、二人は同質性の響き、音楽表現を実現していました。一人の演奏家が同時にチェロとピアノを演奏していると言っても過言でありません。室内楽では2つの個性のぶつかり合いというのもスリリングで素晴らしいのですが、個性が融合した演奏はさらに素晴らしいことに初めて気が付きました。もちろん、片方が伴奏になっては駄目ですけどね。これだけ、実力のある音楽家が心をひとつにした演奏に至るには、お互いの信頼・尊敬のもとに、文字通り、血の滲むような練習をしたことは間違いないでしょう。本当に頭が下がります。

今回もこれ以上書くことは何もありませんが、それぞれの曲目の演奏にも触れないといけないでしょう。

今日のプログラムは以下です。

  チェロ:セルゲイ・アントノフ
  ピアノ:イリヤ・カザンツェフ

  ショパン:序奏と華麗なポロネーズ Op.3(M.ジャンドロン編曲)
  シューマン:民謡風の5つの小品 Op.102
  バーバー:チェロ・ソナタ Op.6

《休憩》

  グリーグ:チェロ・ソナタ イ短調 Op.36

   《アンコール》
     ショパン:マズルカ第45番イ短調(遺作) Op.67-4
     ショパン:ワルツ第3番(華麗なる円舞曲) Op.34-2

まず、ショパンです。最初は序奏から始まります。チェロの最初のフレーズを聴いただけでsaraiはいい気持ちになりました。溜のある見事な節回しです。序奏は余裕を持った朗々とした響きのある演奏ですが、何といってもハートのある演奏です。ポロネーズにはいると、ダイナミックで熱い演奏です。ピアノもショパンらしい美しい響き。チェロの響きでもショパンの美しさを感じられた素晴らしい演奏で、嬉しい驚きです。予習した巨匠ロストロポーヴィチを上回る演奏に思えました。

次はシューマンです。第1曲はシューマンらしい親しみに満ちたメロディーが明快に演奏されました。シューマン好きとしては満足の演奏です。第2曲は子守歌を思わせる優しい曲ですが、まさに曲想を忠実に演奏し、ほのぼのとした思いを持ちました。第3曲はsaraiが密かに「五木の子守歌」と勝手に呼んでいる親しみやすい主題が印象的な曲です。これは実に聴き応えがありました。この作品の中核をなす部分ですが、深い精神性に満ちた演奏に感銘を受けました。第4曲はこれまでの曲と一転して、祝祭的な雰囲気の勢いのある曲です。力強い演奏にこちらの気持ちも高揚してきます。最後の第5曲はフィナーレにふさわしく強く、そして、ときに優しく、終わりは気持ちよく盛り上がって、エンド。とてもよいシューマンです。これも予習したマイスキー、ロストロポーヴィチを上回る素晴らしい演奏です。

次はバーバーです。一応、予習しましたが、ほとんど初聴きに近い曲です。ところが、ぐいぐい引き込まれる演奏です。第1楽章から感動の思いで聴いていましたが、中間部の激しく熱い演奏には、もう、大感動です。アントノフの熱い心に魂を揺さぶられる思いです。第2楽章の深い響きにも気持ちがおさまることはありません。感動が深くなるばかり。第3楽章の燃え上がるような情熱には、もうこちらの心が耐えきれないほどです。バーバーの曲が何を表現しようとしているのかは理解できませんでしたが、心の奥深いところにどろどろとしたものが流れ込んできました。情念の音楽です。室内楽でこんなに感動したことはかってないことです。音楽は生で聴かないと分からないものです。それにしても、アントノフがこの曲を驚異的なレベルで手中に収めていることに感銘を受けました。ここまで演奏するには、一体、どれほど、譜面を読み込み、練習を重ねたんでしょう。もちろん、テクニックの問題ではありません。音楽的に理解し、噛み砕き、自分の表現に作り上げるということです。こういう演奏が本当に完璧な演奏というのでしょう。

休憩中にあわてて、ロビーに駆け込み、アントノフのCDを買い求めました。サイン会に参加して、感動した気持ちを伝えたかったんです。CDはR・シュトラウスとラフマニノフのチェロ・ソナタという、またまた、マイナーな曲目ですが、構いません。素晴らしい演奏であることは確信しています。

休憩後、最後のグリーグです。何というか、もう、曲がどうとか、そういうことは一切、心から排除されました。ただただ、チェロの響きを介して、アントノフの魂の声を聴きながら、自分の心に同調させていました。もちろん、美しい響き、暗鬱な気分、優しい声は聴こえてきます。
しかし、心が澄みきって、深い感動に浸っていることがすべてです。きっと、このグリーグのソナタは名曲だったんでしょう。そうでなければ、こうして、魂が揺さぶられることはありませんからね。でも、音楽は究極的には、手段として、心を表現するものなのでしょう。それが可能になるのが名曲なんだと思いました。一期一会の体験でした。

サイン会では、息子のような年齢のアントノフに感動した心を伝えましたが、若い彼は優しく微笑んで、サンキューとだけ・・・。それでいいんです。気持ちは伝わったでしょう。

上大岡ひまわりの郷コンサート・シリーズで最高だっただけでなく、これまで聴いた室内楽で最高のコンサートでした。
やっぱり、音楽なしには生きられません・・・。



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QUAD22/QUADIIの修復、そして、アントノフのCDに感銘!

昨日のセルゲイ・アントノフのチェロ・リサイタルの予習に向けて、故障していたアンプの修理に5日程前に取り組みました。

故障していたアンプはお気に入りの真空管式ヴィンテージアンプのQUAD22/QUADIIです。
2週間程前に左チャンネルがまったく鳴らなくなったんです。CDを聴いている途中、突如、この症状に襲われました。
もちろん、即、コントロールアンプQUAD22を分解し、チェックにとりかかりました。以前も同様の故障が起き、そのときはスイッチの接点の接触不良だったので、そのあたりをチェックしましたが、とりたてて、問題はなさそうでした。本格的にチェックするためにテスターを取り出すと、何と手持ちのテスターが2台ともバッテリー切れで、まずは電池の調達と相成りました。この時点で修理をいったん断念し、とりあえず、サブのトランジスター式アンプのQUAD33/QUAD606にシステムを切り換えて、しばらくはこの代替システムでCDを聴いていました。
まあ、満足できるレベルでCDは聴けていましたが、真空管アンプの抜けるような華やかな高音域に欠けるのだけが残念です。

セルゲイ・アントノフのチェロ・リサイタルの予習に向けて、チェロのCDを聴き始めましたが、何ともサウンドが満足できません。
そこで、急遽、真空管アンプの修理に取り組むことにしました。20年以上昔のヴィンテージアンプですから、自分で修理するのが基本です。
故障しているのはコントロールアンプQUAD22の筈ですから、再び、分解し、今度は電池を入れ換えたテスターで測定しながら、故障個所を探します。徹底的にスイッチの接点のチェックを繰り返しますが、どうにも故障個所が見つかりません。というよりもスイッチ部分は正常動作しているようです。とすると、もしかしたら、真空管が壊れたかもしれないと思い、右チャンネルと左チャンネルの真空管をそっくり、入れ換えてみます。もし、これで今までと違って右チャンネルが聴こえなくなったら、真空管のどれかが壊れたということになります。ところが、結果は何と左チャンネルが聴こえないままです。真空管には異常がないようです。ほっとしましたが、原因解明はまったく進んでいません。
ここで念の為に、コントロールアンプQUAD22からの左右の出力を入れ換えて、パワーアンプQUADIIにつないでみました。何と何と、今度は右チャンネルが聴こえなくなり、左チャンネルが鳴るようになりました。ということは、最初から思い込んでいたコントロールアンプQUAD22の故障ではなく、パワーアンプQUADIIの片方が故障しているようです。色々なケースが考えられますが、一番恐いのは真空管が壊れていることです。なかでも出力増幅用のGEC製KT66が壊れているのが一番の痛手です。オリジナルのGEC製KT66はとても高価なんです。それに入手も面倒です。恐る恐る、2台のパワーアンプQUADIIのKT66を入れ換えてみました。すると、KT66は壊れていないようです。最悪の事態は避けられました。あとはEF86の真空管が残るだけです。EF86はパワーアンプQUADIIには2本ずつ差してあります。これをそっくり、入れ換えてみました。すると、驚いたことに左右のチャンネルの両方が鳴り始めました。しかし、それも束の間、すっと片方のチャンネルの音が消えていきました。よく見ると、1本だけ、暗くなっています。このEF86が壊れたようです。このEF86の真空管はMULLARD社の英国Blackburn工場で1960年代に生産された真空管の逸品です。さすがにそのレベルの代替用の真空管は持っていませんが、EF86自体は手持ちで4本あります。そのなかで、一応、MULLARD社製のものに差し替えることにしました。固唾を飲んで、電源をオンにすると、無事に鳴り始めました。10日ぶりの復活です。やはり、この音で聴くと満足です。高域の伸びが素晴らしいサウンドです。いずれ、MULLARD社の英国Blackburn工場で1960年代に生産されたEF86の真空管を調達する必要がありますが、まったく不満のない音で鳴ってくれます。

