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エル・グレコはプラド美術館から:エル・グレコの傑作に感動!!

2014年5月27日火曜日@マドリッド、セゴヴィア/13回目

今回のスペイン訪問は何と言っても、没後400年の記念の年にエル・グレコの作品を一挙に見ることです。saraiはエル・グレコの大ファンですからね。

エル・グレコは1541年にクレタ島のカンディア(現イラクリオン)に生まれたギリシャ人です。本名はドメニコス・テオトコプーロスと言いましたが、スペインに渡ってからは、発音しづらい本名では呼ばれずに、ドメニコ・グリエゴ(ギリシャ人ドメニコ)とかエル・グリエゴ(ギリシャ人)と呼ばれていたようです。死後、エル・グレコと呼ばれるようになりました。《エル》Elはスペイン語の定冠詞、《グレコ》Grecoはギリシャ人を意味するイタリア語です。イタリア語が使われるのは、スペインに来る前にイタリアで絵の修業をしたからでしょうか。本人は自作にサインする場合は必ず、ギリシャ語で本名を書いていたそうです。

エル・グレコは画家を志して、1567年頃にヴェネツィアに行き、ティツィアーノの工房で修業。1570年にイタリアの芸術の中心地ローマに移動。20代後半からの約10年をイタリアで過ごしました。この後、1576年頃に画家としての成功を夢見て、フェリペ2世のもとでエル・エスコリアル造営が始まり、多くの美術家が集まっているスペインに向かいます。宮廷画家になる望みはフェリペ2世に気に入られなかったので実現しませんでしたが、スペインの宗教・学問の中心地であったトレドで画家として成功し、その生涯をトレドで過ごし、そこで1614年に没することになります。

こういう経緯からも、エル・グレコの作品の多くは今でもトレドに集中しています。また、今年はちょうど没後400年の大展覧会で世界中から、エル・グレコの作品がトレドに集まっています。そういうわけで、明日エル・エスコリアル修道院でエル・グレコの作品を見て、明後日にはトレドでエル・グレコ三昧する予定です。トレドでエル・グレコを見るのが今回の旅の一番の目的です。今日はそれに先駆けて、プラド美術館のエル・グレコ作品を鑑賞します。

エル・グレコの作品が展示されている2階の中央部分の8B~10Bに直行します。
ありました。エル・グレコの作品がずらっと並んでいます。壮観です。

順に鑑賞します。ただし、ここで紹介するのは主なものだけです。

これは《聖三位一体》です。1577~80年頃、エル・グレコ36~39歳頃の作品です。この作品はトレドでの最初の作品のひとつです。サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂から依頼された主祭壇画です。この時期にこれだけの作品を描き上げていたのは驚異的です。晩年の特徴の曲がりくねった身体表現こそありませんが、実に画の中心にあるキリストの身体の劇的な表現はどうでしょう。


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これは《医師ロドリーゴ・デ・ラ・フエンテ、またはある法学者の肖像》です。1588年頃、エル・グレコ47歳頃の作品です。エル・グレコは肖像画家としても一流でした。この作品も人物の高貴な内面を感じさせられる芸術的な表現が見て取れます。


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これは《聖アンデレと聖フランチェスコ》です。1590~95年頃、エル・グレコ49~54歳頃の作品です。左の人物が十二使徒のひとり、聖アンデレ、右の人物がアッシジの聖フランチェスコ。つまり、この二人の人物は1000年以上の時間で隔てられています。その二人がこの画面上で対話しています。画の上での奇蹟が描かれているわけです。聖フランチェスコの右手の形に注目です。画全体を覆う静謐さがエル・グレコの素晴らしいところでしょう。


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これは《受胎告知》です。1597~1600年頃、エル・グレコ56~59歳頃の作品です。これは素晴らしいですね。これはプラド美術館所蔵の作品中、最高の作品です。このあたりから、エル・グレコの芸術が完成に向かいます。まずは受胎を告げられるマリアの美しさ。そして、画面全体の劇的な空気感の素晴らしさ。エル・グレコにしか描けない世界です。この絵の前で立ちすくんでしまい、いったん立ち去った後も何度も戻って見入ってしまいました。あえて、この作品をプラド美術館の至宝と勝手に決めてしまったsaraiです。


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これは《精霊降臨》です。1600年頃、エル・グレコ59歳頃の作品です。キリストが昇天した後に、精霊が降臨してくる奇跡が描かれています。精霊を見上げるマリアと十二使徒たちの厳かな雰囲気が伝わってくる傑作です。画を見ている我々も思わず、天を仰いでしまいそうになります。


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これは《フリアン・ロメロと守護聖人》です。1600年頃、エル・グレコ59歳頃の作品です。白い衣装がロメロで、その上の黒い騎士が守護聖人です。エル・グレコらしい大胆な構図が目を引きます。特に守護聖人の傾けた首の角度が秀逸に感じます。


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これは《ある若い騎士の肖像》です。1600年頃、エル・グレコ59歳頃の作品です。こちらを見る人物の目が活き活きと描かれています。まあまあの作品でしょう。


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以下の3作品は貸し出し中で見られませんでした。しかし、貸し出し先がトレドなので、明後日には見ることができるでしょう。

これは《胸に手を置く騎士の肖像》です。1577~79年頃、エル・グレコ36~38歳頃の作品です。


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これは《キリストの磔刑》です。1600年頃、エル・グレコ59歳頃の作品です。


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これは《羊飼いの礼拝》です。1612~13年頃、エル・グレコ71~72歳頃の作品です。


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ここでエル・グレコの傑作群を見て、やはり、スペインに来て、よかったとしみじみと感じました。

後は落ち着いて、プラド美術館のほかの作品を鑑賞しましょう。










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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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03/01 19:22 aokazuya

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10/07 08:57 堀内えり

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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子
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