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ジルヴェスターコンサート@みなとみらいホール 2014.12.31

あけまして、おめでとうございます。今年もsaraiのブログ、よろしくお願いします。

昨日の大晦日は恒例のジルヴェスターコンサート@みなとみらいホールで年越しです。

コンサートに先立って、1年を締めくくる贅沢をします。ランドマークタワーにあるロイヤルパークホテルのフレンチ・レストラン、ル・シエールでのディナーです。高速エレベーターに乗って、高層階の68階まで上ると、ロイヤルパークホテルのレストラン・フロアです。7時の予約に合わせて、ル・シエールの前に行くと、既に待合で待っている予約客もいます。早速、saraiも受付を済ませます。7時予約の3番目で受け付けてもらえました。その後、続々と予約客がやってきましたので、早めに行って正解でした。受け付け順でのテーブルへの案内でしたからね。予約時に窓際のテーブルを依頼しましたが、一応、希望はきいたとの回答でした。実際に案内されたのは、希望通り、窓際の眺めのよい席でした。キャンセル客が出たので、窓際のテーブルが確保できたとのことです。ラッキー!
ランドマークタワーのほぼ最上階から見る横浜の夜景は見事です。

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美しい景色と豪華なディナーを楽しんで、みなとみらいホールに移動。

みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは今年で第16回目。そして、saraiがジルヴェスターコンサートに通うのもこれで16回。全部聴いてます。よく通ったものです。
今回のプログラムは以下です。

《第1部》
池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
プッチーニ:「ラ・ボエーム」より“私が街を歩くと”
      「つばめ」より“ドレッタの夢”
      「トスカ」より“妙なる調和”、“星は光りぬ”
        (ソプラノ:伊藤晴、テノール:与儀巧)
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」より、第2楽章、第4楽章
        (ヴァイオリン:漆原啓子、漆原朝子、ヴィオラ:百武由紀、チェロ:堀了介)
スカルラッティ:ソナタ ハ長調 L.104(K.159)
        (ピアノ:仲道郁代)
スカルラッティ:ソナタ ホ長調 L.23(K.380)
        (ピアノ:伊藤恵
デュカス:魔法使いの弟子[2台ピアノ版]
        (ピアノ:伊藤恵、仲道郁代)
ヤナーチェク:シンフォニエッタより第1楽章「ファンファーレ」

《休憩》

《第2部》
クライスラー:愛の喜び
        (ヴァイオリン:漆原朝子、ヴィオラ:百武由紀、チェロ:堀了介)
クライスラー:愛の悲しみ
        (ヴァイオリン:漆原啓子、ヴィオラ:百武由紀、チェロ:堀了介)
(伝)カッチーニ(朝川朋之編):アヴェ・マリア
        (サクソフォン:須川展也)
ミシェル・ルグラン:映画「シェルブールの雨傘」より
リチャード・ロジャース:映画「サウンド・オブ・ミュージック」より
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲より
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
        (ヴァイオリン:徳永二男)
ラヴェル:ダフニスとクロエ 第2組曲より 夜明け、全員の踊り【カウントダウン曲】
J.シュトラウス2世:トリッチ・トラッチ・ポルカ、雷鳴と稲妻
J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲

【出 演】

音楽監督:池辺晋一郎、飯森範親(Cond)、徳永二男(エグゼクティブ・ディレクター/Vn)、朝岡聡(MC)
横浜みなとみらいホール ジルヴェスターオーケストラ(コンサートマスター:石田泰尚、扇谷泰朋、神谷未穂、高木和弘、藤原浜雄、三浦章宏)

今回のジルヴェスターコンサートはかぶりつきの中央の席で聴きました。まあ、これ以上、よく聴こえる席もないでしょう。
お祭りのようなコンサートですから、そんなに素晴らしい音楽が聴けるわけではありません。
印象に残ったものだけ、ピックアップしてみます。

ソプラノの伊藤晴は若くて声域も広いのですが、昨年の砂川涼子のような表現力には欠けます。声も出ていますから、今後の精進を期待というところ。

テノールの与儀巧は声も美しく、表現力豊かな歌唱。トスカの名アリアを見事に歌い上げました。日本人のテノールでここまでの歌唱は初めて聴きました。うっとりと聴き入ってしまいました。今後の活躍が楽しみです。

臨時編成の4人の演奏によるドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」はスケールは小さいのですが、妙に懐かしさを覚える響き。家庭で楽しむ室内楽の風情でした。

スカルラッティのピアノ・ソナタは仲道郁代の演奏は今一つ。対して、伊藤恵の演奏は見事なタッチで楽しませてくれました。

デュカスの《魔法使いの弟子》は2台ピアノ版での演奏。そんなものがあるとは知りませんでしたが、デュカス自身での編曲だそうです。これは伊藤恵と仲道郁代の息の合った演奏で素晴らしいものでした。ここでも伊藤恵の切れのいいタッチが印象的でした。仲道郁代の得意なジャンルの曲が聴けなかったのが残念ではありました。

ヤナーチェクのシンフォニエッタは第1楽章「ファンファーレ」だけの演奏でしたが、ヤナーチェクらしさが表出される演奏でなかなか聴き応えがありました。

休憩後、クライスラーは弦楽三重奏での珍しい演奏。ウィーンのカフェあたりで聴きたいようなお洒落な演奏でそれなりに楽しめました。

カッチーニのアヴェ・マリアは須川展也のサクソフォンの演奏がなかなかよかったのですが、やはり、この曲は人間の声で歌うほうがいいですね。

年越しのカウントダウンはラヴェルの「ダフニスとクロエ」です。カウントダウンは若干、最後に辻褄合わせの感じもあったとは言え、ぴったりと成功。1秒の狂いもなく、12時ちょうどに曲が終わりました。マエストロ飯森範親に今年も大拍手です。

最後は例年通り、ラデツキー行進曲を手拍子してコンサート完了。

今年も音楽で新年が始まりました。また、聴きまくりの1年になりそうです。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       伊藤恵,  

トレドはエル・グレコの街:カテドラルの聖具室でエル・グレコを堪能

2014年5月30日金曜日@トレド~グラナダ/6回目

配偶者がチケット購入の列に並んでくれているうちに、トレドのカテドラルSanta Iglesia Catedral Primada de Toledoを外部から子細に眺めることができました。各時代の色々な様式が混ざってはいますが、全体的にはゴシック様式の荘厳な建物です。
配偶者が待つチケット売り場の列に戻ります。ほどなくチケットを購入できました。拝観料は1人8ユーロです。

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英語版の案内パンフレットもゲット。

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カテドラルの入り口でチケットをチェックしている人に示すと、すんなり通してくれました。入場者の列もありません。
中に入ると、スペインのカテドラルの建築を代表する建物の圧倒的な空間の素晴らしさに魅了されます。

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トレドのカテドラルの立派さに感動します。それもその筈、マドリッドに首都が移る前はトレドがスペインの首都。トレドのカテドラルはスペイン・カトリックの総本山として、絶対的な権威を誇っていました。
内陣の祭壇裏の通廊を進んでいきます。

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内陣裏には美しい空間が広がります。

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上部にある美しい装飾は華麗な色彩に満ちていて、見事な彫刻が配置されています。あっけにとられるような美的な空間です。

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内陣裏に回り込むと、内陣の祭壇裏の巨大な大理石の祭壇彫刻に驚愕します。これはトランスパレンテEl Transparenteと呼ばれる彫刻群です。

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なかでもトランスパレンテ下部にある聖母子像は一際、印象的です。外部から差す光で明るく浮かび上がっています。

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しばし、このトランスパレンテに目を奪われます。これはスペインとジェノヴァの大理石で創られたスペイン・バロックの傑作。1732年のナルシソ・トメによる労作です。

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トランスパレンテの脇を見ると、微細な彫刻が続いています。そこまでやるかという感じです。もちろん富の力も大きいですが、芸術家の執念によるパワーが真実の美を生み出すことが実感できます。

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内陣裏をぐるっと回って逆サイドの通廊に出ると、そこは聖具室の入口です。カテドラル内部の鑑賞はひとまず後に回しましょう。
このカテドラルの華は何といっても聖具室Sacristiaです。聖具室に足を踏み入れます。聖具室の天井はフレスコ画に覆い尽くされて、美しい空間です。

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このカテドラルの聖具室いっぱいに飾られたエル・グレコの19作品は、見ごたえ十分。ひとつの部屋にこんなに多くのエル・グレコの作品が展示されているところはどこにもないでしょう。中でも最高傑作のひとつ《聖衣剥奪》の素晴らしさには息をのみます。1577~79年、エル・グレコ36歳から38歳頃の作品です。この聖具室を飾るために、キリストが磔刑の前に着衣をはがされるというテーマの絵画がエル・グレコに依頼されました。聖具室には法衣などが収められているので、ぴったりのテーマだったんです。画面の中心を覆う聖衣の赤い色は迫力に満ちています。この赤い聖衣こそ、この絵の主役とも言えます。天を見上げるキリストの穏やかな表情に、この絵を見る人々は救われる思いを抱くことでしょう。これから、人類の罪をすべて背負って、キリストは従容として磔刑を受け入れて死に赴くわけですからね。また、画面の下部左にいる青いローブの聖母マリアが悲しそうに十字架を見つめている視線には心が痛みます。この作品はエル・グレコがトレドに渡って、初めて作り上げた傑作です。この後、40年弱に渡って、エル・グレコはトレドで傑作を書き続け始めますが、この作品がその記念すべき第一歩になりました。

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聖具室の先には、ティツィアーノの傑作、さらに予想だにしなかったカラヴァッジョの作品までありました。
聖具室でエル・グレコの作品を堪能し、カテドラル内部の鑑賞に戻ります。


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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

トレドはエル・グレコの街:カテドラルの内陣と合唱隊席の豪華さにため息

2014年5月30日金曜日@トレド~グラナダ/7回目

カテドラルの聖具室でエル・グレコを大いに堪能し、またカテドラルの大空間に戻ります。聖具室を出ると、目の前が内陣です。
内陣Capilla Mayorは美しい金色の柵で仕切られていて、柵の上部には十字架のキリスト像が輝いています。

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金色の柵の奥には、巨大な祭壇衝立が聳えています。繊細で豪華な彫刻・レリーフが集積しています。これは凄い!

