昨日の大晦日は恒例のジルヴェスターコンサート@みなとみらいホールで年越しです。みなとみらいに住んでいる娘夫婦のところに車を走らせて、一緒にまず、中華街で1年の食べ納め。久しぶりに中華街のお気に入りの名店、聘珍樓での食事です。1年を締めくくる食事なので、少し、贅沢をして、『吉祥之筵(きっしょうのえん)』(6300円)のコースメニューをいただくことにしました。
すぐにコース料理が開始。個室が予約できなかったので、大部屋のテーブルで、回転テーブルはなし。それでも、スタッフのかたのサービスがよく、すべての料理を手際よく、とりわけてくれます。回転テーブルで自分たちで料理をとりわけるよりも楽です。それに大部屋と言っても、お洒落なしつらえなので、これからは個室はやめて、大部屋にしようかな。大部屋は1階と2階にあるそうですが、今回は2階でした。
まず、魚滑(真鯛の広東式刺身)。イタリアンのカルパッチョの中華料理版のようなものです。

本格窯焼きチャーシュー。表面のパリッとした食感が美味しい一品。ピーナッツが添えらているのが面白いです。

タラバ蟹肉入りフカヒレスープ。フカヒレスープというよりもたっぷり入った蟹の味が強いので、蟹スープみたい。美味しいですけど、フカヒレスープも味わいたいところ。

イカと海老のXO醤炒め。シーフードたっぷりですが、結構、辛い!

本格窯焼き北京ダック。自分で巻かなくても、スタッフのかたが全部やってくれて、楽々です。しかし、北京ダックだけは、昔、本場の北京で食べた味が忘れられません。

帆立貝のガーリック蒸し。これはとろっとした出汁が美味しかったです。

最後は当然、チャーハンだと思っていたら、豚スペアリブの豆鼓蒸しご飯。初めて、こんなものを食べました。スペアリブの骨を外すのが面倒でしたが、意外な味に舌鼓。

ウーロン茶もここで出してくれました。

デザートは豆乳入り杏仁豆腐。

もちろん、飲み物はいただきました。フランスの白ワイン。

このたっぷりしたコースをいただいているうちに、2時間があっという間に過ぎてしまいました。店の外に出ると、とっぷりと夜は更けています。

やってきたときは聘珍樓本店前で大晦日のセールをやっていましたが、店を出たときは、すっかり、商品が片づけられ、早くもお正月用の売り場に模様替えの工事中。びっくりです。

思いのほか、食事に時間をかけすぎて、地下鉄でゆっくりとみなとみらいホールに向かう余裕もなくなりました。中華街の雑踏のなか、ちょうど、タクシーがやってきたので、それに飛び乗って、みなとみらいホールに横付け。結構、ぎりぎりの時間でしたが、セーフ。
みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは今年で第15回目。ホールも開館15周年です。そして、saraiもジルヴェスターコンサートに通うのもこれで15回。全部聴いてます。よく通ったものです。でも、そろそろ、マンネリ気味の感もあります。プログラムもほぼ固定化してますからね。
今回のプログラムは以下です。
《第1部》
池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調より第3楽章 横山幸雄(Pf)
ボロディン:弦楽四重奏曲第2番ニ長調より第3楽章《夜想曲》 漆原啓子(Vn)、漆原朝子(Vn)、百武由紀(Va)、新倉瞳(Vc)
リャードフ:「6つの小品」Op.3より前奏曲、「2つの小品」Op.9よりワルツ 桑生美千佳(Pf)
ブラームス:太鼓の歌、お前の青い瞳、ことづて 与那城敬(Bar)、桑生美千佳(Pf)
中田喜直:悲しくなったときは(作詞:寺山修司)、霧と話した(作詞:鎌田忠良) 砂川涼子(Sop)、桑生美千佳(Pf)
《休憩》
《第2部》
劉天華:空山鳥語、リムスキー・コルサコフ:熊蜂の飛行 チャン・ヒナ(二胡)
ヴォルフ:イタリア風セレナーデ
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
伊福部昭:ゴジラのテーマ
池辺晋一郎:NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」メインテーマ
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調より第1楽章
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」より冒頭の部分
エルガー:威風堂々第1番
J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲
【出 演】
音楽監督:池辺晋一郎、飯森範親(Cond)、徳永二男(エグゼクティブ・ディレクター/Vn)、朝岡聡(MC)、漆原啓子(Vn)、漆原朝子(Vn)、百武由紀(Va)
新倉瞳(Vc)、横山幸雄(Pf)、桑生美千佳(Pf)、砂川涼子(Sop)、与那城敬(Bar)、チャン・ヒナ(二胡)
横浜みなとみらいホール ジルヴェスターオーケストラ(コンサートマスター:石田泰尚、扇谷泰朋、神谷未穂、高木和弘、藤原浜雄、三浦章宏)
まあ、コンサートと言っても、ある意味、お祭りのようなもの。そんなに凄い音楽が聴けると期待しているわけではありません。
とは言え、前半はオーケストラが全然、ホールに響いてこなくて、がっくり。これでは楽しめません。後半は一転して、よく響くようになってきました。後半の前の休憩でカツがはいったのでしょうか。
印象に残ったものだけ、ピックアップしてみます。
ソプラノの砂川涼子の歌う中田喜直の2曲は胸にジーンときました。日本の歌曲は日本人が歌うのが一番ですね。砂川涼子の抑えた声量での澄み切った声に感銘を受けました。特に2曲目の《霧と話した》は大きな感動が胸に残りました。素晴らしい歌唱でした。まあ、容姿も素晴らしかったのもよかったしね。
リャードフのピアノ曲って、初めて聴きましたが、特に2曲目のワルツはまるでショパンそのもの。知らずに聴いていたら、ショパンだと誤認しそうです。
ヴォルフの残した数少ない器楽曲の《イタリア風セレナーデ》は初めて聴きました。よいものが聴けたと思います。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲はいつ聴いても美しいです。オペラのシーンも脳裏をよぎり、薄幸の女性サントゥッツァのことを思うと、やるせない気持ちになります。
伊福部昭の《ゴジラのテーマ》はなかなかの迫力。オーケストラの生演奏で聴くと面白さが分かります。
年越しのカウントダウンはR.シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」です。やはり、R.シュトラウスを聴くと、saraiのウィーンへの想いが燃え上がります。そうだ!ウィーンへ行こう! saraiの今年の旅はウィーンで決定! 明日、旅の概要を発表します。
肝心のカウントダウンは見事、ぴったりと成功。1秒の狂いもなく、12時ちょうどに曲が終わりました。マエストロ飯森範親にやんやの声援です。
でも、会場は真っ暗闇。ぽっと明るくなると、R.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」・・・というよりも、《2001年宇宙の旅》で使われた冒頭部分のみが晴れやかに2014年の開始を告げます。パイプオルガンの響きがかっこいいですね。年も明けて、2014年はR.シュトラウスのアニバーサリーイヤー。ウィーンでR.シュトラウスを聴きましょう。R.シュトラウスはウィーンで聴かないとね。
最後はラデツキー行進曲を手拍子してコンサート完了。
今回の収穫はsaraiのウィーンへの郷愁が沸き立ったことです。R.シュトラウスはやはり好きな作曲家です。1年の最後と1年の始まりがR.シュトラウスの音楽だったのは、とてもよかったと思います。2014年はたくさん、R.シュトラウスを聴きましょう。
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