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旅はオランダから~マイン川の歩行者専用橋を渡って、シュテーデル美術館へ

2013年4月4日木曜日@東京~フランクフルト~アムステルダム/3回目

レーマー広場の西側にある神聖ローマ帝国新皇帝の戴冠式後の祝宴が開かれていた旧市庁舎を見た後、思い立って、神聖ローマ帝国新皇帝の戴冠式が行われていた大聖堂に行ってみることにします。広場の奥から左方に続く路地を進みます。


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路地を進むと、シルン美術館の建物にぶつかります。シルン美術館は現代芸術などの企画展を行う美術館です。この美術館のドームには無料で入れますが、なかなか壮観です。


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その先には、大聖堂があります。高く突き上げた尖塔が印象的です。


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この大聖堂は歴代の神聖ローマ帝国皇帝が戴冠したところなので、内部も見たかったんですが、時間が早過ぎて扉は固くしまっていました。尖塔に上がれば街も見下ろせるようですが、残念です。時間があれば、もう一度ここに戻ってきましょう。

ここからはマイン川河畔に出ます。クルーズ船をチェックしますが、残念ながら11時にならないと出航しないようです。1時間程のマイン川クルーズをしてみたかったところです。


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代わりにマイン川の河畔を少し歩いてみましょう。今回の旅でライン川を河口から遡ることを予定していますが、このマイン川はマインツでライン川に合流するので、ライン川の旅の前哨戦とも言えます。


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マイン川の歩行者専用橋アイゼルナー橋Eiserner Stegを渡り、対岸に移動します。散策の最終目的地のシュテーデル美術館は対岸にあるんです。


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歩行者専用橋と言っても、とても立派な橋です。パリを始め、ヨーロッパには立派な歩行者専用橋がありますね。


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橋の欄干に妙なものがあります。よく見ると、いわゆる《愛の南京錠》です。


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膨大な量の《愛の南京錠》がぶら下げられています。感想は・・・ノーコメント。


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橋の中央部から、マイン川の下流の方を眺めます。右手に見えているのがマインハッタンの高層ビルです。その先が散策の出発点のフランクフルト中央駅になります。


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対岸に渡り切り、橋の下から来た方を眺めると、大聖堂の尖塔が見えています。その左手にレーマー広場がある筈です。


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岸辺には綺麗な花が咲き始めています。春近しの感ありです。


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川沿いに散策しますが、寒い! 震え上がります。次の橋で川岸を上がりましょう。


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川岸を上がり通りを歩くと、デジタル表示板があり、時間は8時50分。


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そして、気温は何と3度のままです! 寒いはずですね。


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ここから美術館を探しますが、迷ってしまいます。通りに高級車を停めて下りてきた上品そうな女性に伺うと、迷わずに教えてくれました。結果的には、すぐ近くでした。何のことはない、マイン川沿いの通りの一角にあります。この通りはシュウマンカイSchaumainkaiというプロムナードになっていて、シュテーデル美術館を始め、多くの博物館が立ち並んでいます。博物館通りとも呼ばれている通りです。

ぐるりと街を一周し、目的のシュテーデル美術館に到達しました。


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が、時間はまだ9時。開館まで1時間あります。美術館併設のカフェの開店も10時だそうです。美術館の周りにカフェがあるかどうか聞いてみると、川の対岸の方を指差します。寒いし、お腹が空いたし、カフェを探してみましょう。美術館の前にある歩行者専用橋ホルバイン橋Holbeinsteg(美術館にふさわしい名前ですね)で、マイン川を再び渡ります。


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橋の上から見たシュテーデル美術館の全景です。


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橋を渡ると、出発点のフランクフルト中央駅近くに戻ってしまいそうです。くたびれもうけとも言えますが、楽しい街歩きをしたと強がっておきましょう。


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カフェで休憩と思いましたが、朝食のパンを売るパン屋さんがオープンしてるだけです。駅の方に戻り、椅子席のあるパン屋さんでサンドイッチとコーヒーで一服です。


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お蔭で人心地がしました。ここで時間調整して、美術館に戻ります。

散策ルートを地図で確認しておきましょう。


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旅はオランダから~シュテーデル美術館のフェルメール

2013年4月4日木曜日@東京~フランクフルト~アムステルダム/4回目

パン屋さんでの朝食を済ませ、さあ時間です。美術館に行きましょう。もう一度シュテーデル美術館まで歩くのも疲れるので、今度は駅からのバスを利用します。フランクフルト中央駅はパン屋さんから目と鼻の先です。


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46番のバスが美術館の前を通るようです。駅前のバスターミナルで46番のバス乗り場を探していると、目の早い配偶者がバスターミナルにやってきた46番のバスに気付きました。バスターミナルの中でそのバスを追いかけて、乗り込みました。


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バスの前方には、2つ先のバス停まで表示される明るく見易い液晶パネルが設置されていて、大変分かりやすいです。さすがにドイツの交通システムはきっちり整備されていますね。


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そのバスは、ちょうどシュテーデル美術館の前に停車しました。最初からこれで来ればよかったようなものですが、それでは街を散策できませんでしたね。先ほどオープンしたばっかりの美術館に入館します。


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購入したチケット2枚です。図案が別々なのが嬉しいですね。チケット購入に際して、てっきり無料だと思い込んでいたので、フランクフルトカードを提示しチケットを渡されるのをぼーっと待っていたら、微妙な空気が流れます。料金支払いを促されて、無料ではなく割引のみだと気が付きました。1人12ユーロのところ半額の6ユーロだったので、よかったんですけどね。ちなみにフランクフルトカードは1枚9.2ユーロだったので、12ユーロの入館券が無料になる筈はありませんね。


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エントランスから2階の展示室に上がります。巨匠達の作品はここに展示されています。


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このシュテーデル美術館に無理なトランジットをしてまで訪問したのは、フェルメールの作品を鑑賞するためです。この作品は以前にBunkamuraでも展示されましたが、人込みの中で見たくなかったので、現地で見ることを計画していました。やっと、その機会がやってきました。
フェルメール以外にも充実した作品が揃っているようなので、逸る気持ちを抑えて順に展示作品を鑑賞します。
まず、フランドル絵画、ドイツ・ルネサンス絵画です。

いきなり、フランドル絵画の始祖とも言える巨匠ヤン・ファン・エイクの「ルッカの聖母子」です。実に細密な見事な作品です。ヤン・ファン・エイクの作品をコレクションしているのは1流美術館の証です。


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ハンス・ホルバイン (父) の『フランクフルト・ドミニコ教会高祭壇 (Hochaltar der Frankfurter Dominikanerkirche)』です。このホルバインは有名なハンス・ホルバインの父親です。2代かかって芸術が花開いたとも言えます。父親も見事な腕前です。8枚セットの祭壇画ですが、そのうちの1枚は失われているようですね。


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この祭壇画を閉じた状態の扉絵です。これも美しい絵です。


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ハンス・ホルバイン (子) の『サイモン・ジョージ・オヴ・コーンウォール像 (Bildnis Simon George of Cornwall)』です。有名な息子のほうです。肖像画家として名声を博した技量を存分に発揮した作品です。


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バルテル・ベーハムの『ハンス・ウルミラーと彼の息子の肖像』です。バルテル・ベーハムは兄とともにドイツ・ルネサンス期の画家として活躍した人です。デューラーの強い影響が感じられます。一瞬、デューラーの作品と誤認しました。


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次は、saraiの大好きな画家クラナッハの『ヴィーナス』です。もう何枚のヴィーナスを見たか覚えていませんが、これも美しい作品。でも、感動するレベルには感じません。もっと妖艶に描いてほしいところです。


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クラナッハの『フィリップ・メランヒトンの肖像』です。メランヒトンはルターの宗教改革の思想を体系化した人物で、ヴィッテンベルクの街ではルターと並んだ銅像が立っています。ここの記事をご覧ください。


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クラナッハの『マルティン・ルターの肖像』です。クラナッハはルターの親友と言ってもいい仲ですから、ルターの肖像と言えばクラナッハの専売特許のようなものです。sarai自身もずい分同じような作品を見てきました。この作品も安定した見事な出来です。


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そして、遂に今日のお目当ての作品、フェルメールがありました。
フェルメールの『地理学者 (Der Geograph)』です。目的通り、このフェルメールの絵を独占状態で見ました。しかし、フェルメールの作品としては平均的な出来に感じます。一般的には素晴らしい作品ですが、フェルメールとしては永遠の一瞬を切り取ったという深遠さがもうひとつに感じます。そもそも、saraiの好みは窓際の女性であって、男性ではないんです。これは趣味の問題ですから、わがままかもしれません。


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フェルメールはこの旅でオランダにある『デルフトの眺望』を見ますので、そちらに期待しましょう。

フェルメールを無事に鑑賞したので一安心です。この後はゆったりした気持ちで、この高水準の美術館の作品を鑑賞していきます。


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旅はオランダから~シュテーデル美術館のボッティチェリは絶品!!

2013年4月4日木曜日@東京~フランクフルト~アムステルダム/5回目

フランクフルトのシュテーデル美術館の至宝、フェルメールの『地理学者 』は無事に拝めました。引き続き、美術館の多彩な絵画作品を見て歩きます。まだ、フランドル絵画、ドイツ・ルネサンス絵画の続きです。

デューラーのヤーバハ祭壇画より、『ヨブとその妻』です。色彩豊かな作品です。


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次もデューラーの『若い女性の肖像』です。これは暗めに描くことで、敬虔な祈りを感じさせる作品になっています。


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これでフランドル絵画、ドイツ・ルネサンス絵画の代表的な絵画は終了。

次の展示室に移ろうとすると、展示室の入口から、美しい絵が見えます。大好きなボッティチェリの絵です。それも絵の題材(モデル)はシモネッタに相違ありません。ここからはイタリア絵画です。


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嬉しくなって、この絵に近づくと、やはり、ボッティチェリの『女性理想像 (Weibliches Idealbildnis)』です。文字通り、美しい! このシュテーデル美術館で一番、saraiの気に入った作品です。大きな肖像画で、ヴォリューム感のある美しさです。ここで、こんなに素晴らしいボッティチェリに出会えるとは、大感動です。


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次もボッティチェリの『聖母子と聖ヨハネ』です。これも美しい。素晴らしいボッティチェリの作品が2つも見られて、嬉しくなります。


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クリヴェッリの『受胎を告知する天使』です。


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次の絵は上の作品と対になっているクリヴェッリの『受胎を告知される処女』です。


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ヴェロッキオの『聖母子』です。


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ペルジーノ/ラファエロの『聖母子と聖ヨハネ』です。聖ヨハネの部分がラファエロの筆によるものでしょうか。ぽっちゃり顔のマリアが印象的です。


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ラファエロの『教皇ユリウス2世』です。この題材の作品はロンドンのナショナル・ギャラリー、フィレンツェのウフィツィ美術館にも存在し、同じテーマで3バージョンが存在しています。このシュテーデル美術館の作品は2010年に購入されましたが、ラファエロ工房によるオリジナル作品からのコピーという評価で、低価格の約8000ユーロ(現在の為替レートで約100万円)で取引されたと考えられているそうです。しかし、その後、この作品こそ、ラファエロの真作である可能性が浮上しているそうです。もし、そうだとすると、とてつもない価値に跳ね上がりますね。シュテーデル美術館は掘り出し物を手に入れたかもしれません。


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ジョヴァンニ・ベッリーニの『聖母子と聖ヨハネ』です。いかにもベッリーニらしい秀作です。


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ティツィアーノの『若い男の肖像』です。


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イタリア絵画の最後はかなり古い時代のもので、バルナバ・ダ・モデナの『子を抱いた聖母 (Madonna mit Kind)』です。マリアのこちらを見る視線が何とも心をそそられるものがあります。


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この美術館は膨大な収蔵作品があり、まだまだ、鑑賞は続きます。


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旅はオランダから~シュテーデル美術館のベックマンは悲しみとともに

2013年4月4日木曜日@東京~フランクフルト~アムステルダム/6回目

ヒットラー率いるナチスは数々の犯罪行為を重ねましたが、《頽廃芸術》の名のもとに20世紀美術、ユダヤ人画家の作品の略奪・遺棄、さらには画家本人や美術館スタッフへの弾圧を徹底的に行ったことも絶対に許せない行為です。個別の事例を挙げるときりがなくなってしまうほどです。

シュテーデル美術館の奥まった1室に足を踏み入れた途端、驚愕してしまいました。《頽廃芸術》家として、徹底的に弾圧されたマックス・ベックマンの作品で、この展示室はうめつくされています。

ベックマンはこのフランクフルトのシュテーデル美術学校で1915年から1933年まで教鞭をとっていました。20世紀美術を積極的に収集していたシュテーデル美術館総館長のゲオルク・シュヴァルツェンスキーはベックマンの重要な作品群もコレクションに加えていました。しかし、ナチスによって、シュヴァルツェンスキーはベックマンの作品を大量に購入した件で糾弾されることになります。そして、ベックマンの作品は《頽廃芸術》として、略奪されることになり、代表作『十字架降架』はミュンヘンに始まる《頽廃芸術》展に展示されました。
ベックマン自身も美術学校を解雇され、身の危険を感じて、アムステルダムに第2次世界大戦が終わるまでの10年間、身を隠すことになります。戦後、ベックマンはフランクフルトに足を踏み入れることはなく、アメリカに渡り、不遇な生涯を終えました。

このベックマンの作品同様、《頽廃芸術》のそしりを受けたのはシュテーデル美術館に収蔵されていたゴッホの『医師ガシェの肖像』です。この作品も数奇な運命のもと、我が国の斉藤了英氏が当時、史上最高額で落札することになります。戦後、シュテーデル美術館は必死にこの名画を取り戻す努力を続けていますが、いまだにこの努力は実を結んでいません。

ベックマンの作品はその一部の再収集に成功したようですね。この展示室にあるベックマンを見ると、とても複雑な思いにかられます。芸術作品は過去・現在・未来に渡って、決して、政治的な力、それも粗野な力と無縁にあることは難しいようです。ある意味、悲しい気持ちを持って、ベックマンの素晴らしい作品群を鑑賞させてもらいましょう。

『フランクフルト中央駅』です。フランクフルトを去った後の1942年の作品のようです。アムステルダムで描いたものでしょうか。元々の収蔵品ではないようです。表現主義らしい即物的な作品です。とてもいいですね。


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『サーカス一座の乗り物』です。これまた即物的な印象の作品です。サーカスの悲哀といったロマンを拒否しているようさえ見えます。これも1940年代の作品です。


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『埠頭の壁』です。1936年の作品です。アムステルダム時代のものでしょうか。


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『双子の肖像』です。1923年の作品です。ようやく、フランクフルト時代の作品のようです。ベックマンにしては、温かみを感じる作品です。


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『女性の肖像?』です。1924年の作品です。これも、フランクフルト時代の作品のようです。前の作品同様、温かみを感じる作品です。


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『サキソフォンの静物』です。青騎士の影響を感じますが、色彩感は明確です。


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展示室の中央に彫像が置いてあります。これもベックマンの作品。珍しいですね。『アダムとイブ』です。


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『フランクフルトのシナゴーク』です。1919年の作品です。これも、フランクフルト時代の作品のようです。再収集が始まった頃の最初の収集品です。シュヴァルツェンスキーから館長を引き継いだエルンスト・ホルツィンガーは保守的な理事たちを説得して、1972年にようやく購入できました。現在のシュテーデル美術館のベックマンのコレクションでは代表的な作品と言えるでしょう。


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『シャンペンのグラスを持つ自画像』です。1919年の作品です。フランクフルト時代の傑作です。


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『氷の張った川』です。1923年の作品です。これもフランクフルト時代の傑作です。これは構成と言い、色彩感と言い、大変素晴らしい作品で感銘を受けます。一体、これのどこが頽廃的なんでしょう!!


