
レストランの並ぶ通りにやってきました。ちょうどお店がありますが、閉店中のようです。

これから何を食べるかということですが、友人からの情報で、ストラスブールのタルト・フランベが美味しいとのこと。どうもピザのようなものみたいです。ということは窯がなければ提供できないはずで、どのお店にもあるというわけにはいきませんね。昨夜の散策の折に目を付けておいたお店に行きます。この辺りでしょう。

好天の土曜日とあってか、どっと繰り出した観光客で、どこのお店の前のテーブルも賑わっています。が、その狙いのお店の前は誰もいません。ちょうど日陰になるせいなのかもしれませんが不安です。でも、思い切って入ります。お店の中もガラーンと空いていますが、お店はやっているようです。

このレストランはアルザス料理のLe Thomsienというお店です。

注文を取りにきたお店のスタッフにタルト・フランベはあるかと訊くと、色んな種類のタルト・フランベがメニューにあるとのこと。もっとも一般的そうなものを注文すると、お店の奥の厨房で調理が始まったようです。

saraiは、最後の最後までアルザス・ワインにこだわってみます。まずはワインを飲みながら料理を待ちます。

料理が運ばれてきました。出されたタルト・フランベは思った通り、見た目はピザです。でも、生地が紙のように薄い!ベーコンと玉ねぎとチーズのみで、トマトやオリーブオイルはつかっていないようです。木のヘラの上に載せられて出てきましたが、30センチ四方はあると思われる大きさです。

まずは、食べてみましょう。初体験です。

これが、なんとも美味しい。完食です。
美味しいレストランなのに、何故かお店は空いたままです。

空いているというよりも、誰も客がいません。謎です。

saraiがリンゴのソルベを食べようよと言い、配偶者もお付き合いしてくれます。

これもまたまたたっぷりの量ですが、saraiが配偶者の分も手伝って完食。美味しかったです。
残された時間は後少々。観光客でごった返す中を、聖トーマ教会堂に向かいます。

聖トーマ教会堂の近くまで来ました。

聖トーマ教会堂の全景が見えます。

すぐ下で見上げると大きな建物です。壁の石がモザイクのようになっています。ここも戦災で再建したんでしょう。

内部にはいると、天井のリブ・ヴォールトと束ね柱が目にはいります。典型的なゴシック様式です。13世紀にゴシック様式に改装されたそうです。

この聖トーマ教会堂で有名なのは、パイプオルガンです。1778年にモーツァルトがここで演奏会を開き、パイプオルガンの音色を絶賛したそうです。また、ノーベル賞を受賞したシュヴァイツァー医師もこの教会で助任司祭を務め、「このオルガンでバッハのフーガを弾くのは至上の喜び」とオルガンを讃えたそうです。そういうわけで、オルガンの鍵盤の両側にお二人がいました。

これがパイプオルガンの本体です。バラ窓の前に鎮座しているので、逆光になって写真がぼんやりになってしまいました。このパイプオルガンはストラスブール出身の世界的に名高いヨハン・アンドレアス・ジルベルマンが制作したものです。ジルベルマンは楽器製作で名高い家系の出身で、父アンドレアスも叔父ゴッドフリードも高名なパイプオルガン制作者。ジルベルマンの名を冠するパイプオルガンは色々な教会で見られます。この名高いオルガンの音色が聴けなかったのが残念。

側面にも綺麗なパイプオルガンがありましたが、これは関係ありませんね。

正面奥の祭壇には、彫刻の墓石があります。ルイ15世のもとで軍功を上げたサックス元帥の墓石です。中央に立っているのが元帥です。ルイ15世が制作を命じました。

バラ窓の方向に見た豪華な内部空間です。

パイプオルガンの上にあるバラ窓です。

側面のステンドグラスもお洒落です。

ところで、この聖トーマ教会堂は建物だけが有名なわけではありません。ルターのヴィッテンベルク、ツヴィングリのチューリッヒと並び、16世紀、宗教改革の中心でした。その中心人物はマーティン・ビューサーで、彼がこの聖トーマの参事会会長に就任し、宗教改革に取り組みました。聖トーマ教会堂は彼の功績とともに歴史に名前を残しています。
残り時間は僅かですが、もう少し、散策を続けましょう。この後は次回で。
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