明日からはsaraiにとって、黄金の1週間が始まります。主役はティーレマンとアンデルシェフスキです。コンサートは次の4つ。
2月21日(土) アンデルシェフスキ、パーヴォ・ヤルヴィ+NHK交響楽団@みなとみらいホール
R・シュトラウス:ドン・ファン
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番
R・シュトラウス:英雄の生涯
2月23日(月) ティーレマン+シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール
リスト:交響詩《オルフェウス》
ワーグナー:ジークフリート牧歌
R・シュトラウス:英雄の生涯
2月24日(火) ティーレマン+シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール
R・シュトラウス:メタモルフォーゼン
ブルックナー:交響曲第9番
2月25日(水) アンデルシェフスキ・ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ
J.S.バッハ: フランス風序曲 ロ短調 BWV831
J.S.バッハ: イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808
シューマン: 精霊の主題による変奏曲
シューマン: 幻想曲 ハ長調 op.17
アンデルシェフスキは昨年の6月、都響の定期演奏会で聴いたバルトークのピアノ協奏曲第3番が大変素晴らしく、今後、力を入れて、演奏会に足を運ぶことを心に決めていました。そして、意外に早く、その機会が訪れました。ヤルヴィ+NHK交響楽団と共演するモーツァルトのピアノ協奏曲も楽しみですし、バッハとシューマンのピアノ独奏曲も楽しみです。特にバッハはフランス風序曲もイギリス組曲第3番もCD録音しており、その素晴らしく、個性的な演奏には感銘を受け、実演で聴くのが大変、楽しみです。
ティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデンを聴くのは2年半ぶり。そのときも素晴らしいブルックナー(交響曲第7番)でした。ティーレマン自体も1年以上聴いていないので、今回のコンサートは大変楽しみです。前回聴いたのはウィーン・フィルとのベートーヴェン交響曲チクルスでした。その年(2013年)にはドレスデンのゼンパーオーパーで《ばらの騎士》も聴いており、ティーレマン漬けの状態でしたが、昨年は1度もその雄姿を拝めずに欲求不満の状態が続いていました。そういうこともあり、今回は万全の準備をして、ティーレマンのコンサートに臨むことにしました。
予習の軸はR・シュトラウスとブルックナーです。
今回はR・シュトラウスの《英雄の生涯》を中心に書きます。
CDを聴いたのは以下の9つの演奏。
クレメンス・クラウス指揮/ウィーン・フィル(1952年録音、スタジオ録音)
フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団(1954年、スタジオ録音)。ステレオ録音。素晴らしい音質。
カラヤン指揮/ベルリン・フィル(1959年、スタジオ録音)。カラヤンの戦後DGへの初録音。カラヤンは最後はベルリン・フィルと1985年にも録音。これは以前聴いたのでパス。
ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1970年、スタジオ録音)。
ゲオルク・ショルティ指揮/ウィーン・フィル(1977年録音、スタジオ録音)
アンドレ・プレヴィン指揮/ウィーン・フィル(1988年録音、スタジオ録音)
クレスティアン・ティーレマン指揮/ウィーン・フィル(2002年録音、ライヴ録音)
サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィル(2005年録音、ライヴ録音)
ベルナルト・ハイティンク指揮/シカゴ交響楽団(2008年、ライヴ録音)。
いずれも選び抜いたCDなので、素晴らしい演奏ばかり。なおかつ、いずれも卓越したオーケストラばかりでその力量も凄い。また、コンサートマスターの独奏も見事。新鮮に響いたのはハイティンクの旧盤(1970年のコンセルトヘボウ管)とティーレマン。ハイティンクの旧盤でのヘルマン・クレバースのヴァイオリン独奏は素晴らしい。カラヤンは世評も高いが、できればウィーン・フィルで聴きたかったところです。ウィーン・フィルはクレメンス・クラウス以降、どの演奏も素晴らしいです。R・シュトラウスとウィーン・フィルの相性は最高。その頂点がティーレマンの指揮したCDです。
続いて、R・シュトラウスの《メタモルフォーゼン》です。以下の4枚のCDを聴きました。
フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィル(1947年10月27日。ライヴ録音)
オットー・クレンペラー指揮/フィルハーモニア管弦楽団 (1961年、スタジオ録音)。
カラヤン指揮/ベルリン・フィル(1969年、スタジオ録音)。
ルドルフ・ケンペ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン(1973年、スタジオ録音)。
カラヤン以外はとても熱い演奏です。R・シュトラウス晩年の喪失感(1945年に空襲でミュンヘン、ベルリン、ドレスデン、ウィーンのオペラ劇場が破壊された)を共有したかのような悲しみに満ちた演奏にも思えました。特にフルトヴェングラーはこの曲と《4つの最後の歌》を高く評価していたそうで、静謐でありながら、燃えるような演奏を繰り広げます。カラヤンは冷静に客観的な表情で美しい演奏を聴かせてくれます。これもありでしょう。これらの名演を聴くと、この《メタモルフォーゼン》がR・シュトラウスの超傑作なのが今更ながら納得できます。現代のティーレマンはいかなる演奏を聴かせてくれるんでしょう。
ブルックナーとワーグナーについては明日のアンデルシェフスキ、パーヴォ・ヤルヴィ+NHK交響楽団のコンサートの後に書きます。
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