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『バックステージ(舞台裏?)』です。1950年の作品です。ということはアメリカ時代の最晩年の作ですね。ちょっと、理解し難い作品です。


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『カール(夫妻?)の肖像』です。1918年の作品です。フランクフルト時代の作品です。珍しく、茶目っ気のある作品です。


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フランクフルト時代の作品もそれ以降の作品もあります。シュヴァルツェンスキーが収集した作品はほとんど、再収集できていないようです。
悲しいことです。本来はもっともっと充実したコレクションだった筈です。現在のベックマンのコレクションも素晴らしいものですけどね。
素晴らしいベックマンを見て、嬉しかった反面、彼と彼の作品が受けた不当な扱いを考えると、実に悲しい鑑賞になってしまいました。

さて、また、気持ちを変えて、美術館の鑑賞を続けます。


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旅はオランダから~シュテーデル美術館の印象派、象徴主義の作品群も充実

2013年4月4日木曜日@東京~フランクフルト~アムステルダム/7回目

引き続き、シュテーデル美術館の収蔵作品の鑑賞です。時代は少し戻って、印象派の作品を見ます。
まずはドイツ印象派です。

フリッツ・フォン・ウーデの『窓辺にて』です。この構図はフリードリヒの《窓辺の婦人》をもとにしているように思えます。それでも作風は印象派風になっているところが面白いと思います。


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フリッツ・フォン・ウーデの『婦人の肖像』です。印象派と言っても、フランス印象派とは異なり、ドイツ風に見えてしまいます。


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マックス・リーバーマンの『サムソンとデリラ』です。ドイツ画壇の大御所、印象派のリーバーマンの作品です。題材は確かにサムソンとデリラになっていますが、現在の人間に置き換えられています。マネの『オランピア』同様、物議を醸しただろうと想像できる作品です。実際はどうだったんでしょう。


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次は本家のフランス印象派です。

オーギュスト・ルノワールの『ランチの後』です。相変わらず、陽気で楽しげな若い女性の姿が見事に描かれています。色彩感の素晴らしさが群を抜いています。


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エドガー・ドガの『オーケストラの奏者たち』です。手前に後ろ姿のオーケストラの奏者達、そして、その先の舞台にお馴染みのバレリーナ、なかなか凝った構図です。


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次はアルプスの画家の登場です。

ジョヴァンニ・セガンティーニの『シャーフベルク山の眺め』です。あまり、saraiの好みではありませんが、この作品は佳作でしょう。


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次は象徴主義の画家たちです。

フェルディナンド・ホドラーの『子供時代(習作)』です。象徴主義の芽生えは感じられます。


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フェルディナンド・ホドラーの『エレーヌ・ヴェグレの肖像』です。これはまったく象徴主義以前の作品です。これもホドラーなんですね。


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オディロン・ルドンの『キリストとサマリア人女性』です。ルドン独特の色づかい、素晴らしいですね。磁力のように引きつける魔力があります。


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フェルナン・クノップフの『番人(The gamekeeper)』です。これ、本当にクノップフなのっていう感じの作品です。


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アルノルト・ベックリンの『新婚旅行』です。今回の旅では、昨年のベルリンに続き、もう1枚の『死の島』をバーゼル市立美術館で見る予定です。ベックリンに縁のある旅になりそうです。


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フランツ・フォン・シュトゥックの『ピエタ』です。この人の絵は幻想的というか、何か凄味がありますね。ちょっと興味があります。ミュンヘンで暇があったら、ヴィラ・シュトゥックを訪問してみようかな。


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次はノルウェーの国民的な画家ムンクです。

エドゥヴァルト・ムンクの『居酒屋で (In der Schenke)』です。あまり、ムンクらしい表現主義の作品ではありませんね。それでも、全体として、ムンクの画風が感じられます。


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最後は独自の作風のシャガールです。

マルク・シャガールの『ラビ』です。これもシャガールなんですね。夢と愛に満ちたシャガールのほうが見ていて楽しいかも・・・


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これでシュテーデル美術館の巨匠たちの作品は一通り鑑賞しました。saraiの興味から漏れた作品も多数ありました。素晴らしいコレクションだと実感しました。
しかし、まだ、現代の作品が残っています。これらは新しく出来た地下フロアに展示されているそうです。それもざっと見ておきましょう。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2013/05/07 15:30
この美術館のコレクションは、各時代の画家をもらさず、しかもオーソドックスになりすぎずちょっと異色な作品を集めていて端倪すべからざるものがありますね。そして、きらりと光る小さな宝石のような名画を発見できるという楽しみもあって。
また、どの絵の写真も美しく撮れてます!

先週アントワープのロコッコスの家に行きました。王立美術館が改修工事で閉鎖されていている間、主だった収蔵品をルーベンスのパトロンであった市長ロコッコスの家で当時さながらの展示方法で見せるというのが興味深くて。
近いうちに、デン・ハーグの市立美術館にも行くつもりです。(目当ては昨年マウリッツハウスが購入したクララ・ペータースのチーズの静物画!)

2, saraiさん 2013/05/08 01:46
レイネさん、こんばんは。

フェルメール狙いで訪れた美術館でしたが、とても充実したコレクションを楽しめました。ここは写真は撮り放題なので、楽しいです。もちろん、ノーフラッシュなので、感度のよいカメラが必須です。

市長ロコッコスの家の展示、見せてもらいました。暖炉の上のルーベンスには笑ってしまいました。レイネさんしか気が付かなかったのでは?

ウィーンのウマー絡みのクララ・ペータースとは驚きました。そんな発想もレイネさんならではですね。

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旅はオランダから~シュテーデル美術館のコンテンポラリー・アート

2013年4月4日木曜日@東京~フランクフルト~アムステルダム/8回目

引き続き、シュテーデル美術館の収蔵作品の鑑賞です。コンテンポラリー・アートの作品をざっと見ます。
この美術館の外側は古めかしい建物ですが、2011年に大改修を行い、展示空間が広くなったそうです。コンテンポラリー・アートは新しく増床された地下部分に展示されています。コンテンポラリー・アートにふさわしいモダンな空間になっています。


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膨大な作品が展示されていて、ゆっくりと見て回る余裕はないので、目に止まった作品をランダムにピックアップしていきます。

ジャン・アルプ(ドイツ名ハンス・アルプ)の彫像です。アルプの彫像は今まで、ちゃんと見た記憶がありませんが、彫像も彼の絵画と同じスタイルで、ユーモアをたたえた明るさが妙な魅力を発散しています。


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すぐそばに、パブロ・ピカソの『クラウチング・ウーマン』があります。ピカソでは、よくある構図の作品ですが、モノトーンに近い抑えた色彩が美しいですね。


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ジャン・デュビュッフェの『タピエ公』です。タピエ公というのは、デュビュッフェなどの新しい絵画グループを支えたフランスの評論家のミシェル・タピエのことではないかと思います。タピエに敬意を捧げた1枚ですね。デュビュッフェの個性がよく表れた作品です。


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アルベルト・ジャコメッティの『婦人、壊れた肩』です。典型的なスタイルの彫像ですね。


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次もアルベルト・ジャコメッティの『大きな座っている裸婦』です。あまり見ることのない彼の絵画作品です。日本人の矢内原をモデルにした作品を思わせる構図・スタイルですね。ぎりぎりまで切り詰めた禁欲的な芸術。音楽のミニマル・ミュージックを連想してしまいます。


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キルヒナーがないなと思っていたら、こんなところにありました。
エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナーの『盥(たらい)周りの二人の女 (Zwei Frauen am Waschbecken)』です。キルヒナーもナチスに《頽廃芸術》の烙印を押された一人です。彼はそのショックから立ち直ることができず、ピストル自殺を遂げます。悲しい歴史です。
この作品は色彩的にはキルヒナーらしい作品ですが、実にシンプルに描かれたモダンな作風に強い感銘を受けます。先進的な画家であったことを再認識させられました。


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アンディ・ウォーホルの『ゲーテ』です。色んな色の組み合わせの作品があります。この作品がここにあるのは、ここフランクフルトがゲーテの生地で、この作品のもととなった有名なゲーテの肖像画はシュテーデル美術館の所蔵だからでしょう。


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実際、アンディ・ウォーホルがここに来館して、ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティシュバインの描いた『ローマのカンパーニャにおけるゲーテ (Goethe in der romischen Campagna)』の前で撮った写真が展示されていました。


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このあたりで、シュテーデル美術館の作品鑑賞を切り上げ、アンディ・ウォーホルも敬意を表したゲーテの生家を訪問してみましょう。
美術館を出ると、なんと暖かそうな陽射しが・・・どんどん気温が上がりそうな気配です。いいですねえ。美術館の前のシュウマンカイの通りはドイツには珍しく、プラタナスの並木が綺麗です。


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次は向かうゲーテハウスへは地下鉄に乗って移動しましょう。マイン川越しには晴天のもと、マインハッタンの高層ビル群が見えています。


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地下鉄の駅がどうしても見つからず、結局、美術館前のバス停から、バスで駅に戻ることにしました。やがて、46番のバスがやってきました。


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また、バスの車窓から、街並みを眺めているうちにフランクフルト中央駅の駅前バスターミナルに到着。


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駅前から、今日、3度目の出発です。今度はお昼ですが、まだまだ、空気が寒いままです。


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今度は徒歩はやめて、トラムで行くことにします。11番のトラムに乗ります。


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トラムの車内は結構、混み合っていますが、何とか座れました。それなりに疲れています。


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レーマー広場前の停留所でトラムを下ります。

シュテーデル美術館から中央駅経由でレーマー広場までの移動を地図で確認しておきましょう。


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レーマー広場前へも今日は2度目です。パウルス教会の前の広場には、朝は並んでいなかったテーブルが置かれ、オープンテラスのカフェになっています。好天ですからね。寒いけど・・・


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朝は閑散としていましたが、さすがに観光の中心地です。人で賑わうようになってきました。


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ここからはゲーテハウスはすぐです。前回のフランクフルト訪問時もこのあたりを散策したので、迷わずに行けそうです。


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旅はオランダから~フランクフルトはやっぱり、ゲーテの街

2013年4月4日木曜日@東京~フランクフルト~アムステルダム/9回目

レーマー広場から少し歩き、そろそろゲーテハウスかなと地図を見ながら探そうとすると、何と目の前がゲーテハウスでした。

ゲーテハウスまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ゲーテハウスはゲーテの生家ですが、その入口は隣に建てられたゲーテ博物館にあります。ヨーロッパの著名な人物の生家は、ほとんどこの形式ですね。


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フランクフルトカードを提示して、割引料金で入館チケットを購入します。半額の1人3.5ユーロです。チケットの裏面に建物の見取り図が印刷されているのは便利です。


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エントランスからは、いったん庭園に出ます。この庭園もなかなか綺麗なのですが、ゲーテの生家への通路に過ぎません。


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ゲーテの生家は塀をくぐった先にあります。


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塀をくぐると、ゲーテの生家の中庭に出ます。つまり、生家の裏手です。それにしても、立派な大きな家なのに驚きます。ゲーテの父は皇帝顧問官、母はフランクフルト市長の娘で、ゲーテ家はフランクフルト屈指の名家だったそうです。そういう裕福な家庭の出身だからこそ、ゲーテのような知的な人物が育ったのかと妙に納得してしまいます。


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大屋根は、見上げるほどに聳え立っています。4階までありそうです。


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まず、1階のフロアを見て回ります。中庭から入ったので、台所に出ます。立派な台所です。左手のかまどは、隣の食堂のストーブの焚口も兼ねています。


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食堂です。家族の団欒の場となっていました。右奥のストーブの裏は台所のかまどにつながっています。


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玄関の間です。玄関を入ると、こんな感じです。


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装飾の綺麗な手摺りの付いた階段を上って、2階に上がります。


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表の通りに面した中央の間です。大きな窓から明るい光がはいり、優雅なサロンになっています。中国風の壁紙が貼ってあるので、『北京の間』とも呼ばれていました。


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奥にある音楽室です。


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階段を上り、3階に上がります。


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3階の奥は妹コルネーリアの部屋です。女性らしいしつらえになっています。


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この部屋はがらーんとしていますが、ゲーテはこの部屋で1749年に誕生しました。


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ゲーテの母の部屋です。


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絵画の間です。壁には多くの絵画が並んでいます。音楽や美術の芸術的な環境でゲーテは育ったんですね。


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ゲーテの父の部屋です。ぎっしりと並んでいる本は法律関係のものが多いそうです。ゲーテの知識もこの書籍で育まれたようです。


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さらに4階に上がります。屋根の直下のフロアです。窓からは小さな中庭が見下ろせます。


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詩人の部屋です。ゲーテが著作に励んだところです。


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この机で数々の名作が生まれました。『若きウェルテルの悩み』、『ファウスト』の初稿などです。


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人形劇場の部屋です。妹と一緒に自作の人形劇を披露したそうです。


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このゲーテの生家を見て、ゲーテがいかに裕福な家の出身で、知的な恵まれた環境で育ったことを実感しました。その有利な条件を活かして大成したのはゲーテ自身の努力と研鑽によるものですけどね。

昨年の旅で、ヴァイマールのゲーテの没した家を見たので、ゲーテを巡る旅もこれで完結です。今回の旅では、ウィーンでゲーテの《若きウェルテルの悩み》が原作のマスネのオペラ《ウェルテル》を見るので、ちょうど記念になります。併設したゲーテ博物館では、《若きウェルテルの悩み》の古い本の展示もありました。それもパリで刊行されたフランス語訳の本です。オペラ《ウェルテル》はフランス語のオペラなので、ぴったりかな。


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ゲーテ博物館には、有名なゲーテの肖像画、ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティシュバインの描いた『ローマのカンパーニャにおけるゲーテ』の古い模写がありました。シュテーデル美術館で本物の絵を見損ねたので、ここで代わりに鑑賞。


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そのほか、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの絵も展示されていました。必見です!

『葦の中の白鳥』です。素晴らしいです。


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『夕日の下の柳の茂み』です。これも素晴らしい!


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ゲーテハウスの出口です。ゲーテのシルエットが見送ってくれます。お洒落です。


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十分に堪能して、ゲーテハウスの外に出ました。


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この隣の建物がゲーテの生家です。全景を写真に収めるのは大変でした。それくらい立派な家です。


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玄関の扉の上部です。見事な細工が施してあります。


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これにて、フランクフルトに途中下車(トランジット)しての日程は完全終了としましょう。早朝から歩き回ったので、空港でゆっくりしましょう。空港に戻り、アムステルダムへのフライトです。


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テーマ : ヨーロッパ
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上々のブルックナー9番:インバル+東京都響@東京文化会館 2013.5.9

今シーズン初めて、東京都交響楽団のコンサートを聴きます。いつものサントリーホールでの定期演奏会ではなく、文化会館でのコンサートです。何と言ってもインバルの指揮でブルックナーの交響曲第9番を聴きたかったので、わざわざ、このコンサートのチケットを購入。さすがにホールは満席でした。ブルックナーの交響曲第9番と言えば、みなとみらいホールでハイティンク指揮ロンドン交響楽団で最高の演奏を聴いたばかりですが、今日のコンサートも期待できます。で、演奏はなかなか素晴らしかったと思います。ハイティンクと比較するのは酷でしょう。
ところで、ブルックナーの前に演奏したモーツァルトのピアノ協奏曲、大変、気持ちのよい演奏でした。児玉桃のピアノはモーツァルトらしい溌剌としたタッチ、都響はシンプルな響きで、これぞ、モーツァルトという快演でした。

この日のプログラムは以下の内容です。

 指揮:エリアフ・インバル
 ピアノ:児玉桃
 管弦楽:東京都交響楽団

 モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調《ジュノム》

  《休憩》

 ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版)

初めに演奏されたモーツァルトのピアノ協奏曲は上に書いた通り、素晴らしい演奏でした。ピアノの児玉桃は初聴きですが、モーツァルトにぴったりの小気味いいタッチで好感が持てます。都響はコンパクトな編成で、インバルの軽やかな指揮のもと、ほどよく力の抜けた美しいアンサンブルです。ピアノとオーケストラの息もあっています。ピアノ独奏パートの美しさ、ピアノとオーケストラの協奏パートのアンサンブルのよさ、オーケストラの響き、どれを取っても1級品の演奏でした。モーツァルト好きにはたまらない演奏です。

休憩後、いよいよ、ブルックナーの交響曲第9番です。息を飲んで、第1楽章を聴き始めますが、えっという感じ。美しい筈の都響の弦楽セクションの響きが妙に薄っぺらく感じます。アンサンブルも乱れ気味。響きはよく言えば、明るいとも感じますが、これじゃ、ブルックナーにはなりません。このまま終わるのは嫌だなと思っていたら、第2楽章から、巻き返し。第2楽章のスケルツォはのりのりの演奏で、響きもよくなりました。特に弦楽セクションの響きが美しくなりました。重厚というよりも美しい響き。こういうブルックナーも好きです。第2楽章だけで言えば、特上の演奏です。リズム感に満ちて、颯爽とした演奏。これだけの演奏はなかなか聴けません。第3楽章も弦楽セクションの美しい響きが続きます。トータルには、少し完成度に欠ける面もありますが、素晴らしい演奏と言えるでしょう。難を言えば、もっと内面に踏み込んだ聖化された響きが聴きたかったところだけが課題です。技術的には問題ないので、今後、もっと弾き込めば、上がめざせそうです。

日本のオーケストラでこれほどのブルックナーが演奏できれば、上々でしょう。もう少しで、ヨーロッパのオーケストラの演奏に肉薄できそうだと感じました。頑張れ!都響。


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旅はオランダから~フランクフルトからアムステルダムに一ッ飛び・・・すわ、1大事、ホテルに入れない!

2013年4月4日木曜日@東京~フランクフルト~アムステルダム/10回目

フランクフルトでの日程は完了しました。
ゲーテハウスを出て、ハウプトヴァッヒェまで歩きました。


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歩いたルートを地図で確認しておきましょう。


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この地下にあるハウプトヴァッヒェ駅に下りて、そこから空港行きのSバーンに乗ります。途中の駅でフランス国鉄のTGVとすれ違います。えっ、ここはどこだっけ?って、一瞬、混乱します。TGVはフランクフルトまで乗り入れているんですね。


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無事、早めの時間に空港に着き、荷物を受取り、カフェでフランクフルトソーセージを購入し、ANAでもらったワインとサンドイッチと水を片付けながら休憩です。


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荷物検査を抜けて、搭乗口に向かいます。途中、ドームのような場所があり、モデルプレーンが吊り下げられています。面白い装飾ですね。


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アムステルダム行のルフトハンザの飛行機に乗り込みます。比較的空いています。羽田でお姉さんが苦労して変更してくれた席は非常出口の横の席でした。カバンを足元に置いちゃ駄目ということで取り上げられましたが、問題ありません。非常出口を利用することにはなりたくないですけどね。窓からの景色をちょっと主翼が邪魔しますが、これくらいは仕方ないでしょう。


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この機内でもサンドイッチとコーラをいただきました。ヨーロッパは短距離でも、何か軽食を出してくれます。日本との文化の違いでしょうか。


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あっという間にアムステルダム上空です。降下するときに雲を抜けるまでかなりの時間がかかりました。そうとう厚い雲です。ということで、アムステルダムはどんよりしたお天気でおまけに寒い!

