ベルンのクレーセンター、《ジャポニズムとクレー》展の展示内容を前回からご紹介しています。
ところでこの特別展示は2009年に千葉市美術館、静岡県立美術館、横須賀美術館で開催した「パウル・クレー 東洋への夢」をベースとしたものだそうです。クレーセンターの奥田修さんとケルン東洋美術館の柿沼万里江さんが企画・監修されたそうです。今回の特別展の正式な名称は「ジャポニスムから禅まで パウル・クレーと東アジア」展です。
では、前回からの続きです。
これは葛飾北斎。

クレーは子供たちの動きに置き換えて、線画で表現しました。1908年の作品で《Sechs Skizzen Blättchen nach Kindern im Freien》。

これは渓斎 英泉(けいさい えいせん)の 『当世好物八契』。

クレーはこの絵とは直接は関係ないのかもしれませんが、中国人と思われる女性を似たような構図で描いています。1927年の作品。

これは相阿弥真相(そうあみ しんそう)の風景画。

クレーはヨーロッパの風景を似たようなタッチで描いています。1910年の作品で《Kanal b.Sugiez》。

これは賢江 祥啓( けんこうしょうけい)の風景画。

クレーが描くとこうなります。1910年の作品で《Steg, bei Regen》。

これは曽我蕭白の東屋のある風景画。

これもクレーが描くとこうなります。1912年の作品で《Pension in d.Schweiz》。

これは作者不詳の蒔絵。

これはクレーの絵ではなく、青騎士の仲間のマルクの描いた得意の鹿の絵ですが、蒔絵風の表現が面白いですね。1913年の絵葉書。

これは伊藤若冲の寒山拾得。

クレーはこの絵などを咀嚼した上で、見事に子供の姿をデフォルメして描いています。1938年の作品で《Kindheit》。

これは狩野秀信の水墨画。

クレーはこの絵を再構成した上で、見事な作品を描きました。1940年の作品で《ein Amphibien-Streitross》。

これは亀田 鵬斎(かめだ ぼうさい)の書。

クレーはこの書をイメージとして捉え、素晴らしい抽象画を描きました。1938年の作品で《vorsicht Schlangenl》。

まだまだ、続きますよ。クレーの素晴らしさが爆発していますね。
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