名門バルのムセオ・デル・ハモンの2階のテーブル席で、美味しいランチをいただきました。スペイン産の白ワインはボトルで4ユーロと驚く安さ。しかも、飲み残しはお持ち帰りです。
階下に降りていくと、そこのカウンターは客で一杯です。バルは、やはりカウンターで立ち飲み、立ち食いするものですね。ちょっと疲れそうですけど。

スペイン到着3日目のスペイン初心者としては、このバルのカウンターに並ぶ人達に分け入っていく気持ちはとても起きません。うーん、悔しいですね。

このバルは生ハム専門店でもあるので、ずらっと並ぶ生ハムを販売しています。スペインを去るまでには、イベリコ豚の生ハムをゲットしたいものですが、今日はまだ時期尚早。

腹ごしらえが出来たところで、ソフィア王妃センターにピカソの傑作《ゲルニカ》を見に行きましょう。地下鉄に乗るために再び、プエルタ・デル・ソルの広場に向かいます。広場に到着し、地下鉄のソル駅への入り口に入ります。

地下鉄ソル駅のホームを移動していると、駅中の路上ミュージシャンのエレキギターが聞こえてきます。甘ったるいスローテンポの《パリの散歩道》です。羽生のスケートを思い浮かべながらミュージシャンの前を通り過ぎ、ホームへと角を曲がった途端、弾いている曲が変わりました。えっ、この選曲は私達に向けてだったのでは・・・。50セントを握りしめミュージシャンのもとに戻ります。目と目が合うと、お互いにっこりです。日本の羽生を世界の羽生と認めてくれたのが嬉しくて、ささやかな小銭ですがケースに投げ入れます。言葉は交わさなくても気持ちは通じたのですね。こんな触れ合いは楽しいです。
地下鉄1号線でソル駅からアトーチャ駅Atochaまで移動。

地下鉄駅アトーチャからソフィア王妃センターMuseo Nacional Centro de Arte Reina Sofíaに行くのは、昨日に続いて2回目。今日はさすがに迷うことはありません。昨日購入した美術館の共通入場券パセオ・デル・アルテでさっと入場。館内マップだけはちゃんといただきます。

まずはゲルニカを探します。館内マップを見ると、ピカソは4階と2階にあるようです。

まずは4階まで展望エレベーターで直行します。

エレベータからはガラス越しに外の風景がよく見えます。

ソフィア王妃センター前のサンタ・イザベル通りCalle de Santa Isabelの広場が見下ろせます。

広場の周りの建物の向こうの風景もよく見えます。建物の先に見える緑は王立植物園Real Jardín Botánicoのようです。

4階のフロアでゲルニカを探します。が、ピカソはあれども、ゲルニカはありません。それでも、探している途中にいい絵にも出合いました。
これはカンディンスキーの《無題(Sin título)》です。1924年の作品です。抽象的な作品ですが、カンディンスキーにしては分かりやすい作品です。

同じ部屋にカンディンスキーの《中央の3つの丸(Mitten Kreise)》もあります。こちらは1932年の作品です。ちょっとクレーの作品かとも思ってしまいました。

ミロの作品もあります。《華やかな翼のスマイル(The Smile of the Flamboyant Wings)》です。1953年の作品です。ミロらしい綺麗な絵ですね。

なおもゲルニカを探しますが、なかなか見つかりません。建物の隙間からはアトーチャ駅も見えました。

業を煮やして係に尋ねると、2階の206だよと教えてくれました。2階に移動すると、確かにありました。ピカソの大傑作の《ゲルニカ》です。この超有名な作品は、ゲルニカ爆撃と同じ1937年に開催されたパリ万博のスペイン館の壁画として描かれたそうです。

実物の素晴らしさに感嘆しました。イメージしていたより繊細で美しい作品です。歴史的な背景がなければ、《虐たげられる人々》というタイトルを贈りたいところです。しばらく佇みながら絵に見入りました。
今日は体力を損耗しているので、あと1点、ダリの《窓際の少女》を見るだけにします。1925年の作品です。

ダリには珍しく、写実的な作品です。超精密画と聞いていましたが、それほどではありません。が、情緒を湛えた作品です。この絵のモデルは妹のアナ・マリアですが、少女にしては少しエロティックな感じもあります。ダリはアングルの絵を参考にしたと言っているようですが、この構図は明らかにフリードリッヒの名作《窓際の婦人》をもとにしているようにsaraiは思います。フリードリッヒの作品と比較すると、saraiの好みではフリードリッヒの作品に大差で軍配があがると感じました。
これでソフィア王妃センターの絵画鑑賞は完了。目的のゲルニカを見たので満足です。夜はこの旅の最初のオペラですが、それは次回で。
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