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聖書の物語の各シーンを表現したパネルを組み上げて、巨大な祭壇衝立を作り上げています。個々のパネルが精巧に創られており、部分を見ても素晴らしいです。しかし、衝立全体の複雑で豪華な様は見事としか表現できません。

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内陣の反対側には、同じく金色の柵に仕切られた合唱隊席Coroがあります。背後には、薔薇窓も見えています。

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これがヨーロッパのカテドラルで最も美しいと言われる合唱隊席です。合唱隊席には、グラナダ戦争(Guerra de. Granada)の場面が細かく彫り込まれていますが、近くで見ることはできませんでした。

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合唱隊席を外側から眺めると、こんな感じ。パイプオルガンも見えます。

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側廊からカテドラル中心部を眺めます。左手が内陣、右手が合唱隊席で、正面がライオンの門Puerta de los Leonesです。美しい空間です。

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側廊の同じ位置から、右手の合唱隊席を眺めます。ステンドグラスからの美しい光が降り注いでいます。

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今度は視線を左に向けて、内陣を眺めます。金色の柵の上部の十字架のキリスト像がステンドグラスからの光で輝いている様子が大変、印象的です。

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これがズームアップしたキリスト像。

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側廊を歩きながら、カテドラルの巨大な空間を鑑賞します。この空間を支える束ね柱の大きさは凄いですね。ずらっと並ぶステンドグラスも美しいです。

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上を見上げると、アラビア風の文様の金色の天井が見事です。

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カテドラルの西の端からカテドラル全体を見渡します。合唱隊席の先に内陣の祭壇衝立の上端のキリスト像が見えます。カテドラル内のどこからでもキリスト像を拝めるようになっているんですね。

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南側の側廊を進んで、出口の方に向かいます。

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カテドラルのほの暗い空間から右手に見える出口の光に進みます。

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カテドラルは内陣はもちろん、合唱隊席、そして、巨大な空間、贅を尽くした装飾の類など、スペイン・カトリックの総本山にふさわしい素晴らしさに満ちていました。しかし、それらにも増して、聖具室の至宝、エル・グレコの名画に大満足。これでカテドラルの鑑賞は完了です。

トレドでのエル・グレコの名画鑑賞も残すはタヴェラ施療院だけになりました。


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トレドはエル・グレコの街:最後のタヴェラ施療院でのエル・グレコ鑑賞も無事完了

2014年5月30日金曜日@トレド~グラナダ/8回目

カテドラルの鑑賞は完了し、最後にタヴェラ施療院に向かいます。ただ、次のタヴェラ施療院はちょっと遠く歩くのは大変です。カテドラルを出て、市庁舎広場でタクシーを探していると、なんとも嬉しいことにすぐに空のタクシーがやって来ました。ついていますね。早速、タクシーに乗り込み、行先を告げると、ちゃんと通じて、タクシーは発車して、広場をあとにします。

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カテドラルの前の狭い路地を走っていきます。お土産物屋の軒先をかすっていきます。

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タクシーはますます狭い路地を抜けていきます。トレドのタクシーは凄いですね。

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やがて、タクシーは旧市街の狭い路地を抜けて、城壁の外の道に出て、タホ川に沿って走り出します。グル・モスカルド通りCalle Gl Moscardóです。

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タホ川の対岸の丘の上には大きな建物が見えます。陸軍歩兵学校Academia de Infanteriaでしょうか? もし、そうだとすれば、あのフランコ将軍の出身校です。

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次にファネロ通りRonda Juaneloに入ると、今度は前方にアルカンタラ橋Puente de Alcántaraとタホ川の対岸の丘の上にサン・セルバンド城Castillo de San Servandoが見えてきました。

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グル・モスカルド通りからカルメン通りPaseo Carmenのあたりに入っていきます。タクシーはこのまま、タホ川沿いの道を走ります。

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アルカンタラ橋が近づいてきました。

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タクシーはファネロ通りRonda Juaneloを走り、アルカンタラ橋の前を通り過ぎていきます。カスティージャ・ラ・マンチャ通りAv Castilla la Manchaを走り、ロータリーにぶつかると、そこはトレドのバスターミナルです。

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ここから、くねくねした坂道を上っていくと、タヴェラ施療院に到着。楽チンでタヴェラ施療院に移動できました。
カテドラルからタヴェラ施療院までのタクシーのルートを地図上で確認しておきましょう。

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タヴェラ施療院はなかなか立派な建物です。

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ここでも、オンラインで購入済の5つの施設のセット入場チケットを見せて、入場。建物に入ると、そこは美しい中庭になっています。

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青空と中庭の対比が綺麗です。

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ここにあるエル・グレコの作品は6点。佳作の作品です。
これは《聖アンナのいる聖家族》です。1590-95年頃の作でトレドのメディナセリ公爵家財団タヴェラ施療院所蔵です。この時期の作品としては、大変、素晴らしい作品です。特に聖母マリアが極めて美しく描かれています。以前、東京・上野の東京都美術館でのエル・グレコ大回顧展でも見た作品です。

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5点は見ましたが、最後の1点がどうしても見当たらず、係の女性に訊くと、すぐそばのものを指さします。何と絵画ではなかったんです。キリストの本当に小さな彫像でした。

これで、トレドで予定していたエル・グレコの作品の鑑賞はすべて完了。充足感で幸せな気持ちになりました。思いっ切り、エル・グレコの世界に浸ることができました。


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トレドはエル・グレコの街:パラドールでもう一度トレドの眺めを楽しみ、トレドにお別れ

2014年5月30日金曜日@トレド~グラナダ/9回目

タヴェラ施療院でのエル・グレコ鑑賞を終えて、トレドで予定していたエル・グレコの作品鑑賞はすべて完了。トレドでやり残したことはありません。
トレドを出発するまでにはまだ少し時間があるので、トレドの街をぶらぶらしましょう。
タヴェラ施療院の前には大きな公園が広がっています。この公園を歩いて、トレドの旧市街の方に向かいます。

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公園の並木道の向こうに旧市街の石造りの建物が見えてきました。

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トレドの街の入り口の城門の前に着きました。重厚な石造りの建造物、ピサグラ新門Puerta Nueva de Bisagraです。昨日もバスの車窓から見ましたが、今日はゆっくりと見物しましょう。

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タヴェラ施療院からピサグラ新門までの散歩道を地図で確認しておきます。

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旧市街は高い城壁で隔てられています。

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快晴で暑くなってきたせいか、とても喉が渇いてきました。公園内の売店でドリンクを求めて、ほっと一息。
ピサグラ新門を眺めながら喉を潤していると、何だか疲労感を覚えます。今日も結構、歩き回りましたからね。

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この後は、ホテルのテラスでお茶でもしながらトレドの街を眺めて過ごしましょう。このピサグラ新門は交通の要所なのか客待ちのタクシーが並んでいます。
タクシーに乗り込んで行先のパラドールを告げると、昨日のバスと同じルートを走り出しました。旧市街の城壁に沿ってのドライブです。これはアルフォンソ6世門Puerta de Alfonso VI(旧ビサグラ門)の前のロータリーです。

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ホテル(パラドール)に戻ってきました。バスの出発時間までゆったり過ごしましょう。
パラドールのカフェテラスに座り、トレドの街の風景を楽しみます。何度見ても、美しいですね。

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そういえば、saraiが泊まっていた部屋はカフェテラスを見下ろす部屋でした。外から部屋を確認してみます。角の端の2階がその部屋ですね。

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この2階の窓がsaraiが泊まった部屋の窓です。

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眺めのよいテーブルで冷たいジュースをいただきます。

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あれれっ・・・可愛い小鳥がテーブルにちょこんと止まります。

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それにしても暑い日差しです。カフェのお姉さんが日除けのパラソルをセットしてくれました。ありがたいですね。

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そろそろ出発の時間です。この美しい景色を脳裏に刻み付けておきましょう。

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ホテルのレセプションで預けた荷物を受け取り、クシーを呼んでもらってトレドのバスターミナルに向かいます。途中でまたまたアルカンタラ橋の前に差し掛かります。

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さすがに車窓からはアルカンタラ橋の綺麗な写真は撮れず、残念。

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マドリッドへは電車でもバスでも、たいして時間はかかりません。帰りはバスにしてみました。バスターミナルでマドリッド行のバスを探します。

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午後1時発の直通バスをネットで予約済なんです。料金は1人6.38ユーロです。

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ぐったり疲れていて、車窓からぼんやりと景色を眺めていているうちに(写真は1枚もなし)、マドリッドに戻ってきました。
これから、バスでアンダルシア地方のグラナダに向かいます。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:マドリッドからグラナダまでの豪華なバス旅

2014年5月30日金曜日@トレド~グラナダ/10回目

トレドからバスで約1時間、マドリッド・エリプティカ広場に着きました。できれば直接、トレドからアンダルシア地方のグラナダに向かいたかったんですが、鉄道もバスもマドリッドを経由して行くものしかなかったんです。グラナダに向かうバスが出るバスターミナルは、マドリッド・南バスターミナルEstación Sur de Autobusesです。マドリッドには長距離バスターミナルがいくつもあり、行先ごとに分かれているので、かなり不便です。地下鉄6号線L6でエリプティカ広場駅Plaza Elíptica からメンデス・アルバロ駅Méndez Álvaroまで移動します。地下鉄マップでも確認しておきましょう。

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地下鉄のメンデス・アルバロ駅に到着し、迷わずにグラナダ行きのバスが出発する南バスターミナルに移動できました。かなり大きなバスターミナルで、ALSA社のグラナダ行のバス乗り場を探してウロウロしてしましたが、ようやくスタンバイ。ALSA社のバス乗り場は大きな南バスターミナルの一番端にありました。
これから乗るバスは、初めて体験するプレミアムクラスのバスです。ゆったり2‐1の3列シートの豪華なバスの筈です。
これがネットで予約したチケット。1人41.6ユーロ。日本円で約6000円です。所要時間が4時間半の長距離移動ですから、それほど高価ではありません。鉄道よりはお得な料金です。

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バスが入線し、荷物をバスの荷物室に積み込みます。

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予約チケットを示してバスに乗車します。チケットをチェックしていた女性は大変なスペイン美人。しかも、彼女がバスの中でサービスしてくれるアテンダントでした。saraiはこの美人に見とれて、ずーっとデレーッとしていました。

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最前列のシートを予約しています。配偶者と2人、ゆったりしたリクライニングシートに座ります。すこぶる展望がよさそうです。

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定刻の午後3時になり、バスは発車します。

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バスの座席には、個別にモニターが設置されています。飛行機と同じようなサービスですね。

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バスはマドリッド市内の一般道路を走って、高速道路に向かっていきます。一般道路は空いています。

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10分足らずで高速道路に入ります。高速道路と言っても無料開放されているので、マドリッド周辺では流入する車と流出する車で断続的に混み合っているところがあります。

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1時間近く走って郊外に出ると、走る車は少なくなり、バスは順調に走り出します。

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車内でのサービスが始まりました。まず、テーブルをセット。テーブルに置いてくれた紙シートにはALSA Premiumの文字が書かれていて、いかにも豪華なバスの雰囲気です。

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グルメランチのボックスを美人アテンダントが配ってくれます。グラシアス!

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ボックスの蓋を開けると、食べ物がぎっしりと詰め込んであります。

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中身をテーブルの上に広げてみました。テーブルからはみだしそうなくらい、いっぱいです。チーズ、生ハム、サラダ、フルーツ、パン、ジュースetc.です。

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しばらくは食事に集中。バスですから、それなりに揺れます。特にカーブでは注意しないとテーブルの上からものが落ちます。ゆっくり30分ほどかけて、美味しくいただきました。

マドリッドの街を出て以来、どこまでも広がる大平原の中を走ります。赤茶けた土がむき出しの大地です。所々で大きな黒い牛の看板が目を引きます。

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ここまでで1時間半くらい過ぎましたが、まだ3時間はバスの旅が続きます。のんびりとスペインの景色を満喫しましょう。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:グラナダまで延々と続くバスの旅

2014年5月30日金曜日@トレド~グラナダ/11回目

マドリッドからグラナダまで、豪華なバス旅を続けています。乗っているのは大手バス会社ALSAのプレミアムクラスのバス。最前列の2席に配偶者と一緒に陣取って、スペインの大地の景色に目を凝らします。
4時間半の行程のうち、3分の1の1時間半が過ぎ、荒涼たる大平原の中をバスは行きます。

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前方に見慣れたものが現れます。風力発電ユニットです。

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風車が間近になります。スペインの風車と言えば、ドン・キホーテの世界を思い起こしますが、現代スペインは風力発電や太陽光発電の先進国。決して、珍しいものではありません。

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どこまでも変わらない同じ景色が続いていきます。

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食後のコーヒーのサービスがあります。もちろん、スペイン風のミルクコーヒーです。美味しくいただきます。

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スペインの高速道路にあるサービスエリアが見えてきました。ガソリンスタンドの大きな看板塔が見えます。

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これがサービスエリアへの進入路。実にオープンな雰囲気です。無料開放されている高速道路では、単に脇道にそれるだけのこと。

