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永遠の響き!ベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルス③:ハーゲン・カルテット@トッパンホール 2013.3.1

今日でハーゲン・カルテットのベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルスも前半シリーズは終了。前半の最後を飾るのにふさわしい力のはいったプログラムです。以前からsaraiの一番好きな第15番の登場です。もっとも、最近は第14番にも大きく心を揺さぶられていますけどね。
それに初日の「ラズモフスキー第1番」と甲乙つけ難い中期の傑作の「ラズモフスキー第2番」です。演奏するハーゲン・カルテットも大変かもしれませんが聴くほうも大変です。

さて、今日のプログラムは以下です。

  ベートーヴェン
  弦楽四重奏曲第15番イ短調Op.132

  《休憩》

  弦楽四重奏曲第8番ホ短調「ラズモフスキー第2番」Op.59-3

今日、出かける前に予習したのは、第15番はブダペスト四重奏団の演奏です。これはどうしてもブダペスト四重奏団でないと満足できません。理屈の問題を超えて、自分の耳がこの響きを要求します。ハーゲン・カルテットでも満足できないかもしれない不安があります。
第8番はブッシュ・カルテットを聴きました。素晴らしい演奏です。ブッシュ・カルテットは作品18の2~6と《ハープ》の録音がありません。残念です。もし、これらの録音があることをご存じのかたは是非、ご一報くださいね。特に1930年頃の演奏は最高です。

今日のハーゲン・カルテットの演奏はまず、第15番です。
この演奏に絶句! 生まれて、このかた、最高の弦楽四重奏曲の演奏でした。
もしかしたら、今後、2度と聴けないかもしれない空前絶後の演奏でした。第3楽章のミューズの神が舞い降りてきたかのような精妙な演奏は涙なしに聴けません。まるで永遠の時を刻むような響きに包まれて、ベートーヴェン、ハーゲン・カルテット、そして、sarai自身が融合してしまうような感覚を覚えます。意識が遠のき、天上に飛翔した思いです。美しい響きだけを感じ、ベートーヴェンが到達した高みと広大さに共鳴します。ベートーヴェンはこの曲で永遠という彼岸に到達したのではないか・・・ハーゲン・カルテットはそう表現しているような思いのこもった素晴らしい響きを綿々と紡いでいきます。第3楽章が終わったとき、体がとろけそうになっていました。第3楽章は第15番の遥かな高みですが、第5楽章も最後の高みです。美しく、そして、何故か悲しい旋律に心が震えます。感動で涙にくれるのみです。演奏が終わっても、感動した心は一向に収まりません。周りの聴衆のかたたちが談笑しているのが不思議に思えます。saraiが勝手に感動しているだけですから、構いませんけどね。20分の休憩時間、ずっと席に座ったまま、しびれたような感覚でいました。もう、この1曲で帰ってもいいくらいの思いです。

それでも休憩が終わり、後半の第8番「ラズモフスキー第2番」が始まります。第15番に続き、これも短調の曲。この曲もハーゲン・カルテットは素晴らしい響きで奏でていきます。特に第2楽章の美の極致のような響きには、うっとりします。第4楽章のフィナーレは大迫力の圧巻の演奏。しかし、第15番のような凄い感動はありません。これでベートーヴェン・チクルスの前半シリーズは完了ですが、最高の感動を覚えた第15番、それに続く感銘を受けた第16番、当たり前かもしれませんが、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の後期の曲の素晴らしさを改めて思い知らされました。もちろん、ハーゲン・カルテットも後期の曲には強い思い入れがあるのでしょう。見ていて、彼らの気魄が伝わってきました。
今日のコンサートの第15番が聴けただけでも、ハーゲン・カルテットのベートーヴェン・チクルスに3日間通った甲斐がありました。

後半のシリーズは作品18の4曲と後期の第12番~第14番及び大フーガという超大作と有名なラズモフスキー第9番という楽しみな構成です。秋の到来が楽しみですね。特に後期の4曲は凄い演奏が続きそうで、恐いくらいです。



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       ハーゲン・カルテット,  

ブルックナー交響曲第9番の名盤:ハイティンク+ロンドン交響楽団のコンサート前夜

明日はハイティンク指揮のロンドン交響楽団のコンサートがサントリーホールであります。昨年から、ずっと楽しみに待っていましたが、ようやく、そのときになりました。ハイティンクは高齢(3月4日に84歳になりました。ハッピーバスデイ!)なので、本当に来日が実現するか、少し心配でした。既に来日公演は大阪、福井と無事に行われたそうで、福井の知人によると、素晴らしい演奏だったそうです。今回の来日公演は残り3回です。

 3月7日 サントリーホール ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番、ブルックナー:交響曲第9番
 3月9日 サントリーホール ブリテン:4つの海の間奏曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番、ベートーヴェン:交響曲第7番
 3月10日 みなとみらいホール ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番、ブルックナー:交響曲第9番

saraiはこの3回とも聴きます。そのなかで、特にブルックナー交響曲第9番はサントリーホールとみなとみらいホールだけでの公演で大注目です。来月はヨーロッパに渡って、アムステルダムのコンセルトヘボウでハイティンク指揮のロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団で大曲のブルックナー交響曲第8番を聴くので、その前哨戦としても重要です。ハイティンクは今、saraiがもっとも敬愛する巨匠です。

明日のコンサートに向けて、集中的にブルックナー交響曲第9番の予習をしました。CDを9枚聴きました。厳選した9枚です。いずれも名盤の誉れ高いものばかりです。

 ジュリーニ+ウィーン・フィル(素晴らしかったシカゴ響も聴きたいところでした)
 ヨッフム+ミュンヘン・フィル(シュターツカペレ・ドレスデン、ベルリン・フィルも聴きたかった)
 マタチッチ+チェコ・フィル
 チェルビダッケ+ミュンヘン・フィル1995年ライブ(1981年ライブとシュトゥットガルト響も聴きたいところ)
 ヴァント+ミュンヘン・フィル、ベルリン・フィル、北ドイツ響_来日盤(ケルン放送響も聴きたかった)
 ハイティンク+コンセルトヘボウ1965年、シカゴ響2009年(バイエルン放送響2010年も部分的に聴いた)

これら以外にも、シューリヒト、クナッパーツブッシュも聴きたかったんですが、如何せん、時間的な制約があります。
最後にハイティンクのCDを聴くまでは、ヴァントの2枚、ミュンヘン・フィルとベルリン・フィルの演奏の素晴らしさが目立ちました。期待したチェルビダッケは第8番ほどの出来ではありませんが、それでもミュンヘン・フィルの響きの美しさには耳を奪われます。本当にミュンヘン・フィルのブルックナー演奏は美しさの限りを尽くしています。ヨッフム、ヴァント、チェルビダッケのどれも素晴らしい演奏です。ハイティンクやティーレマンもミュンヘン・フィルと録音してもらいたいところです。

最後にハイティンクのCDを聴きました。50年ほど前のハイティンク30代のコンセルトヘボウとの1965年の録音です。圧倒的な素晴らしさでした。以前も聴きましたが、そのときはこのCDの真価に気が付きませんでした。ハイティンクのこんなに熱い演奏を聴いたことはありません。若さ故かもしれません。評論家やブルックナー愛好家のかたは、この演奏を若さ故に熟成していないと評される向きもあるかもしれませんが、saraiはその演奏の熱さに感動しました。こんな演奏は未だに聴いたことがありません。これが無個性だと批判されることの多いハイティンクの演奏とは驚きです。まだ、聴いていませんが、ハイティンクはこの1965年の録音の後、同じコンセルトヘボウと1981年に再録音しています。こちらはもっとゆったりした演奏だということです。世評に高い演奏なので、近々、聴きたいと思っています。その前に最近の録音を聴きました。シカゴ響との2009年(2010年かも)の非正規録音です。これは巨匠の演奏で、50年前の若さはありませんが、素晴らしい演奏でコンセルトヘボウ1965年と並び立つ演奏です。ハイティンクは50年前からずっと、この曲の演奏を得意にしていたんですね。さらにバイエルン放送響2010年の非正規録音も聴きましたが、変な雑音が混入しているので、部分的にしか聴いていませんが、これは凄い演奏です。何とか、正規録音で雑音のないCDを出してほしいものです。

ともあれ、ブルックナー交響曲第9番の名盤はハイティンク(コンセルトヘボウ1965年)で決まりです。これで明日のコンサートが待ちきれないほど、楽しみになりました。

なお、ついでに8番、7番のsaraiの名盤は以下です。

 ブルックナー交響曲第8番 チェリビダッケ(リスボン・ライブ、TOKYOライブ、ミュンヘン・ライブ)
 ブルックナー交響曲第7番 ヨッフム(コンセルトヘボウ来日盤、シュターツカペレ・ドレスデン、ベルリン・フィル)

もっとも、もう一度、ハイティンクを聴き直すので、逆転の可能性もあります。

明日のコンサートでは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番がピリスのピアノで演奏されます。これも楽しみです。モーツァルトのピアノ協奏曲から曲目変更になりましたが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番はモーツァルトのピアノ協奏曲第28番みたいなものです。残念ながら、ピリスのベートーヴェンの協奏曲のCDは見当たりませんので、ペライアのピアノ、ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のCDを聴きましたが、これが素晴らしい演奏です。冒頭からのオーケストラの演奏のアンサンブルの美しさ、ペライアのピアノの粒立ちの綺麗な響き、陶然とする演奏です。明日の演奏もこうであってほしいものです。

明日、コンサートの感想記事をアップしますので、ご愛読くださいね。



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       ハイティンク,  

凄過ぎ!!ブルックナー第9番:ハイティンク+ロンドン交響楽団@サントリーホール 2013.3.7

今日のブルックナーの交響曲第9番の演奏は凄過ぎて、素晴らしいとか、美しいとか、素人の口出しが憚られます。終始、緊張して、畏まって、崇高な音楽に耳を傾けていました。演奏中は大きな感動のうねりは感じていませんでしたが、演奏後、目に一杯、涙がたまっていました。今や、クラシック音楽界の頂点にハイティンクは立ったようです。カリスマ性の感じられない指揮者がそこまで上り詰めたのは謎ですが、彼は本当に音楽が好きで内面的な人間の充実度も相まって、ここまできたのでしょう。人間国宝ならぬ、人間世界遺産です。彼が指揮台に立つだけで、どんなメジャーオーケストラも驚くべきレベルの演奏に至ります。今日のコンサートもそうでした。普通にタクトを振っているだけです。しかし、そこから生まれる音楽の自然で豊穣なこと、あり得ない音楽です。
ブルックナーの前に演奏されたピリスとの共演のベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番はとても素晴らしい演奏で、古典派の協奏曲の理想とも言えるものでした。ピアノの名人のピリスと指揮の名人のハイティンクが対峙するのではなく、優しくコミュニケートするような心を洗われるような演奏でした。この演奏だけでも素晴らしかったのですが、その後のブルックナーが凄過ぎちゃったんです。

今日のプログラムは以下です。

 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19 ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

  《休憩》

 ブルックナー:交響曲第9番ニ短調

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番については、少し、書いてみましょう。そもそも、この曲は第1番よりも先に作曲されたベートーヴェンの極めて若いころの作品で、ハイドンやモーツァルトの影響が強く感じられます。それでも、ベートーヴェンの個性もしっかり出ているので、このあたりをどう考えて演奏するかは演奏者の識見にかかっていると言えるでしょう。ハイティンクの大変若いころにベートーヴェン演奏の大御所のクラウディオ・アラウと共演した録音が残っています。これはかなり肉厚のしっかりした演奏でした。好みの問題もありますが、素晴らしい演奏です。その後、モーツァルトの演奏に実績にあるマライ・ペライアと共演した録音もあります。これはモーツァルトかと錯覚するほど、すっかりと力の抜けた演奏で、これは傑作です。
ということで、今日の演奏ですが、第1楽章、まず、オーケストラのパートが続きます。この見事な演奏に舌を巻きました。モーツァルトの傑作オペラの序曲を聴いている感じです。流麗な演奏という表現が一番、ぴったりきます。そこにピリスの粒立ちのよいピュアーな響きのピアノがはいってきます。ピリスは昔からCDでは聴いていましたが、ライブは初めてです。何と透き通った響きがホールの隅々まで広がるんでしょう。これまた見事です。ベートーヴェンと言っても、モーツァルトに近いベートーヴェンにぴったりの音色です。そして、指がよく回ること、昔と少しも変わりません。見かけだけは、ずい分、お歳をめされましたが、まだ、純な少女の心を持ち続けているとお見受けしました。
第2楽章でのピアノとオーケストラの演奏は、もうパーフェクトでしょう。どちらが主導権を持つわけでなく、それでいて、見事に息があって、しみじみとした抒情の世界を展開してくれました。
第3楽章はピアノが勢いよく飛び出し、オーケストラはなかなか、綺麗なアンサンブルにならなかったのだけが少し残念でしたが、爽快な演奏でしめくくりました。
今まで聴いたモーツァルトのピアノ協奏曲で最高の演奏です・・・しかし、実際はベートーヴェンか?、まあ、これも認定でモーツァルトの幻のピアノ協奏曲第28番ということにしておきましょう。
ところで、ピリスはヤマハもピアノを弾いていました。意外にモーツァルトには、ヤマハの繊細で純な音色が合っているようです。
ピリスは最近、ハイティンクとよく共演しているようです。とてもよい組み合わせです。ピリスはヴァイオリンの共演相手のデュメイと言い、うまく、自分に合った共演相手を見つけますね。協奏曲にせよ、室内楽にせよ、ピアノ独奏にせよ、ピリスはなかなか、素晴らしいです。これからは、もっと、積極的に聴くことにしましょう。最近、CDで旧盤のモーツァルト・ピアノ・ソナタ全集を聴きましたが、少女のような純粋なピアニズムにすっかり、魅了されました。今、モーツァルト・ピアノ・ソナタでは、これが一番のお気に入りです。入手性がよくないのが問題ですが、米国のAmazonからブリリアント盤を入手しました。段々、話が逸れていくので、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番については、これでお終いにします。とても満足しました。