ベルトコンベアーで流れてきたスーツケースを無事にゲット。一度、ロストバゲッジを経験してからは、スーツケースを手にするまでは、結構、スリルです。
空港からはバスで市街地に向かいます。そのためには、まず、空港の鉄道駅の窓口に行き、日本のSUICAのようなカード、OVチップカードを購入しましょう。


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無記名OVチップカードを2枚購入し、それぞれ20ユーロ、チャージしてもらいます。オランダ全国のバス・トラムで有効なカードです。1枚7ユーロ50セントで5年間有効です。


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空港ビルを出て、バスターミナルに向かいます。空港ビルには、空港の名前であるスキポール(Schiphol)の文字が見えます。


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空港のバスターミナルは大きなバスターミナルです。197番のバスに乗るので、そのバスの停まるところを探しましょう。


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ようやく目的のバス停を見つけることができました。待っていると、197番のバスはすぐにやってきました。乗ろうとすると、運転手がどこに行くのと聞いてきます。ミュージアム広場と答えると、反対側のバス停から乗ってねとのこと。エッ?ここが始発ではないのですね。反対方向があるとは思っても見ませんでした。危ない、危ない。運転手さんありがとう。早速、向かい側のバス停に移動。


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お蔭で正しい方向の197番のバスに乗ることができました。もちろん、先程購入したOVチップカードを機械にぴっとかざして、チェックインします。下りるときにまた、忘れずにぴっとかざして、チェックアウトしないといけません。

バスはビュンビュン走ります。アレッと気づくと、バスしか走っていない道路です。バス専用の道路があるんです。これは凄い。街中に入ると、バスはトラムの線路上を走ります。トラムの線路内は、バスとタクシーとパトカーが共有しているようです。これも日本は見習うといいかもね。一般の自動車のスピードも凄いけど、道路脇の整備された自転車道路を走る自転車が物凄いスピードで、殺気立って走ります。歩行者は、自動車より自転車に気を付けないといけないようです。
ミュージアム広場には、予定通り、30分弱で到着です。専用バスレーンの効果でしょう。


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バス停からちょっと道に迷いましたが、すぐに間違いに気が付き、ほとんど時間ロスなく、ホテルPark Boutique B&Bに到着。表示があまりに小さくて見つけるのに苦労しましたけどね。ドアに小さく表示されているだけです。


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近寄って、確認してみます。


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でもこれからが大変。ドアチャイムを押すと返事があったのだけど、それ以降は返答なし。どうもホテルとは関係のない人が応対したようです。仕方がないのでホテルに電話を掛けると、これからこっちに向かうとのこと。どうも、ここにはホテルの人は常駐していないようです。鍵を手にした女性が通りかかったので嬉しそうにしたら、私じゃないわよという感じで笑いながら通り過ぎていきました。残念! 隣の建物はレストランなので、じっとドアの前に立ち尽くすsaraiと配偶者は奇異に見えることでしょう。


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かなり待たされ不安になりましたが、再度電話したら、今向かっていると言われ、さらに待つことしばし。ようやく家主が現れ、宿に入れました。足を置く場所もないような梯子のような狭い螺旋階段を荷物をもって、4階まで上がります。見かねた大家さんが、配偶者の荷物を途中から持ってくれました。が、私達に用意された部屋は、サウナ付き! 見晴らしもよくで素晴らしい! これは安くてお得な宿に出会えました。
部屋はそれなりに広く、ベッドのサイズも大きい。


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部屋の中のバスルームには、シャワーのみ。


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部屋の外に共用のサウナがありますが、このフロアに泊まっているのは我々だけです。事実上、専用サウナです。隣のドアがサウナの入口です。バスタオルを巻いて、移動すればいいでしょう。


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これがサウナ。ゆったりした広さです。


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部屋の窓からは、オランダらしい煉瓦造りの重厚な家々が見えます。


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窓を開け放つとこんな感じの街並みが見えます。しかし、寒いので、窓を閉めて、暖房を最強にセット。


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早速、サウナに入って、旅の疲れを癒します。サウナから戻ると、もう、夜の帳が下りてきました。窓の外を見ると、すっかりと暗くなっています。と、窓の外に変なものがあります。梁のようなものが突き出ています。これは家具などの大きなものを部屋に引き上げるための道具でしょうね。階段が狭くて、とても大きなものは持ち上げることはできません。


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今日は早朝からフランクフルトを歩き回り、長い1日でした。早めに休みましょう。では、おやすみなさい。

明日はオランダ在住のブログ仲間の友人とエルミタージュ美術館でランチを一緒に食べ、夜はコンセルトヘボウでハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のブルックナー8番を聴きます。とても楽しみです。

次回を読む:《2日目:アムステルダムでゴッホとブルックナー》


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旅はオランダから~アムステルダムの朝は絶好の天気・・・だけど、メチャ寒い!

2013年4月5日金曜日@アムステルダム/1回目

旅の2日目です。

今日のアムステルダムは朝から太陽が顔を出す絶好の天気。
配偶者によると、ぐっすり眠り目覚めると、ちょうど真っ赤な大きな太陽が昇ってくるところだったそうです。アムステルダムは周りに山がないので、民家の屋根越しに日の出が見られるのです。


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配偶者が赤い日の出を眺めたのは、昨夜楽しんだサウナの窓からなんですよ。もちろん、その頃はsaraiはすやすやと眠っていました。


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今日はお天気が良さそうですね。配偶者は相変わらず晴れ女です。saraiが起きたときは既に日が昇り、部屋の窓からは朝日に照らされる煉瓦造りの建物が眺められます。


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宿はB&B(ベッドと朝食付きの宿のこと)なのですが、朝食代が別料金で高かったのでパス。朝食はカフェで頂くことにして、チャッチャッと身支度をして出かけます。

が、これがまた大変。ホテルの玄関のドアの鍵の内側からの開け方って慣れていないからか、なかなか難しいのです。鍵穴を横から眺めながら空いたのを確認してドアを押しますが開かない。取っ手の位置が高過ぎて(オランダ人はデカイ!)、回らないし・・・難渋しましたが、ようやく開きました。

素晴らしい日の出と青空に期待したのに、外はとんでもなく寒い!まだまだ気温は上がってこないようです。見た目には朝日が差して暖かそうな雰囲気なんですけどね。アムステルダムを甘くみてはいけません!


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近くの美しいフォンデル公園に眺めの良いカフェがあるとのことなので、散歩しながら向かいます。公園の園路を走り抜けていく自転車集団はものすごい。自転車と接触しないようにして道を渡るのはなかなか大変です。朝の通勤のみなさんなんでしょう。


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緑豊かな広大な公園には綺麗な池もあり、ペットを連れて散歩中の人もいます。


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珍しい水鳥も朝の散歩中です。


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公園に立派な銅像が立っています。公園の名前の由来になった17世紀の作家ヨースト・ファン・デン・フォンデルの銅像のようです。


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公園の中を歩いていくと、どうも目指す肝心のカフェは工事中のようです。これは誤算で残念です。まだ観光シーズンではないので、建物の改修中なんでしょう。


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街の方に戻りながらカフェを探します。が、まだ早いようでパン屋さんしかオープンしてません。小さなカフェはありますが、どうも朝食は無理のようです。オランダは、朝食には暖かいものは出ない(調理はしない)らしいので、パン屋さんがあればよいのでしょうね。


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遂に、大勢の人が出入りしているパン屋さんを発見。店内は人で賑わっています。ここで朝食にしましょう。ブロートバッカー シモン マイセンBroodbakker Simon Meijssenというパン屋さんです。


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フォンデル公園からパン屋さんまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。


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物凄い種類のパンがいっぱい並んでいます。配偶者はどれも美味しそうとはしゃいでいます。


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選びに選んで、美味しそうなパンとフレッシュなジュースを購入。壁際に作られたスタンドで頂きます。なかなか美味しいパンです。こんなパンが日本にもあるといいな。saraiは店内で発見したゆで卵も一緒にいただきます。


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今日の目的地は美術館です。美味しい朝食も終えて、そろそろ美術館に向かいましょう。あいにく、オランダ国立美術館もゴッホ美術館も閉館中。閉館中のゴッホ美術館の作品を展示しているエルミタージュ美術館でゴッホを楽しむ予定です。5月まで、主要な作品がここで展示されています。
ゴッホを見た後は、エルミタージュ美術館併設のレストラン・ネヴァでブログ友達と待ち合わせをしています。

ミュージアム広場からトラムに乗ります。この辺りはいかにもアムステルダムらしい重厚な建物が並んでいます。


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途中ライツェ広場Leidsepleinでトラムを乗り継ぎますが、そこでアップルのショップが朝から人で賑わっている光景を見ました。日本と同じですね。


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トラムを乗り継いで最寄の停留所ウェースペル広場Weesperpleinに到着。オランダらしい運河沿いの道を美術館に歩きます。が、いかんせん寒い! 運河には、住居と思われる船が繋留されています。


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実は運河と表現しましたが、正確にはアムステル川Amstelです。でも、見た目には運河そのものです。歩いていくと、水門があります。水位調整用ですね。


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この水門を過ぎると、先の方に有名なマヘレのハネ橋Magere Brugが見えてきました。以前、アムステルダムを訪れたときに遠くから眺めただけのハネ橋です。今日は間近で見ることができそうです。


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エルミタージュ美術館へはこのアムステル川沿いにまだまだ歩かないといけないようです。

ミュージアム広場からこの辺りまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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失望から奇跡の感動へ:ヒラリー・ハーン・ヴァイオリン・リサイタル@みなとみらいホール 2013.5.12

逆説的な言い方になりますが、素晴らしいコンサートほど終わった後の喪失感が大きいものです。しかし、今日のリサイタルはとても素晴らしかったけれど、喪失感もありません。明後日、同じプログラムのリサイタルを聴けるからです。
ヒラリー・ハーンはsaraiの最愛のヴァイオリニストです。現役のヴァイオリニストに限っているのではありません。録音でしか聴いたことのない歴史上の大ヴァイオリニストも含めてです。したがって、彼女のヴァイオリンを聴ける機会は逃せません。今日のみなとみらいホールのリサイタルに加えて、明後日のオペラシティでのリサイタルの両方を聴きます。

今回のプログラムはかなり変わった構成になっています。ひとつは一般的なレパートリーからのもの、もうひとつはヒラリー・ハーンが現代の作曲家に委嘱した新曲(27の小品:26名の作曲家による26曲及び公募した作品1曲)からのものから成ります。こういう特異な構成で聴衆を集めることができるのは、ヒラリー・ハーンの紡ぎだす音楽へ信頼感が高い証拠でしょう。委嘱新曲を聴いたことのある人はほとんどいなかったでしょう。

一般的なレパートリーでは、遂に生で聴けるバッハのシャコンヌを楽しみにしていました。彼女の17歳のときのデビューアルバムでの素晴らしい演奏を再び聴き直し、その瑞々しい演奏に感動し直し、17年経った今、一体、どんな演奏が聴けるか、どきどきして、聴きました。そして、いったん、その演奏に失望しましたが、聴き進むにつれ、奇跡的な演奏であることを実感するに至り、感動の大波に襲われました。この17年、ヒラリーが成熟したという簡単な言葉では表現しきれない大きな飛躍があったことを改めて確信しました。

この日のプログラムは以下の内容です。

 ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
 ピアノ:コリー・スマイス

 アントン・ガルシア・アブリル:"First Sigh" Three Sighs より
 デイヴィッド・ラング:"Light Moving"
 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.302
 大島ミチル:"Memories"
 J.S. バッハ:シャコンヌ (無伴奏パルティータ第2番より)

  《休憩》

 リチャード・バレット:"Shade"
 エリオット・シャープ:"Storm of the Eye"
 フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調
 ヴァレンティン・シルヴェストロフ:"Two Pieces"

  《アンコール》

    ジェームズ・ニュートン・ハワード:"133...At least"
    デイヴィッド・デル・トレディッチ:Farewell

ヒラリーは背中が大胆に開いた黒のロングドレスで颯爽と登場。ビジュアル的にも美しいヒラリーです。

最初はアブリルの委嘱新曲です。3曲構成のマイクロ・ピアノ・ソナタの第1曲。少しスペイン風のテーストも感じられますが、ともかく、ヒラリーのヴァイオリンの響きは美しく響きます。危惧したような難解さは感じられません。そういう意味では、前衛的ではありません。

次のラングの委嘱新曲はいわゆる、ミニマルミュージックですが、この曲も同様にヒラリーのヴァイオリンの美しい響きが耳に心地よく感じられます。

次はモーツァルトのソナタです。これもヒラリーのヴァイオリンが美しく響きますが、ヒラリーなら、もっと、のりのりの演奏を期待したいところです。気品はありますが、もうひとつ、切れがない感じです。予習のCDはグリュミオーのヴァイオリン、ワルター・クリーンのピアノでしたが、まさにこれぞモーツァルトという素晴らしい演奏でした。いつの日か、ヒラリーもこれを超える最高の名演を聴かせてくれることを信じています。

次は日本人の大島ミチルの委嘱新曲です。ますます、ヒラリーのヴァイオリンの音色は冴えわたります。素晴らしい!

前半最後は、一番期待していたバッハのシャコンヌです。できれば、無伴奏パルティータ第2番の全曲を聴きたかったところです。演奏は上に書いたように、初めは若干、期待外れに感じました。すっと弾き始め、あっさりした演奏なんです。17歳のときのような気合のはいった演奏ではありません。バッハの無伴奏と言えば、魂のこもった演奏という意識で聴いてしまいます。美しい響きでたんたんと弾いているだけだと、初めは誤認してしまいました。それほど、17歳のときの演奏とは隔絶したスタイルの演奏だったんです。しかし、何変奏か進んでいくうちに、段々とヒラリーの響きが心に沁みいってきました。実に自然な演奏で、まったく力みのないヴァイオリン。“ヒラリー・ハーン”のシャコンヌではなく、これはあくまでもバッハのシャコンヌですと語りかけてくるような演奏です。バッハの音楽を自己表現の道具にせずに、作曲家の楽譜を忠実に再現すること・・・それがヒラリーの17年の成熟の証しでした。バッハの器楽曲の最高峰とも言えるシャコンヌの素晴らしい響きに次第に引き込まれていく自分を感じます。ヒラリーの弾くバッハのシャコンヌは奇跡とも思える感動的な演奏です。抑えた弱音から、重音まで、美しい響きに包まれて、パーフェクトです。いつまでも聴いていたい音楽もいつかは終わりを告げます。涙が滲むような体験でした。熱く自己表現するだけが音楽的共感を生むわけではないという当たり前のことを再認識させられる最高レベルの音楽でした。これが明後日、もう一度聴けるとは、何という幸福でしょう。しかも明後日はヒラリーの弾くバッハのシャコンヌが何たるかを初めから分かって聴けますから、感動は倍加するでしょう。

休憩後、バレットの委嘱新曲は先鋭的な響きですが、ヒラリーはそれさえも美しく響かせます。

次のシャープの委嘱新曲もバレットほどではありませんが、現代的な響きです。しかし、結局、ヒラリーのヴァイオリンの響きは美しい!

次はフォーレのソナタです。今回のプログラムのメインとも言える曲目です。圧巻だったのは第2楽章。ゆったりとした叙情的なメロディーが奏でられますが、その音楽に合わせたヒラリーの体の動きの美しいこと、うっとりしてしまいます。まるで、ロマンティックな映画の1シーンを見ているようです。ふいにキム・ノヴァークの映画を思い出してしまいました。あれは『ピクニック』という映画だったでしょうか。キム・ノヴァークが恋心を抱いて、自然に体を揺らし、スローなダンスを踊るシーンにとても魅了された記憶があります。あれと同じように、ヒラリーがヴァイオリンを弾きながら、自然に体を揺らすのに魅了されました。この曲を弾くために、魅惑的な黒のドレスを着てきたのか思うほど、ぴったりな雰囲気でした。ヴァイオリンのリサイタルで美しいバレエを見たようなものです。それほど、今日のヒラリーはビジュアル的にも美しく思えました。誤解のないように書きますが、saraiがヒラリーの熱狂的なファンなのは、あくまでも彼女の音楽を愛するからで、彼女が美しいからではありませんでした。ただ、今日のような体験をしてしまうと、それも変わってしまうかも。
まあ、フォーレの演奏はとても美しい演奏でした。

最後は何故か、また、委嘱新曲です。このシルヴェストロフの曲は古典的な美しい曲で、題名を変えて、『ヒラリーのテーマ』としてしまいたいような曲です。彼女以外には、こんなに美しく響かせることは不可能に感じます。この曲を最後に持ってきたからには、ヒラリーもお気に入りなんでしょう。委嘱新曲はCD録音が予定されているそうですが、この『ヒラリーのテーマ』だけはヴィデオ化してもらいたいものです。

アンコールは2曲。もちろん、どちらも委嘱新曲で、とても素敵な演奏でした。今日はなんだか、ミーハー的になってしまいました。でも、それはヒラリーのせいですよ!


