今回はオペラ・オペレッタ・バレエ編です。
今年は国内で久々にオペラを聴きましたがたった一つだけ。残りはすべて海外での公演。結果的に今年も海外で聴いたオペラからの選定になります。あっ、バレエもやはり、海外で見たものだけです。
ちなみに昨年の結果はここです。
で、今年は以下をベスト10に選びました。
1位 ティーレマン、ガランチャ、シュヴァネヴィルムス《薔薇の騎士》@ドレスデン国立歌劇場 2013.6.12
2位 フレミング、シャーデ、リドル、キルヒシュラーガー《カプリッチョ》@ウィーン国立歌劇場 2013.6.20
3位 ガランチャ、アラーニャ《ウェルテル》@ウィーン国立歌劇場 2013.4.20
4位 《フィガロの結婚》@プラハ・エステート劇場 2013.6.18
5位 驚異的な新人デビュー《ロメオとジュリエット》@ウィーン国立歌劇場 2013.6.21
6位 《シモン・ボッカネグラ》@ハンガリー国立歌劇場 2013.5.31
7位 オペレッタ《こうもり》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.4.18
8位 ベルリオーズ《ベアトリスとベネディクト》@アン・デア・ウィーン劇場 2013.4.17
9位 バロックオペラ《リナルド》@チューリッヒ歌劇場 2013.4.14
10位 バレエ《真夏の夜の夢》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.4.19
今年も素晴らしい《薔薇の騎士》を堪能しました。シュヴァネヴィルムスの元帥夫人、ガランチャのオクタヴィアン、そして、ティーレマンの指揮という、これ以上、望むべくもないキャスト。期待通りの公演で、かって聴いたクライバーの来日公演と拮抗するレベル・・・大変な感動でした。ところで、この公演の直前、ヨーロッパを襲った大水で一時は公演キャンセルも心配していただけに、この公演が聴けたことはとても幸運でした。
さすがにウィーンとしか言いようがないR・シュトラウスの最後にして、畢生の楽劇《カプリッチョ》でした。まったく、一分の隙もないキャストによる素晴らしい公演でした。エッシェンバッハがこの公演でウィーン国立歌劇場デビューというのも意外でしたが、見事な指揮でした。もちろん、マドレーヌを歌ったルネ・フレミングの素晴らしさも忘れることはできません。
いやはや、今、思い出しても最高に素晴らしかった《ウェルテル》でした。これを今年の1位にしてもよかったのですが、迷った結果、豪華キャストの《薔薇の騎士》に決めました。感動の大きさでは、この《ウェルテル》が1番でした。ガランチャとアラーニャの絶唱がすべてです。
名のある歌手は一人もいませんでしたが、とても感銘の深い《フィガロの結婚》でした。さすがにモーツァルトゆかりのエステート劇場の公演だと感じました。今年はプラハ、ブダペストで初めてオペラを聴きましたが、いずれも音楽的に感銘を受け、驚かされました。かって、ハプスブルグの都だった両都市の文化度の高さはいまだに健在ですね。
《ロメオとジュリエット》はニーノ・マチャイゼの代役で登場したジュリエット役の新人ソプラノ、ソーニャ・ヨンチェヴァの素晴らしい歌唱がすべてでした。その素晴らしさに驚嘆しました。ロメオを歌ったベチャーラも期待通りの熱唱でしたが、ソーニャのウィーン・デビューを聴いて、その夜は興奮しました。
ヴェルディのオペラは男の渋い声が決めるということを実感した《シモン・ボッカネグラ》でした。プラハ同様、名のある歌手は一人もいませんでしたが、素晴らしい公演で、ハンガリー国立歌劇場の実力に脱帽の思いでした。1週間後に聴いたバイエルン国立歌劇場の《シモン・ボッカネグラ》をはるかに上回る内容でした。
フォルクスオーパー極め付きとも言える《こうもり》でした。歌手が粒揃いで、不満の残る歌手は一人もいなかったのは《こうもり》を聴いて、初めてのことでした。最高だったのは、アデーレ役のベアーテ・リッターです。素晴らしいスープレットです。今までは、アデーレ役はスープレットでは物足りない感じもありましたが、彼女の場合は違います。高域の澄み切った声の魅力に参ってしまいました。
アン・デア・ウィーン劇場のオペラにははずれがありません。マイナーな演目のベルリオーズ作曲の《ベアトリスとベネディクト》も素晴らしい公演でした。このオペラで最高に素晴らしかったのは、第1幕終盤の女声重唱(エロー、ユルシュール)の夜想曲《静けき清らかに澄んだ夜よ》と、それをさらに上回った第2幕前半での女声3重唱(ベアトリス、エロー、ユルシュール)の《私は、心が愛に満たされて》です。夢見るような美しい歌唱に心がとろけてしまいそうでした。もちろん、ベアトリスを歌ったマレーネ・エルンマンの熱演も忘れられません。
バロックオペラ《リナルド》はともかく、アイヴァー・ボルトン指揮のチューリヒ歌劇場“ラ・シンティラ”管弦楽団の素晴らしいヘンデルに聴き入ってしまいました。ヘンデルのオペラを聴いて、オーケストラの演奏に参ってしまいました。それほど、ヘンデルの魅力を堪能させてくれる演奏でした。リナルド役のソニア・プリーナも素晴らしい歌唱でした。
シェークスピアの名作をベースに楽しく、美しいバレエに堪能したヨルマ・エロ振付の《真夏の夜の夢》でした。パック役のミハイル・ソスノヴィッチが素晴らしい活躍で魅せてくれました。ティターニア役のオルガ・エシナ、長身の彼女はスタイル抜群で、美人。立っているだけでも、絵になりますが、ステップ、ターン、すべてが美しく、うっとりしました。
さて、番外になりますが、以下のオペラも印象深くはありました。
ガランチャ、アラーニャ《カルメン》@ウィーン国立歌劇場 2013.6.2
本来はランクインすべきオペラですが、《カルメン》としては評価が難しく、番外にしました。それというのも、ガランチャがカルメン役としては、歌唱も容姿も美し過ぎるからです。ガランチャの美しさが罪になってしまいました。オペラ《カルメン》を離れると、ガランチャのファンには堪らない公演ではありました。
次回はオーケストラ・声楽曲編です。
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