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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ブダペストに到着

フランクフルトを経由して、無事にブダペストに到着。フランクフルトはすっかり雨だったのですが、ブダペストは時折、日も差す天気です。それでも、ざーっと雨粒が落ちてくる不安定さはあります。温度はちょっと低めで、配偶者はホテルに到着後、厚着をしていました。

ホテルでは、音楽のお友達からの嬉しいEメールを受取りました。今秋のティーレマン指揮ウィーン・フィルのベートーヴェン交響曲チクルスのチケットが取れたとのことです。今朝の発売開始時刻にはsaraiはフランクフルトに向かう飛行機の機内で、チケットを取ることが不可能なので、チケットをお願いしてあったんです。いつも良き友に助けてもらっているsaraiです。

Eメールを読んでウキウキ気分で、ブダペストのホテルから、英雄広場に繰り出しました。


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広場近くのハンガリー料理のレストランで美味しいランチ。満足して、英雄広場に面した西洋美術館で絵画鑑賞。特にスペイン絵画のコレクションの素晴らしさに感嘆。ここのエル・グレコは凄い! 特集しますので、ご期待ください。

いったん、ホテルに戻り、休息(お昼寝)をして、夜はハンガリー国立歌劇場でオペラ鑑賞です。重厚な造りの立派な歌劇場です。


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内部も天井画、シャンデリアなど凝った装飾になっています。


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ここでヴェルディの《シモン・ボッカネグラ》を堪能しました。期待以上の素晴らしい出来に大満足。これも別途、記事をアップします。

ホテルに戻って、長い1日に力尽き、バッタリと就寝です。オヤスミナサイ・・・


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ブダペストのゲッレルト温泉でまったり

ブダペストでの2日目、今日は昨日と一転して、青空。
さあ、観光モードです。王宮の丘から、くさり橋まで、ブダペストの有名どころを一周しました。さすがにどこも、人また人っていう感じでした。
これが美しい王宮の丘のマーチャーシュ教会です。


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そして、これが王宮の丘の中腹からのくさり橋とドナウ川です。


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そして、いよいよ、ブダペスト滞在のメインイベントのゲッレルト温泉へ。この世界的にも有名な温泉を楽しむために、その温泉が付属しているホテルにお引越しです。
ホテルの部屋で水着に着替え、バスローブを羽織り、いざ、温泉へ。
ホテルから温泉へは連絡通路で繋がっており、ホテル宿泊客は無料で温泉を楽しめます。室内のスイミングプール・温泉、屋外のプール・温泉、サウナなどが楽しめます。一番素晴らしいのは室内の美しい装飾です。はいって楽しく、見て楽しいっていう感じです。それに水着着用なので、混浴(曜日で異なりますが)なので、若く美しい美人がいっぱいいるのも楽しいですね。室外のプールは造波装置で猛烈な波が押し寄せる時間帯があり、その波を浴びて、大いに楽しみました。2時間近く、楽しみ、温泉を満喫しました。

温泉の後はハンガリー料理に舌鼓を打ち、これで2日間のブダペスト訪問の日程は終了。

明日は我がウィーンに向かいます。


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ガランチャの美し過ぎる?カルメン@ウィーン国立歌劇場 2013.6.2

ガランチャがまたまたキャンセルするんじゃないかとハラハラ、ドキドキしたカルメンですが、当日のプログラムにちゃんと名前が載っていたので、一安心。ガランチャがメトロポリタン歌劇場でカルメンを歌うと聞いたときには、何か、イメージが違うなあと思いましたが、やはり、当代一のメゾソプラノのガランチャですから、大変な評判を呼びました。そして、遂にウィーン歌劇場に登場です。期待するなというほうが無理でしょう。でも、心の奥底では、一抹の不安もあります。それはどうしても拭えないガランチャとカルメンのイメージの乖離です。メトロポリタン歌劇場のカルメンはヴィデオで見ましたが、素晴らしいと思う反面、何か違うという感覚も残りました。

そして、ガランチャのカルメンを聴き終えた今、素直な感想は、あらゆる意味でガランチャは美し過ぎるということに尽きます。素晴らしい美声、美しい容姿、何の不満とて、ありません。しかし、美し過ぎるカルメンには、毒がありません。もちろん、ガランチャは蓮っ葉さやエロチックさを表現していましたが、せいぜい、やんちゃな美女という感じです。その点、容姿も若さも劣り、美声でも張り合うことが難しいカサロヴァのカルメンのほうが1枚も2枚も上に思えます。saraiにとって、最高のカルメンは、チューリッヒ歌劇場で聴いたカサロヴァのカルメンです。その時の記事はここです。

カルメンの出来の評価は別にして、やはり、ガランチャ自体は素晴らしく、かなり、出産前の状態に戻ってきていると感じました。4月に聴いたシャルロッテは最高でしたし、昨年のオクタヴィアンも素晴らしかった。
こうなると、来週、ドレスデンで聴くオクタヴィアンにさらなる期待を持ってしまいます。指揮はティーレマンだしね。

ところで、オーケストラですが、手慣れたドゥ・ビリーの指揮にもかかわらず、出だしから、アンサンブルが揃っていなくて、少し、雑な演奏。次第にアンサンブルが揃ってくるのはいつものことですが、出だしからばしっと決めてほしいものです。まあ、ソロ・パートのうまさは抜群ですけどね。間奏曲のハープとフルートはさすがの演奏でした。

アラーニャは4月のウェルテルのときほどは声が出ていませんでしたが、感情移入した歌には慄然とさせられます。まさにドン・ホセ、女に捨てられて必死にすがろうとする純情な男を演じきっていました。今後のアラーニャには期待できそうです。

ミカエラを歌ったハルティッヒはそのリリカルな歌に心が揺さぶられました。ガランチャのカルメンも食ってしまいそうな勢いです。第1幕のドン・ホセとの愛の2重唱では、思わず、ほろりときてしまいました。実はsaraiはカルメンでは、あの場面が一番好きなんです。そのまま、ドン・ホセとミカエラの純愛で幕を閉じてしまってほしいくらいです。

マッシモ・カヴァレッティはチューリッヒ歌劇場でもエスカミーリョを歌いましたが、今回はより満足できる歌唱でした。この役もなかなか難しいですが、好演でした。

最後になりましたが、今日のキャストは以下です。

  演出:フランコ・ゼッフィレッリ
  指揮:ベルトラン・ドゥ・ビリー
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  カルメン:エリーナ・ガランチャ
  ドン・ホセ:ロベルト・アラーニャ
  エスカミーリョ:マッシモ・カヴァレッティ
  ミカエラ:アニータ・ハルティッヒ

明日は一転して、ベルリン・フィルでブルックナーを聴きます。ウィーンでは連日、凄いものを聴けます。


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この記事へのコメント

1, Steppkeさん 2013/06/04 08:24
sarai さん、こんにちは。Steppke です。

Garanca、歌いましたね。
良かったですねぇ。うらやましい。(やっぱり行けば良かった..)
Kammersängerin(宮廷歌手)に奉られた時点で、今回は余程のことがない限り歌うだろうと、予想がついてました。

こうなると、1週間後のドレスデンが不安になって来ます。
それに洪水の被害がひろがっているようで、Feri さんの情報では、鉄道での移動に支障が出ているそうです。
ドレスデンは10年くらい前に Semperoper も水に浸かったし、心配です。
早く引いてくれると良いのですが..

2, saraiさん 2013/06/04 21:33
Steppkeさん、こんにちは。saraiです。

そうです。ガランチャ出ました。惜しいこと、しましたね。ウィーンでカルメン見るのは、アグネス・バルツァ以来ですが、若くて綺麗なカルメンでした。バルツァはあの、その・・・

次はドレスデンの心配ですね。とりあえず、ウィーンにおいでになるのをお待ちしています。

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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ブダペストからウィーンへ・・・そして、早速、ガランチャのオペラ《カルメン》

ブダペストのゲッレルトのホテルでゆっくり起きて、美味しい朝食。お願いすると、無料でオムレツを焼いてくれました。
その後、ブダペストを発って、ウィーンに鉄道で移動。3時間ほどの旅です。
ウィーンで泊まるのは初めてのオーストリア・トレンド・ホテル・ドッピオです。モーツァルトのお墓のあるザンクト・マルクス墓地のすぐ近くにあります。
ホテルで休息後、ウィーン国立歌劇場でオペラ《カルメン》を見ました。ガランチャとアラーニャという超人気歌手の共演する公演です。歌劇場に行くまで、ガランチャのキャンセルはないか、心配でなりませんでしたが、無事に登場。美し過ぎる(色んな意味で)カルメンでした。オペラの詳細は別記事でアップします。
終幕後、お友達Hさんとカフェで遅くまで話し込んでしまいました。

明日は何故か、ウィーンで聴くベルリン・フィルです。


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快演!ブルックナー7番byラトル+ベルリン・フィル@ウィーン・コンツェルトハウス 2013.6.3

そもそも、ウィーンで聴きたかったのは、ガランチャのカルメンであり、ちょうど、スケジュール的に、フォン・オッターのマーラーの《復活》が聴けるということから、合わせて、ベルリン・フィルも聴くことになり、そのついでに、このブルックナーも聴いておこうという軽いノリで、このコンサートに足を運ぶことになりました。

そして、超ド級とも言っていいブルックナーを聴くことになりました。音楽との出会いはそういうものでしょう。
実はsaraiは結構、ベルリン・フィルを低く評価し過ぎているきらいがあって、実際に自分の耳で生演奏に接してみて、驚いてみたりします。マーラーの交響曲第9番もそうでした。やはり、ベルリン・フィルは恐るべきオーケストラです。ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管と肩を並べるアンサンブル力を持っています。
また、ラトルについても同じことが言えます。ラトルは日本では評価のあまり高くない指揮者ですが、ハイティンクと同様に大変な実力を持った指揮者です。日本では、正統的な指揮、すなわち、楽譜に忠実な指揮をする指揮者は好まれないように感じます。カリスマ的な指揮もsaraiは好きですが、あまり恣意的な演奏はせずに、その音楽の果実は聴衆の心・魂に委ねるタイプの指揮もsaraiは好きです。歳を重ねるとともに後者のタイプの指揮者に傾倒するようになってきました。ラトルの誠実な指揮もこれから注目していきましょう。

コンサート前半のブーレーズ、もちろん、ノン・トナールの音楽ですが、映画音楽でもノン・トナールの氾濫する今、素直に耳にはいってくる美しく、繊細な音楽です。また、こういう曲はベルリン・フィルが実力を発揮して、見事に演奏します。ノタシオンは12曲からなるピアノ曲集だそうですが、そのなかから、5曲が組曲のようにオーケストラ曲になっています。全部で15分くらいの短い曲ですが、それぞれ、個性を持った曲から構成されます。最初のノタシオンⅠは音響の空間を形成するような色彩を帯びた曲で、武満にも通じる雰囲気を感じます。武満の空間の広がりに対して、凝縮感のある味わいです。ベルリン・フィルの冴え渡る響きにうっとりとしてしまいます。次のノタシオンⅦは捉えどころがなく、もうひとつ。saraiの感性には響いてきません。ノタシオンⅣはリズムのノリのよい曲です。ノン・トナールとなると抽象絵画を思わせるところもありますが、リズムは具象絵画の世界で、聴きやすい感じです。指揮のラトルの棒さばきも普通にリズムを刻んでいるように見えます。ノタシオンⅢは、ウーン・・・頭に残っていません。どんな曲だったんでしょうね? 最後のノタシオンⅡは激しいリズムと大音響でド派手な曲で、とても面白い。今や、トナーリティがなくたって、それもひとつのトナールのように聴けなくもない感じです。無調音楽の古典化ですね。ブーレーズの音楽を初めて、ちゃんと聴きましたが、なかなか面白く、心に響いてきます。これから、コンサートで聴ける機会も増えていくでしょう。

後半はトナール音楽の代表のような、後期ロマン派のブルックナーです。交響曲第7番はある意味、ブルックナーの音楽の頂点を極めたような音楽です。第8番、第9番はもう彼岸の音楽でしょう。
この第7番をこれ以上、美しく演奏できないほどに見事に演奏してくれました。何と言っても、響きの厚みが凄い。ずっしりと重低音がハーモニーの底で響いてきます。また、ラトルのテンポ感の自然なことも素晴らしい。まさに早過ぎず、遅過ぎず、このテンポしか、ありえないという感じです。だからと言って、退屈な演奏ではありません。細部まで磨き上げられた光沢に満ちた演奏、そして、全体の骨組みのきっちりした演奏。
このところ、この交響曲第7番は素晴らしい演奏を聴き続けています。まずは一昨年のプレートル指揮ウィーン・フィル。そして、昨年のティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン。いずれも圧倒的な演奏でしたが、今夜の演奏もそれらに匹敵する素晴らしい演奏でした。
音響的に言えば、今夜の演奏が最高でしょう。完璧な響きです。コンツェルトハウスの大ホールがベルリン・フィルの凄まじい大音響をしっかりと受け止めたことも大きいと感じます。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。

  指揮:サイモン・ラトル
  管弦楽:ベルリン・フィル

ブーレーズ:ノタシオン(オーケストラのための)
         ノタシオンⅠ
         ノタシオンⅦ
         ノタシオンⅣ
         ノタシオンⅢ
         ノタシオンⅡ

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲第7番ホ長調

今秋のベルリン・フィルの来日公演では、このプログラムが予定されています。必聴です! サントリー・ホールでどう響くのでしょうか?



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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~雨のウィーン・・・夜はベルリン・フィルの会心の演奏

今日は早、ウィーンの2日目です。雨模様です。オーストリアもドイツも大雨だそうで、洪水が各地で起きているそうです。ウィーンはそれほどの雨ではありませんが、雨具は欠かせません。

今日は余裕の1日。朝食を兼ねた昼食をカフェ・フラウエンフーバーでいただきました。店に入った途端、デジャヴの感覚に襲われました。初めてのカフェの筈です。しかし、記憶がよみがえり、20年以上も前に来たということで配偶者と意見が一致。二人で初めて、アプフェル・ストゥルーデルを食べたカフェでした。そのときの美味しかった味は今でも忘れられません。今度はそのアプフェル・ストゥルーデルを食べに来ましょう。

ちょっとした買い物をして、雨の寒空の中、早々にホテルに引き上げました。

夜はコンツェルトハウス大ホールでベルリン・フィルのコンサート。今、ベルリン・フィルがウィーンに来ているので、全3回のコンサートを聴きます。今日は第1弾のブーレーズとブルックナーです。さすがに素晴らしい演奏でした。ここまでの演奏とは期待していませんでした。コンサートについては別記事で詳細をアップします。

明日も雨がひどいようなので、ゆっくり休養。夜はフォルクスオーパーで《メリー・ウィドウ》を聴きます。


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最高のラブコメ!《メリー・ウィドウ》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.6.4

作曲したレハールは屈指のメロディー・メーカーです。美しい歌が次々に流れ、聴き惚れます。それにとてもロマンチックな台本で、今でいうラブコメの元祖のようなものです。
今や、《こうもり》と並ぶオペレッタの定番中の定番をオペレッタの殿堂フォルクスオーパーが公演するのですから、聴いていて、見ていて、楽しいこと、この上ありません。この公演は2011年5月に新演出されたもので、もう2年経って、すっかり、熟成した感があります。saraiもこの新演出を1年半前に聴いています。そのときの記事はここです。

まず、今日のキャストは以下です。

  演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
  指揮:ローレンツ・C・アイヒナー
  管弦楽:ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団

ツェータ男爵:クルト・シュライプマイアー
  ヴァラシエンヌ:マーラ・マスタリ
ハンナ:エリザベート・フレッヒル
  ダニロ:ケイ・シュティーフェルマン
  カミーユ:ヴィンセント・シルマッヒャー
  ニエグシュ:ロベルト・マイアー

演出内容は前回とほぼ同じなので、前回の記事をご参照くださいね。

前回聴いたときと半数は同じキャストです。ヴァラシエンヌとカミーユとニエグシュが同じ。感想も似たようなものです。
ヴァラシエンヌ役のマスタリはますます、容姿が美しくなりました。声もまあまあでダンスはうまく、はまり役でしょう。
カミーユ役のシルマッヒャーは相変わらず、よく声が出ていました。
ニエグシュ役のロベルト・マイアーはこのフォルクスオーパーの総裁でもありますが、この人なしでは、この《メリー・ウィドウ》は寂しくなるでしょうね。それほどの存在感です。それに「マキシム」の歌がなかなか、お上手なことにびっくりです。

前回と違うキャストはツェータ男爵、ハンナ、ダニロです。
ツェータ男爵はベテランのお馴染みシュライプマイアーです。いぶし銀の歌や演技には満足です。
ハンナ役のフレッヒルは容姿もよく、高音も綺麗に出ていました。意外に難しい「ヴィリヤの歌」もしっかりと歌っていました。以前、《こうもり》のロザリンデ役で聴いたときに比べて、歌は抜群の出来に感じました。
ダニロ役のシュティーフェルマンは歌のしっかりしたバリトンで、これは及第点でしょう。ハンナ役のフレッヒルにも言えますが、2人がしっとりとダンスを踊るシーン。もう少し、色気があると、ラブコメ好きのsaraiの評価はグーンとあがるんですけどね。これが今後の課題です。

今日のオーケストラは美しいアンサンブルでした。特にヴァイオリン・ソロを弾いたコンサート・ミストレスの美しく、甘い音色には、しびれました。

今日、一番、盛り上がったのは第3幕のダンス・シーン・・・これは最高に乗りました。オペレッタの醍醐味を味わえた最高のシーン。美しさを増したマスタリに魅せられました。

今回も満足したフォルクスオーパーのオペレッタ。今年の公演は快調です。もっともっと、オペレッタに注力してくれることを望みます。

明日はまた一転して、ベルリン・フィルのマーラーです。クラシック音楽も幅広い!


