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充実の室内楽!プラハ・グァルネリ・トリオ@上大岡ひまわりの郷 2014.4.20

チェコの演奏家の音楽性の高さ、室内楽の楽しさを再認識するコンサートでした。
今日は上大岡ひまわりの郷のコンサート・シリーズの2014年春の1回目。ピアノ・トリオのプラハ・グァルネリ・トリオが登場。
室内楽の醍醐味は何と言っても、オーケストラと違って、楽器の響きのピュアーさですが、今日はそれに加えて、響きの豊かさがあり、最上の室内楽を楽しむことができました。

前半はお国もののチェコの作曲家の作品です。
まず、スークの《エレジー》。ヴァイオリンが美しいメロディーを奏で始めますが、単純にボエミア風のメロディーというのではなくて、少し、ヤナーチェックを思わせるギクシャクしたところも感じさせられます。チェロにもメロディーは受け継がれますが、歌うというよりも語りかけるような演奏です。これもヤナーチェック同様にチェコ語の語法に基づくものなのでしょうか。10分足らずの小曲ですが、スークはこういう短い曲のほうが才能を発揮するように感じます。
ここまでで感じたプラハ・グァルネリ・トリオの印象はテクニックの達者なピアノと堅実なチェロを従えたヴァイオリンの闊達な演奏が音楽の骨格を作っているということです。デリケートな演奏というよりも骨太な演奏を感じさせられます。ナイーブではないものの音楽性はとても豊かです。

次はスメタナのピアノ三重奏曲。スメタナが最愛の4歳の娘を亡くした頃の作品で、その悲しみが反映されているそうですが、saraiにはスメタナらしいボヘミアを愛する熱狂を感じてしまいます。この曲は実に熱い演奏です。このグァルネリ・トリオの演奏スタイルにぴったりと合った曲で、こういう演奏を聴くと、スメタナはやはりチェコの演奏家で聴きたくなります。もう音楽を超えた何かがあります。第3楽章の後半は聴いているsaraiも熱くなってしまいます。素晴らしい演奏でした。

休憩後の後半はお国ものを離れて、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番です。といっても、チェコとお隣のドイツのライプツィヒはとても近いですね。
この曲は名人トリオで予習しました。
 パールマン、ヨー・ヨー・マ、アックス
特に、ヨー・ヨー・マの朗々としたチェロの響きが素晴らしい演奏でした。そのせいか、グァルネリ・トリオの演奏は少しこぶりな演奏に感じられてしまいます。こういう常設のトリオの室内楽的演奏が地味ながらも、しみじみとはしますが、やはり、名人トリオのある意味、派手でスケールの大きな演奏は魅力的ではあります。まあ、それぞれの良さがあるんでしょう。今日の演奏というか、この曲自体の特質かもしれませんが、前半の2楽章がとても聴き応えがありました。第2楽章の抒情的な響きには、とても惹かれるものがあります。

今日のプログラムを紹介しておきます。

  プラハ・グァルネリ・トリオ
   ヴァイオリン:チェネック・パヴリーク
   チェロ:マリク・イエリエ
   ピアノ:イヴァン・クラーンスキー

  スーク:ピアノ三重奏のための《エレジー》 Op.23
  スメタナ:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.15

  《休憩》

  メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49

   《アンコール》
     ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 作品21 B.51より、第3楽章 アレグレット・スケルツァンド  
     ドヴォルザーク:ユモレスク

アンコールはまた、お国もののドヴォルザーク。とてもよい演奏でした。

室内楽の喜びを堪能できたコンサートでした。チェコの音楽家の音楽性の高さにはいつも驚かされます。





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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
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07/08 18:59 sarai

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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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