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ウィーンで音楽三昧:レオポルド美術館のクリムト展・・・何とそこにあったのは驚きの展示!

2012年4月20日金曜日@ウィーン/4回目

クリムト展を目指して、いざ、レオポルド美術館Leopold Museumに向かいます。
今、ウィーンはクリムト生誕150年でクリムト一色の感があります。今回の旅で3つ目のクリムト展はこのレオポルド美術館です。


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まずはチケットを購入しましょう。窓口は空いていますね。


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これが購入したチケット。このレオポルド美術館では、クリムトとシーレが2大スターです。


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今回のクリムト展の展示の目玉は以下の3つです。なお、クリムト展のフロアでは写真撮影禁止なので、写真ではご紹介できません。残念ですが、ご了解ください。

 ・ウィーン大学の天井画の『哲学』、『医学』、『法学』のモノクロ復元図の展示。
  特に『医学』は女神ヒギュエイアの部分だけは色づけされています。『医学』の下絵(色付き)も一緒に展示されています。
  大変、興味深い展示です。

 ・クリムトのアトリエが再現されて、ホフマンの作成したインテリアも展示されています。
  これも興味深い展示です。

 ・クリムトから恋人エミーリエ・フレーゲに宛てた数百枚の絵葉書が展示されています。
  絵や写真の上に走り書きしたもので、ドイツ語での内容とその英語訳が展示されています。なかなか見ることのできないものですね。
  クリムトは相当に筆まめだったようです。
  クリムトとは直接関係ないですが、あまりの絵葉書の種類の多さにビックリ。
  当時、絵葉書が1つの文化として確立していたことが感じられます。

ところで、鑑賞の途中でトイレに行ったのですが、トイレは美術館にはなく、同じ建物にあるレストランに併設されています。だから、トイレに行くには一旦美術館を出ることになるので、再入館のためにチケットが必要になります。チケットを管理しているsaraiが先だったので、配偶者は立ち往生せずに済みました。よかったね・・・。

以上の他、レオポルド美術館所蔵のクリムトの名画やよそからの特別貸し出しの作品も展示されており、なかなかの内容です。写真が撮れなかったのが本当に残念です。もっとも、レオポルド美術館所蔵のクリムトの絵画は既に前回の訪問時に撮影済みではあります。既にここでご紹介もしました。

クリムト展のフロアから一般展示のフロアに移動します。ここからは写真撮影OKです。このフロアの一角にクリムトの展示を見つけました。
ボート乗り場を模した木製のデッキと実写の大きな白黒写真を壁面に貼り付けたものです。


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***突然ですが、ここからはこの詳細編を書いている今日の話です。

この写真を見て、saraiが「これはクリムトとエミリア・フレーゲがアッター湖Atterseeでボートに乗るところだね」って言うと、配偶者が「アッター湖とは限らないでしょう?」って、何故か反論します。saraiが重ねて「これはアッター湖に決まっているよ」と言っても配偶者は納得しません。仕方がないので他の写真を探すと、この写真の説明らしきものが見つかりました。そして、そこには、はっきりとアッター湖と明記されており(saraiは満足!)、さらに、何と・・・絶句!!
このボート乗り場はLitzlberger Keller (リッツルベルガー ケラー)の近くと書いてあります。


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このリッツルベルガー ケラーは、saraiの2か月後の旅のためにアッター湖の湖畔で予約しているホテルなんです。実は、単にリーズナブルな料金のホテルということで予約したのですが、予約後に、このホテルにクリムトが滞在し、このホテルを描いた作品があることが分かりました。まさか、レオポルド美術館の展示にも登場しているとは驚きです。2か月後の旅がますます楽しみになります。これもsaraiを刺激して、調査を促した配偶者のお蔭です。