ブルックナーですが、細部を語るのはやめて、崇高な演奏だったとだけ言っておきましょう。あとは、CDに絡めての話です。昨日、書いた通り、1965年、すなわち、ほぼ50年前の録音を聴いて、いたく感銘を受け、ハイティンクのそのコンセルトヘボウとのCDをブルックナーの交響曲第9番最高のCDに認定しました。若さ故という箇所もありますが、決して、それもキズにならず、とても熱情あふれる演奏です。今日の演奏も基本的には、この50年前の演奏がベースになっています。ただ、年輪を重ねて、テンポはゆったりとなり、熱情はそのままながら、雄大さを増しています。第2楽章の熱さ・激しさは昔と変わらない印象もあります。今日の演奏は昨日聴いたシカゴ響との2009年(もしかしたら2010年)とほぼ同じです、多分、今日の演奏をCD化すれば、ちょい聴きでは、シカゴ響との区別は難しいかもしれません。それに対して、バイエルン放送響の2010年盤はバイエルン放送響のドイツ的な響きを活かした演奏で一味違います。どちらがいいというものではなく、どちらもいいと思います。早く、最新の正規盤CDを出してもらいたいものです。ロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、ウィーン・フィル、バイエルン放送響、シュターツカペレ・ドレスデン、ベルリン・フィル、コンセルトヘボウ、どことでもハイティンクの至芸が聴けるでしょう(これらのオーケストラは現在、世界の7強ですね)。ただし、やはり、今日聴いた崇高さは実演でしか、なかなか実感できないかもしれません。
ところで、約30年前の1981年録音のコンセルトヘボウとのCDをゲットしました。タワーレコード限定で7~9番を格安の3000円で販売しています。これらは廃盤になっていたものですから、欲しいかたは早くゲットしたほうがいいですよ。ハイティンクの変遷を知るためにも、みなとみらいホールで再度、ブルックナーの交響曲第9番を聴く前に聴いておきます。
saraiはハイティンクのCDのうち、マーラーのCDの全コレクションをほぼ終え(2~3枚入手困難)、次はブルックナーのCDの全コレクションを目論んでいます。ハイティンクは日本での評価が低く、ネットでの情報も決して多くないので、当ブログで特集を組もうかと思案しているところです。もちろん、ベートーヴェン、ブラームス、シューマン、メンデルスゾーン、ショスタコ-ヴィチも含めてです。
4月にコンセルトヘボウでブルックナーの交響曲第8番を聴いた後、計画を練ります。

ハイティンクは以前、TVのインタビューに応えて、「ブルックナーの交響曲第9番や第8番、マーラーの交響曲第9番、ベートーヴェンの交響曲第9番はとても大切で特別な曲だから、そう滅多に演奏するものではありません。」と語っていました。そのブルックナーの交響曲第9番が今日聴けて、来月は第8番です。最近はメジャーオーケストラ(特に7強)とよく、その特別な曲を演奏する機会が増えているようです。ハイティンクも音楽人生の総決算にかかっているのかもしれません。何とか、今のうちに、あと、マーラーの交響曲第9番を7強のどこかで聴いておきたいものです。

まだ、今週の土曜・日曜のコンサートが残っています。ハイティンクが元気な姿で指揮台に立ってくれるだけで、本望です。また、拙いレポートを書きます。


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       ハイティンク,        ピリス,  

ブルックナー交響曲第9番の名盤:ハイティンク+ロンドン交響楽団のコンサート翌日

昨日はハイティンク指揮のロンドン交響楽団のコンサートがサントリーホールで聴きました。ブルックナーの交響曲第9番はブログ記事に書いた通り、崇高な演奏でした。今後、2度と聴けないかもしれない大変な演奏でしたが、また、明後日には、みなとみらいホールで再度、聴けます。何たる幸せでしょう。

ということで、未聴だった1981年録音のハイティンク+ロイヤル・コンセルトヘボウのブルックナーの交響曲第9番のCDを復習・予習も兼ねて、聴きました。
これはこれまで聴いたブルックナーの交響曲第9番のCDで最高の演奏です。今から30年以上前の演奏ですが、極めて、昨日の演奏に近いスタイルです。最初の録音は1965年でしたから、ハイティンクは36歳でまだ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の音楽監督になりたての頃で、実に若々しい熱を帯びた演奏をしていました。それから、16年後の1981年、ハイティンクも52歳、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団をしっかりと掌握し、ブルックナー交響曲全集を完成後、早くも後期の3曲を再録音した1枚がこのCDです。そして、30年以上も経ちますが、ブルックナーの交響曲第9番の正規盤CDはこれ以降、出ていません(DVDは2009年に出ていますけどね。)。このCDは、これまで聴いたハイティンクのCDでも最高の出来なので、それも当然のことだったかもしれません。
この1981年の演奏は1965年の演奏に比べて、テンポもゆったりし、コンセルトヘボウの美しい響きを引き出した名演です。特に第2楽章の圧倒的な迫力は1965年の演奏以上かもしれません。第3楽章の細部の磨き上げも見事で惚れ惚れします。眩しいほどの輝きに満ちた円熟の演奏です。
しかし、このCDで、1965年の熱気に満ちた快演の価値が減じるわけではありません。現時点で、ブルックナーの交響曲第9番のベストCDはこれらのハイティンクのCDで決まりです。ベストが1981年、それに続くのが1965年です。
もっとも、昨日の演奏は1981年の演奏とはベースは同じでも、進化した演奏でした。例えば、第2楽章冒頭の強奏でのアクセントの強い、切れのよい表現、さらに第3楽章での低弦のしっかりした響きは、新たに獲得した演奏スタイルです。今後、どこかのメジャーオーケストラとの交響曲第9番が遠くない日にリリースされるでしょう。そのときは、そのCDが決定盤になるでしょう。
その日までは、昨日の演奏、さらには、明後日の演奏を頭に刻みつけておきましょう。

明日のコンサートは以下です。
 3月9日 サントリーホール ブリテン:4つの海の間奏曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番、ベートーヴェン:交響曲第7番

もちろん、こちらも予習済みです。それについては別記事でアップします。


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       ハイティンク,  

ベートーヴェン交響曲第7番の名盤:ハイティンク+ロンドン交響楽団のコンサートに向けて

明日のコンサートのプログラムは以下です。
 3月9日 サントリーホール ブリテン:4つの海の間奏曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番、ベートーヴェン:交響曲第7番

ブルックナーの交響曲第9番に比べて、今更、ベートーヴェンの交響曲第7番の予習はそれほど、力がはいりませんが、相手は世界のマエストロ、ハイティンクです。それなりの敬意を払って、ちゃんと予習はしておきます。

その前に、ブリテンの4つの海の間奏曲の予習です。この曲はオペラ《ピーター・グライムズ》からの組曲です。まさか、オペラ《ピーター・グライムズ》を見て、予習ということもないので、適当なものを探します。すると、何と、バーンスタインのファイナル・コンサートのCDに含まれていました。タングルウッド音楽祭だったようです。ですから、オーケストラはボストン交響楽団です。また、驚いたことに、このコンサートの後半のメインはベートーヴェンの交響曲第7番です。今回のハイティンクのプログラムはこのバーンスタインのファイナル・コンサートを意識したものなんでしょうか。そう言えば、ハイティンクは米国のオーケストラでは、シカゴ交響楽団に次いで、ボストン交響楽団と縁がありますね。しかし、日本人的に言えば、ファイナル・コンサートに絡めるのは、如何にも縁起が悪いですね。ハイティンクには、是非、90歳過ぎまで頑張ってほしいと願っています。
ともあれ、このバーンスタインのファイナル・コンサートを聴きました。特にブリテンは素晴らしく、明晰な演奏で、胸にしみ入りました。ベートーヴェンの交響曲第7番もなかなか、よい演奏です。ヨーロッパのオーケストラとの経験を踏まえた深みのある演奏です。ただ、saraiはバーンスタインの演奏するベートーヴェンの交響曲第7番には、思い入れがあります。少年時代に初めて聴いたベートーヴェンの交響曲第7番が実はバースタイン指揮ニューヨーク・フィルのLPレコードだったんです。父に連れられて、東京の街に出てきて、新宿のレコード屋さんで、カラヤン、バーンスタインの2大スターのレコードを試聴させてもらい、選んだのが、バースタイン指揮ニューヨーク・フィルのLPレコードでした。この選択は間違っていませんでした。実に勢いのある新鮮な演奏でした。それにノリノリのリズミックな演奏で、初心者の少年には明快な演奏。カラヤンにしなくて、正解でした。カラヤンで初めて聴いたエロイカは後々まで理解に苦しむことになり、第7番はお気に入りの1曲になったのですから、最初に聴く演奏は重要ですね。今でも、バーンスタインの第7番はウィーン・フィルよりもこのニューヨーク・フィルが好きなんです。頭に刻み込まれてしまったんですね。ですから、このボストン交響楽団とのライブもヨーロッパの香りはしますが、落ち着き過ぎて、駄目なんです。

次いで、モーツァルトのピアノ協奏曲第17番です。これはピリスの演奏を聴きます。アバードとの共演盤もありますが、ここは渋く、グシュルバウアーとの共演盤を聴きます。いやあ、とてもいい演奏です。昨日聴いた彼女のクリアーでピュアーなタッチを思い出します。きっと、本番もよい演奏になること、間違いなしです。ハイティンクのオーケストラのコントロールも万全の筈です。昨日のベートーヴェンでよく分かりました。

最後にベートーヴェンの交響曲第7番です。時間もないので、まずは決定盤を聴きます。バーンスタインではなく、もちろん、フルトヴェングラーです。それもベルリン・フィルとウィーン・フィルの両方を聴きます。
フルトヴェングラーのベルリン・フィルとの共演は1943年、戦時下のベルリンで録音されたものです。録音テープはすべてソ連が接収していったため、ソ連のメロディヤというレーベルからのCDです。音質はまあまあですが、高音域の伸びは素晴らしく、鑑賞に問題はありません。ただ、聴衆の咳が少しうるさく感じますが、次第に演奏に没頭していくと、純粋に音楽だけが耳にはいってきます。これは異次元の演奏です。ひたすら、前に向かって前進していく推進力に圧倒されます。第2楽章も美しさを通り越して、凄味があります。そして、第4楽章はメチャメチャ、突っ走っていきます。この勢いはもう誰にも止められません。物凄く感動することが約束されている演奏です。聴いた後、ぐったりしてしまいます。もう、これ以上、ほかのCDを聴く必要を覚えません。
ですが、総合力でフルトヴェングラーの定番になっている1950年のウィーン・フィルとの演奏を聴きます。最新リマスターしたCDは音質もよく、それにも増して、当時のウィーン・フィルの合奏力の見事さに舌を巻きます。フルトヴェングラーの指定するどんなテンポでも、一糸乱れぬアンサンブルを展開します。例の第4楽章はやはり、フルトヴェングラーは突進していきます。それをウィーン・フィルは軽々とこなして、整然と演奏します。逆にこれが迫力を減少させてもいます。裏腹ですね。いくら、演奏が乱れても、音楽の緊迫感は1943年のベルリン・フィルが魅力的です。大きな感動もあります。
ただ、これは比べて聴いたときの話で、1950年のウィーン・フィルとの演奏だけを聴けば、間違いなく、大興奮して感動することも間違いありません。どちらもフルトヴェングラーの残した名演です。

次はもちろん、明日聴くハイティンクの演奏を聴きましょう。まず、コンセルトヘボウとの全集CDからの1枚を聴きます。ベートーヴェンの交響曲第7番は、何と1985年の録音です。ブルックナーの交響曲第9番の再録音よりも4年も後のものです。ハイティンクがいかにブルックナーに没入していたかが分かります。つまり、最初の録音は満を持したもので、実際、重厚で堂々たるベートーヴェンが聴けました。過不足なしの素晴らしい演奏です。最初から完成された演奏で、もう、この上に何も付け足すものなしの感です。フルトヴェングラーの物の怪に憑かれたような演奏は魅力的ではありますが、善良な市民が聴く音楽ではないかもしれません。一般的には、このハイティンクの演奏がお勧めです。
しかし、ハイティンクは20年後の2005年に再び、ロンドン交響楽団と全集を再録音しました。あの完成された演奏に何を付け加える必要があるんでしょう。興味津々で聴いてみました。絶句・・・何という飛躍を遂げたんでしょう。前回はグランドオーケストラの堂々たる正統的な演奏でした。今回は多分、編成も小さくして、緻密で活き活きしたアンサンブルを展開します。これこそ、古典派の交響曲だと確信しているかのようです。実際、saraiはハイティンクの知的な罠にまんまとはまり、夢中で聴いていました。これを聴いたら、もう、ほかは聴けない・・・秋のティーレマン+ウィーン・フィルのベートーヴェン・チクルスに暗雲が漂います。今更、重厚な演奏は聴けないかもしれないという予感がします。
ともあれ、交響曲第7番以外はどうなんだろう。ついつい、エロイカに手が伸びます。第1楽章、第2楽章、第3楽章と冒頭だけをちょい聴きして、その魅力を確認します。交響曲第7番同様に素晴らしいです。そして、第4楽章は遂に最後まで聴かずにはおれませんでした。何て、素晴らしいんだ! 交響曲第9番はどうなるんだろう? それは自制しました。後でゆっくり聴きましょう。
明日のコンサートが俄然、楽しみになりました。ブルックナーは頭を垂れて聴くだけですが、ベートーヴェンはわくわくしながら、思いっきり、楽しめるかもしれません。モーツァルトのピアノ協奏曲と合わせて、どんな、エキサイティングなコンサートになるんでしょう・・・


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       ハイティンク,  

ハイティンク+ピリス+ロンドン交響楽団、2回目@サントリーホール 2013.3.9

今日のコンサートですが、saraiの期待が大き過ぎたのか、とても《大絶賛》と言うわけにはいきません。
一昨日のコンサートでは、ただただ、崇高さを感じていたのが、一転ということで、saraiの鑑賞力のあやふやさが露呈してしまいますが、呆れずに読もうと思われるかたは1素人の感想だと、読み流してください。

今日のコンサートの一番の問題点は、世界で5本の指にはいると言われているロンドン交響楽団のアンサンブルが決まらないことです。特に弦楽器セクションのアンサンブルの精度に乱れが感じられることです。実はこの徴候は一昨日のコンサートでも少し感じていましたが、管楽器も含めた素晴らしい合奏力のなかで、あまり目立ちませんでした。しかし、今日はモーツァルトのピアノ協奏曲とベートーヴェンの交響曲がメインで、とても精緻な弦楽合奏が求められます。昨日も書いた通り、巨匠ハイティンクの最近のスタイルは、まさにその精緻な弦楽合奏をベースとするものです。ハイティンクの見事なタクトさばきでも、これはどうにもならなかったという感想です。

今日のプログラムは以下です。

 ブリテン:オペラ『ピーター・グライムズ』から「4つの海の間奏曲」
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番ト長調 K.453 ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

  《休憩》

 ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 op.92

  《アンコール》
    メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』から「スケルツォ」

最初のブリテンは実に美しく、底流に悲劇性をひそませた素晴らしい演奏でした。既にオペラ指揮を引退したハイティンクですが、さりげない演奏にオペラの情緒を絡ませた秀演でした。4つの間奏曲の組み立てがストーリーを感じさせる構成で見事でした。

