ザハーロワは超美人バレリーナで一目見たら、誰でもファンになってしまうスーパースター。その彼女も1979年生まれといいますから、早35歳。今回見逃したら、彼女の踊るオデット姫は見損なうかもしれません。焦って、チケットを購入しました。もう、完全にミーハー状態です。
念を入れて、ちゃんとDVDで予習。もちろん、ザハーロワの踊る《白鳥の湖》。残念ながら、ボリショイ・バレエのものはなくて、ミラノ・スカラ座のものです。これはウラジーミル・ブルメイステル振付によるもので、最後はハッピー・エンドです。振付はともかく、何よりもザハーロワの美しい姿が見られるのが最高です。特に黒鳥、オディール役のときの美しいバレエが出色です。
今日の公演ですが、ザハーロワの手足が長くて、しなやかな肢体の美しさはため息が出ます。やはり、第3幕、オディールに扮したときのザハーロワの美しいこと、素晴らしいです。第2幕のオデット姫では悲しげで無表情だったのに対し、オディールに扮すると笑顔が美しく、魅惑的です。踊りもオデット姫のスローなバレエに対して、切れのあるバレエを見せてくれます。有名な32回連続のフェッテ(黒鳥のパ・ド・ドゥ)も見事。もっとも、配偶者は回転数を数えていたそうで30回転しかしていないと言っていましたが、そんなのどうでもいいでしょう・・・綺麗でしたからね。ザハーロワがもっとも輝いたのは、カーテンコールでの笑顔です。思わず、saraiはスタンディング・オベーション。パーフェクトで美し過ぎるザハーロワのオデット/オディールでした。
バレエを見始めて、本当によかったと思った1日でした。
今日のプログラム・キャストは以下です。
バレエ:白鳥の湖
元振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ(1895年1月15日、サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場で蘇演されたプティパ・イワノフ版)
アレクサンドル・ゴールスキー(1933年、ゴールスキー版)
改定振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(2001年3月2日、グリゴローヴィチ新改訂版)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
指揮:パーヴェル・ソローキン
管弦楽:ボリショイ歌劇場管弦楽団
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子:デニス・ロヂキン
王妃:クリスティーナ・カラショーワ
悪魔ロットバルト:ウラディスラフ・カントラートフ
王子の家庭教師:ヴィタリー・ビクティミロフ
道化:デニス・メドヴェージェフ
王子の友人たち:アンナ・ニクーリナ、クリスティーナ・クレトワ
今日の振付ですが、サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場で蘇演されたプティパ・イワノフ版をもとにしています。これは世界中、どこでもそうでしょう。共産政権下では、プティパ・イワノフ版をもとに、王子が悪魔に打ち勝ち、現世でオデット姫と結ばれるという演出で、イデオロギーの勝利とも思える改変をしていましたが、2001年のグリゴローヴィチ新改訂版では、もっとも悲しい結末。オデット姫が死に、王子に救済はおとずれないというものになりました。チャイコフスキーの音楽にもっともふさわしい形にしたと思われます。いずれにせよ、バレエの美しさはどちらにせよ、変わらず、永遠です。
来年はマリインスキー劇場が来日公演で《白鳥の湖》を上演するようです。もし、ロパートキナが踊るようなら、また、見てみたいものです。それで《白鳥の湖》は打ち止めにしてもよいでしょう。
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