2か月後の旅では、アッター湖のクリムトゆかりの地やマーラーゆかりのシュタインバッハSteinbachの作曲小屋(交響曲第2番、第3番を作曲)を訪れることになりそうです。マーラーゆかりの地のシュタインバッハのホテルにも宿泊しようと試みましたが、残念ながら4月末までホテルはクローズということでダメでした。そのかわりに、偶然クリムトゆかりのホテルに宿泊できるのは僥倖と言ってもいいでしょう。

こうしてブログを書くと、色々なことが見えてきます。それもブログの楽しみです。

話が横道にそれましたが、レオポルド美術館の展示の紹介は続きます。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2013/02/03 00:59
クリムトが泊まって絵も描いたというホテルに偶然宿泊することになり、それを展覧会の写真から発見するという経緯にはどきどきしました。さぞかしクリムトとの縁を感じられたことでしょう。ブログ記事にするために、ちょっと疑問に思ったことを調べているうちに思いがけない事実を発見して、それが自分に返ってくるということをわたしもしばしば経験していますが、今回は正にその典型ですね。興味の対象が連鎖して、思わぬ方向に繋がるというのが不思議かつ楽しいですね。

さて、オランダ、デン・ハーグの市立美術館で『カイユボット展』が始まりました。saraiさんご夫妻もこの美術館は訪問されますよね。
また、ハーレムのフランス・ハルス美術館でも、記念イヤーということでベルリンやルーブルなどからハルスの絵が何点か来ます。ハーレムはアムスからICで15分ほどの美しい町ですので、お時間があれぜひ行かれるよう、お勧めします。

2, saraiさん 2013/02/03 03:40
やっぱり、こういう話に最初に反応してくれるのはレイネさんですね。ありがとうございます。こういう発見があるので、ブログは楽しいですね。

『カイユボット展』いいですね。印象派の収集家でオルセーの基礎を築いた人ですね。彼の画風も独特・・・まとめて見たことはありません。しっかり、鑑賞します。

ハルスですか・・・ハーレム遠征きついですが、検討します。アムステルダム国立美術館も見られないので、それもいいかもしれませんね。

色んな情報ありがとうございます。

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ウィーンで音楽三昧:レオポルド美術館はクリムトだけじゃない

2012年4月20日金曜日@ウィーン/5回目

レオポルド美術館Leopold Museumのクリムト展を堪能し、今回のウィーンWienでのクリムト三昧は完了。面白いものを色々と見せてもらいました。さすがにウィーンは凄い。

せっかくレオポルド美術館に入館したからには、他の展示も楽しみましょう。窓からのウィーンの街の眺めも楽しみます。


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ウィーンの街といえば、こんな写真も展示されています。奥の方に分離派会館Wiener Secessionが見え、その手前に見えているのは昔のナッシュマルクトNaschmarktでしょう。この頃は分離派会館の見通しがよく、分離派会館の存在感がありましたね。


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レオポルド美術館の展示は前回の訪問時にかなりの量の絵画作品をご紹介済みです(記事はここにアップ済み)。今回は、まだ未紹介のなかで、saraiが気になるものをご紹介しましょう。

レオポルド美術館と言えば、まずこの人に登場してもらわないといけないでしょう。エゴン・シーレです。レオポルド美術館はシーレ美術館と改称してもおかしくないほど、世界最大のシーレ・コレクションを所蔵しています。それに今回の旅では、遂にシーレが生誕し青少年期を過ごしたトゥルンTullnにまで遠征しましたしね。
彼の気取ったポーズの写真も大目に見ましょう。彼は根っからのナルシストですね。


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まだ見ていない作品を発見しました。シーレ25歳、つまり死の前年に描いた《ラヴメーキング》です。日本語には翻訳し難いです。この絵は、紙の上に鉛筆とグワッシュ(水彩絵の具の1種)で描いたものです。


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次の絵は、既にご紹介済の「ヴルタヴァ川に面したクルマウ(チェスキー・クルムロフ)」です。23~4歳頃の作品です。クルマウ(Krumau)というのはチェスキー・クルムロフČeský Krumlov(チェコ語)のドイツ語での表記です。


