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カディスの夕日を求めて:カディスに到着。ムリリョの祭壇画は無情にも見れず。

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/20回目

スペインの大西洋は青く輝いています。電車は一路、カディスを目指します。

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カディスCádizに到着です。駅は真新しくて綺麗です。

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ホームを歩いて出口に向かいます。

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これがセヴィーリャからカディスまで乗ってきた高速電車ALVIAです。超カッコいいですね。

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駅から、今夜のホテルに向かいます。
街中での移動は、もうすっかりタクシーモードになってしまいました。いったん楽するとなかなかそこからは抜け出せないのが人間の性。日頃は公共交通機関しか使わないことを信条にしているsaraiも人の子ですからね。タクシーに乗って楽してホテルに向かいますが、ホテルの前の通りは歩行者専用。ここからは歩いて行ってねと途中で下ろされ、ホテルへの道を教えられます。通りを歩きながらホテルを探しますが、見つかりません。地図を見ながら考えていると、どうしたのかと近寄ってくる人がいます。そして、チラッとsaraiが持つホテルの地図を見ただけで、案内してくれるようです。なんて親切な人だろうと思ったら、ホテルの人でした。ホテルが見つからなかったのも仕方ありません。どう見てもこれがホテルだとは外観からは分かりません。

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狭い入り口の奥にテーブルが一つあるだけです。ホテルの中から、素通りした我々を見て追いかけて来たのでしょう。そんな客が多いのでしょうね。それに、我々が今日チェックインする最後の宿泊客だったようで、saraiのチェックインの手続きを終えるとその人は帰っていきました。翌朝も彼は来ないそうで、ルームキーを鍵箱に投げ入れて勝手に出ていってほしいとのこと。これから何が起きてもサポートはなさそうです。
このホテルはカサ パラシオ カディスCasa Palacio Cádiz。殺風景な入り口からしてアパートみたいだなと思ったら、やはりキッチンつきの広いワンルームの部屋でした。お湯が沸かせそうなので、夜はお茶しましょう。

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これがバスルーム。綺麗ですが、バスタブはなし。

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部屋は広々として、寛げそうです。

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デザイン・ホテルらしい雰囲気もあります。これは壁に掛かっている額。東洋的な絵柄の額です。

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ベッドの傍にも派手な額が掛かっています。

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時間もないので、すぐに出かけます。カディスは海運で栄え、スペイン艦隊の基地でもあったようですが、観光資源はありません。それでもお目当てのムリリョの《無原罪のお宿り》の祭壇画のあるサン・フェリペ・ネリ礼拝堂は見ておきましょう。
これはホテルの前のアンチャ通りCalle Ancha。歩行者専用道路で賑わっています。

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アンチャ通りを北の方に歩きます。お店がずらっと並んでいます。

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サン・ホセ通りCalle San Joséにぶつかったところで左に折れて、このサン・ホセ通りを進みます。ほの暗くて、雰囲気のよい路地です。

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サンタ・イネス通りCalle Santa Inésと交差している角にサン・フェリペ・ネリ礼拝堂Oratorio de San Felipe Neriがありました。17世紀末に建造されたバロック様式の建物です。

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サン・フェリペ・ネリ礼拝堂に入ろうと思いますが、入り口の扉は固く閉まっています。ガイドブックによれば、まだ、この時間は開いている筈なんですけどね。入り口横に案内があります。どうやら、土曜日Sabadosはお昼過ぎの14時までしか開いていないようです。夕方開くのは火曜日から金曜日までと書いてあります。うーん、残念。ムリリョの絵を楽しみにしていたのに!!

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仕方ありませんね。明日の日曜日は朝の10時から開くようですが、明日は朝早くにセヴィーリャに向かうつもりなので、ムリリョの絵は断念するしかありません。
ところで、この礼拝堂の壁には銘板が張り付けられています。スペインがフランスの支配下にあった1812年にこの礼拝堂でカディス・コルテスCortez de Cadiz(全国的な国民議会、すなわち、スペイン国会)が開催され、スペイン初の憲法が発布されました。いわゆるスペイン1812年憲法Constitución española de 1812です。当時、国王フェルナンド7世は逃避中でした。この憲法はサン・ホセの日に採択されたそうですが、この礼拝堂の前の通りがサン・ホセ通りなのはそのせいでしょうか。

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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。

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まだ、夕方の6時半過ぎです。楽しみにしていたカディスの夕日が大西洋に沈むのは9時半頃ですから、まだまだ、時間があります。カディスの街の散策を続けましょう。


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カディスの夕日を求めて:カディス散策。市場を通って、カテドラルへ。

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/21回目

カディスでお目当ての1つだったサン・フェリペ・ネリ礼拝堂は土曜日の夕方は閉まっていたので、ムリリョの祭壇画は見れず終いでした。
ここからカディスの散策を続けます。
サン・フェリペ・ネリ礼拝堂を通り過ぎ、サン・ホセ通りを少し進みます。

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次の角で左に折れて、サクラメント通りCalle Sacramentoに入ります。市場の方に向かってしばらく歩くと、タビラの塔Torre Taviraの前に出ました。高さ45mの塔に上れば、街の風景が円形のスクリーンに映し出すカメラ・オブスクラの部屋があるそうですが、階段を上る余力もないのでパスします。

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タビラの塔を過ぎて、2つ目の角で右折して広いアルカラ・ガリアノ通りCalle Alcalá Galianoに入ります。テラス席のあるお店も賑わっています。

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通りを進むと市場の建物があります。うん、これは・・・何と何と壁に描かれているのは漫画のようなキャラクターです。きっと、スペインでは有名なキャラクターなんでしょう。市場はもちろん、もう閉まっています。

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市場前のリベルター広場Plaza Libertadには花屋さんもあって、配偶者は興味深そうに見ています。

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特に珍しい花はなさそうですね。ヨーロッパも日本も花の種類は変わりません。

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市場前からコンパニア通りCalle Compañíaを歩き、カテドラルに向かいます。人通りも賑やかです。この辺りが旧市街の中心地ですね。

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カテドラルCatedral de Cádizの前に出ました。バロック様式と新古典様式が混ざった白亜の建物です。カテドラルの建設には100年以上を要して、1838年に完成しました。

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ファサードの前に立ちますが、カテドラルは青空に映えてとても綺麗です。

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このカテドラルも既に閉まっています。ガイドブックによれば、この時間はまだ開いている筈なんですが、仕方がないですね。

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カテドラルの右側面に沿って、カテドラルの裏の方に向かいます。カテドラルの建物は巨大です。

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カテドラルの裏手を周り込むと、カテドラル宝物館とサンタ・クルス教会が見えます。

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カテドラルの裏手は海岸沿いのカンポ・デル・スール通りAv. Campo del Surに面しています。通りを渡って海岸の岸壁に出ます。もう夜の7時頃ですが、明るい陽光の下の大西洋です。海の青さが目に眩しいですね。

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目を反対の方に転じます。こちらは太陽の光がぎらぎらと輝いています。この先にカレータ・ビーチがある筈です。後で大西洋に沈む夕日を見に行きます。落日は9時半頃ですから、まだまだ時間はたっぷりあります。

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大西洋にまっすぐ向かって、その雄大な眺めを心の中に収めます。この海の向こうにはアフリカ大陸があるはずです。

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しばらく、海を見つめていました。

サン・フェリペ・ネリ礼拝堂から、ここまでの散策ルートを地図で確認しておきます。

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カディスの夕日を求めて:アンダルシア名物の魚介料理で腹ごしらえをして、夕日のビーチへ。

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/22回目

カディスの岸壁から、しばらく雄大な大西洋を眺めていました。
この岸壁から振り返ると、そこはカテドラルの裏手です。このカテドラルの地下の礼拝堂には、大作曲家マヌエル・デ・ファリャの墓があるそうです。カテドラルはもう閉まっているので、ここからファリャの冥福を祈りましょう。

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そろそろ、夕食にと目を付けていたレストランに向かいましょう。カテドラルの脇を抜けて、旧市街の中心の市場を目指します。古い街の路地が続きます。この路地はカテドラル前広場と市場前のリベルター広場を結ぶコンパニア通りCalle Compañíaです。

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7時は過ぎていますが陽はまだまだ高いです。市場近くの名物料理店ラス・フローレスLas Floresに着きました。テラス席に座りメニューをお願いすると、キッチンは7時半からだよ・・・またまたスペイン時間を忘れていました。

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生搾りオレンジジュースを飲みながら時間をつぶして、キッチンが開くのを待ちます。スペインのオレンジジュースは本当に美味しいです。

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オレンジジュースを飲んでいると、ゆったりとスペインの夕方の時(と言っても昼下がりの感じですが)が過ぎていきます。だんだん、スペイン人の時間に対する感覚も理解できそうな気がしてきました。まだまだ夜は長いのだから、何も急ぐ必要はありませんね。とは言え、そろそろお約束の時間の7時半です。料理のオーダーをしましょう。

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すぐにパンを持ってきてくれました。

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海鮮サラダもすぐに出てきます。カニかまのようなものが入っているのがご愛嬌。今や、カニかまは世界に広がっているのかしら。

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スペイン産の白ワインもいただきます。

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しばらくすると、メインの料理が運ばれてきました。アンダルシア名物のペスカードス・フリートス(魚介類のフライ)です。これは上品ではありませんが、とても美味しいです。

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1時間ほどかけて、美味しい夕食を楽しみました。満足です。

さて、カディスの夕日を見るためにカレータ・ビーチに向かいましょう。今は夜の8時半ですから、後1時間ほどで日没です。狭い路地を太陽に向かって進みます。ブラブラと海岸に向かっていると、折り畳み椅子を抱えて海岸から帰ってくる家族連れに会います。日光浴を楽しんでいたのでしょうか。お店でもビーチ用椅子がメインで売られています。

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空は晴れあがっていますから、夕日を見るのに絶好の天気です。

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海岸に到着です。カレータ・ビーチです。

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砂浜には、夕日を見にきた人達が三々五々散歩しています。太陽もずいぶん低くなっています。

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綺麗な夕日です。日が落ちるには、まだ30分以上はかかるでしょう。

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ビーチをぶらぶらしながら、落日を待ちましょう。

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素晴らしい夕日が見られそうです。

一応、散策ルートを地図で確認しますが、市場近くの名物料理店ラス・フローレスからカレータ・ビーチへの道は判然としません。ただただ、太陽に向かって歩いただけでした。

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カディスの夕日を求めて:落日間近なカレータ・ビーチを散策

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/23回目

カディスのカレータ・ビーチで大西洋に沈む夕日を見ます。この旅のハイライトの1つで胸がわくわくします。
日の入りまでにまだ30分程はあるので、ビーチをぶらぶらしながら待ちましょう。ビーチには立派なレストランが建っています。そこからの眺めもよさそうですが、既に夕食はいただきました。

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砂浜を歩いて、このレストランから離れていきます。

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砂浜の端まで来ると、砂浜を貫く石畳の道がありました。街の中からの道が海に突き出た突堤までつながっています。

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この辺りには海を望む公園もあります。そちらを見てみましょう。

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公園の中には、海を眺めているかの風情の胸像が見えます。これはカディスのカーニバルの舞踊団のクリエーターだったフランシスコ・アルバ・メディーナFRANCISCO ALBA MEDINA、通称パコ・アルバPaco Albaを記念した胸像です。彼はカディスで1976年に生涯を終えました。

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公園に向かうために、いったんビーチから外に出てみました。ここが街とカレータ・ビーチをつなぐポイントです。

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街からはカレータ門Puerta de la Caletaをくぐって、カレータ・ビーチLa Caletaに入ります。先程はこの正式の入り口からではなく、横の方から直接ビーチに入り込みました。

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公園の入り口には、スペイン人作家のフェルナンド・キニョネスFernando Quiñonesの銅像が建っています。彼は1998年にカディスで亡くなりました。

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公園は海の展望台のようになっています。

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海に突き出る突堤を見下ろすことができます。突堤には夕日が沈むのを待っている人たちが大勢います。この突堤が夕日を眺めるポイントのようです。

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突堤の先には美しく輝く夕日が見えています。低くはなっていますが沈むのはまだまだのようです。

