セヴィーリャのカテドラルの素晴らしき黄金障壁に感動して見入っています。
黄金の祭壇衝立の一番下の真ん中には、小さな聖母子像が配置されています。小さいけれども大きな存在感で光輝いています。

祭壇衝立は、小さな枠の精密な彫刻の集合体です。遠くからですが、その精密な彫刻をズームアップ撮影してみました。ほの暗いカテドラルの空間なので、明快な写真が撮れなかったのは残念なところですが、祭壇衝立の緻密さの一端は分かるでしょう。

別のところも見てみましょう。聖書の物語のシーンが表現されています。

十分、堪能しました。黄金障壁の魅惑的な呪縛を逃れて、カテドラルの他の部分を見ましょう。
内陣の前から右の翼廊の方に向かいます。翼廊の壁の上の方にも美しいステンドグラスが見えます。

右翼廊の中央には、4人の王たちの像に担がれたコロンブスの棺があります。

棺を担ぐ像は何やら中国の像を連想させますが、これらはれっきとしたスペインの王達だそうです。当時のスペインを構成していたカスティーリャ、レオン、ナバーラ、アラゴンの4人の国王です。国王達に棺を担がせるコロンブスは、やはり偉大な存在なのでしょう。晩年は何かと批判されることもあったコロンブスですが、ヨーロッパと新大陸の新しい歴史を築いた存在であることには間違いありません。

さらに左に回り込んで、この記念碑的な墓を見ます。巨大なカテドラルに何とも派手なものを置いたものだと驚嘆します。当のコロンブスもびっくりでしょう。

コロンブスの墓の前から、左の翼廊を眺めます。正面には銀の祭壇Altar de plataが見えます。

美しいキリスト像が飾ってある祭壇もあります。

黄金障壁のある内陣を横目に見ながら、移動します。

ムリーリョの名画が飾ってある礼拝堂がありました。サン・アントニオ礼拝堂Capilla de San Antonioです。ムリーリョが描いた祭壇画は《サン・アントニオ・デ・パドヴァの幻想》La visión de San Antonio de Padua。サン・アントニオと言うと、マーラーの歌曲集《少年の魔法の角笛》の中の1曲《魚に説教するパドヴァの聖アントニウス》を思い出します。交響曲第2番《復活》の第3楽章にも引用されていますね。アッシジのサン・フランチェスコは小鳥に説教しましたが、サン・アントニオは魚に説教したそうです。奇跡を起こした聖人の1人です。一心に祈るサン・アントニオの幻視の場面が描かれているようです。幻視の対象は幼子イエスです。

サン・アントニオ礼拝堂の壁面には、美しいステンドグラスと小さな聖母子像も飾ってありました。美しい礼拝堂です。

これは、聖歌隊席の外側に設置されている巨大なパイプオルガンです。さすがに立派です。

サン・ペドロ礼拝堂には大きな祭壇衝立があり、中央上方にスルバランの名画《無原罪の御宿り》があります。とても美しい絵ですが、このテーマではムリーリョの作品に一歩譲るかな・・・。

スルバランに敬意を表して、《無原罪の御宿り》をズームアップして撮影。なかなか見事です。

サン・ペドロ礼拝堂の横に、ヒラルダの塔への入り口があります。

ヒラルダの塔は地上70mの高さ。塔の上からはセヴィーリャの街の風景が一望できそうです。

高いところに上るのが大好きなsarai。もちろん上るつもりでしたし上りたかったのですが、もう体力の限界です。ヒラルダの塔は、体力温存のため遠慮しときます。とても残念でしたけどね。
これでカテドラルの鑑賞は完了。
とんでもない豪華な聖歌隊席と主祭壇の黄金の祭壇衝立に圧倒され、4人の王に担がれたコロンブスの棺も面白かったし、セヴィーリャのカテドラルは期待通りの素晴らしさでした。
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