この復活した真空管式ヴィンテージアンプのQUAD22/QUADIIでセルゲイ・アントノフのチェロ・リサイタルの予習を無事終えました。セルゲイ・アントノフのチェロ・リサイタルは昨日書いた感想の通り、素晴らしい演奏で大変、感動しました。そのリサイタル会場で購入したCDを今日、早速聴いてみました。もちろん、修理仕立ての真空管アンプで聴きました。
このCDはメジャーなレーベルからのものではなく、セルゲイ・アントノフがインディーズで出しているCDです。アマゾンでチェックしてみると、mp3のダウンロード販売でのみ入手できるという貴重なCDでした。セルゲイ・アントノフの個人サイトからは買えそうですが、普通はなかなか流通していないものを入手できて、幸運でした。CDの曲目は以下です。

 R・シュトラウス:チェロ・ソナタ Op.6
 ラフマニノフ:チェロ・ソナタ Op.19

ピアノは昨日と同じピアニストのイリヤ・カザンツェフです。
ラフマニノフのソナタは素晴らしい演奏で、昨日のリサイタルのバーバーとグリーグの演奏を彷彿とさせるものがあります。特に第1楽章の朗々としたチェロに対して、いかにもラフマニノフらしいピアノの響きの素晴らしさはまるでピアノ協奏曲第2番を聴いている感じです。それもその筈、ちょうどピアノ協奏曲第2番と同時期にこのチェロ・ソナタが作曲されたようです。そして、第4楽章の後半の素晴らしさに圧倒されました。
このアントノフは昨日のバーバーとグリーグ、そして、このラフマニノフとsaraiが聴いていない曲の素晴らしさをまるで伝道してくれるみたいです。いいCDを聴けたと満足していたら、何とまだCDは終わっていませんでした。誰の作品か、分かりませんが、とても美しい曲が流れてきます。
CDのパッケージを見ても、R・シュトラウスとラフマニノフの2曲しか収録されていないようです。その美しい曲をうっとりしながら聴き、もう一度、じっくりとCDのパッケージを見てみると、赤煉瓦の写真の上に赤い文字でボーナス・トラックの説明がありました。これでは読みづらいですね。チャイコフスキーの(チェロとピアノのための)ノクターンでした。まるで、リサイタルのアンコール曲を聴いた気分です。それもとびっきり素晴らしいアンコール曲を・・・。

ちなみにアマゾンでは、昨日聴いたショパンとシューマンの収録されたCDは容易に入手できるようです。アントノフのCDはこのほか、子供向けのものが1枚出ているだけで、それら3枚のCDはすべてインディーズです。いつか、メジャーなレーベルからCDが出ることになるんでしょうか。今、アントノフはsaraiの一押しのチェリストです。



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ブダペスト・ウィーン・ドレスデンの旅~プラハのオペラ・チケットどたばた劇

来年の4月と6月にヨーロッパに出かける準備を始めたのは既にお伝えした通りです。6月の旅では、ドレスデン、プラハでほぼ10日間の空白日程があり、そのあたりの予定の検討を進めました。ところが、その過程でとんでもない状況に陥ってしまいました。それはプラハのオペラ・チケットなんですが、その前にドレスデンでも予定追加しましたので、そこから話を始めましょう。

ドレスデンでは、ゼンパーオーパーでの《ばらの騎士》の予定だけでしたが、当ブログにコメントをいただいているsteppkeさんから貴重な情報をいただきました。《ばらの騎士》の公演の2日後にシュターツオペレッテ・ドレスデンで面白そうなオペレッタを上演するそうです。折角の機会ですから、是非、行きましょう。そうすると、ドレスデンでの滞在が2日延び、《ばらの騎士》とオペレッタの間に1日空きができます。ゼンパーオーパーの公演予定をチェックすると、バレエ公演があります。ウィリアム・フォーサイス振付のバレエでなかなか、よさそうです。特にバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータに振り付けたバレエに大変、興味を惹かれました。ということで、早速、ネットサイトから以下の公演のチケットを購入。

  2013年6月(13日) ドレスデン・ゼンパーオーパー
    バレエ《ウィリアム・フォーサイスのバレエの夕べ》

  2013年6月(14日) シュターツオペレッテ・ドレスデン
    オペレッタ《ガスパロ-ネ》(ミレッカー作曲)

これに伴って、プラハの滞在日程が2日短縮です。
プラハでは、本当はチェコ・フィル(ドヴォルザーク・ホール)か、プラハ交響楽団(スメタナ・ホール)が聴きたかったんですが、日程が合いません。そこで方針を変えて、この際、プラハの3つのオペラハウスをすべて聴いてみるということにしました。早速、プログラムをチェックしてみると次のような公演がありました。

  2013年6月(15日) 国立オペラ 
    オペラ《ラ・ボエーム》

  2013年6月(17日) 国民劇場 
    オペラ《ペレアスとメリザント》

  2013年6月(18日) エステート劇場 
    オペラ《フィガロの結婚》

エステート劇場のチケットは何故か、まだ、発売していませんが、残りの2公演は発売中です。まだ、席はがらがら空いています。
まず、国立オペラの《ラ・ボエーム》はスムーズに購入。続いて、国民劇場の《ペレアスとメリザント》も購入しました。
ここで大トラブル。チケットは自宅のプリンターでPFD形式のファイルを印刷しました。印刷した《ペレアスとメリザント》の筈のチケットをよく見ると、ええっ・・・!!! 何と《椿姫》のチケットです。日付も全然違います。きっと、自分のミスで間違った日のチケットを購入してしまったみたいです。まあ、そう高額なチケットではないので、2人分でも1万円ちょっとですが、とても気分が悪い!
どうして間違ったのか、もう一度、ネット上で確かめてみると、何と正しい日付の選択をしても、《椿姫》のチケット購入のページにジャンプします。チケット購入サイトのミスのようです。早速、チケットサイトのメールアドレスを調べて、チケットの交換か、返金をお願いしました。すぐに返事のメールがきました。驚いたことに、「大変申し訳けないが、もう、どうにもならない」って言ってきました。悪い予感はしていたので、そうショックを受けたわけではありませんが、ここで引っ込むわけにはいきません。猛烈な怒りのメールを送りつけました。すると、「言い分は分かるがどうしようもない。一応、上のものに伝える」とのことです。ここまでは国立オペラ/国民劇場のボックスオフィスとのやりとりです。
ネット上のチケット販売はticketportalというサイトで行っていたので、こちらへもメールでチケットの交換をお願いしました。こちらはもう少し、柔らかい反応で、「うまくチケットが取り出せないんなら、サポートするよ」っていう感じです。そこで、チケットが印刷できないんじゃなくて、チケット購入ページの誤りで違った日付のチケットをゲットしてしまった旨を伝えると、返事なしのダンマリ状態になりました。
もう、ここに至ってはほとんどあきらめの境地です。しばらく、頭を冷やしましょう。
ところが数日経って、チケット販売サイトからメールがきて、「返金する」っていうことです。正直、ほっとして、すぐに感謝のメールを送りました。ところが、すぐにまたメールがきて、「早速のメール、ありがとう。でも、返金するためには購入済みのチケットを送ってもらわないといけないけど、分かっている?」ということです。最初のメールをちゃんと読むと、そんなことが書いてありましたが、嬉しくて、読み飛ばしていました。購入済みのチケットというのは、自宅のプリンターで印刷したA4の紙です。また、メールで印刷した紙のチケットを郵送するのかって聞いてみると、「チケットのPDFファイルをメールに添付して送ってくれ」ということでした。早速、PDFファイルを送ると、「返金するよ」という返事がきて、一件落着。いやはや、大変などたばたでした。本当に返金されるか、まだ、分かりませんが、ここは信頼しておきましょう。(後日、確認できました。ちゃんと返金されましたよ。)

でも、これでまだ終わったわけではありません。そうなんです。まだ、《ペレアスとメリザント》のチケットを買っていません。早速、もう一度、チケット購入サイトに行くと、相変わらず、《椿姫》のチケットのほうに誘導されます。逆に《椿姫》の日付のほうに行くと、こっちは《ペレアスとメリザント》のチケットのページが表示されます。ここで買ってもいいんですが、やはり、気持ちが悪いですよね。また、メールでこの件について指摘し直しましたが、未だになしのつぶてでチケット購入サイトは間違えたままです。このままではきっと、オペラ公演の当日に混乱が起きそうですが、いいんでしょうか・・・。

その後、直接、ticketportalのホームページを覗いてみたら、そこからはちゃんと正しい日付のチケットがリンクされていました。仕方ないので、そこで《ペレアスとメリザント》のチケットを購入しました。どうもチケット販売サイトのticketportalには誤りはないようです。国立オペラ/国民劇場のホームページからのticketportalへのリンクの誤りのようです。どこの国も組織間の連携が悪いんですね。あきれたことです。


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20年ぶりのベルリン:今朝のカフェでの朝食はカルチャーコンプレックスのハッケシャー・ホーフで

