今回はオーケストラ・声楽曲編です。
このジャンルは今年もたくさんのコンサートを聴きました。インバル+都響の3年にわたるマーラー・ツィクルスも遂に総仕上げ。期待通りの名演でした。
ちなみに昨年の結果はここです。
で、今年は以下をベスト10に選びました。
1位 破滅の予感:ゲルギエフ+マリインスキー歌劇場管弦楽団@サントリーホール 2014.10.14
2位 超名演に感動!マーラー交響曲第9番:インバル&東京都交響楽団@サントリーホール 2014.3.17
3位 最高の感動!マーラー:交響曲第10番 インバル&東京都交響楽団@サントリーホール 2014.7.21
4位 畢生の名演! マーラー交響曲第8番《千人の交響曲》:インバル&東京都交響楽団@横浜みなとみらいホール 2014.3.9
5位 ヤンソンス+バイエルン放送交響楽団@サントリーホール 2014.11.25
6位 豊饒の響きのR・シュトラウス:ウィーン・フィル@サントリーホール 2014.9.25
7位 これぞチャイコフスキー:テミルカーノフ&サンクトペテルブルク・フィル@サントリーホール 2014.1.29
8位 シューマン、ベルク、ストラヴィンスキー、ブラームス:ウィーン放送交響楽団@ウィーン楽友協会 2014.6.13
9位 奇跡の響き_ブルックナー4番(第3稿):バレンボイム+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2014.6.14
10位 ザルツブルグ精霊降臨音楽祭:ロッシーニ_スターバト・マーテル@ザルツブルグ祝祭大劇場 2014.6.8
今年の1位を勝ち取ったのは、ゲルギエフの渾身の演奏だったショスタコーヴィチの交響曲第8番。ショスタコーヴィチの戦争交響曲の中核をなす音楽を超えた音楽とも言える作品を真っ正面から捉えた凄い演奏でした。人類の暗い未来を予感させる音楽はあまりに衝撃的な内容を孕んでいました。我々はこの破滅の予感を乗り越えていくことができるでしょうか。
2位はインバル&東京都交響楽団のマーラー・ツィクルスの最後をしめくくるマーラーの交響曲第9番の超名演。こちらを1位にしてもよかったくらいの素晴らしさでした。今、第4楽章のアダージョの演奏を思い出すだけで、涙が出てきそうです。saraiの頭の中を真っ白にしてくれた演奏でした。こういうマーラーはまた、いつ聴けるでしょう。
3位もインバル&東京都交響楽団のマーラー。マーラーの交響曲第10番(デリック・クック補筆 第3稿第2版(一部、第1版))の演奏はインバル&東京都交響楽団のマーラー・ツィクルスの番外編ですが、ある意味、マーラー・ツィクルスのグランド・フィナーレとも言えるものでした。マーラーの交響曲第9番の超名演と同じくらいの感動を覚えた素晴らしい演奏でもありました。
続く4位もインバル&東京都交響楽団のマーラー。マーラーの交響曲第8番《千人の交響曲》です。これも究極のマーラー演奏でした。今年のインバル&東京都交響楽団のマーラーは第8番、第9番、第10番とすべてが生涯忘れ得ぬ超名演ばかりでした。特にこの第8番は滅多に聴く機会がなく、それだけに価値あるものでした。それにこの愛と救済をテーマにした音楽にはとても魂を揺すぶられます。これを聴いたら、死んでもいいとさえ思ってしまうほどです。
5位はヤンソンス+バイエルン放送交響楽団によるR・シュトラウス。交響詩「ドン・ファン」とオペラ『ばらの騎士』組曲です。R・シュトラウスの記念の年にふさわしい素晴らしい演奏でした。なお、このコンサートはツィメルマンの弾いたブラームスのピアノ協奏曲第1番でも、協奏曲部門で5位にランクインしましたから、とてもレベルの高いコンサートでした。
6位はグスターボ・ドゥダメル指揮のウィーン・フィルの来日コンサート。生誕150年のR・シュトラウスの交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》を聴きました。やはり、ウィーン・フィルの演奏するR・シュトラウスは格別でした。その豊饒の響きに身を委ね、至福の時を過ごしました。
7位はテミルカーノフ&サンクトペテルブルク・フィルのコンビによるチャイコフスキーの交響曲第4番。実に聴き応えのあるチャイコフスキーでした。この曲のメランコリックさが実に自然に表現されていて、胸にじわっと沁み込んできました。
8位はウィーン楽友協会でのウィーン放送交響楽団のコンサート。指揮はコルネリウス・マイスター。シューマン、ベルク、ストラヴィンスキー、ブラームスの合唱や独唱などを交えた大変な曲をプログラムに並べ、しかも素晴らしい出来での演奏、ウィーンならではのものでした。特に初めて聴いたシューマンの《ミニヨンのためのレクイエム》は素晴らしい演奏でシューマンの素晴らしさを実感させてくれました。ルノー・カプソンの独奏によるベルクのヴァイオリン協奏曲も見事な演奏でした。楽趣極まれりの感に浸ったコンサートでした。
9位はバレンボイム指揮のウィーン・フィル。ブルックナーの交響曲第4番『ロマンティック』(第3稿)は、楽友協会グローサーザールに流れるウィーン・フィルの響きの柔らかさ・まろやかさが奇跡の響きといっても過言ではない素晴らしさでした。
10位はザルツブルグ精霊降臨音楽祭でのロッシーニのスターバト・マーテル。使い古された表現ではありますが、このコンサートは心が洗われるような清冽な演奏でした。
ジャジャーン!
ここで今年のコンサート・オペラ・リサイタルのなかでの大賞発表です。
今年は初の室内楽からの選定としました。
ブラームス/ピアノ四重奏曲第1番:フォーレ四重奏団@上大岡ひまわりの郷
フォーレ四重奏団の演奏は、このブラームス以外にも、マーラーとR・シュトラウスのピアノ四重奏曲、そして、翌日のモーツァルトのピアノ四重奏曲、すべてが最高でした。フォーレ四重奏団の演奏に感動しっぱなしでしたから、これは当然の大賞と言えます。
と言いながらも卑怯なのですが、もうひとつ、これも同列の大賞にします。同時受賞です。フォーレ四重奏団が出現しなければ、断トツでの大賞だったはずの素晴らしいオペラです。
オペラ《チェネレントラ》@ザルツブルグ・モーツァルト劇場 ザルツブルグ精霊降臨音楽祭の初日の公演
このオペラでは、何といっても、チェチーリア・バルトリのあまりの素晴らしさに魅了されっぱなしでした。それにザルツブルグ精霊降臨音楽祭の初日で実に華やかな雰囲気でした。オペラ全体の出来も近年稀に見る素晴らしいものでした。
来年の感動に期待しながら、今年の総括は幕としましょう。
今年も当ブログを読んでいただいたみなさんには感謝です。また、来年も引き続き、ご愛読ください。
saraiはこれから、みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートに出かけます。今年も音楽で年越しです。
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