次のモーツァルトのピアノ協奏曲、オーケストラの長い前奏が始まり、エッという感じです。高度なレベルでの古典的な合奏を期待していましたが、平凡な響きです。いつまでたっても、改善されません。ピリスのピアノがはいってきます。一昨日のベートーヴェンの協奏曲を上回るクリアーで粒立ちの美しいタッチで、平凡な響きのオーケストラとの差を強く感じます。ピリスのピアノは一層、冴えわたり、第2楽章の抒情を極めた表現には脱帽です。第3楽章にはいり、ピアノと管楽器群の合奏はもう驚くべきレベルに達します。ピアノに触発されたのか、オーケストラの響きもかなりよくなってはきました。これはピリスの素晴らしいピアノを聴けて、幸福でした。

休憩後、不安を抱きながらも、CDでの素晴らしい演奏の再現を期待して、固唾を飲みながら、第1楽章の序奏が始まります。美しい序奏です。綺麗な響きが胸を打ちます。しかし、そこまででした。第1楽章はまあまあの演奏でしたが、期待した精緻なアンサンブルは聴けません。それでも、合格点の演奏ではあります。第2楽章もそこそこの出来。このあたりから、期待との乖離を感じ始めます。あともう少しのところですが、それが大きな不満に感じるアンサンブルの精度の不足です。第3楽章が一番、平凡な響きに終始しました。第4楽章はかなりキビキビしたテンポでアンサンブルも美しくなってきました。普通であれば、大満足の演奏ですが、このコンビでは、もっともっと高みに達する演奏が求められるところです。第4楽章が終わり、まだ、残響も残っているところで、ホール内では大声援があがりますが、残念ながら、saraiはがっかりした思いです。もっと凄い演奏を期待していました。
ロンドン交響楽団のメンバーのことは詳しくありませんが、今回の来日メンバーはベストメンバーではなかったのではないかという感じを抱いてしまいました。だって、CDではあんなに素晴らしいアンサンブルだったんです。7年ほど前の演奏ではありますけどね。
ブルックナーの演奏も難しいですが、ベートーヴェンを納得のいく演奏で聴かせるのも難しいことを痛感しました。
これで、ベートーヴェンは秋のティーレマン+ウィーン・フィルのチクルスに期待することになりました。

明日のみなとみらいホールでのブルックナーにもう一度、期待しましょう。でも、正直、不安です・・・


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この記事へのコメント

1, 漂泊のオケマンさん 2013/03/10 09:17
はじめましてよろしくお願いします。
先日のロンドン交響楽団福井公演に納得できなくてネットを検索していましたら、こちらのブログを知りました。
サントリーホールでのLSOもあまり良い出来ではなかったようですね。
僕は田舎の福井公演が手抜きではないかと勘ぐっていましたが、ある意味安心?しました。
僕のブログにも書きましたが、とにかくベートーヴェンはアンサンブルが崩壊していました。またホールの響きに合わせての音楽作りも出来ていませんでした。今回のLSOのコンマスは特に酷かったのですがコンマスの暴走を許しているハイティンクも責任大だと思います。
ピリスのモーツアルトが無かったら救いの無いコンサートになっていました。
色々好き放題に書きましたが今後ともよろしくお願いします。

2, ハルくんさん 2013/03/10 23:53
saraiさん、こんばんは。

ハイティンクとロンドン響、ブル9がとても素晴らしかったようですね。
ただ、ロンドン響のアンサンブルが世界の5指と言う話は聞いたことが有りません。どなたが書かれていたのでしょうね?
正直言えば、イギリスのオケは余り優秀では無く、自分の中ではロンドン響とフィルハーモニアが世界で20指に入るかどうかぐらい、という認識なのです。こんなことを書いて、もしも気を悪くされたら御免なさい。
でも、今日のみなとみらいの演奏で名誉挽回してくれたら良いですね。

3, saraiさん 2013/03/11 01:31
漂泊のオケマンさん、初めまして、saraiです。

福井で聴かれたのですね。やはり、福井でも同じ傾向でしたか。ハイティンクを敬愛する者としては悲しいことです。確かにマエストロの責任は免れませんが、直接的な責任は美しいアンサンブルを保てなかったロンドン交響楽団にあると思います。メンバー落ちしていたのではないでしょうか。前回のゲルギエフのときとはコンサートマスターが変わっているような気がしましたが、どうでしょう。ところで、ブルックナーのアンサンブルはほぼ、パーフェクトだったので、今回はブルックナー・シフトだったのかな(笑い)

また、ご意見をお寄せください。

4, saraiさん 2013/03/11 01:40
ハルくんさん 、こんばんは。

率直なご指摘、ありがとうございます。ロンドン響が世界の5指というのはプロモーターの弁ですが、saraiの実演に接したオーケストラでは、5指は無理でも、7強にはいる感覚です。もっとも、この日のアンサンブルでは、在京のオーケストラにも劣る感じでしたけどね。

今日のみなとみらいの演奏で見事、7強に復活したというのがsaraiの感覚です。ハイティンクとか、ゲルギエフが振ったときに限定しますが。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハイティンク,        ピリス,  

究極!!のブルックナー:ハイティンク+ピリス+ロンドン交響楽団@みなとみらいホール 2013.3.10

これはもう伝説になるコンサートです。今まで、こんな凄いブルックナーを聴いたことないし、多分、saraiの人生でこんなブルックナーを聴くことはないでしょう。前回、3月7日のサントリーホールでのブルックナーの演奏は崇高だったと書きましたが、今日の演奏に比べると、言い過ぎかも知れませんが、凡演にも等しいと思えるほどです。
死ぬほど感動の大波に襲われました。第1楽章から第3楽章まで、ずっとです。緊張と感動の1時間に自分の体力が持つかどうか、心配になったほどですが、もちろん、聴いているときは夢中で何も考えられませんでした。昨日は不調だったロンドン交響楽団のアンサンブルも復活し、昨日の演奏は一体、何だったんでしょう。今日のアンサンブルはほぼパーフェクトでした。弦と管とティンパニのバランスも最高でした。
しかし、本当にブルックナーにこんなに酔いしれ、深い感動を覚えたことは未だかってなかったことで、ハイティンクの素晴らしい指揮とそれに応えたロンドン交響楽団の熱演には1音楽ファンとして、ただただ尊敬の念を抱くのみです。ブルックナーの魂が近くに寄ってきて、一体化した思いを持ちました。

今日のプログラムはサントリーホールとまったく同じで、以下の内容です。

 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19 ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

  《休憩》

 ブルックナー:交響曲第9番ニ短調

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番についても少し触れてみましょう。基本的には前回と同様なのですが、第1楽章の始めのオーケストラのパートは前回を上回る見事なアンサンブルです。前回同様、流麗な演奏です。ピリスのピアノは最初、力がはいって、硬い感じですが、徐々に粒立ちのよい彼女らしい透き通った響きになってきます。第1楽章の中盤からはピアノもオーケストラも見事な演奏。パーフェクトです。
第2楽章でもピアノとオーケストラの見事な演奏は続きます。後半のテンポを落としたピアノのリリシズムには、ため息が出るだけです。オーケストラもそれに優しく寄り添います。最高の音楽です。
第3楽章はピアノが前回以上に勢いよく飛び出し、少しミスタッチ気味のところもありますが、気にはなりません。オーケストラは前回と違って、このテンポにきっちりと対応し、なかなか綺麗なアンサンブルを響かせます。ちゃんと修正してきたのは流石です。高揚しながら、爽快なフィナーレです。
前回と同様に、この曲では最高の演奏です。ピリスのピアノにはまってしまいそうです。ピリスは今日ももちろん、ヤマハのピアノを弾いていました。ヤマハの繊細で純な音色を見直しました。

ブルックナーですが、既に語り尽くしました。細部を語っても仕方ないでしょう。繊細な音の襞、力強い推進力、美しい抒情、コラール風の祈り、それらが次々に大波になって押し寄せてきますが、すべてが説得力のある実直な演奏でした。その自然な演奏に素直に体を任せて、感動の波を受け入れるのみでした。第3楽章の完結まで残り5分くらいのところの弦楽器のうねりが高まった後の最強奏にはしびれます。そして、ゆるやかにフィナーレに向かって、カタルシス・・・フルート、ホルンの長奏で静寂の世界。もう、これで人生が尽きても、思い残すところなしの心境です。

マーラーもいいけども、ブルックナーもいいですね。幸せな気持ちです。


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この記事へのコメント

1, masaさん 2013/03/12 13:06
同じ会場におられたようですね。
同感です。凄いブルックナーでした。もう何も言葉が出ないくらい感動して帰途につきました。
最後のホルンのロングトーンもパーフェクトで、こういうところは世界のトップオーケストラと日本のオケとの実力の差が感じられます。
ハイティンクが指揮棒をおろすまで、フライング拍手もなく静寂が保たれましたし、なんとも幸せな一日でした。
ピリスも、また素晴らしく、本当によい演奏会でした。高いお金を払った甲斐がありました。

2, saraiさん 2013/03/12 14:44
masaさん、こんにちは。

本当に伝説的な演奏でしたね。みなとみらいホール開館以来、最高のコンサートだったと思います。

聴衆も素晴らしかったですね。隣の席は吹雪の札幌から来られたかたでしたが、わざわざ、来られた甲斐があったでしょう。

masaさんとも同じ空間を共有できて、同じ感動を味わい、とても嬉しいです。

3, redさん 2013/03/12 21:34
ハイティンクが振る、ブルックナーの第9番が聞きたくて、当日、四国から出向いて行った者です。一階最前列で魔法にかかったように陶酔して、聴いていました。

ああ、できることなら、この演奏、もう一度聴いてみたい。

でも、それは叶わぬこと。私の中のベスト盤である、81年録音のアムステルダムコンセルトヘボウとのPHILIPS盤を聴いて、このコンサートでの経験を長く懐かしみたいと思います。

4, saraiさん 2013/03/13 01:55
redさん、初めまして、saraiです。

わざわざ、四国から来られた甲斐がありましたね。それも最前列の席とは凄いですね。ちょっと、うるさかったかも・・・

そうですね。何度でも聴きたいですね。もっともsaraiはほぼ3週間後にアムステルダムでブルックナーの第8番を聴けます。それも2度。ワクワク!

ハイティンクの1981年盤は素晴らしいですね。私も文句なく、ベスト盤です。

また、コメント、お待ちします。

5, たかしゃやさん 2013/03/18 18:10
こんにちは。初めまして。
私も、当日会場にいました。
私にとって、数年ぶりのオーケストラのコンサートでした。
そして、思わず涙がこぼれたのも、十数年ぶりでした。
とても言葉に尽くせないほど、本当に本当に素晴らしい演奏でした。
あの日、その場に来られたこと、その邂逅に心底感謝しました。
あの場にいらした方々なら、この思いを共有できると思い、突然コメントさせていただきました。
ありがとうございました。

6, saraiさん 2013/03/18 22:13
たかしゃやさん、初めまして。
saraiです。

もちろん、思いは共有できます。本文に書いた通り、あの場にいた人達にとって、伝説的なコンサートだったと思います。ああいうコンサートは滅多に聴けるものではありません。たかしゃやさんとも、ご一緒できて、嬉しいです。コメント、本当にありがとうございました。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハイティンク,        ピリス,  

幻と消えた上原彩子ピアノ・リサイタル@サントリーホール 2013.3.10

今日は究極のブルックナーをみなとみらいホールでハイティンク指揮ロンドン交響楽団で聴きましたが、実はまったく同時刻にサントリーホールで上原彩子ピアノ・リサイタルが催されていました。saraiは両方聴くつもりでチケットを購入していました。
まず、サントリーホールで上原彩子ピアノ・リサイタルを聴いて、その足でみなとみらいホールに駆けつけ、ハイティンク指揮ロンドン交響楽団のブルックナーを聴くつもりだったんです。すっかり、ハイティンク指揮ロンドン交響楽団のコンサートは夜の7時からと思い込んでいました。
前日、チケット確認していたら、目が点に・・・両方とも、2時に開演ではありませんか。愕然!!
即座に上原彩子ピアノ・リサイタルはすっぱり、あきらめました。配偶者分も含め、チケット2枚購入済みなので、配偶者に知人を誘って、行ってもらうことにして、saraiはみなとみらいホールでのハイティンク指揮ロンドン交響楽団のブルックナーを聴きます。上原彩子のリサイタルは折角、最前列の席を確保したのにとても残念ですが、仕方ありません。

上原彩子のリサイタルはオール・ラフマニノフの楽しみなプログラムだったんです。
プログラムは以下です。

 オール・ラフマニノフ・プログラム

 13の前奏曲Op.32

  《休憩》

 幻想的小曲集Op.3より、第2番 前奏曲嬰ハ短調「鐘」
 ライラックOp.21-5
 クライスラー(ラフマニノフ編曲):愛の悲しみ、愛の喜び
 ピアノ・ソナタ第2番変ロ長調Op.36

  《アンコール》

  ラフマニノフ(アール・ワイドル編):ヴォカリーズ
  ラフマニノフ:前奏曲Op.23-2

ご覧の通り、ラフマニノフの前奏曲全24曲のうち、アンコールも含めて、15曲も演奏したんです。Op.23の残り9曲以外すべてですね。
配偶者の話によると、前奏曲もピアノ・ソナタもとても素晴らしい演奏で、上原彩子の完全復活だったとのことです。
クライスラーの2曲はラフマニノフ自身が弾くために編曲した超絶技巧の曲ですが、上原彩子は超絶技巧を感じさせずに楽々と、そして、楽しげに弾ききったそうです。

ああー、悔しい!! saraiも聴きたかった!