2012年4月15日日曜日@ベルリン/1回目

旅の10日目です。

昨日ホテルの人が届けてくれた本日の天気予報は、『晴れ、気温17度』とのことです。レースのカーテンを通して、柔らかい光が入ってきます。テーブルの上の緑は、配偶者がカフェ・アンナ・ブルーメCafé Anna Blumeの花屋さんで買い求め、花を押し花にした残骸です。花はなくても充分ホテル住まいを和やかにしてくれています。


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期待してカーテンを開けると、薄曇りって感じです。これから晴れてくることを期待しましょう。

ベルリンBerlinの朝は、カフェでの朝食が1日の始まりです。今日は、これまた人気カフェのカフェ・フルーリーCafe Fleuryに向かいます。地下鉄を乗り継いでもうすぐ到着するというところで、急に気が変わり別のお店にチェンジです。ベルリンと言えば、歩行者信号のマークから人気の出たキャラクターのアンぺルマンが有名です。お土産を入手するためにアンぺルマン・ギャラリーAmpelmann Galerie Shopに行こうということになり、カフェもその近くにあるカフェにしようとの一瞬の決断です。即、地下鉄を降りてSバーンに乗り換えて、最寄駅のハッケシャー・マルクト駅Hackescher Marktで下車。駅からすぐ近くのカフェのハッケシャー・ホーフHackescher Hofに向かいます。途中で見慣れたお店に遭遇して、びっくりです。無印良品です。


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すぐにハッケシャー・ホーフに到着。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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カフェに入ります。若者に人気のお店とのことですが、日曜の朝は空いています。お店はとても広々としています。


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大きなバーカウンターもあります。


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窓際近くの特等席に座り、メニューの検討です。


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そのメニューですが、表紙にはお店の名前のハッケシャー・ホーフ(HACKESCHER HOF)とともにアンペルマンのキャラクターが描かれています。お洒落ですね。


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朝食メニューが本当にいろいろあり迷います。パンにハムとチーズ程度のお手軽なものから、いろんなものを盛り合わせた10ユーロくらいのセットなど種類豊富です。日本のいわゆるモーニングセットのように、トーストに卵とコーヒーのようにどこでも均一なメニューとは全く違います。2人それぞれの好みでオーダーします。かなり検討して注文したにも関わらず、近くの席の人達に運ばれてくるお皿を見るとどれも美味しそうで、それらがどのメニューなのかが気になります。あまりにもバラエティーに富んでいて、本当に見ているだけでも楽しくなりますよ。


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まず、最初にパンが運ばれてきます。


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次は飲み物です。


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配偶者はスクランブルエッグとサーモンたっぷりのセット。


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配偶者はさらにフルーツサラダを追加。


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saraiはソーセージと目玉焼きとトーストのセット。さらに、saraiはオレンジジュースとグレープフルーツのハーフカットを追加。


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豪華朝食となりました。もちろん美味しくいただき、完食です。
ちょっと、ゆっくりしたところでショッピングに行きましょう。


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20年ぶりのベルリン:ベルリンのお土産はアンぺルマン・ギャラリーが一番!

2012年4月15日日曜日@ベルリン/2回目

またまた、カフェで美味しい朝食をいただきました。このカフェ:ハッケシャー・ホーフHackescher Hofがあるのは、カフェと同名のハッケシャー・ホーフHackescher Hofというカルチャーコンプレックスの中です。ベルリンで今流行しているサブカルチャーの発信地として、複数の建物が中庭に面して、その中庭におしゃれなショップやカフェやギャラリー、小劇場などが並ぶ、ホーフと呼ばれる複合カルチャー施設が誕生していますが、このハッケシャー・ホーフはその代表格のものです。
朝食後、このホーフの8つの中庭を巡りながら、アンぺルマン・ギャラリーAmpelmann Galerie Shopを探します。まずはホーフの奥の方に向かいます。


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中庭は、こんなお洒落な建物に囲まれています。


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中庭には、花が咲き始めています。これからは緑の美しい季節になっていくのでしょう。

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可愛い噴水のある中庭もあります。


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アンぺルマン・ギャラリーがなかなか見当たらないので、もっと奥の方に進みます。


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次の中庭へは、建物の下のトンネルをくぐっていきます。


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すると、トンネルの中の通路にアンぺルマン・ギャラリーの案内があります。この先にアンぺルマン・ギャラリーがあるようです。


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やっと、この奥の中庭に面してアンぺルマン・ギャラリーがありました。さすがに人で賑わっています。


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お店の外部まで、アンぺルマンのキャラクターだらけです。アンペルマンのデッキチェア、カード、窓の模様など多彩です。


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お店に入ります。アンぺルマンというキャラクターの性格上、子供向けの商品が多いですが、狭い店内はアンぺルマングッズであふれています。


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なかなかお洒落なものも揃っています。


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saraiも配偶者もかなり気に入ってしまい、孫の女の子には髪をくくるゴム、孫の男の子にはアンぺルマンの神経衰弱カードを購入。大人向けにも何点かお土産を購入します。


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思いがけず良いお土産をゲット出来、満足、満足。アンぺルマンは赤と青のキャラクターがあって、青が進め、赤が止まれです。アンペルというのは信号機のことで、それを擬人化したからアンぺルマンです。東ドイツ時代からの遺産で、東西統合後強く生き残って発展しています。
アンぺルマン・ギャラリーを出て、次の目的地に向かいます。


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20年ぶりのベルリン:博物館島の旧ナショナル・ギャラリーでドイツ・ロマン派のフリードリヒを堪能

2012年4月15日日曜日@ベルリン/3回目

アンぺルマン・ギャラリーAmpelmann Galerie Shopでは、アンぺルマンのカードをいただきました。


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上に書いてあるドイツ語は「僕たちは2人のベルリンっ子です!」という意味です。

アンぺルマン・ギャラリーを出て、ハッケシャー・ホーフHackescher Hofの入口付近に戻ると、ホーフにあるショップやカフェなどの一覧があります。結構、多くの店舗がありますね。


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その横には、ホーフ全体のマップもあります。これを先に見ていたら、迷わずにアンぺルマン・ギャラリーに行けたのにね。


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このハッケシャー・ホーフは博物館島Museumsinselにも近いんです。目の前にハッケシャー・マルクト駅Hackescher Marktが見えています。この駅を抜けて、歩いて博物館島に向かいます。


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博物館島で、昨日は行かなかった旧ナショナル・ギャラリーAlte Nationalgalerieに歩いて向かいます。この美術館には、19世紀の作品を展示しています。ちなみに一昨日行ったベルリン絵画館Gemäldegalerieには18世紀以前の作品が所蔵されています。20世紀の作品は新ナショナル・ギャラリーNeue Nationalgalerieに展示されています。ベルリン美術館の絵画作品を全部見ようと思えば、これらの3つの美術館に行かなくてはなりませんが、今回の旅では新ナショナル・ギャラリーに行く余裕はなく、残念です。

今日見る旧ナショナル・ギャラリーには、ドイツ・ロマン派を代表するカスパー・ダーヴィト・フリードリヒ(Caspar David Friedrich)の作品があります。saraiは、これが見たかったんです。
旧ナショナル・ギャラリーには、すぐに到着。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ミュージアム・パス・ベルリンの3日間券を提示して、入場パスを受け取ります。


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3階のフロアに上がると、フリードリヒの作品だけで1部屋が占められており、壮観です。


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こんなにフリードリヒを見るのは初めてです。夢中で鑑賞します。すべてをご紹介しましょう。

これは《樫の森のなかの修道院》です。フリードリヒはこういう自然のなかに溶け込んだ廃墟を描いた作品が少なからずあります。この修道院はグライフスヴァルトGreifswald近くのエルデナ修道院です。グライフスヴァルトはフリードリヒの生地です。写実的でありながら、幻想的な雰囲気をたたえた実に印象的な素晴らしい作品です。空から地上への光のグラデーションの効果は天才的です。この作品は《海辺の修道士》とともに最初にプロイセン王室に買い上げられた作品で、出世作とも言えますね。


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これは《グライフスヴァルト近くのエルデナ修道院跡》です。上の作品と同じ対象を描いたものですが、ずい分雰囲気が違います。ずっと具象的で幻想的な雰囲気は抑えられ、柔らかさが感じられます。余程、この廃墟への思い入れがあったんでしょう。


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これは《朝の田園風景(孤独な木)》です。一見、絵のタイトルの通り、自然のなかの1本の木に人生の孤独を託しているかのようにも感じられますが、木の下にいる羊飼いと羊の群れ、そして、明るく輝く平原と朝日に輝く山々は人生の希望と晴れやかな気持ちさえ感じさせます。


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これは《海辺の月の出》です。上の作品と対になる作品です。2作品ともベルリンの領事の依頼で描かれました。この作品は上の作品とは対称的に、夕刻の海辺を描いていますが、暗さよりも静かな落ち着きをたたえています。そういう意味では、2作品とも自然への肯定的な気持ちが表れているように思えます。それにしても、バラ色に輝く月明かりの美しさは素晴らしいですね。


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これは《リーゼン山脈》です。リーゼン山脈Riesengebirgeはチェコのボヘミア平原近くの山地で、当時はドイツ領だったので、ドイツ語名ですが、今ではチェコ語でクルコノシェ山脈Krkonošeと呼ばれています。なだらかな山並みが連なり、大地の果てまで続いているように感じられます。ドイツ留学の経験のある日本画の東山魁夷の作品には、フリードリヒからの影響が見られますが、この作品はその典型的なものでしょう。


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いやはや、どの絵も完成度の高い精緻な表現で魅了されてしまいます。
まだまだ、フリードリヒの絵画は続きます。


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20年ぶりのベルリン:ドイツ・ロマン派のフリードリヒをたっぷり堪能し、満足!