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       ヒラリー・ハーン,  

とても嬉しかった!庄司紗矢香+大野和士+ウィーン交響楽団@サントリーホール 2013.5.13

前半の庄司紗矢香が弾くブラームスのヴァイオリン協奏曲、聴き終わり、あまりの嬉しさに自分が満面笑みになるとともに、涙も出てきます。泣き笑い状態です。誰に見られているわけでもないので、構いはしません。何故、こんな反応になったかというと、彼女も遂にここまで来たかという感慨で胸が一杯になったからです。彼女をサポートするのは天下のウィーン交響楽団、音楽の都ウィーンでも、ウィーン・フィルに次ぐ超一流オーケストラです。先日、このコンビでウィーンでのデビューも果たしました。そして、今日の彼女の演奏は美しい高音の響きに満ちていて、若い頃の勢いにまかせた演奏からは脱却して、精神的な深みさえ感じさせるものになってきました。ウィーン交響楽団と渡り合っても、彼女の音楽性で曲をリードできているように感じます。成熟した音楽家として、一人の女性として、完全に自立したことが感じられます。長い間、彼女の音楽を聴いてきて、一時は音楽的に迷いが感じられた時期もありましたが、彼女の不断の努力ですべてを乗り越えて、今日の演奏にまで飛躍してきました。もう庄司紗矢香が弾いているのを他人に思えず、我が娘のことのように喜び、誇りに思っている親馬鹿もどきのsaraiでした。

後半のブラームスは、変な言い方ですが、真正のブラームスでした。ウィーンのオーケストラの体幹の通った美しい響きはブラームスそのものです。変な小細工不要の堂々たるブラームスに終始、魅了されました。

大野和士の指揮、まだ、ウィーン交響楽団を完全にコントロールしている印象はありません。お互いに折り合うところを模索している感じですが、それも面白くは感じます。

この日のプログラムは以下の内容です。

 指揮:大野和士
 ヴァイオリン:庄司紗矢香
 管弦楽:ウィーン交響楽団

 モーツァルト:『フィガロの結婚』序曲
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
  《アンコール》 マックス・レーガー:プレリュード ト短調
 
  《休憩》

 ブラームス:交響曲第4番ホ短調 Op.98

  《アンコール》
    
    J.シュトラウスⅡ:ワルツ『春の声』
    J.シュトラウスⅡ:トリッチ・トラッチ・ポルカ
    J.シュトラウスⅡ:『雷鳴と稲妻』

最初はモーツァルトの『フィガロの結婚』序曲です。やたら早いテンポで始まり、さすがのウィーン交響楽団もアンサンブルが揃いません。それでも、次第に合ってきました。大編成での演奏ですから、そうぴったりというわけにはいきませんが、シンフォニーでも聴いているような堂々たる演奏。あまり、オペラの序曲のようなワクワク感はありません。ただ、saraiの趣味にはありませんが、こういう演奏も有りでしょう。

次は一番楽しみな庄司紗矢香のブラームス。第1楽章の後半あたりから、ヴァイオリンの音色の冴えが目立ち始めます。高音の美しさは若い頃はなかった輝きです。カデンツァは美音をベースに内省的な演奏でうっとりと聴かせます。フィナーレは高揚感のある響きで、思わず、禁断の拍手をしたくなります。
第2楽章は最高でした。見事な高音の響き、そして、精神的に充実した演奏。最近の庄司紗矢香はこういうところで、決めてくるようになりました。
第3楽章はもともと得意の勢いあふれる演奏です。これは文句なし。
庄司紗矢香はもともと、彼女のこのブラームスの協奏曲を聴いたのが、彼女にのめりこむきっかけでした。そのころも素晴らしいブラームスを聴かせてくれました。しかし、今はその頃とは次元の異なる高みに達しました。今後、ますます、上をめざして、精進してくれることでしょう。
そうそう、アンコールのレーガーも見事な演奏。最近、レパートリーに加えた曲で、彼女の成熟を感じさせる曲でもあります。

休憩後のブラームスの交響曲第4番はブラームスの響きに酔いしれました。それだけで十分でした。アンサンブルの少々の乱れなど、取るに足りない瑣末なことです。やはり、これがウィーンのブラームスですね。

アンコールのウィンナーワルツは実に見事・・・ウィーンらしい沸き立つような演奏で会場を盛り上げました。
ウィーンの音楽文化を今日も満喫。
また、来月はウィーンの本拠地コンツェルトハウスでツェムリンスキーの《人魚姫》とシェーンベルクの大曲《グレの歌》の2回のコンサートを聴かせてもらう予定です。


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       庄司紗矢香,  

衝撃的なシャコンヌ:ヒラリー・ハーン・ヴァイオリン・リサイタル@東京オペラシティ 2013.5.14

一昨日のみなとみらいホールのリサイタルに続き、今日はオペラシティでのリサイタルです。

みなとみらいホールでも素晴らしかったヒラリーですが、今日は一段と好調です。ピアノのコリー・スマイスも好調です。来日後、十分休養できて、2人とも体調がアップしたのでしょう。

バッハのシャコンヌは衝撃的とも言える演奏でした。深く熱い演奏で、一昨日のあっさりとした自然な演奏とはまったく異なる味わいです。ヒラリーのようなレベルになると、saraiのような素人には予測もつかない演奏を披露してくれます。一昨日のsaraiの俄か評論家めいたヒラリーの演奏論はすべて撤回しないといけないようです。今日は神が舞い降りたようなような演奏で、ただただ、圧倒され尽くしました。特に重音のパートの凄まじさには打ちのめされました。演奏が終わっても、しばらくは口もきけないほどの金縛り状態です。機械的に拍手していましたが、呆然自失の状態だったんです。これが前半最後の曲目でしたが、このまま帰ろうかと真剣に思ったほどです。

前半に演奏したモーツァルトも、後半のフォーレも、みなとみらいホールのリサイタルを上回る素晴らしい出来で、おおいに満足しました。

この日のプログラムはみなとみらいホールとまったく同じの以下の内容です。アンコール曲も同じでした。

 ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
 ピアノ:コリー・スマイス

 アントン・ガルシア・アブリル:"First Sigh" Three Sighs より
 デイヴィッド・ラング:"Light Moving"
 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.302
 大島ミチル:"Memories"
 J.S. バッハ:シャコンヌ (無伴奏パルティータ第2番より)

  《休憩》

 リチャード・バレット:"Shade"
 エリオット・シャープ:"Storm of the Eye"
 フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調
 ヴァレンティン・シルヴェストロフ:"Two Pieces"

  《アンコール》

    ジェームズ・ニュートン・ハワード:"133...At least"
    デイヴィッド・デル・トレディッチ:Farewell

今日は前から2列目の好位置で、ヒラリーの大胆な黒のロングドレス姿を近くから拝見し、大理石のような真っ白な肌に魅了というより、驚嘆してしまいました。ヴァイオリンの響きだけでなく、ビジュアル的にもますます美しいヒラリーです。

アブリルとラングの委嘱新曲はともかくヒラリーのヴァイオリンの響きの美しさに耳を奪われるのみです。特に低弦の深い響きに魅了されます。この2曲は耳慣れしたせいか、あまり、曲自体にインパクトは感じません。

次はモーツァルトのソナタです。みなとみらいホールではもうひとつに感じましたが、今日のヒラリーのヴァイオリンは切れのよい演奏で、とても素晴らしい演奏。特に第2楽章はメロディアスな部分が実に叙情的に表現され、最高です。予習したCDのグリュミオーとは異なる表現ですが、レベル的には拮抗する演奏でした。

次の大島ミチルの委嘱新曲ですが、ヒラリーのヴァイオリンの音色が冴えわたったのは、みなとみらいホール以上で、なかなか美しい曲だと感じるに至りました。みなとみらいホールでは、曲の充実度はいまひとつに感じていました。

前半最後のバッハのシャコンヌは既述のとおり。感動という言葉を不用意に使えないような衝撃がありました。バッハの無伴奏でこれを超える演奏はヒラリー以外にはあり得ないと思わせられる驚愕の演奏でした。ヒラリーの弾くバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ/ソナタ全曲を一度は聴いてみたいと念願するのみです。

休憩後はまた、委嘱新曲からのスタートです。心なしか、ヒラリーに疲れが見えます。あれだけのシャコンヌですから、精魂使い果たしたかとも思います。しかし、ヒラリーはあくまでもクールにバレットの委嘱新曲を弾き始めます。実に先鋭的な響きの曲ですが、ヒラリーにかかると美しく響き、これは素晴らしい曲です。今回の委嘱新曲では一番の出来かもしれません。

次のシャープの委嘱新曲も先鋭的な響きですが、ヒラリーの名人技も相まって、これまた素晴らしい。

次はフォーレのソナタですが、今日の演奏は第1楽章から素晴らしい。第2楽章はみなとみらいホールでの素晴らしい演奏をさらに上回り、もう、うっとりとして聴くのみです。短い第3楽章に続き、第4楽章もロマンチックな演奏で、フォーレを満喫しました。

最後のシルヴェストロフの委嘱新曲は、saraiが勝手に『ヒラリーのテーマ』という題名を付けた曲ですが、本当にチャーミングな曲でヒラリーのヴァイオリンの美しい響きにぴったりです。ヒラリーのリサイタルのアンコールの〆はいつもこの曲を弾いてもらいたいと思うほど、ヒラリーらしさが表出する曲です。

アンコールは2曲。残念ながら、みなとみらいホールでのアンコール曲と同じ曲でした。別の曲にしてもらいたかったんですけどね。委嘱新曲はまだまだ、たくさん、あるようですから、もっと聴かせてもらいたかったところです。

今回も実り多いヒラリーの2回のリサイタルでした。この後、ヒラリーはウィーンに飛び、コンツェルトハウスでウィーン・フィルと共演し、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾くようです。その翌週には、saraiもウィーンに行くので、そのコンサートが聴けないのが残念でしたが、また、秋には、ヒラリーが来日し、ネルソンス率いるバーミンガム市交響楽団とそのシベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾いてくれるそうです。ウィーン・フィルの来日公演と重なるのではと心配しましたが、1日ずれていて、問題ないようでほっとしました。その日を楽しみにしていましょう。


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       ヒラリー・ハーン,  

旅はオランダから~エルミタージュ美術館でゴッホを堪能

2013年4月5日金曜日@アムステルダム/2回目

運河もどきのアムステル川に沿って、エルミタージュ美術館に向かいます。すると、川岸に面白い船が停泊して、乗組員が作業中です。


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もしやと思って近づくと、やはり、水上警察です。警察のランチからゴムボートが離れていくところでした。運河の多い水の都では、水上の治安が重要なのでしょう。


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橋の上にさしかかると、プリンセン運河Prinsengrachtから競技用のボートがやってきました。運河は様々な用途に利用されています。


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そのボートは橋の下をくぐり、反対側に出て行きました。その先には、さきほどの水上警察のゴムボートが進んでいきます。色んな船の行き来を見ているだけでも飽きませんね。


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さて、少し歩き、マヘレのハネ橋Magere Brugまでやってきました。橋の上からだと、ハネ橋の様子が分かりませんね。少し、離れたところから写真を撮ればよかったようです。白いアーチの骨組みの部分がハネ橋になっています。


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煉瓦の建物の壁に今日のランチを予約してもらっているレストラン・ネヴァのポスターが貼ってあります。レストラン・ネヴァはエルミタージュ美術館の中にあるレストランなので、美術館も近いようです。


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川沿いを進むと、ぞろぞろと人が入っていく入口があり、迷うことなく私達も入ります。何の表示もない通路ですが、きっと、ここでしょう。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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入ったところは広々とした中庭。一面にクロッカスが咲き、美しいです。


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この美しい中庭の先に美術館の入口が見えます。


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美術館内は大勢の人で大混雑。


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それでも行列して待つほどのことはなく、入館チケットを購入し、中に入れました。これがチケットです。エルミタージュ・アムステルダムの表示の下に小さくフィンセント(Vincent)展の表示があります。


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う~ん、やはりゴッホは凄いです。凄い人出でしたが、めげずにじっくりと作品鑑賞します。かって、一度はゴッホ美術館で見たはずの絵ですが、有名な絵以外のほとんどの絵は覚えていません。《ひまわり》、《黄色い家》、《カラスの群れ飛ぶ麦畑》などの傑作はやはりいいのですね。
《ひまわり》です。《ひまわり》はアルル時代だけでも7点あり、saraiが見たのは3点のみ。結構、それぞれ違いがあるのに驚きます。


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《黄色い家》です。一昨年のプロヴァンスを訪れた際、アルルで、この絵が描かれた広場に立ちましたが、イメージはそのままです。


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《カラスの群れ飛ぶ麦畑》(部分)です。これは大変な傑作です。ゴッホがピストル自殺を遂げる1890年7月に描かれ、ゴッホはこの麦畑でピストルのひきがねを引きました。それにしても、空の深い青を見ると、その激しさに言葉を失ってしまいます。


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こういう超有名な傑作もいいですが、やはり、ゴッホが家族のために描いた《アーモンドの木(花)》は魅力的な作品です。前回ゴッホ美術館を訪問した際にポスターを買い求め、帰国後、額装しました。今は娘の希望で娘夫婦の家の壁を飾っています。


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今回の訪問では、配偶者とも一致して、再評価した作品があります。初期の傑作《じゃがいもを食べる人々》です。見れば見るほど、この初期の傑作の暗色の深さに惹かれます。このパリ以前の暗い作品でゴッホの絵画作成が終わったとしても、きっと、ゴッホはいつの日か再評価されることになったでしょう。


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結局、美術館の展示室を2周もして、展示作品を十分に堪能することになりました。美術館土産のお店で少々孫たちへのお土産を買うと、もう12時になります。お友達との待ち合わせ時間が近づき、お友達を待ちます。時間通りにお友達登場。初対面なんです。これから、ブログ友達のレイネさんと楽しいランチの時間です。


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旅はオランダから~オランダの友と楽しいランチ・・・そして、ハイティンクの究極のブルックナーに邂逅!

2013年4月5日金曜日@アムステルダム/3回目

このエルミタージュ美術館のレストラン・ネヴァで、ネットで知り合ったお友達レイネさんとランチをいただき、楽しい時間を過ごします。今回の旅では、色々とお世話にもなりました。このレストランを教えていただき、予約してくれたのもレイネさんです。ありがとうございます。
オランダでしか買えない格安の鉄道チケットを購入して、持参してくれました。ありがたいことです。これで安心して明日からの鉄道移動ができます。買っていただいたのは乗り放題チケットですからね。
これが2人分の1日乗り放題(オランダ国内どこでも)のセカンドクラスのチケットです。名前と生年月日入りです(ここでは塗りつぶしています)。使用日(2013年4月6日)も入れて、ホームプリンターで印刷してもらいました。1人分で17ユーロです。2000円ほどですから、超格安ですね。


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さらにファーストクラスへのアップグレードチケットです。これは1人分です。9ユーロです。1000円ちょっとです。合計3000円ほどでファーストクラスが1日、オランダ国内どこでも乗り放題は絶対、お得です。


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ランチを食べながら、時間の経つのを忘れおしゃべりです。初対面ですが、音楽という共通の話題もありますから、話が尽きることはありません。レストランのシェフお任せランチも、美味しかった!
まずはワインの選定。ここは珍しいオランダの白ワインにしましょう。マーストリヒトのリースリンクです。美味しいワインでした。


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食事はまず、綺麗に並べられたパンが出ました。美味しくて、おかわりしました。


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サラダはカプチーノ仕立てです。これでは中身が分かりませんね。


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中身は小エビと野菜。


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メインは鱈のオイル焼き。美味しい鱈でした。


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後はお洒落なデザートとコーヒー。これは3人前ですから、仲良く分け合って食べます。


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おしゃべりに夢中になっているうちに、あっと言う間に3時間以上過ぎてしまいました。お名残り惜しいですが、そろそろ腰を上げましょう。
お友達と別れ、美術館を出ると、暖かい日差しで気温も上がっています。でも、風がとっても冷たい。

こちらがエルミタージュ美術館の正面です。2009年に改装してオープンした新しい美術館です。ロシアのサンクト・ペテルブルグのエルミタージュ美術館の分館です。この建物は元々は養護院で、1681年から1683年にかけて建てられたものです。


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明るい陽光の下、運河の水面がきらきら煌めいています。


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エルミタージュ美術館の建物を回り込みながら、帰路につきます。


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街の大通りまで戻ってきました。街を装飾する巨大なオブジェが目を引きます。


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また運河を通り過ぎます。アムステルダムは運河が多く、そして、運河の似合う街です。


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トラムの停留所までやってきました。日差しの割りには寒いので、早くトラムに乗りたい!


