そして、saraiが体調復活後の最初のコンサートでもありました。saraiの体調は高熱を発して最悪の状態でした。実はその前から、右の耳が低音難聴に陥り、最低の状態でコンサートを聴いていました。今日はそれらの不調が嘘のようにすっきりと消え去り、最高の状態でコンサートを楽しめました。今日のコンサートはまあまあのレベルの演奏ではありましたが、体調万全で聴くと、言っては何ですが、何を聴いても実に楽しいものです。それに今日のプログラムはなかなかの曲目の構成でした。
今日のプログラムは以下です。
指揮:ロベルト・ミンチュク
ヴァイオリン:エステル・ハフナー
管弦楽:東京都交響楽団
ウェーベルン:パッサカリア Op.1
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番 Sz.36
《休憩》
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
まずはウェーベルンのパッサカリア。以前、ウィーン・フィルの来日演奏で素晴らしい演奏を聴いたので、さすがにそのレベルには及びませんでしたが、終始、爛熟した後期ロマン派の熱い音楽が展開され、大変、楽しませてもらいました。都響のヴァイオリン奏者たちの美しい響きが耳に残りました。予習はカラヤンとブーレーズのベルリン・フィルの名演を聴きましたが、今日の演奏はライブならではの熱い盛り上がりで、それらの名演にも劣らず、楽しめました。
次はバルトークのヴァイオリン協奏曲第1番です。これは実演で聴くのはおそらく初めてです。普通聴くのは第2番のほうですからね。バルトークが若い頃に書いた作品で、恋人の女性ヴァイオリニストに捧げた作品です。美しい恋心に満ちた作品です。この時代に特有のバルトークの先鋭さはあまり感じられない変わった作品です。予習は次の2つのCDを聴きました。
ギル・シャハム、ブーレーズ、シカゴ響
アラベラ・シュタインバッハー、ヤノフスキ、スイス・ロマンド管
これは作曲の成り立ちから言っても、女性ヴァイオリニストに向いているように思われます。アラベラの演奏は抒情に満ちていて、ぐっと惹きつけられるものがありました。そして、今日のヴァイオリニストもハンガリー出身の女性でした。なかなか聴かせてくれました。昨年末、素晴らしいバルトークの第2番を聴かせてくれた庄司紗矢香の演奏も聴いてみたいところですね。いずれにせよ、いい音楽を聴かせてもらいました。
休憩後、ブラームスの交響曲第1番です。期待したほどの演奏ではありませんでしたが、やはり、体調万全で聴くブラームスは楽しいです。saraiはブラームスの中では、第4番、第2番が好きで、第1番は苦手の部類です。今回、苦手克服も兼ねて、集中的に予習してみました。以下がそのリストです。
ハイティンク、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1972
ハイティンク、ボストン交響楽団 1994
ハイティンク、ロンドン交響楽団 2003
ヴァント、ミュンヘン・フィル 1997
トスカニーニ、NBC交響楽団 1951
トスカニーニ、フィルハーモニア管弦楽団 1952
フルトヴェングラー、北ドイツ放送響 1951
フルトヴェングラー、ウィーン・フィル 1952
フルトヴェングラー、ベルリン・フィル 1952
これまで聴いてきたワルター、ザンデルリンク、ベーム、ジュリーニ、バーンスタインも素晴らしかったですが、巨匠の演奏はどれも素晴らしい。特にフルトヴェングラーの演奏は3枚とも圧倒的です。あまり、予習で凄すぎる演奏を聴き過ぎて、今日の演奏は凡庸にも感じましたが、それでもブラームスは楽しい。
平熱で、耳の難聴も癒えたコンサートを思いっ切り、楽しみました。サントリーホールの周辺は桜満開というおまけまでついてきました。
↓ saraiの旅を応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね
いいね!
