そろそろ美術館到着かなと思う頃、丘の向こうに白銀に輝くアルプスの峰々がくっきりと見えました。

あまりの美しさに配偶者が歓声を上げると、向かいに座っていたおば様が綺麗でしょうとニッコリされました。美術館のバス停に着き(終点)、おば様と一緒にバスを降ります。今日は本当に素晴らしいお天気ですねと話しかけると、「長~い冬だったのよ」とぽつりとおっしゃいました。待ちわびた春だったんですね。一面、美しい草原が広がっています。

駅前からのバスのルートをもう一度、地図で確認しておきましょう。

クレーセンターのユニークなオブジェも見えます。これもクレーの作品をもとにしたものでしょう。

クレーセンターの波を打つような独特の建物も近くなってきます。

美しい緑の草原の向こうに白い雪山・・・対比の妙です。

配偶者はクレーをとるかアルプスの眺めをとるか、究極の選択だと言います。とりあえずアルプスの眺めを写真に収めてクレーセンターに入るっていうのが、saraiのあれもこれもの答えです。
saraiはそれを実行に移すべく、近くの小高いところに登って、アルプスの方をじっと見やり写真に収めます。

アルプスはこれで一応の幕。今度はクレーセンターに入りましょう。これがクレーセンターの真ん中から右手の建物。とてもインパクトがありますね。

左手にも同様に続いています。

クレーセンターの入り口は建物の波の低い部分にあります。アプローチがそこに続いています。

建物に入ると、木製の床のロビーが左右にどこまでも広がっています。

ロビーの一角にある窓口のカウンターでチケットを買おうとすると、受付の女性から統計をとっているのでどちらから来たのか教えて欲しいとのこと。日本からだと言うと、その受付の女性は少し興奮気味に何かを話し始めました。よく聞くと、ちょうどジャポニズム展をやっているそうで、是非楽しんでねっていうことです。これが購入したチケット。あっさりしている上に、印字までかすれています。お洒落なクレーセンターにそぐいまませんね。

今日の特別展は《ジャポニズムとクレー》展と《ヤウレンスキーとクレー》展の2つです。

まずは《ヤウレンスキーとクレー》展です。

この2人はミュンヘンの芸術活動の青騎士の仲間ですが、かなり交流があったようで、作風の似た絵もあります。クレーの有名な作品はあまり展示されていませんが、それでもクレーの作品の質はどれも素晴らしいものです。ヤウレンスキーは独特な鮮やかな色彩を混ぜた大きな人間の顔の絵が印象的です。頭部を描いた作品はヤウレンスキーの後期のものですね。
続いて、階下での《ジャポニズムとクレー》展です。

北斎、若冲、広重などの作品を完璧に理解し、それを自分の中で再構成したクレーの作品が見事の一語です。このエリアの係の人がどうも日本人っぽいので、ちょっと声を掛けてみると、ベルンに住んでいる日本人でボランティアをしているとのことです。大分日本語がたどたどしいので、こちらが長いのでしょうね、かなりご高齢ですし、これからもお元気で活躍してくださいね。
この後、《ジャポニズムとクレー》展の展示内容をご紹介していきます。基本的には、まず日本人画家の作品を示し、それをクレーがどう再構成したのかを見ていきます。こんな感じです。
これは葛飾北斎の作品。風景画です。

それを昇華したのがこのクレーの作品。1900年の作品で無題。

あくまでも基本的なプラン、風景の扱い方を参考にヨーロッパの風景に移し替えています。
こんな感じでご紹介していきますね。
↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね
いいね!