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ウィーンの天気はいまだ改善せず!・・・フォルクスオーパーで楽しいオペレッタ

ウィーンの3日目。相変わらず、天候は思わしくありません。オーストリアとドイツの大雨は最悪の状態で、ザルツブルグ付近では鉄道もストップしているそうです。今後、来週に行く予定のドレスデンの洪水が心配です。2002年の大洪水を上回る状況だそうです。エルベ川が氾濫しないことを願うばかりです。それにチェコも大雨でプラハの状況もよくないようで、旅に影響しなければ、いいのですが・・・。

ということで、今日もおとなしく、街にランチを食べにでかけるだけの生活です。ナッシュマルクトにある海鮮料理のレストラン・ウマーで遂にランチにありつけました。以前行ったときは予約していなかったので、断られましたが、今日は悪天候のために予約なしでもテーブルに案内してもらえました。魚介のグリル盛り合わせを食べましたが、とても美味しく、何とか、完食。

夜はフォルクスオーパーでオペレッタ《メリー・ウィドウ》を鑑賞。とても楽しい公演でした。詳細は別記事でアップします。フォルクスオーパーでばったり出会った音楽のお友達と公演後、遅くまでカフェで話し込みました。

明日は旅の前半のハイライトのひとつ、フォン・オッターがベルリン・フィルと共演するマーラーの交響曲第2番《復活》です。気合を入れて、聴きます。


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薄明~熱い情熱!マーラー2番《復活》byフォン・オッター、ラトル+ベルリン・フィル@コンツェルトハウス 2013.6.5

音楽にこれ以上、何が望めるでしょう。音楽に真摯に魂を捧げる演奏者、それを享受する聴衆、そして、何よりもその全存在をかけて、芸術を作り上げた作曲家マーラー。それらが一体になって、ウィーン・コンツェルトハウスのグローサーザールに輝かしい感動を巻き起こしました。

それにしても、フォン・オッターの絶唱とも言える歌唱はマーラーを愛する心が呼び起こした奇跡のような音楽です。第4楽章の《原光》は期待通りの深い味わいの歌でした。感動の涙をおさえることは不可能です。フォン・オッターの歌声を最後に聴いたのは、かれこれ20年前のクライバー指揮の伝説のオペラ《薔薇の騎士》のオクタヴィアンです。こんなマーラー歌いになるなんて、想像もしていませんでした。彼女も歳を重ね、今や、マーラーを歌わせたら、右に出るものがいない存在になりました。そんなに声量があるわけではなく、メゾ・ソプラノとしては線の細い声の響きですが、マーラーの音楽へのシンパシーが聴く者の魂を揺り動かします。やっと、彼女がマーラーを歌う生の声を耳にして、それだけでsaraiは感激です。今年の4月には、この《復活》が作曲されたアッター湖畔のマーラーの作曲小屋を訪問しましたが、そのときにIPODで聴いたのがフォン・オッターの《原光》(ただし、角笛の中の1曲)でした。そのときの思い出も脳裏をよぎり、感動は倍化しました。今日の彼女の真っ赤なドレスから、淡い光が差しているような感じもありました。まさに薄明の音楽です。

ラトルのマーラーは実に誠実なものです。第一に彼のテンポ感の素晴らしさ、そして、絶妙のバランス感覚に基づいて、マーラーの音楽が妙な粘っこさなしに美しく表現されます。時として、ダイナミックな爆発もありますが、決して、恣意的なものではなく、マーラーの意図に沿っての演奏に感じられます。もちろん、だからと言って、無味乾燥な音楽に陥っているのではなく、確かな熱情、あるいは曲に対する愛情と言ってもいいと思える人間的な気持ちのこもった表現になっています。
その発露が第2楽章でした。これも薄明の音楽です。第1楽章がアッター湖の日の出の音楽だとすれば、第2楽章は朝のアッター湖の静かなさざ波を思わせる音楽です。それを実に精妙に再現するのがラトルの誠実な音楽です。それでも、マーラーの自然の穏やかな情景に包まれた平静な音楽は内面に持つ自身の生の情熱に揺り動かされ、熱いほとばしりを禁じ得ません。ラトルはそのあたりの葛藤を的確に描き分けていきます。あくまでもマーラーの音楽の再現の範囲内での誠実な表現です。
第4楽章の《原光》を経て、第5楽章はマーラーの内面の熱い情熱の開放です。ラトルもともに自己を開放し、熱い演奏を展開します。復活のテーマが輝かしく、何度も繰り返され、それは大合唱に引き継がれます。「よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう」・・・合唱が厳かに始まります。生あるものは必ず滅びるが、滅びたものは必ず復活する。それはマーラーの終生のテーマ、死への恐れと生への憧憬、そのものです。自己の内面をあらわに表現することでマーラーは現代の聴衆の共感を得ることになりました。ラトルはマーラーと気持ちを一つにするかのように、熱い生への賛歌を歌い上げました。フィナーレへの狂奔する高ぶりに心穏やかでいられる聴衆はいないでしょう。saraiも熱い涙が流れるままです。合唱は高らかに「私は生きるために死のう!よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう」としめくくります。音楽を聴くことは、人間の愛と死を魂で感じ取ることだと思います。そして、ここには、それがありました。偉大な音楽にまた接することができて、感動で胸がいっぱいになりました。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。

  指揮:サイモン・ラトル
  ソプラノ:サラ・フォックス
  メゾ・ソプラノ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
  管弦楽:ベルリン・フィル
  合唱:ウィーン・シングアカデミー

マーラー:交響曲第2番ハ短調《復活》

ベルリン・フィルはこの《復活》をマーラー自身の指揮で初演したオーケストラです。そのオーケストラがマーラーの聖地とも言えるウィーンで凄まじい演奏を聴かせてくれました。明日もまた、フォン・オッターの魂の歌、そして、ラトルの誠実な指揮で再度、この人間味あふれる大曲を聴きます。音楽は人間の根源的な何かを感じさせてくれる、素晴らしいものですね。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~自然史博物館でランチ・・・フォン・オッター、ラトル圧巻のマーラー

ウィーンの4日目。相変わらずの天候ですが、少し、青空も見えてきました。風も弱まり、明日以降の天候回復に期待しましょう。

今日も天気に関係しない生活パターン。珍しく、博物館に行きます。ウィーン自然史博物館です。美術史美術館と対をなす建物です。実は博物館内のカフェでランチするのが一番の目的。ランチを食べた後、博物館内を一周。動物、昆虫、恐竜など、多彩でかつ徹底した収集にかなり呆れてしまいました。これは鳥の標本のほんの一部です。凄いでしょう。


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それにこんなに豪華な建物に展示することが必要なんでしょうか。マリア・テレジアの夫フランツ1世の鉱物・化石コレクションがもとになっているので、そのせいでしょうね。

夜は旅の前半のハイライト、フォン・オッターがラトル指揮ベルリン・フィルと共演したマーラーの交響曲第2番《復活》をコンツェルトハウスで聴きました。これはコンツェルトハウスの建物の美しい外観です。


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圧巻で拍手も忘れ、呆然としていました。詳細は別記事でアップ済です。


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2回目の感動!マーラー2番byオッター、ラトル+ベルリン・フィル@コンツェルトハウス 2013.6.6

昨夜と同じく、感動の涙! 素晴らしいマーラーでした。

フォン・オッターの素晴らしい歌唱、ラトルの素晴らしい指揮、それらは昨夜、語り尽くしました。今夜は演奏の流れに沿って、ふりかえってみます。

第1楽章、高弦のさざ波のようなトレモロに乗って、低弦が力強い主題を奏でます。ベルリン・フィルの強力な地響きのようなアンサンブルです。ラトルの指揮はとても柔らかく、自然です。次第に熱を帯びて、音楽は進行していきます。強烈なフォルテでは、ベルリン・フィルのアンサンブルの極限までラトルの棒は要求し、とても緊張感の高い演奏が繰り広げられます。これがラトル、そして、ベルリン・フィルのマーラーです。来日公演で聴いたマーラーの交響曲第9番の演奏がデジャヴのように思い出されます。曲が変わっても、彼らのマーラー演奏は基本軸が固まっており、演奏の極限を極めることのように思えます。並みのオーケストラならば、とっくにアンサンブルが崩壊してしまうようなぎりぎりの演奏で、決して、何も恐れずにマーラーの音楽の本質に果敢に挑戦していきます。
マーラーの音楽は多面性を帯びていますが、それ故の曲想の目まぐるしい変化をどう表現していくかが演奏の難しさになります。ラトルは思いっ切り、ベルリン・フィルをドライブし、緩急、強弱を変化させ、オーケストラの合奏力にすべてを委ねます。こんなに切り込んだ高いレベルの演奏は聴いたことがありません。ここまでやっていいのかとも思えますが、明瞭でメリハリの利いた演奏は説得力があることは確かです。ラトルはよほど譜面を読み込んだようです。ラトルの美点はその努力が音楽演奏の精密さだけに留まらないことです。部分、部分の精密さというよりも、音楽の大きな流れ・構造のなかにきっちりと崩壊寸前まで切り込んだ表現を展開していることです。その結果、マーラー音楽の本質である多面性が見事に表現されました。第1楽章はまさにその典型で、この楽章だけで、独立した音楽叙事詩を聴いた思いになりました。もともと、第1楽章はマーラーが交響詩《葬礼》として作曲したものですが、ラトルはその意図に沿って、この交響曲第2番の序章として、この第1楽章を演奏したようです。実際、この第1楽章の後だけに長い休憩を入れていました。

第2楽章、ここから第4楽章まではアッター湖畔の作曲小屋で作曲されましたが、美しい自然、変わりやすい自然、そういったものを肌に感じられる音楽です。ラトルは序章に続き、この第2楽章からを交響曲の始まりのように演奏します。ちょうど、交響曲第4番のような感じです。そのように演奏されると、これまで聴いてきた第2番とかなり、趣きが変わって聴こえてきます。弦楽合奏の舞曲風の旋律もアッター湖畔の自然のなかの響きに感じられます。時折、天候が崩れたりもしますが、自然のなかのおおらかな響きに満ちて、この楽章は終始します。ベルリン・フィルの美しい合奏力ならではの音楽です。珠玉のような演奏と言って、差し支えないでしょう。

第3楽章、グロテスクな自然、それでも美しい自然を感じさせる音楽です。この楽章は次の第4楽章と同様に、『子供の不思議な角笛』と強い関わりを持ち、自然の魔力に満ちています。ラトルは多彩な表情をつけながら、次第に熱を帯びた終盤に向かいます。ここでソロ歌手の入場です。舞台の上方にあるオルガンの張り出しの上に歌手が立ちます。フォン・オッターは昨日と同じ赤いドレス姿で座って、第4楽章を待ちます。

第4楽章、第3楽章が終わると同時に、フォン・オッターが「赤い小さな薔薇よ」と歌い始めます。繊細な響きで、感動的な歌声です。もう、うるうるするしかありません。オーケストラの演奏が少し続き、デル・メンシュ(人間は)・・・という決然としていながら、哀感に満ちた歌が始まります。もう、たまりません・・・。哀感あふれる木管の響きもたまりません・・・。もう、ここで最初の涙・・・・。この《原光》が聴きたくて、2度もこのコンツェルトハウスに足を運びましたが、それは十分に報われました。静かな、本当に静かな感動で胸がいっぱいになりました。フォン・オッター、最高です。

第5楽章、静かな第4楽章が終わるや、即、オーケストラの強烈な響きです。長大な楽章の幕開きです。前半はオーケストラの演奏ですが、最初の山場は復活のテーマの提示です。管楽器のスローな演奏で、インパクトの強い楽想が提示されます。展開部にはいり、行進曲風な音楽がベルリン・フィルの見事な合奏で演奏されると、ぐっと気持ちが高ぶっていきます。そして、合唱が低い歌声で復活賛歌を歌い始めます。「よみがえる、・・・」です。合唱やソロなどで次第に音楽は頂点をめざします。彼岸を思わせるバンタのアンサンブルも実に見事です。バンタの響きは素晴らしく効果的で、演奏場所を変えながらの演奏です。このあたりにもベルリン・フィルの底知れぬ実力が垣間見えます。
そして、最後の大合唱、「・・・神のもとへとおまえを運んでいくだろう!」。もう、涙が流れて、感動して、どうしようもありません。ベルリン・フィルのアンサンブルの響きも最高ですが、やはり、人間の声に勝るものはありません。大合唱がsaraiの体を貫いていきます。最後の管弦楽の後奏はカタルシスのように、優しく感じられるくらいでした。演奏が終わってもラトルの棒が下されるまでは静寂が続きます。感動の静寂です。本当にこの静寂が神のもとに自分を運んでくれるように感じます。これは聴衆も参加した音楽でした。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。昨日とまったく同じです。

  指揮:サイモン・ラトル
  ソプラノ:サラ・フォックス
  メゾ・ソプラノ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
  管弦楽:ベルリン・フィル
  合唱:ウィーン・シングアカデミー

マーラー:交響曲第2番ハ短調《復活》

この2日間の《復活》を聴いただけでも、今回の旅は価値あるものでした。ウィーンという街、コンツェルトハウスという途轍もない音楽ホール、ウィーンに培われた合唱団、そして、ラトルとベルリン・フィル、マーラー歌手フォン・オッター、それらがひとつになってこその素晴らしいコンサートでした。それにしても、ラトルという指揮者、これまでsaraiが読み違えしていたようです。今後、注目して、聴きこんでいかねばと痛感させられました。ラトルありきのベルリン・フィルも恐ろしいレベルの演奏が期待できそうです。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~アルベルティーナ美術館でランチ・・・フォン・オッターのマーラー《復活》

ウィーンの5日目。曇り空ですが、もう雨は上がりました。温度も上昇し、気持ちのよい日になってきました

それでも、ウィーン滞在中の1週間は音楽三昧ということで、日中の観光モードは控えています。今日は美術館のレストランにランチに出かけます。アルベルティーナ美術館にあるドー・ウント・コー・アルベルティーナです。美術館の外にあるので、美術館には入りません。常設展は既に見ていますからね。レストランは今の時期、シュパーゲル尽くしのメニューを楽しみました。オーストリア産のシュパーゲルのぶっといのが美味しいの何のって!! また、レストランはお洒落な内装です。何と言っても、壁に大きなシーレの絵画のパネルです。シーレの大ファンのsaraiにはたまりません。


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食事を楽しんだ後は気持ちのよい陽気のもと、フォルクスガルテンを散策。薔薇園に咲き誇る薔薇を配偶者は堪能していました。


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ホテルに戻って、休憩後、今日もまた、コンツェルトハウスに出かけます。昨夜、大変な感動を受けたフォン・オッターがラトル指揮ベルリン・フィルと共演するマーラーの交響曲第2番《復活》です。きっと、素晴らしい音楽体験になるでしょう。詳細は別記事でアップします。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~フンデルトヴァッサーの世界

ウィーンの6日目。ようやく、ウィーンは青空です。

ようやく、どこかに行ってみようかという気になり、ウィーン幻想主義の画家にして、建築家のフンデルトヴァッサーの作品を見に行くことにしました。ドナウ運河沿いにあるクンストハウス・ウィーンは彼の建築(実際はリノベーション)であり、彼の絵画作品を展示する美術館でもあります。1階のカフェレストランはフンデルトヴァッサーの世界に浸って、食事のできる素晴らしいスペースです。ここでランチをいただきましたが、アートにふさわしい料理でした。何より、トイレが素晴らしい!


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近くには、フンデルトヴァッサーハウスという市営住宅も見物できます。
ウィーンに行かれるかたは一度は足を運んでも後悔しないでしょう。

夜は楽友協会でウィーン・フィルのソワレを聴きます。連日、ベルリン・フィル、ウィーン・フィルが聴けるのは、ウィーンでの贅沢です。コンサートの詳細は別記事でアップします。


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笑ってしまうほど凄い!《幻想交響曲》byソキエフ+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2013.6.7

昨日のベルリン・フィルのマーラー:交響曲第2番《復活》では、感動して、涙でしたが、今日のウィーン・フィルのベルリオーズ:幻想交響曲では、あまりの素晴らしさに唖然として、思わず、高笑いしながらのフィナーレでした。いずれも凄いオーケストラで甲乙つけるようなものではありません。ベルリン・フィルの切れ味鋭い先鋭的とも言える響きに対して、ウィーン・フィルのどこまでもまろやかで柔らかい響き、どちらも究極の美しさに達している最高峰のオーケストラ。まあ、それで言えば、4月に聴いたロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の高弦・低弦のバランスのとれた響きも忘れられません。このあたりのレベルになると、良し悪しよりも聴く者の好みによって変わってくるかもしれませんね。それに指揮者が加わってくると、簡単に評価できるものではありません。今年の現在までの評価で言えば、ハイティンクの指揮という要素の加わったロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のブルックナー:交響曲第8番が最高ランクですが、ウィーン・フィルは今秋のティーレマン指揮のベートーヴェン交響曲チクルスと言う大物が控えているだけに、まだ、今年のランキングがどうなるかは予断を許しません。それにしても、今年の日本の秋はそれらの3大オーケストラが集結するのが凄いことです。指揮者も粒ぞろいだしね。

話を今日のコンサートに戻します。
まず、最初はブラームスの《ヴァイオリンとチェロのための2重協奏曲》です。ヴァイオリンはウィーン・フィルのコンサートマスターのシュトイデ、チェロはウィーン・フィルの首席チェリストだと思っていましたが、ウィーン・フィルのメンバー表にないソモダリです。あれっと思い、調べてみたら、ウィーン国立歌劇場管弦楽団のソロ・チェリストとして、昨年、入団したばかりで、まだ、ウィーン・フィルには登用されていないようです。道理で顔はウィーン国立歌劇場でお目にかかっていました。実質的には、ウィーン・フィルの首席チェリストの一人だと言ってもいいのではないかと思います。昨年、首席チェリストだったフランツ・バルトロメイが定年退職したので、その代わりになるのでしょう。
ソモダリについて、長々と書いたのは、彼のチェロがあまりに素晴らしかったからなんです。先輩格のシュトイデを完全に食っていて、大変、美しいチェロの響きにうっとりとしてしまったのが、ブラームスの2重協奏曲の印象です。
もちろん、楽友協会のグローサーザールに渋く響くブラームスには、大変な感銘を受けました。ウィーン・フィルのいつものブラームスのような美しい響きというよりも、まるでドイツのオーケストラのような落ち着いた渋い響きだったのには驚きました。交響曲ではなく、協奏曲だったので、抑えた響きになったのでしょうか。心にじわじわと沁みこんでくるようなブラームスの響きが、この楽友協会の美しいホールで聴けて、大変な幸福感を味わいました。ただ、不満だったのは、木管の出来がよくないことです。当然、名人技を期待していただけに、響きがよくないことにがっかりです。後半のベルリオーズは木管が重要なので、とても心配です。

長い休憩後、ベルリオーズの幻想交響曲です。先ほど、ヴァイオリンのソロを弾いたシュトイデがコンサートマスター席に付き、その横にダナイローヴァがシフト。万全の体制ですね。ウィーン・フィルの団員でないソモダリは下がったようです。
ベルリオーズの幻想交響曲と言えば、どうしても、パリ管弦楽団の十八番のように思ってしまいますが、実はウィーン・フィルも昔から素晴らしい演奏をしていることを、今回、予習して、初めて知りました。ハイティンクがウィーン・フィルの客演に招かれるようになった頃、両者で録音したCDをヨーロッパに向かう機内で聴きました。ウィーン・フィルの美しい響き、そして、意外なほど、思い切った表現を付けたハイティンクの指揮によって、ミュンシュ+パリ管弦楽団と同レベルの素晴らしい演奏でした。残念ながら、この素晴らしいCDはカタログから消えていて、入手困難な状況にあります。もったいないことです。
そして、今夜のウィーン・フィルの演奏もありえないような美しさに満ちた演奏でした。第1楽章出だしの艶やかな高弦の響きはまるで夢のような世界。そして、圧巻だったのは第3楽章のアダージョです。弦のユニゾンの美しいこと! そして、木管の各パートの名人技、ブラームスとはうって違った出来です。コールアングレの深い響き、クラリネットの多彩な響き、素晴らしいってもんではありません。
第2楽章のワルツも流麗で気品に満ちていましたし、第4楽章の《断頭台への行進》はそれは迫力満点。第3楽章終盤から第4楽章にかけてのティンパニ奏者たちの神経質なほどの気合の入れようにも感銘を受けました。
そして、第5楽章の悪夢に狂奔する音楽の素晴らしさときたら、もう笑ってしまうほどです。実際、フィナーレの強烈なアンサンブルには、大口を開いて、声だけは出さずに笑っていました。凄い! 凄過ぎる!