でも、実は救いがあるんです。何とこの日はNHKの録画がはいっていたんです。4月10日午前6時からのNHK BSプレミアムのクラシック倶楽部で放送されます。55分間の放送なので、リサイタルの半分ほどしか放映されませんが贅沢は言えません。その素晴らしい演奏を楽しみましょう。みなさんも一緒に聴きましょう。ちょうど、この日はsaraiはヨーロッパ遠征中ですが、録画予約しておきます。感想は後日書きます。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       上原彩子,  

ウィーンで音楽三昧:ウィーンで初のオフ会に参加

2012年4月21日土曜日@ウィーン/1回目

旅の16日目です。もう、ウィーンWienも明日までです。明日の午後には帰国の途につきます。なんだか寂しい気持ちですが、やはり少々疲れました。そろそろ帰り時でしょう。
今日は、ウィーンのお友達のHさんを始め、日本から来ていて一緒になった仲間(実は昨夜とほとんど同じメンバー)と12時からオーストリア料理のレストランでワイワイやって、そのまま皆でウィーン楽友協会Wiener Musikvereinでのコンサートに行き、その後はフォルクスオーパーVolksoperでのオペレッタに行くというスケジュールです。

朝起きて、ホテルの部屋から緑のシュタットパルクStadtparkを眺めます。とても清々しいです。


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緑の木々の中に、今日も金色のヨハン・シュトラウス像が美しく輝いています。ウィーンに滞在している実感が湧きます。


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昼食会の前に、ちょっとしたお土産を買いにグランドホテルGrand Hotel Wienの地下のスーパーに出かけましょう。お天気はとてもよさそうです。トラムで1駅分なので歩いていきましょう。シュタットパルクの池から遠征してきたと思われる鴨のカップルが、のんびりと歩道をお散歩中です。


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配偶者によると、その道中、saraiはとっても不機嫌そうに黙り込んでいたそうです。明日にはウィーンを離れるということでsaraiは落ち込んでいたんでしょうか。

グランドホテルの地下のスーパーはいつも利用しているスーパーなので、陳列の場所もよく分かっています。ちゃっちゃっとスープ類と塩を買います。saraiはどうしてもパルマ産のチーズか生ハムが気になり、陳列ケースの前をウロウロ・・・。本当にものすごい種類のチーズやハムが並んでいます。


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チーズは好みのもの(パルミジャーノ・レッジャーノ)が見つかりませんが、生ハムはそれなりに気に入ったものがあります。パルマ産のクラテッロ(高級生ハム)があったんです。パックされているので持って帰れるでしょう。日本では考えられない安さなので、お買い上げです。

さあ、急いでホテルに戻り、着替えて昼食会の会場に出かけましょう。帰りは1駅ですが、トラムでホテルに戻ります。


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トラムの運転士も寒いようで、運転席の周りはしっかりとブロックされています。これで暖かいんでしょうか?


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途中で曇ってきて意外に寒かったので、ホテルの部屋で下着をしっかり着込んでコンサート用の服装に着替えます。
が、ホテルを出ると・・・気持ちのよい青空で暖かい。結局、ウィーンの天候をつかみきれないままです。

ケルントナー通りKärntner Straßeから路地のヒューリッヒガッセFührichgasseに入ると、目的のオーストリア料理のレストラン・ヒューリッヒRestaurant Führichを発見。


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これがレストラン・ヒューリッヒの入口です。朱色が目立ちます。


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皆さん、ほとんど定刻に到着。全員集合です。ウィーンでの初めてのオフ会のランチ開始です。


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ウィーンで音楽三昧:ウィーンのオフ会、そして、ティーレマン指揮ウィーン・フィルの《シューマン尽くし》

2012年4月21日土曜日@ウィーン/2回目

オーストリア料理のレストラン・ヒューリッヒRestaurant Führichで、ウィーン在住のHさんをはじめとした方々が集合して、ウィーン愛好会(そんなものは本当はありませんよ!)のオフ会です。

さて、何をいただきましょうか。昨日、観光案内書を見ていて、まだパラチンケンを食べたことがないなあと思っていました。これは甘いお菓子だと思っていたのですが、メイン料理としても注文できるというHさんのアドバイスで、配偶者はパラチンケンに決定。


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saraiは、豚の煮込み。


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ウィーンと音楽が好きな仲間同士ですから、話題が尽きることはありません。とても楽しい会食になります。デザートは、配偶者と2人でカイザーシュマーレン(これも食べたことがなかった)を食べます。もちろん、美味しいですよ。これで、定番のオーストリア料理はほぼ制覇したでしょう。


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最後はやはりメランジェをいただきます。ウィーンですからね。


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会食の後は、全員でティーレマン指揮ウィーン・フィルの《シューマン尽くし》を、昨夜に引き続き楽友協会Wiener Musikvereinに聴きに行きます。本当に素晴らしいコンサートでした。昨夜以上の演奏に大感動です。このコンサートについては、ここ
に紹介しています。

コンサートが終わると2手に別れ、我々はフォルクスオーパーVolksoperに移動です。オペレッタ好きには聴き逃せない《チャルダッシュの女王》の公演があります。
ちょっと時間があるので、いったんホテルに戻り出直します。ホテルの真ん前がトラム乗り場ヴァイブルクガッセWeihburggasseです。トラムを待ちながら、ホテル(ラディソン・ブルー・ホテルRadisson BLU Palais Hotel)の全景を眺めます。


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シュタットパルクStadtpark前の並木道は早春の緑が美しいです。歩道に立つ広告柱には、美術史美術館で開催中のクリムト展のポスターが張り出されています。


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30分ほどでフォルクスオーパーに到着。まだ、開演まで少し時間があるので、フォルクスオーパー前のカフェ・テアターパウゼCafe Theater Pause(Volksopern Café )に入ります。このカフェは幕間の休憩時間に観客がよく利用しているところですが、今まで入ったことがなかったので、一度は様子をみておきましょう。


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カフェで一休みして、ウィーンで最後の音楽会です。


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ウィーンで音楽三昧:ウィーン最後の夜はフォルクスオーパーでネメットさん記念の《チャルダッシュの女王》

2012年4月21日土曜日@ウィーン/3回目

フォルクスオーパーVolksoperの開演前、劇場前のカフェ・テアターパウゼCafe Theater Pause(Volksopern Café )でお茶しましょう。今日の聴衆で店内は一杯です。


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このようにお茶しながら、余裕で開演を待つのもいいですね。華やぎが感じられます。


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本来はコーヒーだけ飲めばいいところですが、ウィーン最後の夜ですから、ザッハートルテをいただくことにします。


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それともちろん、メランジェです。


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やがて開場となり、フォルクスオーパーに入場。

今宵は、オペレッタ好きには聴き逃せない《チャルダッシュの女王》の公演です。ネメットさんの70歳記念と彼のフォルクスオーパー出演30周年記念のオペレッタで、彼の最後になるかも知れないフェリ・バチです。それを記念するポスターが張り出されています。


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こちらは、ネメットさんの1982年からのフォルクスオーパー出演の歴史を振り返ったものです。《チャルダッシュの女王》のフェリ・バチ役は、何と261回にもなるそうです。まさに当たり役ですね。


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ネメットさんの最後になるかもしれないフェリ・バチ役の《チャルダッシュの女王》はとても素晴らしいものでした。熱いものが胸にこみ上げました。日本語でヨイ・ママンを歌ってくれるのは彼で最後になるでしょう。
このオペレッタについては、ここ
に紹介しています。

オペレッタの後は、フォルクスオーパー近くのカフェ・ワイマールCafé Restaurant Weimarで最後の夜を、Feriさん、Steppekeさん、Hさん(シュターツオーパーから駆けつけてくれました)と楽しく語り合いました。
夜食には、ウィーナー・シュニッツェルをいただきます。


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そして、シュパーゲルのスープもいただきましょう。


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楽しい会話にウィーンを去るのが名残り惜しいです。閉店ぎりぎりまで楽しんだ後は、Hさんにホテルまで送ってもらってしまいました。甘えっぱなしで、本当にお世話になってしまいました。

明日は聖シュテファン大聖堂での日曜ミサでモーツァルトのK.192のミサ曲を聴いて、急いで空港に向かいます。
ウィーンの音楽三昧はとても素晴らしいものばかりでした。

今日の歩数は音楽三昧で少なくなり、6,597歩でした。


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ハイティンクのブルックナー:交響曲第8番の名盤を聴く・・・4月のロイヤル・コンセルトヘボウのコンサートに向けて

先週聴いたハイティンク指揮ロンドン交響楽団のブルックナー:交響曲第9番は最高のブルックナーでした。鮮烈な記憶を刻み、まだ、その余韻に耽っています。しかし、来月の5日、7日はアムステルダムのコンセルトヘボウで、ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団でブルックナーのもう一つの大曲の交響曲第8番を聴く予定です。交響曲第9番の余韻も消えませんが、今度は交響曲第8番をまとめて、予習することにします。

交響曲第8番と言えば、チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルの3大ライブ(ミュンヘン、東京、リスボン)が強烈な印象です。それについては、ここに書きました。その記事のなかで、チェリビダッケ以外の気に入った演奏のCDについても触れています。それは以下のものです。

 ヨッフム、シュターツカペレ・ドレスデン
 ジュリーニ、ウィーン・フィル
 ヴァント、ケルン放送交響楽団
 ハイティンク、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 クナッパーツブシュ、ミュンヘン・フィル(1962)
 ヨッフム、ベルリン・フィル(シュターツカペレ・ドレスデンと同程度に評価)
 ヴァント、ベルリン・フィル(ケルン放送交響楽団と同程度に評価、北ドイツ放送交響楽団は今一つ)

これ以外も名盤と世評に高いものは、ほぼ聴いてきました。例えば、シューリヒト指揮ウィーン・フィルとか、ヴァント指揮ミュンヘン・フィルとかです。

その上で、ハイティンクのブルックナー:交響曲第8番のCDをまとめて聴いてみます。ハイティンクの交響曲第9番は正規盤はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の2枚しか出ていませんが、交響曲第8番は正規盤だけで5枚も出ています。以下に一覧を示します。3と7は非正規盤です。

1.1969.9.1-3.  コンセルトヘボウ管(全集)      73:31 13:57,13:33,25:17,20:44
2.1981.5.25-26. コンセルトヘボウ管(デジタル録音) 84:56 15:59,16:00,29:08,23:49
3.1989.08.22.  ECユース管               88:15 17:15,15:21,30:09,25:17
4.1995.01.    ウィーン・フィル             83:16 16:48,15:04,27:26,23:47
5.2002.12.03.  シュターツカペレ・ドレスデン(ライブ) 84:30 16:23,15:15,27:49,24:47
6.2005.2.18,20. コンセルトヘボウ管(ライブ)      85:45 16:40,16:05,28:01,24:31
7.2007.08.24.  コンセルトヘボウ管(proms、ライブ)  82:38 15:59,15:05,26:34,24:37

右の数字は演奏時間で、合計時間と各楽章(第1楽章~第4楽章)の演奏時間です。
また、ブルックナーの場合、どの版で演奏したかが問題になります。特に交響曲第8番は版によって、著しい違いが生じます。ハイティンクはずっと、ハース版を用いていました。ハース版はブルックナーの最終稿をもとに、それ以前の版から、多くの部分を補足したものです。それがブルックナーの意向に最も沿ったものであると判断したのではないかと思われます。ヴァントも一貫して、ハース版を用いていました。
しかし、ハイティンクは突如、2007年以降、ノヴァーク版(第2稿)に変更しました。正規盤では、まだ、このノヴァーク版による演奏は出ていません。上記のリストでは、7の非正規盤がノヴァーク版です。多分、来月のコンサートもノヴァーク版になると思われます。ノヴァーク版はハース版で補足された部分を削除して、ブルックナーの最終稿をそのまま採用したものです。版の違いが多いのは第3楽章と第4楽章です。第3楽章はハース版が301小節に対して、ノヴァーク版が291小節と10小節少なくなっています。第4楽章はハース版が747小節に対して、ノヴァーク版が709小節と38小節少なくなっています。基本的には、ノヴァーク版はすっきりスリムになっています。チェリビダッケはノヴァーク版を用いていました。

今回、聴いたのは正規盤5枚(1、2、4~6)です。7のノヴァーク版も入手済みなので、聴いてみた後に本記事に感想を追加します。

まず、1のコンセルトヘボウ管です。これはハイティンクが1963年から1972年にかけて完成させたブルックナー交響曲全集の中の1枚です。実は日本語説明書には、交響曲第8番は1960年録音と明確に記されていますが、各種情報によると、これは誤りで1969年録音が正しいようです。ハイティンクが40歳でコンセルトヘボウ管の音楽監督になって、5年ほどのときです。基本的には、以前書いた交響曲第9番(1965年)と同様に非常に若々しい勢いのある演奏です。演奏時間をみると、とても速い演奏なのが分かりますが、実際、第2楽章と第4楽章は快速です。一番、快速だったシューリヒトに比べると、第3楽章が少し遅いですが、それ以外は同等の速さです。交響曲第9番(1965年)に比べると、完成度の高い演奏で、十分、納得のいく演奏です。演奏の魅力で言えば、より若々しい演奏だった交響曲第9番(1965年)に軍配が上がります。

次に、2のコンセルトヘボウ管です。全集完成後の第7番~第9番の再録音の1枚(実際はCD2枚)です。タワーレコード限定の4枚組CDに含まれています。廃盤になっていたCDです。これは堂々たる演奏で、素晴らしい演奏です。最初の録音から12年経ち、ハイティンク52歳、脂の乗り切った時期で、既に巨匠の風格をただよわせる名演です。演奏時間も10分以上長くなり、スケールが大きく、ディテールまで磨き上げたもので感銘を受けました。同年に録音した第9番も名演でした。このときにはハイティンクはブルックナー演奏の大家になっていました。

次に、4のウィーン・フィルです。前回の録音から14年経ち、ハイティンク65歳。コンセルトヘボウ管の音楽監督を辞任し、フリーのような立場になっていました。前回からずい分、時が過ぎましたが、これも基本的には、2のコンセルトヘボウ管と同様のスタイルの演奏です。既にハイティンクの交響曲第8番は完成の域に達していました。違いと言えば、オーケストラとホールです。この演奏はウィーン楽友協会の響きも相まって、ウィーン・フィルならではの柔らかい響きに魅了されます。第3楽章の美しさは格別です。ザンクト・フローリアンの丘の美しい草原に花々が咲いているかの如くに感じます。

次に、5のシュターツカペレ・ドレスデンです。ウィーン・フィルとの録音から7年、ハイティンク73歳。シノーポリの急死を受け、ハイティンクはシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者(音楽監督は固辞)を引き受けていました。つまり、当時、シュターツカペレ・ドレスデンは彼の手兵だったわけです。この演奏も1981年のコンセルトヘボウ管で確立したスタイルと同様の演奏ですが、見事なライブ録音です。ゼンパー・オパーの長い残響を感じながら、シュターツカペレ・ドレスデンの重心の低い重厚なドイツのオーケストラの響きに引き込まれてしまいます。特に、第4楽章は迫力は圧倒的です。ザンクト・フローリアンの森の自然の中にいるかの如くに感じ入ります。このCDがハイティンクのベストCDです。チェリビダッケの強烈な個性は大好きですが、それを別とすれば、このCDが交響曲第8番のベストです。

最後に、6のコンセルトヘボウ管です。実に3回目になるコンセルトヘボウ管との録音です。前回のコンセルトヘボウ管からは24年経ち、ハイティンクも75歳。押しも押されぬ巨匠です。大変、期待しました。しかし、演奏自体は素晴らしいのですが、何故か、心に響いてきません。生まれ育った古巣のコンセルトヘボウ管とは言え、客演の立場。そんなことも関係するんでしょうか。

ブルックナー:交響曲第8番のCDをまとめ聴きして、ハイティンクのブルックナーの自然で実直な演奏の素晴らしさをさらに感じました。生で聴くのがますます楽しみになってきました。


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       ハイティンク,  

ウィーンで音楽三昧:ウィーン最後の朝

2012年4月22日日曜日@ウィーン/1回目

旅の17日目です。今日は帰国の日です。

既に荷物のパッキングは昨夜配偶者がやってくれていて、朝はさっとホテルをチェックアウトします。


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5つ星ホテルの朝のロビーはゆったりとして、混み合うことはありません。


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ロビーのガラス天井から見上げる空は、綺麗な青空!