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バスは進入路を横目に見ながら、そのまま高速道路の本線を走ります。

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サービスエリアの脇を通り抜けていくと、今度はサービスエリアからの進入路があります。これだって、単に脇道からの合流に過ぎません。サービスエリアという立派な施設があるわけではなくて、ガソリンスタンドやレストランへの脇道があるだけなんです。

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淡々とバスは走り続けます。もう、ノンストップで2時間走りました。トイレ休憩とかはありません。バスの車内に立派なトイレがありますからね。この辺りは高地にあるマドリッドから下ってきて、平地になったような気がします。前方を走るバスはずっと一緒に走っています。

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あれれっ・・・、前方のバスにぐんぐん引き放されます。バスのドライバーもさすがにお疲れモードのようです。大丈夫かな。

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さらに1時間経過。これまでは延々と3時間程全く同じ景色が続いていました。突然緑豊かな平原に変わります。道路の緑地帯の赤や白やピンクのキョウチクトウが綺麗です。

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この辺りからはオリーブ畑が広がります。ずっとずっとオリーブです。一体、こんなにオリーブを作ってどうするんだろうって感じです。

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この景色がまたまた延々と続きます。

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暇つぶしにナッツとドライフルーツのおつまみをいただきます。

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もう3時間半ほど走りました。景色は道路に沿って植えられているキョウチクトウと見渡す限り続いているオリーブ畑のままです。

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ずっとノンストップで走り続けてきましたが、ようやくドライバーの交代です。相当に疲れていたようです。ガソリンスタンドに入って停車しました。

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交代要員のドライバーがここで待っていたようで、バスに乗り込んできます。安全運転、よろしく。

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消耗していたドライバーが運転席を立って、ドライバー交代です。運転、ご苦労様でした。

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新しいドライバーの運転するバスは順調に走り、30分ほどで山間部に入ります。もう、グラナダも近くなったでしょう。

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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:グラナダは夜更けでも雑踏の街

2014年5月30日金曜日@トレド~グラナダ/12回目

グラナダまで延々とバスの旅が続きます。もう4時間半ほど走りましたから、時間的にはグラナダに着くころですが、マドリッドを抜け出るのに断続的な渋滞に巻き込まれたために遅れているようです。遥か前方に大きな山脈が見えてきました。シェラネバタ山脈でしょう。

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この辺りの道路を走る車はまばらです。まわりもオリーブ畑以外は何もない荒涼とした平原です。

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グラナダの標識が出てきました。ようやく近づいたという感じです。

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もう夜の7時半ですが、空は真っ青に晴れあがっています。

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シェラネバタ山脈が近づいてきましたから、グラナダももうすぐでしょう。

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真ん前に大きく、雪をいただいたシェラネバタ山脈の高い山々が聳えています。

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高速道路の旅ももうじきお終いになりそうです。

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高速道路のグラナダ出口で渋滞し、最後の最後でまた遅れてしまいました。グラナダの街に入ると、通り沿いは街の賑わいが感じられます。グラナダは大きな街のようですね。30分ほど遅れ、5時間かかって到着です。でも、食事など行き届いたサービスの贅沢さに、その5時間の移動もあっという間でした。着いたのは午後8時過ぎです。
グラナダのバスターミナルは街の中心から外れたところにあるので、ホテルに行くには市内バスに乗らなければいけません。市内バスの停留所に行きますが、あまりの人の多さにsaraiはめげてしまい、タクシーで行くことに・・・配偶者はラッキー!と喜んでいます。
バスターミナルを出発すると、大きな建物の横を通ります。これは闘牛場Plaza de Torosですね。

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楽ちんの筈のタクシーでしたが、途中で大渋滞に巻き込まれて一向に進みません。運転手さんもお手上げです。

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仕方がないので、街角の様子でも観察しながら辛抱です。いかにもアンダルシアらしい瓦屋根の建物が旅情をそそります。

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途中の道には警官も立っていて、交通規制がかかっているようです。警官はタクシーの運転手が行先のホテル名を告げると通してくれましたが、さらに別の通りの奥に立っていた警官は通せんぼ。タクシーの運転手はもうこれ以上は進めないからと、ホテルの場所を教えた上で、タクシーから下りてくれとのこと。ホテルの方向に歩いていくと、その交通渋滞の原因がデモ行進と分かりました。どうしようもありませんね。不安を抱きながら見知らぬ土地を歩き、何とか目的のヌエバ広場Plaza Nuevaに到達しました。夜だというのに、人であふれかえっています。金曜日の夜だからでしょうか。

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グラナダのホテルに到着したのは夜9時でしたが、まだまだ明るい青空の下でした。ホテルはホテル・マシア・プラサHotel Maciá Plazaです。好立地で超格安なんです。

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すぐにチェックイン。何も問題なく、OK。

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部屋に入ると、なかなか小綺麗で快適です。

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それにちゃんと依頼通り、バスタブ付きの部屋です。ラッキー!

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グラナダはものすごい人ごみで、これこそイメージしていたスペインです。その雑踏に圧倒され、夕食にも出かけずにそのままホテルにこもることにしました。saraiが1人で近くのミニスーパー(コンビニもどき?)で飲料だけを調達してきて、手持ちのおやつを食べてディナーはお終い。

せっせとブログを書いて、夜が更けていきます。

明日はアルハンブラ宮殿を午前中鑑賞し、12時にはグラナダを出発し、カディスに移動という超過密日程。カディスで大西洋に沈む夕日は見られるでしょうか。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:早起きして、アルハンブラ宮殿へ急行

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/1回目

旅の6日目、グラナダ滞在2日目です。実質はグラナダは今日の午前中半日だけの慌ただしい観光になります。昼12時に、セヴィーリャ経由で大西洋沿岸の街カディスに移動するんです。グラナダでの最大の目的はアルハンブラ宮殿を見ること。できれば、カテドラルと宮廷礼拝堂も見たいと思っています。

グラナダの朝は、快晴です。雲ひとつありません。急ぎましょう! アルハンブラ宮殿の見学はともかく大変らしいのです。7時前に起床。身支度を整え、荷物を整えて出掛けます。7時半にはホテルをチェックアウトして、出発です。このホテルの滞在時間は、10時間ほどでした。
ホテルを出ると、そこは朝のヌエバ広場。昨夜の喧騒がうそのように静まり返っています。

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ヌエバ広場からアルハンブラ宮殿行のバス停のほうに向かいます。

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ヌエバ広場に面して建っているアンダルシア高等裁判所の古風な建物が目に付きます。この ルネサンス様式の建物は昔は王立裁判所として使われていました。

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ヌエバ広場から南西方向のイザベル・ラ・カトリカ広場に向かいながら、後ろを振り向いて、ヌエバ広場の全景を眺めます。

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ヌエバ広場に面して建っているのが昨夜から泊まっていたホテル・マシア・プラザです。堂々たる建物ですね。

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さあ、バス停のあるイザベル・ラ・カトリカ広場に急ぎます。

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すぐにホテルから2つ目の通りの角にあるイザベル・ラ・カトリカ広場Plaza de Isabel la Católicaに到着。広場の中央には、イサベル女王とコロンブスが対面している像があります。

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この広場もゆっくりと見ておきたいものですが、気持ちはアルハンブラ宮殿に急ぎたいという焦燥感に駆られています。アルハンブラ宮殿行きのミニバス(30番のアルハンブラバス)を探します。乗り場はすぐに発見。

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バス停にAlhambraの文字と30番という表示があるので、ここで間違いないでしょう。

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ホテルのあるヌエバ広場からバス停のあるイザベル・ラ・カトリカ広場までのルートを地図で確認しておきましょう。

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バス停に着くと同時にバスが来ました。

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しかし、ミニバスのせいか、乗客が座り切れず、既にかなりの人が立っています。一つ前の始発のバス停から乗ればよかったと反省しましたが後の祭り。まあ、乗れただけでよしとしましょう。それにしても皆さん、出動が早い。バスのチケットは車内で購入しました。一人1.2ユーロです。

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バスはどんどん狭い坂道を登り、アルハンブラ宮殿のチケット売り場の最寄りのバス停ヘネラリフェGeneralifeに到着です。チケット売り場には、もう既に長い行列が出来ています。

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私達はちゃんと予約をしてあるので心配はありません。当日券を求める人は一体何時から並んだのでしょうか。
当日券を求める行列、予約券をチケットに取り替える行列が出来ました。saraiはもちろん、予約券の短い列に並びます。

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この時点では、入場口そのものは閑散としています。まだ、みなさん、チケットがありませんからね。

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左が当日券の窓口、右が予約券を持っている人の窓口です。

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現在、入場開始の10分前の7時50分です。いやはや、世界の観光地のアルハンブラ宮殿ともなると入場までが大変です。でも、もうそろそろチケットの処理が始まるでしょう。落ち着いて待ちましょう。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:アルハンブラ宮殿内の広大な敷地をぶらぶら

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/2回目

グラナダで早起きして、アルハンブラ宮殿の朝一番の入場の列に並びました。まずは予約したチケットの入手です。
オープン時間の8時になって、予約済の人と当日券を求める人、それぞれの行列が遅々とはしていますが進み始めました。横目に見ると、チケットを手にいれた人は入場の列に並んでいます。予約していてもなかなかです。

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ようやく順番になり、窓口で予約済みチケットを受け取ります。

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これがそのチケット。アルハンブラ宮殿の全域に入場できるスーパーチケット。一人15.4ユーロ。一番の見どころであるナスル朝宮殿の入場予約時間は9時です。ナスル朝宮殿の入場は30分ごとの入場制限になっているんです。

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チケットを手にして、ようやく入場の列に並びます。

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すぐにアルハンブラ宮殿Palacio de La Alhambraの広大な敷地の中に入れました。宮殿の城壁に向かって、敷地内の並木道を進んでいきます。

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宮殿を取り囲む城壁の入り口に出ました。アルハンブラ宮殿は1238年に建国されたグラナダ王国のナスル朝初代王アル・アフマールによって、アルハンブラ城内に築城された王宮です。スペイン・イスラム文明を代表する輝かしいモニュメントです。

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城壁自体はそう高くはありませんが、その周りには濠が巡らせてあるので、堅固な城塞になっています。

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濠の上の橋を渡って、城壁に向かいます。

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いよいよ、この先がアルハンブラ宮殿の城壁の内部です。

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城壁内は美しい緑の庭園の道が続きます。

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傍らには城壁も続いています。

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よく整備された清々しい朝の庭園の道を歩いていきます。

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左手にはいったんは離れた城壁が近づき、城壁の向こうにはグラナダの街も眼下に広がっているようですが、あまりよくは見えません。

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綺麗に刈り込まれた樹木の垣根に挟まれた美しい路に出てきました。

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右手の垣根の隙間からは瀟洒な建物が見えます。これはパラドール・デ・グラナダでしょうか。

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やはり、パラドールでした。古い修道院を改装した国営のホテルです。ここに宿泊することも検討しましたが、既にパラドールは一昨日にトレドでも体験しましたし、このアルハンブラのパラドールは宿泊料金が高いので宿泊を断念し、グラナダ市内のリーズナブルな料金のホテルに泊まったんです。

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検問所のようなところが見えます。

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このゲートは特にチェックなしに抜けられます。この先はいよいよ、アルハンブラ宮殿の中枢的な建物が並んでいるのでしょう。

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道標に従って、ナスル朝宮殿、アルカサバの方に向かって、歩いていきます。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:カルロス5世宮殿の不思議な建物

