高速電車AVANTが停車するセゴヴィア駅は荒涼とした荒野の中にあります。セゴヴィアの旧市街にはバスが唯一の移動手段です。駅前のバスターミナルには数台のバスが並んでいます。そちらに向かって急ぎます。

バスターミナルの横にはちょっとした駐車場が見えます。車でこの駅にアクセスする人たちもいるのでしょう。高速電車を利用すれば、マドリッドに通勤可能でしょう。昔、saraiも新幹線通勤をしていた時期もありました。

旧市街行きの11番のバスに急いで乗り込みます。

バスチケットはバスの運転手から購入。1人1.03ユーロです。

駅であんなにも乗客が降りたにもかかわらず、バスはそんなに混雑もせずちゃんと座れました。この駅で降りた人たちがどこに消えたのかは謎です。
バスは電車から降りた人々を乗せてセゴヴィアの旧市街に向けて走り出します。電車が駅に到着して、まだ10分も経っていません。この11番のバス路線は15分間隔で運行されているので、そんなに待たされることはなさそうです。バスの走る道路は何もない荒野の中に続いています。

荒野の果てには低い山の連なりが見えるだけです。

何もない荒野だと思っていたら、いきなり高速道路の上に出ました。土地の低いところに高速道路があるので、視界に入らなかったんです。

荒野の先に街の低い建物が見えてきました。街外れでしょうか。

セゴヴィアの街がいよいよ近づいたようです。道標も立っています。

バスは市街地に入ってきました。この辺りは新市街ですね。

大きな建物も出てきました。市街地をしばらくバスは走り抜けていきますが、旧市街らしきものはなかなか目に入ってきません。

駅から20分ほどで旧市街の入り口の広場に到着です。これが駅から乗ってきたバス。

バス停の目の前にいきなりローマ水道橋と城壁が聳えています。

初めて間近に古代ローマの水道橋を見ました。高さと大きさにビックリしますが、意外に軽やかな印象でもあります。

このローマ水道橋Acueducto Romanoは15km以上離れたアセベダ川の水を街まで引いています。建造されたのは紀元1世紀頃です。水道橋の全長は728mですが、このアソゲホ広場Pl. de Azoguejoあたりでは何と29mもの高さで聳えて立っています。圧倒的な存在感です。

2重アーチの連なりが素晴らしいです。アーチの数は計166個もあるそうです。水道橋の周りをものすごい数のつばめが飛び交っています。

すぐ近くから水道橋の威容を見上げます。凄いですね。石の間には一切、接合材を使っていないそうです。石自身の重みでアーチががっちりと固定されているようです。

完璧に建造当時の姿を残しています。実際、1884年までは水道橋の機能を果たし、水を街に供給していたそうです。そして、今でも、この水道橋に水道管が敷設され、水道設備として利用されているそうです。単なる観光用の古代遺跡ではなく、現役の施設なんです。古代ローマ帝国の技術力は驚異的だったんですね。

スペインに着いて、いきなり古代ローマ遺跡を見て、大いなる感銘を受けました。しばらくはローマ水道橋の姿からとても目を離すことができません。ローマ水道橋を眺めながら、次回に続きます。
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