そうそう、指揮のソヒエフ(ソキエフとも表記するいうです)はロシア出身の若手ですが、幻想交響曲、見事な指揮でした。ウィーン・フィルの自発性と自分の個性をうまく織り交ぜた巧みな指揮ぶりでした。今後、楽しみな指揮者です。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。

  指揮:トゥガン・ソヒエフ
  ヴァイオリン:フォルクハルト・シュトイデ
  チェロ:ペーター・ソモダリ
  管弦楽:ウィーン・フィル

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための2重協奏曲イ短調 Op.102

   《休憩》

ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14

今回の旅で楽友協会もウィーン・フィルもこの1回だけでしたが、十分に満足したコンサートでした。



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ツェムリンスキー《人魚姫》byウィーン交響楽団@ウィーンコンツェルトハウス 2013.6.8

当初、指揮者はジェームズ・コンロンになっていて、彼の得意とするツェムリンスキーが聴けるので楽しみにしていました。ウィーンに着いて、コンツェルトハウスのポスターを見ると、誰か知らない指揮者に代わっているのでガッカリ。

今日の最初の曲はドヴォルザークのチェロ協奏曲。本来、聴き映えのするする名曲です。で、出来栄えは、もうノーコメントというしかありません。ひさびさにこんな演奏を聴きました。ひとえにチェリストの問題ですが、オーケストラもちょっと・・・
まあ、論外の演奏なので、これ以上触れないし、その必要もないでしょう。

休憩後、気分も新たにツェムリンスキーの交響詩《人魚姫》です。この曲は初演後、楽譜が出版されることもなく、80年間、楽譜が行方不明でしたが、1984年に歴史的な再演が行われたという曲です。初演の際、一緒に演奏された弟子のシェーンブルグの交響詩《ペレアスとメリザンド》が注目され、ツェムリンスキーが落胆したという話が残っています。
最近では、抒情交響曲とともに演奏機会も増えているようですが、saraiはまったくの初聴き・・・恥ずかしながら、作品名も知りませんでした。
内容はアンデルセンの童話《人魚姫》に基づく、後期ロマン派の作品です。
ウィーン交響楽団はコンツェルトハウスのホールいっぱいに素晴らしい響きを轟かせての熱演です。その音響ばかりが頭に残ったという印象です。曲自体は後期ロマン派の触れなば落ちんという風情ではなく、ハリウッド映画ばりのダイナミックな描写音楽。ひとつ間違えれば、B級音楽になってしまう瀬戸際です。全体に物悲しいトーンなので、世紀末の雰囲気があるわけではないのに、何故か、聴くものの心に不安感を残します。まあ、奇妙な音楽だとも言えますが、ウィーン交響楽団は好演でした。
それにしても、やはり、ベルリン・フィル、ウィーン・フィルの響きが頭に残っていて、それらと比べてしまうのは酷というものです。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。

  指揮:マルクス・ポシュナー
  チェロ:アリサ・ワイラースタイン
  管弦楽:ウィーン交響楽団

  ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 Op.104

   《アンコール》バッハ:無伴奏チェロ組曲より

   《休憩》

  ツェムリンスキー:交響詩《人魚姫》

また、10日後にウィーンに戻ってきて、最後にウィーン交響楽団でシェーンベルクの《グレの歌》を聴きます。今夜はその前哨戦で師匠格のツェムリンスキーを聴いたということに意義があります。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~マノン・グロピウスのお墓でベルクのヴァイオリン協奏曲

ウィーンの7日目。ウィーンは遂に快晴になり、暑いくらいの日差しです。

今日はグリンツィング付近のオーストリア料理のレストランでウィーンに集まったクラオタ(クラシックオタク)の昼食会です。せっかく、グリンツィングに行くので、みなさんと合流する前にまた、グリンツィング墓地にあるマーラーのお墓に寄っていきましょう。今回はマーラーのお墓というよりも、妻だったアルマの娘マノン(マーラーの娘ではなく、マーラーの死後、アルマが再婚したグロピウスとの間の子供)のお墓参りが目的です。マノンは作曲家ベルクに可愛がられていましたが、若くして亡くなりました。ベルクの遺作のヴァイオリン協奏曲はマノンの死を悼んで、捧げられたものです。マノンのお墓の前でその曲をじっと聴き入りました。青空のもと、感動に浸りました。
アルマ・マーラーのお墓が正面の黒い石、その手前の地面に置かれている白い3角形の石がマノン・グロピウスのお墓です。なにか、はかなげな印象です。


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クラオタの昼食会はとても楽しく、時の過ぎるのを忘れました。今度は4日後にドレスデンで再会することを楽しみに一時のお別れです。

夜はコンツェルトハウスでウィーン交響楽団のコンサートを聴き、ウィーンでの日程を終了。コンサートの詳細は別記事でアップします。

明日はミュンヘンに移動します。鉄道が大雨の影響を受けているので、心配です。一応、迂回ルートでミュンヘンに行くことはできそうですが・・・。


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ウーン?シモン・ボッカネグラ@バイエルン国立歌劇場 2013.6.9

1週間ちょっと前にハンガリー国立歌劇場で聴いたシモン・ボッカネグラを今度はバイエルン国立歌劇場で聴きました。当然、ハンガリー国立歌劇場は今回の予習のつもりで聴いたんです。ところが、あまりにハンガリー国立歌劇場の出来の素晴らしさに、はっきり言って、今日の公演はかすんでしまいました。
まず、何と言っても、バス、バリトン陣はハンガリー国立歌劇場が素晴らしく、今日はせいぜい後半のルチッチの健闘が光るくらいで、プロローグは全員、不満の出来でした。このオペラはやはり、ジェノヴァの男たちの葛藤が聴きもので、重要なのはバス、バリトンです。
そして、一番の不満はアメリアを歌ったクリスティーネ・オポライスです。声は出るし、雰囲気もいいのですが、コントロールとか抑制のきかない高音には閉口しました。まったく、平板な歌い方です。せっかく、これだけ声が出るのならば、抑えて歌えば、もっともっと美しい響きの声も出るかもしれません。男たちのドラマを大きく不安定な声でかき乱した感があります。当初のメンバーのストヤノフならば、悔やまれます。
次に演出。ここの演出にしては、まだまだ、おとなしいくらいで好感さえも持てますが、シモンの対立軸として設定してある筈のフィエスコを精細ない男に仕立てたのは、ヴェルディを理解していないとしか思えません。また、プロローグでかっこよく車を舞台に上げたのは構いませんが、お蔭で冒頭のシーンの渋い男たちの歌がほとんど台無しです。

それでも、さすがにドゥ・ビリー指揮のバイエルン国立歌劇場管弦楽団の素晴らしい響きにはうっとりしました。やはり、ウィーン国立歌劇場のオーケストラに対抗できるのはここだけですね。
また、合唱の素晴らしいこと! このオペラにこんなに合唱が活躍するとは、これまで、あまり感じていませんでしたが、これは聴きものでした。
歌手では、当初発表されていたヴァルガスに代わって歌ったセッコが一人、気を吐いていました。このオペラは本来、テノールが活躍するイメージはありませんが、テノールが目立った公演になりました。

こんなに批判めいたことばかり、書きましたが、フィナーレだけは、ルチッチも美声で繊細な表現を極め、クリスティーネ・オポライスも抑えた美しい表情の歌で、もちろん、セッコは好調。最後に気分が高まりました。でも、それなら、第1幕のシモンとアメリアが実の親子だと分かる感動的なシーン、もっと、何とかならなかったのかと残念です。フィナーレと同じ感じで歌ってくれればよかったのにと思います。

いやはや、どこまでいっても愚痴になります。オペラハウスの聴衆は大いに盛り上がっていたので、saraiの耳がおかしかったんでしょう。ハンガリー国立歌劇場の素晴らしさが際立つ結果になってしまいました。

今日のキャストは以下です。

  演出:ドミトリー・チェルニャコフ
  指揮:ベルトラン・ドゥ・ビリー
  管弦楽:バイエルン国立歌劇場管弦楽団

シモン・ボッカネグラ:ジェリコ・ルチッチ
  アメリア:クリスティーネ・オポライス
フィエスコ:ヴィターリ・コワリョフ
  パオロ:レヴェンテ・モルナール
ガブリエーレ:ステファーノ・セッコ
  ピエトロ:ゴラン・ジュリエ

次は2日置いて、いよいよ、ドレスデンでティーレマン、ガランチャ、シュヴァネヴィルムスの《ばらの騎士》です。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ウィーンからミュンヘンへの鉄道移動は大変なことに・・・トホホ

今日はウィーンからミュンヘンへの移動日です。それでも、ミュンヘンでは青騎士の館レンバッハハウス美術館に寄って、夜はオペラの予定です。

しかし、大雨の影響か、ウィーン出発が45分も遅れ、さらにパッサウに迂回したせいでさらなる遅れ。結局、ミュンヘンには1時間以上の大遅延。途中、イン川、ドナウ川、イーザル川のいずれも水位がぎりぎりまで上昇し、混濁した水が激しく流れていました。
これがパッサウの手前で見たイン川です。


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これがパッサウを過ぎた後に見たドナウ川です。


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これがその後のイーザル川の様子。橋近くまで水位が上昇し、ひどい状況です。


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ミュンヘンに大幅に遅れて到着した結果として、レンバッハハウス美術館は省略。また、次の機会にします。明日は月曜日で休館なんです。

夜のバイエルン国立歌劇場のオペラ公演には、ちゃんと開演30分前には到着。嬉しいことに、見知らぬ日本人女性から「saraiさんですよね?」って、声を掛けられました。ブログを愛読していただいているそうです。こういう経験は初めてです。読者のかたで、saraiを見かけた方は遠慮なく、声を掛けてくださいね。といっても、顔を公開していないので、海外のように日本人が少ない場合でないと難しいかもしれませんが・・・。
オペラ自体はまあまあの出来。演目はヴェルディの《シモン・ボッカネグラ》です。辛口の感想を別記事でアップ済です。

明日は水かさの増しているドナウ川河畔の街、レーゲンスブルグを訪問します。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~レーゲンスブルグのドナウ川の水位、いまだ高し!

ミュンヘンの朝、わざわざ、朝食なしのホテルに予約変更してまで、朝ごはんにこだわりました。それというのも、ミュンヘンの朝ごはんと言えば、白ソーセージ・白ビールに決まりですからね。マリエンプラッツまで、Sバーンで移動して、市庁舎をちらっと横目に見て、一目散でビアレストラン・パウラーナー・イム・タールへ。間口は狭いのですが、内部は広々で、お客さんもちらほらです。早速、朝食セットと注文すると、なかなか通じません。ヴァイスヴルストと言うと、ああっと分かってくれました。これがその朝食セット、白ソーセージ・白ビール・ブレッツェルです。この白ソーセージはやっぱり美味しい!


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調子に乗って、シュパーゲルがあるかどうかを聞いて、またまた、注文しちゃいました。ちょっと細めでしたが、とても美味しくいただきました。


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ゆっくりと朝食を食べたので、電車の時間が迫り、最後はダッシュを繰り返し、1時間に1本のレーゲンスブルグ行の電車に飛び乗ります。

1時間半ほどでレーゲンスブルグ。世界遺産の街です。
先日来の大雨で、市内は浸水したそうですが、旧市街はその跡はほとんど分かりません。しかし、街の中を流れるドナウ川を見て、仰天。川の堤ぎりぎりまで水位が上昇し、茶色の水が激しい勢いで流れています。


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川岸近くは立ち入り禁止になっています。


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有名な石橋も通行はできますが、結構、水面が迫っています。石橋を渡ってみます。中洲の一部は水没し、木が根元から水没状態。


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中洲の堰を越えて、水が中洲に流れ込んでいます。


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石橋の横の岸辺にあるドイツ最古の歴史的なソーセージ屋では、立派な水の防御板を立てて、水の侵入を防いています。日本の土嚢の進んだ形ですね。


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ついでに美味しい焼きソーセージとリースリンクのワインをいただきました。
後で水のフェンスの裏側を見ると、隙間からの水の侵入を防ぐために、土嚢が並べてありました。やはり、土嚢は欠かせないようです。


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明日はバンベルクの街に立ち寄って、いよいよドレスデンです。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~美しき世界遺産の街バンベルク

レーゲンスブルクの朝は快晴!
レーゲンスブルグ中央駅から、ICEとREを乗り継いで、世界遺産の街バンベルクに立ち寄ります。当初はここに泊まるつもりでしたが、レーゲンスブルグでドナウ川を見ながら、ソーセージを食べることにしたので、レーゲンスブルグに泊まり、バンベルクはドレスデンに向かう途中で立ち寄ることにしました。バンベルクに着くと、途中の曇天がうそのように、晴れてきました。
3時間ほどの短時間の滞在です。駅前からバスで旧市街に直行。レグニッツ川の中洲にある旧市庁舎は橋のゲートのように見えるこの街のランドマークです。


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それにしても、大勢の人出にびっくり。レーゲンスブルグに比べるとはるかに賑わっています。ツーリストインフォメーションで英語版地図と日本語のパンフレットをいただき、地図を見ながら、大聖堂への坂道を上ります。古くて威厳のある大聖堂です。


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内部はリーメンシュナイダーの彫刻(レリーフ)もあります。
大聖堂の前の広場ドームプラッツには、旧宮殿、新宮殿も面していて、新宮殿のばら園からは、街を見下ろせ、赤い屋根の家並みが綺麗です。


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また、丘の上に立つ聖ミヒャエル教会の美しい建物も見えます。


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なお、このばら園は入場無料! これくらいで、バンベルクの美しい街並みを満喫し、残りの時間は配偶者が見つけてくれたシュパーゲルを出しているレストランで過ごします。レグニッツ川に面して、目の前に旧市庁舎を眺められる絶好のロケーションです。川の水は轟轟たる水音で大雨の影響を感じますが、晴天の下、美しい風景です。たっぷり、シュパーゲルを堪能。このレストランはフランケンワインのお店でもありました。フランケンワインのトロッケンを美味しくいただきました。葡萄はシルヴァーナー種でした。


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電車の時間が迫り、急いで、バスターミナルから中央駅へ。10分ほどの余裕でICEに乗車。ライプツィッヒでドレスデン行のICEに乗り換えて、夜8時過ぎにドレスデンに到着。2度目のドレスデンです。途中、ライプツィッヒ付近の川の氾濫状況は一番ひどそうに見えました。幸い、都市部への影響は少ないようなので、よかったですね。

明日はティーレマン+ガランチャの《ばらの騎士》ですが、洪水の危険があるので、制限版での上演になるそうです。ともかく、どんな形でも聴ければ、こんな状況下では文句なしです。


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感動するしかない!ばらの騎士byティーレマン+ガランチャ+シュヴァネヴィルムス@ドレスデン国立歌劇場 2013.6.12

いやあ、凄い《ばらの騎士》でした。このところ、毎年、ヨーロッパの色んな歌劇場で《ばらの騎士》を聴き続けていますが、最高の《ばらの騎士》でした。というよりも、saraiに人生でクライバーの来日公演にほぼ並ぶレベルの素晴らしさでした。

まず、シュヴァネヴィルムスの元帥夫人、一昨年のミラノ・スカラ座での素晴らしい歌唱がまだ耳に残っていますが、今日はさらに素晴らしい歌唱でした。第1幕のモノノーグからオクタヴィアンとの絡みの世の無常を歌う深い味わい、ここまで歌えるのは、現在はデノケくらいでしょうか。いずれにせよ、これまでに聴いた最高のモノローグでした。感動のあまり、涙が滲みました。第3幕の3重唱も素晴らしい歌唱、最後のフォルテでは思いっきり、感動! 見事です。

もちろん、ガランチャのオクタヴィアンは、昨年のウィーン国立歌劇場を上回る出来・・・ということは、saraiの聴いたベストのオクタヴィアンです。美しい歌声と最高の演技、容姿の美しさ、3拍子揃ったものです。第1幕のフィナーレの元帥夫人との絡みが最高でした。マリアンデルの可愛さは昨年のウィーンのほうが上でしたが、第3幕のナイン、ナインって歌うのはとても可愛い!

元帥夫人とオクタヴィアンが素晴らしいのですから、《ばらの騎士》はいいに決まっていますが、R・シュトラウスの楽劇ですから、オーケストラの演奏も重要です。やはり、ティーレマンの指揮は素晴らしいものでした。意外に柔らかい音楽がベースになっていましたが、オペラ指揮者としての経験上のもので、うまく歌手を引き立てての指揮でした。しかし、ここぞというところでは立ち上がって、剛速球を投げ込んでくるような剛直さを感じさせるような、ぞくぞくするような凄みがありました。カルロス・クライバー亡き後、遂に真打ち登場を感じました。まだ、クライバーの輝くような演奏とは比較になりませんが、クライバーにない剛速球という強みもあるので、総合的にクライバーの域に達するのも時間の問題でしょう。

ペーター・ローズのオックス男爵も一昨年にミラノ・スカラ座で聴きましたが、今夜はもっともっといい出来でした。及第点以上でしょう。あと望むべきは男の色気くらいでしょうか。

ダニエラ・ファリーは予想したよりも、よい歌唱だったと思います。演出のせいかも知れませんが、スープレット的過ぎる歌唱だったのが残念です。昨年のウィーン国立歌劇場でのミア・パーションの素晴らしかった歌唱と比較すると、まだまだです。それでも、高音が十分に出せていたので、十分に及第点です。

繰り返しになりますが、第1幕のフィナーレと第3幕の3重唱は涙なしには聴けない、最高のオペラでした。トータルにクライバーに肉薄する《ばらの騎士》に感動しました。

今日のキャストは以下です。

  演出:ウーヴェ・エリック・ラウフェンベルク
  指揮:クリスティアン・ティーレマン
  管弦楽:ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

  元帥夫人:アンヌ・シュヴァネヴィルムス
  オックス男爵:ペーター・ローズ
  オクタヴィアン:エリーナ・ガランチャ
  ファーニナル:マルティン・ガントナー
  ゾフィー:ダニエラ・ファリー

明日は趣きを変えて、このドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオーパー)のバレエを見ます。


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       ティーレマン,  

ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~5年ぶりのドレスデン・・・感動の《ばらの騎士》

ドレスデンは5年ぶり、2回目の訪問になります。今朝起きると、驚くような青空です。とりあえず、エルベ川の氾濫の危険はなさそうです。よかった!

今夜は今回の旅での最大の目的であるオペラ《ばらの騎士》の鑑賞を控えているので、軽く、ドレスデンの街を一巡りするだけに留めます。
ホテルの前には聖十字架教会、少年合唱団で有名です。ちょっと覘いて、次はフラウエン教会。


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ここはたくさんの観光客です。ここも軽く眺めて、エルベ川を見に行きます。かなり、落ち着いてきているようですが、水位はまだまだ高く、船着き場は完全に水没しています。エルベ川クルーズは無理ですね。


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次にドレスデン城に寄ってみます。前回も予約できなかった《緑の丸天井》の様子を見に行きます。明後日までの予約でも、取れるかどうかをチェックするためです。ドレスデン城に入り、近くにいた女性スタッフに《緑の丸天井》のことを訊いてみると、パンフレットを取り出し、歴史的《緑の丸天井》のことか、新《緑の丸天井》のことかと聞かれ、もちろん、歴史的《緑の丸天井》のことだというと、窓口の方を指さし、そこでチケットを買って、戻ってきてねということ。ええっ、予約していなくても入れるのって、びっくりです。窓口に行くと、電子掲示板に時刻ごとの入場可能数が表示されており、1時間後の12時にも5人の枠が残っています。窓口には1人しか並んでいなくて、すぐに順番が回ってきます。すると、12時の枠が3人に減少。急いでチケットを買いましょう。すると、驚いたことに、11時のチケットを出してくれました。予想外の展開で、あれよあれよという間に予約なしで即、入場になりました。エルベ川氾濫の余波で観光客が減っているんでしょうか。
肝心の歴史的《緑の丸天井》ですが、琥珀、銀細工、宝石、象牙などの宝物館で、どこにも、緑の丸天井といった建物はなく、思い違いをしていました。いわば、空振りですが、それでも、積年の思いは遂げたので、よしとしましょう。
もうひとつ、前回は行けなかったツヴィンガー宮殿の2階のテラスに上がってみます。これは無料だし、眺めは抜群で、最高でした。


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夜のドレスデン国立歌劇場、通称、ゼンパーオーパーでの楽劇《ばらの騎士》は、予告されていた「ちょっとした場面の制限」というのは、舞台の大道具が万全でなく、3幕ともほぼ同じ舞台セットだということでした。エルベ川の氾濫の危険のためという説明でした。公演内容のカットとかはなく、フルの上演でした。ティーレマン指揮で、ガランチャとシュヴァネヴィルムスが歌う最高のキャストで感動の《ばらの騎士》。詳細は別記事でアップ済です。

明日から、美術館巡りをします。夜はバレエを見ます。


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フォーサイスのバレエの夕べ@ドレスデン・ゼンパーオーパー 2013.6.13

ドレスデンで一度、バレエを見るのもいいかなと思って、たまたま、そのときにやっていたバレエを鑑賞しました。バレエは門外漢なので、何をどう書いていいやら、分かりませんが、素人なりの印象を書いてみます。

この日はアメリカの振付家ウィリアム・フォーサイスの作品、3本立てです。フォーサイスのバレエの夕べ:Ein William Forsythe Ballettabendというタイトルでした。
フォーサイスはフランクフルトのバレエカンパニーを主宰していて、今日の作品は一部を除いて、1980年代から1990年代にフランクフルトで作った作品です。モダン・バレエの作品でクラシックバレエのように筋立てはなく、音楽とそれにあわせた振付のダンスだけです。saraiにとっては、抽象絵画の作品のようなものです。

