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束の間のミュンヘン:レンバッハハウス美術館のワシリー・カンディンスキー、1/3

2014年6月17日火曜日@ミュンヘン/4回目

青騎士の館、レンバッハハウス美術館を鑑賞しています。

今回からは青騎士のリーダー、ワシリー・カンディンスキーの作品を鑑賞します。
そもそも、レンバッハハウス美術館は第2次世界大戦で破壊された後、再開されるにあたり、現在のように青騎士の膨大なコレクションを展示する美術館として生まれ変わりました。それは青騎士のメンバーの一人であったガブリエーレ・ミュンターが彼女のコレクションを寄贈したのが契機でした。そのコレクションの根幹をなしたのがワシリー・カンディンスキーの90点以上の油彩作品だったんです。彼女はかって恋人だったカンディンスキーのコレクションをナチスから守り抜きました。カンディンスキーの前衛的な抽象絵画はナチスから退廃芸術の烙印を押されていました。その彼女が死守した貴重なコレクションは1957年にミュンヘン市に寄贈され、青騎士の芸術が永遠に残されることになりました。

カンディンスキーはモンドリアンとともに抽象絵画の始祖と呼ばれています。1866年にモスクワで生まれたカンディンスキーは1896年にミュンヘンに移り、本格的な芸術活動を始めます。30歳という遅いスタートでした。このミュンヘンで1910年頃に抽象絵画の道を切り開きます。ミュンターと生活を共にしたのはこの時期です。青騎士の活動もこの頃です。第1次世界大戦の勃発とともにミュンターとも別れて、ロシアに移り住みます。ロシアの新しい芸術活動の中心になりますが、スターリンの台頭を機にドイツに移り、バウハウスで教鞭をとりながら芸術活動を続けます。このバウハウス時代がカンディンスキーのもっとも充実した時期でした。ナチスの台頭でバウハウスを追われたカンディンスキーはフランスに移り、第2次世界大戦の終焉する直前、1944年にパリ郊外で亡くなります。最晩年はナチスの弾圧もあり、不遇な最期でした。

カンディスキーの作品群を見ていきましょう。

《ミュンヘン、イーザル川》です。1901年、カンディンスキー35歳頃の作品です。ミュンヘンで本格的に絵画を描き始めて5年。まだ、普通の風景画ですね。

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《Schleuseのための習作》です。1901年、カンディンスキー35歳頃の作品です。

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《アクチョールカ─秋》です。1901年、カンディンスキー35歳頃の作品です。 アクチョールカはウクライナ北東部,スームイ州の都市です。モネの絵画に心酔していたとあって、印象派的な作品です。

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《ミュンヘン、イギリス庭園》です。1901年、カンディンスキー35歳頃の作品です。この頃はこういう印象派風の作品で腕を磨いていたようです。

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《シュヴァービング、ニコライ広場》です。1901~1902年、カンディンスキー35~36歳頃の作品です。風景画家のようにこういう作品を量産していますね。

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《湖のある山の風景》です。1902年、カンディンスキー36歳頃の作品です。このあたりは将来のムルナウの絵を予感させるものも感じられます。

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《コッヘル―シュレードルフ》です。1902年、カンディンスキー36歳頃の作品です。

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《オランダ、ビーチチェア》です。1904年、カンディンスキー38歳頃の作品です。タッチが大胆になり、作風が変わってきました。

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《サンタ・マルゲリータ》です。1905年、カンディンスキー39歳頃の作品です。

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《セーヴル》です。1906年、カンディンスキー40歳頃の作品です。

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《サン・クルー公園─秋Ⅱ》です。1906年、カンディンスキー40歳頃の作品です。

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《ラパッロの入江》です。1906年、カンディンスキー40歳頃の作品です。

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《馬上のカップル》です。1906年、カンディンスキー40歳頃の作品です。この時期、こういう面白い画風になっていました。

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《色とりどりの人生》です。1907年、カンディンスキー41歳頃の作品です。なかなかの作品です。ただ、この画風を極めてもそれなりの画家で終わっていたでしょう。

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《オーバーラウ近郊 秋の習作》です。1908年、カンディンスキー42歳頃の作品です。明らかに大きな変化が見られます。風景の中の形と輪郭がぼやけてきます。

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《ムルナウ - 《塔のある風景》のための習作》です。1908年、カンディンスキー42歳頃の作品です。少しずつ変化していますが、まだ、大きくは踏み込めてはいませんね。

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《ムルナウ - グリースブロイの窓からの眺め》です。1908年、カンディンスキー42歳頃の作品です。セザンヌ風に平面的な描き方になっていますが、まだ、色や形へのこだわりが残っています。それでも色彩感覚はかなり自由になっているのが面白いですね。

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《ムルナウ - シュタッフェル湖の眺め》です。1908年、カンディンスキー42歳頃の作品です。この頃は本当にセザンヌ風の美しい風景画を描いていました。

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カンディンスキーが新しい作風に踏み込むのは翌年のムルナウの風景からです。ここまでは試行錯誤しながらの模索期間でした。
次回はカンディンスキーが大きく弾けるところを見ていきましょう。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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嬉しいコメント、ありがとうございます。ブッシュ四重奏団は素晴らしいですよ。とりわけ、第14番は最高です。
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09/17 02:04 sarai

とても素晴らしいお話をお聞かせ頂き感謝いたします。
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えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai
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