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荷物を引っ張って、ホテルの前のトラムの停留所ヴァイブルガッセWeihburggasseに出ます。リンク通りRingstrasseとも、しばしのお別れです。


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すぐに2番のトラムがやってきます。大荷物を持って乗り込みます。


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地下鉄に乗り継ぎ、ウィーン・ミッテ駅Wien Mitteへ移動です。既に偵察済みなので、迷わずに工事現場を通り抜けてCATの入口に到着。


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そこにあるシティ・チェックイン・カウンターで午後1番の帰国便のチェックイン。荷物を預け、ボーディングパスを受け取ります。大きいスーツケースは22.5キロで、小さいほうは16キロで無事、合格。


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このカウンターはがらがらでチェックインも楽々です。初めての利用ですが、今後は利用することが増えそうです。

身軽になって、地下鉄で聖シュテファン大聖堂Stephansdomに向かいます。ウィーン最後のお楽しみは、日曜ミサでのモーツァルトのミサ曲(K.192の小クレド・ミサ)です。
お友達のSteppkeさんに教えていただいた情報なんです。
少し早めに着いたので、近くのマックで早業で朝食を済ませましょう。なんだか外国に来てまでマックに入るのはつまらないので(もっとも日本でもあまり利用しませんけど・・・)、今まで利用したことがありませんでした。お店の形式は日本と同じです。


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注文を済ませると、早速奥で調理が始まります。


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大観光地にあるマックなので、観光客向けにチケット販売しているお兄さんたちも朝マックです。


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これが注文したハンバーガーです。


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パンがバーガーではなくて、オーストリアでは一番定番のカイザーゼンメルです。形や大きさがバーガーと同じくらいなので、代用というところでしょうか。やはりオーストリアですね。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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朝マックの後は聖シュテファン大聖堂です。


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ウィーンで音楽三昧:聖シュテファン大聖堂で聴くモーツァルトのミサ曲・・・最後まで音楽三昧!

2012年4月22日日曜日@ウィーン/2回目

マックで朝食を終えて、聖シュテファン大聖堂Stephansdomに向かいます。この伝統ある聖堂は青空を背に堂々たる姿で迎えてくれます。


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中に入りましょう。内部も重厚そのものです。


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聖シュテファン大聖堂の信者席につきます(信者じゃないけど・・・)。


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ドームに響く小編成オーケストラと合唱をしみじみと聴かせてもらいます。モーツァルトの葬儀はこの教会でとりおこなわれました。その教会で聴くモーツァルトのミサ曲ヘ長調『ミサ・ブレヴィス』(K.192の小クレド・ミサ)です。作曲したのはザルツブルグでしたけどね。
配られた楽譜の聖歌を一緒に歌い、近くの方と握手して、おしまい。ウィーンの旅を閉じるのにふさわしいですね。
日曜ミサのプログラムが張り出されています。


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さあ、急いで空港に向かいましょう。Steppkeさんも偶然同じ便なので、合流して、初めて体験する高速列車CATに乗ります。清潔な車内です。


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空港に列車が向かっているうちに、曇り空になってきます。ウィーンを去る寂しい気分にぴったりと合い過ぎです。


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CATは快調に走り、シュヴェヒャート空港Flughafen Wien-Schwechatに余裕で到着です。CATは市内のミッテ駅Wien Mitteと空港をたった16分で結んでいます。空港に着きますが、既にチェックインしているので何もすることはありません。免税店で記念に小さなゼクト(スパークリング・ワイン)を2本だけ買って、出発ロビーに入ります。


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いつも通り、ここはもう日本そのものですね。日本人ばかりです。


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さて、搭乗です。いつもの2人席を予約しておいたのですが、機種が変更になり指定した席は3人掛けです。誰か来るかなと心配しますが結局は2人のままで、ちょっと楽なフライトになりそうです。
と、窓に雨粒が・・・。この旅も雨に降られることがなく、よかったです。


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間もなく離陸です。長かった旅もいよいよグランド・フィナーレです。


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ウィーンで音楽三昧:グランド・フィナーレ!

2012年4月22日日曜日@ウィーン~成田/3回目

定刻通りに成田行きの直行便のオーストリア航空機は飛び立ちます。地上は緑と黄色の田園が綺麗です。


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安定飛行に移ると、スナックが配られます。


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白ワインをいただいて、スナックをつまみます。


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しばらくすると下界は雲も切れ、ヨーロッパの大地が見渡せるようになります。このヨーロッパともしばらくのお別れになります。


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離陸後1時間ほどで食事が配られます。


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もう一つ別の献立をいただいて、配偶者とシェアして楽しみます。


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ウィーンからの直行便で成田に向かう間、saraiはまだ書けていなかったティーレマン+ウィーン・フィルの2回分のシューマン・コンサートのブログ記事に没頭していて、ほとんど一睡もできません。一方配偶者は、白ワインがきいたのか、はたまた座席のサウンドシステムが壊れていて映画が見られないためか、ぐっすりと寝込んでいます。飛行機は夜の闇を飛び越して、空の青が明るくなってきます。とても美しいですね。


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日本海に出る頃に見る日の出のそれは美しいこと、感動的です。


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到着が近くなり、朝食です。


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早朝に成田に到着。ボーディングブリッジを通って、空港ビルに入ります。久し振りの日本です。ビルの窓から、到着したオーストリア航空機が見えます。ご苦労さまでした。


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東京は雨です。どんなに暖かいかと楽しみにしていたのに、寒い!
雨の中を荷物をもって歩くのも嫌だし、通勤ラッシュの中を大きな荷物を持って乗り込むのも迷惑なので、荷物は宅配便にお願いしましょう。夕方には配達してくれるので、なにも問題ありませんね。
電車に揺られながら配偶者がアチコチに帰国メールをするうちに、横浜の自宅の最寄り駅に到着。まだ11時ですがお昼を済ませていこうと思ったら、まだまだお店は開いていません。お蕎麦が食べたかった配偶者はガッカリ。仕方なく、帰国最初の食事はオリジン弁当になってしまいます。どんだけ、田舎の駅なんだあ!

お弁当を持って自宅に到着。自宅は出かけたときのままでシ~ンと平穏そのもの。ベランダの花たちだけが大きく成長し咲き誇っています。出発の頃には芽吹かずに心配していたジャカランタにも、小さな可愛い新芽が出ています。荷物が届くのは夜なので、とりあえずPCでネットしていると、さすがに睡魔が襲ってきてどうにもなりません。昼寝するしかありません。saraiが爆睡している間、配偶者は郵便物の整理や御無沙汰の友人にメールをしていたようです。そりゃ、元気一杯でしょう。飛行機でぐっすり眠り英気を養っていましたからね。

saraiは、夕食の時間には昼寝から無理やり抜けだしますが、頭はぼ~っとしています。その頃には宅配便で荷物が届き、配偶者はせっせと洗濯や中身の整理。そして、あっという間に就寝。もうすっかり日本のペースになっているようです。saraiも追っかけるように就寝し、またまた爆睡です。寝ていると、夢の中で何か声が聞えてきます。どうやら配偶者のようです。「おトイレはどこにあるのーー!!」って、切迫した声です。「何言ってるんだ・・・ここは家だぞ」とsaraiが言うと、「あ、そーか」って納得した様子でトイレの方に向かいます。ホテルと思い、トイレを探して部屋の中を一周したけど見つからなかったとのこと。結局、配偶者もボケているようです!

saraiは10時間ぐっすり寝ましたが、それでも次の日はまだまだ眠くて1日中ぼ~っとしていました。配偶者は、お土産を孫達に送り、せっせと片付け、旅の気配は跡形もなく片付いてしまいました。

ということで、今回の旅の報告はオシマイです。ほとんど1年にわたって書き続けましたが、何とか最後まで書き終えました。

いつもながら、長文にお付き合い頂きありがとうございました。


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~準備モード全開!・・・まずは一番大事な音楽予習

遂に、オランダ・ライン川・ウィーンの旅への出発まで2週間になりました。まだまだ、準備は万全ではありません。その上、6月のブダペスト・ウィーン・ミュンヘン・ドレスデン・プラハの旅も並行して、準備をしないといけません。ふーっ・・・

最終的にコンサート・オペラ・バレエの予定は以下のようになりました。

  2013年4月(5日、7日) オランダのアムステルダム・コンセルトヘボウ
    ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団 ブルックナー:交響曲第8番

  2013年4月 チューリッヒ歌劇場
    オペラ《リナルド》

  2013年4月 バーゼル歌劇場
    オペラ《イドメネオ》

  2013年4月 アン・デア・ウィーン劇場
     オペラ《ベアトリスとベネディクト》 マレーネ・エルンマン

  2013年4月 フォルクスオーパー
    オペレッタ《こうもり》

  2013年4月 フォルクスオーパー
    バレエ《真夏の夜の夢》

  2013年4月 ウィーン国立歌劇場
    オペラ《ウェルテル》ドゥ・ビリー指揮、アラーニャ、ガランチャ

  2013年4月 ウィーン楽友協会 ウィーン・フィル ヤンソンス指揮
     ハイドン《驚愕》、リスト《レ・プレリュード》、ハイドン88番、バルトーク《中国の不思議な役人》

旅の目玉であったウィーン国立歌劇場のネトレプコ出演のオペラ《エウゲニ・オネーギン》は残念ながら、あまりに高額なプレミア料金のため、泣く泣く断念しました。
これで計9回のコンサート・オペラ・バレエです。
チケットは全部揃っている筈でした。ところが、最終確認すると、何と、最後のウィーン・フィルのコンサートのチケットは手配はしましたが、手配完了していないことに気が付きました。それが2日前のことです。焦って、確認すると、まだ、チケットは取れていないけれども、取れる見込みとのことです。とりあえず、胸を撫で下ろしました。

準備作業のなかで大変なのは、これらのコンサート・オペラ・バレエの事前予習です。現在の予習状況は以下の通り。

ブルックナー:交響曲第8番は既に予習状況をここに書きました。

オペラ《リナルド》は、以下のヴィデオを視聴。
 2001年4月,5月のプリンツレゲンテン劇場(ミュンヘン)での管弦楽:バイエルン国立管弦楽団、指揮:ハリー・ビケット、演出:デーヴィッド・オルデンです。アルミレーナのデボラ・ヨークは流石の歌唱、驚いたのはアルミーダのノエル・ナーデルマンです。インバル+都響のマーラーでお馴染みです。この悪役を美しく?、歌っていました。全編、ヘンデルの美しいアリアで埋めつくされています。これはもう一度、予習する予定です。

オペラ《イドメネオ》は、以下のヴィデオを視聴。
 1983年8月のグラインドボーン音楽祭でのハイティンク指揮ロンドン・フィル、ナン演出。ハイティンクの作るモーツァルトの音楽が素晴らしいです。歌手も好演。これもさらに別のヴィデオを予習します。

オペラ《ベアトリスとベネディクト》はヴィデオが入手できません。多分、ヴィデオはまだなさそうです。このオペラはシェークスピアの《恋の空騒ぎ》が原作なので、とりあえず、あらすじを把握するためにハリウッド映画を鑑賞。その後、以下のCDを聴きます。日本語対訳付きなので、入手は高くつきました。
 ジョン・ネルソン指揮リヨン歌劇場、ベアトリス:スーザン・グラハム、ベネディクト:ヴィアラ、エロ:スーザン・マクネアー
ベルリオーズのオペラと言えば、《トロイヤ人》とかが有名で、このオペラは初聴きですが、まるで、モーツァルトを聴いているような古典的な美しいアリアに親しみを覚えました。これももう1回、セリフ抜きで聴きましょう。

オペレッタ《こうもり》は、今更ながら、以下のヴィデオを視聴。
 2011年12月31日のウィーン国立歌劇場の公演。指揮はウェルザー・メスト。抱腹絶倒で楽しめました。やはり、これは面白いですね。

バレエ《真夏の夜の夢》は今回のエロ振り付けのものはまったく入手できません。とりあえず、あらすじ把握のためにハリウッド映画を鑑賞。その後、ミラノ・スカラ座のバランシン振り付けでフェッリとボッレのDVDを視聴。これでは、エロ振り付けのものと使われている音楽が異なるので、劇音楽《真夏の夜の夢》、交響曲第4番《イタリア》、ヴァイオリン協奏曲、《ライ・ブラス序曲》のCDを聴いておきました。

オペラ《ウェルテル》は、以下のヴィデオを視聴。
 2005年のウィーン国立歌劇場の公演。指揮:フィリップ・ジョルダン、演出:セルバン、ウェルテル:アルバレス、シャルロット:ガランチャ
これは今度聴くオペラとほとんど同じです。ともかく、ガランチャの迫真の演技と素晴らしい歌唱に感動します。これは本番が楽しみです。

ハイドン《驚愕》ほかのウィーン・フィルはまだ、これから予習します。ハイドンの2曲は、バースタイン指揮ウィーン・フィルを聴く予定。バルトークはイヴァン・フィッシャー指揮か、ブーレーズ指揮を聴く予定です。

ということで、一番大変な音楽予習は山場を超えました。

明日はホテルについて、書きます。


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~ホテルの手配は完全完了

オランダ・ライン川・ウィーンの旅はオランダからライン川を遡り、ドイツの街々を通って、スイスまで至る行程がメインです。したがって、旅の手配が煩雑になります。初めての街が多く、土地勘もありません。まあ、それが旅の楽しみでもあります。ホテルの確保も、色々な要素を考え合わせながら、時間をかけて、進めました。そして、ようやく完了。
例によって、ホテル手配の我が家の基本理念は以下です。

 ・1泊2人で100ユーロ以下、できれば、1万円以下に収める。これは円安で苦しくなっています。
 ・朝食付き。ただし、大きな街なら、カフェで朝食も可。
 ・無料のインターネット接続(WIFI)。ブログ記事アップも含め、必須要件です。
 ・バスタブ付き。お風呂に浸かって、旅の疲れを癒したいですものね。ただ、ヨーロッパのホテルはシャワーのみが多いです。
 ・それなりに綺麗で清潔なこと。贅沢は言えませんけどね。
 ・交通至便なこと。駅にも近く、街の中心にも近いのが理想です。