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/3回目

アルハンブラ宮殿の奥の方に向かい、真ん中辺りのチェックポイントを抜けると、宮殿の建物群ももうすぐ。日差しも段々と暑くなってきますが、緑の木陰の路を歩きます。

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パラドールの門の前を通過。時間があればお茶でもしたいところですが、そんな時間は残らないでしょう。

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パラドールの隣には緑に囲まれた建物が見えます。

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これはホテル・アメリカです。アルハンブラ宮殿の敷地内のホテルとしては、パラドールよりも経済的なホテルで、このホテルへの宿泊も検討しましたが、何だか中途半端なので止めました。

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続く建物はサンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会Iglesia de Santa Maria de la Alhambra。鐘楼の美しい建物です。モスク後に17世紀に建てられました。

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サンタ・マリア教会の次には。カルロス5世宮殿Palacio de Carlos Ⅴがあります。スペイン国王カルロス5世がグラナダを新たなスペインの都にしようとして、建設しました。16世紀のルネサンス様式の建物で凹凸の大きい見事な外壁が印象的です。

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カルロス5世宮殿の先には花の咲き誇る庭園があります。ここまで来て一息つきます。

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この庭園はもうナスル朝宮殿の入り口付近でもあります。綺麗な花を見ながら、この後の行動プランを考えます。

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アルハンブラ宮殿の一番の見どころ、ナスル朝宮殿の予約時間は9時なので、それまでまだ30分ほどあります。その時間を利用して、アルハンブラ宮殿の他の場所を見て歩きましょう。
目の前にあるカルロス5世宮殿に入ってみましょう。

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中に入ってびっくり。外側は四角形なのに中は円形になっています。

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実に不思議な建物です。2階建ての構造で美しい曲面を描いています。

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青空の下で美しいフォルムを持つ宮殿が気に入って、見入っていました。

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カルロス5世宮殿の外に出ると、やはり、外側は四角い建物です。このギャップが実に面白いです。

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配偶者は薔薇の花の咲く庭園の方が気になったようで、観察しきりの様子。

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庭園の先には、アルカサバの城塞も見えています。

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アルカサバに向かう前に、このアルハンブラの丘からの景色を眺めておきましょう。これは北の方の眺め。グラナダの街の見渡せます。正面に見えるアルバイシンAlbayzínの丘の上には白亜のサン・ニコラス教会Iglesia de San Nicolásが見えます。この教会前のサン・ニコラス展望台Mirador San Nicolásからのアルハンブラ宮殿の夜景は有名です。実は昨夜、このサン・ニコラス展望台を訪問予定でしたが、ホテルへの到着が予定よりも遅れて、めげてしまったんです。残念です!

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配偶者はまだ丹念に花園を鑑賞しています。

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次はアルカサバAlcazabaに向かいます。

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この堅固な軍事要塞も大変、興味があります。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:アルカサバを巡り、ベラの塔にアタック

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/4回目

アルハンブラ宮殿を散策しています。ナスル朝宮殿の予約時間の9時まではアルハンブラ宮殿の他の場所を見て歩きましょう。不思議な建物、カルロス5世宮殿を見終えて、次はアルカサバを見ます。
アルハンブラ宮殿の一番端にあるアルカサバAlcazabaは軍事要塞で、難攻不落と言われていました。目の前に聳える頑強な壁面にはその難攻不落を実感させられます。

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アルカサバ前からはグラナダの街の眺めが広がります。

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アルカサバ内に入ると、擁壁に挟まれた隘路が続きます。まさに軍事要塞ですね。

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要塞内のトンネルを抜けます。

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アルカサバの上に出ました。ベラ(歩哨)の塔Torre de la Velaが青空にくっきりと突き出ています。

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saraiがベラの塔に歩み寄ります。魅力的なフォルムです。

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ベラの塔の前から後ろを振り向きます。こちらにも低い塔が見えます。真ん中の塔が《折れた塔》Torre Quebrada、左側が《忠誠の塔》Torre del homenajeです。

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北側の見晴らしのきくところに周っていくと、グラナダのアルバイシン地区が見渡せます。

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この見晴らし台からベラの塔を見ると、上方に聳えています。何としてもベラの塔に上らないといけませんね。

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後方からは朝日が照り付けています。《折れた塔》と《忠誠の塔》は威厳を感じさせます。

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saraiはアルカサバからのグラナダの街の眺めを写真に収めることに夢中になっています。絶景ですからね。

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アルバイシンの眺めです。白い建物が建ち並んでいます。綺麗な街並みです。

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ここからの眺めを満喫したところで、いよいよベラの塔に上りましょう。

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ベラの塔の石段を配偶者は一心不乱に上ってきます。頑張れ!

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saraiもフーフー言いながら、上っていきます。

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遂にベラの塔の上に到達。鐘と4本の旗が目に入ります。スペイン国旗やEUの旗のようです。

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ベラの塔は13世紀に建造されたアルカサバで最も高い塔です。遅れて上ってきた配偶者も塔からの眺めを楽しんでいます。

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ベラの塔からの眺めは次回で。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:アルカサバのベラの塔からの絶景

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/5回目

アルハンブラ宮殿の軍事要塞アルカサバの一番高い塔、ベラの塔に上ったところです。塔の上からアルカサバを見下ろします。アルカサバ内に朝日が差し込もうとしています。

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ベラの塔からの眺めは最高で、眼下にグラナダの街が一望できます。
これはアルカサバの先端方向(西)の眺めです。ヌエバ広場からカテドラルまで一望できます。

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これは南の方の眺め。アルハンブラ宮殿の丘の裾野の森、グラナダの街、遠くにはシェラ・ネバダ山脈も望めます。

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こちらは北の方の眺め。アルバイシンの街並みからサクロモンテの丘の一帯が望めます。

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こちらは東の方の眺め。アルカサバの全景に遮られていますが、その先は広大なアルハンブラ宮殿が続いています。

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ベラの塔からは四方が見渡せ、歩哨の見張りに最適な場所だったことが分かります。
最後にシェラ・ネバダ山脈の雪を抱く峰々を眺めます。かって、この城の最後の王ボアブディル(ムハンマド11世)は落城したアルハンブラ宮殿から落ちのびる途中、シェラ・ネバダの丘の上からアルハンブラ宮殿を視界にして、惜別の涙にくれたそうです。このとき、スペインでのイスラム勢力が一掃されて、イベリア半島がカトリック教徒の手に戻りました。1492年のことです。レコンキスタが完了した年であり、グラナダを征服したイサベル女王の援助を受けたコロンブスが新大陸に到達した年でもあります。世界史的に記念すべき年で、その舞台がここでした。

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さて、そろそろベラの塔を下りて、アルカサバを抜け出しましょう。下を眺めると、この塔の高さがうかがいしれます。

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狭い石段を下りていきます。その先は狭いトンネルが続き、外の光が見えてきました。

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ここはまだアルカサバの中です。まさに迷宮の中という雰囲気。

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ようやく外に出ました。大きな水槽に水が満々と溜められています。

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アルカサバの外壁に沿った美しい塁壁公園を歩きます。

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公園には噴水があります。水は砂漠の民のこだわったものだったのでしょう。

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塁壁公園の出口です。

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最後に高い壁の間の通路を抜けて、アルカサバを出ていきます。

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アルカサバの出口前に出ました。

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ぶどう酒の門Puerta de Vinoを抜けて、アルカサバを出ます。

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アルカサバに最後の一瞥をくれます。塁壁に沿った通路が続いています。

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アルカサバを抜けて、ナスル朝宮殿の前の美しい花が咲く庭園に出ました。そろそろナスル朝宮殿の予約時間です。

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次回からは美しいナスル朝宮殿を堪能していきます。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:ナスル宮殿に入場し、あまりの美しさにボー然

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/6回目

アルハンブラ宮殿を散策。アルカサバを見終わって、アルカサバの前に出ました。

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予約時間の9時にナスル宮殿前に行くと、既に長い行列ができています。少し甘く見て、出遅れたかもしれません。9時予約の人たちはかなり以前から行列を作っていたようです。

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ちょうど花壇の前に行列ができているので、綺麗な花でも見ながら、行列が進むのを待ちます。アルハンブラ宮殿は緑豊かで、この時期は一際、花が咲き乱れ、楽園のようです。

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5分ほどで行列はずい分進みました。半分以上は前に進みました。後方にはアルカサバが見えています。

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ナスル宮殿Palacios Nazaríesの入り口が近づいてきました。

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いよいよ、ナスル宮殿に入ります。並んで10分ほどです。9時10分になりました。

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ナスル宮殿に入り、最初の部屋に向かいます。メスアール(裁き)の間Sala del Maxuarです。ナスル宮殿で最も古い部分です。

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これはメスアールの間の内部。細い大理石の柱が天井からの重みを支えています。ほの暗い空間は光と闇が交錯しています。この部屋はナスル朝時代、行政と司法の中心でした。何かしら、威厳のようなものを感じます。

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壁に施されたイスラム文様に目を奪われます。何と言う緻密な装飾でしょう。職人の美的なセンスと丹念な仕事ぶりに驚嘆します。

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規則的な文様の連続の間にまるで王冠のような装飾が目を惹きます。イスラム芸術の奥深さを感じます。

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全体に色彩のない文様が続いていますが、時折、色鮮やかなタイルがアクセントになっています。色彩豊かな芸術は後年、追加されたものなのでしょうか。

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メスアールの間から次の部屋に進みます。

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これはメスアールのパティオPatio del Maxuarです。コマレス宮に続くファサードの壁一面に緻密な装飾が施されています。圧倒的な美しさです。この美しい中庭は、かって王宮を来訪した者の控室として使われていたそうです。来訪者はさぞや、この中庭の美しさに度肝を抜かれたことでしょう。

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メスアールの間の北隣には黄金の間Cuart Doradoがあり、そこからはアルバイシンの眺めが楽しめます。

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黄金の間の天井です。美しい幾何学模様が広がっています。見事な装飾です。

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黄金の間の壁面に施された超緻密な装飾文様に言葉を失います。イスラム文化の素晴らしさに驚嘆するのみです。

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この超緻密なイスラム芸術と青空の組み合わせは何とも贅沢な空間になっています。感動的ですね。

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黄金の間とメスアールのパティオの美しさに感銘を受け、しばし、この場に立ちすくんでいます。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:アラヤネスの中庭の究極の美・・・至高の芸術作品

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/7回目

アルハンブラ宮殿の核心、ナスル宮殿の美を味わっています。
黄金の間とメスアールのパティオはとても美しい空間です。柱と言わず壁面全体にも、これでもかと言わんばかりの緻密な装飾が続きます。一体、どれほどの人間の労力があれば、こういう素晴らしい芸術が完成できたのでしょう。人間の美に対するあくなき追求を思い、先人の成し遂げた芸術作品に尊敬の念を抱くのみです。

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メスアールのパティオの床面の中央には美しい水盤が置かれています。花弁をイメージしているのでしょうか。

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黄金の間はともかく美しい! 大勢の観光客が集まってきました。

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壁面のイスラム文様は見れば見るほど、繊細な美に満ちています。

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メスアールのパティオの南面の壁、これはコマレス宮へのファサードになっています。ここを抜けて、コマレス宮への通廊へ入ります。この通廊も小部屋になっていて、美しい装飾が凝らされています。壁面を仔細に眺めてみます。実に微細な文様の表現です。イスラム芸術の粋と言えます。

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天井を見上げます。壁面の上方は鍾乳石飾り。天井には色々な多角形の模様が散りばめられています。

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天井の装飾をもっと広く見てみましょう。不思議な美しさの天井です。

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この通廊の小部屋の白い壁面の装飾の美しいこと! 心の琴線に響いてきます。