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ようやく、トラムが到着。


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トラムでミュージアム広場に戻り、朝食を食べたパン屋さんに寄って夜食用のパンを購入します。驚いたことに、朝はあんなにあったパンはほとんど売れてなくなっていました。人気店なのかもね。

宿に戻りますが、鍵が開くか不安です。ドアの前で勝負!・・・やっぱり不安的中、開きません。長い間ガチャガチャやっていると、隣のカフェでお茶していた客の男性が見かねて、お手伝いしましょうか(Can I help you?)と声をかけてくれました。本当にこの宿なのか?と聞きながら鍵を回すと・・・あら不思議、ドアはあっという間に開きました。感謝!です。どうも、いつになってもヨーロッパの古い鍵は苦手です。

ようやく部屋に入れました。
一寝入りして、歩いてコンサート会場に出かけます。
コンセルトヘボウで、ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏するブルックナーの交響曲第8番を鑑賞。別次元の演奏でした。saraiはもうこれで死んでもいい!とさえ、思うほどでした。別記事で感想をここにアップ済です。

ところで、アムステルダムのお友達のレイネさん情報では、このコンサート会場では、コーヒーや紅茶、ジュース、ワインなどのお酒も無料で飲み放題だとのこと。そんなホールに出会ったことはありません。コンサート前に、カフェの行列に並びながら様子を見ていると、確かにお金を払っている様子がありません。恐る恐るコーヒーをお願いしてみると、本当にどうぞ!と差し出してくれます。これは凄い。今日のコンサートは休憩なしで終了なのですが、終演後には、大きなお盆にズラーッと飲み物が並んでいて、ご自由にどうぞという感じです。お客さんもサッサと帰らずに、飲み物片手ににぎやかに談笑してます。これは素晴らしいことですね。是非、全会場で見習ってほしいです。私達も、ワインを頂きました。
ご機嫌で、ふらふら歩いて宿に帰ります。が、問題の開かない鍵が待っています。と、配偶者が、鍵はかかっていないのではないかと主張。というのは、saraiはドアは閉めると自動的に施錠されると思っているのですが、こんな旧式の鍵がそんなはずはないというのが配偶者の意見。ドアの前で、saraiが鍵は開いているわけねと不満たっぷりで思いっきりドアを押すと・・・開きました! その勢いでsaraiは指を切ってしまいました。やはり鍵はかかっていなかったということで一件落着、宿に入れましたが、名誉もない負傷を負いました。バンドエイドで手当てをしてもらい、サウナを楽しんで、ご機嫌でお休みなさいです。素晴らしい旅の出だしになりました。

翌日はデン・ハーグでフェルメールの名画《デルフトの眺望》を鑑賞し、フェルメールの暮らした街デルフトのホテルに移動します。

次回を読む:《3日目-1:デン・ハーグで感動のフェルメール》

前回を読む:《旅の始めはフランクフルトに寄り道》


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旅はオランダから~アムステルダムからデン・ハーグへ、いざ、フェルメール!

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/1回目

旅の3日目です。

アムステルダム2日目の朝。太陽は見えません。昨日は素晴らしい朝日だったのに残念です。昨日の残りのパンを食べながら、出かける準備をします。ところで、今朝は牛乳があります。というのも、以前にアムステルダムに来た時に配偶者が牛乳と思って買ったものが、飲むヨーグルトだったことをお友達のレイネさんに話したところ、いろいろ牛乳について伝授されたのです。牛乳は、濃い牛乳、普通の牛乳、酸味のある牛乳(以前に配偶者が買ったのはこれだろうとのこと、夏場は美味しいらしい)の3種類あり、文字表示もあるがケースや蓋の色が違うそうです。濃い青、水色、オレンジ色とのこと。というわけで、ちゃんと水色の蓋の牛乳をゲットできたのです。

今日はアムステルダムを引き払って、デルフトに移動します。ドアはもう鍵をかけなかったので、すんなり開きます。ようやく慣れてきたのにお別れとは残念です。鍵は、部屋の机の上に置いておくようにとの大家さんの指示なので、もちろん鍵もかけません。宿を出ると、トラムの走る大通りは寒々しく、閑散としています。


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改めて、宿の建物を全景を見てみます。煉瓦造りの4階建ての大きな建物です。宿の入口は建物1階中央の2つのドアのうちの左側です。建物全体が宿ではなくて、ほんの一部が宿に利用されているようです。


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我々の泊まったのは最上階の杭の突き出した部屋です。トラブルもありましたが、部屋に入れば快適な生活でした。ほぼ専用のサウナもあり、何といってもアムステルダムでは格安の料金でした。


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宿の真ん前の停留所Cornelis Schuytstraatからトラムでアムステルダム中央駅に移動です。乗り換えなしで駅まで行けるので便利です。バス・トラム用のSUICAもどきのカード、OVチップカールトをゲットしているので、乗り降りの時にチャリンとするだけでとっても便利です。現地の方は、皆利用してます。観光客は、乗るときに運転手から現金でチケットを購入してます。これが結構手間取っています。観光シーズンは大変でしょうね。
駅に着き、コンコースに入ります。


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コンコースからはエレベータでプラットホームに上がれます。


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鉄道チケットは、お友達に買っておいてもらった1日乗り放題の鉄道チケットがあるので、楽ちんです。プラットホームに上がると、大きなかまぼこ形の覆いが頭上に広がっています。


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5分ほどでIC(インターシティ)がやってきました。8時59分発の電車です。


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ファーストクラスを探して、乗り込みます。


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2階建て車両なので、眺めのよい2階に上がりましょう。


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ドアの先をのぞくと、がらがらです。今日は土曜日なので混み合うのではないかと心配していましたが、まったくの杞憂でした。


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ファーストクラスは、さすがにゆったりした素晴らしいシートです。好きな席を選び放題です。


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定時にICは走り出しました。


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駅を出ると、アムステルダム港が眺められます。


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駅の周りのたくさんの待避線の間を抜け、街を出て行きます。


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15分ほどでスキポール駅Schipholに到着。空港があるので地下駅になっています。


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スキポール駅を出て数分で、周りはどこまでも広がる畑になりました。


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空には、スキポール空港を発着する飛行機がひっきりなしに飛んでいます。


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ライデン中央駅Leiden Centraalを通過します。色彩の鮮やかなビルが印象的です。モンドリアン模様ですね。


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オランダは川の景色が美しいですね。


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ようやく、オランダ名物の風車を発見しました。


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2階の席に並んで座り、車窓を楽しみながらの1時間。デルフトDelftに行く前に、デン・ハーグDen Haagで途中下車します。フェルメールの作品を鑑賞するためです。

アムステルダムからデン・ハーグまでの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。


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デン・ハーグ中央駅Den Haag Centraalとは別のデン・ハーグHS駅Den Haag HSが便利だろう(デルフトへの代行バスがこの駅から出ている)とのお友達のアドバイスでデン・ハーグHS駅で下車します。美術館まではトラムでの移動になるので、ここで荷物を預けます。コインロッカーがあることも友人が調べてくれました。そのコインロッカーをなんなく発見。が、なんだかどれも様子が変です。どれも扉がうまく閉まりません。モタモタしていると、駅員さんがどうしたのかと寄ってきてくれました。


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彼もいろいろチャレンジした挙句、システムが壊れているようなのでちょっと待っててねと言って、機械を取りに行きました。間もなく戻ってきて調整をして、荷物をロッカーに入れるのを手伝ってくれました。感謝!


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無事に荷物を預けることができたけど、システムというより実際に壊れているロッカーも多かったようです。駅員さんからも、この駅ではなく中央駅に行って預けたらとのアドバイスもありました。旅行客の利用は少ない駅のようですね。
難関を突破したところで、早速、デン・ハーグ市美術館に向かいましょう。フェルメールの絵をもうすぐ見ることができます。


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旅はオランダから~デン・ハーグ市立美術館で見るフェルメールの最高傑作!

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/2回目

デン・ハーグHS駅で親切な駅員さんのお蔭で大荷物をコインロッカーに片付け、デン・ハーグ市立美術館に向かいます。まずは駅前に出ます。駅の建物はいかにもオランダらしい重厚な建物です。


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この駅前がトラムの停留所になっています。17番のトラムで美術館に向かいます。もちろん、OVチップカールトでチャリンとやるだけでトラムに乗り込めます。これがトラムの車内。新しく清潔です。


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街の中心部を通るので、車窓を楽しむことができます。


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中央駅を通り、街の中心を抜けていくと、立派な建物が見えてきました。恐らく、デン・ハーグで最も有名な建物でしょう。平和宮Vredespaleisです。この名前を聞いてもピンと来ない人が多いと思いますが、この平和宮の建物の1階に国際司法裁判所International Court of Justiceがあるんです。現在は国連の管轄下に置かれています。


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平和宮が見える辺りからは、綺麗な森の中を走ります。スヘーフェニンゲン森林公園Scheveningse Bosjesです。


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この森林公園の外れの市立美術館駅Gemeentemuseumでトラムを下ります。デン・ハーグHS駅から20分ほどかかりました。


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でも、近くに美術館らしき建物が見当たらず、焦ります。重厚な建物が見えますが、どうも美術館ではないようです。


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勘にまかせて歩いて行くと、妙なものが見えます。スプリンクラーで水を撒き散らしています。変なオブジェもあります。まさか、これが美術館?


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これが美術館の前庭だったようです。何とか、デン・ハーグ市立美術館Gemeentemuseum Den Haagに到着です。

デン・ハーグHS駅から17番のトラムと徒歩でのデン・ハーグ市立美術館への移動ルートを地図で確認しておきましょう。


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美術館の前には池があり、その中で醜悪な(失礼!)コンテンポラリーアートの作品が展示されています。


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本当にごみの集積物のようなアートで、口あんぐりです。デン・ハーグ市立美術館は古いものだと誤解していましたが、新しい美術館なんですね。


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こんなところにフェルメールがあるのか、確信が揺らぎます。ともあれ、中に入ってみましょう。お洒落なアプローチから入館します。


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ところが、美術館のオープンは11時からと係りの方に言われて、えっと驚きます。ガイドブックをよく見ると、その通り11時からになっています。あちゃー!!
仕方がないのでカフェを探すと、隣り合った建物にカフェがあるようです。池の向こうです。


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そのカフェで30分ほど休憩です。saraiはコーヒー、配偶者はホットチョコレートです。カフェの窓からは美術館が見えています。


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窓から見る美術館は青空に映えて綺麗です。


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オープン時間が近づき美術館の入口に行くと、入館を待つ人の行列ができていました。もっと早く並べばよかったと後悔のほぞを噛みますが後の祭り。オープン時間になり、おとなしく行列の後ろから順番を待ち、チケットを購入。これは2枚分のチケットですが、1枚は美術館の外観、もう1枚はレンブラントの《テュルプ博士の解剖学講義》が絵柄になっています。


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美術館の英語版のパンフレットもゲット。うっ、この女性が見ている絵はもしかしたら、モンドリアン? どうして、表紙がモンドリアンなの? 後で知りましたが、ピート・モンドリアンはオランダ出身で、この美術館には世界一のコレクションがあるそうです。あとで、じっくりと拝ませてもらいましょう。


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さあ、フェルメールの作品を鑑賞しましょう。現在、デン・ハーグのマウリッツハイス美術館は改修中のため、収蔵品はこのデン・ハーグ市立美術館で展示中なんです。日本で人気のフェルメールの《真珠の耳飾りの少女》は、改修費用を捻出するために、日本・米国などを巡業中で見られませんが、同じくフェルメールの《デルフトの眺望》は門外不出の作品なので、デン・ハーグ市立美術館で見ることができます。
美術館は複雑な構造でかなり広いため、そう簡単にはフェルメールに到達できません。2階では、ギュスターヴ・カイユボット展を開催中です。彼の最も有名な作品の「床を削る人々 Raboteurs de parquet(1875年)」が展示されているのにはビックリ。これはオルセー美術館所蔵ですから、借りてきたわけですね。


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その後、迷いに迷って、ようやくマウリッツハイス美術館のコレクションに到達しました。残念ながら、このコレクションのみ写真撮影禁止。絵葉書を求めて、代用します。

TVや画集でいやと言うほど見てきた《デルフトの眺望》ですが、実際に生で見てみると、まったく印象が異なります。大きな画面にくっきりと明瞭にデルフトの街の風景が丹念に描きこまれています。実に自然に描かれた風景画ですが、誰もこのようには描けないだろうとも思います。フェルメールの強い自信がうかがい知れる感じです。本当に見惚れてしまう作品です。saraiの意見では、《牛乳を注ぐ女》と並ぶ最高傑作です。無理しても見に来て、良かった! 門外不出ですから、ここへ来ないと絶対に見ることができません。


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レンブラントの《テュルプ博士の解剖学講義》も彼の集団肖像画の代表作だけあって、素晴らしい出来栄えです。黒の使い方が見事。


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もっと、ご紹介したい作品もありましたが、マウリッツハイス美術館のコレクションはこの2点に留めます。次はデン・ハーグ市立美術館のコレクションをご紹介します。モンドリアンは必見です。


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旅はオランダから~デン・ハーグ市立美術館のコレクション・・・saraiの選んだ4枚

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/3回目

デン・ハーグ市立美術館で、フェルメールの傑作《デルフトの眺望》を含むマウリッツハイス美術館のコレクションを堪能しました。次はデン・ハーグ市立美術館のコレクションを鑑賞します。今回はsaraiの注目した4点の作品を紹介します。

まずは、スイス出身の象徴主義の画家フェルディナント・ホドラーの習作(Study for day)です。


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ホドラーと言えば、代表作の『夜』のような男女の群像が描かれた作品が一番彼らしく感じます。この習作の女性はそのパーツのようにも思えます。存在感のある女性です。
ところで、一昨日にも、フランクフルトのシュテーデル美術館でもホドラーの習作を見ました。これから、旅はスイスにも達するので、そこでもホドラーの作品を見ることになりそうです。日本ではあまり注目されていない画家ホドラーですが、ヨーロッパの美術館ではコレクションの重要な要素となっています。

次は青騎士の画家の一人、アレクセイ・フォン・ヤウレンスキーの《女の肖像》です。もっともヤウレンスキーらしい作品といえるでしょう。


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ヤウレンスキーはsaraiが青騎士の画家たちに興味を持つまでは名前も意識していなかった人ですが、このところ、彼の作品を見る機会が増えてきました。この旅でも、ベルンのクレーセンターで彼の作品展を見ることになります。クレーとヤウレンスキーは青騎士の盟友ですから、そういう企画展が催されることになったのでしょう。今後、ますます、その評価が高まっていく画家の一人です。

次は何と、エゴン・シーレです。当ブログをご覧のかたはsaraiがシーレの大ファンなのはご存じでしょう。こんなところでシーレの作品に出会うとは思ってもみなくて、びっくりしました。それもシーレの妻を描いた素晴らしい晩年の作品です。《エディット・シーレの肖像》です。ウィーン以外でシーレの晩年の作品を見たのは初めてではないでしょうか。


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シーレの暖かい愛情が感じられます。これも晩年の特徴です。いやあ、いいものを見せてもらいました。

最後の1枚も、青騎士を代表するワシリー・カンディンスキーの《白いフォームを持つ絵画》です。抽象画の始祖ともされるカンディンスキーらしい傑作です。もちろん、絵は訳が分かりませんが、見続けていると、何やら、凄そうに見えるから不思議です。この人の絵はどちらが上なのか、簡単には分かりません。この絵はこれで間違いなさそうです。


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これでお分かりでしょうが、この美術館のコレクションはありきたりのものではありません。ゴッホやモネの傑作もありますが、先進的なコレクションといっても、差し支えないでしょう。
なかでも凄いのがモンドリアンのコレクションです。これはsaraiとしても力を入れて、ご紹介していきます。ご期待ください。


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旅はオランダから~デン・ハーグ市立美術館の珠玉のモンドリアン・コレクション・・・具象から抽象への跳躍

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/4回目

デン・ハーグ市立美術館には、ピエト・モンドリアンの世界1のコレクションがあります。モンドリアンはカンディンスキーと並んで、本格的な抽象絵画の世界を切り拓いた先駆者の一人です。その彼も最初から抽象絵画を描いていたわけではありません。彼が具象絵画から抽象絵画に至る過程をこの美術館の膨大なコレクションで見通すことができます。収蔵数は290点にも及ぶようですが、展示されているのは代表的な作品、30点ほどです。この展示だけでも、モンドリアン大回顧展の様相があります。特に必見の作品は、最後に描いていた未完成の遺作《ヴィクトリー・ブギウギ》です。また、具象から抽象に至る過程が見てとれる『リンゴの樹』の連作も見逃せません。

では、時代順に見ていきましょう。

《鶏のいる果樹園》です。1901年頃、29歳の作品です。この時期の特徴である木々を描いた風景画です。当時のオランダでは、フランスの「バルビゾン派」の影響を受けた「ハーグ派」という写実絵画が隆盛であり、初期のモンドリアンの絵は、ハーグ派の影響を受けていました。また、オランダで最も権威のある芸術賞「ローマ賞」に応募するも落選を重ね、社会への失望感をつのらせている時期でもありました。


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《太陽と柳》です。1902年~1907年頃、30~35歳の作品です。アムステルダム印象派の影響を受けるようになっています。なかなか、見事な作品ではありませんか。