最初の作品《Artifact Suite》は2部構成で、前半はバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のシャコンヌ(ナタン・ミルシティンの録音)に合わせて、踊られます。ラヴェルのボレロのバレエのように、ぐるりと群舞のダンサーが半円形に舞台いっぱいに取り囲む中を、パ・ドゥ・ドゥー2組が順番に、あるいは同時に踊り、群舞の動きは最小限です。全体の指揮者のような女性ダンサー:The Other Womanが舞台の中央に観客に背を向け、彼女の動きに合わせて、群舞のダンサーが手振り中心の動きをします。バッハのシャコンヌの美しい音楽に合わせたバレエということで、美しいバレエを期待しましたが、ダンスがごちゃごちゃした感じで、バッハの音楽を活かしたバレエには思えず、これは不満。後半はEva Crossman-Hechtという作曲家のピアノ独奏曲に合わせたバレエ。現代の作曲家でしょうが、無調音楽ではありません。これは群舞中心でしたが、やはり、ごちゃごちゃ感はぬぐえず、あまり、面白くありません。

休憩後、次の作品《Neue Suite》。これはパ・ドゥ・ドゥーのシリーズもので、5人の作曲家の作品に合わせて、踊られます。まずはヘンデルのコンチェルト・グロッソ第6番(カラヤン指揮ベルリン・フィルの録音)ですが、これは音楽もダンスも美しく、うっとりと見ていました。楽章ごとにダンサーが交代しますが、どちらかといえば、スローなテンポの曲に合わせたダンスが素晴らしく感じました。ダンスは派手な動きやリフトは少なく、古典的な感じのバレエです。次はバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番のアルマンドです。同じバッハでも、先ほどのシャコンヌよりも美しいバレエですが、動きが早いので、優雅さが今ひとつという感です。残りはベリオ、 Gavin Bryars, Thom Willemsです。曲を知らないこともあり、馴染みにくい感じでした。

休憩後、最後の作品《Enemy in the Figure》。これはこの日の演目で一番、面白く見ることができました。オランダの作曲家Thom Willemsはバレエ作品を中心に手掛けている人で、この作品は重低音のずしりとくる音をベースに旋律線のあまりないゆったりしたリズムのバレエ音楽です。舞台は巨大な木の壁(衝立?)がひとつ立っているだけのシンプルなもので、照明が落とされ、真っ暗です。舞台上に移動可能なスポットライト照明装置を据えて、その光を浴びたダンサーの動きだけが見えます。フォーサイスによると、空間は固定的なものではなく、動的に変化するもので、舞台上のスポットライトの変化で空間があたかも変容するようになるということです。ダンサーの激しい動きと光の移動で、実に斬新なバレエシーンが表現されました。とても刺激的です。こういうものを見ると、普通のバレエが生ぬるく感じられそうです。ダンサーの肉体表現も見慣れているクラシックバレエの動きとは本質的に異なり、新しさを感じます。見事なバレエでした。

今日のプログラムは以下です。

Artifact Suite

  振付:William Forsythe
  音楽: Eva Crossman-Hecht, Johann Sebastian Bach

Neue Suite

  振付:William Forsythe
  音楽: Georg Friedrich Handel, Johann Sebastian Bach, Luciano Berio, Gavin Bryars, Thom Willems

Enemy in the Figure

  振付:William Forsythe
  音楽: Thom Willems

今日のキャストは以下です。

Artifact Suite

  The Other Woman: Vanja Vitman
  1. Pas de Deux: Duosi Zhu, Laurent Guilbaud
  2. Pas de Deux: Courtney Richardson, Raphael Coumes-Marquet

Neue Suite

 Handel

  1. Pas de Deux: Duosi Zhu, Saverio Pescucci
  2. Pas de Deux: Sarah Hay, Francesco Pio Ricci
  3. Pas de Deux: Alice Mariani, Laurent Guilbaud

 Berio

  1. Pas de Deux: Mo'nica Tarda'guila, Michael Tucker
  2. Pas de Deux: Courtney Richardson, Fabien Voranger
  3. Pas de Deux: Duosi Zhu, Pavel Moskvito

 Bach

  Julia Weiss, Raphael Coumes-Marquet

Enemy in the Figure

  Sarah Hay, Sangeun Lee, Vanja Vitman, Anna Merkulova, Carmen Piqueras, Julia Weiss
  Claudio Cangialosi, Laurent Guilbaud, Francesco Pio Ricci, Jon Vallejo, Fabien Voranger


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ドレスデンのエルベ川氾濫の復旧状況は?

昨日は凄い《ばらの騎士》を見て・聴いて、その後、ウィーンからのお友達Steppkeさん、Feriさん、それにミュンヘンで声を掛けられた当ブログの読者ご夫妻と遅くまで、わいわいやって、それからホテルに戻り、感動を忘れないうちにブログを書き、寝たのは明け方近く・・・朝はゆっくり遅くまで寝ていました。

ドレスデンは今日も晴れています。今日と明日は美術館を訪問。まず、今日はツヴィンガー宮殿にあるアルテマイスター絵画館で名画の数々と再会。イタリア絵画のコレクションの充実には目を見張るばかりです。ヤン・ファン・エイク1枚とフェルメール2枚を始めとしたフランドル絵画にも感銘を受けます。アルテマイスター絵画館については後日、詳細編で詳しくご紹介しましょう。次はフリードリッヒの絵を見たいところですが、これはノイエ・マイスター絵画館に展示されているので、明日、ゆっくりと鑑賞します。

ホテルで休養後、お菓子の名店クロイツカムでお茶して、バレエの開演時間にまだ時間があったので、ブリュールのテラスから、エルベ川の状況を観察しました。昨日に比べて、ずい分、水が引いてきました。


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まだ、川岸の一部は冠水していますが、明日あたりは引きそうな勢いです。


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それにまだ水の引かない川岸のベンチに悠然と座っている青年もいるくらいですから、いかに危機感がなくなってきたか、わかりますね。


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既に川岸の道路(昨日は水に浸かっており、通行禁止)も消防の放水車が出て、道路清掃が始まっていました。


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こういう自然災害からの復旧活動を見ると、嬉しくなります。きっと、明日はエルベ川クルーズも再開できるのではないでしょうか。今日の時点では、船着き場の一部が水没していますが、あと僅かで乗船可能でしょう。乗船チケット売り場の建物も水が引き、床が乾いていました。ドレスデン完全復活、近しの感です。

今日はドレスデン国立バレエをゼンパーオーパーで見ました。フォーサイス振付のモダン・バレエです。多彩なモダン・バレエを堪能しました。詳細は別記事でアップします。


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カール・ミレッカ《ガスパローネ》@シュターツ・オペレッテ・ドレスデン 2013.6.14

ドレスデンでティーレマン、ガランチャの《ばらの騎士》を見たついでと言っては何ですが、オペレッタのお友達Steppkeさんにお誘いを受けて、あまり見る機会のないオペレッタを見ました。オペレッタ《乞食学生》で有名なカール・ミレッカのオペレッタ《ガスパローネ》です。
あらすじは、大盗賊ガスパローネの襲来を警戒するシチリアの街シラクーサで、正体不明のよそ者がやってきて、ガスパローネ騒ぎのどさくさ紛れで、居酒屋の主人ベノッツィオと彼のいとこのマザッチョが密輸をしていることをつきとめます、ベノッツィオは市の司法長官ナゾーニによそ者こそがガスパローネだと告げ口し、報奨金を2人で山分けしようとします。一方、お金持ちで美貌の未亡人カルロッタは、司法長官ナゾーニの策謀で彼の息子シンドルフォとの結婚をお金目当てで進められています。しかし、カルロッタはよそ者に次第に惹かれていきます、よそ者は司法長官ナゾーニの策謀をあばくために一計を案じ、ガスパローネの犯行に見せかけ、カルロッタの全財産を奪います。司法長官ナゾーニは財産を失ったカルロッタとの婚約は破棄します。最後に司法長官ナゾーニが催す裁判の場で、よそ者は国王の代理人(総督)であることを明かし、不正を働いた者を処罰し、居酒屋の主人ベノッツィオは妻ソラに免じて許され、いとこのマザッチョは牢獄送り、司法長官ナゾーニはカルロッタの家政婦ゼノビアとの結婚を条件に許されます。そして、よそ者はカルロッタとめでたく結ばれて幕となります。

ミレッカのウィーン風のオペレッタの親しみやすい曲が歌われますが、なんといってもカルロッタ役のJana Buchnerの歌唱が光りました。狭いホールとは言え、美しい響きの声でオペレッタの醍醐味を感じさせてくれました。相手役のよそものを歌ったChristian Grygasは決して張りのある響きのテノールではありませんが、優しい愛の歌を実にソフトに歌って、これも及第点。あとのメンバーも無難に歌って、音楽的にとても充実した内容でした。また、狭いホールを縦横に駆使した演出も感銘を受けました。気楽に安い料金で楽しめる大衆娯楽としては最高です。こういうものを聴くことのできるドレスデン市民が羨ましいばかりです。ただ、ひとつ、物足りなかったのは、オペレッタにつきものの楽しいダンスがほとんどなかったことです。芝居と歌が中心になっているようですね。そのせいか、オペレッタ的な盛り上がりに欠けたことも事実です。

今日のキャストは以下です。

  演出:Matthias Oldag
  指揮:Christoph Linchdi
  管弦楽:シュターツ・オペレッテ・ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

  カルロッタ:Jana Buchner
  ゼノビア:Sofi Lorentzen
  司法長官ナゾーニ:Frank Blees
  彼の息子シンドルフォ:Christoph Simon
  よそ者、実はエルミニオ侯爵:Christian Grygas
  居酒屋の主人ベノッツィオ:Frank Ernst
  彼の妻ソラ:Isabell Schmitt
  ベノッツィオの従弟マザッチョ:Andre Eckert

とても珍しい演目が聴け、また、初めての劇場を体験でき、なかなかできない体験で、価値ある一夜になりました。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ドレスデンのワイン屋さん・Part2

ドレスデンは今日も晴れていますが、昨日よりも少し肌寒く感じます。今日も美術館を訪問。その前に早いランチにします。レストランはフラウエン教会近くなので、昔、尋ねたワイン屋さんの様子を見に行きます。実はこのワイン屋さんは当ブログの第1回目を飾る話題だったんです。5年前にその日本人経営のワイン屋さんは開店2日目で日本人の初めての客がsaraiだったんです。行ってみると、ちゃんとワイン屋さんはお土産物屋リメンバー・ドレスデンの地下に健在でした。地下に下りていくと、女性の日本人スタッフがいました。もうすぐオーナーも来るとのことで、ワインの試飲をしながら待ちますが、まだ、しばらく、かかりそうなので、いったん、お店を出て、後で訪問することにします。美味しいランチ・・・もちろん、シュパーゲルです。その後、ノイエ・マイスター絵画館のあるアルベルティヌムに向かって歩いていると、後ろから声を掛けられます。昨日もばったりと会ったお友達Steppkeさんです。やはり、ノイエ・マイスター絵画館に向かっているそうで、行動を共にします。アルベルティヌム内の色々な美術館を見尽くし(ここにココシュカやクリムトがあったのにはビックリ)、目的のフリードリッヒも見ましたが、意外に作品数が少ないのが残念でした。フリードリッヒを見るなら、ベルリンが一番ですね。
次はドレスデン城のオスマン・トルコ展示室や武具展示室を見て、観光は終了。先ほどのワイン屋さんを再度、訪問します。今度はお兄さん(オーナー)がいました。再会を喜び合って、また、記念にワインを購入。もちろん、saraiの好きなフランケンワインです。ワインを中心に色々な話題で盛り上がりました。お兄さんをご紹介しましょう。


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またの再会を期して、お別れです。ここでいったん、Steppkeさんとも別れ、ホテルでしばしの休養。

休養後、また、Steppkeさんと落ち合って、今夜のオペレッタに向かいます。シュターツ・オペレッテ・ドレスデンです。


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小さなホールですが、舞台と客席が近く、歌手の声もよく通り、大変楽しめました。演目はカール・ミレッカの《ガスパローネ》です。詳細は別記事でアップします。

明日はドレスデンを発って、プラハに向かいます。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~プラハの名画に降参!!

ドレスデンは今日もドイツ晴れ。ずっと好天が続きます。その気持ちのよいドレスデンを発って、今日はプラハまで鉄道の旅です。

ドレスデン中央駅のベーグル屋さんで朝食を特急で食べ、ホーム(ターミナル形式ではなく、通過型の3番線)に行くと、既にプラハ経由ウィーン行のECは入線していました。土曜日で車内は混雑していましたが、何とか座席を確保して、2時間半の旅です。途中、エルベ川沿いを走りますが、のろのろ運転です。それも仕方ありません。まだ、水が引いたばかりで地盤がよくないようです。やっと水位が下がったエルベ川ですが、まだまだ、こんな状況です。


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結局、プラハには30分以上の遅れで到着。

ヴァーツラフ通りから少し入ったところのホテルにチェックインするや否や、即、行動開始。トラム、地下鉄、トラムと乗り継いで、ヴィレトゥルジェニー宮殿にある国立美術館の分館に向かいます。ここには、19~21世紀のチェコの美術、インターナショナルな美術が収められています。5年前の訪問では、あまり時間がなく、慌ただしい鑑賞になったので、今回はじっくりと見ようということです。その気にさせるような充実したコレクションです。前回はどうしても見つけられなかったミュシャの《スラーヴィア》があっさりと見つかり、これだけでもう上機嫌です。どうです。いい作品でしょう。


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ボヘミアの芸術家の作品を見直す訪問にもなりました。また、外国作品では、ウィーン世紀末芸術のクリムト、シーレ、ココシュカの名画には恐れ入りました。特にクリムトの大作《乙女たち》はウィーン以外の美術館では、最高の作品でしょう。


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フランス系の作品では、ピカソの作品のコレクションが素晴らしく、まるで、ピカソ展を見ているような感じです。実際、日本でのピカソ展は、この美術館の収蔵品のレベルに達していないものも多いと思うほどです。《立つ女》の迫力には圧倒され、大変な感銘を受けました。


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セザンヌ、ゴッホも素晴らしく、セザンヌ好きでないsaraiも静物の小さな絵には、とても惹かれてしまいました。


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また、配偶者が評価してやまないアンリ・ルソーの《私自身、肖像=風景》は代表作といってもいい素晴らしい作品です。


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そして、今日は特別展を開催中。何と、ミュシャの渾身の名作、大作にして連作の《スラヴ叙事詩》全20枚が1フロアすべてを使って、一挙公開です。あまりに大きな絵なので、一瞬、絵画ではなく、スクリーンに映写しているのかと勘違いしたほどです。1度にこれだけの絵画を鑑賞するのは、限界を超えています。あくまでも表面をなぞっただけの鑑賞です。幻想的な作品で、1枚1枚、趣きを変え、また、1枚の作品の中にもいろいろな要素が詰まっています。今後、詳細編でみなさんと一緒に1枚1枚、見ていきましょう。今日は一番の大作、3連画の作品だけをご紹介します。超巨大な作品です。


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名画をじっくりと見ているうちにお腹が空きました。予約を入れたレストランで王宮の眺めを愛でながら、美味しく、上品なチェコ料理とボヘミアのスパークリングワインを楽しみました。

今日の仕上げは、カレル橋と王宮の夜景を見ること。素晴らしい光景に息を呑むほどでした。ヴルタヴァ川、街灯の灯ったカレル橋、照明で明るく輝く王宮・・・何も不足はありませんね!


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ホテルに帰りつくと、もう夜更けになっていました。

明日はプラハ国立歌劇場でお昼からバレエを鑑賞します。早く寝ないといけません。おやすみなさい・・・


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チェコ国立バレエ:Americana III@プラハ国立歌劇場 2013.6.16

プラハ国立歌劇場でオペラを見る予定で《ラ・ボエーム》のチケットを購入済みでしたが、急に公演がキャンセルになり、仕方がないので、バレエ公演に切り換えました。モダン・バレエ3作品です。3作品に共通したテーマはアメリカ人振付家による作品であることです。その中の一人は偶然にも、3日前にドレスデンで見たウィリアム・フォーサイスです。

最初の作品《Theme and Variations》。ジョージ・バランシンがチャイコフスキーの組曲第3番 ト長調 作品55の最終楽章(第4楽章)の音楽に振付けたものです。メインの男女2人のダンサーを中心に華やかな舞台です。衣装も古典的な感じ。これが《眠りの森の美女》の1シーンだと言われても、ああそうかって感じです。それならそうで、見事に踊ってくれれば、文句はありませんが、メインのダンサー2人の不安定なバレエを見ていると、うっとりなんて、感じはありません。モダン・バレエとは思えない作品ですが、クラシックバレエとして、しっかり踊ってほしかったものです。のっけから、これでは、このバレエ団の実力を疑ってしまいます。

休憩後、次の作品《In the Middle Somewhat Elevated》。ドレスデンで見たフォーサイスとThom Willemsのコンビの《Enemy in the Figure》ほど、衝撃的な作品ではありませんが、実にかっこいいノリで踊ってくれて、このバレエ団の評価が一転して上昇しました。キャストも素晴らしかったようです。プリンシパルのNikola Marovaを始め、ソロイストが揃っていましたし、特に女性ダンサーが目立った素晴らしい踊りを披露してくれました。超1流のファッションショーを見ている感覚に陥りました。踊りにはいる動きがスムーズでかっこいいんです。

休憩後、最後の作品《Fancy Free》。曲だけなら、聴いたことがあります。これはモダン・バレエといっても、まるでミュージカルのように筋立てがはっきりしていて、とても面白い。さすがにバーンスタインの名曲です。ジェローム・ロビンスの振付も見事です。主なマドンナ役の女性が2人登場しますが、2番目に登場したMarta Drastikova(だと思う)のチャーミングな踊り、演技、容姿にすっかり惹きつけられました。いつか、もう一度見てみたいものです。ウィーンの国立バレエに来るといいなあって、心底、思いました。筋は簡単で、バーに立ち寄った3人の水兵さんが、近くに来た女性2名(3人目はちょっとだけ)にすっかり、のぼせ上りますが、お決まりの結末で、振られてしまうというものです。たわいのないストーリーですが、見事なバレエに仕立てあがっていました。

今日のプログラムは以下です。

Theme and Variations

  振付:ジョージ・バランシン
  音楽: チャイコフスキー
  指揮:David Sovec
  管弦楽:プラハ国立歌劇場管弦楽団

In the Middle Somewhat Elevated

  振付:ウィリアム・フォーサイス
  音楽: Thom Willems

Fancy Free

  振付:ジェローム・ロビンス
  音楽: バーンスタイン
  指揮:David Sovec
  管弦楽:プラハ国立歌劇場管弦楽団

今日のキャストは以下です。

Theme and Variations

  Alina Nanu, Ondrej Vinklat, Magdalena Matejkova

In the Middle Somewhat Elevated

  Nikola Marova, Rebecca King, Zuzana Simakova, Pavla Hrubesova, Monika Hejdukova, Ivanna Illyenko, Michal Stipa, Petr Strnad, Gianvito Attimonelli

Fancy Free

  Pavla Hrubesova, Marta Drastikova, Michaela Wenzelova, Matej Sust, Ondrej Vinklat, Viktor Konvalinka, Oleksandr Kysil



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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~プラハはビールで乾杯!

プラハの朝は好天。暑いくらいですが、食事がてら出かけて、そのまま、2時から、バレエを見ますので、上着を着ます。しかし、暑い!