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何故この作品を再度ご紹介したかというと、この絵の横にチェスキー・クルムロフの写真が展示してあったからです。この写真に似た風景ということなのでしょう。


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この写真は明らかにチェスキー・クルムロフのお城の塔の上からの写真です。そして、橋の右手の建物は昨年saraiが泊まったホテルなんです。最上階の建物の角のバルコニーのある部屋が、その時宿泊した部屋です。偶然この光景を発見して驚きます(チェスキー・クルムロフ訪問時の記事はここ)。

クリムト、シーレとくれば、次はココシュカの登場です。
これは《自画像》です。


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ここで忘れてはならないのが、「トレクロッチ峠-ドロミテの風景」です。イタリアのアルプスに当時の恋人アルマ・マーラーと旅したときの作品です。この翌年には彼らは破局を迎え、感動的な傑作「風の花嫁」が生まれます。


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saraiはスイスのバーゼルまでわざわざその「風の花嫁」を見に出かけ、とても感動しました。その「風の花嫁」の背景に描き込まれているのが、この「トレクロッチ峠-ドロミテの風景」の山岳です。


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saraiは今でも「風の花嫁」を見たときの感動が忘れ難く、2か月後の旅でスイスのバーゼルを再訪することにしています。「風の花嫁」との再会がとても楽しみです。

他の画家の作品で気に入ったものをピックアップしてみましょう。

ハンス・マカルトの「ベスタの処女」です。色使いの綺麗な美しい作品です。このマカルトの美しい色使いは「色の魔術師」とも呼ばれ、クリムトが最初に影響を受けたと言われています。ハンス・マカルトはオーストリア19世紀の画家で、ウィーンの宮廷で活躍し、歴史画の大作を数多く描いたアカデミック美術を代表する画家です。


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ヨゼフ・マリア・アオヘンタラーの「小川の妖精」です。とても美しい絵です。アオヘンタラーはウィーン分離派の主要なアーティストの一人です。


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次はコロマン・モーザーの作品をいくつかピックアップします。コロマン・モーザーは19世紀末から20世紀始めにウィーンで活躍したデザイナーで、ウィーン分離派の一人。愛称はコーロ(Kolo)で、コーロ・モーザーとも呼ばれました。 実際、ここでの展示でも、両方の呼称が使われていました。

これは第13回分離派展のポスターです。実にモダンですね。


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これは「高い水平線のヴォルフガング湖」です。彼はデザイナーですが、画家でもありました。クリムトがアッター湖の風景を描いたように、彼は同じザルツカンマーグートのヴォルフガング湖の風景をよく描いています。しかも、クリムトが風景画を正方形のキャンバスに描いたことに影響されているようです。


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これは「洞窟のヴィーナス」です。人物画もよく描いています。


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これは「恋人達」です。少しシーレの影響が感じられます。


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次はリヒャルト・ゲルストルの作品を3枚ピックアップします。リヒャルト・ゲルストルは19世紀末から20世紀始めのごく短い期間に象徴主義の画家としての人生を燃焼させました。作曲家シェーンベルクの妻マティルデと深い仲になり、作曲家は苦悩し、画家は若干25歳で首吊り自殺してしまいました。

これは「ヘンリカ・コーンの肖像」です。死の年に描かれました。病的な作品ですね。


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これは「庭のマティルデ・シェーンベルク」です。問題の愛人ですね。これも自殺した年に描かれたものです。画家はどんな気持ちでこの絵を描いたんでしょうか・・・。
ちなみにマティルデ・シェーンベルクの旧姓はツェムリンスキーです。そうです。あの作曲家ツェムリンスキーの妹なんです。


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これは「グムンデン近くの湖畔の道」です。死の前年に描かれました。アッター湖の近くのグムンデンでの作品です。これもクリムト風に真四角な風景画です。
グムンデンも2か月後の旅で訪れる予定の街です。