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これが公園の岸壁です。夕日でバラ色に輝いています。

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突堤には、フェルナンド・キニョネス通りPaseo Fernando Quiñonesという名前が付けられています。銅像の作家の名前ですね。突堤の先は島のようになっていて、広くなっています。夕日がとても綺麗ですね。

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公園は広々としていますが、人はほとんどいません。日陰を選んで、数人が座り込んでいるだけです。

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公園を出て、突堤に向かいましょう。突堤の入り口にもがっしりした門があります。

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突堤の入り口からはビーチ全体が見渡せます。ビーチもバラ色です。

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突堤を進んで、夕日の絶景ポイントを探しましょう。

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太陽が海に没するのも間もなくでしょう。


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カディスの夕日を求めて:絶景!!カディスの美しい夕日

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/24回目

カディスの落日も間近に迫ります。突堤の中ほどに陣取って、日の入りを待ちましょう。もう太陽ひとつ分を残して、水平線近くまで太陽が沈んできました。美しい夕日です。空が黄色く染まっています。

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さらに太陽は沈み、あと半個分ほどで大西洋に沈みそうです。

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海がますます迫ってきました。水平線近くの空はバラ色に輝きます。

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夕日を眺めている人たちもバラ色に染まっています。

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やはり、カディスの夕日は感動的です。人は皆、魅入られたように夕日を見つめるのみです。

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カレータ・ビーチは夕日の最後の瞬間を迎えて、バラ色に輝いています。

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太陽は今にも海に沈もうとしています。辺りは静寂に包まれています。聖なる時を迎えようとしています。

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先程から2分経過し、太陽は水平線すれすれまで落ちてきました。海に光の道ができています。

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太陽は大西洋にほとんどタッチダウン。熱球のフレアはもう海に触れています。

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1分後、太陽は海に突入を開始。太古の昔から日々繰り返されていますが、今日のこの瞬間も偉大な瞬間です。

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さらに1分後、太陽は大西洋と結合。最高の瞬間です。空の輝きが増していきます。

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さらにさらに1分後、太陽の先端は海のなかに沈んでいきます。完璧な日の入りです。

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その1分後、太陽の位置はほとんど変わりませんが、空の色は濃いバラ色に染まってきました。

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さらにその1分後、太陽の先端は海の中で輝いているように見えます。大西洋の美しい夕日です。

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もう1分経つと、夕日が少しずつ海に没していきます。

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もうすぐ、太陽が大西洋に水没しそうです。

美しい夕日です。いかがですか。これが大西洋の夕日です。saraiの期待以上の素晴らしさです。まだまだ、この天体ショーは続きます。


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ボヘミアの心フルシャ+プラハ・フィルと巨匠マイスキー@サントリーホール 2015.2.6

フルシャは必ず完全燃焼の演奏を聴かせてくれます。ましてや、お国もののドヴォルザークともなると、素晴らしい演奏は最初から約束されたも同然。
なお、ちょうど、3年前の2012年3月11日にフルシャ+プラハ・フィルの来日コンサートを聴きました。そのときの記事はここです。東北大震災の1年後ということで鎮魂のコンサートでもありました。

1曲目のドヴォルザークの序曲『謝肉祭』から素晴らしい響きが全開。これがプラハ・フィルかと驚くほど、3年前の来日時の演奏よりも充実した響きがホールに満ちます。特に以前は不満に感じた木管が美しい響きを聴かせてくれるのにびっくりです。音楽監督のフルシャが3年間、アンサンブルの充実に力を入れてきたんでしょう。心地よく響き渡る強奏から抒情に満ちた弱奏まで、ボヘミアを感じさせる演奏に大満足でした。

2曲目はドヴォルザークのチェロ協奏曲。名曲中の名曲です。チェロは巨匠マイスキー。実演で聴くのは初めてです。第1楽章、フルシャは抑えた響きでオーケストラのパートを開始します。次第にこれぞボヘミアという雰囲気の音楽が展開されていきます。オーケストラの演奏は最上級とも思える演奏です。マイスキーはまだチェロを弾き始めていませんが、そのボヘミアの響きを体に受け止めて、どんどん充電しているようです。やがて、マイスキーの演奏が始まります。気迫のこもった力強い演奏です。巨匠らしい自在な演奏ではありますが、少し、力が入り過ぎの感もあります。しかし、フルシャはそのマイスキーの自由闊達な演奏を見事に受け止めて、オーケストラとうまく協調させて、美しい音楽に昇華させます。マイスキーの気迫の演奏とフルシャ指揮のプラハ・フィルのボヘミアの響きが融合して、素晴らしく充実した第1楽章が展開されました。ほっと一息ついて、第2楽章。マイスキーもこのあたりから力がうまく抜けて、バランスのとれた演奏になり、味わい深い響きが聴けます。オーケストラの柔らかい響きと混ざり合って、しみじみとした抒情の音楽です。第3楽章では一気にヒートアップ。疾走したかと思えば、スローダウンして、しみじみとした音楽を展開します。フィナーレ近くでの独奏チェロとコンサートマスターの独奏ヴァイオリンのデュオは素晴らしいアンサンブルで耳を楽しませてくれます。そして、ギヤーを複雑に入れ換えながら、フィナーレの高みに上り詰めます。とても素晴らしい演奏でした。巨匠マイスターと若きマエストロのフルシャの見事な協奏でした。2人の醸し出す緊張感にはsaraiも巻き込まれてしまいました。

やんやの拍手の中、アンコールはチェロの独奏ではなく、独奏チェロとオーケストラのための音楽です。これは初めて聴きました。ドヴォルザークの《森の静けさ》です。元はピアノ連弾曲だった《ボヘミアの森から Ze Šumavy 》Op.68の第5曲をドヴォルザーク自身が独奏チェロとオーケストラ用に編曲したものだそうです。あまり、派手さのない曲ですが、美しい演奏でした。
さらに今度はチェロだけのアンコール曲。やっぱり、バッハの無伴奏チェロ組曲です。マイスキーはさすがの演奏で、バッハの孤高の世界をとことん堪能させてくれました。いつまでも聴いていたいような気にさせてくれる圧巻の演奏でした。

休憩後、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」です。いまさらながらの超有名曲ですが、いい機会なので、力を入れて、予習しました。このコンサートに向けて、予習したのは以下。

 ヴァーツラフ・ノイマン指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(1972年録音)。
 ヴァーツラフ・ノイマン指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(1981年録音)。
 ヴァーツラフ・ノイマン指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(1993年録音)。
 ヴァーツラフ・ノイマン指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(1995年録音)。
 カレル・アンチェル指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(1961年録音)。LPレコード。
 ズデニェック・コシュラー指揮/チェコ・ナショナル響(1994年録音)。
 ヴァーツラフ・ターリッヒ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(1954年録音)。
 ラファエル・クーベリック指揮/ベルリン・フィル(1973年録音)。
 ラファエル・クーベリック指揮/バイエルン放送響(1980年録音)。

いずれもチェコ出身(コシュラーは正確に言えば、スロヴァキアですが、以前はチェコと同じ国でした)の指揮者。チェコは多くの逸材を産んでおり、今日聴くフルシャもその継承者の一人です。
ヴァーツラフ・ノイマンは亡くなる年に録音した1995年録音の演奏が優れていますが、全体に面白味がもうひとつに感じます。
やはり、断トツに素晴らしいのはヴァーツラフ・ターリッヒの演奏です。骨太で直線的な演奏。この曲の本質をずばっと突いた超名演です。音質も上々です(アンドロメダ盤)。
それに次ぐのはズデニェック・コシュラーとラファエル・クーベリック(バイエルン放送響)です。
今回は聴きませんでしたが、チェコ出身ではないジュリーニのいくつもの演奏も好んでいます。

そういうところで今日の演奏ですが、さすがにターリッヒとまではいきませんが、歴代のチェコ出身の名指揮者達と肩を並べるような素晴らしい演奏でした。ダイナミックスさと抒情にあふれる演奏でしたが、一番の美質はフルシャの音楽に対するひたむきな熱情と言えるでしょう。彼の熱情にこちらもすっかり、引き込まれてしまいました。その最たるものが熱く演奏した第4楽章です。若々しく、たぎる情熱の波に翻弄されてしまいました。もちろん、第2楽章のしみじみとした表情も味わい深いものでした。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:ヤクブ・フルシャ
  チェロ:ミッシャ・マイスキー
  管弦楽:プラハ・フィルハーモニア管弦楽団

  ドヴォルザーク:序曲『謝肉祭』 Op.92
  ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
   《アンコール》
    ドヴォルザーク:森の静けさ
    J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番 BWV1008 から「サラバンド」

   《休憩》

ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 Op.95

   《アンコール》
    ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 ホ短調 B147/2 (Op.72-2)
    ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 ハ長調 B147/7 (Op.72-7)

アンコールのスラヴ舞曲2曲はいずれも有名な曲ですが、とても美しい演奏で高揚させられました。全曲を聴かせてもらいたいものです。

3年前には、ドヴォルザークの交響曲第8番を聴きましたが、今日の高いレベルの演奏で聴き直したいものです。次回の来日では、何を聴かせてくれるでしょう。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

カディスの夕日を求めて:大西洋に沈むカディスの夕日に感動!

2014年5月31日土曜日@グラナダ~カディス/25回目

カディスの夕日が今、まさに大西洋に没しようとしています。

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ますます、光球が小さくなっていきます。

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もう最後の瞬間は近いようです。急速に太陽が海に沈み込んでいきます。

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そして、遂に太陽は一粒の光点を残すのみとなりました。1日の終焉です。微かに1点の光だけを残して海に没する最後の瞬間を息を殺して見つめます。

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5秒後、その1粒の光点も海の中に飲み込まれていきました。残照の明かりが太陽の沈んだポイントを示すのみです。

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一瞬、空気も涼しくなったような気がします。もう、太陽はその痕跡を残すだけです。

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やがて、太陽の痕跡も陽炎のようにゆらめいて、消え去っていきます。

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美しい黄昏です。太陽の残照もみるみるうちに薄れていきます。

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太陽が沈んだ後のロマンチックなバラ色の光が、水平線上に広がります。雲が茜色に染まっています。

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大西洋に沈むカディスの夕日。絶好の天気で燃えるような太陽が大西洋の水平線に吸い込まれていく様、見事なものでした。カレータ・ビーチの夕日は絶景そのものでした。

海に静かに沈んでいく太陽。微かに1点の光だけを残して海に没する最後の瞬間。太陽が沈んだ後のロマンチックなバラ色の光で雲が茜色に染まる様。すべてが感動的でした。
これ以上、語る言葉もありません。遠くスペインの地まで旅してきてよかったと配偶者に目で語りかけます。しばらく、静かな時が流れます。

もう、これでいいでしょう。満足です。茜色の空に背を向けて、カディスの街に戻りましょう。街は薄いブルーの空に包まれています。

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突堤を歩き終える辺りで、西の空を振り返ってみます。空はバラ色、黄金色、薄いブルーとグラデーションしています。装飾的に散らばる雲もいいアクセントになっています。完璧な夕焼け空です。街灯にも灯が点っています。

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ビーチまで戻ってきました。美しい空に最後の一瞥をくれて、カレータ・ビーチを去ります。

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カディスの路地は夜の賑わいの真っ最中です。路地にはテラス席が並んで、路地全体がレストランと化しています。カディスの土曜の夜はまだ始まったばかりです。

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つい、ふらふらとこのテラス席の並ぶビルヘン・デ・ラ・パルマ通りCalle Virgen de la Palmaに足を踏み入れます。

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この先は行き止まりなので、左に折れて、ビルヘン・デ・ラス・ペナス通りCalle Virgen de las Penasに歩み入ります。

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と、迷路のように曲がりくねったカディスの路地で方向感覚を失ってしまいます。行きつ戻りつ、何度も同じところをぐるぐる歩き回り、地図と通りの名前を突き合わせること20分程で、奇跡的にサン・フェリペ・ネリ礼拝堂に辿り着きました。見知らぬ街で迷ってしまうのは焦ります。サン・フェリペ・ネリ礼拝堂はライトアップして美しく輝いています。まさに神に感謝です。