2012年4月15日日曜日@ベルリン/4回目

旧ナショナル・ギャラリーAlte Nationalgalerieの3階のフリードリヒの部屋に釘付けになっています。本当に素晴らしいコレクションです。ウフィツィ美術館Galleria degli Uffiziのボッティチェリのコレクション、ウィーン美術史美術館Kunsthistorisches Museum Wienのブリューゲルのコレクション、ウィーン・レオポルド美術館Leopold Museumのシーレのコレクション、ボルゲーゼ美術館Museo Galleria Borgheseのカラヴァッジョのコレクション、ルーブル美術館Musée du Louvreのラ・トゥールのコレクション、クレーラー・ミューラー美術館Kröller Müller Museumとオルセー美術館Musée d'Orsayのゴッホのコレクションなど、質も量も素晴らしいコレクションでしたが、このフリードリヒのコレクションもそれらに肩を並べる素晴らしさです。ベルリンでは必見です!

フリードリヒの絵画鑑賞を続けましょう。

これは《窓辺の婦人》です。この後ろ姿のご婦人はフリードリヒの妻です。この絵だけはフリードリヒらしさがあまり感じられません。妻を描くと、感情が入り過ぎるのでしょうか。後ろ姿にしても、こんなに画面いっぱいに描いてしまうと、彼女の視線の先にある風景が見えません。ダリの有名な《窓辺の人物》は超絶技巧で描かれた作品ですが、このフリードリヒの作品と構図がまったく同じで、フリードリヒの作品へのオマージュです。


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これは《グライフスヴァルトの港》です。グライフスヴァルトGreifswaldはフリードリヒの生地で北ドイツの地です。この絵も空のグラデーションが素晴らしいですね。マストの切り立った船を中心に据えて、構図も美しいです。自然と人間の営みの融合が感じられます。


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これは《ヴァッツマン山》です。ヴァッツマン山Watzmannはザルツブルグ近郊にある標高3000m弱の山です。この絵も写実的な絵に見えますが、もちろん、フリードリヒの心の中で再構成された心象風景です。雪山と緑の岩山の対比が印象的です。このヴァッツマン山もこの目で直に見たいですね。


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これは《雪のなかの樫の木》です。雪と樫の木はフリードリヒが好んで描いた題材です。恐くなるくらい、とても厳しい絵です。


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これは《月を想う男と女》です。深い森のなかで月に向かって、佇む若い男女。とってもロマンチックで、幻想的でもあります。ロマン派を実感させる1枚です。美の極致とも思えます。


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これは《月の光の森深く》です。これも上の絵と同様の自然を描いていますが、人間の営みと対称的に描くことで、自然の美しさが際立っています。


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これは《海辺の2人の男》です。海辺に立つ2人の男の後ろ姿とその先にある海と空、そして、バラ色の月の光。まさに典型的なフリードリヒの世界です。水平線の位置を下から3分の1くらいのところに置き、その水平線の上に男達の肩から上を持ってくるという構成の妙が際立っています。それにしても、フリードリヒはよくよく月を描くのが好きですね。


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これは《月の光の海岸の風景》です。この絵も上の絵と同様の題材ですが、ずい分、雰囲気が変わり、暗い感じです。水平線の位置も中央付近です。


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これは《海辺の修道士》です。この絵は前回ご紹介した《樫の森のなかの修道院》と一緒にプロイセン王室に買い上げられた初期の傑作です。この絵も海辺の風景ですが、画面の大半は空です。


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これは《雪で覆われた山小屋》です。冬の自然の厳しさが伝わってきます。


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合計15枚のフリードリヒの傑作群を鑑賞し、フリードリヒの世界を満喫しました。来年はドレスデンDresdenに行くので、そこにあるフリードリヒのコレクションを是非、鑑賞しましょう。ほぼ、それでフリードリヒの傑作のかなりの作品がカバーできそうです。

引き続き、旧ナショナル・ギャラリーの鑑賞が続きます。


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20年ぶりのベルリン:旧ナショナル・ギャラリーのドイツ印象派の作品群

2012年4月15日日曜日@ベルリン/5回目

博物館島の旧ナショナル・ギャラリーAlte Nationalgalerieにはフリードリヒの素晴らしいコレクションのほかにも、マックス・リーバーマンやアルノルト・ベックリンやフリッツ・フォン・ウーデの作品も揃っています。さすがにベルリンですね。

これはアルノルト・ベックリンの《荒廃した城のある風景》です。ベックリンはこれまでドイツ人とばかり、思っていましたが、実はスイスのバーゼル出身だそうです。ただ、人生の大半はドイツとイタリアで過ごし、晩年を過ごしたイタリアのフィレンツェで傑作の数々を描いたそうです。ベックリンは印象派の画家が活躍した19世紀末に、文学、神話、聖書などを題材に、想像上のイメージを幻想的に描き出した象徴主義の画家たちの一人です。象徴主義の画家として、saraiの脳裏に浮かぶのは、フランスのギュスターブ・モロー、ルドン、そして、ベルギーのクノップフという超個性的な画家たちです。ベックリンの作品はこの部屋には、この1枚だけです。この絵はちょっと見ると、フリードリヒ風にも見える不思議な絵です。


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これはカール・フリードリッヒ・シンケルの《川の上の中世の街》です。シンケルは新古典主義の建築家ですが、絵も描いていたようです。作風はやはり新古典主義でしょうか。建築家としては、博物館島Museumsinselの旧博物館Altes Museumが彼の作品です。


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これはフランツ・フォン・レンバッハの《リヒャルト・ワーグナーの肖像》です。これは凄いものを見ました。フランツ・フォン・レンバッハ伯爵は伯爵画家としても知られていますが、何といっても彼の収集したコレクションが展示されているミュンヘンMünchenのレンバッハハウス美術館Städtische Galerie im Lenbachhausが有名です。この美術館はカンディンスキー、マルク、クレーなどを中心とした芸術運動の青騎士der Blaue Reiterの聖地です。sarai、そして、マルクの大ファンである配偶者は当然、レンバッハハウス美術館を訪れましたが、残念ながら改装中のため、まだ、入館できていません。レンバッハハウス美術館はレンバッハ伯爵邸の一部を改装して作られましたが、場所はミュンヘンのケーニヒス広場Königsplatzの一角にあります。レンバッハが同じ芸術愛好家として尊敬していたルードヴィッヒ2世が造営した広場です。そのルードヴィッヒ2世が熱烈に後援していたのが音楽家リヒャルト・ワーグナーです。そのワーグナーを描いた肖像です。レンバッハもワーグナーと親交があったんですね。


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これはマックス・リーバーマンの《ラーレンの亜麻布納屋》です。リーバーマンはフランスの印象派に傾倒し、ドイツの印象派の代表的な存在です。ユダヤ系ドイツ人であった彼はナチスの台頭によって、ドイツ画壇の中心的存在の座から追われ、寂しい最期となったそうです。それでもクレーなどとは違って、彼の作品群がベルリンでこうして見られるのですから、まだしもではないでしょうか。
この作品は暗い画面でオランダ風の絵画ですね。


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これはマックス・リーバーマンの《靴直し工房》です。これも上の作品と同様の印象を受けます。


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これはマックス・リーバーマンの《ガチョウの羽をむしる女達》です。これも精緻な画風ですが、オランダ絵画を思わせます。


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これはマックス・リーバーマンの《ライデンのStevenstift》です。これは戸外の光を表現した作品で、印象派にふさわしいものです。


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これはマックス・リーバーマンの《アムステルダムの幼児学校》です。可愛い子供たちを明るく描いていますが、ルノアールとは随分、違いますね。これがドイツ的とでも言うんでしょう。


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これはマックス・リーバーマンの《アムステルダムの孤児の女の子》です。これも戸外で描いた作品ですが、印象派というよりも、彼の独自性が感じられる作品です。


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これはフリッツ・フォン・ウーデの《ヒースのなかの小さなプリンセス》です。ウーデもドイツの印象派を代表する画家の一人です。
この作品も戸外での人物と風景を描いた印象派らしい作品ですが、精緻で写実的に描きこんでいるので、ちょっと違和感を感じます。印象派の明るい光が感じられないんです。