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ゲルストルについては、もう少し取り上げてもいいかなとも思います。そのうちに気が向いたら、またご紹介しましょう。なお、シェーンベルクがこの時期に「弦楽四重奏曲第2番」を書いています。ソプラノ独唱付きの変わった楽曲です。シェーンベルクが妻の不倫に心を乱されて、エモーショナルになって作曲したと言われています。興味のあるかたは、ラサール弦楽四重奏団の素晴らしいCDが出ていますので、聴かれてみてはいかがでしょう。

  新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集:ラサール四重奏団(4CD)

十分にレオポルド美術館の鑑賞を終え、ムゼウムシュクヴァルティアーの中庭に出ます。相変わらず、若者達で賑わっています。美術館の中では、ココシュカとアルマの愛の苦悩、ゲルストルとマティルデの愛の苦悩が渦巻いていましたが、若者達は青春を謳歌しているようです。


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次の目的地に向かいます。


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ウィーンで音楽三昧:楽友協会のステージ上で聴くティーレマン指揮ウィーン・フィル

2012年4月20日金曜日@ウィーン/6回目

またまた、レオポルド美術館Leopold Museumで思いっきり楽しみました。
次は、ウィーン・フィルの事務局に再度向かいます。どうしてもsaraiはウィーン・フィルのネクタイが欲しいんです。昨日は1人で買いに行ったのに、既に閉店していましたからね。今日は営業しています。でも、ネクタイは陳列ケースには並んでいません。係の人にネクタイは?と聞くと、ありません!と無情なお返事。Hさんは、あると言ったのに・・・すごすごと退散です。(その後、ウィーン・フィルの来日ツアーのとき、来日記念グッズのなかにネクタイを発見し、購入。ウィーンでは買えなくても東京では買えます!)

まだ3時ですが、ホテルに戻り休養しましょう。今日の席は、なんとオーケストラと同じ舞台の上なんです。そんな所まで観客席にするのかと驚きですが、楽友協会Wiener Musikvereinではいつもそうなんです。誰も見ていないとは思うけど、普通の観客とは相対するわけで、配偶者は居眠りも出来ないと緊張しています。そのため、たっぷりお昼寝をしてから出かけようというわけです。

ホテルに戻り、部屋に行く前に、習慣となっているビジネスサービスセンターにちょっと寄り道します。


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このガラス戸を開けて中に入ります。最初はちょっとどきどきしながら入りましたが、今や勝手知ったるところで、堂々と入ります。


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中には数台のPCが整然と置かれ、レーザープリンターも利用できます。ここでのインターネットでの調べものやちょっとしたプリントがsaraiの日課です。


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ビジネスサービスセンターでの日課を終え、ロビーを抜けて部屋に戻ります。5つ星ホテルは、ビジネスサービスセンターもロビーも空いていて快適です。


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さて、部屋では、お湯を沸かしてサービスされているコーヒーを淹れ、お菓子の残りを片付けましょう。旅も残り少なくなり、もう食べる機会もなさそうですからね。


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そうそう、このホテルは冷蔵庫の中に入っている飲み物は無料で飲み放題です。毎朝しっかり補充してくれます。太っ腹なホテルに、感謝!
ホテルで、配偶者はしっかりお昼寝、saraiはブログ書きの後お昼寝です。と、激しい雷の音で目が覚めます。まさに夏の夕立です。ウィーンは、冬の寒さから春を飛び越えて夏の気配ですね。突然の雨に窓の外を眺めていて、大発見です。窓から見下ろす市民公園Stadtparkの中にキラキラ光るものが・・・ヨハン・シュトラウスの像です。木立の中に見えていたのですね。


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よく見えないでしょうから、ズームアップしてみましょう。


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右手の方には、シュタットパルクの緑の先の建物群の向こうに、これから出かけるウィーン楽友協会があります。


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左手の方には、工事中のウィーン・ミッテ駅Wien Mitteも見渡せます。