市民会館のカフェで高額なランチを食べました(美味しかったけど、高過ぎ!)。

これは美味しかったけど高過ぎる搾りたて生ジュース、オレンジとグレープフルーツです。


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まだ、バレエには時間が早いので、久しぶりの旧市街広場で写真撮影。
右から、ティーン教会、石の鐘の家、ゴルツ・キンスキー宮殿。ゴルツ・キンスキー宮殿はロココ様式、他はゴシック様式です。


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旧市庁舎です。ゴシック様式です。


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ついでに前回ははいれなかった聖ミクラーシュ教会の内部も見学。小さいけど、とても美しいバロック様式の装飾にうっとりします。ボヘミアングラスでできたシャンデリアは王冠の形をしています。


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そろそろ時間が迫ったので、地下鉄でムゼウム駅に行きます。昨日、ホテルに投宿するために下りた駅で、どうしてもエレベーターが見つからず、重いカバンを抱えて、階段を上った苦い記憶が消えません。すると、昨日のC線のホームではないA線のホームにはエレベーターがありました。うまく探せば、エレベーターがあったんですね。帰りは間違えないようにしましょう。
ムゼウム駅から、すぐのところにプラハ国立歌劇場がありました。とても重厚な古い建物で内部も立派です。


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できれば、ここでオペラを見たかったんですが、上演日程のためにバレエを見ることになりました。この日のバレエはアメリカ人3人の振付によるモダン・バレエです。最後のバーンスタインの《ファンシー・フリー》はミュージカルのような感じで素晴らしいバレエで、満足。

今日はまだ早いのですが、早めの夕食にします。プラハといえば、ビールの聖地のような街です。日頃はワイン好きのsaraiですが、今日だけはビールを飲みにピヴニッツェと呼ばれるビアホールに出かけます。ピヴニッツェの元祖というウ・ピンカスーが歩いていける近くにあるので、そこに決めました。まだ時間が早く、お店の中にはお客さんはいません。ゆっくりと伝統のピルスナー生ビール(ピルスナー・ウルケル)を味わいます。


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ビールを飲んでいると、20人の団体がやってきて、たちまち、店内は満席状態。ボヘミアの家庭料理も味わって、満足の夕食となりました。

明日からは2日間、オペラを見て、その後はウィーンに移動します。


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ボヘミアの霧の中・・・ペレアスとメリザンド@プラハ国民劇場 2013.6.17

色々と考えさせられるオペラ《ペレアスとメリザンド》でした。深い解釈のもと、作品の真髄に迫った素晴らしい演出と音楽であったと思います。

このオペラはもともと、茫洋とした雰囲気のオペラではあると思っていました。今日の公演で、このオペラは夢の中でのできごと、あるいは妄想が、現実と交錯して、できあがった複雑な世界を描いたことが納得できました。それも、登場人物それぞれの思いが複雑に絡まりあって、複合した夢の世界です。
その中でも、肥大化した自我を持つゴローの存在が一番大きく、半分以上は彼の脳内で作り上げた妄想・夢の産物に思えます。そういう意味では、か弱い自我のメリザンド、ペレアスは、肥大化したゴローの自我に組み入れられた存在だと感じます。もちろん、精神のバランスを欠くゴローの妄想は現実との狭間で揺れ動いていて、どこまでが現実なのかは判然としません。現実世界のメリザンド、ペレアスも顔をのぞかせますが、あくまでもひ弱な現実です。

ゴローは救われるのか・・・それがテーマのようにも思えます。神がいない時代に人がどう救われるのか。女の愛によって、救われるのは、ワーグナーの楽劇までです。ゴローのように、愛するメリザンドの愛を信じきれない人間は、決して、女の愛では救われません。現代の愛の不毛とも言えます。結局、ゴローは救われない人間として、地獄の奈落の底に落ち込んでいくしかないのでしょう。
ドビュッシーが描き出そうとした世界は実に残酷で恐ろしい世界です。夢のような甘いとさえ感じる音楽の中に、時として、強烈な叫びが上がります。今日のオペラの主役はオーケストラです。ボヘミアの霧を感じさせるような独特のアンサンブルは、最初は少し薄っぺらく感じましたが、徐々に存在感を増していって、ドビュッシーの響きのなかに、ヤナーチェクの匂い・・・チェコの語法を感じました。ヤナーチェクの描く現代の人間の根源的な不幸を感じさせる響きです。

演出家、指揮者が周到に考え抜いた卓抜なオペラ《ペレアスとメリザンド》です。過去の甘い響きのオペラの世界はもう、ここにはありません。ワーグナー、R・シュトラウスでさえも、甘い存在に追いやってしまうのが、このオペラ《ペレアスとメリザンド》だと、痛切に印象付けられてしまいました。

はっきり言って、saraiはこんなオペラは嫌いです! でも、どうにも逃げられない自分も感じます。
テクニックや声の美しさを超えて、音楽芸術をここまで極めたプラハ国民劇場の底深さに敬意を表します。
音楽は最終的には、どこまで、人間の本質に迫れるかということがその目標であることを如実に感じさせられた公演でした。

今日のキャストは以下です。

  演出:Rocc
  指揮:David Sovec
  管弦楽:プラハ国民劇場管弦楽団

  ペレアス:Philippe Do
  メリザンド:Veronika Hajnova
  ゴロー:Jiri Sulzenko
  アルケル:Frantisek Zahradnicek
  ジュヌヴィエーヴ:Yvona Skvarova

明日はモーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》の初演で知られるエステート劇場でオペラ《フィガロの結婚》を見ます。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~プラハのキュビズム建築って?

今日はプラハの3日目。絶好の青空・・・暑くなりそうです。

まず、プラハ名物のキュビズム建築を見に行きます。3番のトラムに乗って、ヴィシェフラドの丘を目指します。Vytonというのが最寄りの停留所です。このすぐ近くにリブシナ通りの邸宅。白亜の建物で正面に8角形ファサードが突出しているのが特徴です。多面体のブロックの斜めの線を強調しているのがキュビズム的なんでしょうか。


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このあたりにはこの建物も含めて3つのヨゼフ・ホホルの作品があります。ヴルタヴァ川沿いに少し進むと、ヴルタヴァ河岸の3世帯住宅があります。少し荒れ果てた感じもあります。文化財保存に努めたほうがいいのではと他人事ながら、思ってしまいました。


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次は、ネクラノヴァ通りの集合住宅です。遠くから見ると普通の建物ですが、壁や窓、ドアがキュビズムの特徴の多角形ブロックの組み合わせになっています。


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これでキュビズム建築の見学は終了。何となく、どんなものかは分かりましたが、ピカソのキュビズムと関連付けるのは無理があるように感じます。とても簡素な現代風の実用建築です。

また、旧市街の中心に戻り、ヴルタヴァ川の河畔のカレル橋近くの絶景ポイントに寄ります。一昨日、夜景を見ましたが、明るい陽光のもとでも見てみたいからです。ウーン・・・綺麗ですが、夜景のほうがいいかな。


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次は旧市街広場の旧市庁舎の時計塔に上がって、展望を楽しみました。


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ホテルで少し、ゆっくりして、国民劇場のオペラに向かいます。昨日の国立歌劇場と同様に、古くて重厚な、かつ豪華なオペラハウスでした。今日のオペラはドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》。素晴らしいオーケストラのボエミア風とも思える響きと卓越した演出にこのオペラの真髄を見た感じになりました。想像以上の素晴らしい出来でした。詳細は別記事でアップします。

明日はプラハで3つ目のオペラハウス、エステート劇場でオペラを見ます。プラハ最後の夜になります。



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《フィガロの結婚》を聴くなら、ここでしょ!@エステート劇場 2013.6.18

モーツァルトの数ある作品でも、これこそ最高傑作と言えるのはこのオペラ《フィガロの結婚》に留めをさすと思っています。オペラ史上、最高のロマンチックコメディーです。これに対抗できるのは、モーツァルト回帰したR・シュトラウスがこの《フィガロの結婚》を目指して作曲したと思われる楽劇《薔薇の騎士》だけでしょう。

《フィガロの結婚》は1786年5月1日にウィーン・ブルク劇場で初演されましたが、不人気ですぐに上演中止。同年12月にプラハのこのエステート劇場で再演され、プラハで大変な人気になります。即座にモーツァルトにお呼びがかかり、翌年1月にはモーツァルトがこのエステート劇場の指揮台に上がり、《フィガロの結婚》を演奏しました。モーツァルトはこの《フィガロの結婚》の演奏に先立ち、名作、交響曲第38番《プラハ》を1月に初演しています。このプラハでの成功をきっかけにエステート劇場から依頼のあったオペラ《ドン・ジョヴァンニ》を同じ年にエステート劇場でモーツァルト自身の指揮で初演しています。また、レオポルド2世のボヘミア王戴冠を記念して、ボヘミア政府から依頼のあったオペラ《皇帝ティトの慈悲》を1791年にモーツァルト自身の指揮でエステート劇場で初演しています。レオポルド2世の臨席のもとでした。これは国王夫妻には不評だったようですが、プラハ市民の間では大変な人気だったそうです。モーツァルトはこの年に亡くなります。モーツァルトは死ぬ前の5年間、プラハ、特にこのエステート劇場と大変強いつながりを持っていたんです。

前置きが長くなりましたが、モーツァルト好き、それも《フィガロの結婚》の大好きなsaraiにとって、このエステート劇場で《フィガロの結婚》を聴くことは、もうそれだけでも、うるうるものなんです。

今日は珍しく、平土間ではなく、ロジェ・バルコンで聴きます。実はネットでの販売がなかなか始まらず、いざ、始まったら、既に平土間の良い席は埋まっていました。それでLINKS3番のロジェのシートを予約しました。ロジェは基本1室2席なので、saraiと配偶者だけの密室。ゆったりと平土間を見下ろしながら、俄か貴族気分になれます。乗り出さないと舞台の3分の1ほどが見えませんが、そんなに気になりません。配偶者は靴を脱いで、椅子の上に正座して聴いています。お行儀がいいのか、悪いのか、よく、分かりませんが、リラックスできて、楽しかったようです。オーケストラの演奏もすべて視界におさめることができます。

あのわくわく感たっぷりの序曲が始まりました。オーケストラのアンサンブルは・・・はっきり言って、不揃いです。しかし、何か、ほのぼの感もあり、昔日の演奏を聴いて、懐かしさも感じるような演奏です。切れ味鋭い演奏とは程遠く、昔の電蓄でレコードを聴いているような感覚です。暖かさにあふれた演奏です。緊張感もなく、楽しみながらの演奏です。単にへたくそと決めつけることはできません。こういう音楽もありでしょう。

第1幕、最初のシーンでフィガロとスザンナが登場しますが、スザンナ役のKaterina Knezikova(以降、カテリーナと呼びます)が実にキュートで気に入ります。声の響きもクリアで新鮮で活き活きしており、一気に惹きつけられます。《フィガロの結婚》では、各配役に美しいアリアがありますが、何故かスザンナだけは、あまり、素敵なアリアがありません。それでもやはり、この《フィガロの結婚》の真の主役はスザンナです。アリアを補って、余りある、レシタティーボや重唱での活躍があります。そのスザンナを歌うカテリーナが素晴らしいので、今日のオペラは素晴らしくなる予感がします。カテリーナは歌だけなく、容姿も若くて、清潔で美しく、演技もとてもキュートでスザンナにぴったりです。重量級のネトレプコよりも好みです。声も透き通っていて、ホールによく響きます。エステート劇場は客席数600名とこぶりな劇場でモーツァルトのオペラも室内オペラのような感じで、歌手の声がよく響きます。モーツァルトはこういうホールを意識してオペラを作ったのかと納得しました。

あとはもう、嬉しくて、にこにこしながら、アリア、重唱、合唱、オーケストラを楽しむのみです。隅々まで知り尽くしたオペラですが、場面、場面でオーケストラの演奏楽器が巧みに使い分けられていることに初めて気が付き、モーツァルトの天才ぶりの感嘆します。木管のオーボエを中心にフルート、クラリネットを使い分け、通常は、オーボエとファゴットとホルンで演奏し、ここぞというところで、トランペットとティンパニが参入します。それが舞台上の歌、筋書と如何にマッチしているか、恐ろしいほどです。

第3幕の伯爵夫人のアリアが素晴らしく、その表現力に瞠目するばかりです。続く《そよ風に寄せるカンツォネッタ》は伯爵夫人を中心にカテリーナのスザンナも素晴らしく、うっとりと聴き入ります。このあたりから、オペラは佳境を迎えていきます。
第4幕の素晴らしいこと、saraiの聴いたなかでは最高です。重唱が多いのですが、その美しさ・迫力。最後は伯爵が許しを請い、伯爵夫人が優しく許してくれる最高の場面。もう、涙するしかありません。だって、他人事ではありません。何かと罪を犯し続けるsaraiのことを配偶者が優しく許してくれるという勝手な妄想を描いてしまうからです。昨日のオペラ《ペレアスとメリザンド》では、ゴローに救いはありませんでした。ここには、大きな救いがテーマとして描かれています。無論、saraiは許しを得て、人生を全うしたいんです。だから、《フィガロの結婚》は大好き。
フィナーレは許しの音楽のしっとりしたところから一転して、活き活きとした全員の重唱で圧巻の幕です。感動!! 単純だと言われようが、ここには人生、人間への愛が満ちています。それらを享受してこその音楽って、最高だとは思いませんか?

今日のキャストは以下です。

  演出:Josef Prudek
  指揮:Jan Chalupecky
  管弦楽:プラハ国民劇場管弦楽団

フィガロ:Frantisek Zahradnicek
  スザンナ:Katerina Knezikova
アルマヴィーヴァ伯爵:Jiri Bruckler
  伯爵夫人:Marie Fajtova
ケルビーノ:Stanislava Jirku
  バルトロ:Ludek Vele
  アントニオ:Ales Hendrych
  マルチェリーナ:Lenka Smidova
  バジリオ:Vladimir Dolezal
  バルバリーナ:Erika Jarkovska
  ドン・クルツィオ:Vaclav Lemberk
  
明日からはウィーンに戻って、オペレッタ、オペラ2回、大声楽曲を4夜連続で聴いて、今回の旅は完了です。明日からの音楽体験も是非、共有してくださいね。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~イワン・レンドルのミュシャ・コレクション・・・エステート劇場でオペラ

今日はプラハの4日目。ともかく暑くて、フーフー・・・・。

実質的にプラハの最終日。やり残したことをやっておきましょう。
まず、市民会館でやっている元プロテニスプレーヤーのイワン・レンドルの所有するミュシャのポスター完全コレクション(本当に完璧なコレクションなのかな?)の世界ツアーのプレミエ公開を見ておきます。確かに凄い数で、ミュシャ美術館の展示を上回るかもしれません。それはさておき、会場の2階展示室に上がる途中で、スメタナホールでリハーサルをやっているのをドアの窓から覗いてしまいました。美しいホールですね。今度はここでプラハ交響楽団の演奏を聴いてみましょう。


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次にこの市民会館前からスタートするヴルタヴァ川クルーズ。期待しましたが、ヴルタヴァ川はカレル橋付近は川の段差もあり、クルーズ船は航行不可能で、カレル橋はおろか、王宮も遠目にしか見えません。見えたのは、昨日行ったキュビズム建築の2軒だったのは皮肉な結果。残念・・・。

陸に上がって、キュビズム建築で見逃していた《黒い聖母の家》と《雪の聖母教会》の前の街灯の2つを見ましたが、これがキュビズム建築なのって感じでした。


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夜はエステート劇場でモーツァルトのオペラ《フィガロの結婚》。この劇場で実際にモーツァルト自身の指揮で《フィガロの結婚》が演奏されたそうです。1787年1月ですから、226年も昔のことです。ここでモーツァルトが指揮したのかと思うと、感慨しきりです。オーケストラが上手いわけではなく、歌手も国際的には無名の人たちですが、どんどん、モーツァルトの最高の音楽に引きこまれて、第4幕では、感動の涙でした。3日間、チェコの音楽を聴いて、チェコの音楽家のテクニックを超えた音楽の本質への訴求の素晴らしさに脱帽の思いでした。照明に美しく照らし出されたエステート劇場を後にします。


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明日はまた、音楽の総本山のようなウィーンに戻り、最後の音楽三昧です。


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オペレッタ《ルーナ夫人》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.6.19

フォルクスオーパーの新演出のオペレッタ《ルーナ夫人》・・・フォルクスオーパーはおろか、市内の至る所で大々的に宣伝しています。よほど、力を入れているようです。saraiとしては、オペレッタの師匠、FeriさんとSteppkeさんのお勧めもあり、さすがにプルミエの日はご遠慮し(その日はコンツェルトハウスでウィーン交響楽団のツェムリンスキー《人魚姫》を聴きました)、今日、出かけました。お蔭で、平土間最前列の中央という最高の席でかぶりついて鑑賞。

このオペレッタの内容は演出によって、大きく変わり、歌われる曲までも変わってしまうそうです。詳細な内容は既に師匠のFeriさんのブログに詳しいので、そちらをご参照ください。
一部、重なるところもありますが、saraiの印象を書き連ねてみます。

まずは、とてもショーアップされた内容でオペレッタというよりもミュージカルかと思ってしまいますが、これがベルリン・オペレッタというものなのかもしれません。もちろん、歌を聴けば、明らかにオペレッタです。ショーアップされた内容は映像を駆使して、月、地球をズームアップしたり、プリンス・シュテルンシュヌッペ(流星王子)の宇宙自動車を飛ばしたりとか、実に多彩な内容です。一番こっているのは、衣装とメイクアップ、それにかぶりものです。ハリウッド映画の宇宙ものと張り合うようなド派手なもので、見事というよりほかはありません。オペレッタでここまでやるんですね。舞台装置は月旅行のバルーンを吊り上げたり、プリンス・シュテルンシュヌッペ(流星王子)の宇宙自動車を吊り上げたり、これまた、派手な内容です。そういう大衆向けの楽しい内容のせいか、観客席には、親に連れられた子供の姿が目立ちます。これまでのオペレッタではなかったことです。将来のオペレッタファン獲得につながればいいですね。子供も着飾り、ママも着飾っています。

さて、肝心の音楽的な内容ですが、耳になじみやすい曲が次々に歌われ、これぞ、オペレッタというものに仕上がっていました。歌手はみなマイクを付けて歌っていましたので、実際の声量とかは分かりませんが、ごく自然に聴こえ、オペレッタとしては、十分、評価できるレベルです。歌・演技ともに楽しめたのは、なんと言っても、プーゼバッハ夫人役のIsabel Weickenです。彼女のいかにもオペレッタというオーバーな歌・演技には、すっかり堪能しました。ルーナ夫人のJulia Kociは歌はそこそこですが、容姿がとても素晴らしい。魅力的でした。マリーのJohanna Arrouasはなかなかの歌唱力。容姿もマリー役として、生真面目風がよくはまっていました。プリンス・シュテルンシュヌッペ(流星王子)のThomas Paulは体も大きく、少し、立派過ぎるのが難点ですが、歌はなかなかのもの。テオフィルのBoris Ederは、もうひとつ、個性がバーンと前面に出てこない感じで、もどかしく感じました。ロベルト・マイヤーなら、とぼけた演技、声の響きなど、観客を沸かせたことでしょう。シュテップケ役のDaniel Prohaskaもよい演技でした。明るく元気な好青年という雰囲気があまりに出過ぎのような感はありました。もうちょっと一途な感じもあってよかったのでは・・・。
オーケストラはずい分、リハーサルを重ねたのでしょう。よい演奏でした。

全幕、楽しい音楽が流れましたが、何といっても休憩前を締めくくったBerliner Luft(ベルリンの風)の楽しさといっては、もうたまりませんね。こういうのがあるから、オペレッタをつい聴いてみることになってしまいます。当然、最後のフィナーレもこのBerliner Luft(ベルリンの風)でしめくくられるものと思っていたら、空振り。残念です! と思っていたら、カーテンコールで突如、のBerliner Luft(ベルリンの風)をオーケストラが演奏し始め、舞台上の歌手たちも合わせて、歌い始めました。これで大満足!!

今日のキャストは以下です。

  演出:Peter Lund
  指揮:Gerrit Priessnitz
  管弦楽:フォルクスオーパー管弦楽団

  ルーナ夫人:Julia Koci
  プリンス・シュテルンシュヌッペ:Thomas Paul
  ステラ:Regula Rosin
  テオフィル:Boris Eder
  プーゼバッハ夫人:Isabel Weicken 
  マリー:Johanna Arrouas
  フリッツ・シュテップケ:Daniel Prohaska
  レマーマイヤー:Andreas Daum
  パンネッケ:Carlo Hartmann
  ヴェヌス:Martina Dorak
  マルス:Stefan Tanzer
  
明日はウィーン国立歌劇場で楽劇《カプリッチョ》。楽しみです。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~プラハもウィーンも暑過ぎ!!

