トレドの旧市街のややこしい道を歩いて、サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂Convento De Santo Domingo El Antiguoに到着。目の前に石造りの鐘楼が聳えています。

サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂の前の広場は緑豊かです。

この広場は、その名もサント・ドミンゴ・エル・アンティグオ広場Plaza de Santo Domingo 'El Antiguo。石造りの建物の前に広がる静かな空間です。

ちょっと奥まったところが聖堂の入口です。開館時間までまだ間があるので、誰も来ていません。入口も固く閉じられています。

しばらくしても状態は変わらず、静まりかえっています。いくら早起きしたからとは言え、来るのが早過ぎたようです。

快晴の古都は次第に気温が上昇してきました。この広場には気持ちの良い木陰があるので、強い日光を避けてのんびり開館時間を待ちましょう。

やがて男の人がやって来て、入口の前に立ちます。続いて女性もやって来ました。2人は職員のようです。配偶者がさりげなく、様子を探りに近づいていきます。

彼ら2人はインターホンで連絡して、中に入っていきました。我々もそろそろ入口の前に並びましょう。一番乗りです。団体もやって来ました。急に周囲が騒がしくなってきました。

先ほどの男性が、警備用の制服に着替えて出てきました。おはようと声をかけると、後5分待ってねと言いながら入口近くでタバコを吸い始めました。後ろ姿のがっちりした制服の男性が彼です。

何度か目が合うと「今日はこれから10時間、明日も明後日もずっと勤務だよ」とぼやいてきます。警備の仕事もなかなか大変のようですね。
ついに開場。ようやく、エル・グレコに御対面です。
これがサント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂の主祭壇の祭壇衝立です。残念ながら《聖母被昇天》、《聖三位一体》など4点は散逸し、代わりにレプリカが飾られています。両脇の聖ヨハネの絵画は本物です。

現在、エル・グレコの意図どおりにオリジナルの姿で残っている祭壇衝立はひとつもないそうです。残念ですね。この聖堂はレプリカが多いとは言え、オリジナルに近い形で見られるだけでもよしとしないといけないでしょう。
このほか、《聖イルデフォンソを伴うキリストの復活》を鑑賞。
3枚あったエル・グレコの絵を十分堪能したので帰ろうとすると、例の警備の男性が近づいてきます。そして、もうひとつの礼拝堂は見ていないだろうと言いながら、案内してくれました。感謝です。
いよいよ帰ろうとすると、エル・グレコの墓は見たかと訊いてきます。えっ、そんなものがここにあるの・・・またまた案内してくれました。お墓を見落としては、後で悔やんでも悔やみきれませんね。彼と仲良くなっていて良かった! エル・グレコの魂に心からの挨拶を捧げました。
彼に感謝の言葉をかけて、今度は本当に聖堂の外に出ました。

次はカテドラル(大聖堂)に向かいます。
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