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ここからは5分程でホテルに無事帰着。ホテルの部屋に落ち着き、配偶者はゆっくりお茶でもいれようかと言ってくれます。が、配偶者はもう眠くて眠くてという態で・・・なんとか玄米茶を一杯飲んだだけで、ベッドに倒れ込んでしまいました。まだ、夜の11時前ですが、朝も早くて、とても長い1日でした。目いっぱい楽しみました。saraiも早く寝ましょう。

一応、カレータ・ビーチからホテルに戻るルートを地図で確認しておきます。途中迷ったので中途半端なルートしか描けませんけどね。

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明日はセヴィーリアを楽しみ尽くします。カテドラル、ヒメルダの塔、アルカサル、そして、バルとフラメンコは外せませんね。


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セヴィーリャの1日:カディスを出発し、セヴィーリャへ

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/1回目

旅の7日目です。今日はカディスからセヴィーリャに移動して、丸1日セヴィーリャ観光です。夜はフラメンコを楽しむ予定で、今日も1日中駆け回ることになりそうです。

カディスの朝は絶好の青空。朝一番の電車でセヴィーリアに戻ります。なんとも慌ただしいカディスの滞在です。ホテルは到着時に清算は終わっており、チェックアウト不要でレセプション(と言っても机が1個置いてあるだけですが)にはホテルの人はいません。部屋の鍵を、教えられたポストに放り込んで出かけます。タクシーをお願いするホテルの人もいないので、歩くしかありません。もっともホテルの前は歩行者専用道路なので、タクシーが横付けできるわけでもありませんけどね。がらがらと荷物を引っ張り駅に向かいます。朝の8時はまだ涼しく、気持ちよく歩けます。駅に向かう途中、緑豊かな公園があります。ピンクのブーゲンビリアの花が満開です。

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駅前の駐車場が見えます。道を間違えることもなく、25分で駅に到着です。

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カディスの駅は真新しくて、モダンな建物です。

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今日の電車のチケットを購入します。日曜日のせいか人も少なく、すぐに買えます。窓口もひとつ開いているだけです。

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これがカディスからセヴィーリャへのチケット。1人15.75ユーロで1時間45分の旅程です。

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電車の中で食べる朝ごはんでも仕入れようかと見渡しますが、お店は閉まっています。8時半では早すぎるのかしら。それとも、日曜日だからお休みなのでしょうか。いずれにしても、朝ごはんは食べ損なったようですね。

プラットホームに出ると、電車が2台停車中。発車10分前です。

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どの電車が乗るべき電車か、出発案内板を見てちゃんと確認します。左側の1番上に、セヴィーリャ・サンタ・フスタ行の電車が8時40分に1番線から出発すると表示されています。

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1番線のホームに停まっている電車に乗りましょう。

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電車は空いています。がらがらです。席は選び放題状態ですが、あいにく指定席なんです。

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何とか水だけは調達できたので、配偶者がしっかりとホテルから持ってきたチョコレートと水が朝ごはん。うーん・・・

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電車は定時に発車しました。電車はまずは海沿いに走ります。昨日と打って変わって、今日はカディスの朝日が強烈に照り付けます。昨日の夕日とは大いに印象を異にします。

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電車はすぐに海から離れていきます。カディスの大西洋はよかったなあと灌漑にふけってしまいます。

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遠くに街並みは見えていますが、この辺りは荒涼たる風景です。

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やがて、昨日と同じくヒマワリが見えてきました。

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昨日と同じ景色なので、saraiはぐっすり眠ってしまいます。配偶者はヒマワリを楽しみながら、せっせとブログを書きます。

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車掌さんが改札に来て、安眠が邪魔されます。まあ、仕方ないか。

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電車はヒマワリ畑の中を一路、セヴィーリャに向かいます。


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セヴィーリャの1日:アンダルシアはヒマワリで花盛り。そして、セヴィーリャ到着

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/2回目

セヴィーリャに向かって、電車はアンダルシアの大平原の中を走ります。まわりは緑の畑が広がります。

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saraiはぐっすりと眠り込んでいますが、再びヒマワリが見えてきたようで、配偶者は大いにヒマワリ楽しんだようです。

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間近にヒマワリの花畑が広がり、配偶者の目は釘付け。アンダルシアのヒマワリは綺麗です。

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見渡す限り、ヒマワリ畑。配偶者はとても嬉しかったそうです。

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だんだんヒマワリの花がまばらになってきました。

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それでも、まだまだヒマワリ畑は続きます。なかなか目が離せないですね。

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またヒマワリの花が多くなってきました。

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一面真っ盛りのヒマワリです。

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アンダルシアのヒマワリもこれで見納め。配偶者は十分満足した様子。よかったです。

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ヒマワリを眺めるうちに、順調にセヴィーリア・サンタ・フスタ駅Estación de Santa Justa Sevillaに到着。
カディスとセヴィーリャの位置関係を地図で確認しておきましょう、セヴィーリャはカディスから北の方に位置しています。

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セヴィーリャは朝の10時半頃で、まだ涼しく爽やかです。遅くなりましたが、ちゃんと朝ごはんを食べましょう。セヴィーリアの駅は、お店が開いています。でも、マクドナルドはお休みのようです。スナックのようなお店に入ります。

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テーブル席に着いて、ゆったりと朝ごはんです。

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スペイン風のサンドイッチとスペイン風のコーヒーを美味しく頂きます。遅い朝食になりましたが、美味しい朝食でした。

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さて、ホテルに行きましょう。今日のホテルは駅前のエア・ホテル・セヴィーリア (Ayre Hotel Sevilla)です。駅舎を出るとすぐ近くに見えています。

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ロータリーを越して、すぐに到着。まだ部屋には入れないと思っていたら、今掃除中なのでちょっと待ってくれたら部屋に入れるわよとのこと。ではちょっと待ちましょう。まだ朝早いから、セヴィーリャ観光の時間はたっぷりあります。

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綺麗なエントランスロビーでゆったりと部屋の準備を待ちます。

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ピカピカの美しいホテルです。

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次々とホテルのレセプションにお客さんが到着します。saraiたちの部屋の準備もそろそろでしょう。レセプションのお姉さんはちらちらとsaraiの方を見ながら、もうちょっと待ってねと目で合図を送ってきます。なかなか、気の利いた女性ですね。

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15分ほどでご案内です。部屋に荷物を置いて、セヴィーリャ市内に繰り出しましょう。


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セヴィーリャの1日:まずはセヴィーリャ美術館へ

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/3回目

セヴィーリャに到着後、ホテルの部屋の準備ができるのをちょっと待ってチェックイン。まだ朝の11時半です。
用意された部屋に入ります。なかなか立派な部屋です。これで1泊50ユーロですから、とてもお得な宿泊料金です。

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綺麗なデスク、椅子。使いやすそうな部屋です。

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ベッドの上の壁には面白い絵が掛かっています。なぜか、蒸気機関車の絵です。

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水回りもチェック。ピカピカで清潔そうです。

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何と言ってもバスタブ付きというのがポイントです。

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持ち歩くショルダーバッグの中身を出来るだけ軽くして、早速出かけます。ホテル玄関には3本の旗が出ています。1本は日本の国旗。む・・・もしかして、saraiが宿泊するから?

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これがエア・ホテル・セヴィーリア (Ayre Hotel Sevilla)の全景です。あれっ、旗は3本だけではありませんでしたね。

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ホテルの斜め前にサンタ・フスタ駅が見えています。駅前のバス停からバスに乗って、街の中心に向かいましょう。

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32番のバスでセヴィーリア美術館に向かいます。駅前から終点のドゥケ・デ・ラ・ビクトリア広場Pl. del Duque de la Victoriaまで行きます。バスのルートを地図で確認しておきます。

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バスのチケットは、車内で運転手から購入。1人1.4ユーロです。

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バスを降りたドゥケ・デ・ラ・ビクトリア広場の中心には銅像が建っています。ベラスケスの銅像です。何故ここにベラスケスの銅像?って思いましたが、ベラスケスはこのセヴィーリャ出身ですね。セヴィーリャで生まれ、11歳でフランシスコ・パチェーコに弟子入りし、6年間の修業を終えて独立、その後師匠の娘フアナと結婚。24歳でマドリッドでフェリペ4世の王付き画家になるまでは、ずっとセヴィーリャで生活していました。

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広場は緑がいっぱい。白い小さな花が咲いていて、綺麗です。

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広場からアルフォンソXII通りCalle Alfonso XIIをちょっと歩くと、セヴィーリア美術館Museo de Bellas Artes de Sevillaはすぐに見つかりました。入り口の前の広場は、絵を売る人でいっぱいです。印刷ではなく、ほとんど油絵です。それぞれ絵に個性があり面白いですね。それなりに売れている感じです。

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窓口でチケットを購入。1人1.5ユーロは安いですね。

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パンフレットもゲット。日本語版はありませんが、英語版がありました。

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中に入ると、いきなり美しいパティオに出ます。これ自体、美術品みたいです。

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パティオの真ん中にある井戸も風情があります。

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さらに奥には別のパティオも見えます。これも美しいですね。

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さらに奥に進むと、もっと広いパティオがあります。手入れの行き届いた美しい庭です。

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そろそろ建物の中に入って、美術鑑賞を始めましょう。


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セヴィーリャの1日:ムリーリョの美しいマリアに魅了されたセヴィーリャ美術館

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/4回目

セヴィーリャ美術館Museo de Bellas Artes de Sevillaの展示室に入ります。最初の部屋には15世紀のスペイン・ゴシックの美術品が展示されています。初期セヴィーリャ派の作品も並んでいます。中央に見える彫刻はペドロ・ミランPedro Millánの《死せるキリストへの嘆き》です。

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この部屋では、4枚の連作絵画が目を惹きます。初期セヴィーリャ派の作者不詳の作品です。フランドル絵画の影響が感じられる精密な描き方です。

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次の部屋は長い回廊になっていて、ルネサンス期の作品が展示されています。

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次の部屋はマニエリスムの作品が展示されています。さして興味を惹く作品はありません。

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次の部屋は自然主義の作品が展示されています。

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ベラスケスの絵画を発見。肖像画です。と思ったら、なんと聖人の絵でした。1620年、ベラスケス20歳頃の《聖パウロ》です。セヴィーリャ時代の作品です。この頃、既に見事な筆遣いです。

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いったん、パティオに出て、次の展示室に移動。そこは17世紀の修道院の教会だった建物で天井も高くて美しい部屋です。

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特に天井の装飾の美しさは最高です。

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この部屋の奥のほうにはムリーリョMurilloの作品がずらっと並んでいます。それも名画揃い。めまいがするほど素晴らしいです。
この美術館にはムリーリョの世界最大のコレクションがあるとは聞いていましたが、まさか、これほどとは。絶句です。saraiはムリーリョの描くあどけなさを面差しに残している聖母マリアが結構好みです。そういう絵画が何点も展示されてます。

これは《無原罪の御宿り》です。1668年、ムリーリョ51歳頃の作品です。とても美しいです。三日月に乗ったマリアが天使たちに囲まれて、天から舞い降りてきます。

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これは《無原罪の御宿り》です。1668年、ムリーリョ51歳頃の作品です。この作品もとても美しいです。三日月に乗ったマリアが天使たちに支えられながら、下りてきます。

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これは《無原罪の御宿り》です。1650年、ムリーリョ33歳頃の作品です。若い頃の作品ですが、既にムリーリョらしさが満ち溢れています。マリアは満月に乗っていますね。

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これは《聖母子》です。1666年、ムリーリョ49歳頃の作品です。マリアの美しさが光ります。

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これは《聖フスタと聖ルフィーナ》です。1666年、ムリーリョ49歳頃の作品です。聖フスタと聖ルフィーナはセヴィーリャの守護聖人の二人の姉妹です。二人が両側から支えているのはヒラルダの塔です。それにしても美人姉妹ですね。これはセビーリャのカプチン修道会Convento de Capuchinosの聖堂の祭壇画です。

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《無原罪の御宿り》を中心にムリーリョの名画がずらっと並んでいます。壮観です。

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これは《ピエタ》です。1668年、ムリーリョ51歳頃の作品です。ムリーリョの描く上目遣いのマリアは本当に美しくて、大好きです。