今日はプラハを発って、ウィーンに向かいます。

プラハは驚くほど立派な大きな街ですが、プラハの郊外に出ると、森と麦畑が続くだけで、街らしい街はほとんどありません。三時間ほど走って、やっと大きな街のブルノに着きました。この街を出ると、また、何もなし。オーストリアに入ると、景色もなんだか豊かになったような気がします。
ウィーンが近づき、5時間弱でようやく下車。ウィーンもプラハ同様、ものすごい暑さです。ホテルに到着し、さあ、お部屋で、ガンガンに冷やして休憩しましょう。部屋に入って、エアコンのスイッチを探して見つけたものは、これです。


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ウィーンはエアコンのないホテルも多いとは聞いていたのですが・・・ガックリです。4泊二人で216ユーロですから贅沢は言えませんね。いいんですよ。石造りの建物ですから、効かないエアコンより、扇風機の方がずっとましですね。

今日は、フォルクスオーパーでオペレッタです。暑さにもめげずに出掛けます。ただし、ネクタイは持っていって、ホール近くでしめましょう。オペレッタは新演出の《ルーナ夫人》。ショーアップされていて、楽しいオペレッタでした。詳細は別記事でアップします。

明日は楽しみにしていたR・シュトラウス最後のオペラ《カプリッチョ》をウィーン国立歌劇場で聴きます。


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ウィーンでしか聴けない!《カプリッチョ》@ウィーン国立歌劇場 2013.6.20

いやはや、さすがにウィーンとしか言いようがありません。まったく、一分の隙もないキャストにウィーン国立歌劇場のオーケストラの素晴らしい響き、そして、エッシェンバッハの何ともロマンティックな音楽作り。R・シュトラウスの最後にして、畢生の楽劇《カプリッチョ》を堪能しました。

マドレーヌを歌わせたら、この人しかいないルネ・フレミングの歌唱。彼女のオペラもずい分聴きましたが、これほど、ぴったりするものは他にはありません。彼女のR・シュトラウスへのひたむきとも思える思いが結実しています。それに、クルト・リドルのラ・ロッシュ、ウィーンでは初披露だそうですが、オックス男爵に匹敵する名歌唱です。この人は今や、絶頂にあるのではないかと思わせられます。ミヒャエル・シャーデのフラマン、やっぱり、素晴らしいですね。少し、線が細いのかなと思っていましたが、明るく軽い声で、作曲家のひたむきな心情を歌いあげてくれました。特にソネットをマドレーヌに歌う場面、見事としか、言いようがありません。彼の歌に続くフレミングの歌唱と合わせて、これこそ、愛の2重唱で、感動してしまいました。オリヴィエ役のマルクス・アイフェの歌唱も予想外?の見事さ。ボー・スコウフスは実力通りの歌唱。そして、久しぶりに聴くキルヒシュラーガー、体型は少し変わりましたが、相変わらずの美貌。フレミングの歌唱を聴いていると、メトロポリタン・オペラを聴いているような錯覚も覚えますが、キルヒシュラーガーが登場すると、やはり、ここはウィーンだと納得。彼女を聴いた中ではベストの歌唱で、メゾ・ソプラノの美しい響きにうっとりしました。

オーケストラは最初の弦楽6重奏の美しいこと、オペラで最高の室内楽を聴けて、幸せです。しかし、これは室内楽ではないことをはっきり認識もしました。エッシェンバッハがしっかりと指揮していたんです。名人揃いのオーケストラメンバーに任せないで、エッシェンバッハの積極的な音楽作りが目立ちました。R・シュトラウスの擬古典主義の実に耽美的なロマンティシズムを余すことなく、見事に表現しきった指揮に大いに感服し、堪能させてもらいました。これなら、《ばらの騎士》を振っても素晴らしそうですね。あと、もちろん、《月光の音楽》も美しい響き、メロディアスな抒情、何も言うことはありません。

この《カプリッチョ》、R・シュトラウスが戦時中のナチス政権下でどんな思いで作り上げたのか、窺い知ることはできませんが、極限状況のなかで、芸術論のみに徹し切ったオペラを完成させた意気込みたるや、想像に余るものがあります。R・シュトラウスが最後のオペラとして、オペラそのものを題材として、言葉と音楽のいずれが重要かを論じ、結論として、その2つの融合こそがオペラの本質だとしたことは、オペラファンとしては納得できます。最後のオペラ=楽劇として、素晴らしいものを我々に残してくれたものです。このオペラは普遍の価値がありますが、やはり、ウィーンでの公演は格別です。オーケストラの素晴らしさ、劇場の素晴らしさ、そして、それにふさわしい華麗な舞台装置と衣装・・・このオペラはこうでないといけません。オペラの素晴らしさをオペラ自身でも公演自体でも描き尽くした決定版だと思いました。

《カプリッチョ》はやっぱり、ウィーンで聴かなくっちゃね!!!

今日のキャストは以下です。

  演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
  指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  伯爵夫人(令嬢):ルネ・フレミング
  伯爵:ボー・スコウフス
  フラマン:ミヒャエル・シャーデ
  オリヴィエ:マルクス・アイフェ
  ラ・ロッシュ:クルト・リドル 
  クレロン:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
  ムッシュー・タウペ:ミシェル・ロイダー
  イタリア人ソプラノ歌手:イリーデ・マルティネス
  イタリア人テノール歌手:ベンジャミン・ブルンズ
  
もう、こんな素晴らしいオペラを見たら、今回の旅を切り上げても悔いは残りませんが、明日もこのウィーン国立歌劇場で《ロミオとジュリエット》を楽しみます。


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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ウィーンで人気のシュピッテルベルク地区・・・素晴らしき《カプリッチョ》

昨夜は、強力な扇風機のおかげで、ぐっすり気持ち良く熟睡し、saraiも配偶者も二人揃って朝寝坊してしまいました。起床、10時半。プラハでの寝不足解消です。
ウィーンの空は、雲ひとつない快晴。もちろん気温はグングン上がっています。このままホテルでグタグタしていたい気分ですが、そうもいきません

地元の人に人気のシュピッテルベルク地区へ出掛けてランチをしてきましょう。ミュージアムクオーターのすぐ西側にあります。シュピッテルベルク地区は数本の小路からなる車の入れない歩行者天国になっています。昔ながらの石畳の路地で、バロックやビーダーマイヤー様式の美しい建物が立ち並んでいます。昼時はとっても静かで、ブラブラと歩きます。で、sarai達が選んだレストランZur Witwe Bolteは、シュピッテルベルク小路にある大きな木立に囲まれた涼しげなお店です。


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ハラハラと舞落ちる葉を、お店のおじさんがせっせと掃除しています。コンソメとコーンスープ、ターフェルシュッピツとマスのグリルをお願いしましたが、何と絶品でした。それにこのお店特製のアイスティーの美味しいこと!


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このレストランはsarai一押しのお店になりました。

今夜は、ウィーン国立歌劇場でR・シュトラウス最後のオペラ《カプリッチョ》です。最高のスーパーキャストで、素晴らしい公演でした。大変な感銘を受けました。詳細は別記事でアップ済です。

明日もウィーン国立歌劇場でオペラ《ロミオとジュリエット》を楽しみます。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2013/06/21 15:38
久しぶりにコメントします。
暑さ寒さ洪水その他にめげず、お元気でご旅行中のようでなにより。
今回の遠征でも素晴らしいオペラの数々に巡り合われたようですね。

ウィーンには4年連続遠征したのですが、来シーズンはマレーナさま出演オペラがウィーンにはないので一休み。4月には歩行器使用の義母も一緒だったので、あまりあちこち歩き回りませんでしたが、ミュージアムクオーターの中庭が気に入りました。そのすぐ近くに、このレストランがあるんですね。おすすめのターフェル・シュピーツ、次回にはここでいただきたいと思います。(いつもオペラ座近くのプラフッタに行ってしまう)

2, saraiさん 2013/06/22 00:02
レイネさんもお元気なようでなによりです。

配偶者とも、このお店、レイネさんに紹介したいねって、話していました。このお店の詳細の報告は多分、1年先くらいになるかもしれませんが、間に合いそうですね。ミュージアムクオーターの中庭のあの奇妙な椅子で寝そべるのが、お好みでしょうか?あっ、ところで、ターフェルシュピッツはスープなしなので、ビーフコンソメスープと合わせ技で食べるのがよろしいかと思います。プラフッタのターフェルシュピッツはまた格別な味ですね。

帰国の際、お時間が取れそうなら、また、ご連絡ください。

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驚異的な新人デビュー!《ロメオとジュリエット 》@ウィーン国立歌劇場 2013.6.21

今夜はウィーン最後のオペラ。最後の最後にとんでもない隠し玉というか、サプライズが待っていました。

発端はウィーン国立歌劇場の入り口に着いた時。妙にチケット売りの人が多い! 妙な胸騒ぎがして、張り出してある今日のポスターを見に行きます。ゲゲッ!!! 何と、主役のジュリエットを歌うニーノ・マチャイゼの名がなく、何だか、まったく知らない名前が記載されています。それも何と何と、ウィーン国立歌劇場に今夜、デビューする新人です。ここで一気にテンションがダウンします。ニーノ・マチャイゼはネトレプコの代役でジュリエットを歌い、大成功した若手です。ヴィデオでも、ヴェローナ野外音楽祭の素晴らしい歌唱を聴いて、大いに期待していたんです。

テンションダウンして、すっかりリラックスムードでオペラを聴き始めます。それに今日のウィーン国立歌劇場は観光客でいっぱいです。タイトルが《ロメオとジュリエット》なので分かりやすかったのか、ドミンゴが指揮をするので、客が集まったのか、定かではありませんが、決して、いい雰囲気ではありません。昨日の《カプリッチョ》とは様変わりです。白けながら聴き始めましたが、さすがにウィーン国立歌劇場のオーケストラは素晴らしい響きでグノーの甘美な旋律を奏でます。そうそう、今日はコンサートマスターがキュッヒルさんです。相変わらず、早くからピットにはいり、練習に励んでいます。前に寄って、会釈すると、きちんと会釈してくれました。真面目なかたです。

ともあれ、まったく期待外のジュリエットの登場。冷やかに聴き始めました。んん・・・!! これはっ・・・!! まずは大変な声量に度肝を抜かれます。ウィーン・デビューでの気負いもあるのでしょう。声量も声の響きも凄いのですが、コントロールがもうひとつのようにも感じます。ですが、とてつもないソプラノのような予感です。ウィーン初登場、いきなりの主役抜擢ですから、もちろん、単なる新人ではない筈です。それに指揮がドミンゴなので、そんな変なソプラノが出てくるはずもありません。名前はソーニャ・ヨンチェヴァ(レイネさんのご指摘で日本語表記が分かりました。原語はSonya Yoncheva)でブルガリア出身の32歳です。
第1幕でいきなり有名なアリア「私は夢に生きたい」は大変な負担でしょう。ネトレプコの澄み切った声の響きではなく、玉を転がすような声の輝きがあります。こういうソプラノは初めて聴きました。とても耳に心地よく響きます。ネトレプコとどちらがいいかと言われると、それぞれの持ち味があるとしか、言えませんが、ソーニャは若さと瑞々しさという武器があり、新鮮さに満ちています。デビューしたてのネトレプコの勢いも感じます。
第2幕以降のロメオとの2重唱では、ソーニャもすっかり落ち着き、声の響きのピュアーさも増してきました。高音域での輝かしい声の響きは素晴らしく、段々と惹きこまれていきます。ソーニャの声が聴けるのが、唯一の楽しみになってきて、彼女の出番が待ち遠しくなってきます。もちろん、ロメオを歌うベチャーラも期待通りの熱唱で、彼がこんなに歌がうまいとは驚きです。どちらかというと、実直に熱い心情を魂を込めて歌うテノールでテクニックは今ひとつと感じていましたが、彼もキャリアを重ねて、大変なテノールに成長しましたね。その素晴らしいベチャーラの歌唱にも支えれて、ソーニャの歌声はますます、素晴らしく響きます。特に婚礼の夜のデュエットには、すっかり参りました。なんと美しく、チャーミングなんでしょう。容姿も若々しい肢体にものを言わせて、セクシーです。ちょっと太めですが、今のネトレプコとは比べものになりません。そして、圧巻だったのは最後のデスシーンのデュエット・・・ちゃんとピアノッシモの美しい高音が聴けました。
ロメオとジュリエット以外の配役については、この作品の場合、亡霊1、亡霊2、・・・という感じにさせてください。最高のラブストーリーですから、恋人2人に絞りたいsaraiの心境・我儘です。幾分なりとも、ロメオとジュリエットにsaraiと配偶者を重ね合わせた一途な心境・・・馬鹿な奴だと分かってやってください。

今夜のオペラは不思議に感動はなく、興奮だけが残りました。グノーの甘美すぎる音楽のせいかもしれません。今度はソーニャのプッチーニあたりを聴いてみたいと思いながら、帰途につきました。ニーノ・マチャイゼには縁がなかったんですね。

今日のキャストは以下です。

  演出:ユルゲン・フリム
  指揮:プラシード・ドミンゴ
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

ジュリエット:Sonya Yoncheva
  ロメオ:Piotr Beczala
  キャピュレット卿:Il Hong
  ローレンス神父(ローラン神父):Dan Paul Dumitrescu
  メルキューシュ:Gabriel Bermudez
  ティボルト(ティボー):Dimitrios Flemotomos
  ステファーノ:Juliette Mars
  ジェルトリュード:Ulrike Helzel
  グレゴリオ:Marcus Pelz
  パリス:Mihail Dogotari
  ベンヴォーリオ:Martin Muller
  公爵:Alexandru Moisiu
  
やっぱり、オペラはいいですね。人間の声の魔力にとりつかれてしまいます。今日は新人ソプラノの驚異の歌声に我を忘れてしまうほどでした。明日はオペラではありませんが、一番好きなソプラノの一人、デノケの声が聴けます。楽しみは尽きません。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2013/06/22 17:43
ソニア・ヨンチェヴァ(日本語表示は多分これ)は、数年前リールとヴェルサイユでの『ジュリオ・チェーザレ』(ひいきのCT、クリストフ・デュモーのタイトル・デビュー)でクレオパトラ役だったので注目してます。(実演には接してません) そして今年のリールでの『ポッペアの戴冠』(応援しているCTたち、マックス・エマニュエル・チェンチッチとティム・ミード出演)でのビッチなポッペア役が仲間内で話題になりました。(Arteか MezzoのサイトかYoutubeで全編観れます)この1,2年各地で売り出し中・活躍中です。
そして、来年5月、アムスのDNOの『ファウスト』(ミンコフスキー指揮、アレックス・オレ演出!)のマルグリット役が決定してるので、見に(聴きに)行くつもりです。
パワーあふれる声の美人だし役どころが広いから、今後も期待できますね!

2, saraiさん 2013/06/23 16:32
レイネさん、詳しいコメント、ありがとうございました。

バロックを歌っていた人だったんですね。これでブレークすると、バロックから遠ざかってしまうかも・・・。
来年5月のマルグリット、僕も聴きたい!!!
続報があれば、また、教えてください。

今日、ウィーンを発ち、帰国です。しばらく、ヨーロッパの予定はありません(財政破綻!)。

3, レイネさん 2013/06/30 22:19
ヨンチェヴァは、来シーズン2回聴けるはず、と思ってたんですが、もう一回はDNOではなくてモネ。10月公演、トマの『アムレット』でオフェリア役です。ステファヌ・ドゥグーのタイトル・ロールは絶賛されてるし、こちらもミンコさん指揮、ピイ演出で見逃せません。(ミンコさん好みのソプラノってことかしら)楽しみ、楽しみ。

4, レイネさん 2013/06/30 22:22
先ほどのコメントの間違いを訂正します。モネ劇場の『アムレット』は12月公演です。チケットばら売り開始が10月から。

5, saraiさん 2013/07/01 00:08
レイネさん、続報ありがとうございます。
トマのハムレットとは、なかなか渋い演目ですね。確かにミンコフスキに見込まれたのかも。注目しておかないと、今年、来年はどこに出ても不思議ではなさそうですね。それにしても、レイネさんのテリトリでの出演が多いのも不思議。
来年の予定はこれからですが、DNOのチケット売り出しって、いつ頃からですか。

6, レイネさん 2013/07/01 02:30
DNOのバラうりチケットは公演開始日の3か月前発売からです。『ファウスト』のオンライン・チケット発売開始は2月10日の12時からです。公演は5月10,13,15,18,21,23, 25,27日で、18日と25日がマチネで13時30分、それ以外の日は19時開演です。
5月ってオランダではやたらと祝日が多いので、家族旅その他が入りそうなのでコンサートやオペラの予定が立てにくい。。。でも、気候的には通常好天が多いので、Saraiさんご夫妻のヨーロッパ遠征にはよろしいのでは。他の都市で目をつけてらっしゃる演目は、何かしら?
(ところで、6月の里帰りは実現しませんでした。急を要する用事がなくなったので。次回帰国は早くて今年の秋、遅くとも来年の春になります。)

7, レイネさん 2013/07/02 06:59
しつこくコメント続投で失礼します。ヨンチェヴァ情報です。
ミュンヘンの来シーズンスケジュールを見てたら、4月の『椿姫』に彼女がヴィオレッタ役で主演するのを発見。アルフレードはヴィリャゾン、パパ・ジェルモンはレオ・ヌッチで、4月15日、19日、25日の公演です。
ミュンヘンは、オーストリアやクロアチアに行くとき通り過ぎるだけで、停まったことも泊まったこともまだないんです。追っかけ歌手が登場しないから。。。

8, saraiさん 2013/07/02 10:36
レイネさん、凄い情報収集力ですね。

4月ミュンヘンですか。それに5月のDNO、そそられますね。4月はウィーンでガランチャ、シュヴァネヴィルムスの《ばらの騎士》もあるし、ウィーン→ミュンヘン→アムステルダムという日程ができあがりそう・・・
どうしよう??

