旅の20日目、今日は土曜日。土曜日にナッシュマルクトNaschmarktに隣接した広場で催される蚤の市に出かけます。何か目的があるわけではなく、単なる物見遊山です。実は、なかなか機会がなく、本格的な蚤の市へ行くのは初めてなんです。
ホテルを出ると、怪しい空模様です。雨さえ降らなければ、涼しいので良しとしましょう。

ナッシュマルクトの最寄りの地下鉄駅カールスプラッツKarlsplatzに降り立ちます。駅前には緑の多い公園レッセル・パークResselparkもあります。街中のオアシスですね。

ナッシュマルクトの方に向かいますが、エジプトのような妙な飾りの付いた建物が見えます。ウィーン工科大学の中央図書館Technische Universität Wien Hauptbibliothekです。

ナッシュマルクトに到着。一番先に出迎えてくれるのは魚介料理のお店Nordseeです。

八百屋さんの店先には、美味しそうなシュパーゲルが並べられています。

ちょっと天気が下り坂ですが、涼しくて気持ちのよい温度。天気は悪くてもナッシュマルクトは大勢の人で賑わっていて、人波をかき分けながら蚤の市に向かって進みます。蚤の市の会場に着いてみれば、そこは地下鉄のケッテン・ブリュッケン・ガッセKettenbrückengasseの駅の前。先ほど地下鉄に乗って通過した駅です。なーんだ。

ところで、このケッテン・ブリュッケン・ガッセ駅はここから見ると、さもない建物に見えますが、なんとオットー・ヴァーグナー設計の歴史的建造物です。近くに寄って見てみましょう。なるほど、正面にはそれらしい装飾がありますね。でも、カールスプラッツの旧駅舎には及ばないものに思えます。

蚤の市はとても大勢の人で賑わっています。さすがに凄いものです。

蚤の市の会場の横には、オットー・ヴァーグナー設計による有名な建物のマヨリカハウスMajolikahausが見えています。右隣の黄金装飾の建物はメダイヨンマンションです。なかなか派手な装飾ですね。

蚤の市はガラクタの寄せ集めのように思えますが、それなりの価格が付けられているものもあります。この価値が分かる人には掘り出し物なのでしょうね。
お友達に陶磁器の金継ぎを趣味にしている人がいるので、お土産に古い陶磁器の欠けたものを安く購入しようと目論んでいましたが、残念ながらそんな掘り出し物は見つかりません。
これが雑多に並べられたガラクタの山。

ガラクタの山から面白そうなものを見つけようとチェックしていると、キリがないほどです。

小さな額を安価に入手。これはお友達へのお土産。

ぶらぶら歩いていると、LPレコードが目につきます。ホルンの天才デニス・ブレインのモーツァルトのホルン協奏曲です。これがたったの1ユーロ。一応検盤して、埃こそ付いていますが大きな傷はなさそうなので、お買い上げ。

満足して立ち去ろうとすると、そこのお兄ちゃんがsaraiを引き留めて、他のLPレコードも見せようとします。saraiも嫌いな方ではないので見せてもらいましょう。ジャケットもない袋だけのLPがあり、盤のラベルを読むと、何とオペレッタのオムニバス盤です。それも5枚もあります。これはセットでないと意味ないでしょう。5枚を3ユーロに値切って、商談成立。よく調べると、実際は3枚のセットと2枚のセットのようです。3枚セットの方は壊れた外箱があったので中身をチェックすると、なかなかよさそう。これは後で、オペレッタの師匠Steppkeさんに教えを乞いましょう。(後日、師匠が詳しい鑑定をしてくれました。感謝!)
さらに配偶者が、金継ぎのお友達のお土産にちょっとした皿を見つけ、これも入手。
お兄ちゃんも商談成立でご機嫌な様子です。

これにて、蚤の市の見学とお買い物は終了。いよいよ小雨が降ってきたので、よい頃合いです。お店の人達は、商品を手早く片付け始めます。
ホテルに帰る前にランチを頂きましょう。ナッシュマルクト近くの有名カフェ、カフェ・ドレクスラーに入ります。ここは初めてです。これがカフェ・ドレクスラーの店内。お昼を過ぎているせいか、店内はがらがらです。

ランチメニューはありませんが、終日食べられる朝食メニューがあるので、それを頂きます。ウィーン風朝食セット(大)とドレクスラー朝食セットにします。ゆで卵やスクランブルエッグなどがついた一般的な朝食メニューです。あまりに一般的すぎて、感動がなく肩透かしです。

カフェから出ると、雨は上がっています。こちらのお天気は本当によく分かりません。蚤の市から戻りホテルに重い戦利品を置き、昼過ぎのウィーン交響楽団のコンサート会場のウィーン楽友協会に向かいます。カヴァコスのヴァイオリン、ユロフスキとウィーン響の重厚で個性的なマーラー版エロイカを聴き満足。詳細記事はここです。
夜のウィーン・フィルのコンサートまでには大分時間があります。そこで、ウィーンに来ている友人のえりちゃさんに電話をかけて強引に引っ張り出し、カフェ・シュヴァツツェンベルクでお茶とおしゃべり。
これは夕食代わりのオムレツです。美味しいです。

デザートのケーキもいただきます。

ようやくコンサートの開演時間が迫ってきたので、3人で急いで楽友協会に舞い戻ります。今度はウィーン・フィルの演奏会。3人で素晴らしい響きのブルックナー第4番(第3稿)の演奏を聴き、大満足。詳細記事はここです。
明日も音楽のダブルヘッダー。ウィーン・フィルの楽友協会コンサートとウィーン国立歌劇場のオペラ《ナクソス島のアリアドネ》を聴きます。素晴らしい音楽の予感がします。楽しみです。
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