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これは《羊飼いたちの礼拝》です。1668年、ムリーリョ51歳頃の作品です。ムリーリョの描くマリアは下のほうに顔を傾けていてもあどけなさが可愛いです。

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これは《受胎告知》です。1668年、ムリーリョ51歳頃の作品です。ムリーリョの描くマリアは横顔も綺麗ですね。きっとモデルがよっぽど綺麗な人だったんでしょう。

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いやはや、素晴らしいムリーリョの名画にあふれた展示室でした。ムリーリョの描く美しいマリアに魅了されました。展示室をもう1回眺めて、満足のため息を尽きました。

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まだ、2階にも展示室があるようですが、もう、頭の中はムリーリョのマリアでいっぱいです。このまま、美術館を出ることにしましょう。


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セヴィーリャの1日:セヴィーリャ美術館からヌエバ広場まで散策

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/5回目

セヴィーリャ美術館でムリーリョを堪能し、展示室を出ると、そこは美しいパティオ。

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パティオを囲む回廊の壁は綺麗なタイルで装飾されています。

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パティオを抜けて美術館の外に出ます。美術館前のムセオ広場Plaza del Museoでは、相変わらず油絵が販売されていて、それを見ている人で賑わっています。

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これがセヴィーリャ美術館のファサードです。17世紀の修道院の建物を改修した建物で、立派な外観です。

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このムセオ広場に、配偶者が探していたジャカランダの木がありました。紫色の花が咲いています。昨日、バスでセヴィーリャに着いたとき車窓から見かけ、とても気になっていたそうです。

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セヴィーリャ美術館からブラブラと旧市街の中心に向かいます。先ほど歩いてきたアルフォンソXII通りCalle Alfonso XIIを戻ります。ドゥケ・デ・ラ・ビクトリア広場Pl. del Duque de la Victoriaまで戻り、そこで右折してオドネル通りCalle O'Donnellに入ります。

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人で賑わうオドネル通りを進みます。

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そのまままっすぐに進むと、通りはベラスケス通りCalle Velázquezに変わります。

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通りをまっすぐに進んでいますが、交差する通りを過ぎる度に通りの名前が変わります。今度はテトゥアン通りCalle Tetuánです。横の路地アルバレダ通りCalle Albaredaを覗くと、路地全体がカフェのテラス席になっています。朝ごはんが遅かったので、ランチはもう少し後にしましょう。

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やがて、セヴィーリアで一番賑やかな通りのひとつであるテトゥアン通りを抜けて、緑の豊かなヌエバ広場Plaza Nuevaに出ます。

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ヌエバ広場では何やら青空市場がたっています。

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本の市です。数十軒はあるでしょう。よく見ると、すべて同じ造りのコンテナが並んでいます。この広場にいつも本の市が出てるとも思えないし、今日はどういう催しなんでしょうね。

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広場の中央には立派な騎馬像が建っています。カスティーリャ王のフェルナンド3世Fernando IIIの騎馬像です。フェルナンド3世はレコンキスタを推進し、このセヴィーリャをイスラム勢力から奪還した人物で、レコンキスタ成功の功績を讃えられて1671年に聖王el Santoの称号を与えられました。フェルナンド3世はセヴィーリャのカテドラルに葬られています。

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ヌエバ広場には、市庁舎Ayuntamiento de Sevillaの古めかしい建物が建っています。時計台が印象的です。

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広場を出て、市庁舎の裏側の方に歩きます。そこにも大きな広場があります。サン・フランシスコ広場Plaza de San Franciscoです。広場には日除けのパラソルを並べたテラス席のカフェがあります。よく見ると、何か様子がおかしいです。

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近寄ってよく見ると、このテラス席は白い靄のようなもので包まれています。暑さ対策で冷気を吹き出しているようです。イメージは涼しそうですが、こんなもので本当に涼しいのかな?

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この広場からは街一番の目抜き通りのシエルペス通りCalle Sierpesが延びています。この通りは先ほど歩いてきたテトゥアン通りの東側に並行した通りです。後で帰りにでも歩いてみましょう。

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この広場から、カテドラル(セヴィーリア大聖堂)に向かいます。

セヴィーリャ美術館からヌエバ広場まで散策してきたルートを地図で確認しておきましょう。

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セヴィーリャの1日:セヴィーリャのランドマーク、ヒラルダの塔

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/6回目

ヌエバ広場Plaza Nuevaから市庁舎Ayuntamiento de Sevillaを挟んで反対側にあるサン・フランシスコ広場Plaza de San Franciscoをぶらぶらしています。広場の中央にはとても大きな日除けの幕が張ってあります。幕の布地を透かして、空に浮かぶ雲が見えています。アンダルシアの強烈な陽光が降り注いでいます。

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サン・フランシスコ広場から見る市庁舎の建物は、壁がいっそう白く装飾文様も凝ったもので、とても美しいです。

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サン・フランシスコ広場からカテドラル(セヴィーリア大聖堂)に向かって歩き始めます。エルナンド・コロン通りCalle Hernando Colónの先にカテドラルの門が見えてきました。

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カテドラルCathedralの北側にある免罪の門Puerta del Perdónのすぐ近くまでやってきました。

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免罪の門の前に立つと、左奥の上方に高い塔が見えます。あれがヒラルダの塔Giraldaのようです。セヴィーリャの街のランドマークです。

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免罪の門のアーチの中を覗くと、中庭の先にカテドラルの巨大な建物が見えます。

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中庭にはオレンジの木が茂っています。オレンジの実もたわわに実っています。この中庭は《オレンジの中庭》Patio de los Naranjosと呼ばれています。

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免罪の門からカテドラルの中庭の塀に沿って左(東)の方に歩いてき、塀の切れたところで右(南)に折れると、正面にドーンとヒラルダの塔が見えます。

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近くまで歩いて、正面からヒラルダの塔を眺めます。このヒラルダの塔は97mの高さの塔です。もともとは12世紀末、イスラムの支配下の時代にモスクのミナレットとして建設されたものです。16世紀にプラテレスコ様式の鐘楼が取り付けられて、現在の姿になりました。先端には1288kgもの重さのブロンズ製の像が取り付けられており、この像は風を受けると回転するそうです。そのため、この塔はヒラルダ(風見)の名前で呼ばれています。この塔には上ることができて、70mの展望台からセヴィーリャの街を一望できるようです。高いところが好きなsaraiとしては、上ってみたい気持ちが満々です。

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ヒラルダの塔の前は広場になっています。トリウンフォ広場Plaza del Triunfoです。広場の中央には綺麗な噴水があります。

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観光馬車が暇そうに客待ちをしています。

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今日は日曜日なので、カテドラルはまだオープンしていません。午後2時半からオープンなので、まだ1時間ほどしないとオープンしません。
オープンまでは、サンタ・クルス街をぶらつくことにします。カテドラル前のテラス席で賑わう道を通り抜けて、サンタ・クルス街に向かいます。

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サン・フランシスコ広場からサンタ・クルス街までの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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少々疲れていますが、もう少し散策を続けます。


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セヴィーリャの1日:サンタ・クルス街の迷宮のような路地をぶらぶら

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/7回目

カテドラルがオープン前なので、カテドラル近くのサンタ・クルス街をぶらぶらすることにします。
サンタ・クルス街Barrio de Santa Cruzは昔ユダヤ人が居住していた地区で、その後に貴族などの裕福な人々が住み付いたところ。
ヒラルダの塔の前からマテオス・ガゴ通りCalle Mateos Gagoを進み、途中で右側の狭い路地のメソン・デル・モロ通りCalle Mesón del Moroに入ります。昔の風情が感じられるかと思いきや、狭い迷路のような通りにお土産物屋さんが立ち並び、観光客でごったがえした賑やかな街です。

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メソン・デル・モロ通りにはギターの看板のある建物があります。フラメンコ関連のお店のようです。

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通りの奥にはバルがテラス席を出しています。

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通りがぶつかったところで左に折れて、シメネス・デ・エンシソ通りCalle Ximénez de Encisoに入ります。

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この通りにも大きなお土産店があります。中はがらんとしています。

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お店の横から覗くと綺麗なパティオが見えます。昔は立派なお屋敷だったんでしょう。

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その先にフラメンコのスタジオがありました。La Casa del Flamencoというフラメンコ・ショーをやるところで、すぐ間近でフラメンコが見られるみたいです。でも、既に今夜のフラメンコ・ショーのタブラオを予約していますから、ここは外から中の様子を観察するだけです。

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狭い路地に入りこみます。クルセス通りCalle Crucesです。この辺りの裏通りになると、さすがに静かな雰囲気になってきます。

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路地の先には、ちょっとした広場があります。クルセス広場Patio de los Crucesです。3本の石柱が立っています。

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ここから迷路のような路地を歩き回ります。

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何とか迷宮の虜にならずに自分のいる位置が分かりました。今夜行くフラメンコのタブラオ、ロス・ガリョスの場所も確認できました。

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ロス・ガリョスの前は木々の茂る公園になっています。サンタ・クルス広場Plaza de Santa Cruzです。

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木と言えば、スペインではオレンジ。オレンジの実が落ちています。きっと鳥も食べない甘くないオレンジなのでしょう。

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公園の真ん中には凝った造りの街灯が立っています。

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サンタ・クルス街を抜け、アルカサル庭園の高い塀の前に出ました。

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塀にそって歩けば、アルカサルに出ることができそうです。

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アルカサル庭園の中も歩けるようですが、アルカサルに行くには遠回りになりそうなので、中に入るのはやめましょう。

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アルカサル庭園の高い塀に沿って、アルカサルの入り口に向かいます。

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頭上にはブーゲンビリアの花が咲いています。花のトンネルみたいですね。

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サンタ・クルス街の散策ルートを地図でおさらいしておきましょう。

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この後、アルハンブラ宮殿を彷彿させるというアルカサルを見学します。


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セヴィーリャの1日:アルハンブラ宮殿を目指して造営されたアルカサル

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/8回目

サンタ・クルス街を抜け出して、アルカサルの入り口に向かっています。人がたむろしています。観光ツアーご一行のようです。

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路地が突き当りです。しかし、突き当りに通り抜けがあるらしく、人が入っていきます。我々も続きましょう。

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小さな入り口の先は広い通りになっています。そして、その向こうにヒラルダの塔が見えています。この方向に進めばよさそうです。

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通りを進むと、ヒラルダの塔がどんどん大きくなってきます。

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通りの角には物売りのおじさんがいます。冷たいコーヒーでも売っているのかしらね。

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アルカサルの入り口らしきところに到着し中に入ろうとしたら、係の人に制止されました。ここはアルカサルの出口だそうです。入り口の場所を教えてもらい、そちらに向かいます。アルカサルの出口の前はカテドラルの前で、ヒラルダの塔もすぐそこに見えています。

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係の人に入り口の場所を教えてもらったにもかかわらず、意外に入口が遠くてなかなか場所が分かりません。ようやくアルカサルの入口前に到着しました。そこからカテドラルの方を眺めてみます。カテドラルの入り口付近も見えています。左の建物はインディアス総合古文書館Archivo General de Indiasです。アルカサル、カテドラル、そして、このルネサンス様式のインディアス総合古文書館はユネスコの世界遺産に指定されています。

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このアルカサルの入り口までのルートを地図で確認しておきます。

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アルカサルの入り口のライオンの門から入場します。これがアルカサルのチケット(領収書?)。1人9.5ユーロです。

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アルカサルReal Alcázarはローマ時代のアクロポリス、イスラム時代の城(要塞)をレコンキスタ後に、カトリック教徒の王たちが改築し宮殿にしたものです。なかでも1350年に即位したペドロ1世が、スペイン各地からイスラム職人を集めてムデハル様式の宮殿を作り上げました。その結果、このアルカサルはアルハンブラ宮殿を彷彿させるものになったそうです。

アルカサルに足を踏み入れると、そこはライオンの中庭Patio de Leonです。

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ライオンの中庭の先には、分厚い城壁のアーチから宮殿のファサードが顔を見せます。

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これがファサードです。立派ですね。

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ライオンの中庭の左にある建物に入ります。ここは裁きの間Sala de Justicia。なるほど、壁には見事なイスラムの幾何学模様。

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床には水盤と水路が刻まれています。アルハンブラ宮殿と同様に水にこだわった造りです。