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通廊を過ぎて、コマレス宮に入ります。何と言う美しさでしょう。アルハンブラ宮殿の美を代表するアラヤネス(天人花)の中庭Patio de los Arrayanesがぱあーっと目に入ってきて、あまりの美しさに眩暈がします。青い池に映り込む建物の美しい姿の見事なこと。

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正面がコマレス宮Comaresです。この建物がアラヤネスの中庭の水鏡に映り込んでいます。

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コマレス宮の真正面からの眺めです。

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コマレス宮も建物の全景を含めた眺めです。

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もっと手前からアラヤネスの中庭とコマレス宮のほぼ全景を見てみましょう。

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あまりの美しさに感動して、色んなフレームで写真を撮りまくります。これがベストショットかな。

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左側に寄って、パチリ。観光客が多いので、人の姿に邪魔されないように写真を撮るのが一苦労です。一瞬の隙を狙っての撮影です。この写真のように普通は人が画面に入ってしまいます。

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左側からのショットです。

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綺麗な青空の下のアラヤネスの中庭です。

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カメラを向けずに、この至高のイスラム芸術を脳裏に刻み付けます。水を求めた砂漠の民が水を素材に作り上げた芸術作品。一幅の名画にも匹敵する究極の美を感じます。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:大使の間を鑑賞、そして、また、アラヤネスの中庭の美を堪能

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/8回目

アルハンブラ宮殿のナスル宮殿の中核を鑑賞中。アラヤネスの中庭Patio de los Arrayanesの美しさに魅惑されてしまいました。イスラム芸術の究極の美を感じます。

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観光客も増えてきたので、そろそろアラヤネスの中庭から移動します。それにしても美しい池です。

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コマレス宮のアラヤネスの中庭の奥には、大使の間Salón de Embajadoresがあります。高い天井の静かな空間です。

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部屋は窓からの明るい光で満たされています。かって外国からの賓客はアラヤネスの中庭の美しさに感銘を受けながら、コマレスの塔の中にあるこの大使の間に通されて、王に謁見したそうです。

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大使の間はアラヤネスの中庭と大きな通路でつながっています。

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大使の間には高窓が並んでいます。明るいステンドグラスから光が差しこんできます。

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外部の光が壁龕のような美しい通路からあふれ出てきます。

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高い天井を見上げます。お洒落な文様が広がっています。

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壁を埋め尽くす文様も見事です。

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部屋の入り口のアーチの緻密な装飾も綺麗です。至る所にイスラム芸術の粋が散りばめられています。

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大使の間の美しさを味わいながら、アラヤネスの中庭に戻ります。

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アラヤネスの中庭はそのままの美しさで待っていてくれました。天国的な美しさです。

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通廊のアーチの隅々にまで、イスラム芸術の真髄が光り輝いています。

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どうしても美し過ぎるアラヤネスの中庭から目が離せません。立ち去り難いですね。

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壁面の文様の素晴らしさも格別です。緻密に彫り込まれた意匠の美に魅了されっぱなしです。

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細かく観察すればするほど、その美しさが心に浸透してきます。

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さりげない扉まで意匠が凝らされています。何と言う建築芸術作品なんでしょう。

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最後にコマレスの塔を眺めながら、コマレス宮のアラヤネスの中庭を後にします。

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後ろ髪を引かれる思いでライオン宮に移動します。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:ライオンの中庭とアベンセラッヘスの間の圧倒的な美しさに感動

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/9回目

アルハンブラ宮殿・アラヤネスの中庭のあまりの美しさにため息をつきながら、ライオン宮に移動します。
ライオン宮Leonesに入ると、いきなり可愛いライオン達のお迎えです。

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このライオン宮は王族のプライヴェートな空間です。中庭には、繊細な装飾が凝らされたアーチ型の柱廊が建ち並んでいます。

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細い柱がとても印象的です。繊細で女性的にも思えるイスラム建築です。バックの青空がよく似合っています。

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よく見ると、柱の上の壁は優美なレース模様になっています。アルハンブラ宮殿を作り上げたサラセン人の知的な感性が輝いているように思えます。

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大理石の床には狭い幅の水路が巡らせてあります。アルハンブラ宮殿は石と水で構成された砂漠の民の作品です。

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この空間の中央で存在感を示しているのは12頭のライオンです。ここはライオンの中庭Patio de Leonesと呼ばれています。ライオンとその上の水盤は、噴水を構成しています。見事な造形です。

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ライオンの噴水と優美な柱廊が配された美しい空間です。先ほどのアラヤネスの中庭と並び立つアルハンブラ宮殿のクライマックスです。じっと見入っている観光客も目立ちます。

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近くに寄って観察すると、ライオンは白い大理石に美しい文様が刻み付けられています。大変な芸術作品です。

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ライオンの前から、再び柱廊を眺めます。繊細なレース飾りは見れば見るほど驚異的です。芸術的な職人の大変な労苦が結実したものです。

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ライオンの中庭に面して、3つの部屋があります。南側にあるのがアベンセラッヘスの間Sala de Abencerrajesです。天井の造形が見事です。珍しい星型になっています。

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アーチ型の壁面の緻密な装飾、鍾乳石飾りの天井、隙のない意匠で部屋が作り上げられています。

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アーチ型の柱廊は、ライオンの中庭と連続性のあるデザインです。

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それにしても見事な天井です。何度も見上げてしまいます。この天井の彫刻も、レースを何枚も重ねたようなデザインになっていることに気が付きました。石の彫刻で柔らかいレースの襞を作り上げています。石を自在に彫刻しているのを見て、ベルニーニの彫刻を思い起こしました。この天井は抽象的な文様で、ベルニーニは具象的な彫刻とまったく違ったものではありますが、芸術的な完成度は同じく素晴らしい高みに達しています。

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天井の下部に注目してみましょう。これは凄いですね。素晴らしいデザイン力です。複雑であり、シンプルでもあるという二律背反的なものを統合した奇跡のような芸術です。

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一体、どんな造形なのか、把握することも困難ですが、ともかく凄く美しいことだけが頭に染み込んできます。

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これは天井の中心。最も高い部分です。シンプルな鍾乳石飾りだと思っていましたが、実に複雑な作りになっています。恐るべき芸術作品です。イスラム芸術の奥深さを思い知らされます。

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緻密な細部を観察した後で、もう一度、天井全体を眺めると、もう目が眩むほどの圧倒的な迫力です。あり得ないような芸術に脱帽するのみです。

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明るい光が差し込む窓も美しい意匠が凝らされています。

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目を転じて床を見ると、水盤があります。水盤には赤いしみのようなものがあります。この部屋は当時、政界の最大勢力だったアベンセラッヘス家の男性36人が対抗勢力の讒言によって、王の命令で皆殺しになったところです。この赤いしみはそのとき飛び散った赤い血のしぶきの跡だと言われていますが、それはどうでしょうね。この手の伝説は日本でもよくありますね。

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アベンセラッヘスの間の超絶的な美しさに呆れながら、次の部屋に移動します。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:二姉妹の間は最高の芸術作品、感嘆・賛美!!

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/10回目

アルハンブラ宮殿の中核をなすナスル宮殿でもとびっきりの美しさを誇るライオンの中庭とアベンセラッヘスの間に圧倒的されながら、隣にある諸王の間に移動します。
諸王の間Sala de los Reyesはライオンの中庭の東側にある部屋です。これまた素晴らしい意匠が凝らされていますが、ほかの場所のイスラム建築で慣れっこになったせいか、ああこんなものねという余裕で鑑賞します。天井は鍾乳石飾りでアーチ型の壁はレース風の細工です。定番って感じですね。

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諸王の間はアーチ型の仕切り壁で数室に分かれています。このアーチ型の仕切り壁の連なりが美しいです。アーチ型の仕切り壁は石の彫刻ですが、布のレースを思わせる質感です。究極の職人技ですね。

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天井の蜂の巣状の鍾乳石飾りは、やはり見事な出来栄えです。

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部屋の端の壁に開けられた窓からの緑豊かな眺めも格別に感じます。人間の作り上げた最高峰の装飾建築も素晴らしいですが、ぱーっと見える自然も美しいものです。

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再び、ライオンの中庭に戻ります。本当にユーモラスなライオン君達です。かってのサラセン人の王たちもきっと心を和ませたことでしょう。

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ライオンの中庭を取り囲むアーチ型の柱廊を最後に見やりながら、ナスル宮殿を代表する部屋に向かいます。

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ライオンの中庭の北側に二姉妹の間Sala de Dos Hermanasがあります。部屋に入ると、自然に目が天井に吸い寄せられます。何とも素晴らしい鍾乳石飾りではありませんか。アベンセラッヘスの間の天井で驚嘆しましたが、これはそれを上回る完成度です。これはもう神の領域です。

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美しいのは天井だけではありません。壁面の美しい文様、透かし彫りの窓、鍾乳石の氷柱のように垂れ下がる天井下部、入り口の見事なアーチ・・・完璧な空間が形作られています。

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呆然と部屋の中央に立ちすくんで、美し過ぎる空間をただただ眺めるだけです。

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これが壁の文様です。この精緻な文様が壁面をびっしりと埋め尽くしています。この凄さを形容する言葉が見つかりません。

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二姉妹の間の奥には、美しい庭園リンダラハのパティオを望むバルコニーがあります。リンダラハのバルコニーBalcón de Lindarajaです。筆舌尽し難い美しさです。この抗しがたい究極の美に酔いしれます。昔日はハーレムの女性たちの憩いの場だったそうです。何とも贅沢過ぎる憩いの場です。人工美と自然美の最高の結合です。それにしても、文様の趣味のよさに強く惹き付けられます。

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バルコニーの色鮮やかな天井も印象的です。

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バルコニーのある部屋全体も精密な細工が施されています。

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細部を見ると、見事な文様であることが分かります。

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再び、二姉妹の間の天井を鑑賞します。圧倒的な芸術作品です。

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天井をズームアップして仔細に観察しますが、実に緻密です。一体、どうやって作り上げたんでしょう。

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これは天井の下部の部分です。同様に緻密さに感嘆します。

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もう少し、ナスル宮殿最高の芸術作品の中にいましょう。まだ、立ち去り難いですからね。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:ナスル宮殿の美を堪能・・・大変な感銘を受けました。

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/11回目

アルハンブラ宮殿最高の芸術作品である二姉妹の間に佇んでいます。二姉妹の間は細部に至るまで磨きこまれています。
これは高いところにある窓です。窓にはめ込まれた木製の飾りの見事なデザインにも感銘を受けます。芸術的センスのよさには舌を巻きます。

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こちらも同じデザインの窓ですが、光を受けていません。光なしには地味な印象です。この木製の窓飾りは光を通した効果を考え抜いたデザインであることが、この光のない窓で理解できます。

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立ち去り難い美しい空間ですが、そろそろ頃合いでしょう。出口に近寄って、最後にもう一度、天井を見上げます。いやはや、本当に素晴らしい。

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壁面の文様も気になります。これはコーランの文字を図案化したものが含まれているのでしょうか。アラビア語は全く分からないので、抽象的な美しさだけを感じます。

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アーチ型の出口をくぐって、ナスル宮殿の建物を出ます。

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二姉妹の間の奥のリンダラハのバルコニーの外には、美しい庭園のリンダラハのパティオPatio de Lindarajaがあります。この庭園を高いところから見下ろしてみます。イスラム文化の特徴である幾何学的な配置が印象的です。すっくと立ち上がる木々の配置も綺麗です。