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これはフリッツ・フォン・ウーデの《食前の祈り》です。これは現実の場面にキリストが登場しているので、普通の意味での印象派ではなくて、宗教性との融合を図った作品です。その真価はsaraiにはまだ理解できません。カラヴァッジョからの光と陰の技法の延長線上に印象派を置いてみたとも思えますが、どうでしょうね。


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これはフリッツ・フォン・ウーデの《ザンドフォールト(オランダ)の手回しオルガンひき》です。これはまるでフランドル絵画のようにも思えます。色々な模索があったんでしょうか。


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ドイツの印象派、象徴主義の画家の作品を見ています。こんなに一度に見られる機会は今までありませんでしたから、とっても面白く感じています。

まだまだ、旧ナショナル・ギャラリーでの鑑賞は続きます。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2012/11/19 06:23
上掲のマックス・リーバーマンの絵の数々を拝見すると、題材や描かれた場所がいかにもオランダだし、色のトーンや構図などにオランダの印象派絵画の影響が非常に感じられます。調べてみたら、彼は1876年から1877年にオランダに滞在し、1874年から1914年の夏にはオランダに来て絵を描いていたということで納得。
『靴直し工房』はゴッホのオランダ時代の絵に似てるし、『ダチョウの毛をむしる女達』はオランダ黄金時代の17世紀の風俗画そのもの。オランダの印象派画家サーク・イスラエルスとも親交があったようで、スヘーフェニンヘンの海岸を描いた絵など、イスラエルスそっくりです。(今年の夏は、デン・ハーグの美術館数箇所でイスラエルスの回顧展が開かれてました)
リーバーマンの絵からは、オランダ絵画のダイレクトな影響が見て取れて興味深いです。

2, saraiさん 2012/11/19 08:35
レイネさん、こんにちは。

もう一度、リーバーマンの絵を見ると、ドイツ人というよりも、オランダ人の印象派といってもいいほどですね。でも、ナチスが台頭する前は、彼はドイツ画壇の重鎮だったのですから、ドイツにおいて、オランダ絵画の影響がいかに強いか、興味深いですね。次回のベックリンもオランダ、フランドルの影響が感じられますしね。
ところで、ヤン・ファン・エイクの『トリノ=ミラノ時祷書』を見られたとのこと、大変、羨ましく、読ませていただきました。

3, ayaさん 2013/02/10 17:55
saraiさん こんにちは。以前、バーゼルの美術館への旅でメールさせていただいたayaです。

実は、ちょっと予定変更で、6月にベルリンに行こうと思っています。
ここでのお目当ては、カスパー・ダヴィッド・フリードリヒの絵画たちです。というわけで、ぐぐっていたら、またまたsaraiさんのページに到達してしまったというわけです。 :-)

今、博物館島の美術館たちが改装中とガイドに出ていたのですが、
saraiさん昨年末にいらしたのですね。
あちらの様子はどうでしたか?

それに、さすがベルリンというべきか、、、
旧ナショナルギャラリー、新ナショナルギャラリー、絵画館など
いろいろあって、どこに何があるのか、いまいち、はっきり
しません。

教えていただけたら嬉しいです!

PS せっかくベルリンに行くので、ぜひベルリンフィルも聞きたいと
   思っていますが・・・。

4, saraiさん 2013/02/10 23:49
ayaさん、こんばんは。saraiです。

どうやら、ayaさんとは美術の趣味が合っているようですね。
ベルリンは美術の宝庫です。楽しんでください。フリードリヒは、多分、旧ナショナル・ギャラリーに最大のコレクションがあります。6月にはドレスデンでもフリードリヒの作品を堪能する予定です。

実はsaraiがベルリンに行ったのは昨年の4月です。そのときの記録を今頃、書きこんでいるので、現在の状況は分かりません。
新ナショナル・ギャラリーだけは行く余裕がなく、残念でした。絵画館、新ナショナル・ギャラリーはかなり詳しくレポートしたので、当ブルグを参考にしてください。フィルハーモニーで聴くベルリン・フィルも聴き逃せませんね。
不明点があれば、ご遠慮なく、どうぞ。

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20年ぶりのベルリン:旧ナショナル・ギャラリーでベックリンの作品群を見る

2012年4月15日日曜日@ベルリン/6回目

旧ナショナル・ギャラリーAlte Nationalgalerieでの鑑賞はドイツの印象派、象徴主義の画家の作品にはいっています。これまでは象徴主義の画家アルノルト・ベックリンの作品は1点しか見ませんでしたが、この後はベックリンのオンパレードです。前にご紹介した通り、ベックリンはスイスのバーゼルで生まれ、イタリアのフィレンツェのフィエゾレの地で没しました。フィエゾレと言えば、ルネサンス期にメディチ家の別荘があったところで、ギリシャ人や知的な人物が集ったプラトン・アカデミーが有名です。そのなかから、ボッティチェリの《春》、《ビーナスの誕生》も生まれました。saraiも以前、フィエゾレの丘に上り、遠くフィレンツェの眺望を楽しみ、在りし日の優雅さを思い起こしました。ベックリンがどのような思いでかの地を最期の住まいにしたのかは定かではありませんが、イタリア・ルネッサンスと無関係な筈はないでしょう。
ベックリンは人生の大半はドイツとイタリアで過ごしましたが、フィレンツェのフィエゾレで晩年を過ごす前にもフィレンツェに1874年から1885年まで過ごし、その間、傑作の数々を描きました。

旧ナショナル・ギャラリーで絵画を鑑賞中していると、ベックリンの超有名な《死の島》を見つけます。正直びっくりです。ここにあるんですね。かって、ヒットラーの総統室に掛けられていた作品だそうです。ところがこれをカメラに収めようとしたら、無情にもバッテリー切れ。普通はカバンに予備のバッテリーを入れて携行しているのですが、美術館では入館時に荷物をコインロッカーに預けるのがこちらの流儀です。あわてて、コインロッカーのある1階まで駆け下りて、バッテリーを交換し、戻って、パチリ。ふーっ・・・疲れる! 
これが苦労して撮影した《死の島》です。実に幻想的な雰囲気をたたえた作品です。しかも磁力に満ちていて、絵の中に自分も入り込んでしまいそうな錯覚を覚えます。ある意味、怖い絵です。


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興奮して、この絵を見ているうちにデジャヴのような感覚に襲われます。何だか、どこかで見たことがあるような気がします。よくよく考えてみると、バーゼル市美術館Kunstmuseum Baselで見たことがあります。ゴッホの絵なんかもそうですが、同じ絵を何枚も描いているものがありますが、この《死の島》は発表当時、大変な人気があったせいか、5枚も描かれたそうです。
第1バージョンは1880年に描かれて、それがバーゼル市美術館に展示されています。この旧ナショナル・ギャラリーにあるのは1883年に描かれた第3バージョンでプロイセン王室が買い上げた作品です。来年の4月に予定しているライン川の旅では、再度、バーゼル市美術館にも立ち寄る予定(目的はココシュカの《風の花嫁》に再会するためですが)なので、ちゃんと《死の島》も見てきましょう。ちなみに第2バージョンはニューヨークのメトロポリタン美術館、第4バージョンは第2次世界大戦で焼失、第5バージョンはライプツィヒ造形美術館にあります。《死の島》はフィレンツェで描かれた傑作の1枚です。

続いて、ベックリンのコレクションをまとめて鑑賞します。
これは《寄せ波》です。人魚のような裸体の女性に波が寄せている不思議な絵です。激しい波の音の響きが聞こえてきそうな感じです。この絵も1879年のフィレンツェ時代の絵です。


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これは《ヴァイオリンを弾く死神のいる自画像》です。この作品は《死の島》と並んで、ベックリンの代表作とされています。ヴァイオリンを弾く死神の音楽の響きに魅入られたようになっているベックリン。一体、どんな音楽なんでしょう。画家の表情からすると、魅惑的な響きのようです。パガニーニを連想してしまいます。
この作品はフィレンツェ時代に先立つミュンヘン時代に描かれました。


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これは《アンジェラ・ベックリンの肖像》です。ベックリンは1853年にアンジェラ・バスクッチと結婚しました。この肖像画は10年後の1863年に描かれました。結婚10周年記念ってことはないでしょうね(笑い)。


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これは《彫刻家ヨーゼフ・フォン・コップ(Josef von Kopf)の肖像》です。浅学にして、この彫刻家のことはまったく知りません。上の妻の肖像画と同じ1863年に描かれました。
ベックリンは優秀な肖像画家でもありました。


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これは《早春の農地》です。フィレンツェのフィエゾレを思わせる風景ですが、もしかしたら、ドイツかもしれませんね。1884年の作品です。


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これは《隠者》です。隠者が密やかにヴァイオリンを弾いているのを天使たちが覗き見ている不思議な光景です。ヴァイオリンからの響いてくるのは、内省的な音楽でしょう。1884年の作品です。きっと、フィレンツェで描かれたんでしょう。


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これは《画家とその妻》です。ベックリンとその妻アンジェラです。微笑ましいとしか言いようがありません。1864年~1865年の作品です。