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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~運よくリヒテンシュタイン宮殿・・・オペラは驚異的な新星に遭遇

ウィーンは今日も暑いです。でも爽やかな風が吹いているので、日陰は過ごしやすそうです。
今日はリヒテンシュタイン美術館に行きましょう。

リヒテンシュタイン公爵家の宮殿にふさわしい門構えです。宮殿の建物も立派。


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そこのオフィスにふらふらっと入り、美術館について聞いてみると、パンフレットをくれました。熟読してビックリです。なんと、美術館(実際は宮殿です)に入れるのは、月二回の金曜日の三時からのツアーでのみ。そして、今日がその貴重な金曜日の一回のようです。こんなラッキーなことはないですね。なんとしても見せてもらわなければいけませんね。

それまでどこかで時間をつぶしてきましょう。近くに、アウガルテン宮殿があります。広大な庭園もあり、美しい宮殿もあるようです。広大な前庭の奥の方に真っ白な建物が見えます。なかなか綺麗です。


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この建物は宮殿ではなくアウガルテン工房の建物です。宮殿はウィーン少年合唱団の寄宿舎に使われていて外からも見ることが出来きないそうです。折角だから、せめて、お庭でも歩いて帰りましょう。宮殿らしい樹木の並木が美しいお庭とイングリッシュガーデン風の花が植えられたお庭をぶらぶらして戻ります。

3時前に、リヒテンシュタイン美術館に戻ってきました。日陰のベンチには、3時のガイドツアー開始を待っていると思われる人が何人かいます。
3時になって、宮殿内に入れました。1枚20ユーロもする高価なチケットを買うと、ウエルカムシャンパンのサービスがあります。なかなか気が利いていますね。ところで、リヒテンシュタイン宮殿は旧市内(リング内)にもシティパレスがもうひとつあって、そのガイドツアーも今日の夕方で、コンビチケットはなんと1人38ユーロと高額です。もちろん、そっちはパスです。このツアーはドイツ語だけの説明です。ドイツ語のわかる人はツアーの中には半分もいませんでした。
大金持ちの国リヒテンシュタインらしく、内部の装飾は素晴らしいし、本当に手の込んだ家具調度品が素晴らしかったのですが、期待した絵画は大したものがありませんでした。
これは装飾の素晴らしい金の馬車です。実用品なのでしょうか。


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予定外に、観光をしてしまいました。早くホテルに戻って、休憩しましょう。
今日もオペラ《ロメオとジュリエット》です。いったんは主役のソプラノ歌手がキャンセルして代役が出演ということで落胆しましたが、その代役の新人ソプラノ歌手が素晴らしく、思いがけず大当たり。saraiは大満足です。このオペラの詳細は別記事でアップ済です。
ところで、オペラの途中の休憩時間にテラスに出て涼んだ後、屋内に戻ろうとドアを開けると、そこにとっても派手やかな、よく知っている顔が・・・昨夜のオペラで素晴らしい歌を聴かせてくれたソプラノのルネ・フレミングです。あまりの驚きに、一瞬固まってしまいました。間近から、メトロポリタンオペラの歌姫、いや、世界の歌姫のご尊顔に接してしまいました。素晴らしいおまけが付いてきました。
今夜は気持ち良く、オヤスミナサイ。


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一生に一度の邂逅!《グレの歌》@ウィーン・コンツェルトハウス 2013.6.22

いやはや、どこから書き始めれば、いいのか、迷ってしまうほど、実に多彩で凄すぎるコンサートでした。
シェーンベルクの《グレの歌》は無調音楽以前の後期ロマン派の絶頂をなす大曲で、ワーグナーはもちろんのこと、師匠のツェムリンスキー、さらにはマーラーの影響も受けつつ、シェーンベルクの濃厚なロマンの味わいを主軸にしています。曲は前半の第1部、及び後半の第2部、第3部からなりますが、前半と後半では、まったくと言っていいほどに、味わい・構成が異なり、聴く者にとって、受け止めかた・好みが分かれます。

saraiにとっては、どちらも衝撃的で素晴らしいのですが、大好きなのは前半の第1部です。第1部はヴァルデマール王とその愛人のトーヴェが交互に歌を交わしていく形式になっています。《トリスタンとイゾルデ》のように濃厚な愛を語り合うのではなく、もっとあっさりとした愛の歌です。あっさりと言っても、もちろん、ワーグナーに比べるとというだけで、深い情念を秘めた歌です。最初のオーケストラの前奏曲に続き、ジェイ・ハンター・モリスがヴァルデマール王の「いま黄昏がおとずれて」を低く、深い響きの声で歌い始めます。音域はバリトン。この人は本当にテノールなのっていう感じの響きです。しみじみとした歌に聴き惚れます。さすがに最近、ブレークしているワーグナー歌いのヘルデン・テノールです。柔らかい響きではなく、男らしい力を秘めた響きですが、表現はとても叙情的です。こういう響きと表現の組み合わせは、これまで聴いたことがありません。とても感銘を受けます。それにsaraiの席は2列目の中央、すぐそばでジェイ・ハンター・モリスとデノケが歌うので、ホールの響きではなく、声が直接耳に入ってきます。
次は待ちに待ったデノケがトーヴェの「おお月光が静かに滑るように輝き」を歌い始めます。このあたりは余裕の笑みさえ浮かべながらの歌唱。まだまだ、デノケらしいピュアーな高音のパートではありませんが、実に丁寧で美しい歌唱です。
次はまたジェイ・ハンター・モリスが「馬よ 我が馬よ」を激しく、ヘルデン・テノールらしく、大迫力で歌います。これは凄い。バリトンの声域からテノールの声域まで同じ力強く、輝かしい響きです。しかも深みのある響きでもあります。トリスタンを歌わせたい感じです。
次はまたデノケが「星が歓呼し 輝く海は」を初々しく、感性豊かにロマンチックに歌い、だんだん高揚してきます。でも、まだ、デノケの本領はこれからです。
ここでヴァルデマール王はトーヴェのいるグレの城に到着し、いよいよ愛の密会のシーンが始まります。このあたり、オペラにしたいくらいです。
ジェイ・ハンター・モリスが「神の王座の前で舞う天使たちの踊りも」で、すべての天使と引き換えにしても、このグレの城の宝、すなわち、トーヴェを決して手放さないと情熱的な愛の歌を歌います。リリックさも雄々しさも兼ね備えたスーパーテノールです。その底知れぬ実力を間近に聴き、鳥肌が立ちます。
デノケは「今私はあなたにはじめて申します」とヴァルデマール王への真実の愛の告白を歌います。見事な抑制された歌唱で胸に迫るものがあります。デノケらしい、素晴らしい響きが聴こえ始めました。こんな間近に完璧な歌唱を聴かされると、たまりません。
ジェイ・ハンター・モリスが「真夜中だ」と愛の喜びに燃えつつも、逆にいつか訪れる愛の終わり、すなわち、死へ不安を歌います。圧倒的な迫力、そして、暗い音楽です。
デノケの歌も最後の歌になります。もう、これで聴けなくなると思うと、とてつもない寂しさに襲われます。「あなたは私に愛のまなざしを送り」とヴァルデマール王を力づけるような、優しい愛の歌を歌いあげます。saraiがこの《グレの歌》でもっとも好きな歌です。デノケは見事な音程で感動的な歌・・・これはたまりません。今日のデノケは決して絶好調というわけではなく、特に超高音域の声がいまひとつ出ていませんが、それも素晴らしくカバーして、胸に迫る歌を聴かせてくれました。静かにデノケの歌は終わりました。ジーンときました。オペラなら、ここで拍手・・・それも盛大な拍手です。
ジェイ・ハンター・モリスが「不思議な娘トーヴェよ」を歌い、トーヴェの優しい歌でたましいに平安を得られたことを切々と歌います。
オーケストラの間奏がはいります。ヴァルデマール王の王妃ヘルヴィッヒの激怒でトーヴェは殺害されます。
最後にオーケストラ後方に立つ藤村実穂子が森鳩の声で「グレの鳩たちよ」を実にアーティスチックに歌いあげます。低く、そして、時として、ダイナミックに、素晴らしい声の響きです。それに恐ろしいくらいの感情表現。見事な歌唱でトーヴェの死を歌いあげます。素晴らしかったデノケを食ってしまいそうな勢いの歌唱です。この日は彼女の気魄がすべてに優っていたかもしれません。森鳩を藤村実穂子以上に歌える歌手はいないでしょう。

ここで、前半の第一部は終了。
もう、これ以上、何が聴けるのかという感じです。2人の愛は不倫の愛ですが、死をも超越するような純粋な愛。その愛は第1部で完璧に成就します。2人の見事な歌唱、さらに藤村美穂子が決めてくれました。そして、ナガノがうまくオーケストラをコントロールして、最高の出来。

休憩後の後半、第2部と第3部は、もう、デノケも藤村実穂子も登場しません。そのかわり、遂に総勢、200人以上の大合唱団が満を持して、登場。後半についてはもう詳しく書きませんが、フィナーレの大管弦楽と大合唱の大迫力は凄く、コンツェルトハウスのグローサーザールに轟きわたりました。この凄まじい音量に感動できない人はいないでしょう。そう、マーラーの交響曲第2番《復活》と同様です。ケント・ナガノのコントロール能力、音楽性も刮目するものがありました。そうそう、語り手の女優ズニー・メレスの《グレの歌》に没入した、彼岸にでも魂が飛ばされたような見事な語りも堪能しました。

今日のキャストは以下です。

  指揮:ケント・ナガノ
  管弦楽:ウィーン交響楽団
  合唱:Wiener Singakademie、Orfeo Catala、Cor de Cambra del Palau de la Musica Catalana、Herren des Chores des Slowakischen Nationaltheaters

  ヴァルデマール:ジェイ・ハンター・モリス
  トーヴェ:アンゲラ・デノケ
  森鳩:藤村実穂子
  農民:アルバート・ドーメン
  道化:クルト・アゼスベルガー
  語り手:ズニー・メレス

今回の旅で、各都市で素晴らしいオペラ・オペレッタ・コンサートを聴きましたが、それらの集大成として聴くのにふさわしい超大曲《グレの歌》でした。きっと、saraiの1生で1度の音楽体験になるに、相違ありません。



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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~ドナウタワーからのパノラマ、そして、究極の《グレの歌》

ウィーンは今日も暑いですが、昨日までに比べたら、ずい分、過ごしやすくなりました。

実質、今日がウィーン最終日。元気を出して、今まで行ったことのないドナウタワーに行って、タワーの上に上ってみましょう。
地下鉄U1で国連都市まで行って、そこから、ドナウ・パークを歩いて、20分ほどでドナウタワー。絶好の天気なので、タワーの展望レストランで食事。旅の最後なので3コースメニューを贅沢にいただきます。
展望レストランはゆっくり回転しながらの食事です。ゆったりの2時間以上の食事で5回転以上は360度のパノラマを楽しみました。ドナウ川をこんなによく見たのは初めてです。中洲がずい分多いのが分かりました。


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市内も目を凝らせば、聖シュテファン大聖堂やベルヴェデーレ宮殿も見通せます。これは聖シュテファン大聖堂。


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その後、ホテルでゆっくりと休養して、最後のコンサートにコンツェルトハウスに出かけます。シェーンベルクの大曲《グレの歌》・・・凄いキャストでコンツェルトハウスのグローサーザールにピアノッシモから超巨大なフォルテまでが響き・轟きわたりました。これは一生に1度しか聴けないコンサートになりそうです。だって、これはウィーンでしか、こんな響きを体験できないでしょうからね。前方2列目の中央から間近に聴いたデノケの歌、そして表情は脳裏に強く刻み込まれ、忘れることはできないでしょう。藤村美穂子の森鳩の歌も素晴らしいものでした。この歌は彼女以上に歌える人はいないでしょう。まあ、枚挙できないほど、賛辞を送らないといけない内容のぎっしりつまったコンサート・・・詳細は別記事で書きます。
ともかく、今年の4月、6月の合計50日近い旅の総決算にふさわしい偉大なコンサート・・・すっかり満足・納得です。

コンサートでは、ブログの読者のかたとも無事、お会いでき、楽しくおしゃべりさせてもらいました。
コンサート後は、ウィーンのお友達Hさんと夜遅くまで、音楽論・宗教論、等々を熱く語り合いました。Hさんともしばらくのお別れになります。明るい笑顔での別れでした。

ホテルに帰って、さあ、帰国モード。何としても、WEBチェックインを済ませないといけません。ANAは自動チェックインですが、不親切にもフランクフルト~成田までしかやってくれません。ウィーン~フランクフルトはANAのサイトでもチェックインできず、オーストリア航空のサイトで苦労してチェックイン。あとは印刷情報をプリントアウトする必要があります。オーストリア航空はPDFファイルなので、USBメモリーに格納して、ホテルのプリンターで簡単に印刷できます。ANAの場合はPDF化してくれないので、HTMLファイルを保存して、印刷する必要があり、面倒です。結局、IEではうまく行かず(バーコードが印刷できない)、FIREFOXで保存して、何とかクリアー。ANAはPDF化と乗り継ぎ航空会社便のWEBチェックインのサービス向上に早く努めてもらいたいものです。特にPDF化は欧州系の航空会社では常識です。これもガラパゴス化のひとつで、国際標準になっていないものと言えるでしょう。

さあ、帰国準備もできました。明日はそこそこ早起きして、買い物とウィーンのカフェ訪問で総仕上げしましょう。

旅のレポートの続きはもう帰国後になるでしょう。引き続き、ご愛読願います。


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この記事へのコメント

1, KGさん 2013/06/23 19:36
初めまして。
この夏オーストリアに旅行の予定の者です。
オーストリア鉄道の事について調べるうちに
こちらにたどり着きました。
オペラは詳しく存じませんが、クラシック音楽(主に管弦楽とパイプオルガン)が好きで
このような素晴らしいサイトに出会う事が出来て感動しております。
ドイツへは2回ほど行った事がありますが、
隣国という事もあり、オーストリアにはまた異なる素晴らしさがあるでしょうね。
他の記事も楽しみたいので、またお邪魔させて下さい。

2, saraiさん 2013/06/23 23:55
KGさん、初めまして。

クラシック音楽を愛する同志として、今後ともよろしくお付き合いください。今、ウィーンの空港です。帰国後は国内の音楽体験の記事も書きますので、ご愛読くださいね。

また、コメント、お寄せください。

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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~間もなくウィーン出発、最終日はカフェ・ハイナー尽くし

今、ウィーンのシュベヒャート空港の出発ロビーでフランクフルト行のオーストリア航空機の搭乗待ちです。
このあと、フランクフルトから成田行きのANAのB777に乗って、長い旅を終えようとしています。

ウィーンの最終日は大好きなカフェ・ハイナーでまず、朝ごはん。


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ケルントナー通り、コールマルクトあたりをちょっとうろつき、聖ミヒャエル教会、アウグスティナー教会でオルガンやミサをちょっと聴いたりしながら、再び、カフェ・ハイナーに戻って、最後のお茶。ここで久々のザッハートルテをミット・シュラーク(ホイップクリーム付き)でいただき、ウィーンの旅もグランド・フィナーレです。


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長い旅で、最後は猛暑でくたびれて、ダウン寸前?でしたが、素晴らしい音楽に各地で出会え、とても実り多い旅。今後、こういう経験は難しいとも感じるほどの音楽体験でした。配偶者には少々、難解過ぎる音楽もあり、よく、付き合ってくれたと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。
帰国後はしばらくはおとなしくしていましょう。

今回の旅もご愛読いただいた皆様には感謝しています。帰国後はまた4月の旅の詳細編を再開しますので、ご愛読くださいね。


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この記事へのコメント

1, さくらママさん 2013/06/24 06:43
saraiさま
お目に書かれて嬉しかったです。素敵な奥様と、とても紳士なsaraiさま想像してた通りでした。
それにしても素晴らし過ぎたグレ(*^_^*) しばらく感動にひたっています。
今日はアウグスティーナのミサを聴いていましたので、又ご一緒でしたか!ハイナー明日行こうと思っています。
では又どこかでお目にかかれたら嬉しいです^_^
【今、帰りの座席一番前を抑えました】

2, saraiさん 2013/06/24 23:55
さくらママさん、早速のコメントありがとうございます。

こちらはもう自宅ですが、そちらはまだ、ウィーンで楽しまれていて、いいですね。グレの歌はあり得ない凄さでしたね。アウグスティーナのミサは後ろからちょい聴きです。ハイナー行かれますか?余計なことですが、ケルントナー通り本店の2階のコーナー席か窓際がいいですね。

また、お会いして楽しいお話をしたいですね。しばらく、海外の予定はたっていないので、当ブログにコメントをお寄せくださいね。

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ブダペスト・ウィーン・ドレスデン・プラハの旅~旅は完了、お疲れモード

ウィーンの空港、搭乗まで、まだ時間があるので、インターネットにつないでブログを更新します。ウィーンの空港は無料でWifiが時間無制限で接続できます。また、PC を使用するためのシートもあり、電源もあります。しかし、電源はなんとしても繋がりませんでした。同様の経験は羽田空港でもあったので、空港で電源を使用するコツとかあるんでしょうか。

フランクフルトに到着。フランクフルト空港のANAの搭乗口でもまた、ネット接続。少々、ネット中毒気味です。フランクフルト空港はテレコムが30分間の無料接続を提供してくれています。トランジットだったら、これで十分ですね。

あとはフランクフルトから成田まで約11時間の飛行。旅の名残を惜しみながら、白ワインを飲んで、ぐっすり寝た夢は・・・何にも覚えていません。成田に着いたら、どっと疲れが出てきて、自宅の横浜までの電車の2時間、こんこんと眠り続け、配偶者に起こされて、ようやく、最寄り駅を乗り過ごさずに済みました。

まあ、グランド・フィナーレなんて、かっこいい旅の終わりじゃありませんね。

でも、素晴らしい音楽の数々でした。

 ティーレマン、ガランチャ、シュヴァネヴィルムスのゼンパーオーパー《薔薇の騎士》が筆頭

続くのが

 ラトル、フォン・オッター、ベルリン・フィルの2回のマーラー:交響曲第2番《復活》
 フレミング、キルヒシュラーガー、リドル、シャーデ、スコウフス、エッシェンバッハのウィーン国立歌劇場《カプリッチョ》
 デノケ、ジェイ・ハンター・モリス、藤村、ナガノのウィーン交響楽団《グレの歌》

これらは超弩級。ほかも音楽的に素晴らしい内容でした。驚異の新人ソーニャも聴いたしね。

やっぱり、こう並べると、グランド・フィナーレでもいいかな・・・・

お友達のみなさんとも楽しい時を過ごしたし、本当にいい旅でした。

なお、詳細編は4月の旅の詳細編の後に書きますので、いつのことになるのやら・・・期待はしていてくださいね。


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1, おしどり夫婦さん 2013/07/10 11:17
saraiさん、奥様、今日は。お帰りなさい。
私たちは、旅から帰ってあっという間にひと月たってしまいました。

ブログで見ている後ろ姿に似ていらっしゃたので、ミュンヘンで不躾かと思いましたが突然声を掛けさせていただきました。オペラ座は広いのでお会いできるかどうかなと思っていましたが、トラムでご一緒するとは思っていませんでした。
ドレスデンでもとても楽しい時を過ごさせて頂きありがとうございました。
次回はバルセロナをメインに計画を進めています。スペインは新婚旅行以来初めてで、当時はまだオペラが目的の旅をするようになるとは想像もしていませんでした。
またいっぱいお話ししたいので、どこかでお目にかかれるのを楽しみにしています。

2, saraiさん 2013/07/11 01:45
おしどり夫婦さん、こんばんは。

ミュンヘン、ドレスデンでは、楽しくご一緒させていただきました。ありがとうございます。見知らぬsaraiを見分けた眼力には驚かされました!

バルセロナのリセウはsaraiの初めてのヨーロッパの旅でも訪れた思い出のオペラハウスです。グルベローヴァのツェルビネッタに驚嘆しました。
saraiは次の旅はまだ手つかずです。次の旅に着手されているのが羨ましい限りです。

また、コメントをお寄せくださいね。

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美しきアルプス交響曲:フルシャ+東京都響@サントリーホール 2013.6.26

今シーズン初めての東京都交響楽団のサントリーホールでの定期演奏会です。インバルやフルシャが指揮するときの都響はいつも素晴らしい演奏なので、今日も期待できます。ところが、saraiは一昨日にヨーロッパからの長旅から帰国したばかり。少し、お昼寝をして、対応しましたが、やはり、クリアーな気分では鑑賞できずに残念です。コンサート自体はショパンのピアノ協奏曲もアルプス交響曲もとても美しい感じてはいたんですが、細部まで味わい尽くすというところにはほど遠い状態。まあ、そんな状態ですが、ともかく、書けるだけは書いてみましょう。

この日のプログラムは以下の内容です。

 指揮:ヤクブ・フルシャ
 ピアノ:ヤン・リシエツキ
 管弦楽:東京都交響楽団

 ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.21

 《アンコール》ショパン:練習曲ハ短調 op.25-12

  《休憩》

 R.シュトラウス:アルプス交響曲 Op.64

初めはショパンのピアノ協奏曲第2番です。ピアニストのリシエツキを見て、仰天! 何と少年のような面差しです。プログラムに拠ると、彼は1995年カナダ生まれとありますから、弱冠18歳ですね。
まずは長大なオーケストラの前奏が始まります。出だしのヴァイオリンの柔らかい響きに魅せられます。これぞ、都響って感じですが、フルシャの指揮の素晴らしさでもあります。音楽って、初めよければ、すべてよしってこともないですが、やはり、ぐっと引きつけられます。評判の悪いショパンのオーケストラ部分ですが、なかなか聴かせてくれます。肝心のピアノですが、リシエツキはその若さにもかかわらず、力の抜けたタッチで無理のないショパンを聴かせてくれます。それが如実に表れたのが第2楽章。見事な演奏でした。ただ、若さにまかせて、鍵盤を叩き過ぎる部分もあり、そのあたりがこれからの課題でしょうか。強くても澄みきったタッチを身に着けたら、一層の飛躍が望めるでしょう。いずれにせよ、楽しく聴けた美しいショパンでした。

休憩後、R.シュトラウスのアルプス交響曲です。とても雄大で美しいアルプス交響曲でした。何といっても、最後の部分、「終結」と「夜」の美しさは例えようもないもの。R.シュトラウスの音楽を見事に表現したフルシャにまたまた感服しました。こうなると、《英雄の生涯》あたりも聴いてみたくなりますね。ますます、フルシャからは目を離せません。


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旅はオランダから~運河の街、デルフトの朝

2013年4月7日日曜日@デルフト~アムステルダム~ロッテルダム/1回目

旅の4日目です。

デルフト最初の朝です。配偶者は昨夜早く寝てしまったからか、早朝6時にはお目覚め。元気よく起き出して、ブログ書きに精を出したそうです。たっぷり書き上げたころにsaraiがお目覚め。
今日は滞在中のデルフトからアムステルダムに遠征して、一昨日と同じく、コンセルトヘボウでハイティンクのブルックナーの交響曲第8番を聴きます。
ホテルの朝食を頂いて出かけましょう。なかなか充実したバラエティ豊かな内容の朝食です。


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例のごとく配偶者はチョコレートをお願いします。お魚の燻製がなかなか美味しいのが特筆すべきポイントです。


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フルーツとお菓子が可愛く、美味しいのもいいですね。


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朝食ルームの大きな窓からは運河沿いの建物も見えていて、すこぶる雰囲気がいい!