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リンダラハのパティオの片隅には、かって米国人作家ワシントン・アーヴィングWashington Irvingが滞在していた部屋があります。1829年のことです。この頃、アルハンブラ宮殿は18世紀に勃発したスペイン継承戦争Guerra de Sucesión Españolaと続くナポレオン戦争でスペイン国内が乱れた影響を受けて、荒れ果てていました。そのアルハンブラ宮殿での体験をもとに、アーヴィングは《アルハンブラ物語》を1832年に上梓しました。これでアルハンブラ宮殿は、再び世界の注目を浴びることになります。19世紀後半のヨーロッパに起こった大観光ブームもあり、アルハンブラ宮殿は昔日の輝きを取り戻すことになりました。

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リンダラハのパティオからは、アルバイシンの美しい眺めが望めました。

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リンダラハのパティオには、こんなスペースもあります。ちょっとした空間にもさりげない美が感じられます。

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リンダラハのパティオの中を少しぶらぶらします。オレンジの実が豊かさを感じさせます。

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樹木の茂った庭園は光と影が交錯する空間です。明るい光を感じながら、優しい木陰に安らぎを見い出せます。サラセン人はオアシスの感覚でこの庭園を設計したのかもしれませんね。

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ナスル宮殿の素晴らしい美を堪能し尽しました。建物や壁面の紋様の緻密さは思った以上で、ため息をつくばかりです。有名なアラヤネスの中庭の青い池に映り込む建物の美しい姿、同じく有名な大使の間の見事な装飾、12頭のライオンの噴水が素晴らしいライオンの中庭を囲むアベンセラッヘスの間、二姉妹の間などの装飾は最高のイスラム文明を思わせるもの。イスラム文明の素晴らしさにため息が出ました。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:花と緑のパルタル庭園

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/12回目

美し過ぎるナスル宮殿を出ると、そこには美しい緑の庭園が広がっています。パルタル庭園Jardines de Partalです。庭園を隔てて、サンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会Iglesia de Santa Maria de la Alhambraの鐘楼が見えます。青空に白い建物が映えています。

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パルタル庭園には緑豊かな散策道が続いています。緑の蔦が絡まるアーチをくぐって、進みます。

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緑のトンネルの中を歩きます。パルタル庭園はイスラム時代には、貴族の宮殿や住居、モスクが周囲に建ち並んでいたそうですが、今では広大な庭園になっています。

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アルハンブラ宮殿は丘全体に広がり広大です。その真ん中にパルタル庭園があります。庭園には噴水や水路が上手に配置され見事です。散策道を行くと、小さな池があります。池には睡蓮が浮かんでいます。

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池の傍には、池を見下ろすような瀟洒なパヴィリオンが建っています。

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庭園には花が咲き誇っています。真っ赤なユリの花が群生しています。

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配偶者は花園を興味深そうに眺めています。

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花と緑に包まれた庭園をゆっくりと散策します。

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庭園は緩やかな傾斜地に階段状に配置されており、少し小高いところにある池の前に出ました。

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この池の前に立つと、正面を下ったところに優美な建物が見えます。貴婦人の塔Torre de las Damasです。

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貴婦人の塔は、かっては宮殿だったそうです。

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貴婦人の塔を過ぎて歩いていくと、綺麗なバラ園があります。ピンク色のバラが咲いています。

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庭園の中にまっすぐに伸びている遊歩道を歩き、ヘネラリフェの方に向かいます。

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遊歩道の傍らにはバラの苗木が植えられています。綺麗なバラ園になりそうです。正面に見える糸杉の方に向かいます。

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ヘネラリフェは、アルハンブラ宮殿のある丘とは谷(チノス坂)を挟んだ対岸の太陽の丘にあります。しばらくはアルハンブラ宮殿の城壁沿いに歩き、対岸への道を探します。

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城壁には所々に古い城塔が配置されています。

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城壁は谷沿いに高く聳えています。城壁沿いの道はしばらく続きます。

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城壁沿いにヘネラリフェの入り口を目指します。もうすぐ着きそうです。

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ヘネラリフェへの道はなかなか遠いですね。でも、まだ朝10時過ぎなので、時間的にはまだ少し余裕があります。


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燃えたぎるルトスワフスキ、ウィスペルウェイ&リントゥ&東京都交響楽団@サントリーホール 2015.1.23

ルトスワフスキのチェロ協奏曲は物凄い演奏でした。何と言ってもピーター・ウィスペルウェイのチェロは驚異的な演奏。熱過ぎたかもしれませんが、何かが乗り移ったかのような圧倒的な迫力。まるでジャズのライブのようです。ルトスワフスキの楽譜ではチェロ独奏者に自由裁量が許される部分が多いそうで、独奏チェロの感性次第で唯一無二の名演も生まれます。まさに今日は会心の演奏でした。CDで予習したのは以下のものでした。

 ハインリッヒ・シフ(チェロ)、ルトスワフスキ指揮バイエルン放送交響楽団
 アンドレイ・バウアー(チェロ)、アントニ・ヴィト指揮ポーランド国立放送交響楽団

いずれも素晴らしい演奏ですが、所詮は録音にしか過ぎず、今日のライブの迫力には及びません。

今日の演奏はまず、長大な独奏チェロのカデンツァから始まりますが、チェロの美しい響きに耳を奪われます。次第にウィスペルウェイの気迫が聴く者を圧倒します。即興性も感じられる演奏は見事の一語。オーケストラが入ってくると、さらにヒートアップしていきます。終盤に入り、オーケストラと独奏チェロが爆走し始めます。もう狂ったように突進するのみ。息を呑んで聴いていますが、その迫力に押し潰されそうになります。リントゥの指揮も素晴らしく冴えわたっています。都響の演奏も凄まじい響きを聴かせてくれます。やがて、独奏チェロの響きが止んで、曲が終わったことを悟ります。大変な感銘を受けました。渾身の演奏という言葉は、こういう演奏を表現するためにあるのでしょう。凄まじくもカッコいい演奏でした。それにしても、ルトスワフスキ恐るべし!

ところで、今日のプログラムは以下です。

  指揮:ハンヌ・リントゥ
  チェロ:ピーター・ウィスペルウェイ
  管弦楽:東京都交響楽団

  シベリウス:交響詩『夜の騎行と日の出』 Op.55
  ルトスワフスキ:チェロ協奏曲(1970)

   《アンコール》 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番から サラバンド(チェロ・アンコール)

   《休憩》

  一柳慧:交響曲第9番〈都響委嘱作品・世界初演〉

始めに演奏されたのはシベリウスの交響詩『夜の騎行と日の出』。そんなに聴く曲ではありません。予習したのは以下のCD。

 ネーメ・ヤルヴィ&イェーテボリ交響楽団
 ヴァンスカ&ラハティ交響楽団

特にヴァンスカの演奏は素晴らしいものです。やはり、お国ものは違います。今日の指揮者ハンヌ・リントゥもフィンランド出身。さすがに素晴らしい指揮で、ヴァンスカとはタイプが違いますが、美しい音楽を聴かせてくれました。スケールの大きな指揮で深々としたシベリウスでした。

続くルトスワフスキのチェロ協奏曲は上述の通り、最高の演奏でした。アンコールはバッハの無伴奏チェロ組曲でしたが、出だしはルトスワフスキのチェロ協奏曲のカデンツァの出だしのレの音の連打で始めるというお洒落で茶目っ気のあるもの。しかし、続く演奏の中身はバッハの音楽の真髄を抉り出すような精神性に満ちたもの。出色の演奏でした。マタイ受難曲の一節を聴いたような思いに駆られる厳しい音楽。現代のルトスワフスキから古典音楽の原点であるバッハまで弾きこなすウィスペルウェイの底知れぬ実力には脱帽です。

最後は一柳慧の交響曲第9番。これは世界初演。フルオーケストラを駆使した多彩な響きの曲。ただ、正直、その評価はどうも分かりません。指揮も都響の演奏も見事でしたが、saraiは消化できませんでした。

今日は今年最初のサントリーホール詣で。今年も数多く、足を運ぶことになりそうです。2月はティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン、3月はヒラリー・ハーンと楽しみな公演が目白押しです。その最初の出足としてはなかなかよかったかな。


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新たな高みに向かう上原彩子@東京オペラシティ 2015.1.24

日頃、コスモポリタンを自任しているsaraiですが、今日ばかりは日本人であることを感謝し、かつ、誇りにも思いました。
上原彩子の一年ぶりのピアノ・リサイタルは破格に素晴らしいものでした。彼女の演奏活動は日本国内に限られており、かつ、ほぼ首都圏に限られています。しかし、その演奏レベルは世界でもトップレベルだと思っています。彼女は以前、チャイコフスキー国際コンクールで優勝したとは言え、余り国際的には知られておらず、saraiが日本人であるからこそ、彼女の演奏に親しむことができます。saraiが日本人であることを感謝するのは上原彩子のピアノが聴けるからです。また、今日の彼女の演奏のあまりにも素晴らしいことに、同じ日本人として、誇らしくさえ思いました。もし、まだ、上原彩子のピアノ演奏を生で聴いたことのないかたは、是非、お聴きになることをお勧めします。きっと、その素晴らしさに感動するだろうことを保証します!

今日の前半のプログラムはモーツァルト。上原彩子のこれまでのレパートリーにない曲です。そして、あまりに有名な2曲のピアノ・ソナタ。saraiはこのプログラムを見たとき、これって、もしかして、子供向けの演奏会かと思い、チケットを購入することを躊躇したくらいです。しかし、事実は上原彩子が最近、モーツァルトに本格的に取り組みだしたとのことで、その最初にこの超有名なソナタを弾くのはモーツァルト演奏に相当の自信を持っていることだと思われます。

最初はピアノ・ソナタ 第11番 K.331。誰でも知っている曲です。第1楽章の冒頭、変奏曲の主題が弱奏で演奏されますが、あれっと思います。右手と左手の音が微妙にずれています。ミスではなく、そういう解釈のようです。これはsaraiは抵抗があります。そういう意識の齟齬はあるものの第1楽章の後半にはいると豊かな響き、決然としたダイナミズムに心を奪われます。こういうモーツァルトもいいものです。そのまま、第2楽章にはいり、これは素晴らしい演奏。そして、第3楽章はトルコ行進曲。また、冒頭のタラタラタン、タラタラタン、・・・という有名な主題が妙なアクセントの演奏で少し抵抗感を覚えますが、強奏で盛り上がるところはとても素晴らしい演奏です。聴いているsaraiの心を熱くしてくれるような演奏でした。

次は珍しいグラスハーモニカのためのアダージョの演奏に引き続き、ピアノ・ソナタ 第8番 K.310です。この演奏にsaraiは衝撃を受けました。このイ短調のソナタは哀しみに満ちた名曲ですが、上原彩子の演奏は強い響きで悲劇的と感じられる表現です。これまで聴いたことのないような演奏スタイルですが、saraiは納得です。プロコフィエフもラフマニノフも知っている現代に、モーツァルトをどう弾くか・・・これは一つの答えでしょう。上原彩子はモーツァルト演奏に新たな地平を開いたと思います。ある意味、プロコフィエフのソナタを弾くような感覚でのモーツァルト演奏です。強い響きでシャープな演奏。実に刺激的なモーツァルトです。既に過去の巨匠たちが古典的なモーツァルト演奏の決定的な表現を成し遂げた今、新たな演奏表現を聴きたかった自分の意識に気づかされました。そういうsaraiに上原彩子は見事なアンサーを与えてくれました。劇的な第1楽章、美しい第2楽章に続き、わくわくするような第3楽章の演奏に強い感銘を受けました。

まだまだ、上原彩子のモーツァルト演奏は伸びしろを残しているように感じます。いずれ、ピアノ・ソナタ全曲を聴かせてもらいたいものです。大変、期待しています。上原彩子にしか弾けないようなモーツァルトになることでしょう。