この原則を頭に入れて、ホテル手配を進めます。

まずは最初の宿泊地アムステルダムです。ここに2泊します。コンセルトヘボウでコンサートを聴くので、その近くでホテルを探します。別案として、アムステルダム中央駅の近くということも考えます。ところが、ここはいつもホテルが高い街です。なかなか、希望通りのホテルが見つかりません。結局、コンセルトヘボウの近くで、朝食なしで100ユーロ以下のホテルで妥協しました。もっと条件が良ければ、4泊してもよかったんですけどね。

 Park Boutique B&B

次はデルフトに2泊です。フェルメールの街ですね。少し、小さな街なので、リーズナブルな料金のホテルが確保できました。駅からも近く、旧市街地に位置します。運河のそばのようです。これはほぼ、条件を満たしています。

 Hotel Leeuwenbrug

次はいよいよ、ライン川沿いの街に泊まります。まず、シューマンとベートーヴェンゆかりの街のボンに1泊です。ここもまあまあ、希望通りのホテルが見つかりました。駅からもそう遠くなく(徒歩では無理?)、ベートーヴェンの生家やシューマン夫妻のお墓にも近い好立地です。

 Hotel Europa

次はライン川とモーゼル川の合流点になっているコブレンツに1泊です。ここでは、鉄道での出入りが多くなるので、是非とも、駅近くのホテルにしないといけません。徒歩数分のところのホテルに決めました。ここもほぼ条件クリアーです。

 Hotel Hamm

次は完全に基本条件を無視したホテルです。何故って、配偶者の強い要望で、ライン川を望む古城ホテルに泊まることにしたんです。ライン川クルーズのコース上にある古城ホテルで、テレビの旅番組でも、よく取り上げられているホテルです。ネットのホテル予約サイトでは、満室になっていましたが、直接、ホテルのWEBサイトに行くと、ちゃんと予約できました。ここはオーバーヴェーゼルの山の上にある古城シェーンブルク城をリノベーションしたホテルです。ここで1泊します。日本の温泉旅館のように、ディナー(4コース)と朝食付きです。さすがに最上級の部屋は無理ですが、ライン川を望める小さなバルコニー付きの部屋を予約しました。ちなみにエレベーターがないので、最上階なら、大変なことになりそうです。料金は1泊二人で270ユーロとお高いですが、内容を考えれば、まあまあでしょう。早めにチェックインして、古城ホテルのステイを楽しみましょう。

 BurgHotel Auf Schönburg

次はライン川とマイン川の合流点になっているマインツに1泊です。ここからはフランクフルトもすぐ近くです。最初の到着地に鉄道で戻ってきた感じです。ここも交通の便を優先し、駅そばのホテルにします。ここも条件通りのホテルです。

 Hotel Königshof

次は、当初、シュヴァルツヴァルト(黒い森)の温泉地バーデン・バーデンに泊まるつもりでしたが、意外にアルザス地方が近いことに気が付き、ライン川を渡って、フランスのアルザス地方の中心都市のストラスブールに1泊することにしました。美しいストラスブール大聖堂も見ておきたいし、何より、本場でアルザスワインを飲みたかったんです。バーデン・バーデンからストラスブールへは直通のTGVでわずか30分です。ストラスブールでは駅近くでストラスブール大聖堂へも歩いて行ける交通至便のホテルを予約できました。ここもほぼ条件を満たしています。

 Best Western Monopole Metropole

この後は、ドイツ・フランスを離れて、スイスに入ります。スイス以降のホテルについては、次回で。


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~ホテルの手配の続き

オランダ・ライン川・ウィーンの旅のホテル手配は、オランダのホテル、ライン川沿いのドイツとフランスのホテルまで前回で完了しました。今回はライン川の終点、スイスのホテル、そして、オーストリアのホテルです。

まず、スイスのホテルですが、最初はチューリッヒのホテルに4泊して、そこを拠点にベルン、バーゼルをまわろうと考えました。前回のスイスの旅と同様な作戦です。しかし、ホテルのチェックにかかった途端に挫折。1泊目はともかく、2泊目以降が急に料金が2倍ほどにアップします。何かイベントがあるんだろうと、ベルンやバーゼル、さらには少し田舎のホテルまでチェックしますが、どこも同じ傾向です。ギブアップです。
ともかく、チューリッヒの最低レベルのホテルをとりあえず、確保。ただ、何としても、気持ちが悪いです。また、スイスは鉄道料金も高く、これも何とかしたいです。ぐっと考慮して、なるべく、鉄道移動を少なくするプランを考えます。その結果、ホテルが少々、高くなっても、移動を減らすために、まず、ベルンに泊まることにしました。ベルンは通過点なので、やはり、駅近くのホテルを予約。朝食なし、シャワーのみで144スイスフラン(約1万4千円強)もします。不満ですが、仕方ありません。

 Hotel City am Bahnhof

翌日はチューリッヒ歌劇場でオペラを見るので、チューリッヒに2泊します。最初に予約したホテルはどうしても気に入りません。そこで、チューリッヒの市内をやめて、チューリッヒ空港のそばのホテルに変更します。Sバーンの駅からも歩けて、空港からの無料シャトルバスもあります。料金はともかく、設備はしっかりしているようです。何故か日本食レストランも付属しています。ここはベルンのホテルよりも料金が高いのですが、それは料金の高い日にあたっているからです。料金はともかく、朝食がついていないのが残念です。

 BEST WESTERN Hotel Airport

実は翌日まで、このホテルに泊まるつもりでした。その後はチューリッヒ空港からウィーンまで飛ぶので便利なんです。しかし、その日の夜はバーゼル歌劇場でオペラを見ます。モーツァルトのオペラ《イドメネオ》は上演時間が長く、最終列車に乗って、チューリッヒまで戻れるかどうか、微妙です。バーゼル歌劇場にメールで終演時間を問い合わせてみましたが、プレミエ後でないと明確にならないそうです。配偶者の助言も受け入れて、安全のためにバーゼルに1泊することにしました。チューリッヒ空港へは朝、バーゼルから向かうことにしました。当然、駅の近くのホテルにしました。料金はとんでもなく高いのですが、時期が悪かったのですね。朝食付きですが、250スイスフラン(約2万5千円)もします。

 Hotel St. Gotthard Basel

次はウィーンに4泊です。もし、ネトレプコのオペラのチケットが取れれば、8泊する予定でした。ウィーンのホテルは定宿です。価格・設備など、基本条件がぴったりで文句なし。一応、4つ星だしね。高級ホテルではありませんよ。

 Austria Trend Hotel FAVORITA

本来はネトレプコのオペラを見ている筈の日が空いたので、ザルツカンマーグートに出かけます。
まず、世界遺産の街、ハルシュタットに泊まります。ホテルからのハルシュタット湖の眺望がないのだけが残念ですが、そのほかは基本条件を満たしていて、文句なし。

 Gasthof Pension Grüner Anger

次は温泉の街バート・イシュルのホテルに1泊です。ここはリゾート地なので、ホテルが高いです。ちょっと予算オーバーのホテルを予約。駅からもそう遠くなく、料金以外は基本条件を満たしています。

 Hotel Goldenes Schiff

次はマーラーとクリムトという世紀末のウィーンの2大芸術家にゆかりのアッター湖畔のホテルに1泊です。湖畔のホテルを予約。朝食別ですが、基本条件は満たしています。このホテルは後で調べたら、クリムトが出入りしていたホテルです。このホテルの建物を描いた絵も残されています。もちろん、超高額です。いいところに泊まれそうです。ホテルまでの交通アクセスについての問い合わせについても、女性オーナーが親切に回答してくれました。アッターゼー鉄道の駅も近そうです。珍しい鉄道ですから、是非、乗ってみます。

 Litzlberger Keller

最後にウィーンに戻り、上記のウィーンの定宿に1泊し、この旅も終了です。

ホテルの手配は完了しましたが、スイスのホテルの手配だけが不満な結果になりました。

次は鉄道などの交通チケット手配について、書きます。今回の旅は移動が多く、大変、苦戦しています。


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この記事へのコメント

1, えりちゃさん 2013/03/22 18:26
SARAIさん、こんにちわ!!!
着々と旅行のご準備が進んでいるご様子、さすが旅の達人です。その頃、チューリッヒ、何があるのでしょうね???
私、4月14日のVogtのオランダ人、16日のメストレさんのハープ、チケットを買いましたが、なんとこの時期、3年に一度のBAUMAという建設関係の大見本市がミュンヘンで一週間開催される事が判明、ホテルは軒並み約5~7倍のお値段(@@)、航空券すらルフトハンザは往復30万円というケシカラヌ暴挙です。泣く泣くあきらめました(号泣)17日、ウィーンに入ります。お会い出来ると嬉しいです。

2, saraiさん 2013/03/23 03:04
えりちゃさん、こんばんは。

旅行の準備も苦しんでいますが、これも楽しみのひとつです。

ミュンヘンは大変なことになりましたね。その分、ウィーンで楽しみましょう。当方も17日にチューリッヒからウィーンにはいります。20日まではウィーンにいますので、お会いできると思います。

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アンドリュー・リットン+伊藤恵+東京都交響楽団@東京文化会館 2013.3.22

今日は満開の上野公園の桜の中、文化会館での今年度の最後の都響の定期演奏会です。(サントリーホールでの定期演奏会は来週あります、)
春めいた気持ちで、リラックスして楽しみましょう。曲目もそんな曲です。

今日のプログラムは以下の内容です。

 プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」第3組曲 Op.101
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467 ピアノ:伊藤恵

  《休憩》

 プロコフィエフ:交響曲第4番ハ長調(改訂版)Op.112

プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」第3組曲は初めて聴きました(もちろん、予習はしましたけどね)。いつもは第1組曲か、第2組曲です。第3組曲はあまり耳慣れない曲が並んでいます。そのため、新鮮に聴こえます。繊細な響きの曲が多く、リットンは見事に都響の美しい響きを引き出していました。好演です。バレエとはまた違った魅力が感じられました。

続いて、伊藤恵のピアノでモーツァルトの有名なピアノ協奏曲第21番です。特に第2楽章は映画の主題歌にも使われたロマンチックな曲です。都響のアンサンブルの美しさが際立っていました。2週間前のロンドン交響楽団のアンサンブルを上回る繊細な響きです。伊藤恵のピアノもモーツァルトらしく、クリアーなタッチで、かなり弾き込んだ表現です。ピリスの純情可憐な音色を聴いたばっかりなので、少し、たっぷりと堂々的な表現過ぎるように感じますが、なかなかの演奏でした。満足のモーツァルトです。

休憩後、プロコフィエフの交響曲第4番(改訂版)です。これもプロコフィエフらしい響きで堪能させてくれる演奏でした。リットンの指揮は、あまり、ドラマチックな表現には走らず、丁寧に音の響きを紡いでいく感じで、好調な都響の弦・木管もその指揮に応えた美しい響きです。新古典の枠を超えたモダニズムの世界を感じさせてくれました。強い感動をめざす曲ではないので、そのプロコフィエフ特有の響きに心を委ね、癒された思いです。

感動はありませんでしたが、こういう響きを楽しむ音楽もよいものです。

ところで、都響の小冊子を見て、びっくり! 何と、都響は今年5月の「プラハの春」音楽祭に参加するんです。それもヴァイオリンの庄司紗矢香を帯同するようです。庄司紗矢香と言えば、同じ5月にウィーン交響楽団のコンサートでウィーンデビューしますが、その足でプラハにまわるようです。都響も庄司紗矢香もヨーロッパで是非、成果をあげてきてほしいですね。


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       伊藤恵,  

オランダ・ライン川・ウィーンの旅~オランダの鉄道の手配に大苦戦!!

オランダ・ライン川・ウィーンの旅のホテル手配は完了しました。

次は鉄道などの交通チケットの手配です。
まずはオランダの国内の鉄道移動を検討します。検討する経路は次の2つです。

 1.アムステルダムからデルフトに移動。当日はデン・ハーグとロッテルダムにもまわります。
 2.デルフトからアムステルダムへの往復。

1.の経路を検討します。
オランダ国鉄のサイトでルートをチェックすると、最初にデルフトまで行ってしまうと、デン・ハーグを30分以上通り過ぎて、また、デン・ハーグに戻る感じで1時間以上のロスになります。当日はアムステルダムのホテルから、デルフトのホテルに移動するので、大きな荷物を持っての移動になるため、本当は先にデルフトまで行って、ホテルに荷物を預けたかったんです。仕方ないので、いったん、デン・ハーグの駅で下車して、荷物をコインロッカーに預けましょう。デン・ハーグの駅の情報を調べると、デン・ハーグには中央駅とHSという2つの駅がありますが、中央駅には、クレジットカードを使えるコインロッカーが整備されているようです。これで決まりです。最初にアムステルダム中央駅からデン・ハーグ中央駅まで、50分で移動します。荷物もあり、土曜日なので、この区間はファーストクラスにします。オランダの鉄道は国内移動は座席指定ができないので、念の為、空いているファーストクラスを選択します。
デン・ハーグの観光の後、デルフトに移動するので、鉄道の時刻をチェックすると、2回も乗り換える、ややこしいルートになっています。変だと思って、よく見ると、この区間は現在、工事中のようで、代替バスの運行になっています。これはいやですね。重い荷物を抱えて、大変です。デン・ハーグからデルフトはトラムが走っているようなので、そちらを利用しましょう。30分ほどで乗り換えなしで移動できます。運転間隔も15分置きです。デルフトのホテルに荷物を置いて、ロッテルダムを往復します。デルフトとロッテルダムは15分ほどで結ばれています。運転間隔も15分置きです。これはまったく問題ありません。

2.の経路を検討します。
オランダ国鉄のサイトでルートをチェックすると、また、デルフトからデン・ハーグまでは代替バスに乗ることになり、通常に比べて、30分以上も時間がかかってしまいます。まあ、仕方がないですね。

これでオランダ国内の鉄道移動は確定したので、オランダ国鉄のサイトでオンラインチケットを買おうとしました。すると、データをすべて投入して、清算の段階で何とクレジットカードが使えず、オランダ国内の銀行口座を指定するように指示されます。これは参った。何とかして欲しいものです。あきらめて、オランダの駅でチケットを購入するしかありません。どうせ、座席指定できないので、たいした不具合はありません。ただ、駅の自動券売機はクレジットカードが使えないものが多く、窓口では手数料を取られるそうです。SUICAのようなプリペイドカードもあるそうですが、これも面倒そうです。しかし、市内のトラムやバスに乗るには、いずれにせよ、このカードが必要そうなので、これから、検討してみます。

