引き続き、シュテーデル美術館の収蔵作品の鑑賞です。時代は少し戻って、印象派の作品を見ます。
まずはドイツ印象派です。
フリッツ・フォン・ウーデの『窓辺にて』です。この構図はフリードリヒの《窓辺の婦人》をもとにしているように思えます。それでも作風は印象派風になっているところが面白いと思います。

フリッツ・フォン・ウーデの『婦人の肖像』です。印象派と言っても、フランス印象派とは異なり、ドイツ風に見えてしまいます。

マックス・リーバーマンの『サムソンとデリラ』です。ドイツ画壇の大御所、印象派のリーバーマンの作品です。題材は確かにサムソンとデリラになっていますが、現在の人間に置き換えられています。マネの『オランピア』同様、物議を醸しただろうと想像できる作品です。実際はどうだったんでしょう。

次は本家のフランス印象派です。
オーギュスト・ルノワールの『ランチの後』です。相変わらず、陽気で楽しげな若い女性の姿が見事に描かれています。色彩感の素晴らしさが群を抜いています。

エドガー・ドガの『オーケストラの奏者たち』です。手前に後ろ姿のオーケストラの奏者達、そして、その先の舞台にお馴染みのバレリーナ、なかなか凝った構図です。

次はアルプスの画家の登場です。
ジョヴァンニ・セガンティーニの『シャーフベルク山の眺め』です。あまり、saraiの好みではありませんが、この作品は佳作でしょう。

次は象徴主義の画家たちです。
フェルディナンド・ホドラーの『子供時代(習作)』です。象徴主義の芽生えは感じられます。

フェルディナンド・ホドラーの『エレーヌ・ヴェグレの肖像』です。これはまったく象徴主義以前の作品です。これもホドラーなんですね。

オディロン・ルドンの『キリストとサマリア人女性』です。ルドン独特の色づかい、素晴らしいですね。磁力のように引きつける魔力があります。

フェルナン・クノップフの『番人(The gamekeeper)』です。これ、本当にクノップフなのっていう感じの作品です。

アルノルト・ベックリンの『新婚旅行』です。今回の旅では、昨年のベルリンに続き、もう1枚の『死の島』をバーゼル市立美術館で見る予定です。ベックリンに縁のある旅になりそうです。

フランツ・フォン・シュトゥックの『ピエタ』です。この人の絵は幻想的というか、何か凄味がありますね。ちょっと興味があります。ミュンヘンで暇があったら、ヴィラ・シュトゥックを訪問してみようかな。

次はノルウェーの国民的な画家ムンクです。
エドゥヴァルト・ムンクの『居酒屋で (In der Schenke)』です。あまり、ムンクらしい表現主義の作品ではありませんね。それでも、全体として、ムンクの画風が感じられます。

最後は独自の作風のシャガールです。
マルク・シャガールの『ラビ』です。これもシャガールなんですね。夢と愛に満ちたシャガールのほうが見ていて楽しいかも・・・

これでシュテーデル美術館の巨匠たちの作品は一通り鑑賞しました。saraiの興味から漏れた作品も多数ありました。素晴らしいコレクションだと実感しました。
しかし、まだ、現代の作品が残っています。これらは新しく出来た地下フロアに展示されているそうです。それもざっと見ておきましょう。
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この記事へのコメント
この美術館のコレクションは、各時代の画家をもらさず、しかもオーソドックスになりすぎずちょっと異色な作品を集めていて端倪すべからざるものがありますね。そして、きらりと光る小さな宝石のような名画を発見できるという楽しみもあって。
また、どの絵の写真も美しく撮れてます!
先週アントワープのロコッコスの家に行きました。王立美術館が改修工事で閉鎖されていている間、主だった収蔵品をルーベンスのパトロンであった市長ロコッコスの家で当時さながらの展示方法で見せるというのが興味深くて。
近いうちに、デン・ハーグの市立美術館にも行くつもりです。(目当ては昨年マウリッツハウスが購入したクララ・ペータースのチーズの静物画!)
2, saraiさん 2013/05/08 01:46
レイネさん、こんばんは。
フェルメール狙いで訪れた美術館でしたが、とても充実したコレクションを楽しめました。ここは写真は撮り放題なので、楽しいです。もちろん、ノーフラッシュなので、感度のよいカメラが必須です。
市長ロコッコスの家の展示、見せてもらいました。暖炉の上のルーベンスには笑ってしまいました。レイネさんしか気が付かなかったのでは?
ウィーンのウマー絡みのクララ・ペータースとは驚きました。そんな発想もレイネさんならではですね。