休憩後、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」です。これはプレトニョフの名演がCDで聴けます。超絶技巧の素晴らしい演奏です。ただ、プレトニョフが編曲したのは7曲で、《花のワルツ》も欠けています。そのため、上原彩子自身が新たに7曲を編曲して、全14曲の充実した組曲に仕立て上げました。既に昨年末、CDも発売されました。実演で披露するのは今日が初めてで、世界初演とも言えます。その演奏内容は《凄い!!!》としか表現できません。耳慣れたオーケストラ演奏などは吹き飛ばしてしまうような会心の演奏です。実はこのピアノ曲が「くるみ割り人形」の原曲だったと言われれば、信じてしまいそうです。ただ、チャイコフスキーの音楽を表現上は超えているような趣も感じられます。リサイタルが終わった後、思わず、上原彩子の「くるみ割り人形」のCDを衝動買いして、サイン会に参加し、彼女に「まるでラフマニノフみたいだったですね。」と語りかけると、嬉しそうに微笑んで「ありがとうございます。」と言われました。そうなんです。ラフマニノフの延長線上にこの「くるみ割り人形」を編曲したみたいに思えます。演奏自体もまるでラフマニノフのようにダイナミック。素晴らしくインスパイアされるような演奏に大興奮でした。

そうそう、アンコールでも「くるみ割り人形」の“アラビアの踊り”。これはCDにも収録されていない貴重な演奏でした。

今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:上原彩子

  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調「トルコ行進曲つき」K.331
  モーツァルト:グラスハーモニカのためのアダージョ ハ長調 K.356(617a)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310

   《休憩》

チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」(プレトニョフ/上原彩子編:ピアノ独奏版)
   序曲 *
   行進曲
   クララとくるみ割り人形 *
   戦闘(ねずみと兵隊の戦い) *
   間奏曲(冬の樅の森)
   スペインの踊り(チョコレート) *
   中国の踊り(お茶)
   トレパック(ロシアの踊り)
   葦笛の踊り *
   花のワルツ *
   金平糖の踊り
   タランテラ
   アンダンテ・マエストーソ(パ・ド・ドゥ)
   終曲のワルツとアポテオーズ *
    *:上原彩子編曲、他はプレトニョフ編曲
    
   《アンコール》
    チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」より“アラビアの踊り”(上原彩子編曲)
    チャイコフスキー:18の小品op.72より“きらめくワルツ”

年初めから、凄いピアノ・リサイタルを聴いてしまいました。今年も素晴らしい音楽ライフが期待できそうです。


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       上原彩子,  

グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:太陽の丘の美しい庭園を抜けて、ヘネラリフェへ

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/13回目

ナスル宮殿を出て、花と緑のパルタル庭園を散策しながら、ヘネラリフェに向かいます。結構、遠かったのですが、ようやくヘネラリフェへの入り口の城門のアーチの前に出ました。

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この城門を抜けると、その先にはアルハンブラ宮殿の対岸の太陽の丘へ渡る橋が続いています。橋の下はチノス坂の谷です。

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ヘネラリフェGeneralifeはナスル朝の王たちが夏を過ごした離宮です。離宮の建物は太陽の丘の奥に位置します。丘の手前には広大な庭園が広がります。丘の上の縁には白い遊歩道が続きます。庭園の横を離宮に向かって歩いていきます。

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遊歩道の途中から石段を上がって、庭園の中に入ります。

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庭園は綺麗に刈り込まれた樹木の生垣で区切られています。

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庭園の中央にはまっすぐな水路が続いています。ヘネラリフェの庭園にはシェラ・ネバダ山脈の雪解け水を利用した水路や噴水が至るところに設けられ、ヘネラリフェは別名《水の宮殿》と呼ばれています。

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樹木の緑と涼しそうな水の組み合わせが夏の離宮にふさわしいですね。

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水路の途中には噴水の水が上がっています。

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刈り込まれた樹木の生垣の間の狭い通路は暑い日差しを避けられて、いかにも涼しげな印象です。

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樹木の中にオレンジの木を見つけました。美味しそうなオレンジの実がなっています。

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展望のよいところがあります。ここからは谷を挟んだ向かいの丘にあるアルハンブラ宮殿が望めます。真ん中に見える塔はサンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会の鐘楼です。

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ヘネラリフェの庭園も花盛りです。アンダルシアの明るい光を受けて、輝いています。

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ヘネラリフェの庭園の高台からの美しい眺望です。

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このあたりの生垣は小さな白い花でびっしりと覆われています。綺麗ですね。

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やがて、噴水の上がる水路の先にヘネラリフェの瀟洒な建物が見えてきました。とても美しいです。

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ヘネラリフェの宮殿とその奥のアセキアの中庭を楽しみますが、それは次回で。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:ヘネラリフェの美しい庭園、アセキアの中庭とスルタナの糸杉の中庭

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/14回目

夏の離宮ヘネラリフェGeneralifeの中核をなすアセキア(掘割、水路という意味)の中庭Patio de la Acequiaの中に入りました。細長い庭園の中央には水路が設けられ、その水路の両側から噴水が水路の中に注ぎ込んでいます。細長い庭園の両側にはオープンな回廊が建っています。一番奥に見える2階建ての綺麗な建物は北パヴィリオンです。北パヴィリオンには、『王の間』と『見晴らしの塔』があります。

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ヘネラリフェはレコンキスタ以降20世紀まで個人所有になったため、ほとんどの部分はずい分改修されており、14世紀に建設された当初からの姿はかなり変わってしまったそうです。その分、美しく整備されたのかもしれませんね。

庭園西側の回廊の窓からは、対岸の丘のアルハンブラ宮殿が望めます。

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この西側の回廊からアセキアの中庭を眺めます。水路の周りに花々が咲き乱れ、豊かな緑の楽園の風景を作り出しています。

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回廊を歩き、中庭の一番奥の北パヴィリオンまでやってきました。ここからアセキアの中庭を眺めます。向かいに見える建物は南パヴィリオン。さきほどまでいたところです。南パヴィリオンには『元見張りの塔』があります。
北からの眺めも南からの眺めもほとんど相似形になっているのが面白いですね。

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北オアヴィリオンの辺りはヘネラリフェのある太陽の丘の北端になっていて、ここからはグラナダの街のアルバイシン地区を見渡すことができます。

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アルバイシンの白い家並みと青空のコントラストが綺麗です。

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アセキアの中庭の東隣には、スルタナの糸杉の中庭Patio del Ciprés de la Sultana en Granadaがあります。スルタナSultanaとは王妃のことで、この中庭で王妃が若者(騎士)と密会していたという言い伝えがあります。

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スルタナの糸杉の中庭の中央には、U字形に配置された掘割があります。ここでも主役はシェラ・ネバタ山脈から引かれた雪解け水です。砂漠の民サラセン人は徹底して、アルハンブラ宮殿を水を中心とした楽園にしようとしました。

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スルタナの糸杉の中庭は、アセキアの中庭と2階建ての回廊を隔てて隣り合っています。回廊をバックにしたスルタナの糸杉の中庭の水の風景はとても美しいですね。

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スルタナの糸杉の中庭から高台に上って、眺望を楽しみます。対岸のアルハンブラ宮殿の丘、そして、その向こうにグラナダの平原が見えています。

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高台には、緑のトンネルの遊歩道が続いています。夾竹桃のトンネルですが、残念ながら花が見えません。グラナダへ来る途中の高速道路沿いには、夾竹桃の綺麗な花が咲いていたのにね。

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これで夏の離宮ヘネラリフェもぐるっと周りました。アルハンブラ宮殿もカルロス5世宮殿、アルカサバ、ナスル宮殿、パルタル庭園、ヘネラリフェとすべてを見尽くしました。アルハンブラ宮殿のあまりの素晴らしさに見学するのにずいぶん時間がかかりましたが、見終えた今、とても大満足です。 サラセン人の高い文化、繊細な美の創造に深い感銘を受けました。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:イサベラ女王の眠る宮廷礼拝堂とカテドラル

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/15回目

アルハンブラ宮殿の見学は完了したものの、粘るsaraiはグラナダでまだカテドラルなどに行きたいんです。でも、ホテルに戻らないといけない時間までにもう一時間もありません。日頃は公共交通機関を使うことを大原則にしていますが、ここはタクシーを使うしかないでしょう。アルハンブラ宮殿のチケット売り場まで戻り、そこで客待ちをしているタクシーをつかまえて、カテドラルに急行します。
丘のくねくねとした細い道路を一気に下り、街に出ました。10分とかからずに到着です。コロン大通りGran Vía de Colónの起点、イザベル・ラ・カトリカ広場Plaza de Isabel la Católicaです。朝も通った広場です。広場の中央にあるイサベル女王とコロンブスの像に出迎えられました。

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この大きな交差点を渡って、コロン大通りを進みます。

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コロン大通りを少し進んで、カテドラルの建物が目に入ったところで、左折して、オフィシオス通りCalle Oficiosに入ります。ほどなく、王宮礼拝堂Capilla Realの前に出ました。

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王宮礼拝堂の前の広場は観光客でいっぱいです。

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お土産物屋さんは2階のベランダに赤いゼラニウムの花を飾って、スペインらしい風情を醸し出しています。

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お土産物屋さんの先には魅力的な路地も続いています。

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一刻も無駄にしている時間もないので、急いで、宮廷礼拝堂の入り口を入ります。チケットを購入して入場。チケットは一人4ユーロ。

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王宮礼拝堂はイサベラ女王とフェルディナンド2世の眠る霊廟です。厳かな雰囲気に包まれて、静寂が支配していました。もちろん、ここは写真撮影禁止。偉大な王に頭を垂れて、合掌。

王宮礼拝堂を出て、次は最後のターゲットであるカテドラル。宮廷礼拝堂とつながった建物です。

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カテドラルの入り口を探します。カテドラル沿いの路地では香辛料らしきものが売られています。さすがにアラビアに近いスペインらしいですね。

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入り口が分からず、10分ほどうろうろした挙句、観光客が集まっている場所を発見し、入場します。チケットは一人4ユーロ。

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内部は巨大な柱に支えられた大きな空間が広がります。

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側壁には華麗な装飾が施されたパイプオルガンが取り付けられています。

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向かいの壁にあるのもパイプオルガンのようです。左右対称に配置されるパイプオルガンも珍しいですね。

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主祭壇はステンドグラスと黄金に彩られています。シロエの手によるものです。

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主祭壇の前には銀色に輝く美しい飾り物があります。

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主祭壇を下から見上げると、その美しさが際立ちます。

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もう少し時間があるので、カテドラルを味わっていきましょう。


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グラナダでアルハンブラ宮殿拝見:カテドラルの見学を終え、グラナダ観光完了

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/16回目

グラナダのカテドラルを見学中です。
グラナダをイスラム勢力からカトリック勢力が取り戻した後、イスラム教のモスク跡に1518年よりカテドラルの建設が開始されました。初めはトレドのカテドラルに基づいてゴシック様式の基礎工事が行われましたが、1528年以降はディエゴ・デ・シロエが建設の指揮を執り、プラテレスコ様式で建設が進められることになります。プラテレスコ様式はイタリア・ルネッサンス様式の影響を受けつつ、構造的にはゴシック様式を踏襲し、さらに装飾的にはアラブのムデハル様式を用いるなど、いろんな様式を折衷したものです。その後、ルネッサンス様式に傾倒しながら、1704年までほぼ200年にわたって工事が続けられました。最終的に塔の部分は未完に終わりましたが、プラテレスコ様式最大の建造物になりました。シロエの手になる黄金の主祭壇が最大の見ものです。そのあたりを熱心に眺めています。主祭壇の手前の柱周辺の装飾は見事です。