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最も美しいのは天井の繊細な模様です。ムデハル様式ならではの複雑な美です。

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中庭への窓のアーチには見事な装飾が施されています。素晴らしい漆喰装飾です。

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漆喰の中庭Patio del Yesoがこの素晴らしい窓の向こうに見えます。

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中庭の大半は池になっています。水と漆喰のコラボした空間です。

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裁きの間を出てライオンの中庭へ。そこから城壁のアーチをくぐって、城壁越しにライオンの中庭を眺めたところです。

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いよいよ、ファサードのある建物に進みましょう。


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セヴィーリャの1日:アルカサルの乙女の中庭と大使の間の究極の美

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/9回目

アルカサルの本館であるペドロ1世宮殿Palacio del Rey Don Pedroの前に来ました。右側の回廊の下から宮殿のファサードを眺めます。ムデハル様式の建物が青空に映えます。

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ファサード上部のイスラム文様をズームアップして眺めます。精密で素晴らしい芸術ですね。

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2階への階段があります。装飾タイルが素晴らしいです。

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右側の回廊を進み、ペドロ1世宮殿の入り口の横に来ました。宮殿の壁面の素晴らしい装飾が間近に見え、その見事さに圧倒されます。

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ペドロ1世宮殿の入り口前から中庭を振り返ります。この中庭は狩猟の中庭Patio de la Monteriaと呼ばれています。中庭の左右には宮殿の回廊が続き、中庭の正面はイスラム時代の城壁の厚い岩壁が建っています。頭を覗かせているのはヒラルダの塔ですね。

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ペドロ1世宮殿に入って、真っ先に乙女の中庭Patio de las Doncellasに直行。ムデハル様式の傑作です。

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細い柱に支えられた繊細な文様のアーチの壁の連なりが素晴らしいです。

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近くから仔細に観察すると、ますますその繊細で華麗な装飾に驚かされます。

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乙女の中庭から大使の間の方を眺めます。大使の間の上部先端の美しい外観が見えます。壁に描かれた文様も美しいです。

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乙女の中庭から大使の間の入り口に向かいます。入り口のアーチに施された漆喰彫刻が見事です。

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大使の間Salón de Embajadoresに入りました。まずは天井を見上げます。ヒマラヤ杉細工の円形クーポラです。何と言う見事さ。これに匹敵するのはアルハンブラ宮殿のみです。

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壁をびっしりとおおい尽くすイスラム文様も驚異的な素晴らしさです。

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部屋を仕切る馬蹄形3連アーチも美しいです。

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壁面の美しさからは目を離すことができません。

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これは馬蹄形3連アーチの連なりです。アーチに施された文様の趣味の良さは、これぞイスラム芸術の極みといった感じです。

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馬蹄形アーチをさらに仔細に鑑賞します。近くで見れば見るほど、精密・繊細な美が浮き彫りになります。

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この馬蹄形アーチの究極の美に囚われて、身動きができません。

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しばらくは大使の間のイスラム芸術の素晴らしい空間の中に身を浸していましょう。


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セヴィーリャの1日:バルの老舗ロブレス・タパスでランチ

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/10回目

アルカサルの大使の間の繊細なイスラム芸術に見惚れていましたが、壁のタイルと漆喰彫刻を見ながら部屋を後にします。

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大使の間を出ると、美しい乙女の中庭が待っています。

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乙女の中庭を囲む回廊の天井にも素晴らしい文様が続きます。イスラム芸術の美に感嘆します。

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アルカサルはアルハンブラ宮殿を彷彿させるとのことでしたが、似てはいてもまた異なる芸術品で、これまた素晴らしいものでした。アルハンブラ宮殿の緻密な幾何学模様にさらに渋い色彩が加わって複雑さを増していました。そんな思いを抱きながら、アルカサルを出ます。ここが出口です。最初、間違えて入ろうとしたところです。

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アルカサルの出口の前には、カテドラルとヒラルダの塔が聳えています。

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観光馬車が客待ちしています。あまり乗る人はいないようですね。

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そろそろ休憩をかねてお昼にしましょう。カテドラルもオープンする時間ですが、午後2時半ですから、スペイン時間ではちょうどランチタイムです。
セヴィーリアと言えば、バルの本場。バル体験は欠かせません。お目当てのバルに向かいましょう。ヒラルダの塔の先の方の筈です。

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ヒラルダの塔の前の広場は、相変わらず賑わっています。

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ヒラルダの塔は青空に向かって、すっくと立っています。

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ヒラルダの塔を過ぎると、ずらっとバルやレストランが並んでいます。

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お目当てのバル、ロブレス・タパスRobles Tapasを探しますが、これがなかなか見つかりません。細い通り沿いに並ぶバルのテラス席は、お客でいっぱいです。テントの屋根からミストが吹き出しているお店もあります。実際に涼しいかどうかは分かりませんが、涼しげに見えます。
ようやくお目当てのバル、ロブレス・タパスが見つかりました。観光客が歩くメイン通りではなく、裏通りにありました。地図でこのバルまでのルートを確認しておきましょう。

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ロブレス・タパスの空いていたテラス席に落ち着きます。が、お店の人にタパスが食べたいと言うと、それならこっちだよと言われて、店内のカウンター横のテーブルに案内されました。カウンターの中に置いてある巨大な牛の置物は凄いですね。

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カウンター席もバルらしくていいですが、テーブル席の方が落ち着きます。このテーブル席はカウンターに近いため、カウンター越しにウェートレスが手を伸ばしてタパスの皿をテーブルに乗っけてくれます。ですから、テーブル席と言ってもカウンター席に準ずる扱いのようです。

まずは飲み物。スペインのバルでは、お決まりのカヴァをいただきます。安くて美味しいカヴァです。やみつきになります。

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我々の座ったテーブル席だけがカウンター席扱いで、他のテーブル席はタパスは注文できないようです。

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パンとオリーブが運ばれてきました。これはお決まりの品のようです。

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タパスを食べる前に、まずはスープを注文。もちろん、トマト味冷製スープのガスパッチョをいただきます。これは絶品でした。配偶者に我が家のメニューに入れて欲しいとお願いすると、これは難しいとにべもなく却下されました。

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いよいよ、タパスをいただきましょう。それは次回でご紹介します。


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セヴィーリャの1日:ロブレス・タパスの美味しいタパス料理、そして、カテドラルへ。

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/11回目

バルの老舗ロブレス・タパスでランチです。いよいよ、タパスをいただきます。このお店は大正解です。タパスと言っても、サイドメニューもついた1品料理です。量が少ないので、いろいろ食べられて嬉しいです。1皿の値段も3.35ユーロ均一で安いしね。
これはアリオリソースで和えたエビをミニバゲッタに挟んだサンドイッチです。アリオリ(alioli)ソースはニンニク入りマヨネーズです。

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これはベーコンで巻いたエビのアリオリソース添えです。

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これは白身の小魚のフライです。

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これはタラのトマトソース添えです。

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これはアンダルシア名物のフラメンキンflamenquinです。揚げた肉のチーズ巻です。

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結局、タパス5皿いただきました。どれも美味しくて、軽くて、大満足です。

腹ごしらえも出来たので、観光再開です。お店を出ると日差しが強く、つい日陰を探して歩いてしまいます。午前中はあんなに快適だったのにね。夕方にはまた涼しくなるでしょう。シエスタは、このたまらなく暑い日中をやり過ごすためなのかもしれませんね。

次はカテドラルです。またまたヒラルダの塔の前の広場を通過します。もう何度となく歩いた道です。

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カテドラルの入り口に到着。ロブレス・タパスからここまでのルートを地図で確認しておきましょう。

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カテドラルCatedralの入り口は圧倒的な存在感でそそり立っています。

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このファサードの上方を眺めます。素晴らしいですね。

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入り口に長い行列が出来ています。仕方がないですね、並びましょう。

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少しずつ行列が進み、ファサードが間近になります。ますます迫力が増していきます。

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行列はファサード前の広場を半周ほどしています。これでもずいぶん進みました。

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ファサードの真下を過ぎました。直近でファサードを見上げます。

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入り口前の広場に建つ彫像を真後ろから眺めます。この彫像はヒラルダの塔の先端に取り付けられているブロンズの像と同じものです。ローマ時代の衣装を身にまとって、楯と椰子の葉を手にしています。この像は《ヒラルディーヨ》Giraldilloと呼ばれています。彫像の向こうに見えている建物はインディアス総合古文書館です。

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長い行列でしたが、15分ほどで入ることが出来ました。まずはチケット購入。1人8ユーロです。ヨーロッパの教会は普通、入場無料なのにスペインのカテドラルはどこも有料です。

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日本語のパンフレットがもらえたのは嬉しかったです。

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さて、名高いセヴィーリャのカテドラルの内部を鑑賞しますが、それは次回でね。


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セヴィーリャの1日:圧倒的なカテドラル・・・素晴らしき黄金障壁に感動!

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/12回目

セヴィーリャで一番の目的だったカテドラルの鑑賞を始めます。内部はものすごく広いです。

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セヴィーリャのカテドラルはスペインで最大の規模を誇ります。ヨーロッパの聖堂のなかでも、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次ぐ3番目の規模です。奥行116m、幅76mと巨大です。「後世の人々が我々を正気の沙汰ではないと思うほど巨大な聖堂を建てよう」という教会参事会の決定によって、1401年にモスクの跡地に建設を始めました。100年以上かけた建設は1519年に終えることができました。
カテドラルに入ってすぐのところに人が集まっています。床には誰かの墓碑があります。

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コロンブスの次男で人文学者のフェルナンド・コロンブスのお墓です。彼は『コロンブス提督伝』を著した人物です。正面からお墓を見ましょう。

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カテドラルの後方から内陣の方を眺めます。目の前に見えているのは聖歌隊席Coroの後ろの壁です。この壁の向こうに、聖歌隊が座る席が左右両側に並んでいます。

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左の側廊の後方から東(内陣)の方を眺めます。巨大な束ね柱とリブの連なりが見えます。美しいステンドグラスも見えています。

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視線を右に移すと、聖歌隊席とその上に大きなパイプオルガンが見えています。

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左の側廊を前(東)に進んでいきます。側廊は2廊に分かれており、このカテドラルは身廊も含めて5廊式の最大の形式を誇っていることが分かります。側廊の上部にはステンドグラスが並んでいます。

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豪華な聖歌隊席Coroの内部です。鉄柵で仕切られていますが、柵の間にカメラを入れて撮影しました。

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西側の上方にある大きなバラ窓です。細かい模様のステンドグラスになっています。

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聖歌隊席を鉄柵越しに見たところです。

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聖歌隊席と内陣の間、すなわちクロッシング部(身廊と翼廊の交差するところ)の天井です。この天井は銀色。周りは黄金色です。天井にも特有の模様が施されています。

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これは聖歌隊席の中央に飾ってあるマリア像。

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内陣にある黄金色の木製の巨大な祭壇衝立です。この世界最大の黄金の祭壇衝立が、昔から見たかったものです。ようやく願いが叶いました。

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祭壇衝立には聖書の場面などが細かく彫刻されています。そして、豪華な黄金彩色です。新大陸発見が、スペインの繁栄の始まりだったのでしょうか。その繁栄の結果、新大陸からの黄金で主祭壇の巨大な祭壇衝立ができあがったようです。期待以上の素晴らしさです。高さ20メートル、幅13メートルで260㎡もある衝立は、その全面にわたる細かい彫刻で見る者を圧倒します。

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祭壇衝立はびっしりと細かい彫刻で覆われています。じっと見入ってしまいます。

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この祭壇衝立を見たくて、セヴィーリャに足を運びました。しばらく、この素晴らしい芸術品を味わいましょう。


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ティーレマン+シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホールのコンサートに向けて・・・R・シュトラウス予習編

現在、スペインの旅の詳細編でセヴィーリャのカテドラルの黄金障壁を前に感銘を受けているところですが、ちょっと、これはお休みして、今日から6日間、音楽ネタに移行します。
明日からはsaraiにとって、黄金の1週間が始まります。主役はティーレマンとアンデルシェフスキです。コンサートは次の4つ。