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《霧のGeinrustファーム》です。1906年~1907年頃、34~35歳の作品です。これは素晴らしい作品ですね。ウィリンク・ファン・コレン賞を受賞し、認められるようになってきました。


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《ヘインの水辺の木》です。1906年~1907年頃、34~35歳の作品です。この頃は、同様の傾向の作品が続きます。対象が並んだ樹木ですが、象徴主義的にも感じられます。


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《ヘインの夕刻》です。1906年、34歳の作品です。ロマン主義と象徴主義の狭間にあるような作品に感じられます。


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《昇る月とヘイン河畔の5本の木》です。1907年~1908年頃、35~36歳の作品です。既に自然をありのままに描くのではなく、自由な色彩表現で描いています。非常にインパクトのある独自表現の絵画に足を踏み入れてきました。


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《夏の夜》です。1907年、35歳の作品です。これは実に幻想的な作品です。夜を好んだというモンドリアンのロマンあふれる1枚です。後の抽象化とはまた違った傾向で、この方向に進むこともありえたかも知れません。ゴッホの影響も感じられます。


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《赤い木》です。1908年、36歳の作品です。ゴッホが用いたフォルムを取り入れた作品。ゴッホとは、タッチが異なりますが、自然を題材に自己の内面を表出させ、激しく見る者に迫ってくる傑作です。


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《日の当たる風車》です。1908年、36歳の作品です。ゴッホを思わせるタッチの絵画ですが、3原色を用いた色使いが後のコンポジションを予感させる作品です。


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《素晴らしい風景》です。1907~1908年、35~36歳の作品です。この頃、海や砂丘などの絵画を盛んに描いています。自然の中の線(曲線)に興味を持っていたようです。女性の体の曲線を連想することもあったようです。空の色彩表現も鮮やかです。


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《海の風景》です。1909年、37歳の作品です。これも題材は上の作品と同様で、自然の中の線を意識したものですが、注目すべきはゴッホのようなタッチで描いた色彩の抽象化とも言えるものです。自然が分解されて、抽象の世界に向かっていきます。


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《ドンブルグでの砂丘》です。1910年、38歳の作品です。さらに自然の抽象化が進んでいきます。色使いも実にシンプルです。


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《進化(Evolution)》です。1911年、39歳の作品です。これはずい分、傾向が異なる作品です。女性のヌードは珍しいですね。肩に星形のものがありますが、同様にトケイソウを置いた作品も描いているので、その延長上の作品でしょうか。


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《赤い風車》です。1911年、39歳の作品です。具象的な絵ではありますが、極端に単純化したこの絵は抽象への道を指し示しています。


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《灰色の木》です。1912年、40歳の作品です。『リンゴの樹』の連作の1枚です。リンゴの生い茂った木をぎりぎりの具象表現で描いた作品。ほとんどモノクロームに近い色彩、デフォルメされた木や枝は装飾的なデザイン画にも見えます。


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《花盛りの林檎の木》です。1912年、40歳の作品です。これも『リンゴの樹』の連作の1枚です。《灰色の木》を一歩、抽象表現に近づけた作品。抽象絵画ではありますが、まだまだ分かりやすいレベルです。しかし、これはもうモンドリアン・ワールドの到来を告げています。


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《花盛りの林檎の木》です。1912年、40歳の作品です。これも『リンゴの樹』の連作の1枚です。もう、これは完全な抽象絵画でしょう。林檎の木だと知らずに見たら、何が描いてあるか、分かりません。ブラックやピカソのキュビズム作品の影響も感じられますが、ちゃんとモンドリアンの独自性もある素晴らしい作品です。ただ、この1枚だけ見せられたら、ブラックの作品だと誤認するかもしれませんね。


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この作品以降、モンドリアンは抽象絵画の世界にはいります。それも線と色彩のみの純粋な抽象絵画です。いわゆる、コンポジションという題名のシリーズの絵画群です。モンドリアンと言えば、そういう絵画が代名詞になっているものです。それらについて、これからご紹介します。


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旅はオランダから~デン・ハーグ市立美術館の珠玉のモンドリアン・コレクション・・・抽象の純化

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/5回目

いよいよ、抽象絵画の世界を極めたモンドリアンが次々と傑作を量産します。

《コンポジションNo.Ⅳ》です。1914年、42歳の作品です。もはや、このスタイルに到達したモンドリアンはどんな風景もこのように再構成することになります。これが彼にとってのリアリズムなのでしょう。抽象、極めたりの感があります。


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《面色3のコンポジションNo.3》です。1917年、45歳の作品です。この作品では黒い線が取り除かれ、色彩ブロックのみで構成されています。初めての試みです。ただ、黒い線がないと、モンドリアンっぽくありませんね。


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《格子のコンポジション3:菱形のコンポジション》です。1918年、46歳の作品です。これは一体、絵画と呼べるのでしょうか。文様をデザインしただけのようにも思えます。抽象絵画もここまでくると、鑑賞が困難になります。


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《格子のコンポジション8:暗色のチェッカー盤》です。1919年、47歳の作品です。題名通りならば、チェッカー盤ですが、これはパリの街の色だそうです。色彩配置は偶然に任せているそうです。現代絵画では今は当たり前になっている偶然性の絵画の先駆的な作品です。


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《赤、黄、黒、青、灰色のコンポジション》です。1921年、49歳の作品です。典型的なモンドリアンの絵画です。こういう絵を見ると、何となく、落ち着きます。見慣れてしまったんですね。


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《赤、黒、黄、青、灰色のコンポジション》です。1921年、49歳の作品です。上の作品よりももっと、モンドリアンの典型パターンの絵画です。なかなか、いいですね。


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《大きな赤の色面と黄、黒、灰色、青のコンポジション》です。1921年、49歳の作品です。これも典型的なモンドリアン作品ですが、黒い線が縁まで伸びていないとか、同じように見えるコンポジションも少しずつ、形を変えています。


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《4本の黄色の線のある菱形のコンポジション》です。1933年、61歳の作品です。モンドリアン特有の菱形の作品です。抽象化も純化していき、どんどん、シンプルになります。線も少なく、色も減ります。ミニマル・ペインティングっていう感じです。


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《線と色のコンポジション:Ⅲ》です。1937年、65歳の作品です。モンドリアンのスタイルを踏襲しながら、色を最低限まで切り詰めて、純粋な抽象を感じさせる作品になっています。この作品を見ると、これで十分なフォルムと色彩を感じてしまうから、不思議です。モンドリアンが途轍もない境地に達したことが分かります。


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《ヴィクトリー・ブギウギ(未完成)》です。1942年~1944年、70~72歳の作品です。未完成のまま、遺作となりました。有名な《ロードウェイ・ブギウギ》を菱形にしたような作品ですが、未完成とは言え、彼の作品の集大成とも言える素晴らしい作品です。抽象絵画の最高の美を満喫できる作品です。この美術館のモンドリアン・コレクションの白眉と言っていい作品です。


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思いがけず、市立美術館の素晴らしいモンドリアン・コレクションを堪能することができました。
デン・ハーグ市立美術館には、デルフト焼の作品など、色々と鑑賞できるものが豊富にあり、とても見尽くすことはできません。モンドリアン・コレクションを見たところで、鑑賞を切り上げることにしました。

次はデン・ハーグを辞して、デルフトに向かいます。


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旅はオランダから~思わぬアクシデントでデン・ハーグの旧市街を散策

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/6回目

デン・ハーグでは、市立美術館のフェルメールを見ることが主目的でした。目的を果たしたので、すぐにデルフトに移動します。
デン・ハーグHS駅に戻りましょう。元来た17番のトラムで逆方向に戻ります。しばしトラムの停留所で待ちますが、周りの家々の綺麗なこと!


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トラムに乗りましたが、デン・ハーグ中央駅近くでトラムが止まってしまいました。周りの車もすべて止まっています。どうやらデモ行進にぶつかってしまったようです。


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トラムに乗ったまましばらく待っていましたが、運転手も降りてしまったので、我々もトラムを降りて、街をブラブラ見物しながら先に進むことにしました。デン・ハーグの街はそのまま素通りするつもりでしたが、ひょんなことで街を散策することになりました。このあたりは旧市街のど真ん中です。デン・ハーグの街で最も知られた建物のビネンホフBinnenhofもすぐ近くです。ビネンホフは13世紀から17世紀にかけて建てられた建物で、国会議事堂、総理府などがあります。
少し歩くと池の端に出ます。ホフフェイファの池Hofvijverです。池の先の正面に、閉館工事中のマウリッツハイス美術館Verhuur Mauritshuisが見えます。その右手の建物がビネンホフです。美しい風景です。


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池を回り込んでマウリッツハイス美術館の正面に出ますが、工事中で屋根以外はほとんど見えません。左側にはビネンホフの建物が顔を出しています。


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ビネンホフの横手には、移動遊園地もできている賑やかな広場があります。プレイン広場Pleinです。


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この広場に面した賑やかな通りLangepotenを歩きます。古い街の中の通りですが、新しいお店が並んでいます。


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トラムの通りに戻って、デン・ハーグHS駅の方に歩いていきます。スパイSpuiの大通りを進むと、美しい新教会Nieuwe Kerkの建物があります。


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その新教会の向かいはスパイ広場Spuiplein。こちらはモダンな建物に囲まれた空間です。


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ここまで歩いてくるうちに、トラムも動き始めたようです。途中からまたトラムに乗ってデン・ハーグHS駅に戻ってきました。1番のトラムに乗ったので、行き先はデルフトです。このまま乗っていけばデルフトまで行けますが、駅のロッカーに預けてある荷物をピックアップしなければいけないのでデン・ハーグHS駅で降ります。

さて、荷物のピックアップの用事以外に、ここでもう一つのお楽しみがあります。オランダ国鉄1日乗り放題チケットに付いてきたお茶券があるのです。このデン・ハーグHS駅裏にあるメガストア内にそのお茶券を利用できるカフェがあるそうです(これもお友達のレイネさん情報)。ヨーロッパはお店の看板がないのでなかなかお店を探すのが大変なのですが、何とかメガストアを発見。倉庫のような建物です。


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どうも裏側のパーキング側に行ってしまったようで、ここからの移動にも通りかかった女性のお世話になってしまいました。ところで、オランダ人って本当に当たりが優しく、親切で素晴らしいです。とっても心地よいお国柄ですよ。住むのには最高かも・・・寒いけど。親切な女性の案内でショッピングセンター内に入ることができました。とても大きな空間です。


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下のフロアに下りて見上げると、その広大さが分かります。


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このフロアの一角に目指すカフェのLa Placeがありました。


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店内に入ると、セルフサービスの新鮮で美味しそうな食べ物が並んでいます。


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お店のスタッフにお茶券を見せ、何が頂けるかを教えてもらい、ケーキと紅茶を選択。


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タダで頂いたリンゴケーキとイチゴケーキはとっても美味しかったです。イチゴが大きくて甘かった!


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デン・ハーグでのお楽しみに満足し、メガストアを出て駅に向かいます。ここにも、モンドリアン風の綺麗なビルがあります。オランダ中、この手のビルが多そうです。


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思わぬデン・ハーグでの街歩きのルートを地図で確認しておきましょう。途中、少し、トラムにも乗りました。


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デン・ハーグHS駅で預けた荷物は無事コインロッカーから取り出せました。


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駅前には、膨大な数の自転車が置かれています。リアカーに積まれている自転車はレンタル用でしょうか。オランダは自転車大国です。


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ところで、今日と明日の2日間の土日はデン・ハーグとデルフト間は鉄道工事のため電車は運休。そのため、代行バスでデルフトに向かいます。代行バス乗り場の方に向かうと、私たちを見つけたバスの係りの人が手招きをしてくれて、発車直前のデルフト行のバスに乗り込むことができました。運転手の被るツバ広の帽子にびっくりです。


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乗り込むと同時に、代行バスはデルフトに向けて出発です。


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まだ2時40分です。デルフトを十分に散策できるでしょう。

次回を読む:《3日目-2:デルフトでフェルメールの足跡を尋ねて》

前回を読む:《2日目:アムステルダムでゴッホとブルックナー》


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2013/05/25 18:13
アクシデントにもめげずに、町歩きというお楽しみに替えてしまうところがさすがです。デン・ハーグからデルフトまでじっくりと色々な町並みをご覧になったり。旅慣れてらっしゃるせいもあるでしょうが、お二人のあせらずイライラせずという性格で、凶も福と成したということでしょう。フルにエンジョイなさってますね。
詳しい旅のレポート、これからもますます楽しみです。
(ドラッグ・ストアで買っておいたNS一日乗り放題券が今週末で有効期限が切れるので、デン・ハーグの市立美術館に行こうかな、と思ってNSの保線状況を見ると、案の定途中は代替バスの運行。デン・ボッスの新しい美術館2つがオープンするのでそちらにしようかしら)

2, saraiさん 2013/05/26 01:33
レイネさん、いつも暖かく、優しいコメント、心に沁みます。

結構、そのときはパニックしているんです。でも、ファイトも湧きます。トラブルこそが旅の真の楽しみなんちゃって・・・

デン・ハーグの市立美術館、時間があれば、きっちり、隅から隅まで見れば、面白いでしょうね。モンドリアンだけでなく、デ・ステイルもきっちり見ておきたかったところです。
NS一日乗り放題券は今度はドラッグ・ストア発売でしたか・・・神出鬼没!!

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旅はオランダから~デルフトの旧市街の散策を開始・・・運河の美しい街です

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/7回目

デン・ハーグHS駅から代行バスに乗って、デルフトに向かいます。デン・ハーグも運河の街なので、バスはすぐに運河を渡ります。運河と言っても川みたいです。


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その後は運河に沿って走ります。


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どこまで走っても運河が続きます。


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バスはデルフト行きですが、あくまでも鉄道の代わりに走る代行バスですから、途中の鉄道駅に寄っては乗客が乗降します。


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意外にこのロスが大きく、デルフトDelftには40分ほどもかかって到着。デン・ハーグでデモ行進に巻き込まれたりしたので、予定よりも大幅に遅れてのデルフト到着です。もう3時20分を過ぎています。できれば、この日のうちにロッテルダムまで行ってみるつもりでしたが、それは明日に回しましょう。

バスが到着したのは駅裏で、お友達の情報通り、駅の向こう側に行く歩道橋がそびえています。どう考えても荷物を持っての移動は無理です。近くに立っていた駅員さんに駅を通り抜けるガードを教えてもらい、ぐるっと迂回して駅表に移動します。駅表から見た駅前の工事中の様子です。大変な工事です。


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工事現場の間に作られた仮通路を歩いて、ホテルに向かいます。


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運河を越えると、旧市街にはいります。古い石畳の路地をホテルに向かいます。


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今日からは鍵の心配もない素敵なホテルに2泊です。フロントのお姉さんも可愛くて親切。


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ホテルは、運河に面した旧市街にあるHotel Leeuwenbrug(レーウエンブルフ)です。1泊2人で85ユーロというリーズナブルな料金です。もちろん、WIFI無料、朝食付きの料金です。

まずは部屋に荷物を放り込みます。部屋はなかなか綺麗な部屋です。


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ちゃんとPC操作ができるデスクもあります。


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水回りは残念ながら、バスタブはなくシャワーのみです。


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休むこともなく、すぐにデルフト観光に出かけます。いろんな出来事で、時間が予定より大幅に遅れていますからね。ホテルを出ると、運河沿いの道です。


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運河沿いを街の中心に向かっていくと、大きな教会の尖塔が見えてきます。旧教会Oude Kerkです。


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旧市街の中心のマルクト広場Marktはホテルからすぐです。市庁舎Stadhuisと新教会Nieuwe Kerkの建物が見えます。


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マルクト広場に出てびっくり。小さなマルクト広場は人であふれています。土曜日ということもあるのでしょうが、今やフェルメール効果で大観光地になったようです。人をかき分けながらの観光をします。


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小さな街ですが、往年の繁栄を感じさせられる教会などの建物の素晴らしさに圧倒させられます。これは市庁舎Stadhuisの建物です。


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マルクト広場に面して、デルフト焼きのお店もあります。お土産物のお店がずらっと並んでいます。


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これが新教会Nieuwe Kerkです。後で中に入ってみましょう。


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今日は土曜日なので、マルクト広場にはびっしりと市が立っています。何故か布生地を売るお店が多かったのですが、どうしてでしょうね。


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この後、フェルメールの足跡を尋ねてデルフトの街を歩きます。

デルフト駅からホテルまでの移動も含めて、ここまでのデルフトの街散策を地図で確認しておきましょう。


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旅はオランダから~デルフトの散策・・・フェルメールの足跡を尋ねて

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/8回目

デルフトはフェルメールが一生を過ごした街ですが、彼の作品は1枚もここにはありません。作品の鑑賞はできませんが、その代わり、街を巡って、フェルメールの足跡を追いましょう。

フェルメールの情報を求めて、ツーリスト・インフォメーションを訪れます。ツーリスト・インフォメーションは、マルクト広場の1本外側の路地にあります。デルフトの地図をもらい、フェルメールが《デルフトの眺望》を描いた場所を教えてもらいます。地図の左下にチェックした場所です。かなり、街外れですね。