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反対側の左の柱周辺も見事な装飾が施されています。

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主祭壇の前から後方を眺めます。白い壁、柱、天井で構成された空間です。左右の壁にはパイプオルガンも見えます。

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主祭壇の裏に続く通廊です。ステンドグラスも見えています。

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これは明るい光に満ちた側廊ですね。カテドラルの内装は白に統一されて美しく輝いています。

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これはパイプオルガンの一部のようですが、華麗な装飾が施されています。
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白い壁にあけられた丸窓は聖人を描いたステンドグラスになっていて、とても綺麗です。

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美しい装飾、柱などで構成される複雑な空間は不思議な美しさが感じられます。ムデハル様式によるものでしょうか。ヨーロッパの普通のカトリック建造物と趣を異にしています。

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主祭壇を真横から見ると、また感じが違って見えます。

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グラナダのカテドラルはトレドのカテドラルほどの規模の大きさはありませんが、アラブのテーストの感じられる一味違った教会建築でした。

アルハンブラ宮殿を見た後、急ぎ足で宮廷礼拝室、カテドラルを見て周りグラナダ観光はすべて完了。また、イザベル・ラ・カトリカ広場に出ました。イサベル女王とコロンブスの像に最後のご挨拶。

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もう、予約済のセヴィーリア行のバスの出発30分前です。ホテルで荷物を受け取り、目の前にいたタクシーでグラナダのバスターミナルに駆け付けます。無事にセヴィーリアへのバス発車15分前にスタンバイ出来ました。あまりにも慌ただしいグラナダ観光で、朝御飯も食べてません。バスターミナル内の簡易なレストランで軽食をいただきましょう。

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結構混み合っていて、注文するのもなかなかです。美味しそうに食べている人が恨めしい感じ。

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とりあえず、飲み物だけでもゲットしましょう。暑くて喉が渇いています。生絞りオレンジジュースを作ってもらいます。

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ふーっ、やはり本場のオレンジジュースは美味しいですね。甘くて、濃厚な味です。

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サンドイッチはバスの中で食べることにして、テイクアウトにしてもらいました。

今日はこれからセヴィーリャまでバスで行き、そこからは電車に乗り換えて、大西洋岸の街カディスに向かいます。さあ、12時発のセヴィーリャ行のバスに乗り込みます。


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カディスの夕日を求めて:アンダルシアのひまわり

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/17回目

グラナダには昨夜遅く着き、今日の午前中にアルハンブラ宮殿を見て、お昼の12時には出発という慌ただしさです。
今日はこれからセヴィーリャまでバスで行き、そこからは電車に乗り換えて、大西洋岸の街カディスに向かいます。カディスの夕日を見に行くんです。
今日のこれからの経路を地図で確認しておきましょう。アンダルシア中を走り回る感じです。グラナダの南の地中海沿岸は有名なコスタ・デル・ソル。この海岸も見たかったんですが、ちょっと日程的に無理でした。コスタ・デル・ソルの西端、大西洋とぶつかるところがジブラルタル海峡です。その西側が大西洋になります。アフリカもすぐ近くですね。

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12時発のセヴィーリャ行のバスに乗り込みます。バスの乗り込み口で、高級バスのサービスとして付いている水やお菓子を受け取り、出発です。セヴィーリアに向かいます。このバスも、プレミアムクラスではないもののシートはほぼプレミアムクラス並み。スーパーエコノミークラスです。快適なバス旅になります。事前にネットで購入したチケットはこれ。またまた、大好きな最前列シートを予約しておきました。料金は一人31.88ユーロ、約4千円です。3時間のバス旅ですから妥当なところでしょう。

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バスターミナルのレストランでゲットしたサンドイッチを、バスに乗り込むや否や食べ始めます。今日は朝から忙しく動き回り、何も口に入れていません。朝食兼昼食になります。これは生ハムを挟んだサンドイッチです。

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これは玉子やチーズやハムを挟んだサンドイッチ。歩き回ってお腹が空いているので、とても美味しいです。

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食事をしているうちに、バスはアンダルシアの大平原の中をどんどん走り抜けていきます。スペインの高速バス旅にも慣れてきました。淡々とノンストップで走るのも当たり前に感じます。車窓の景色もほとんど変わりません。行けども行けどもオリーブ畑が見渡す限り広がります。これだけの量のオリーブをどうするんでしょうね。

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道はまっすぐに続いています。

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時折、岩山が顔をのぞかせるのもアンダルシアの特徴的な風景です。

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突如、オリーブ畑に代わって超近代的なものが現れます。太陽光パネルの林です。太陽の光でオリーブを育てる代わりに、電気を生産するんですね。太陽光発電の先進国スペインの新しい姿を垣間見ました。

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太陽光パネルの林は延々と続きます。

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今度はまたオリーブ畑の景色に戻ります。どこまでもどこまでもオリーブ畑が続きます。

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道に沿って、ピンク色の夾竹桃の花が咲いています。

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白い夾竹桃も咲いています。

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2時間近くも走った頃、配偶者が感嘆の声をあげます。ヒマワリです。アンダルシアの一面に広がるヒマワリは有名ですが、ちょっと時期が早いので見られないだろうと思っていたのです。でも、咲き始めています。

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次々とヒマワリ畑が現れます。

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この辺りはヒマワリがちらほらとしか咲いていないのが残念です。まだまだ、時期が早いようです。

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それでも、そこそこに咲いているヒマワリ畑もあるので、車窓にかじりついて、もっと咲いているヒマワリ畑はないかと期待に心が弾みます。

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だんだんとヒマワリの黄色い畑が出てきそうな雰囲気です。

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近くの丘の斜面が黄色く染まっています。見渡す限りの丘一面まっ黄色とはいきませんが、黄色い畑が広がり配偶者は大興奮です。

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まだまだヒマワリ畑は続きます。セヴィーリャまでのバス旅が俄然、楽しくなってきました。


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カディスの夕日を求めて:ヒマワリ畑に夢中、素晴らしき哉アンダルシアのひまわり

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/18回目

グラナダからセヴィーリャに向かうバスの旅。アンダルシアの野に広がるヒマワリ畑に夢中になっているsaraiと配偶者です。ヒマワリ畑はどこまでも続きます。

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アンダルシアの抜けるような青空のもと、ヒマワリが陽光を浴びて、黄色い輝きを放っています。ただ、残念ながら、ヒマワリはこっちの方を向いていない感じ。

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いやはや、呆れるほど続くヒマワリ畑です。

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うわっ・・・見渡す限り、地平線までヒマワリ畑です。これは凄い!

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バスの反対側の車窓を眺めると、そっちの方がヒマワリ畑が真っ黄色になっています。逆サイドなので、うまく写真が撮れないのが残念です。

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我々の座っている側のヒマワリは反対の方を向いて咲いているようです。これはとても残念。

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と思っていると、ヒマワリの大群生。これは素晴らしいですね。納得です。

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ヒマワリの絶景です。

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もう1枚。どうです。ヒマワリ畑の真っただ中をバスが走り抜けていきます。

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ヒマワリに見とれて、写真を撮りまくりです。こうして景色を楽しむうちにバス旅は終了です。

セヴィーリアでバスから降りると、ムッとした暑さ。嬉しくはありませんが、これこそイメージしていたスペインそのものです。今までが過ごし易過ぎたのでしょう。
明日はまたセヴィーリアに戻ってきますが、今日はここから電車でカディスに向かいます。この旅のハイライト「大西洋に沈む夕日を見る」というsaraiのこだわりです。そのために、わざわざ2時間かけて電車でカディスまで移動します。バスターミナルから電車の駅への移動は、saraiは市内バスを乗り継ぐ予定だったんですが、配偶者はタクシーをおねだりです。乗り換え時間はわずか1時間だし、焦るのは嫌だという配偶者の主張にsaraiも同意。タクシーに乗って、楽チンで移動完了です。これが到着したセヴィーリャ・サンタ・フスタ駅です。

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駅舎に入ってロビーの端に行くと、電車のホームが見下ろせます。駅舎は少し高いところに建っていて、電車の線路は下を走っているようです。駅舎のロビーとホームは長いエスカレーターでつながれています。ちょうど電車が到着したところらしく、大勢の乗客がエスカレーターに乗って、こちらに上がってきます。

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これはロビーに設置されている大きな電車の発着案内板です。カディス行の電車が出発するのは、まだ30分も先です。

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これがサンタ・フスタ駅のロビーです。おみやげ物屋などを見て過ごしますが、大したものはなし。

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ふと、ロビーの壁の上方に目をやると、なにやら見慣れたものが見えます。エル・グレコの絵です。これはトレドのカテドラルにあった《聖衣剥奪》ですね。トレドでのエル・グレコ没後400年の特別展の紹介を大々的にやっているようです。

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こちらはエル・グレコの自画像ですね。

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こちらはエル・グレコの最高傑作《オルガス伯爵の埋葬》(トレドのサント・トメ教会)ですね。まざまざと感動がよみがえり、胸が熱くなります。

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意外なものに再会して、気持ちが高揚しているうちに電車の出発時間が迫ってきました。さあ、カディスへ出発しましょう。


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カディスの夕日を求めて:カディス行の電車でもアンダルシアのひまわり

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/19回目

セヴィーリャ・サンタ・フスタ駅からカディス駅に向かいます。電車の出発時刻の10分前になったので、ロビーからホームに移動します。ホームへはエスカレーターで下りていきますが、エスカレーターの前では駅のスタッフが入場をチェックしています。スペインの鉄道駅はセキュリティのチェックが徹底しています。

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ホームに下りると、そこでチケットの改札がありました。スペインで高速電車に乗る場合のお決まりの風景です。

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チケットはネットで購入済です。乗るのは高速電車ALVIAです。座席はちょっと張り込んでPreferenteクラスです。1人21.4ユーロ、日本円で3000円ほど。鉄道運賃は結構、高いですね。

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電車が入ってきました。先頭車は先が尖って、スタイリッシュです。

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予約した指定席の車両に向かいます。

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車両に乗り込むと、がらがらです。座席はゆったりサイズ。

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ビュッフェ車両をチェックしてみます。あれれ、写真を撮ろうとすると、スタッフの女性が首をすくめて顔を隠そうとしました。失礼しました。車両の様子を撮影しようとしただけなんです。

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電車はカディスに向かって順調に走ります。30分ほど走ると、車窓にはヒマワリと小麦と農作物の畑が広がります。配偶者はまたまた大騒ぎ。ヒマワリってしっかり太陽の方を見るので、電車の左右で色が違います。電車の側にヒマワリが向いている畑は真っ黄色ですが、反対は緑色がかってちょっと寂しいです。こちらは真っ黄色のヒマワリ畑。

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どこまでも黄色い畑が続きます。見ている者の目も黄色く染まりそうです。

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こちらは反対側です。緑色しか見えません。ヒマワリは本当に見る方向によって、全く見え方が違います。

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ヒマワリ畑に見とれていると、1時間ほどで途中駅のへレス・デ・ラ・フロンテーラJerez de la Fronteraに到着。

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この街はへレス酒(シェリー酒)の産地です。この地域で造られたものしかシェリー酒を名乗ることはできないそうです。ここで途中下車して、シェリー酒を飲んでいきたいところですが、残念ながらそんな余裕はありません。
駅舎はいかにもスペイン風なつくりです。

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駅舎の外壁は青いタイル。アズレージョ風です。

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へレス・デ・ラ・フロンテーラを出発し、カディスに近づくと、電車は海岸沿いに走り出します。

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海岸の岩場に沿って、カディスに向かいます。

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大西洋が真ん前に見えてきました。青空と一体化しているように見えます。

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カディスはあと5分くらいで着きそうです。快晴なので、綺麗な夕日が見られそうですね。わくわくします。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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