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エル・グレコ礼賛!その3@東京都美術館 2013.1.22

東京・上野の東京都美術館でのエル・グレコ大回顧展、4番目のセクションまで見ました。5番目のセクション《5.トレドでの宗教画:説話と祈り》に移ります。エル・グレコが得意とした宗教上のシーンを描いたものです。

これは《瞑想する聖フランチェスコと修道士レオ》です。1590-95年頃の作でヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア財団所蔵です。実に厳しい作品ですね。あえて、色彩までも抑えた厳しさ、しかしながら、聖フランチェスコはことさら、柔らかいタッチで描かれて、その優しい人柄を感じさせます。とても素晴らしい作品です。


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これは《聖ドミニクス》です。1605年頃の作でトレドのサン・ニコラス教区聖堂所蔵です。上の聖フランチェスコと基本的には同じような描き方ですが、芸術的には、凄い高みに達した作品になっています。身体の線がもっと、くねり、強いエネルギーを発しています。それ以上に、背景の暗い情念は凄まじいばかりです。


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これは《聖衣剥奪》です。1605年頃の作でオルガスのサン・トメ教区聖堂所蔵です。エル・グレコの最高傑作の一つである、トレド大聖堂の《聖衣剥奪》のレプリカの1枚です。オリジナルの大作は凄い迫力でしょう。ううっ・・・是非とも見たい!


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これは《羊飼いの礼拝》です。1610年頃の作でメトロポリタン美術館所蔵です。プラド美術館にあるオリジナル作品の縮小バージョンのレプリカです。もともと、エル・グレコ自身の墓所を飾る祭壇画として描かれたもので、大変、芸術性の高いものです。これも・・・オリジナルを是非とも見たい!


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これは《十字架のキリスト》です。1610-14年頃の作で東京の国立西洋美術館所蔵です。日本には、エル・グレコの作品はこのほかには、大原美術館の《受胎告知》があるのみです。エル・グレコの作品は日本には極めて少なく、本美術展の価値の高さが分かります。ただ、日本にあるエル・グレコの作品は、この作品も含めて、非常に素晴らしい作品です。この作品はまた、ゆっくりと国立西洋美術館に見に行きましょう。十字架に掛けられたキリストの身体の逆S字形の線が素晴らしいです。完璧でしょう。


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これは《キリストの復活》です。1600年頃の作でセントルイスのワシントン大学ケンパー美術館所蔵です。トレド後期の傑作群の始まりを告げるような作品です。この後、もっともっと、画面に力がみなぎるようになり、ぞくぞくと傑作が誕生します。


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最後の6番目のセクション《6.近代芸術家エル・グレコの祭壇画:画家、建築家として》に移ります。このセクションでは、彼の芸術の集大成を見ることになりそうです。

これは《洗礼者聖ヨハネ》です。1605年頃の作でセントルイスのバレンシア美術館所蔵です。これは野性味あふれた作品ですね。ストレートな表現は、この時代のエル・グレコだからこそ、できたと思います。虚飾をすべて、はぎ取ったように感じます。


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これは《聖マルティヌスと乞食》です。1599年頃の作で台南の奇美博物館所蔵です。構図は素晴らしいし、とても美しいですね。その意味では、エル・グレコは最終的な芸術完成の段階に達しています。しかし、ここにはまだ、彼の気魄がこめられていません。虚ろな美と言っては言い過ぎでしょうか。魂の画家、エル・グレコはまだこれからです。


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これは《聖母戴冠》です。1603-05年頃の作でイリェスカスのカリダード施療院所蔵です。これは横幅が2mを超す、超大作です。写真では分かりませんが、楕円形の画面をぐるぐる回る、凄まじい勢いの流れに、見ている自分が巻き込まれそうに感じます。これでこそ、エル・グレコです。saraiはじっと、この絵の前に立ち尽くしてしまいました。感動です!


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これは《無原罪のお宿り》です。1607-13年頃の作でトレドのサン・ニコラス教区聖堂所蔵です。この絵が見たくて、この美術展に足を運びましたが、この絵は期待を超えて、想像を絶する、素晴らしい作品でした。遠くから、一目見て、感動しました。やはり、エル・グレコは天才芸術家です。これまで、数限りない絵画を見てきましたが、この作品を超えるものは何枚あったでしょう。というよりも、最高の芸術作品と並び立つ“美の究極”です。画面上部に描かれている聖母マリアの神々しさには、頭を垂れる思いです。人目がなければ、きっと、跪いて、拝んだことでしょう。この1枚だけでも、この美術展を見る価値があります。(この画像をクリックして、拡大して、是非、ご鑑賞くださいね!)


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ということで、最後の最後に“超感動”が待っていました。素晴らしい美術展に行くことができて、非常に興奮しながらの帰途に着きました。実際はこの後、サントリーホールでマーラーの音楽の感動が待っていました。絵画も音楽も人間が作り出した最高の美の世界です。その両方が味わえた贅沢な1日でした。

まだ見ていないかたには、このエル・グレコ大回顧展に行くことを強く、お勧めします。日本にある間に、超傑作《無原罪のお宿り》を見ないと後悔しますよ! saraiはこうなったら、本当にトレドで《オルガス伯爵の埋葬》を見るのを急がないといけないと強く、心に念じました。







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Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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昨日投稿した記事の一部に誤りがありました。ドイツ騎士団の中庭はパスしないで、ちゃんと見ていました。追記・修正しました。申し訳ありません。

08/07 00:28 sarai

えりちゃさん、saraiです。お久しぶりです。

これは昨年の9月のウィーンですが、現在のコロナ禍では、古き良き日という風情ですね。もう、ポスト・コロナでは、行けたにし

07/20 12:41 sarai

Saraiさま、
お元気ですか?
新型コロナウィルス、自粛中。
このウィーンの散策を読んでいると、なんだか切なくて悲しくなってきました。
次はいつ行けるのかな、とか思う

07/20 05:08 えりちゃ

はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai
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