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夢の時間はマーラー3番:ヤンソンス+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2015.6.21

今日もダブルのコンサートとオペラ。これは1回目。2回目のオペラは別稿でアップします。

昨日に続いてヤンソンス指揮ウィーン・フィルによるマーラー。そして、演奏会場はウィーン楽友協会。
昨日はパルテッレ(平土間)の中央で聴きましたが、今日はいいチケットが取れずにバルコン・ロジェ(2階席)の一番前方。ということはオーケストラの後ろから見下ろす感じで、しかもオーケストラの3分の1くらいしか見えません。指揮者も立ち上らないと見えません。今日は耳に集中して演奏に臨みましょう。
ところがこの席はオーケストラの音の響きが素晴らしいのです。表現はおかしいですが、超高級オーディオで最優秀録音のCDを聴いている以上の音響です。まあ、ライブ演奏なので、音響がよいのは当たり前ですが、それにしても凄い音響に驚きます。これがウィーン・フィルの楽友協会の本当のサウンドの素晴らしさなのかしら。横っちょなのでまるでステレオ感はありませんが、オーケトラの音が融合されて、別の意味で立体音響で耳を喜ばせてくれます。楽友協会大ホールの響きの本当の素晴らしさを知りました。しかし、逆効果として、音響の良さに意識が向かい過ぎて、音楽の中身自体の鑑賞がおろそかになります。オーディオマニアの陥りやすい主客転倒と同様です。音響の良いことを前提に音楽そのものに集中しないとね。

音楽そのものは昨日の感想と同じですが、より表現が細やかに深化した感じです。第3楽章までは昨日よりも感銘深い演奏です。特に第1楽章の多様性には感服するばかり。ウィーン・フィルとしても、最高の演奏ではないでしょうか。マゼール、ブーレーズあたりも素晴らしかったのですが、これはそれ以上。世評の高いアバードよりはずっと音楽性に優れた演奏です。
第4楽章はメゾソプラノのフィンクの歌声は後姿で聴く感じなので、昨日よりはさすがに響いてきませんが、表現はずっと繊細さを増した感じです。第5楽章はオルガン席に並んだウィーン少年合唱団が間近で歌い、ビム、ボム・・・がよく聴こえること。ウィーン少年合唱団の歌声も満喫しました。下から聴こえてくる女声合唱も綺麗に聴こえ、昨日以上に合唱を楽しみました。第6楽章のコラールの響きはとても素晴らしく、じっと目を閉じたままで(もちろん、居眠りなしで)聴き入りました。大いなる自然と一体化して、その自然に包み込まれていく様が体に沁み渡ってきました。死ぬときに聴きたい音楽はこれか、第9番のアダージョか、迷うところです。自然に包み込まれていく自分を感じたければ、第3番。愛の絶対を信じながら、愛に包み込まれていきたければ、第9番。天(自然)への飛翔感、高揚を味わいたければ、第3番。永遠の愛に沈み込んでいきたければ、第9番。
特別の名曲、マーラーの第9番と比肩できるくらい、第3番の素晴らしさが身に沁みる名演奏でした。

今日のプログラムとキャストは昨日と同様ですが、以下です。

  指揮:マリス・ヤンソンス
  メゾソプラノ:ベルナルダ・フィンク
  合唱:ウィーン楽友協会合唱団(女声合唱)
     ウィーン少年合唱団
  管弦楽:ウィーン・フィル

  マーラー:交響曲第3番ニ短調

まだ、このプログラムは明後日にも聴きます。何度で聴いても聴き足りないほどの充実した内容の音楽です。


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現代のオペラの旗手アデス:オペラ《テンペスト》@ウィーン国立歌劇場 2015.6.21

今日もダブルのコンサートとオペラ。これは2回目のオペラ。1回目のコンサートは別稿でアップ済です。

表題の《現代のオペラの旗手アデス》は、正確には、トーマス・アデスは現代のオペラの旗手たりうるかと言い換えたほうがいいかもしれません。saraiの個人的な感想はyesです。これまでの西欧文化、オペラの伝統を継承して、かつ、それを新しい音楽基盤の上に打ち立てていると感じました。新しさだけでは駄目、だからと言って、伝統に縛られ過ぎていても駄目というのがオペラの辿ってきた道です。R・シュトラウスのオペラが典型的です。トーマス・アデスはR・シュトラウスの再来になってほしいものです。オペラ文化の継承性に基づく新しさの構築が理想です。