 2月21日(土) アンデルシェフスキ、パーヴォ・ヤルヴィ+NHK交響楽団@みなとみらいホール
            R・シュトラウス:ドン・ファン
            モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番
            R・シュトラウス:英雄の生涯

 2月23日(月) ティーレマン+シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール
            リスト:交響詩《オルフェウス》
            ワーグナー:ジークフリート牧歌
            R・シュトラウス:英雄の生涯

 2月24日(火) ティーレマン+シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール
            R・シュトラウス:メタモルフォーゼン
            ブルックナー:交響曲第9番

 2月25日(水) アンデルシェフスキ・ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ
            J.S.バッハ: フランス風序曲 ロ短調 BWV831
            J.S.バッハ: イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808
            シューマン: 精霊の主題による変奏曲
            シューマン: 幻想曲 ハ長調 op.17

アンデルシェフスキは昨年の6月、都響の定期演奏会で聴いたバルトークのピアノ協奏曲第3番が大変素晴らしく、今後、力を入れて、演奏会に足を運ぶことを心に決めていました。そして、意外に早く、その機会が訪れました。ヤルヴィ+NHK交響楽団と共演するモーツァルトのピアノ協奏曲も楽しみですし、バッハとシューマンのピアノ独奏曲も楽しみです。特にバッハはフランス風序曲もイギリス組曲第3番もCD録音しており、その素晴らしく、個性的な演奏には感銘を受け、実演で聴くのが大変、楽しみです。

ティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデンを聴くのは2年半ぶり。そのときも素晴らしいブルックナー(交響曲第7番)でした。ティーレマン自体も1年以上聴いていないので、今回のコンサートは大変楽しみです。前回聴いたのはウィーン・フィルとのベートーヴェン交響曲チクルスでした。その年(2013年)にはドレスデンのゼンパーオーパーで《ばらの騎士》も聴いており、ティーレマン漬けの状態でしたが、昨年は1度もその雄姿を拝めずに欲求不満の状態が続いていました。そういうこともあり、今回は万全の準備をして、ティーレマンのコンサートに臨むことにしました。
予習の軸はR・シュトラウスとブルックナーです。
今回はR・シュトラウスの《英雄の生涯》を中心に書きます。

CDを聴いたのは以下の9つの演奏。

 クレメンス・クラウス指揮/ウィーン・フィル(1952年録音、スタジオ録音)
 フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団(1954年、スタジオ録音)。ステレオ録音。素晴らしい音質。
 カラヤン指揮/ベルリン・フィル(1959年、スタジオ録音)。カラヤンの戦後DGへの初録音。カラヤンは最後はベルリン・フィルと1985年にも録音。これは以前聴いたのでパス。
 ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1970年、スタジオ録音)。
 ゲオルク・ショルティ指揮/ウィーン・フィル(1977年録音、スタジオ録音)
 アンドレ・プレヴィン指揮/ウィーン・フィル(1988年録音、スタジオ録音)
 クレスティアン・ティーレマン指揮/ウィーン・フィル(2002年録音、ライヴ録音)
 サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィル(2005年録音、ライヴ録音)
 ベルナルト・ハイティンク指揮/シカゴ交響楽団(2008年、ライヴ録音)。

いずれも選び抜いたCDなので、素晴らしい演奏ばかり。なおかつ、いずれも卓越したオーケストラばかりでその力量も凄い。また、コンサートマスターの独奏も見事。新鮮に響いたのはハイティンクの旧盤(1970年のコンセルトヘボウ管)とティーレマン。ハイティンクの旧盤でのヘルマン・クレバースのヴァイオリン独奏は素晴らしい。カラヤンは世評も高いが、できればウィーン・フィルで聴きたかったところです。ウィーン・フィルはクレメンス・クラウス以降、どの演奏も素晴らしいです。R・シュトラウスとウィーン・フィルの相性は最高。その頂点がティーレマンの指揮したCDです。

続いて、R・シュトラウスの《メタモルフォーゼン》です。以下の4枚のCDを聴きました。

 フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィル(1947年10月27日。ライヴ録音)
 オットー・クレンペラー指揮/フィルハーモニア管弦楽団 (1961年、スタジオ録音)。
 カラヤン指揮/ベルリン・フィル(1969年、スタジオ録音)。
 ルドルフ・ケンペ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン(1973年、スタジオ録音)。

カラヤン以外はとても熱い演奏です。R・シュトラウス晩年の喪失感(1945年に空襲でミュンヘン、ベルリン、ドレスデン、ウィーンのオペラ劇場が破壊された)を共有したかのような悲しみに満ちた演奏にも思えました。特にフルトヴェングラーはこの曲と《4つの最後の歌》を高く評価していたそうで、静謐でありながら、燃えるような演奏を繰り広げます。カラヤンは冷静に客観的な表情で美しい演奏を聴かせてくれます。これもありでしょう。これらの名演を聴くと、この《メタモルフォーゼン》がR・シュトラウスの超傑作なのが今更ながら納得できます。現代のティーレマンはいかなる演奏を聴かせてくれるんでしょう。

ブルックナーとワーグナーについては明日のアンデルシェフスキ、パーヴォ・ヤルヴィ+NHK交響楽団のコンサートの後に書きます。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ティーレマン,  

見事なモーツァルト、アンデルシェフスキ&パーヴォ・ヤルヴィ&NHK響@みなとみらいホール 2015.2.21

期待にたがわぬアンデルシェフスキのモーツァルトでした。今まで聴いてきたモーツァルト演奏とはかなり異なったスタイルの演奏ではありました。saraiが理想とするモーツァルトのピアノ演奏はピュアーな響きの美しいタッチの演奏。ピリスやペライアの美しい響きを範としてきました。アンデルシェフスキのモーツァルトはある意味、異色です。昨年のバルトークの演奏を聴いて、予想はしていました。で、CDでもアンダの演奏で予習しておきました。ずばり、アンダの再来のような演奏でした。響きの美しさは感じませんでしたが、とてもシャープで切れのよいタッチでの演奏。いきいきとした表現に魅せられました。鍵盤を深く押して美しい響きを出すのではなく、軽いタッチでシャープな流れを作り出す感じの演奏です。したがって、音楽の流れが実に自然でノリがいい演奏です。モーツァルトでこういう演奏がありうるんですね。現代のモダーンなモーツァルト表現です。と言っても既に50年前にアンダが同じようなスタイルで演奏していました。アンデルシェフスキの演奏はさらにこのスタイルを現代風にしたものです。特に第3楽章後半の音楽表現の美しさは特筆すべきもので、うっとりと聴き入ってしまいました。

ところで、今日のプログラムは以下です。

  指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
  ピアノ:ピョートル・アンデルシェフスキ
  管弦楽:NHK交響楽団

  R・シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番

   《休憩》

  R・シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』

R・シュトラウスの2曲ですが、静かにメロディアスな部分の演奏はなかなかよかったのですが、全体にパーヴォ・ヤルヴィの表現はエキセントリック過ぎる感じですし、オーケストラの響きも耽美的な美しさに欠けるという印象です。ファンの方には申し訳けありませんが、saraiとは相性が悪いとしかいいようがありません。モーツァルトのピアノ協奏曲では、少し響きが厚過ぎる感じはありましたが、とても満足できる演奏でした。
ということで、素晴らしいモーツァルトのピアノ協奏曲に満足したコンサートでした。

来週のアンデルシェフスキのピアノ・リサイタルは期待できそうです。


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ティーレマン+シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホールのコンサートに向けて・・・ブルックナー予習編

明日からはティーレマン+シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホールのコンサートが始まります。
前回はR・シュトラウスの《英雄の生涯》を中心とした予習について書きましたが、今回はブルックナーの交響曲第9番です。

ブルックナーの交響曲第9番と言えば、2年前に、ハイティンク+ロンドン交響楽団のコンサートに向けてCDを聴き込みました。そのときに聴いたCDは以下の10枚です。

  ジュリーニ+ウィーン・フィル
  ヨッフム+ミュンヘン・フィル
  マタチッチ+チェコ・フィル
  チェルビダッケ+ミュンヘン・フィル1995年ライブ
  ヴァント+ミュンヘン・フィル、ベルリン・フィル、北ドイツ響_来日盤
  ハイティンク+コンセルトヘボウ1965年、コンセルトヘボウ1981年、シカゴ響2009年(2010年?)

その時の記事はここここです。
そのときの結論としては、ベストがハイティンクのコンセルトヘボウとの新盤(1981年)で、それに次ぐのが同じくハイティンクのコンセルトヘボウとの旧盤(1965年)で、ヴァントの2枚、ミュンヘン・フィルとベルリン・フィルの演奏も素晴らしいという感想でした。チェリビダッケのミュンヘン・フィルとの演奏の美しさも忘れられないものでした。

今回はそのときに聴けなかったCDを聴いてみます。特別にベスト盤のハイティンクのコンセルトヘボウとの新盤(1981年)とチェリビダッケの美し過ぎるミュンヘン・フィル1995年ライブも聴きます。

CDを聴いたのは以下の13の演奏です。

 フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィル(1944年10月7日。放送用録音)
 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮/ベルリン・フィル(1950年1月28日。放送用録音)
 カール・シューリヒト指揮/ウィーン・フィル(1961年録音、スタジオ録音)
 オイゲン・ヨッフム指揮/ベルリン・フィル(1964年、スタジオ録音)
 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮/シカゴ交響楽団(1976年、スタジオ録音)
 ギュンター・ヴァント指揮/ケルン放送交響楽団(1979年、スタジオ録音)
 セルジュ・チェリビダッケ指揮/ミュンヘン・フィル(1981年、ライヴ録音)
 ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1981年、スタジオ録音)。以前聴いたsaraiのベストCD
 ラファエル・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団 (1985年、ライヴ録音)。クーベリックが手兵だった同オケと最後に共演した録音
 セルジュ・チェリビダッケ指揮/ミュンヘン・フィル(1995年、ライヴ録音)。前回も聴いたCD
 サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィル(2012年、ライヴ録音)。第4楽章補筆版付き
 ベルナルト・ハイティンク指揮/ウィーン・フィル(2012年、ライヴ録音)
 ベルナルト・ハイティンク指揮/ロンドン交響楽団(2013年、ライヴ録音)

結論から言えば、1980年代の3つの演奏、チェリビダッケ指揮/ミュンヘン・フィル(1981年)、ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1981年)、クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団 (1985年)が一番、心に迫った演奏でした。
チェリビダッケは1995年ライヴも極めて美しい演奏ですが、如何せん、遅過ぎる演奏です。1981年ライブは普通の遅さでこれも極上の美しい演奏。これ以上美しい演奏はありえないと思える演奏です。
ハイティンクはsaraiのベストCDですが、実はロンドン交響楽団(2013年)もこれに迫る素晴らしい演奏です。ただ、2013年の来日演奏(みなとみらいホール)の実演には及ばないというのが正直なところ。
クーベリックは曲の冒頭から、その荘厳さに圧倒されました。全曲、壮大かつ荘厳な演奏です。クーベリックのブルックナーがこんなに素晴らしいとは今まで気が付きませんでした。ハイティンク同様、マーラー指揮者にして、ブルックナー指揮者でもありますね。

ほかには、フルトヴェングラーの熱い演奏も素晴らしかったし、シューリヒトは世評の通り、大変素晴らしい演奏でもう一度聴いてみたい演奏です。ジュリーニの演奏はシカゴ響の素晴らしい響きも合わせて、その音楽的な深さには感動しました。ヴァントのブルックナーはやはり素晴らしいのですが、ケルン放送響のアンサンブルが若干弱いのが残念です。ラトルの演奏で初めて第4楽章補筆版付きを聴いてみましたが、フーン・・・って感じ。一度は聴いてみる価値はありました。

あと、ハイティンクの非正規盤を2枚聴く予定でしたが、CDの取り寄せが間に合わなかったので、後で聴いてみましょう。
*聴きました。コンサート前ぎりぎりに入手できて、慌てて聴きました。1981年のコンセルトヘボウとの演奏以降はほぼ似たような傾向の演奏です。2010年のバイエルン放送交響楽団と2013年のロンドン交響楽団が特に優れているように感じました。2012年のウィーン・フィルは期待ほどではないように感じましたが、もう一度聴き直さないと、ちゃんと評価できません。ハイティンクの演奏は実に自然な演奏なので、特別の緊張感を持って聴かないとその本質が聴き取れません。その点、チェリビダッケはすっと耳に入ってくるので、楽に音楽を聴きとれます。ただ、あまりに長いので疲れ果てますけどね。