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このままツーリスト・インフォメーションを出ようとしましたが、あるパンフレットに気が付きました。《デルフトのフェルメール フェルメールの足跡》というパンフレットです。日本語版もあります。


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パンフレットの中身は、デルフトにあるフェルメールゆかりの場所を記した地図です。


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まずはフェルメール・センターVermeer Centrum Delftを見てみましょう。マルクト広場のすぐ近くです。フェルメールもその会員だったデルフトの画家組合(聖ルカ・ギルド)があった場所に2007年にオープンしました。ファサードは残念ながら昔のものではなく、当時の建物を再現したものです。


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中に入って、びっくりです。単なるお土産物売り場です。よく見ると地下への階段があり、そこがフェルメールの展示をしているところでした。とりあえず、パンフレットをいただきます。


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フェルメール・センターという名前は付けていますが、ここにはフェルメールの作品の本物はありません。その代わり、フェルメールの全作品の37枚のパネルを展示しています。今まで見てきた作品がずらっと並んでいます。


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順番に見ていきます。これまでにフェルメールの作品は20枚以上は見てきました。今回の旅でも新たに2枚見ました。それらの作品以外に、まだ見ていない作品も興味深く鑑賞しました。ただ、あまりにも本物に比べて、かなり見劣りするパネルだったのが残念です。大塚国際美術館の陶画のような質の高いコピーを用意してもらいたいものです。


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むしろ、映像展示のほうが面白かったです。これは《小路》を中心にコラージュしたものですね。


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これは作品をばらばらに組み合わせたものです。


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まだまだ内容が不十分に感じましたが、おいおいと改善されていくのでしょう。
フェルメール・センターを出てマルクト広場に戻り、新教会に入ります。


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新教会Nieuwe Kerkはフェルメールが洗礼を受けた教会です。現在は教会としては機能していないのか、有料での入場になります。チケット代わりにパンフレットを渡されました。


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内部は天井から吊り下げられたシャンデリアが印象的です。


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ステンドグラスも美しい。


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内陣も立派です。典型的なゴシック様式の教会です。


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パイプオルガンも美しいですね。


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次は旧教会に向かいます。新教会のチケットで共通にみることができるそうです。新教会から旧教会への歩き方の地図もパンフレットに印刷されていました。マルクト広場を抜けて、運河沿いに歩きます。


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運河を渡ると、そこが旧教会Oude Kerkです。


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ちょっと入口が分かりづらかったのですが、人が出入りしているのを発見。


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これが旧教会のパンフレット(新教会と共通)です。


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旧教会はフェルメールが埋葬され、フェルメール家のお墓があったそうです。
旧教会の内部です。白い壁と柱が美しいですね。


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ここにも立派なパイプオルガンがあります。


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ステンドグラスが素晴らしいですね。


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ところで、肝心のお墓ですが、今はもうフェルメール家の墓石はないそうです。記念碑だけが床に埋め込まれているそうですが、それは最近のものなのでパスして、この旧教会全体をフェルメールのお墓とみなして、天才画家へ黙祷を捧げました。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。


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これで閉館時間を気にする必要のあるところはすべて見たので、あとはゆっくりとフェルメールの足跡を尋ねて、デルフトの街を散策しましょう。最終目的地はもちろん、《デルフトの眺望》を描いたところです。今日、デン・ハーグでこの最高傑作を見たばかりで、感動が続いていますからね。


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この記事へのコメント

1, Vermeer FBページ管理人さん 2013/06/05 23:10
はじめまして。
saraiさまのデルフト散策レポート、
大変楽しく拝見させていただきました。
フェルメールファンの聖地デルフト、一度ゆっくり訪ねたいものです。

こちらのブログエントリーを、VermeerのFacebookページで、
リンクシェアさせていただきました。
もしよろしければ、お立ち寄りくださいませ。

何かありましたら、なんなりと、お気軽にコメントください。
Vermeer Facebookページ管理人

2, saraiさん 2013/06/06 09:22
Vermeer FBページ管理人さん、初めまして。saraiです。

お互い、フェルメールの絵画を愛するもの同士、今後とも、よろしく、お付き合いください。

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旅はオランダから~デルフトの散策・・・フェルメールの足跡を尋ねて(後編)

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/9回目

フェルメールの足跡を尋ねて、デルフトの街を歩き回ります。旧教会を出て、運河沿いにマルクト広場の方に戻ります。運河沿いに美味しそうなファストフード(オランダ風)のお店があり気をそそられますが、ここはぐっと我慢。


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先程訪れたツーリスト・インフォメーションの裏側に出ました。ここを起点に散策を開始します。


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フォルダース運河Voldersgracht沿いを歩きます。


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1番目はフェルメールの生家です。生家は25/26番地です。中を見ることはできません。当時は父の営むデ・フリーヘン・デ・フォス(飛ぶ狐)という居酒屋兼宿屋でした。


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フォルダース運河を渡って、マルクト広場へ。


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マルクト広場の北東の角にハウス・メヘレンがあります。これが2番目です。この場所にフェルメールが9歳のときに一家が転居しました。当時の建物は残っていません。この建物の壁に「ここにフェルメールが生まれた。」という記念碑がはめ込まれていますが、もちろん誤りです。


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3番目は新教会ですが、ここは既に訪問済みです。マルクト広場を出て、ニューウェ・ランゲンダイク通りNieuwe Langendijkを歩き、《小路》が描かれた家に行きます。絵に描かれたような家はありませんが、どうもこの花屋さんがその建物らしいです。いずれにせよ、既に家に面した運河は埋め立てられ、様子はすっかり変わっています。ちょっと、これは自信がありません。花屋の人にうかがうと、ここだということですけどね。これが4番目。


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次の場所に向かうために、大きな運河に沿った散策路Oranje Plantageを歩きます。美しい風景です。


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先の方に城門Oostpoortが見えてきました。これが5番目のポイントです。


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城門近くの運河縁は綺麗な緑地になっていて、水鳥が遊んでいます。


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これが城門です。フェルメールの《デルフトの眺望》にも城門が描かれています。描かれた当時はその場所(デ・コルグ波止場)にも城門があったそうですが、今は残っていません。この城門はフェルメールの描いた城門ではありませんが、これがデルフトに残された唯一の城門です。当時の面影が感じられます。


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城門から運河を渡る橋はハネ橋になっています。


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次の6番目以降のポイントはいったんパスして、ここからは《デルフトの眺望》が描かれたという場所(デ・コルグ波止場)に向かうことにします。
運河沿いに歩いていくと、途中の橋もハネ橋です。これもオランダの風物ですね。


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デ・コルグ波止場の近くまで歩いてきました。ずい分歩きました。もうすぐでしょう。水路も広くなってきました。


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ところが、ここまで来て、運河の反対側に出てしまったことに気が付きました。運河を渡る橋はありません。波止場になっていて、水路がとても広くて、橋がないんです。がっくりして、とぼとぼと元来た道を戻ります。ショック!

それでも、5分ほどで運河を渡ることができました。


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運河を巡りながら、デ・コルグ波止場をめざします。


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途中、道路工事中で迂回させられたりしながら、ようやくデ・コルグ波止場に到着。かなりヘトヘト状態です。

街の外れまでかなりの距離を歩いて、《デルフトの眺望》が描かれたという場所から街を眺めます。なるほど、これは絵になる風景です。城門の外側の運河を挟んだ波止場から眺めたデルフトの街の風景だったんですね。すっかり、デルフトの街の真ん中の風景だと勘違いしていました。


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天才フェルメールの筆にかかると、この風景がさらなる進化を遂げ、素晴らしい芸術作品に昇華したこともよく分かります。風景の再構成はまるでコラージュのようです。決してリアルな絵画ではなく、天才芸術家の頭の中で美を構築したものです。フェルメールの凄さを改めて痛感しました。これがフェルメールの《デルフトの眺望》です。


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しばらくその景色に見とれて過ごしました。ここには誰もいません。我々だけの風景です。


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岸辺に繋留されている船は《デルフトの眺望》の絵に合わせるためのものでしょうか?


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これで、すっかりデルフト散策に満足しました。
また、街の中心のほうに戻りましょう。運河沿いに歩きます。


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8番目のポイントのフェルメールの行きつけのパン屋、ディー・フルデン・コップ(黄金の頭)を見ることができました。生活の苦しかったフェルメールはつけでパンを買って、何とか生活できたそうです。フェルメールが死亡すると、このパン屋への借りを返すために絵画2点を渡したそうです。それが残っていれば、莫大な資産になったんでしょうが・・・。この絵はしばらく、お店に掛かっていたそうです。


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クロム通りKromstraatを通って中心地に抜けていきます。


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これが7番目のポイントのフェルメールの住居のあったところです。現在は大きな教会になっています。マリア・ファン・イェッセ教会Maria van Jessekerkです。


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壁には、フェルメールの住居についての説明板が埋め込まれています。


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ここで、フェルメールの珠玉の作品群が生まれたんですね。感慨一入です。
フェルメールの足跡巡りをしめくくるに最高の場所でしょう。
まだ、残るところ、
 6番目:父の生家
 9番目:プリンセスホフ(フェルメール時代のデルフトの画家の作品を展示)
の2つがありますが、まあ、いいでしょう。
10番目の旧教会は訪問済みです。
番外のフェルメール・センターも訪問済みですが、ちょっとのぞいてみると既に閉館していました。


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結局、10個のポイントと番外の2つ(フェルメール・センター、《デルフトの眺望》を描いたデ・コルグ波止場)は、2つを残して見て回ることができました。あ~、疲れた! でも、凄い満足感に浸っています。

フェルメールの足跡を尋ねる散策ルートを地図で確認しておきましょう。


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この後はディナーです。


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モーツァルト&ベートーヴェン:ピアノと管楽の五重奏曲@横浜上大岡ひまわりの郷ホール 2013.5.26

あまり演奏される機会のない室内楽の曲のコンサートで、貴重な体験です。
モーツァルト&ベートーヴェンのオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの4人の管楽器奏者とピアニストが演奏する五重奏曲です。
もちろん、saraiも聴いたことはありませんが、未聴のCDは持っています。そのうちに聴こうと思っていましたが、今回の予習として聴くことになりました。演奏は以下です。ちょうど、モーツァルトとベートーヴェンがセットになっているCDです。

 ペライア、イギリス室内管弦楽団の管楽器奏者

ペライアのピアノを聴いているだけで、満足できます。ミニ管楽器オーケストラを伴うピアノ協奏曲の風情もあります。ただし、モーツァルトの第2楽章だけはピアノは伴奏に徹しています。曲想のせいでしょう。

実際のコンサートでの演奏は実に柔らかい響きで終始し、まさに室内学的演奏でした。これが普通の演奏なのでしょう。それはそれでいいのですが、やはり、ピアノを強調したペライアの演奏のほうが聴いていて、面白いのも事実です。また、オーボエの音が冴えわたらない感じで、これが残念でした。
今日のコンサートは演奏がどうのこうのというより、珍しい曲が聴けて、よかったというところです。予習でペライアのCDも聴けたしね。

この日のプログラムは以下の内容です。

 オーボエ:古部賢一(新日本フィル首席)
 クラリネット:四戸世紀(元読売交響楽団首席)
 ファゴット:吉田将(読売交響楽団首席)
 ホルン:福川伸陽(NHK交響楽団)
 ピアノ:加藤洋之

 ベートーヴェン:クラリネットとファゴットのための二重奏曲第2番ヘ長調 WoO.27-2
 ベートーヴェン:ピアノと管楽の五重奏曲変ホ長調Op.16

  《休憩》

 R・シュトラウス:歌曲《アルプホルン》:オーボエ版、ピアノとホルン伴奏
 モーツァルト:ピアノと管楽の五重奏曲変ホ長調K.452

  《アンコール》

    モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス(ピアノと管楽の五重奏)

ベートーヴェンのクラリネットとファゴットのための二重奏曲は耳慣れない構成のためか、あるいはベートーヴェンの若い頃の作品のせいか、どうしてもクラリネットの旋律ラインが把握できないままに終わってしまいました。ベートーヴェンとしても、クラリネットのほの暗くて、深い響きを活かしきれなかった感じです。そういえば、ベートーヴェンのクラリネットの名曲って、思い当たりませんね。

ベートーヴェンのピアノと管楽の五重奏曲はモーツァルトの同じ構成の曲を踏襲して、その上にベートーヴェンらしさも滲ませた、なかなかの曲です(ペライアで予習した結果)。しかし、今回の演奏は悪い意味で室内学的な演奏で、ピアノが伴奏的になり過ぎの印象です。したがって、若い頃のベートーヴェンの溌剌さに欠けていた感じでしょうか。この曲はベートーヴェン自身がピアノを弾いたそうですから、もっと、かっちりした演奏をすべきでは?

休憩後、R・シュトラウスの歌曲《アルプホルン》がソプラノの代わりにオーボエで演奏されました。R・シュトラウスが14歳で作曲したロマンチックな旋律が印象的です。オーボエもよかったのですが、やはり、ソプラノで聴くと、もっとロマンチックだったでしょうね。

モーツァルトのピアノと管楽の五重奏曲はモーツァルトが予約演奏会で自分でピアノを弾いたそうです。ベートーヴェンと同じで、ピアノは伴奏的ではなく、溌剌として、弾いてほしかったものです。やはり、ペライアの演奏のようにピアノ協奏曲的に弾くのが、この曲のありかたのように思えます。管楽をオーボエがリードしていたのはよかったと思います。モーツァルトとしては、もっとクラリネットの深い響きを活かした作曲ができなかったのかなあと残念に思いました。

アンコールは合唱曲のアヴェ・ヴェルム・コルプスが器楽で演奏されました。しみじみとした、いい演奏でした。横のおばあさんががさごそしていて、気持ちが集中できなかったのが残念でしたけどね。それにしても、演奏中に解説のパンフレットをごそごそと読む人が多く、気が散ることが多く、今日の聴衆には、少し、うんざり。

先程書いた通り、珍しい曲が聴けたのが収穫のコンサートでした。
もう、今週の金曜日からは、ブダペストを皮切りにヨーロッパ遠征して、音楽を楽しみます。現地からのレポートを書きますので、ご愛読ください。


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旅はオランダから~デルフト唯一の魚料理店

2013年4月6日土曜日@アムステルダム~デン・ハーグ~デルフト/10回目

フェルメールの足跡を尋ねてのデルフトの散策の後は、美味しいものを頂きましょう。デルフト唯一の魚料理店を予約してあるのです。ホテルのレセプションのお姉さんにこのお店の場所を教えてもらうつもりで尋ねてみると、お店の名前が違うわよって、新しい名前を教えてもらいました。経営者が変わったんでしょうか。古い名前は Den Blaeuwen Snoeck でしたが、今は Brasseriie ’t Crabbetje という名前です。
ついでにお姉さんにそのレストランを予約してもらおうとしたら、お昼休みで電話が通じなかったそうで、街歩きの途中で自分で予約を入れました。そのレストランは街の中心のマルクト広場からもすぐのところです。お店を見つけるのに少し手間取りましたが、ようやく発見。運河沿いの道にありました。


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小さなお店ですが、上品な感じの素敵なお店です。予約してあることを告げると、すぐに席に案内されました。


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予約しておいてよかったです。予約なしの客はすべて断られ、確かに最後には予約客で満席になりました。広そうには見えないけど、10テーブルはあるし、それなりの収容人数はあるのですけどね。


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シェフお任せの3コースメニューを勧められました。ちょっと高くて35ユーロだったのですが、今日はまだ使った食費はタダだし、夜だから仕方がないかと大奮発しました。
まずは白ワイン。


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料理は、前菜の前の突き出しみたいなものです。お洒落な出し方ですね。食べやすいし・・・。


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冷製スープです。


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スープと一緒に出た前菜です。ちょこちょこした肴が並んで、なかなかのものです。


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メインは魚のグリル各種です。ともかく品数が多いのでお得感がありますし、そもそも美味しい!


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付け合わせのポテトとサラダもさっぱりして美味しいしね。


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デザート、その1はチーズ盛り合わせ。


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デザート、その2はケーキやアイスクリーム、ソルベの盛り合わせ。


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シェフお任せの3コースメニューにしたのは、大正解。それぞれの魚の素材を生かした料理で絶品。ちょっと食べたことがありません。日本で食べたら1万円は要求されそうです。ワインも美味しく、大満足のほろ酔い千鳥足でホテルに戻りました。

観光客もいなくなり、ライトアップされた市街は美しかったです。これはマルクト広場。正面の建物は市庁舎です。


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そして、これが新教会。


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ホテルに戻ると、歩数計は信じられない数値です。今日は本当によく歩きました。

今晩はデルフトの運河沿いのこのホテルでゆったりと休み、明日はまたアムステルダムにハイティンクのブルックナーを聴きに行きます。楽しみが続きます。

次回を読む:《4日目:アムステルダムでブルックナー、ロッテルダムのライン川》

前回を読む:《3日目-1:デン・ハーグで感動のフェルメール》


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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~もう2日で出発・・・一番大事な音楽予習は?