このオペラ《テンペスト》はシェークスピアの最後の戯曲作品に基づいています。ほぼ、原作に忠実ですが、最後のシーンが大きく異なります。これはオペラだから、お芝居のような終わり方は難しいからでしょう。

今回の演出はメトロポリタン・オペラとの共同制作で、演出のロベール・ルパージュはシルク・ド・ソレーユを手掛ける人。日本国内ではWOWOWでメトロポリタン・オペラ公演の模様が放送されたので、ご覧になった人も少なくないでしょう。今回のウィーン国立歌劇場の公演もほぼ同じ内容ですが、舞台の違いで若干の相違はあります。指揮者は作曲家アデス自身というのは、どちらも同じです。キャストはアリエル役のオードリー・ルーナだけが共通しています。聴いたかたはお分かりでしょうが、オードリー・ルーナの超高音(金切声とも?)と柔らかい手足の演技は誰にも真似ができないと思われます。もっとも、主役のプロスペロー役もメトロポリタン・オペラで歌ったサイモン・キーンリサイド以外には歌うのは不可能だと思いましたが、エレードがまるでキーンリサイドが乗り移ったような歌唱と演技をしたのには驚愕しました。

演出はルパージュがメトロポリタン・オペラでニーベルングの指輪4部作を演出したからなのでしょうが、それをパロディった演出になっています。プロスペローが魔力を持った長い槍を持つところはまるで指輪のウォータンみたいです。また、島に住む怪獣キャリバンは地下世界を蠢き、これも指輪のパロディ。冒頭でアリエルがアクロバットのような演技をするのはシルク・ド・ソレーユもどきです。

アデスが書いた音楽はノントナールを基本としていますが、クリアーで分かりやすい音楽です。ここぞというところはこだわりなしに調性のあるメロディアスなものになります。まあ、12音技法の開拓者だったシェーンベルクだって、晩年はそういう音楽を書いていましたから、これも伝統的な現代音楽なのでしょう。

聴きどころは第2幕の終幕のミランダ(プロスペローの娘)とフェルディナンド(ナポリ王子)が恋に落ち、結ばれるシーンの愛のメロディーと第3幕の終盤でのプロスペローが自分を陥れた人たちに許しを与えるシーンの感動的な音楽です。特に許しのシーンはフィガロの結婚の最終シーンの許しの音楽を思い起こさせます。R・シュトラウスがモーツァルト回帰したように、アデスもモーツァルトを音楽の原点にしているのでしょうか。

ファンタスティックな魅力に満ちた素晴らしい音楽と演出のオペラでした。まだまだ、書き足りませんが、ウィーンの夜も更けてきたので、このあたりで幕としましょう。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:トーマス・アデス
  演出:ロベール・ルパージュ
  合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  トーマス・アデス:オペラ《テンペスト》

  プロスペロー:アドリアン・エレード
  アリエル:オードリー・ルーナ
  ミランダ:Stephanie Houtzeel
  トリンキュロー:デイヴィッド・ダニエルズ
  カリバン:Thomas Ebenstein
  フェルディナンド:Pavel Kolgatin
  ナポリ王:Herbert Lippert
  アントーニオ:Jason Bridges
  ステファノ:Dan Paul Dumitrescu
  セバスチャン:David Pershall
  ゴンザーロ:Sorin Coliban

今日は21世紀オペラ作品でしたが、明日は20世紀のオペラ作品、ヒンデミットの《カリディヤック》を聴きます。


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ウィーンのランチはバイスルで

今日もダブルでコンサートとオペラ。11時からのヤンソンス指揮ウィーン・フィルのマーラーを聴き、感動を新たにします。楽友協会のバルコン・ロジェ(2階席)の見下ろすようなところで聴いた音響は強烈でした。

2015062101.jpg


その後、旧市街にあるウィーン料理のレストラン(バイスル)でランチ。名店ミューラー・バイスルです。予約していきましたが、店内はがらがら。美味しい料理のお店ですが、目立たない通りにあるからでしょうか。また、シュパーゲルをいただきましたが、ターフェルシュピッツが絶品でした。

2015062102.jpg


その後、腹ごなしの散策。今日はベルヴェデーレ宮殿の先にある公園を散策し、公園内の研究所エリアを歩き、巨大なオーストリア・テレコムの通信塔まで足を延ばしました。通信塔は見上げるだけで、内部は公開していないので、残念ながら上れません。

2015062103.jpg


夜は国立歌劇場でイギリスの新鋭作曲家アデスのオペラ《テンペスト》を聴きました。ファンタスティックで面白い作品でした。

明日も夜は国立歌劇場でオペラを聴きます。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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