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ベックリンは象徴主義とは言っても、ギュスターブ・モロー、ルドン、クノップフのような、ある意味エキセントリックとも思える画風とは違い、柔らかい幻想に満ちており、一般家庭に飾る絵としても成り立つところが一世を風靡したのだと思います。一方、それが彼の限界でもあったわけでしょう。新時代を切り開くシャープさがもうひとつであったとも考えられます。

旧ナショナル・ギャラリーには、フリードリヒ、ベックリン(彼はスイス人ですがドイツ語圏なので準ドイツ人かな)、リーバーマンというドイツを代表する画家たちの作品だけでなく、フランスの印象派の作品も展示されています。引き続き、旧ナショナル・ギャラリーの展示作品を見ていきましょう。


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20年ぶりのベルリン:旧ナショナル・ギャラリーにあるフランス印象派の絵画

2012年4月15日日曜日@ベルリン/7回目

旧ナショナル・ギャラリーAlte Nationalgalerieのドイツ及びドイツ系の画家の作品をご紹介してきましたが、今度はフランス印象派の作品をご紹介します。ドイツでは、早い段階でフランスの印象派作品が評価されていました。ベルリンBerlinでどのような印象派作品が収集されているのか、興味深いことです。

これはピエール=オーギュスト・ルノワールの《ヴァルジュモンの子どもたちの午後》です。裕福な銀行家ポール・ベラールの3人の娘がノルマンディー地方のヴァルジュモンにある別荘へ滞在していた時に制作された作品です。
長女マルトが椅子に腰掛けて縫い物をしており、三女リュシーが人形を抱きながら、長女に寄り添っています。次女マルグリット(マルゴ)はソファーに座りながら本を読んでいます。プチ・ブル階級の子女を愛らしく描いた作品です。
この作品を描いた時代、ルノワールは印象主義的表現に限界と違和感を感じて、新たな表現を模索していました。1880年代前半の枯渇時代(探求の時代)の作品です。苦しい時代の作品ながら、ルノワールらしく、楽しげな雰囲気が漂ってきます。


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これはピエール=オーギュスト・ルノワールの《花咲く栗の木》です。ルノワールの風景画は画面からきらきらと光の粒が煌めいてきます。とても魅力的な作品です。


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これはエドガー・ドガの《会話している2人の女性》です。ドガはパリの市井の人々の営みのふとした一瞬を切り取る作品を多く描いています。ある意味、オペラ座の踊り子のシリーズもその路線の一環です。この作品も何やら会話に没頭している女性たちの姿をスナップ写真のように切り取った感じです。会話に没頭している人たちの姿には大変、興味を持っていたようで、色々なパターンの《会話》シリーズの作品が描かれています。19世紀後半のパリの風俗画ともいえます。


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これはポール・セザンヌの《静物、花と果物》です。セザンヌの典型的な静物画で多視点で描いています。しかし、saraiには、その多視点よりも、落ち着いた色彩の描き分けとモノの素材の質感の描き分けの素晴らしさが印象的です。


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これはポール・セザンヌの《ポントワーズ風景》です。
ポントワーズ(Pontoise)はフランス中央部、イル=ド=フランスに位置する街です。このポントワーズは印象派の重要な地点となったところです。セザンヌの盟友カミーユ・ピサロはポントワーズに17年の間住みました。他にもシャルル=フランソワ・ドービニー、フィンセント・ファン・ゴッホ、ギュスターヴ・カイユボットなどが住んだり、ポントワーズで創作を行ったりしました。
1872年、ピサロはセザンヌとともに再びポントワーズへ行き、一緒に制作する間に、セザンヌはピサロの助言もあり、印象派の技法を使い始めました。その後、1882年ピサロは結局この村を離れることになります。
この作品はその前年の1881年に描かれました。この作品は一連のサント・ヴィクトワール山のシリーズの絵画を思い起こさせます。また、画面の左端を大胆に分割している2本の木はサント・ヴィクトワール山の構図でも度々用いられており、日本の浮世絵の影響を感じさせられます。また、風景をデフォルメし、色彩のブロックのように図案化しているのも特徴的で、青騎士の画家たちも影響を受けています。


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これはポール・セザンヌの《静物、果物と陶磁器》です。この作品の構図も多視点で構成されていますが、実におとなしいやりかたになっています。果物や陶磁器の質感が前面に出た作品であると感じます。


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これはエドゥアール・マネの《白いライラック》です。マネはあまり好きな画家ではありませんが、背景のシンプルな黒だけには魅了されます。白い花が浮き立って、活かされています。


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これはエドゥアール・マネの《温室にて》です。モデルは弟ウジェーヌ・マネとその妻ベルト・モリゾでしょうか? まあ、そこそこの出来の1枚ですね。


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これはエドゥアール・マネの《リュエイユの家》です。
リュエイユ・マルメゾン市はイル・ド・フランス州に属し、首都パリの西方約10キロメートル、 セーヌ川のほとりに位置する人口約7万人の都市です。印象派でも、このあたりの風景はよく取り上げられました。


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フランス印象派の作品はもう少し続きます。


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20年ぶりのベルリン:旧ナショナル・ギャラリーにあるフランス印象派の絵画-その2

2012年4月15日日曜日@ベルリン/8回目

旧ナショナル・ギャラリーAlte Nationalgalerieにあるフランス印象派の作品をルノワール、ドガ、セザンヌ、マネとご紹介してきましたが、今回は残りのピサロとモネです。

これはカミーユ・ピサロの《背景にモン・ヴァレリアンのあるルーヴシエンヌ》です。ピサロは印象派のまとめ役的存在ですが、イル=ド=フランスのポントワーズの街を主な活動拠点としていた時期がありました。この時期、同じくイル=ド=フランスのルーヴシエンヌも活動拠点の一つでした。ルーヴシエンヌは、パリのセーヌ河流域の街で、西郊約25キロのところにある当時は静かな村だったそうです。
ピサロは1868年秋にポントワーズからここルーヴシエンヌに移り、普仏戦争が始まる1870年までと、その後の1871~72年の間、ここで生活したと言われています。
この作品はその最初の時期、1870年に描かれました。モン・ヴァレリアンは近くのシュレーヌの街の高台にあった修道院跡にモン=ヴァレリアン要塞が築かれたところです。この絵が描かれた後、第1次世界大戦でドイツ軍に占領され、この要塞で1000人以上の捕虜が処刑されたことで知られています。
ルーヴシエンヌでは、ピサロは何枚も絵を描いていますが、シスレーも有名な絵を残しています。印象派の初期の中心的な地でした。


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これはクロード・モネの《草原の夏》です。この作品で座っているのはモネの最初の妻カミーユ・ドンシユで、真ん中の子供が長男のジャンのようです。この時代、モネはカミーユとジャンの屋外風景の傑作を何点も描いています。この作品でも、楽しげな妻子の姿が明るい風景に溶け込んで、モネ独特の人物入り風景画の名作に仕上がっています。
この作品は1874年に描かれましたが、その5年後、1879年、妻カミーユは次男のミッシェルを生んで間もなく、32歳の若さで死の床につきます。


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これはクロード・モネの《アルジャントゥイユの家々》です。1872年から、モネはアルジャントゥイユに6年間住みました。この作品は移り住んで2年目の1873年に描かれました。よい季節になると、ルノアールがアルジャントゥイユにやってきて、一緒にカンバスを立てて、絵を描いていました。この作品を描いた翌年の1874年が第1回印象派展ですから、初期のモネを代表する作品の一つです。


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これはクロード・モネの《ヴェトイユ・シュル・セーヌの眺め》です。モネはアルジャントゥイユからヴェトイユに引っ越し、さらにジヴェルニーに移りますが、この作品はヴェトイユ時代の1880年に描かれました。セーヌ川と緑が光あふれるタッチで描かれた見事な作品です。


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これはクロード・モネの《サンジェルマン・ロクセロワ教会》です。この作品はルーヴル美術館の3階の東側の窓から描いた作品です。1867年という印象派という言葉もない印象派黎明期の作品です。そもそも、何故、ルーヴル美術館で描いたかと言えば、印象派の仲間たちと勉強のためにルーヴル美術館の名画の模写に通っていましたが、モネは名画よりも窓からの風景に惹かれてしまったようです。モネの面目躍如という感じです。ただ、この絵を見ると、実に素直に教会を写し取っており、後のルーアン大聖堂のような光そのものの表現とは程遠い作品です。イギリスに渡り、ターナーの作品の洗礼を受けるのはまだ、この後になります。この後、急速に光の表現を身に着けて、傑作群を産み出していきますが、この作品はスタート点の前に位置づけられるものです。画家の成長過程が分かる貴重な一枚です。


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旧ナショナル・ギャラリーには、まだまだ、膨大なコレクションが展示されていますが、これぐらい見れば十分でしょう。今日もたっぷりと美術鑑賞でき、満足です。このあたりで美術館を出ます。
まだ、旧ナショナル・ギャラリーの建物をご紹介していなかったので、美術館の外観をご覧ください。堂々たるギリシャ様式の建物です。


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これでsaraiは満足し、次は配偶者の要望のシャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgに向かいます。