 ベルナルト・ハイティンク指揮/ベルリン・フィル(1989年、ライヴ録音)
 ベルナルト・ハイティンク指揮/バイエルン放送交響楽団(2010年、ライヴ録音)

これでブルックナーの交響曲第9番の名盤はほぼ聴き尽したかなという感じです。

続いて、ワーグナーの《ジークフリート牧歌》もまとめて聴いてみました。聴いたのは以下の11枚のCD。

 フルトヴェングラー指揮/ウィーン・フィル(1949年。ライヴ録音)
 トスカニーニ指揮/NBC交響楽団(1952年。ライヴ録音)
 カール・シューリヒト指揮/シュトゥットガルト放送響(1955年。ライヴ録音)
 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮/ミュンヘン・フィル(1962年。スタジオ録音)
 オットー・クレンペラー指揮/フィルハーモニア管弦楽団 (1961年、スタジオ録音)
 オットー・クレンペラー指揮/ウィーン・フィル(1968年、ライヴ録音)
 ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1974年、スタジオ録音)
 ハインツ・レーグナー指揮/ベルリン放送響(1978年、スタジオ録音)
 ラファエル・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団 (1979年、スタジオ録音)
 カラヤン指揮/ウィーン・フィル(1987年、ザルツブルク音楽祭ライヴ録音)。カラヤンが亡くなる2年前の晩年の演奏
 セルジュ・チェリビダッケ指揮/ミュンヘン・フィル(1993年、ライヴ録音)。

オリジナル編成に近いと思われるクレンペラーの2つの録音と大きな編成でのクナッパーツブッシュの録音が素晴らしいです。
クレンペラーはオリジナル編成(15人の1管編成)に近い編成での演奏ですが、いずれも感銘深い演奏です。より自然で無理のない演奏ではフィルハーモニア管弦楽団、響きの美しさではウィーン・フィルですが、聴きやすかったのはフィルハーモニア管弦楽団の演奏でした。
普通の編成のオーケストラ演奏ではクナッパーツブッシュが感銘深い演奏です。文句なしで何度も聴きたい演奏と言えます。
フルトヴェングラー、シューリヒト、クーベリック、チェリビダッケも素晴らしい演奏でした。カラヤンも美しくてよいのですが、作り物めいた演奏は少し抵抗があります。

準備は終えて、あとはティーレマンの演奏を待つだけです。楽しみでワクワクです。


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       ティーレマン,  

完璧なR・シュトラウスの響き、ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール 2015.2.23

やはり、ティーレマンは大変な天才指揮者。saraiの予想や期待をあざ笑うかのように想像を絶する音楽を聴かせてくれます。リストもワーグナーもR・シュトラウスも最高の演奏でした。

リストの交響詩《オルフェウス》は初聴きの曲。予習で聴いたところでは、聴きやすいメロディアスな曲。ところがティーレマンの手にかかると、実に甘美な名曲に変身。オーケストラの響きも最高です。のっけから、ティーレマンの音楽の魔法にかかり、陶然としてしまいます。

次のワーグナーの《ジークフリート牧歌》は極上の名演。予習したすべての演奏を凌駕する驚くべき演奏でした。かのクナッパーツブッシュ、フルトヴェングラーの名演も霞んでしまいます。ティーレマンの演奏の基調は静かで穏やかな音楽ですが、音楽性がぎっしりと詰まった密度の濃いもので、綺麗で退屈な演奏とは対極にあるような素晴らしい演奏。そして、熱が高まってくるとロマンの極致に至り、感動で頭がいっぱいになります。ティーレマンがとびっきりのワーグナー指揮者であることを再認識させてくれました。

休憩後は今日のメインのプログラムのR・シュトラウスの《英雄の生涯》。ティーレマンの指揮でこの曲を聴くのはこれが2度目。以前、ミュンヘンのガスタイクでミュンヘン・フィルの演奏で聴きましたが、そのときとは比較にならないほどの素晴らしさ。広大なガスタイクのホールの遠い席で聴いたせいもあるかもしれませんが、今日の演奏は格別の出来に思えます。今日の演奏を聴いていると、ティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデンは大変な蜜月状態にあり、ティーレマンのオーケストラのコントロールがきっちりと決まっており、ティーレマンの意図する音楽が存分に表現できているのが分かります。ティーレマンのドレスデン移籍は大成功だったのが確認できました。これまでsaraiが聴いた《英雄の生涯》の最高の演奏はハイティンク+シカゴ交響楽団のみなとみらいホールでの演奏(残念ながらブログ記事未掲載)。まさか、その演奏を上回るものを聴くことになることは想像だにできませんでしたが、今日はまさにその奇跡のようなことが起こったんです。
ティーレマンはこの《英雄の生涯》から様々なものを引き出してくれました。多くは音楽的な響きによるものです。R・シュトラウスが若干35歳で作曲したこの作品は彼の最後の交響詩であり、それまでの交響詩作品を俯瞰しつつ、その後の楽劇を見据えた驚異的な作品と言えます。ティーレマンはオペラ指揮者としての経験をもとに、この作品でR・シュトラウスの過去の交響詩を総括するだけではなく、随所で後の楽劇(オペラ作品)を彷彿とさせる響きを明確に織り込んでいきます。特に《ばらの騎士》、《サロメ》の響きが感じられました。終盤では、《4つの最後の歌》の響きが聴こえてきます。この45分ほどの《英雄の生涯》でR・シュトラウスの全音楽人生を響かせてくれたのがティーレマンの演奏でした。R・シュトラウス好きにはたまらない音楽的充実度の高い《英雄の生涯》でした。
そうそう、コンサートマスターのマティアス・ヴォロングの見事なソロにも触れないわけにもいかないでしょう。シカゴ交響楽団のロバート・チェンとも拮抗する素晴らしい演奏でした。特に最後の最高音がきっちりと響いていたしね。
予習でもハイティンクとティーレマンが響きという点でとりわけ優れていると感じたのは、間違いではなかったようです。予習についてはここに書きました。

ところで、今日のプログラムは以下です。

  指揮:クリスティアン・ティーレマン
  管弦楽:シュターツカペレ・ドレスデン

  リスト:交響詩『オルフェウス』
  ワーグナー:ジークフリート牧歌

   《休憩》

  R・シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』

   《アンコール》
    ワーグナー:楽劇『ローエングリン』第3幕への前奏曲

もっと書きたいこともあるのですが、まだ、明日のブルックナーも控えているので、このあたりで止めて、早々に寝ます。


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       ティーレマン,  

純化されたブルックナーの響き、ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール 2015.2.24

2日間にわたるティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデンのコンサートも今日で終わり。R・シュトラウスの晩年の名作メタモルフォーゼンは何と実演では初聴きです。そして、最後はブルックナーの未完の大作である交響曲第9番。演奏者も聴衆もそれなりの覚悟でないと臨めないプログラムです。特にブルックナーの交響曲第9番は、同じくブルックナーの交響曲第8番、マーラーの交響曲第9番、ベートーヴェンの交響曲第9番、バッハのミサ曲ロ短調とマタイ受難曲、ワーグナーの《パルジファル》と《トリスタンとイゾルデ》という音楽を愛する者にとって、特別な曲のひとつに位置づけられます。滅多に聴く曲ではありません。

コンサートに先だって、十分に予習をしました。R・シュトラウスのメタモルフォーゼンはここ。ブルックナーの交響曲第9番はここ

今日は事前にお昼寝をして、十分英気を養い、シュターツカペレ・ドレスデンの黄色いネクタイを締めて、気を引き締めて出かけます。国内でネクタイをするのは多分、退職後初めて。それほど今日の演奏会には気合いを入れています。ティーレマンの振るブルックナーの9番ですからね。

最初のR・シュトラウスのメタモルフォーゼンは深い音楽でしたが、謎めいた演奏でした。それについて書くと話が長くなり、本論からずれるので、後述することにします。

休憩後、いよいよ、ブルックナーの交響曲第9番です。第1楽章から細部まで丹念に表情付けされた素晴らしい演奏に酔いしれます。ただ、不思議に感動には至りません。今日は不発に終わるのかなと思っていたら、第3楽章後半に不意にしびれるような甘美な感動が襲ってきました。感動の頂点はフィナーレの5分前の大強奏。そのあとはカタルシスを覚えながらも頭は甘美な感動の余韻。フィナーレの後の静寂がなんとも贅沢な時間でした。
比較するのもなんですが、2年前に聴いたハイティンクとロンドン交響楽団の演奏が究極のマイベスト。今日の演奏は第3楽章後半は同質の感動がありました。
今日のティーレマンの音楽表現は事前の予想と異なるもの。腰の低い推進力で押してくる迫力のあるものを予期していましたが、なんと丁寧なニュアンスを表現しつつ、音楽の純化を極めるものでした。誤解されるかもしれませんが、テンポを別にすれば、これはチェリビダッケ路線を思わせます。もちろん、ティーレマンらしい迫力はありましたが、それ以上にピュアーな響きが目立って聴こえてきたんです。シュターツカペレ・ドレスデンの内在する響きを活かしたのかもしれませんが、ティーレマンの音楽性の幅広さを見た思いです。
やはり、ティーレマンは噂されているベルリン・フィルではなく、このドレスデン、あるいはウィーン・フィルこそ、いるべき場所だと思えてなりません。一音楽ファンの思いに過ぎませんけどね。

ところで、今日のプログラムは以下です。

  指揮:クリスティアン・ティーレマン
  管弦楽:シュターツカペレ・ドレスデン

  R・シュトラウス:メタモルフォーゼン

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲第9番ニ短調

もちろん、アンコールはなし。ブルックナーの交響曲第9番にアンコールはあり得ません。
さて、冒頭のメタモルフォーゼンですが、この曲は1945年、第2次世界大戦終盤、ミュンヘンが破壊され、ベルリン国立歌劇場、ドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオパー)、ウィーン国立歌劇場が爆撃で破壊されたことで、芸術・文化に身を捧げてきたR・シュトラウスは深い喪失感に襲われて、作曲に至ったと言われています。ヨーロッパ文化の終焉への絶望感と過去のヨーロッパへの懐かしい思いがないまぜになったような悲しみに満ちた曲です。戦禍をくぐり抜けてきた巨匠たちは自らの思いも重ねて、フルトヴェングラー、クレンペラー、ケンペの演奏は凄絶です。しかるにティーレマンは如何なる思いで演奏するんでしょう。彼の演奏を聴いていて、一体、何を表現しようとしているか全然、イメージできませんでした。演奏が終わった後もずっと考え込んでしまいました。文化の喪失感とか戦争への悲しみとか、そういうものは感じられません。しかし、音楽は美しく、深い表現に満ちていました。結論としては、ティーレマンはそういう曲の背景やイメージをすべて排して、作品の純粋な音楽表現だけに徹したのではないかということです。作品名にあるように、変奏ではなく、変容という新しいスタイルの音楽を思いっ切り、美しく演奏してみたんでしょうか。ある意味、センセーショナルな演奏だったのかもしれません。一応、謎めいた演奏はそういうことだったということにしておきましょう。しかし、大作のブルックナーの演奏の前にこういう難しい曲は困りますね。気持ちの切り替えが必要になります。ハイティンクのようにモーツァルトのピアノ協奏曲あたりが適当ですが、ティーレマンはモーツァルトはレパートリーにないしね・・・。

昨日の《英雄の生涯》に続き、今日も素晴らしいブルックナーに大満足したティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデンの来日コンサートでした。
明日はアンデルシェフスキの期待のピアノ・リサイタルです。


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       ティーレマン,  

充実した響きのシューマンの幻想曲・・・アンデルシェフスキ@東京オペラシティ 2015.2.25

今日はアンデルシェフスキのピアノでバッハとシューマン。バッハの演奏を大変期待していましたが、実際に素晴らしかったのはシューマンでした。意外な結果でした。アンデルシェフスキは最近、シューマンに力を入れているそうですから、その傾向がこのリサイタルの演奏に出たのかもしれませんね。