2.の経路をもう少し検討すると、ロッテルダム経由で高速鉄道FYRAを使えば、デルフトとアムステルダム間が1時間ちょっとに短縮されることが分かりました。追加料金が必要そうですが、それがどれくらいかは調べられませんでした。少々の出費は覚悟して、時間短縮の方向で検討したいと思います。

いやはや、ほとんど未経験のオランダの鉄道には大苦戦です。ほかのヨーロッパの鉄道とあまりにシステムが異なり、戸惑っています。

次回はオランダを出て、ライン川を遡る鉄道の手配です。得意?のドイツ国鉄(DB)の筈でしたが、これはこれでなかなか、大変なんです。


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~ライン川を遡る鉄道の旅、お得なチケット手配編

オランダの国内の鉄道移動の検討が一区切りしたところで、次はオランダを起点にライン川を遡る鉄道の手配にかかります。
デルフトから、ライン川を遡り、ドイツに移動します。いくつかのルートが考えられますが、なるべく、ライン川に沿ったルートを通り、1日目はライン川河畔の街ボンに向かいます。

 デルフト⇒デン・ハーグ中央駅 9:46発、10:02着のRE:レギオナル・エキスプレス(急行)
 デン・ハーグ中央駅⇒(ゴウダ)⇒ユトレヒト中央駅 10:19発、10:46着のIC:インターシティ(特急)
 ユトレヒト中央駅⇒(アーネム)⇒(オーバーハウゼン)⇒(デュイスブルグ)⇒(デュッセルドルフ)⇒ケルン中央駅 11:02分発、13:12分着のICE:インターシティ・エキスプレス(高速特急)
 ケルン中央駅⇒ボン中央駅 15:53分発、16:12分着のIC:インターシティ(特急)

ユトレヒトを出たあたりからは、ほぼ、ライン川に沿って走ります。
このルートのチケットはDB(ドイツ国鉄)の割引チケットEuropa-Spezial Niederlandeが買えます。オランダ国内の路線も含めて、DBのネットサイトで購入でき、A4サイズのチケットをプリントできます。割引率も大変いいので、ここはファーストクラスを贅沢します。料金は以下です。

 スタンダード料金:104.3ユーロ 割引チケット料金:49ユーロ

半分以下の料金で買える非常にお得なチケットです。
このほかに座席指定(ユトレヒト以降)料金が4ユーロです。いずれも一人当たりの料金ですから、saraiと配偶者で計106ユーロです。
この割引チケットEuropa-Spezial Niederlandeは列車指定のチケットなので、購入後、列車の変更はできません。また、3か月前の発売で予定席数が売れたところで買えなくなります。ネットからはクレジットカード(JCB、VISAなど)で購入できます。
途中、ケルンで観光するので、駅のコインロッカーに荷物を預ける予定です。

翌日はボンからモーゼル川の街コッヘムまで行き、そこからコブレンツに戻ります。

 ボン中央駅⇒コブレンツ中央駅 10:37分発、11:16分着のIC:インターシティ(特急)
 コブレンツ中央駅⇒コッヘム(モーゼル) 12:22分発、12:56分着のRE:レギオナル・エキスプレス(急行)
 コッヘム(モーゼル)⇒コブレンツ中央駅 18:58分発、19:38分着のRE:レギオナル・エキスプレス(急行)

これはスタンダード料金のチケットしかありませんでしたが、全行程を通しで買うと、ずい分、お得な料金になりました。乗る時間もたいしたことはないので、セカンドクラスにしました。37ユーロ/1人です。コブレンツの乗り換えの時間に駅前のホテルに行って、荷物を預かってもらうつもりです。

翌日は旅のハイライト。ライン川クルーズです。朝、コブレンツから鉄道でライン川を遡り、リューデスハイムまで行きます。そこのKDラインのクルーズ船に乗って、コブレンツまで戻ります。コブレンツを軽く観光して、駅前のホテルで預かってもらった荷物を受け取って、鉄道でオーバーヴェーゼルに行きます。そこからタクシーで5分ほどで古城ホテル・シェーンブルクに行きます。

 コブレンツ中央駅⇒リューデスハイム 06:54分発、07:52分着
 リューデスハイムKDライン・クルーズ船乗り場⇒リューデスハイムKDライン・クルーズ船乗り場 9:15分発、13:10分着
 コブレンツ中央駅⇒オーバーヴェーゼル 14:53分発、15:25分着

鉄道の時間は流動的なので、チケットは現地で購入予定です。

翌日はオーバーヴェーゼルからマインツまでの移動です。マインツからはヴィースバーデンへの往復を考えていますが、これはSバーンで15分ほどです。

 オーバーヴェーゼル⇒マインツ 09:34分発か10:26分発で10:08分着か11:26分着

スタンダード料金なので、現地でチケット購入予定です。

翌日はマインツからバーデン・バーデンまで行き、温泉を楽しみ、そこからフランスのアルザス地方の中心都市のストラスブールに行きます。

 マインツ中央駅⇒マンハイム中央駅 8:45分発、9:24分着のIC:インターシティ(特急)
 マンハイム中央駅⇒カールスルーエ中央駅 9:36分発、9:58分着のICE:インターシティ・エキスプレス(高速特急)
 カールスルーエ中央駅⇒バーデン・バーデン 10:09分発、10:29分着のRE:レギオナル・エキスプレス(急行)
 バーデン・バーデン⇒ストラスブール 15:35分発、16:01分着のTGV(フランス国鉄:FNCFの高速特急)

この区間のチケットはドイツからフランスの国際路線になるので、DB(ドイツ国鉄)の割引チケットEuropa-Spezialが買えます。ここは区間も短いのでセカンドクラスで39ユーロ/1人です。

この後は、フランスからスイスにはいります。今回のDB(ドイツ国鉄)のチケットは買い慣れているので、スムーズに買えました。今度はフランスとスイスの鉄道チケットですが、これは大苦戦です。それは次回で。


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~スイスの鉄道のお得なチケット手配編

ライン川に沿って、ドイツ国内を移動し、フランスのアルザス地方のストラスブールまでの鉄道チケットの手配まで完了。
次はストラスブールからスイスにはいり、スイス国内の鉄道移動のチケットを手配します。

まず、ストラスブールからスイスのバーゼルを経由して、スイスの首都ベルンまでです。経路は2つあります。

 1.フランス国内の鉄道を通って、バーゼルに達するルート
 2.ライン川を渡り、ドイツ国内に戻り、ライン川を遡って、バーゼルに向かうルート

まずは1.のルートを優先して検討しました。2.のライン川沿いのルートは、元来たところに戻る無駄な感じだからです。
1.のルートはフランス国鉄(FNCF)か、スイス国鉄(SBB)で購入できます。フランス国鉄で購入すると料金が高過ぎ、スイス国鉄では割引料金で購入できそうです。スイス国鉄のWEBサイトからチケットを購入します。情報を入力して、最終購入画面まで進んだ時に、チケットの受け取り方法で困ってしまいました。自宅プリンターでのチケットの印刷には未対応ということで、郵送か、駅の窓口での受け取りということです。郵送はスイス国内とかヨーロッパ内はともかく、日本で受け取ろうとすると、高額(チケット代よりも高い!)な郵送料になり、問題外です。駅の窓口での受け取りですが、受け取れる駅はスイス国内の駅のみで、フランスのストラスブールでは受け取れません。したがって、1.のルートでのチケット購入は断念します。

2.のルートは、いったん、ライン川を渡り、オッフェンブルクの駅まで行き、そこから、ドイツ国鉄でバーゼルに向かうことになります。ところが午後遅くの具合のいい時間の電車は割引料金のチケットがありません。多分、3か月前に購入すればよかったのかもしれませんが、割引チケットは売り切れなんでしょう。いっそのこと、バーデン・バーデンまで戻れば、そこからはバーゼルまでの格安のチケットがあります。ところが、ストラスブールからバーデン・バーデン行きの直通電車にちょうど、いい時間のものがなく、待ち合わせの時間がとんでもなく、長くなってしまいます。このルートも行き詰まりました。

最終的に、2.のルートで少々割高でも最適な時間の列車を選ぶことにしました。

 ストラスブール駅⇒オッフェンブルク駅 16:22分発、16:52分着のOSB鉄道(Ortenau-S-Bahn)
 オッフェンブルク駅⇒バーゼルSBB駅 17:29分発、18:27分着のICE:インターシティ・エキスプレス(高速特急)
 バーゼルSBB駅⇒ベルン駅 18:59分発、19:56分着のICE:インターシティ・エキスプレス(高速特急)

料金はオッフェンブルクまでがセカンドクラスで8.1ユーロ、そこからベルンまでは割引チケットEuropa-Spezialのファーストクラスで49ユーロです。いずれも一人当たりの料金です。

次はスイス国内の移動です。割引チケットと言えば、乗り放題のユーレイルパスか、料金がすべて半額になるスイスパスがありますが、いずれも鉄道の移動距離が長くないとお得にはなりません。とりあえずは通常のチケットを購入する方針にしました。スイス国鉄のサイトで列車の時刻表をチェックしようとして、チケットの一覧表をながめていると、気になるものが目に飛び込んできました。Sparbillettという項目があります。もしや、割引チケットかと思い、早速、ベルンからチューリッヒ空港までの料金を調べてみます。チューリッヒのホテルは空港近くのホテルなんです。すると、Sparbillettの料金は通常の料金と同じです。なーんだと思いながら、念の為、ベルンからチューリッヒ中央駅までの料金も調べてみました。すると何と言うことでしょう! 半額の料金が表示されました。Sparbillettの料金が適用される区間は限定されているんですね。それなら、ベルンからチューリッヒ中央駅まで割引料金で行き、そこからSバーンに乗ることにします。

 ベルン⇒チューリッヒ中央駅 14:36分発、15:54分着のIR:インターレギオ(準特急)

この割引チケットSparbillettは決めた列車に乗ること、2週間前から3日目までに購入することが条件になります。ベルンからチューリッヒ中央駅は通常料金が一人49スイスフランのところ、Sparbillettは24.6スイスフランと半額になります。

Sバーンの料金ですが、ゾーン制になっていて、チューリッヒ中央駅と空港間は3ゾーンで片道6.6スイスフランですが、往復だと13.2スイスフランと倍額になりますが、往復チケットは24時間有効でゾーン内は乗り放題になります。

翌日はボーデン湖に行きます。湖畔の街コンスタンツ(この街はドイツです)、ライン河畔の街シュタイン・アム・ラインあたりをまわります。一部区間で割引チケットSparbillettが適用されますが、ややこしいので、この日は通常チケットを購入することにします。

翌日はヴィンタートゥールの美術館に寄った後、バーゼルに移動します。これは割引チケットSparbillettを活用しましょう。

 チューリッヒ中央駅⇒バーゼルSBB駅 12:34分発、13:27分着のIC:インターシティ(特急)

チューリッヒ中央駅からバーゼルSBB駅は通常料金が一人32スイスフランのところ、Sparbillettは16スイスフランと半額になります。

翌日はバーゼルからチューリッヒ空港に移動し、LCCのニキ航空でウィーンに飛びます。チューリッヒ中央駅までは割引チケットSparbillettを活用します。

 バーゼルSBB駅⇒チューリッヒ中央駅 10:07分発、11:00分着のIC:インターシティ(特急)

割引チケットSparbillettはもちろん、半額の16スイスフランになります。

ストラスブールからベルンの移動はかなり難渋しましたが、スイス国内は割引チケットSparbillettの活用でかなりお得になりそうです。

次回はウィーンからザルツカンマーグートへの鉄道の旅の手配です。


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~ザルツカンマーグートの珍しい鉄道を総巡り

ライン川の鉄道の旅のチケットの手配をほぼ完了し、今度はウィーンで空いた日程でのザルツカンマーグート巡りの鉄道手配です。
まず、ウィーンからハルシュタットに行きます。普通はザルツブルグ近くまで行き、アットナング・プッフハイム(Attnang-Puchheim)からグムンデンを経由してハルシュタットに向かうルートになります。しかし、それでは面白くないので、今回は鉄道を楽しむ旅にします。ウィーンから世界遺産のセンメリング鉄道を経由して、レオーベンを通り、シュタイナッハ・イルドニングからザルツカンマーグートにはいり、ハルシュタットに至るルートです。

 ウィーン・マイドリング駅⇒レオーベン中央駅 10:30発、12:25分着のrailjet:レールジェット(特急)
 レオーベン中央駅⇒シュタイナッハ・イルドニング駅 12:31発、13:36分着のEC:ユーロシティ(特急)
 シュタイナッハ・イルドニング駅⇒ハルシュタット駅 13:40発、14:31分着のREX:レギオナル・エクスプレス(急行)

割引チケットSparSchiene Osterreichというのがありますが、この列車では、割り当て分がありません。最悪、スタンダード料金です。

翌日はバード・イシュルに移動します。

 ハルシュタット駅⇒バード・イシュル駅 12:31発、12:53分着のREX:レギオナル・エクスプレス(急行)

翌日はアッター湖のカンマー近くのゼーヴァルヒェンのホテルに向かいます。ここでは、滅多に乗れないカンマー鉄道(Kammerer Bahn)に乗ります。ウィーンとザルツブルグ間の本線からはフェックラブルック(Vöcklabruck)で分岐して、アッター湖畔のカンマー(Kammer-Schörfling)までがカンマー鉄道です。本当はバスで移動すれば簡単なんですが、あえて、鉄道の旅にこだわってみます。

 バード・イシュル駅⇒アットナング・プッフハイム駅 11:35発、12:44分着のR:レギオナル(ローカル電車)
 アットナング・プッフハイム駅⇒カンマー・シェルフリング駅 13:22発、13:48分着のR:レギオナル(ローカル電車)

終点のカンマー・シェルフリング駅はアッター湖に突き出たカンマー城のすぐ近くです。ここから、ホテルへは徒歩か、バスで移動します。

翌日は少々、難しい日程です。カンマーにあるクリムト・センターを見学して、ウィーンに取って返します。夜はウィーン・フィルのコンサートが楽友協会で予定されています。ここでも、移動にはこだわって、アッターガウ鉄道(Attergaubahn)に無理して乗ります。これも滅多に乗れない鉄道です。このアッターガウ鉄道はアッター湖畔のアッターゼー駅(Attersee)からフェックラマルクト駅(Vöcklamarkt)までで、このフェックラマルクト駅でオーストリア国鉄のウィーンとザルツブルグ間の本線に接続します。ついでにそのアッターゼー駅まで、アッター湖のフェリーを利用しようとしましたが、それはまだシーズンオフで運行していません。代わりにバスかタクシー利用です。アッターゼー鉄道の後は普通ならウィーン行きのインターシティに乗るところですが、これも新しくできたWESTBAHNという電車に初めて乗ります。料金もオーストリア国鉄よりも安いようです。