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20年ぶりのベルリン:美しきシャルロッテンブルク宮殿

2012年4月15日日曜日@ベルリン/9回目

旧ナショナル・ギャラリーAlte Nationalgalerieでの絵画鑑賞を終え、博物館島Museumsinselを離れます。シュプレー川Spreeは相変わらず、遊覧船が行き交っています。


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昨日の体力消耗に懲りたので、なるべく歩かないようなルートを考えて、シャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgに向かうことにします。まずはSバーンのハッケシャー・マルクト駅Hackescher Marktから電車に乗ります。駅のプラットホームは美しい模様で飾られています。


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次はアレクサンダー・プラッツ駅Alexanderplatz BahnhofからUバーン(地下鉄)の2号線U2に乗り継ぎます。駅のプラットホームに下りると、さすが、音楽の都です。ベルリン国立歌劇場の公演スケジュールが掲示してあり、じっと見入ってしまいます。


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シャルロッテンブルク宮殿の地下鉄の最寄駅ゾフィー・シャルロッテ・プラッツSophie-Charlotte-Platzに到着し、地上に上がると、綺麗な緑の公園リーツェンゼーパルクLietzenseeparkがあります。


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ここからは309番のバスを乗り継ぎます。


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バスはまっすぐにシュロス通りSchloßstraßeを走り、ようやく、シャルロッテンブルク宮殿にたどり着きます。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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宮殿前の広い通り、シュパンダウアー・ダムSpandauer Dammを渡ると、宮殿の正面の広場に出ます。正面の建物は宮殿本棟(Altes Schloss)です。ベルリンで最も美しい宮殿だと言われています。
シャルロッテンブルク宮殿は初代プロイセン国王フリードリヒ1世が妃ゾフィー・シャルロッテの夏の離宮として建てさせたもので、彼女の名前に因んで、シャルロッテンブルク宮殿と呼ばれるようになりました。1695年から3期に分けて建てられ、現在の形になったのは1790年のことです。1943年、第2次世界大戦で破壊されましたが、その後、再建されて、現在の姿で公開されるようになりました。


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宮殿前広場の中央には大選帝侯フリードリヒ1世の騎馬像が堂々たる姿で立っています。


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早速、入館します。折角ですから、チケットのほかに、写真撮影許可証も購入します。今回は堂々と写真撮り放題です。


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いやはや、広大な宮殿です。もっともヨーロッパの宮殿はどれも広大ですから、これが特別っていうわけではありません。日本語のオーディオ・ガイド(入館チケットに含まれる)のご丁寧な解説付きで宮殿を1階から見学します。
最初に宮殿のジオラマがあり、それだけでも、宮殿の広大さが実感できます。


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肖像画が所狭しと展示されている部屋です。部屋の内装もたいそう立派。


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天井画もなかなかのものです。


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次々と続く豪華な部屋をオーディオ・ガイドの解説を聞きながら、進んでいきます。


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シャルロッテンブルク宮殿の見学はまだまだ始まったばかりです。


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20年ぶりのベルリン:シャルロッテンブルク宮殿の1階の豪華な内部にため息

2012年4月15日日曜日@ベルリン/10回目

シャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgの一階の中央部には、歴史の間としてフリードリヒ1世と妃ゾフィー・シャルロッテの部屋があります。広い回廊が一直線に続き、それに沿って、いくつもの豪華な部屋が並んでいます。


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これは妃ゾフィー・シャルロッテの肖像画かな?


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こちらはフリードリヒ1世の肖像画かな?


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この部屋は壁に鏡がはめ込まれ、ふんだんに金細工で装飾された豪華な部屋です。もちろん、シャンデリアも下がっています。


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部屋にある家具・調度も素晴らしく、これは象嵌細工のテーブルです。


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この部屋は壁に大きなタペストリーが何枚も飾ってあります。装飾と防寒を兼ね備えているんでしょうか。


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庭に面した大きな広間は大きく開口したガラスの窓から美しい庭園が望めます。


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窓から見る庭園は広大で、遠くには噴水も上がっています。後で是非、歩いてみましょう。残念ながら、この広間から、直接、庭園に出ることはできません。


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古い鍵盤楽器が展示されています。チェンバロでしょうか。装飾が実に美しいですね。演奏も聴いてみたいものです。


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この部屋にも、大きなタペストリーが飾ってあります。紳士・淑女が楽しげにしている図案です。ロココ調のように思えます。


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この部屋には見事なシャンデリアが吊り下げられています。


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この部屋は、大きなタペストリー、シャンデリア、天井装飾と豪華に内装されています。


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どこまでも豪華な宮殿内部が続きます。戦争の破壊の後は全然感じません。立派に修復したようです。1階の見学はまだ続きます。


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20年ぶりのベルリン:シャルロッテンブルク宮殿でもっとも有名な陶磁器の間

2012年4月15日日曜日@ベルリン/11回目

シャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgの1階はフリードリヒ1世と妃ゾフィー・シャルロッテの部屋が並んでいます。豪華な部屋が次々と現れます。

この部屋の中央には、中国風の厨子の家具が置かれています。


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部屋の壁は赤く装飾されていて、中国風に感じますが、実際はどうなんでしょう。


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中国風の陶磁器の壺も置いてあります。


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この部屋には美しい天井画、そして、上方の壁にも美しい壁画が描かれています。


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次はこのシャルロッテンブルク宮殿でもっとも有名な陶磁器の間です。


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壁という壁には、びっしりと陶磁器が飾られています。


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物凄い量の陶磁器に圧倒されます。ドレスデンDresdenのツヴィンガー宮殿Zwingerの陶磁器コレクションも素晴らしいですが、こんなに高密度で陶磁器が飾られているのは驚きです。


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そして、飾られている陶磁器もとても素晴らしい逸品揃いです。


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これらの陶磁器コレクションはゾフィー・シャルロッテが集めたそうです。ツヴィンガー宮殿の陶磁器コレクションを集めたアウグスト2世と並ぶ陶磁器コレクターです。飾られている陶磁器はとても保存状態がよく、ゾフィー・シャルロッテが集めた当時とそんなに変わっていないのではないかと感じます。


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次の部屋はとても美しい礼拝堂です。金の装飾がふんだんに使われています。


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壁面には美しい金の装飾とともに、だまし絵の壁画が描かれています。


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向い合せのこちらの壁面には、可愛くて美しいパイプオルガンがあります。


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これは金で装飾された天蓋付の司教座でしょうか。天使が周りに配置されて、とても豪華です。


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子供の横たわった彫像です。少し、薄気味悪い印象ですね。


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これで宮殿の1階をほとんど見て回りました。オーディオガイドを聞きながら、丁寧に周り、もう、宮殿内部を見尽くした感覚です。でも、まだ、2階が残っています。


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20年ぶりのベルリン:シャルロッテンブルク宮殿の2階はただの展示室?

2012年4月15日日曜日@ベルリン/12回目

シャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgは呆れるほどの贅を尽くした装飾が施されています。この宮殿は第2次世界大戦で大変な被害を受けたそうですが、1階を一通り見学した限りでは、1階の各部屋は結構、昔の状態が保存されているようです。あるいは相当の手間をかけて修復したのかもしれません。
続いて、2階に上がってみましょう。2階への階段はとても美しい階段です。


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2階に上がると、建物中央部のドーム下のホールに出ます。1階のホールと同様に大きな窓から明るい光が差し込む気持ちのよい空間です。円柱の柱に並ぶ円形のホールになっています。


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窓からは表の騎馬像のある広場や宮殿奥の庭園が見下ろせます。


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このホールの床は綺麗なフローリングになっています。やはり、2階は第2次大戦で破壊され、建物が復元されたことがよく分かります。


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ホールに続く別の部屋に行ってみると、建物自体は復元されていますが、美しい装飾は復元されていません。ただ、がらーんとした部屋です。
この部屋には銀食器が展示されています。


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次の部屋には、マイセンの食器が展示されています。


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鮮やかな色の羽根飾りの付いた金細工の兜が展示されています。これは国王が使ったものでしょうか。


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美しい王冠も展示されています。


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この部屋には、絨毯の上にテーブルと椅子、そして、壁には絵画が展示されています。しかし、部屋自体は壁や天井の装飾は皆無でただの部屋です。戦争の傷跡を感じてしまいます。


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なんだか、2階を見ていると、悲しくなってしまいます。きっと、美しい宮殿だったんでしょうね。早々に見学を切り上げ、真ん中のホールに戻ってきます。


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窓から庭園を見下ろすと、美しい庭園がどこまでもずっと続いています。これから、この庭園を見に行きましょう。


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またまた、美しい階段を通って、1階に下りていきます。


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そして、もちろん庭園に向かいます。


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20年ぶりのベルリン:シャルロッテンブルク宮殿の庭園は遠かった・・・

2012年4月15日日曜日@ベルリン/13回目

シャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgの建物内部の見学を終え、庭園散策に向かいます。
庭園に出るには長大な宮殿の建物の表側をぐるりと端まで行って回り込まないといけません。右回りでも左回りでも同じよという受付の女の子の無情な言葉を背に歩き始めます。