実はバッハもよかったんです。ただ、もっと個性的で高いレベルの演奏でsaraiをインスパイアしてくれるのを期待していたので、いい演奏だとさらっと受け止めただけのことです。一般的なレベルでは素晴らしいバッハでした。特に2曲目のイギリス組曲はそれなりに個性的な演奏で満足しました。ピアノの響きも驚くほど美しいものでボリューム感もたっぷり。逆に響きを少し犠牲にしても、もっとノリのよい流れの演奏であってほしいという感は否めませんでしたけどね。最初のフランス風序曲は長大な序曲はよかったので、素晴らしい演奏になることを期待しましたが、全体としては最高レベルの演奏とは言いがたい感じ。昨年聴いたアンドラーシュ・シフの素晴らしい演奏には僅か及びませんでした。まあ、期待感が大き過ぎたのでしょう。よい演奏ではありました。

休憩後はシューマン。まずはシューマンの実質、最後の作品と言われている《精霊の主題による変奏曲》。響きを抑えて、沈潜したような演奏。曲の内容からは納得できる演奏です。思わず、ボンのシューマン夫妻のお墓参りをしたときの映像が脳裏に浮かんできました。シューマンの魂に哀悼を捧げるかのようなアンデルシェフスキの演奏です。この作品は天才シューマンが生み出した数々の素晴らしいピアノ曲とは様相を異にするような作品です。音楽的にどうのこうのと言うよりも、晩年のシューマンのつらい精神状況を察して、悲しくなってしまいます。アンデルシェフスキはよほどシューマンに入れ込んでいるのでしょう。シューマンへのリスペクトを感じる演奏でした。

この《精霊の主題による変奏曲》を序奏のようにして、名曲《幻想曲》が始まります。一転して、振幅の大きい美しい表情の演奏です。これこそ、天才シューマンの傑作です。アンデルシェフスキは気負いさえ感じられるほど、気魄のこもった演奏です。それでいて、実に美しい響きです。すっかり引き込まれて、シューマンの世界を満喫しました。特に第1楽章のフィナーレのロマンあふれる響きには魅惑されました。この第1楽章がこの日の演奏の頂点でした。第2楽章も美しい響きで祝典的な気分が十分。これで第3楽章がもっと盛り上がれば、最高の《幻想曲》だったでしょう。いつか、リヒテルにも優る《幻想曲》を聴かせてくれることを願っています。

今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:アンデルシェフスキ

  J.S.バッハ: フランス風序曲 ロ短調 BWV831
  J.S.バッハ: イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808

   《休憩》

シューマン: 精霊の主題による変奏曲
  シューマン: 幻想曲 ハ長調 Op.17
    
   《アンコール》
    ベートーヴェン: バカテル Op.126-5、2、3

最高のピアノ・リサイタルとは言えないものの十分に満足できました。アンデルシェフスキの今後の活躍は目を離せないですね。


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セヴィーリャの1日:カテドラルの黄金障壁、コロンブスの墓、ムリーリョとスルバランの名画

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/13回目

セヴィーリャのカテドラルの素晴らしき黄金障壁に感動して見入っています。
黄金の祭壇衝立の一番下の真ん中には、小さな聖母子像が配置されています。小さいけれども大きな存在感で光輝いています。

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祭壇衝立は、小さな枠の精密な彫刻の集合体です。遠くからですが、その精密な彫刻をズームアップ撮影してみました。ほの暗いカテドラルの空間なので、明快な写真が撮れなかったのは残念なところですが、祭壇衝立の緻密さの一端は分かるでしょう。

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別のところも見てみましょう。聖書の物語のシーンが表現されています。

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十分、堪能しました。黄金障壁の魅惑的な呪縛を逃れて、カテドラルの他の部分を見ましょう。

内陣の前から右の翼廊の方に向かいます。翼廊の壁の上の方にも美しいステンドグラスが見えます。

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右翼廊の中央には、4人の王たちの像に担がれたコロンブスの棺があります。

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棺を担ぐ像は何やら中国の像を連想させますが、これらはれっきとしたスペインの王達だそうです。当時のスペインを構成していたカスティーリャ、レオン、ナバーラ、アラゴンの4人の国王です。国王達に棺を担がせるコロンブスは、やはり偉大な存在なのでしょう。晩年は何かと批判されることもあったコロンブスですが、ヨーロッパと新大陸の新しい歴史を築いた存在であることには間違いありません。

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さらに左に回り込んで、この記念碑的な墓を見ます。巨大なカテドラルに何とも派手なものを置いたものだと驚嘆します。当のコロンブスもびっくりでしょう。

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コロンブスの墓の前から、左の翼廊を眺めます。正面には銀の祭壇Altar de plataが見えます。

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美しいキリスト像が飾ってある祭壇もあります。

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黄金障壁のある内陣を横目に見ながら、移動します。

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ムリーリョの名画が飾ってある礼拝堂がありました。サン・アントニオ礼拝堂Capilla de San Antonioです。ムリーリョが描いた祭壇画は《サン・アントニオ・デ・パドヴァの幻想》La visión de San Antonio de Padua。サン・アントニオと言うと、マーラーの歌曲集《少年の魔法の角笛》の中の1曲《魚に説教するパドヴァの聖アントニウス》を思い出します。交響曲第2番《復活》の第3楽章にも引用されていますね。アッシジのサン・フランチェスコは小鳥に説教しましたが、サン・アントニオは魚に説教したそうです。奇跡を起こした聖人の1人です。一心に祈るサン・アントニオの幻視の場面が描かれているようです。幻視の対象は幼子イエスです。

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サン・アントニオ礼拝堂の壁面には、美しいステンドグラスと小さな聖母子像も飾ってありました。美しい礼拝堂です。

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これは、聖歌隊席の外側に設置されている巨大なパイプオルガンです。さすがに立派です。

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サン・ペドロ礼拝堂には大きな祭壇衝立があり、中央上方にスルバランの名画《無原罪の御宿り》があります。とても美しい絵ですが、このテーマではムリーリョの作品に一歩譲るかな・・・。

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スルバランに敬意を表して、《無原罪の御宿り》をズームアップして撮影。なかなか見事です。

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サン・ペドロ礼拝堂の横に、ヒラルダの塔への入り口があります。

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ヒラルダの塔は地上70mの高さ。塔の上からはセヴィーリャの街の風景が一望できそうです。

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高いところに上るのが大好きなsarai。もちろん上るつもりでしたし上りたかったのですが、もう体力の限界です。ヒラルダの塔は、体力温存のため遠慮しときます。とても残念でしたけどね。
これでカテドラルの鑑賞は完了。
とんでもない豪華な聖歌隊席と主祭壇の黄金の祭壇衝立に圧倒され、4人の王に担がれたコロンブスの棺も面白かったし、セヴィーリャのカテドラルは期待通りの素晴らしさでした。


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セヴィーリャの1日:大航海時代の繁栄を思い出させるグアダルキビル川

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/14回目

カテドラルの内部の鑑賞を終えて、外に出てきました。5時を少し過ぎたところですが、燦々と陽光が照り付けています。

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まだ明るいので、グアダルキビル川Rio Guadalquivirを見に行きましょう。川の手前に闘牛場があります。マエストランサ闘牛場Plaza de Toros de la Maestranzaです。

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闘牛場の前では、色とりどりのアバニコAbanicoを売っています。アバニコというのは、フラメンコなどのスペイン舞踊で使う扇子です。1つ3ユーロ、2つで5ユーロですから、ここで売っているのは低価格のお土産物なんでしょう。

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この闘牛場は横目で眺めて素通りします。闘牛博物館もあるようで、大勢の人で賑わっています。日曜なので、もしかしたら闘牛もやっていたかもしれません。まったく興味がないので、調べてもいません。

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グアダルキビル川に沿っている大通りクリストバル・コロン通りPaseo de Cristóbal Colónの前に出ました。この大通りを渡ると、グアダルキビル川の川岸に出るようです。

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川の土手の上からグアダルキビル川を見ることができました。

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川岸には、大きなローズウッド(紫檀)の木が並んでいます。ローズウッドはギターやマリンバ、クラリネットなどの楽器に使われる木です。ギターの本場にふさわしい木ですね。

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そのローズウッドの木が並ぶ川岸に下りてみましょう。

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グアダルキビル川の岸に立ちました。遊覧船が見えます。大航海時代はここから新大陸への船が出帆しましたが、現代は遊覧船が行き交います。グアダルキビル川は、この先カディス湾で大西洋に流れ込みます。昔日はアメリゴ・ベスプッチがこのセヴィーリャ港から出帆し、それを皮切りに新世界との交易権を独占して、カスティーリャ王国は繁栄しました。500年の昔に思いを馳せてしまいます。

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ボート遊びに興じている若い男女がいます。今日は日曜ですからね。

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こちらは上流方向です。この先をずっと進むとコルドバに至ります。

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こちらは下流方向。先ほどの遊覧船はずっと先に進みました。およそ100km先で大西洋に達します。このセヴィーリャは天然の良港だったんでしょう。

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ローズウッドの並木に沿って、川岸を下流方向に歩いてみましょう。

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ローズウッドとヤシの木に挟まれた遊歩道を散策する人が行き交います。気持ちのよい午後のひとときです。時間的には夕方ですが、まだまだ明るいです。

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カテドラルからグアダルキビル川の川岸の遊歩道までのルートを地図で確認しておきましょう。

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しばらく、セヴィーリャの街歩きを続けます。


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セヴィーリャの1日:グアダルキビル川の美しい流れ

2014年6月1日日曜日@カディス~セヴィーリャ/15回目

ローズウッドの黄色い花の下、グアダルキビル川の川岸を歩きます。

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目の前に塔が見えてきました。黄金の塔TORRE DEL OROです。名前の由来は、建造されたイスラム支配の時代、外壁にタイルが張り付けられており、そのタイルにアンダルシアの陽光が煌めいて黄金色に輝いていたことによるということです。

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近くで見ると、この塔は丸くはなく12角形であることが分かりました。この塔は造られた当時、要塞として機能し、グアダルキビル川を通って入港する船を見張っていたそうです。現在は《海の博物館》MUSEO NAVALとして利用されています。

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黄金の塔の前から、歩いてきた遊歩道を振り返ります。夕方の快晴の空の下、ローズウッドの並木がずーっと遠くまで続いています。

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黄金の塔の先には橋があります。サン・テルモ橋Puente de San Telmoです。橋の上に上がって、川を眺めてみましょう。

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サン・テルモ橋の上に上がりました。

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橋の上からのグアダルキビル川の眺めです。美しい流れです。グアダルキビル川という川の名前は、アラビア語で《大きな川》を意味するそうです。それほどの川幅ではありませんが、アラブから来たモーロ人は砂漠の民だったので、このたっぷりした水量に感じるものがあったのでしょう。

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川岸には、先ほどの黄金の塔が見えています。確かに、川を出入りする船を見張るにはいい配置です。

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川の反対側(下流)を眺めます。橋が邪魔になって川があまり見えませんが、左端にはちらっとサン・テルモ宮殿Palacio de San Telmoが見えています。この建物は19世紀にブルボン王家が建てたもので、現在はアンダルシア州政府が入っています。

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再び上流方向の川の流れに目をやって、グアダルキビル川の風景を満喫。水の流れを眺めるのは気持ちいいものです。

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そろそろサン・テルモ橋を下りましょう。橋の端で、グアダルキビル川の眺めを心に収めます。

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橋のたもとから、ジャカランダの花が青空をバックに美しく揺れているのが見えます。木々の緑と花が美しい季節です。

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橋を下りて、そのまま通りをまっすぐに北東方向に進みます。クリスティーナ通りAv. Paseo de Cristinaを進むと大きな通り、サン・フェルナンド通りCalle San Fernandoにぶつかります。ここは広場になっています。この辺りは緑があふれています。

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広場には大きな噴水があります。プエルタ・デ・ヘレスPuerta de Jerezの噴水です。綺麗ですね。

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黄金の塔からサン・テルモ橋に寄って、プエルタ・デ・ヘレス広場まで散策したルートを地図で確認しておきましょう。

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もう少しセヴィーリャの街歩きを続けます。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

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