 アッターゼー駅⇒フェックラマルクト駅 12:07発、12:32分着のR:レギオナル(ローカル電車)
 フェックラマルクト駅⇒アットナング・プッフハイム駅 12:37発、12:55分着のREX:レギオナル・エクスプレス(急行)
 アットナング・プッフハイム駅⇒ウィーン西駅 13:32発、15:20分着のWESTBAHNの電車

ザルツカンマーグートでは、カンマー鉄道とアッターガウ鉄道というローカル線を前線走破します。センメリング鉄道もWESTBAHNも初体験。移動手段の鉄道にこだわった旅をします。これで今回の旅の鉄道の手配もほぼ完了になります。それでも、準備は際限なく続きます。


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この記事へのコメント

1, えりちゃさん 2013/03/27 18:38
SARAI様、お邪魔します。
鉄道の旅のご準備、すごいです!!!
ザルツカンマーグートには色々な鉄道があるのですねえ!ガイド本にも載っていませんよ?
私、やっと予約しました。ウィーン西駅08:36発、ミュンヘン
12:29着、39+3ユーロ、翌日ミュンヘン発13:27、ウィーン西駅着17:24、49+3ユーロでした。オーストリアの鉄道は比較的料金が安いですか??この予約で精一杯でした。またご教示くださいませ。

2, saraiさん 2013/03/28 00:08
えりちゃさん、こんばんは。

お褒めいただき、ありがとうございます。ザルツカンマーグート、特にアッター湖あたりは情報が少ないですね。このほかにもフォルヒドルフ鉄道とかトラウンゼー鉄道とか、乗れなかったローカル線があるんです。また、別の機会があればと思っています。

ウィーンとミュンヘン間は1等ですね。順当な価格じゃないですか。指定はいらなかったかもしれませんけどね。もう、お教えすることはありませんよ。準備進んでいるようで、なによりです。

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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~怪我や病気になる危険とその対応

これまで、ずい分、海外旅行を続けてきましたが、無謀にも、海外で病院のお世話になることへの対応は怠っていました。幸いにも、これまでは、そんな緊急事態に陥ったことはありません。唯一、同行した母親が怪我で救急車で病院に運び込まれたことはありますが、彼女は高齢を気にして、海外傷害・疾病保険にはいっていたので、治療費は補償されました。
今回、配偶者から「自分達もそれなりの年齢になったので、是非、海外での事故や病気に対応できるようにしたい」という提案を受け、それもそうだと思い、急遽、何らかの方法を考えようと思いました。色々、調べた結果、直接、保険にはいるよりも、クレジットカードに付帯しているサービスがお得そうに思えました。自分の持っているクレジットカードはすべて調べましたが、そのような保障サービスは付いていません。その結果、以下の2案を採用することに絞り込みました。

 ・ANAカードをANAワイドカードにグレードアップ
 ・セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードを新規に契約

もちろん、会費無料のカードで保障の付いているカードもありますが、ここは少し費用をかけて、安心して、旅に出ようと思います。
どちらのカードを選択するかは保障内容や今から手続きOKかなどを電話で問い合わせて、決めることにしました。
結果的には、セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードを新規に契約することにしました。決め手となったのは、保障額が大きいことです。ANAワイドカードの150万円に対して、セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードは300万円。もし、海外で事故にあって、飛行機でベッドに乗って、帰国することになったりしたら、大変、高額になったりするでしょう。もうひとつ、細かい話ですが、ANAカードをANAワイドカードにグレードアップすると、カード番号が変わるそうです。これって、結構、面倒なことになります。カード払いにしているものは分かる範囲はカード会社側で切り換えてくれるそうですが、今やカード払いが多過ぎて、自分でもすべてを把握するのが大変なんです。
ただし、セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードは初年度は年会費無料キャンペーン中なので、1年間、様子を見て、ANAワイドカードへのグレードアップも再検討するかもしれません。マイル積算率も上がりますからね。

セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードは手続きを完了し、もう、手元に自分用のカードと配偶者用の家族カードが届きました。ヨーロッパでもしものことがあれば、提携病院を紹介してもらって、治療費は無料になります。立て替えも不要です。ヨーロッパの緊急対応センターは日本語対応なのだそうで、難しい症状も容易に伝えることができて、大変、安心です。

もっとも、このカードのお世話にならないようにしたいものですが・・・・


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~初めての羽田からの海外渡航・・・そして、夢と消えたB787への初搭乗

今回の旅では、羽田空港の国際線、初搭乗になります。saraiの世代は海外渡航と言えば、羽田からという感覚が子供のときからの感覚です。実際に自分が海外に行くようになったときには既に海外渡航は成田空港からになっていました。この歳になって、羽田からの海外というのは感慨深いものがあります。それにsaraiは京浜急行沿線に住んでいるので、羽田はとても近くて便利です。その上、ヨーロッパ便は深夜出発なので、自宅でゆっくりと夕食を食べ、お風呂にはいってから出発しても余裕で間に合います。ヨーロッパには早朝到着なので、1日、有効活用もできます。いいことづくめですね。

また、ANAのフランクフルト線は機材がB878です。このB878への初搭乗も楽しみでした。ところが、相次ぐ事故のため、願いも虚しく、機材変更の通知がありました。急いで、座席指定をやり直して、最後部の限定3カ所の2人掛け席(ラブラブシート)に無事、変更しました。
しかし、この後に落とし穴!
実は6月の旅も同じフライトです。先日、ボーイング社からのB787の改修が決定した発表を聞いて、きっと、6月はB787が飛ぶものと思い込んでいました。昨日、年の為、チェックしてみたら、勝手に3人掛けの通路側の席に変更されていました。機材がB777に変更になったようです。あわてて、ラブラブシートを調べると、既に割り当て済み! 仕方がないので、3人掛けの窓際の席に変更しました。これももう少し遅れると、変更できないところでした。

B787の体験は今後の楽しみにとっておきましょう。そのときまでには、しっかりと安全対策をお願いします。


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戦慄の大合唱!《カルミナ・ブラーナ》東京都交響楽団@サントリーホール 2013.3.29

今シーズン最後の都響の定期演奏会・・・それは冒頭の怒濤の大合唱に戦慄を覚える未体験ゾーンでした。

今日のプログラムは以下の内容です。

 モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550

  《休憩》

 オルフ:世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》
  ソプラノ:澤畑恵美
  テノール:経種廉彦
  バリトン:萩原潤
  合唱:栗友会合唱団、武蔵野音楽大学室内合唱団
  児童合唱:東京少年少女合唱隊

モーツァルトの交響曲第40番は名曲中の名曲です。少々の演奏では、びくともしません。曲は違いますが、ハイティンク指揮の第41番《ジュピター》を聴いたのが2年ほど前でしょうか。それは、最高のモーツァルトでした。今、モーツァルト聴くなら、ハイティンクですが、彼はあんまりコンサートに取り上げないし、CDもブルックナーにカップリングしたシュターツカペレ・ドレスデンのものが唯一でしょうか。
ともあれ、今日の演奏は都響の素晴らしい弦楽セクションの響きは楽しめましたが、もっと、シャープで閃きに満ちた演奏を期待したいものです。モーツァルトの演奏はなかなか難しいですね。

休憩後、オルフの《カルミナ・ブラーナ》です。フルバージョンで聴くのは初めてですし、ましてや、合唱団の規模が生半可ではありません。サントリーホールのステージ後方の座席を埋めつくしても足りないほどの大合唱団です。合唱だけではマーラーの《千人の交響曲》並みです。
冒頭、いきなり、ガツンとやられました。こんな大音響の人間の声は聴いた覚えがありません。原初的な感覚を覚えて、思わず、身震いします。そういえば、予習で家のステレオでCD(プレヴィン指揮ウィーン・フィル)を聴いたとき、いきなり、破壊的な大音響が鳴ったので、あわてて、ヴォリュームを絞りましたが、あれはあのままでよかったようですね。もちろん、防音室とは言え、近所から苦情が来るかもしれません。
終始、圧倒的な合唱に叩きのめされた感じです。音楽に感動したのではなく、音響に圧倒されたのが第1です。3人の独唱も好演でした。ただ、ソプラノはそもそも、作曲家がソプラノ泣かせとしか思えない難しいパートの連続を用意したお蔭で、困難な挑戦でした。CDでは、バーバラ・ボニーが完璧な歌唱でしたが、これは格が違います。
最後は大盛り上がりでフィナーレ。内面的な感動ではありませんが、大変な興奮を覚えました。シーズン最後の素晴らしい公演でした。

来週からはヨーロッパ遠征です。1週間後には、アムステルダムのコンセルトヘボウでハイティンク指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のブルックナー第8番です。これを皮切りに、音楽三昧の予定です。レポートを楽しみにしていてくださいね。


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~準備あれこれ、持つべきものは友!

段々と出発日が迫ってきましたが、何かと準備することが多く、焦り気味です。
今日はオペラ・コンサートのチケットの現物確認です。4月の旅はまだ手配をお願いしているウィーン・フィルのチケットを除いて、すべて揃いました。昨日、最終的にフォルクスオーパーのチケットのホームプリントを完了しました。
6月の旅のチケットはまだ、これから予約するものもあり、手元に欠けているものがかなりあります。まあ、重要なものは揃っているので、問題はありません。

鉄道での移動についても、ほぼ完了していたとは言え、かなり大雑把な計画なので、詳細を詰めています。

まず、一番、問題なのがオランダ国内での鉄道です。チケット入手が現地に行ってからになるので、面倒です。これは現地のお友達のお力で大きく前進しました。3月末に4月中に使用できるオランダ全線1日乗り放題の鉄道チケットが売り出されるのだそうで、それを2日分、調達してもらいました。これで、以下の2日間の移動が楽になりました。

 アムステルダム⇒デン・ハーグ⇒デルフト⇒ロッテルダム⇒デルフト
 デルフト⇒アムステルダム⇒デルフト

1人1日、1等席が26ユーロです。たまたま、利用する日はデン・ハーグとデルフト間が工事中なので、アムステルダムとロッテルダム間の高速列車FYRAの追加料金もありません。通常、アムステルダムとデルフト間はデン・ハーグ経由ですが、ちょうど、工事区間が間にはいるので、ロッテルダム経由のFYRA利用を無料化するとのことです。日本では考えられないことですね。
お友達の細かいアドバイスもいただきながら、ほぼ、問題はすべてクリアしました。
デン・ハーグには中央駅とHS駅がありますが、当初、中央駅を利用する予定でしたが、デルフトへの代行バスを利用するためには、HS駅が便利なことも教えていただき、HS駅にコインロッカーがあることも分かりました。アムステルダムからデン・ハーグへは、HS駅行きのほうが本数が多いので便利です。

ところで、うっかりしていましたが、現在、アムステルダムでは国立美術館が4月に再オープンのため、現在閉館中ですが、ゴッホ美術館も閉館中なのだそうです。マウリッツハイス美術館も含め、閉館中だらけで、どうなっているんでしょう。幸い、ゴッホ美術館の主要作品はエルミタージュ美術館で公開中とのことで、そこに行くことにしました。これもお友達情報です。助かります!

これまで、最初にアムステルダムを訪問するように書いていますが、実はフランクフルトでトランジットの時間を10時間ほど取り、フランクフルトのシュテーデル美術館を訪れる予定です。フランクフルトカードを購入するのが便利そうです。空港のターミナル1の到着ロビーにあるホテル予約カウンターで購入できるそうで、市内交通機関(空港から)は乗り放題で美術館のチケットも最大50%オフになるそうです。早朝の6時に到着するので、このホテル予約カウンターが開いているかどうか調べると、7時にオープンするようです。それまで待ちましょう。

オランダ及びフランクフルトはこれくらいにして、明日はライン川の旅を詳細に詰めていきます。


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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~準備あれこれ、鉄道チケットを総購入

準備あれこれ、思うように進みません。耄碌したかなと思うほどです。
今日はちゃんと鉄道チケットを確認・購入します。

お友達のご厚意で、オランダは片づきました。
オランダからライン川を遡り、スイスまでは、割引チケットはすべて購入済みです。残りは一般チケット(ノーマルチケット)です。現地で調達するつもりでしたが、時間の無駄にもなるので、オンラインチケットを購入することにしました。
まずはコブレンツを起点にライン川クルーズをする日のチケットです。

 コブレンツ中央駅⇒リューデスハイム 06:54分発、07:52分着
 コブレンツ中央駅⇒オーバーヴェーゼル 14:53分発、15:25分着

これは一般チケットなので、オープンチケットです。すなわち、その日のどの時間の列車に乗ってもいいということです。

クルーズのチケットはオンラインで買えず、現地の窓口での購入になります。

古城ホテルに泊まった後、マインツまでのチケットです。これも上記のチケットと同様です。

 オーバーヴェーゼル⇒マインツ 09:34分発か10:26分発で10:08分着か11:26分着

マインツからヴィースバーデンまでのSバーンの往復チケットは買えなかったので現地調達になります。

これでスイスのベルンまでの鉄道チケットはすべて揃いました。

次にスイス国内の鉄道チケットですが、遂に乗車2週間前になったので、最初のベルン駅⇒チューリッヒ中央駅が買えるようになりました。Supersaver Ticketという50%オフのチケットです。とりあえず、このチケットをテスト的に購入し、問題ないか、確認しましょう。
確かに2週間前なので、カレンダー上に目的の日が表示されるようになりました。早速、購入しようとすると、何と午前中の列車のみが割引チケットとして表示されます。げげっ・・・日曜の午後は割引チケットの割り当てがなさそうです。それでも、念の為にその1週間前の日曜のチケットをチェックしてみました。すると何ということでしょう! ちゃんと午後のチケットも割引になっています。どういうことか、熟考した結果、どうも、2週間前の売り出しは、日日単位で売り出すのではなく、時間単位で売り出しているんじゃないかと思い当たりました。実際、少し、時間を置いて、チケットをチェックすると、午後の割引チケットも出てきました。さすがに時計で有名なスイス。時間には厳密ですね。
無事に5割引のSupersaver Ticketをクレジットカードで購入でき、チケットのプリントも完了しました。スイスの鉄道チケットはこれから出発の日まで3日間、順次、チケットを購入していきます。

勢いに乗って、ザルツカンマーグートの鉄道チケットも購入しましたが、夜も更けてきたので、それについては明日、書きます。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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