マドリッドの地下鉄モンクロア駅の地下バスターミナルから、エル・エスコリアルに向かいます。地図を見るとよく分かりますが、昨日行ったセゴヴィアと同じ方向です。

したがって、バスが走る高速道路沿いの風景は昨日見た風景と似通っています。大平原が広がっています。

どこまで走っても同じ風景が続きます。厚い雲が広がる空に少し青空も見えてきました。天気が良くなるといいな。

エル・エスコリアルまで高速を走り続け、40分ほどでエル・エスコリアルの街に入ります。

50分ほどでエル・エスコリアルの小さなターミナルに到着です。別荘地のような住宅街です。通りをまっすぐ進むとエル・エスコリアル修道院の筈です。

綺麗な並木道を進むと、木々の緑の先に尖塔が見えてきました。エル・エスコリアル修道院でしょう。

修道院が見えていても、すぐにはたどり着きません。道も広く建物も大きいので、意外に遠いんです。

やがて、ものすごく大きな建物の前に出ました。この巨大な建物は修道院などというものではありませんね。写真にも全貌は収まりきりません。

広い前庭には大勢の子供や年寄りの団体が並んでいます。私達がたどり着くと、ちょうど10時の開門でした。

団体客をかき分けて前に進み、中に入ります。個人客用の窓口でチケットを購入。1人10ユーロです。

団体客を脇目に見て、どんどん案内表示にしたがって進みます。

立派な部屋が続きますが、修道院と言ってもこのあたりは美術館になっていて、古い絵画が並んでいます。お目当てのエル・グレコの1枚を探してどんどん進みます。が、見つからないうちに美術館を出てしまいました。これはいけません。係りの人に尋ねると、向こうから年配の職員が答えてくれます。エル・グレコの作品は修復中! エエエエ・・・訪問の目的はエル・グレコの最高傑作のひとつである《聖マウリツィウスの殉教》を見ることなのに、何と展示されていないとはショック! やっと出掛けてきたのに・・・・。そんな大切な情報は流してほしいですね。
これが、見られる筈だった《聖マウリツィウスの殉教》です。以前、大塚国際美術館で見て感銘を受けた陶板画です。この陶板画は、実際にこのエル・エスコリアル修道院の本物を写真に撮って陶板に焼き付けたものですから、本物同様の筈です。

ガッカリして元気のないまま、何の興味もない王家の霊廟や図書館の中を進みます。とは言え折角ですから、地下の王家の霊廟は見ておきましょう。薄暗い空間に壮麗な棺が並んでいます。

天井は豪華なドームになっていて、金色に輝いています。

これが有名な歴代の国王達の棺です。上から、カルロス5世(カール5世):神聖ローマ帝国皇帝(この人だけはスペイン王ではなく、皇帝と書かれています。スペイン国王としてはカルロス1世ですね。)、フェリペ2世(カルロス5世の息子で、スペイン国王と書かれています。)、フェリペ3世、フェリペ4世です。有名画家たちのパトロンだった人達です。カルロス5世とフェリペ2世はティツィアーノ、フェリペ4世はベラスケスですね。

これは、上から、カルロス2世、ルイス1世、カルロス3世、カルロス4世。カルロス3世とカルロス4世はゴヤゆかりの国王ですね。

これは、一番上がフェルナンド7世。カルロス4世の息子でゴヤは宮廷画家として仕えました。

王家の霊廟を抜けて先に進みますが、広くてなかなか出口に到達できません。迷路のような修道院の中を、出口に向けてまっしぐらですが、この後は次回で。
↓ saraiの旅を応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね
いいね!