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さあ、お昼寝で頭もすっきりしたところで、ウィーン楽友協会に出かけましょう。止みかけの小雨の中を、傘をさして出かけます。なんだかんだ言っても、この旅ではじめて傘を広げます。
楽友協会のグローサーザールに入り、恐る恐るステージ上に上がります。そこが今日の座席ですからね。本当にすぐ横では、ウィーン・フィルの楽団員が練習をしています。こんなところで聴いて、いいんですね。


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観客席を眺めると、まるでこちらが演奏者になったみたいで、変な感じです。


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このステージ上の席で、ティーレマン指揮ウィーン・フィルでシューマン尽くしのコンサートを聴きました。大変素晴らしいシューマンで、心の底から音楽の悦びを感じました。今や、ティーレマンとウィーン・フィルのコンビは音楽的に最高の水準に達しているという実感です。楽友協会のホールと相まって、素晴らしい音楽です。これ以上の音楽を聴くことはできないと思えるほどです。このコンサートについての記事はここにアップ済みです。

配偶者のお隣は、大阪から1人で来られた女性です。年に1度、音楽を楽しみに出かけてきているとのこと。皆さん、趣味とは言えよく頑張りますね。この方とは明日もご一緒です。(その後、彼女とはすっかりよいお友達になりました。)

コンサート後、既に雨の上がった中をHさんやほかのお友達とカフェ・ムゼウムCafé Museumに移動し、おおいに盛り上がります。ここにも、シュパーゲルがメニューに並んでいて、シュパーゲルも堪能します。

まず、サラダ。


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それから、スープ。


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これはフライ。シュパーゲル尽くしです。


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明日もティーレマンとウィーン・フィルを楽友協会で聴きます。もちろん、今日と同じプログラムです。夜はフィルクスオーパーVolksoperでオペレッタ《チャルダッシュの女王》です。ヨイ・ママンで盛り上がりそうな予感です。

今日の歩数は11,887歩でした。それほどは歩きませんでしたね。


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ベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルス①:ハーゲン・カルテット@トッパンホール 2013.2.26

今年はベートーヴェンの年になるでしょうか。初めて、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲チクルスを聴きます。もしかして、ティーレマン指揮ウィーン・フィルの交響曲全曲チクルスも聴けるかもしれません。実現したら、これも初めてです。そうすると残りはピアノ・ソナタ全曲チクルスですね。これはペライアで聴きたいですが、まあ無理でしょう。ブッフビンダーあたりが現実的でしょうか。
とりあえず、今日から、1日だけ休みの日を置いて、4日間で3夜、弦楽四重奏曲チクルスの前半を聴きます。後半は秋になります。
ハーゲン・カルテットと言えば、何といっても、バルトークの名演が忘れられません。今度はベートーヴェン、弦楽四重奏曲の双璧をなす2大傑作群です。どんな演奏になるか、もっとも期待できる実力派です。というか、saraiが現在、最も聴きたかったのが、このハーゲン・カルテットのベートーヴェンだったんです。今、夢がかないます。

さて、今日のプログラムは以下です。

  ベートーヴェン
  弦楽四重奏曲第1番ヘ長調Op.18-1
  弦楽四重奏曲第16番ヘ長調Op.135

  《休憩》

  弦楽四重奏曲第7番ヘ長調Op.59-1

今、コンサートを終え、満月の下、地下鉄の駅に頭の中に渦巻く音の響きに包まれて、ゆっくりと歩き、電車に乗り、この文章を書いています。
一言だけ・・・とてもよかった!
生きているのはsaraiにとって、音楽を聴くことと同義語です。素晴らしい演奏で人生を実感しました。

そもそも、この日のプログラムが凄い。前半が第1番と第16番、すなわち、最初と最後の弦楽四重奏曲(作曲順は第2番が最初らしいですが)です。そして、後半が中期の傑作の第7番です。これだけでベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全体も概観できそうです。