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建物の中程にある土産物ショップの中から庭園への抜け道はないかとあがきますが、庭は見えていても通り抜けはさせてはくれません。また、建物の表側に出て、歩くしかありません。


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表側も広大な広場になっています。綺麗な広場ですが、その広大さが恨めしい感じです。


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ふらふらと歩いて、ようやく建物の端に到達します。目の前にシュプレー川Spreeの流れが現れます。シャルロッテンブルク宮殿の庭園はシュプレー川に沿って、造られています。


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シャルロッテンブルク宮殿の地図の表示板があります。下の方にある赤く横長に塗られた部分が宮殿の建物です。そのさらに下のほうが表の広場で、そこを真ん中から右端まで歩いてきたんです。ちょうど右手の上から下に流れるシュプレー川にぶつかったところです。


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シュプレー川が傍らを流れ、遊歩道が作られています。しばらく、この川沿いの道を歩きます。


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振り返ってみると、シュプレー川が橋をくぐって、流れていきます。そのずっと先にティアガルテンTiergarten、博物館島Museumsinselがある筈です。


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シュプレー川に沿って、なおも歩き続けます。左手には庭園が広がっている筈ですが、この川沿いの道は気持ちがよいので、この道を進み、庭園の端のあたりから、左に折れて、庭園にはいりましょう。


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ほぼ、庭園の端に達したようです。前の方には、車椅子を押している人たちも散策中です。ベルリン市民の憩いの場なんですね。


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庭園の端にある池が見えてきます。


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ようやく、庭園にはいります。広大なバロック式庭園の先にシャルロッテンブルク宮殿の美しい建物が見えています。実に優雅な空間です。この風景を見て、かなりの距離を歩いてきた疲れも吹っ飛びます。


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庭園の端は池が広がっています。池の前には彫像が並んでいます。


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子供、あるいは天使の狩りの姿でしょうか。


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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。


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これから、ようやく庭園散策です。


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20年ぶりのベルリン:シャルロッテンブルク宮殿の庭園散策

2012年4月15日日曜日@ベルリン/14回目

シャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgの庭園の一番奥から、庭園散策を始めます。庭園奥にはシュプレー川Spreeから引き込んだ水で大きな池が造られています。満々とした水で、庭園に風情を添えています。


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庭園は芽吹き始めた木立が美しいです。華やかに植え込まれた花々も可愛いです。その間を散策します。


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まず、池の水際に立って、庭園全体とその向こうの宮殿を眺めます。ベルリンで一番美しい宮殿という評判も納得できます。


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庭園中央の通路を宮殿に向かって、歩き始めます。宮殿は遥か彼方です。


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庭園中の花壇の手入れがよく出来ていて、目を和ませてくれます。


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かなり歩きましたが、宮殿はまだまだ遠くに見えています。


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振り返ると、池が少し遠くに見えますが、まだ、大して歩いていませんね。もっと精力的に歩きましょう。


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ようやく、庭園中央の噴水まで歩いてきました。


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噴水の真正面に立つと、水しぶきが宮殿中央のドームと重なります。丁度、水しぶきを中心に全てが左右対称になっていて、美しいバロック様式であることを感じます。


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噴水の泉を迂回して進みます。


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宮殿の姿が大きくなってきます。


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遂に宮殿の前に到着。ここまで宮殿の表の広場から、随分歩いて回り込んできました。宮殿に入館した人はすぐにこの宮殿裏に通してくれるサービスくらいあってもいいのにと恨めしく思います。


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この宮殿前から庭園を望みます。噴水も遠く見えて、庭園端の池は全然見えなくなっています。


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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。


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ここからは庭園を散策しながら、宮殿の表側にまた脱出しないといけないようです。


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20年ぶりのベルリン:シャルロッテンブルク宮殿の庭園を散策しながら、宮殿を脱出!

2012年4月15日日曜日@ベルリン/15回目

シャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgの庭園を散策しながら、宮殿中央ドームの裏手に到着しました。
庭園はジョギングをしている人も多いです。我々も庭園を気持ち良く歩き回りますが、とても広くて、またまた歩き疲れてしまいます。
また、宮殿の建物沿いに歩いて、宮殿の端から表側の広場に戻らないと帰ることができません。何とか元気を振り絞って、建物の右手のほうに歩き出します。


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庭園の中央部分の周りは整然とした樹木の列で囲まれています。ベルサイユ宮殿をお手本にしたのでしょう。


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宮殿の前では、結婚式を終えたカップルのフォトツアーの真っ最中です。お幸せにね!


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このあたりは庭園が生垣で区切られています。庭園ももう、このあたりまででしょう。


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宮殿も中央のドームからはずい分と離れました。もう一息で庭園を脱出できそうです。


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庭園の生垣の間の道の奥には彫像も見えています。体力の余裕があれば、もう少し、生垣沿いの庭園を散策したいところですが、とても無理そうです。


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もう少し進むと、庭園の道のずっと向こうに皇族の墓所であるマウソレウムMausoleumが見えますが、そんな遠くはもちろんパスします。


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宮殿も端近くまで歩いてきました。


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しかし、宮殿本館の建物の先は少し小ぶりの建物、オランジェリーOrangerieに続いています。このオランジェリーを表側に回り込む必要があります。何とも大変です。


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行けども、行けども、オランジェリーの建物が表側に回り込むことを阻止しています。助けてくれーって感じです。


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遂に出口の鉄柵の門に達します。やったね!


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何とか、ぐるりと周って、宮殿の外に出ることができます。


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しかし、また、ここから、宮殿の中央ドームに戻らないとバス停がありません。もー、草臥れた!!
しかし、突如、救いの神が出現します!何と、目の前がちょうどM45番のバスのバス停じゃありませんか。バス停を求めて、さまよい歩かずにすんで助かります。


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さて、バスをここで待ちましょう。どんなに待たされてももう動かないぞという固い気持ちです。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。


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20年ぶりのベルリン:シャルロッテンブルク宮殿の後の夕食はとても質素にフリッツ&CO. のカリーヴルスト

2012年4月15日日曜日@ベルリン/16回目

シャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgの庭園から宮殿の建物の西端を回り込んで表側に出て、ちょうど、そこにあったバス停からバスに乗ります。M45番のバスに乗ります。このバス路線は終点がツォー駅Zooなので、そこからはホテルまで歩いて戻ることができます。とても具合がいいですね。ほどなく、M45番のバスがやってきて、乗り込みます。さて今夜の夕食はどうしましょうか。今から、ものすごい量のベルリン料理を食べる気にはなりません。しっかり食べた朝食が、まだお腹に残っています。ここは軽く、癖になったカリーヴルストを食べることにしましょう。でも街中のどこにでもカリーヴルストのお店はありますが、どうせならカリーヴルストの有名店がいいですね。終点のツォー駅でバスを降りてから、地下鉄に乗り換えて1駅移動し、ヴィッテンベルグプラッツ駅Wittenbergplatzに降り立ちます。駅の周りは4か所にカリーヴルストのお店が点在し、すぐには探しているお店フリッツ&CO. (Fritz & Co)が分かりません。地図とにらめっこして見当を付けて、近づくと派手な色合いの店がそうでした。


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幸い、この有名店には行列ができていません。早速、注文しましょう。


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メニューと価格はお店の前面左手のガラスに書かれています。これを見ながら、注文します。


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このフリッツ&CO. はフライドポテトにもこだわっているという有名店でカリーヴルストと合わせて注文することにします。saraiは注文の仕方にも慣れてきて、カレー粉たっぷりとお願いします。


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頂いたカリーヴルスト(皮つき)とマヨネーズ付のフライドポテト(ポンメス)は、saraiとしては最高の評価となります。配偶者は皮なしのカリーヴルストと小さめのパン(ブレートヒェン)です。


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とても美味しいのですが、唯一の問題点はインビス(ベルリンのB級グルメの屋台)での食事は露天でとても寒いことなんです。震えながらの美食です。

ここからはホテルもすぐ近くなので、タウエンツィン通りTauentzienstraßeをブラブラ歩いて戻ります。ドイツ最大のデパート(カーデーヴェーKaDeWe Berlin)の横も通りますが、シャッターが下りています。よくよく見渡すと、周りのお店も全部閉まっています。このあたりはベルリンで一番のショッピング街なんですけどね。あ~、日曜日だからなのでしょう。昔は、ヨーロッパの旅は土日はお店が閉まってとても不便でしたが、最近ではその習慣も大分無くなってきたようで、すっかり忘れていました。ドイツでは、まだまだこの習慣が残っているかもしれませんね。プロテスタントの国だからなのかな~。

ようやくホテル(シュタイゲンベルガー・ベルリンSteigenberger Hotel Berlin)に着きます。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


2012112901.jpg



明日は夜の便でウィーンに飛びます。saraiは、まだまだWEBチェックインの手続きなどで忙しいです。
しかし、ウィーンでは、また連日のコンサートなので、今夜はなるべく早くに休むことにしましょう。

今日の歩数は14,178歩でした。連日、よく歩いています。


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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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