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エル・グレコ礼賛!その2@東京都美術館 2013.1.22

東京・上野の東京都美術館でのエル・グレコ大回顧展、1番目のセクション《1.肖像画家エル・グレコ》を見終わり、2番目のセクション《2.肖像画としての聖人像》に移ります。これは聖人の姿を同時代の人間の肖像画と同様に描いたものです。

これは《聖ヒエロニムス》です。1600年頃の作でマドリードの王立サン・フェルナンド美術アカデミー所蔵です。カラヴァッジョなどでも多い題材ですが、より人間的な表現に思えます。もちろん、ヒエロニムスらしい禁欲的で知的な雰囲気をたたえています。


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これは《枢機卿としての聖ヒエロニムス》です。1600年頃の作でロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵です。上の作品と同一題材ですが、同じ時期に描かれたとは思えないほど、上の作品の出来が素晴らしいことに驚きます。これは工房の作品で、エル・グレコ自身の筆があまり、はいっていないのかもしれません。


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これは《福音書記者聖ヨハネ》です。1607年頃の作でトレドのエル・グレコ美術館所蔵です。これは身体の線の描き方を始め、内から出てくる強い力を感じさせられる、素晴らしい作品です。


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これは《聖パウロ》です。1607年頃の作でトレドのエル・グレコ美術館所蔵です。これも上の作品と同様なレベルの素晴らしい作品です。


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3番目のセクション《3.見えるものと見えないもの》に移ります。これは生者と死者と置き換えてもいいかもしれません。例えば、生きている聖母マリアと死後に復活したキリストを同一の画面に描き出すということです。

これは《聖母の前に現れるキリスト》です。1585年頃の作でトレドのサン・ニコラス教区聖堂所蔵です。綺麗には描かれていますが、後の時代の作品に比べて、内的なエネルギーに乏しいと感じます。ただ、あまりにマリアが美しいので、そこに惹かれました。


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これは《聖アンナのいる聖家族》です。1590-95年頃の作でトレドのメディナセリ公爵家財団タヴェラ施療院所蔵です。この時期の作品としては、大変、素晴らしい作品です。特に聖母マリアが極めて美しく描かれています。


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これは《悔悛するマグダラのマリア》です。1576年頃の作でブダペスト国立西洋美術館所蔵です。これもよく取り上げられる題材ですが、まだ、この時期のエル・グレコには、後の時代の迫力が不足していると感じます。ただ、こういう作品作成を通じて、芸術性を鍛え上げていったんでしょう。


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これは《フェリペ2世の栄光》です。1579-82年頃の作でエル・エスコリアル修道院所蔵です。この作品は後の傑作を予感させる構図となっていますが、如何せん、エネルギーの噴出がありませんね。絵の上部の神の栄光はとても素晴らしいとは思います。


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4番目のセクション《4.クレタからイタリア、そしてスペインへ》に移ります。エル・グレコは本名ドメニコス・テオトコプーロスのギリシャ人でクレタ島に生まれました。クレタで絵を描き始めた彼はイタリアのヴェネツィア、ローマに渡り、イタリア絵画の技法を身に着けます。そして、スペインで彼は自己の芸術を開花させ、大いなる高みに上りつめることになります。このセクションでは、その変遷を見ますが、どうしてもトレド時代後期の作品に目が行ってしまいます。

これは《羊飼いの礼拝》です。1605年頃の作でバレンシアのコルプス・クリスティ学院総大司教美術館所蔵です。光の効果が不思議に感じる作品です。聖母マリアに顔が明るい光に照らされているのが、とても自然で、まるで、実際に絵にスポットライトをあてている感じです。トレド時代もこの頃になると、エル・グレコの作品は高い芸術性を獲得したものが目立ちます。


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これは《受胎告知》です。1576年頃の作でマドリードのティッセン=ボルネミッサ美術館所蔵です。これはスペインに移る直前にイタリアで描かれたものですが、よい雰囲気の作品です。ただ、まだ芸術的には、これからの感です。


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これは《受胎告知》です。1600年頃の作でマドリードのティッセン=ボルネミッサ美術館所蔵です。上の作品と同一の題材ですが、何という変貌ぶりでしょう。同じ人が描いたものとは思えません。この作品はプラド美術館にある3倍のサイズのオリジナルの絵から、画家自身がレプリカを作ったものです。そのプラド美術館のオリジナルの絵は、マドリードのドニャ・マリア・デ・アラゴン学院付属聖堂主祭壇衝立の中核となっていた作品です。以前、大塚国際美術館でこの主祭壇衝立画を復元したものを見ましたが、それは素晴らしいものでした。オリジナルの主祭壇衝立画はナポレオン戦争で破壊されているので、今や、大塚国際美術館の復元したものでしか見られません。まだ、見ていないかたには、是非、鑑賞をお勧めしたいと思います。そして、sarai自身もプラド美術館にある3倍のサイズのオリジナルの絵を見たくなりました。


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鑑賞は続きますが、それはまた次回で。







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Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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