遂に、ブダペスト・ウィーン・ミュンヘン・ドレスデン・プラハの旅の出発まで、もう2日。準備は大幅に遅れていますが、まあ、その日が来たら、出発せざるを得ませんね。音楽の予習はまあ、できる範囲でほぼ済ませました。明日も少し、聴きますけどね。

最終的にコンサート・オペラ・バレエの予定は以下のようになりました。

  2013年5月(31日) ブダペスト国立歌劇場
    オペラ《シモン・ボッカネグラ》Gyorgy Vashegyi指揮、Mihaly Kalmandi、Csilla Boross、Giacomo Prestia、Adorjan Pataki

  2013年6月(2日) ウィーン国立歌劇場
    オペラ《カルメン》ドゥ・ビリー指揮、ガランチャ、アラーニャ、カヴァレッティ、ハルティッヒ

  2013年6月(3日) ウィーン・コンツェルトハウス ベルリン・フィル ラトル指揮
    ブーレーズ《ノーテーション(1、7、4、3、2)》、ブルックナー交響曲第7番

  2013年6月(4日) ウィーン・フォルクスオーパー
    オペレッタ《メリー・ウィドウ》アイヒナー指揮、シュライプマイアー、マスタリ、フレッヒル、シュティーフェルマン、シルマッヒャー、ロベルト・マイアー

  2013年6月(5日、6日) ウィーン・コンツェルトハウス ベルリン・フィル ラトル指揮、フォン・オッター、サラ・フォックス
    マーラー交響曲2番《復活》

  2013年6月(7日) ウィーン楽友協会 ウィーン・フィル ソフィエフ指揮、シュトイデ、ソモダーリ
    ブラームス《2重協奏曲》、ベルリオーズ《幻想交響曲》

  2013年6月(8日) ウィーン・コンツェルトハウス ウィーン交響楽団 コンロン指揮、ヴァイラーシュタイン
    ドヴォルザーク《チェロ協奏曲》、ツェムリンスキー交響詩《人魚姫(Die Seejungfrau)》

  2013年6月(9日) バイエルン国立歌劇場 
    オペラ《シモン・ボッカネグラ》ドゥ・ビリー指揮、ルチッチ、クリスティーネ・オポライス、ヴィターリ・コワリョフ、ヴァルガス

  2013年6月(12日) ドレスデン・ゼンパーオーパー
    楽劇《ばらの騎士》ティーレマン指揮、シュヴァネヴィルムス、ペーター・ローズ、ガランチャ、ダニエラ・ファリー

  2013年6月(13日) ドレスデン・ゼンパーオーパー
    バレエ《ウィリアム・フォーサイスのバレエの夕べ》
      第1部:アーティファクト・スイート(改訂版) バッハの無伴奏ヴァイオリンのための<シャコンヌ>
      第2部:1. スリンジャーランド・パ・ドゥ・ドゥ(ドレスデン初演) ヘンデル
          2. ハーマン・シュマーマン・パ・ドゥ・ドゥ(ドレスデン初演) ベリオ
          3. 新作世界初演 New Sleep
          4. イン・ザ・ミドル ソムホワット・イェヴェイテッド・パ・ドゥ・ドゥ バッハ
      第3部:エネミー・イン・ザ・フィギュア  サーチライトの光だけで構成

  2013年6月(14日) シュターツオペレッテ・ドレスデン
    オペレッタ《ガスパロ-ネ》(ミレッカー作曲)

  2013年6月(16日) プラハ国立歌劇場 
    バレエ《Americana III》
      Theme and Variations(George Balanchine)
      In the Middle Somewhat Elevated(William Forsythe)
      Fancy Free(Jerome Robbins)

  2013年6月(17日) プラハ国民劇場 
    オペラ《ペレアスとメリザント》David Svec指揮、Philippe Do 、Veronika Hajnova 、Jiri Sulzenko

  2013年6月(18日) プラハ・エステート劇場 
    オペラ《フィガロの結婚》Jan Chalupecky指揮、Frantisek Zahradnicek、Jiri Hajek、Jitka Svobodova、Katerina Knezikova

  2013年6月(19日) ウィーン・フォルクスオーパー
    オペレッタ《ルーナ夫人》Gerrit Priesnitz指揮、Julia Koci、Thomas Paul、Regula Rosin、Boris Eder、Isabel Weicken、Johanna Arrouas、Daniel Prohaska、Andreas Daum、Carlo Hartmann、Martina Dorak、Stefan Tanzer

  2013年6月(20日) ウィーン国立歌劇場
    楽劇《カプリッチョ》エッシェンバッハ指揮、フレミング、スコウフス、シャーデ、アイフェ、リドル、キルヒシュラーガー、ロイダー、ファリー、ブルンス

  2013年6月(21日) ウィーン国立歌劇場
    オペラ《ロミオとジュリエット》ドミンゴ指揮、ニーノ・マチャイゼ、ベチャーラ

  2013年6月(22日) ウィーン・コンツェルトハウス ウィーン交響楽団 ナガノ指揮
    シェーンベルク《グレの歌》デノケ、藤村、ジェイ・ハンター・モリス、ドーメン

チケットはすべて、購入済みです。あとは歌手のキャンセルだけが恐い! 既にバイエルン国立歌劇場でアメリアを歌う予定だったストヤノワがキャンセル。《カプリッチョ》のエローデもキャンセル。ガランチャ、ティーレマン、デノケ、フォン・オッターは絶対にキャンセルしないでね! 《カプリッチョ》もこの豪華配役のままでお願いします!

なお、最初の計画と少し変わっているところがあります。ブダペストでは、できれば、オペレッタが見たかったんですが、日程が合わず、国立歌劇場でのオペラに変更しました。また、プラハ国立歌劇場は《ラ・ボエーム》のチケットを購入済みでしたが、何と公演キャンセルの連絡が来ました。仕方がないので、翌日のバレエに切り換えました。プラハの3大歌劇場でオペラを見る計画は見事に崩れさりました。

嬉しい驚きは《グレの歌》のトーヴェを歌うのがアンゲラ・デノケになったということです。最高のトーヴェになるでしょう。トーヴェの最後の歌のロマンチックな歌唱で、気絶してしまいそうです。藤村美穂子の森鳩も素晴らしい歌唱が聴けそうです。

さて、主な予習は以下の通りです。

オペラ《シモン・ボッカネグラ》 どれも聴き応え十分。それにしてもスカラ座のCDは凄い!
 メトロポリタン歌劇場:ドミンゴ、ピエチョンカ、ジョルダーノ、モリス
 スカラ座(CD):アバド指揮、カプッチッリ、フレーニ、ギャウロフ、カレーラス 
 パレルモ・マッシモ劇場:フロンターリ、アマリルリ・ニッツァ、フェルッチョ・フルラネット、ワルテル・フラッカーロ

オペラ《カルメン》 予習はこれしかないでしょう!
 メトロポリタン歌劇場:ガランチャ、フリットリ、アラーニャ

ブルックナー:交響曲第7番 7番だけはやはりヨッフムですね。ハイティンクの新録音でも出ればなあ。
 ヨッフム指揮コンセルトヘボウ管弦楽団

オペレッタ《メリー・ウィドウ》 予習はこれね!
 フォルクスオーパー2012年来日公演

マーラー:交響曲2番《復活》 ハイティンクに敬意を表して・・・、原光はもちろん、フォン・オッターを聴きました。
 ハイティンク指揮シカゴ交響楽団

ベルリオーズ《幻想交響曲》 やはり、定番の演奏
 ミュンシュ指揮パリ管弦楽団

ドヴォルザーク《チェロ協奏曲》 ちょっと、変わったところで

 デュ・プレ、チェリビダッケ、スウェーデン放送交響楽団

ツェムリンスキー交響詩《人魚姫(Die Seejungfrau)》 スペシャリストのコンロン指揮で

 コンロン指揮ケルン放送交響楽団

楽劇《ばらの騎士》 今更、予習はなし

オペレッタ《ガスパロ-ネ》 ほとんど、DVDは入手困難。何とか聴きました。
 フォルクスオーパー1985年公演、ビーブル指揮、シュライプマイアー

オペラ《ペレアスとメリザント》 やはり、本場もので。
 パリ・オペラ座(バスチーユ)公演 フィリップ・ジヨルダン指揮、ステファーヌ・デグー、工レナ・ツァラゴワ、フォン・オッター

オペラ《フィガロの結婚》 変わったところで
 エクサン・プロヴァンス音楽祭 パトリシア・プティポン

オペレッタ《ルーナ夫人》 遂にヴィデオ入手できず、CDで拝聴
 ベルケ指揮バイエルン放送交響楽団、ハルシュタイン、ブロックマイアー、ティボルディ、ユンケ、ハンケ
 マッテス指揮グラウンケ交響楽団、ケート、ホッペ、リッツ、フリーダウアー

楽劇《カプリッチョ》 これはフレミングの独壇場か・・・
 パリ・オペラ座 シルマー指揮、フレミング、ディートリヒ・ヘンシェル、ライナー・トロスト、フィンリー、ハヴラータ、フォン・オッター
 メトロポリタン歌劇場:アンドリュー・デーヴィス指揮、フレミング、ピーター・ローズ、フランク・ラルセン、サラ・コノリー
 ウィーン・フィル(CD) シルマー指揮、キリ・テ・カナワ、ハーゲゴード、ハイルマン、オラフ・ベーア、フォン・ハーレム、ファスベンダー

オペラ《ロミオとジュリエット》 マチャイゼは可愛くて、なかなかの歌唱・・・期待大!
 ヴェローナ野外音楽祭公演 マチャイゼ、ステーファノ・セッコ

シェーンベルク《グレの歌》 いずれも流石の演奏。ヴォイトはロマンチックさが不足。
 アバド指揮ウィーン・フィル、イェルザレム、スウィート、リポヴシェック、ヴェルカー、ラングリッジ
 ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団(DVD)、アンデルセン、ヴォイト、藤村

という感じで、十分とは言えませんが、何せ、連日、19回も聴くので、予習も大変でした。


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この記事へのコメント

1, さくらママさん 2013/05/30 08:50
初めまして、いきなりの投稿失礼します!
ウイーンに来月、突如行くことになりここに出会いました。
saraiさん、凄いです!もうビックリです。。。やっと取れた1週間のお休み、ウイーンで音楽三昧しようとPCで奮闘。。。。21日と22日同じ処へ行くようです。日本人のオバサン2人組がウロウロしていたらお声かけしてください。
いつかはsaraiさんご夫婦の様に、ゆっくりヨーロッパに行けるといいのですがダンナは音楽には全く興味はないみたいです~

では素敵な旅を~~ブログ楽しみにしております。。

2, saraiさん 2013/05/30 10:03
さくらママさん、はじめまして。

グレの歌のチケット、よく取れましたね。日本ではなかなか聴けない大曲ですからね。それにキャストも凄い。お互い、楽しみましょう。今回の旅のラスト・コンサートで翌日は帰国します。こちらこそ、熟年夫婦をみかけたら、お声をかけてくださいね。

では、今日の深夜便で出発してきます。ウィーンでお待ちしています。

3, さくらママさん 2013/05/30 10:36
コメレスありがとうございます~
グレの歌、そうだったのですね~嬉しいです!こちらは日程に組み込めるものしか取れなかったので。。。。。ラッキーです。
楽友協会の方がウイーンフィルではなかったので頑張って取りました。
あと、教会でのパイプオルガンも楽しみにしています。本職はピアノですがパイプオルガンも最近少しかじりだしましたので~~
でも歌の方は全くわからないのです。
saraiさんのブログ頑張って読もうと思っています~

ではではアラシス(笑)の熟年オバサンみかけましたら是非。。。。

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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~これから搭乗・・・行ってきます。

ひたすら、この2日間、ブログの記事を書く余裕もなく、旅の準備を続け、何とかつじつまを合わせ、今、羽田空港行きの電車に飛び乗ったところです。今回の旅に向け、初めて、タブレットを購入し、それを使って、記事を書いています。といっても、流行りのIPADではありません。より安価なAmazonのKindle Fire HDです。まだ、使い慣れていないので、戸惑いながらの利用です。スマホは使っていませんからね。

さて、旅の準備ですが、まずはこれまで用意してきたチケットや書類の確認と整理です。既にオペラ、コンサートのチケットと資料はチェック済みです。次はホテルの予約の確認とその場所を地図上で調べ、空港/駅からのアクセスを考えます。ネット上の電車/バスの乗り換え案内ツールを活用します。Googleのマップのルート検索も結構、使えそうですが、まだ、時刻表データの完備していない街も多く、これからに期待しましょう。いずれにせよ、この作業に相当の時間と労力を費やしてしまいました。
後はまだ、あまり分かっていない街、ブダペスト、レーゲンスブルク、ドレスデン、プラハの把握と交通事情のチェック、そして、どこで遊ぶのかをプランしたところで時間切れ。美味しいレストラン・カフェのチェックは持越しになりました。旅先での出たとこ勝負です。

今回の旅は音楽三昧の旅なので、それでも、十分に楽しめるでしょう。

そろそろ、搭乗時間が迫ってきました。今回もANAの羽田空港発の深夜便でフランクフルトを経由して、最初の目的地はブダペストです。実に23年ぶりの訪問になります。初めての訪問と変わりませんね。

ということで、次はブダペストからのレポートになります。
では、行ってきます。


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これぞヴェルディ!シモン・ボッカネグラ@ハンガリー国立歌劇場 2013.5.31

今年はヴェルディ・イヤー。今年初めて聴くヴェルディは、初見参のハンガリー国立歌劇場です。今回の旅では、世界的にメジャーではない歌劇場にも足を運ぶことにしました。その第一弾がこのハンガリー国立歌劇場です。
いやあ、やっぱり、音楽は自分の耳で聴いてみないと分からないものです。とても素晴らしいオペラ公演に感動してしまいました。ヴェルディの1,2を争う傑作オペラの黒光りするような音楽美にしびれてしまいました。何と言っても、バス、バリトン陣の好演が光ります。冒頭のパオロとピエトロの登場からの2人の歌でこのオペラが素晴らしくなりそうな予感を抱かせられます。ヴェルディ渾身の男のオペラです。華やかさとは縁遠い男たちの葛藤のドラマです。そして、シモン役のKalmandiの登場。一段と声がよく響きます。シモン役としては、少し明るい声のバリトンですが、心理表現の深さはなかなかです。彼は理想と苦悩、そして、愛を熱演。素晴らしいシモンでした。続いて、フィエスコ役のPrestiaです。長身の体の奥から、ずしんと響いてくるバスは圧巻です。フィエスコは、表の主役シモンに対して、裏の主役のような重要な役どころです。このオペラはフィエスコ役がしっかりと歌わないと成り立たないオペラです。それは《ドン・カルロ》の国王と相通じるものがあります。今回のオペラで最高の歌唱はこのPrestiaでした。終幕で彼が『シモンは死んだ』と最終宣言するところは身震いするような歌唱でした。
さて、この男のオペラでの紅一点、アメリアですが、この役を歌ったBorossは少なくともsaraiの耳を十分に楽しませてくれました。欠点と言えば、細く高い声で響きが濁るところですが、あとは繊細な歌いまわしから、激しく叫ぶところまで、女声を一人で担う責務を期待以上にこなしてくれました。第1幕のシモンとアメリアが実の親子であることが判明するシーン、これはこのオペラ最大の山場でもありますが、2人の美しく、そして、深い感情表現には、最高の感動を味わいました。
ガブリエーレ役のテノールAdorjanは決してスケールの大きな歌手ではありませんが、テノールとしての役どころを十分にこなしていたと思います。目立ち過ぎず、それでいて、男声の高音部を一人で担って、アンサンブルとしてもよかったと思います。

シモンとフィエスコの憎しみから始まり、彼らの和解と愛情に至る男のドラマの骨組みがしっかりと押さえられた素晴らしい公演でした。アメリアの濁りのない声で純真さが彩られたのもよかったしね。

そうそう、演出が少し面白かったんです。海の男シモンのバックボーンなのか、男たちの欲望・野望を表現するのか、海の怪獣と思しき4匹が舞台を蠢くんです。それに対して、アメリアのシーンでは、人魚たちも登場。これは純真さの象徴でしょうか。いずれにせよ、オペラの本筋とは関係ありませんが、リグリア海を舞台に表現するための演出です。その是非はさておき、意欲的な演出には敬意を表します。

今日のキャストは以下です。

  演出:Ivan Stefanutti
  指揮:Vashegyi Gyorgy
  管弦楽:ハンガリー国立歌劇場管弦楽団

シモン・ボッカネグラ:Kalmandi Mihaly
  アメリア:Boross Csilla
フィエスコ:Giacomo Prestia
  パオロ:Alik Abdukayumov
ガブリエーレ:Pataki Adorjan
  ピエトロ:Bakonyi Marcell

今回の旅の皮切りとしては、上々の滑り出し。1日おいて、ウィーンで超弩級のオペラ、ガランチャとアラーニャの《カルメン》です。やはり、オペラはいいです。
《シモン・ボッカネグラ》は今回の旅で1週間後にミュンヘンのバイエルン国立歌劇場でも見ます。よっぽど頑張ってもらわないと、ハンガリー国立歌劇場の公演にひけを取ってしまいますよ!
ヴェルディの主要なオペラでは、この《シモン・ボッカネグラ》と《シチリア島の夕べの祈り》の2つだけが生では未聴でした。これで残りは《シチリア島の夕べの祈り》です。いつ、巡り合えるでしょうね。楽しみは尽きません。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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