まず、第1番です。意外にオーソドックスな演奏で意表を突かれた思いです。第1楽章の展開部では白熱した演奏もありましたが、アタックの強い鋭い演奏を予期していたのとは大違いの演奏です。古典的とも思える演奏でした。
今日の午後、出かける前に予習したのは、saraiが生まれる前のブッシュ・カルテットの演奏です。第1番は実に80年前の演奏です。
 第1番 1933年
 第16番 1935年
 第7番 1942年
今回のチクルスに備えて、先週までに聴いたのは、このブッシュ・カルテットのほかに以下を聴きました。
 バリリ四重奏団(全曲)
 ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団(中期と後期のほとんどをカバー)
 ブダペスト四重奏団(全曲)
 スメタナ四重奏団(全曲)
 ラサール四重奏団(後期のみ)
一番、感銘を受けたのがブッシュ・カルテットでした。ブダペスト四重奏団も名演ですし、他もすべて素晴らしいんですが、ブッシュ・カルテットの美しさは群を抜いています。
で、第1番ですが、ブッシュ・カルテットは後期の四重奏曲を思わせる深い演奏でした。今日のハーゲン・カルテットはどちらかというと、軽やかな典雅な演奏で往年のバリリ四重奏団を思わせます。もっと、突っ込んだ演奏でもよかったのではと思わなくもありませんでした。

続いて、第16番です。これは最初から、ただならぬ様子で演奏が始まります。いかにもハーゲン・カルテットらしい自在な演奏です。次第に白熱した演奏になり、saraiも胸が熱くなります。悪く言えば、やりたい放題の演奏ですが、ぴたっとはまっているから凄い。不意にsaraiの脳裏にあるイメージが想起してきました。そうです。これはバルトーク・ワールドです。そこまで言えば、言い過ぎですが、ずっと将来に登場する四重奏曲の天才作曲家バルトークの出現を見通すような演奏です。アタックの強さ、激烈なアンサンブル、強いリズム感、すべてがバルトークを思わせますが、ちゃんとベートーヴェンなのが驚異的です。特に第3楽章での悲しげな表現がバルトークの畢生の名作の6番のもメスト(悲しげに)と記された共通主題を連想します。これらの作曲時期、ベートーヴェンもバルトークもつらい環境にあったという共通点があります。
第16番で遥か将来のバルトークを展望したのは、ハーゲン・カルテットならでは素晴らしい着想であり、表現力でもあります。saraiは第3楽章が始まると、胸が締めつけられ、涙にくれました。第16番を聴いて、こんなに強い感動を受けたのは初めてです。ベートーヴェンとバルトークを一緒に聴いたような感動でした。妙かもしれませんが、感動が倍加しました。

ここではたと気が付きました。第1番では、ハイドン、モーツァルトの古典派との世界への広がりを表すために、あえて、古典派的な演奏をこころがけたのでしょう。将来志向の先進的な第16番と対比をつけるためです。これで、ベートーヴェンの世界が大きく広がりました。スケールのおおきなチクルス・コンセプトですね。
第16番が終わり、感動の嵐に襲われました。これ以上、何を望むものがあるでしょう。

最後に第7番です。これは実に響きの美しい演奏で、中期のベートーヴェンの豊穣の世界を満喫しました。満足です。今後の中期の作品の演奏は、こういう演奏になるのでしょう。中期にふさわしい演奏になると期待できます。

明日は中期の第11番、第10番、すなわち、セリオーソとハープです。今日の第7番(ラズモフスキー第1番)のような美しい豊穣の響きの演奏になるか、もっと突っ込んだ演奏になるか、楽しみです。初期の第6番は古典スタイルでしょうね。今回のチクルスは綿密な設計図に基づいて、単曲演奏では味わえない世界に誘ってくれるようです。


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       ハーゲン・カルテット,  

ベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルス②:ハーゲン・カルテット@トッパンホール 2013.2.27