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朝食ルームに続くロビーには綺麗な花が飾ってあります。もちろん、チューリップ。


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ゆっくりと時間をかけて、朝食をたっぷりと頂きました。

さあ、出かけましょう。曇ってはいますが、それほど気温は低くなく、ちょっとしっとりとした空気で靄っています。日曜ミサの鐘が鳴り響く中を駅に向かいます。デルフトの運河はとても綺麗です。


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ずっと向こうには、旧教会の建物が見えています。


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少し歩くと、工事現場の向こうにデルフト駅の古風な建物が見えてきます。


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デルフト駅への途中、ちょうどトラムの停留所にトラムが入ってきました。デルフトとデン・ハーグを結ぶ1番のトラムです。このトラムには、昨日デン・ハーグで乗りました。何だか、懐かしい・・・。


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駅そばには、大量の自転車の置き場があります。失礼ながら、大量のゴミに見えなくもない・・・。それほど、オランダは自転車大国です。


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昨日は駅からホテルに行くのに大きな荷物を持っていたので大回りしましたが、今朝は身軽な状態なので、さっと歩道橋に上がります。


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歩道橋の上からは、駅前の大工事中の様子がよく見渡せます。大変な工事です。この工事はいつ、どのように完成するんでしょう?


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歩道橋を渡ってホームに行くと、既に電車は入線しています。


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早速、乗り込みます。清潔で明るい車内です。それに空いている。日曜だからかな。


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デルフト駅からアムステルダム中央駅へは、ロッテルダム中央駅で乗り換えて行きます。今日も昨日に引き続き鉄道工事中で、デルフト~アムステルダム間の直通運転は休止です。したがって、迂回ルートで、デルフト駅からロッテルダム方面に行く電車に乗ります。本来のアムステルダム方面行とは逆の方向です。


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近くに座っていた親切なおじさんが2人の写真を撮ってくれました(2人のプライベート写真は非公開・・・悪しからず)。オランダのみなさんは、とても親切です。

これからロッテルダム中央駅経由でアムステルダム中央駅へ向かいますが、電車がさほど遅れずに運行されるか、ひやひやものです。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2013/06/28 04:12
長旅、お疲れ様でした。
そして、間をおかずに4月の旅詳細編が始まったのですね!
デルフトの写真は,よく見知ってる場所です。
8枚目の写真の橋を渡って、駅に向かう小路を通らずに左折すると17世紀の元東インド会社デルフト支店の建物があり、その奥の中庭に面した建物に長男が住んでるんです。広い敷地で、建物の反対側は駅に面してるので、駅の歩道橋から見た別の写真にも写ってる。。。
新駅は、長男によると2017年完成予定です。現在の小さくて古い駅舎はカフェとして残してその隣に新駅舎が建ち、工事中の写真の中央辺りは(自転車置き場とトラム乗り場の中間)、市庁舎と運河と広場になるそう。

2, saraiさん 2013/06/28 08:45
ようやく、オランダに戻ってきました(笑い)。
デルフトはよく御存じですね。写真の橋はおっしゃる通り、駅に向かう小路の前の運河にかかる橋です。この運河通りを進むと、息子さんの住む歴史的建造物だったのですね。駅の歩道橋からの写真ではクレーンの後ろの建物?それとも、その2つ左の大きな建物?
古い駅舎はカフェですか。ウィーンのカールスプラッツ駅舎みたい。完成すると、駅前は様変わりですね。旧市街地と調和するといいな。

3, さとちゃんさん 2013/06/28 15:44
こちらのブログを見つけて、驚いています。
何て素敵な内容なんでしょう。私たちも音楽が好きでよく
ヨーロッパに行きますが、訪れたところがsarai様と似通っていて
懐かしい都市やホテルもたくさんありました。
まだ全部は読み切れていませんが、今後楽しみに夫婦で
読ませていただきます。横浜から成田エキスプレスというのも
同じなんですよ。またコメントさせてください。

4, レイネさん 2013/06/28 17:39
電車線路と平行してトラムの走る通りに、駅に向う横断歩道があり、そこがドンピシャ、アパートの裏入口です。運河側の表玄関は由緒ある歴史的建造物で、駅に面した側は普通のアパートなんです。
ロッテルダム駅も、昨年新駅舎が完成したばかりです。
デルフト新駅・新市庁舎・広場・運河のマスタープランと設計は、デルフト工科大学建築学部出身・デルフト在住の建築家が主宰するMecanooという建築事務所が担当しているので、ブルーのデルフト焼きタイルをイメージした美しいコンプレックスになるはずです。

以前の記事の写真にある、東門の運河を挟んだ向かいのアパートに、長男は最初の2年間住んでました。窓からの眺めは多分デルフト随一。ただし、運河の回転橋が目の前で、頻繁に遮断機が下りたり、開かずの踏切みたいになる(15分待っても開かなかったことが。別の橋はすご~く遠回り)のだけが難点でした。

5, saraiさん 2013/06/29 01:25
さとちゃんさん、初コメントありがとうございます。

saraiのブログをお褒めいただき、感謝です!

行かれたところが共通しているんですね。それぞれについても感想をお寄せください。

なお、成田エキスプレスに乗っていたのは定年前です。今は京急、都営、京成を乗り継いで、最低運賃を目指しています。ホテルも5つ星は昔の話。今は格安ホテルで我慢です。

6, saraiさん 2013/06/29 01:30
レイネさん、アパートの位置、イメージできました。
ロッテルダムの駅もできたばかりだったのですね。駅前は凄く立派ですね。
デルフトの美しいコンプレックス、是非、見てみたいものです。5年後ですね。

息子さんはまさにフェルメールの《デルフトの眺望》の世界に住んでいたんですね。美しさをとるか、便利さをとるか、究極の選択というわけですか・・・。

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旅はオランダから~デルフトを出て、ロッテルダムから高速列車FYRAでアムステルダムへ

2013年4月7日日曜日@デルフト~アムステルダム~ロッテルダム/2回目

デルフト駅から、ロッテルダム中央駅経由でアムステルダム中央駅まで向かいます。

デルフトからロッテルダムは15分ほどです。電車は順調に走り、途中でロッテルダム近くのSchiedamという街を通過。


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Schiedamを出ると、もうロッテルダムが近くなってきます。


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ロッテルダム中央駅に着き、アムステルダム行の高速列車FYRAのプラットホームを探します。


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そのアムステルダム行の高速列車FYRAの乗り換えが分からず駅員さんに訊こうとしますが、電車が遅れているらしく、その情報を求めて駅員の周りに人が集まっています。


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何とか発車時刻とホームの番号を訊き出して(駅員さんが携帯端末のようなもので検索して教えてくれました、感謝!)、そのプラットホームに行きます。ホームには、アムステルダムに向かう特急電車THALYSが停車中。


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THALYSは全席指定の筈なので、多分、乗ることはできません。無情にも、THALYSは滑るようにホームを出ていきました。THALYSはカッコいいですね。いつか、乗ってみましょう。


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saraiが乗る高速列車FYRAは、あと10分ほどで来るようです。


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プラットホームには、待っている乗客が大勢います。結構、混み合いそうですね。


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高速列車FYRAは、発車時刻の5分以上も前にホームに入ってきました。先ほどの特急電車THALYSほどカッコよくないので、ちょっとがっかり。


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でも、車体には大きな赤いデザイン文字でFYRAと描かれていて、なかなかの見栄え。見直しました。


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車内に乗り込むと、ファーストクラスはゆったりした座席で、それほど混み合っていません。オランダらしく、シートが大きいのに感心。これなら、でっかいオランダ人が座っても余裕でしょう。


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配偶者と並び席を確保して、一安心。車窓からは新装なったロッテルダム中央駅の美しいガラス天井が見えます。レイネさんのお話によると、1年前に完成したばかりの駅舎だそうです。ホームも同時期なんでしょう。


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電車がロッテルダムを出ると、なんだか雲行きが怪しくなってきました。その雲の下はどこまでもフラットなオランダの国土です。


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しばらくすると、空が明るくなってきました。青空です。その青空の下、広大な温室栽培の農園です。ところどころで水蒸気が上がっているのは、暖房しているようです。この国もコストをかけた農業をやっているんですね。


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いかにもオランダらしい風景が見えてきました。どこまでも続く1本道。並木が綺麗です。


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車窓に目を奪われているうちにスキポールの駅に到着。ここからはアムステルダムも近いはずです。


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スキポールを出て少しすると、ビルが目立ち始めます。アムステルダムが近づいたようです。


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アムステルダムに到着。配偶者は早起きの疲れからぐっすり眠っているうちにアムステルダムに到着です。結局、ロッテルダムから40分ほどで、さほどの遅れはありませんでした。


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電車が遅れるかも知れないと思い当初の予定よりも早く出発したのですが、それほど遅れずに到着したのでまだまだ時間に余裕があります。シンゲルの花市場に寄って行きましょう。
駅前からトラムに乗ります。アムステルダム中央駅は堂々たる構えですね。


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旅はオランダから~シンゲルの花市場は空振り・・・

2013年4月7日日曜日@デルフト~アムステルダム~ロッテルダム/3回目

アムステルダム中央駅からシンゲルの花市場にトラムで向かいます。トラムはアムステルダム1番の大通りダムラックDamrakと並行した裏通りのニーウェゼイズ・フォールブルグワル通りNieuwezijds Voorburgwalを走り、やがて新教会の重厚な建物が見えてきます。


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新教会De Nieuwe Kerkはダム広場De Damに面していますが、こちらは反対側なので広場は見えません。新教会と言えば、先ほど新国王に即位したウィレム=アレクキサンダー皇太子がマキシマ妃と結婚式を挙げた教会です。もちろん、この時点(4月7日)は即位式のちょっと前で、即位式のあった日(4月30日)の喧騒は想像もつきません。
その新教会の隣は王宮Koninklijk Paleisです。王宮もダム広場に面したほうが正面なので、こちらは裏側になります。


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シンゲルSingelの花市場の最寄の停留所コーニング広場Koningspleinでトラムを降ります。
花市場にはお店がズラリと並んでいます。配偶者は何か面白いものはないかと店先を物色中。


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saraiには、綺麗な花々が並んでいるように思えます。


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配偶者の感想は、どれもあまり変わり映えのしないお店ばかりで、並べられている花もありきたりとのこと。そうですかねえ。


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それに売っているものは球根ばかり。本当に安いのですが、今の時期にチューリップの球根を買ってもね・・・と配偶者はぼやいています。


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もちろん、チューリップの花もとても安い価格(1本20円程度)で売っていますが、これを買ってもしょうがないですね。


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大きなお店の天井には、ドライフラワーがびっしりと吊り下げられていて、なかなか豪華でした。


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配偶者は、花にあふれた市場を想像していたのでがっかりだったようです。空振りに終わったシンゲルの花市場を抜けると、ムントタワーMunttorenが見えます。以前も見たので懐かしい! ムントタワーは取り壊された城壁の名残りで、時計塔になっています。


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特別に見たいものもないので、早々にコンセルトヘボウ(コンサートホール)に向かいます。このあたりはムント広場Muntpleinで人の往来も多いですね。


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トラムの乗り場のあるローキン通りRokinに出ます。


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ローキン通りの先はダムラック通りになって、アムステルダム中央駅にぶつかります。街を南北に走る大動脈です。


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トラムに乗って移動。コンセルトヘボウHet Concertgebouwは、広々としたミュージアム広場Museumpleinに面しています。この広場には、国立美術館とゴッホ美術館も面しているのですが、あいにく両方とも閉館中。この広場に面して、最近、市立美術館が再オープンしました。この広場に到着した頃にはすっかり青空になり、気温も上がり、いよいよ春近しの陽気になりました。その陽気に、大勢の人が芝生に寝転んで太陽を楽しんでいます。


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これがリニューアルオープンを数日後に控えた国立美術館。タッチの差で今回も見ることができず、残念!


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これが左から市立近代美術館とゴッホ美術館。ゴッホ美術館の主要所蔵品はエルミタージュ美術館で見たのでいいでしょう。


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これがコンセルトヘボウ。これから、ここでコンサートを聴きます。


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芝生広場でうろうろしながら、広大な広場の景観を楽しみます。


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でも、ちょっとお腹も空いてきたので、お茶でもしましょう。

今日のアムステルダムの街移動のルートを地図で確認しておきましょう。


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旅はオランダから~クロケット賞味、ハイティンクのブルックナー8番、そして、ロッテルダムの高層ビル

2013年4月7日日曜日@デルフト~アムステルダム~ロッテルダム/4回目

コンセルトヘボウでのコンサート開演時間にはちょっと早くミュージアム広場に着いたので、お茶でもして開演を待とうということになったのですが、そこで配偶者からの提案。オランダ名物のクロケット(コロッケのようなもの)をまだ食べていないので、ちょっと食したいとのこと。市立美術館併設の真新しいレストランがあります。そこのメニューをチェックすると、クロケットがありますね。レストランに入ると、明るい店内は家族連れなどで賑わっています。レストランは大きなガラス窓で仕切られていて、外部の芝生広場と内部空間の一体化が図られています。


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内部空間もモダンな内装になっていて、さすがに近代美術館のレストランという風情です。


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牛肉と小エビのクロケットをお願いして、分け合っていただきます。パリッと揚がったクロケットはなかなか美味しかったのですが、少々味が濃い。そういえば、周りで食べている現地の人は、一緒に付いてくるパンに乗せて、ナイフとフォークで一口サイズに切って食べています。そうするもんなんですね。


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美味しく軽食ランチをいただき外に出ると、目の前が芝生の丘になっています。その丘の下には建物の入り口があります。自転車もいっぱい停められています。一体、何でしょう。


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芝生の丘に見えたのはスーパーマーケットの屋上部分でした。屋上がなだらかな丘になっていて、1階がスーパーマーケットの入口部分、売り場は地下に広がっています。さらにその地下が駐車場となっています。広場の景観を壊さずに見事に都市機能を盛り込んだ設計に感心しました。そういえば、アムステルダムでホテルにチェックインしたときに、ホテルのおばさんが近くにスーパーマーケットがあると説明してくれたのは、ここのことだったのですね。これでは、外から見ても、そこにスーパーマーケットがあるとは全く気が付くはずもありません。日本でも公園とスーパーが合体するのはいいことではないでしょうか。

意外なことに感心していると、もうコンセルトヘボウの開場の時間です。ホールに入場し、タダのドリンクを頂きながら、開演を待ちましょう。


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すっかり、コンセルトヘボウのシステム(ワインなどの飲み物がタダ!)にも慣れました。こういうシステムはよそのホールも見習ってほしいものです。
開演前の華やいだ一時を寛いで過ごします。


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今日のお隣の席は、ハンブルグから来たという日本人の若いご夫妻です。こんなところで日本人同士が偶然、隣り合わせになるのも珍しいことです。
肝心の巨匠ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のブルックナーの交響曲第8番の演奏ですが、今日の演奏は一昨日以上の演奏でした。しかし、今日はデルフトからの移動の疲れや昼寝なしもあって、なかなか集中して演奏に入り込めないまま、第3楽章まで終了。素晴らしい演奏に自分の魂が同調できたのは、最後の第4楽章になってからです。最後は熱気にあふれる演奏に気持ちが熱くなりました。終わってみれば、強い感動がありました。
贅沢なコンサートを1日置いて2回連続して聴き、幸福な自分がここにあります。コンサートの詳細な感想はここです。

コンサートも終わり、トラムに乗ってアムステルダム中央駅に移動します。コンセルトヘボウのコンサートのチケットがあれば、トラム・バスは無料で乗ることができます。これもありがたいサービスですね。ドッと出かけてきた観光客で大賑わいの市街の渋滞に巻き込まれながら、アムステルダム中央駅に到着。駅の中もゴタゴタしています。1分差で高速列車FYRAに乗り損ねました。25分待ちです。
FYRAに乗車後は順調。あっという間にスキポール駅を通過。


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スキポール駅を過ぎると、フラットな地平をFYRAは走り抜けていきます。夕方5時は過ぎているものの、太陽は高い位置にあります。


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美しい畑の向こうにポツンとオランダ名物の風車が見えます。


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今度はもっとはっきりと風車が見えてきました。車窓から、こんな間近に風車が見えるとはラッキー!


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次は現代の風車・・・風力発電ユニットの林立する姿が見えてきました。過去と現在、未来が交錯するオランダの風景です。


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午前中にも見た広大な温室農園が見えてきました。ロッテルダムももうすぐでしょう。


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モダンなロッテルダム中央駅Rotterdam Centraalに到着。


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まだ6時前ですから、デルフトに戻る前にロッテルダムの街に寄って行きましょう。いずれにせよ、このロッテルダムでデルフト行の列車に乗り換えですから、ロッテルダムの街を見ておく絶好のチャンスです。
無理をしてでもロッテルダムの街を見る目的ですが、明日からライン川をさかのぼる旅が始まるので、その河口の街のロッテルダムをけじめとして見ておきたいということです。とは言え、ライン川の河口といっても、ロッテルダムのすぐそばが海ではないので、ライン川が大西洋に流れ出す2本の支流のひとつの新マース川Nieuwe Maasを見ておこうということになります。
これをもって、ライン川の旅の序章としましょう。

新装なったロッテルダム中央駅は広々とした内部空間を持つ最新鋭の駅舎です。


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駅を一歩出ると、超モダンな高層ビルにびっくりします。これは35階建て、130mのミレニアム・タワーです。2000年に完成したロッテルダムを代表する超高層ビルです。


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これは、ロッテルダム駅の南口を出てすぐ左手にある『Gebouw Delftse Poort』。1991年に完成しました。タワー1(41階建て、151m)とタワー2(25階建て、93m)の2棟の高層ビルを含む複合施設で、タワー1は2009年までオランダで一番高いオフィスビルでした。


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これは、ロッテルダム中央駅の外観。デザインが凄すぎて、写真からはどんなビルなのかは分かりづらいかも・・・。つい最近、開業したてのビルです。


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さて、ロッテルダムのどこへ行くか。目的はライン川ですから、新マース川を見ることです。そのためには、ロッテルダム港の遊覧船に乗ってもいいのですが、もっと見晴らしの利くユーロマストという展望塔に上ることにしましょう。ユーロマストEuromastはロッテルダム港近くの180mの展望塔です。
駅前にはトラム乗り場があります。


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ここから8番のトラムに乗ってユーロマストに向かいます。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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