連日のハーゲン・カルテットのベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルスです。昨日は期待以上の演奏に感動しました。
今日は中期2曲と初期1曲、比較的、地味なプログラムではあります。それでも、やはり、期待してしまいます。

さて、今日のプログラムは以下です。

  ベートーヴェン
  弦楽四重奏曲第11番ヘ短調Op.95《セリオーソ》
  弦楽四重奏曲第10番変ホ長調Op.74《ハープ》

  《休憩》

  弦楽四重奏曲第6番変ロ長調Op.18-6

今日、出かける前に予習したのは、ブダペスト四重奏団の演奏です。ブッシュ・カルテットは残念ながら、今日のプログラムでは第11番(1932年、1933年)しか録音がありません。もちろん、それも聴きました。1933年の録音は不鮮明ですが、1932年の録音のほうは聴きやすく、素晴らしい演奏です。

今日のハーゲン・カルテットの演奏はまず、第11番《セリオーソ》です。第1楽章の冒頭から、気迫の伝わってくる迫力たっぷりの演奏です。いかにもハーゲン・カルテットらしい思い切って踏み込んだアクセル全開の演奏で、中期の概念を超えたような感じに思えます。圧巻だったのは第4楽章。コーダに向かって、熱い思いになりました。

続いて、第10番《ハープ》。基本的には、前の第11番と同じようなスタイルの演奏です。ただ、曲の違いでしょうか、さらに迫力を増した演奏です。それにしても、第2楽章の永遠とも思える美しさはうっとりというレベルを超えています。そして、またしても第4楽章の凄まじい演奏には、言葉を失います。

まるで双子にも思えるような第11番と第10番のハーゲン・カルテットならではの激しく、そして、美しい演奏を聴いて、もう、今日のコンサートが終わっても満足という感じです。

休憩を挟んで、後半の第6番は言わば、アンコールのような気持ちで聴きましょう。
作品18の最後を飾る、この曲をハーゲン・カルテットは華麗に演奏してくれました。中期の芳醇な響きが感じられます。これでこそ、ハーゲン・カルテットの作品18でしょう。こうなると、昨日の第1番は響きが不足していたことが明らかです。作品18の残りの4曲もさらに精度を高めた演奏を期待しましょう。それは今年の秋のシリーズになります。

1日置いて、明後日はいよいよ、名曲中の名曲、第15番が登場します。期待するなと言っても無理です。それにラズモフスキー第2番とくれば、贅沢過ぎますね。

ところで今日は当ブログにコメントを頂いているmichelangeloさんと開演前と休憩時間に楽しい語らいを持ちました。自分の娘くらいの若い女性と音楽の話題を語り合うのも不思議な感じですが、まあ、同好の士ということですね。芸術、美を語り合うのに年齢・性別は関係ないでしょう。楽しい時間を持てて、感謝しています。


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この記事へのコメント

1, michelangeloさん 2013/03/01 00:46
sarai様

ハーゲン・カルテットの演奏会、心から感動致しました。ベートーヴェンの知られざる姿を拝見できた晩となり、幸せな気分になりました。スギ花粉症など、どこかへ飛んでいました。

憧れのブロガー様であるsarai様とお話が出来ると分かった日から、いつもの倍は予習に取り組んだつもりです。短い時間でしたが、お目にかかれて本当に嬉しかったです。

室内楽は大勢では鑑賞するものでは無い為、限られた人数となりますが、この日は皆様紙音一つ立てず、静まり返った無音さえ美しかったですね。

貴重な演奏会を共有させて頂き、ありがとう御座いました。

2, saraiさん 2013/03/01 00:54
michelangeloさん、コメントありがとうございます。

そうでした、シーンと静まり返ったホールがハーゲン・カルテットの美しく、そして、激しい響きに満たされましたね。やはり、弦楽四重奏曲はいいですね。ベートーヴェンはその最高峰のひとつですものね。

よい演奏を聴いた後、語り合える仲間がいることは楽しいです。幸せな時間、ありがとうございました。

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Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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