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ウィーンの路地散策:フォルクスガルテンからミノリーテン教会へ

2015年6月24日水曜日@ウィーン/2回目

ベルヴェデーレ宮殿Schloss Belvedereの上宮Oberes Belvedereからトラムに乗って、今日の路地散策のスタート地点に向かいます。今日はヘレン通りHerrengasseを歩いてみる予定なので、トラムをドクター・カール・レンナー・リンクDr.Karl Renner Ringで降ります。フォルクスガルテンVolksgartenの前です。ここから路地歩きをスタートします。公園の柵沿いにアジサイが綺麗に咲いています。

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園内に入ると、美しく手入れされた緑の芝生が目に染みます。

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色とりどりの花々も綺麗に咲いています。

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赤いバラが綺麗ですね。

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公園の中央には噴水がちょろちょろと水を上げています。

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バラ園ではまだまだ花が残ってはいますが、盛りは過ぎているようです。今は、アジサイが盛りです。

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ホーフブルクHofburgの大きな建物を見ながら、レーヴェル通りLöwelstraßeの方に向かって、フォルクスガルテンを抜けていきます。

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フォルクスガルテンを抜けてレーヴェル通りに出ると、美しく立派な建物があります。連邦首相府Bundeskanzleramtです。首相官邸ですね。首相府の前のバルハウス広場Ballhausplatzを白い馬車が通って行きます。なかなか絵になりますね。

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連邦首相府の入口の正面に立ちます。なかなか瀟洒なデザインの建物ですね。さすがにウィーンです。18世紀初頭に建設された建物です。

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ここからシャウフラー通りSchauflergasseを進むとミヒャエル広場Michaelerplatzに達します。ミヒャエル教会Katholische Kirche St. Michaelのファサードと塔が見えています。

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そちらには向かわずに連邦首相府の横のブルーノ・クライスキー通りBruno-Kreisky-Gasseを抜けて、ミノリーテン教会Minoritenkircheの方に向かいます。

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ミノリーテン教会の前に出ました。武骨な感じの堂々とした建物ですね。

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折角ですから、ちょっと寄っていきましょう。

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ミノリーテン広場Minoritenplatzを挟んで、ミノリーテン教会の向かいには連邦首相府の瀟洒な建物が建っています。

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教会の側面は、イタリアで言うところのポルティコのようなアーチの連なる通路になっています。

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教会の内部に入ります。ヨーロッパの教会はどこも立派ですね。1339年に建設が始まった建物です。ゴシック様式の大きな空間が広がっています。

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このミノリーテン教会には、実はダ・ヴィンチの《最後の晩餐》があるんです。《最後の晩餐》はもちろんミラノにあるはずなのでびっくりしますが、これはナポレオンが19世紀にモザイク画を制作させたものらしいです。本物は、キリストの足の部分は修道院食堂のドアの部分になり描かれていないのですが、ここのはちゃんと描かれています。

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ご親切にもミラノの《最後の晩餐》の写真が横に張ってあり、違いをチェックできます。

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教会を出て、ミノリーテン教会の正面に立ちます。素朴で立派なファサードです。

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扉の周りの装飾も結構、簡素です。質実剛健な感じが印象的です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ここからはヘレン通りを歩きます。


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ウィーンの路地散策:ヘレン通り・・・フェルステル宮殿とショッテン教会

2015年6月24日水曜日@ウィーン/3回目

ミノリーテン教会Minoritenkircheを出て、ヘレン通りHerrengasseを歩きます。教会の前には華麗なバロック様式の建物があります。リヒテンシュタイン・シティーパレスStadtpalais Liechtensteinです。ちょうど2年前にリヒテンシュタイン宮殿Palais Liechtensteinのもうひとつのウィーンの宮殿の庭園宮殿Gartenpalaisを訪れたことを思い出します。そのときの記事はここです。シティーパレスはこんなところにあったんですね。

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ラントハウス小路Landhausgasseを歩いていくと、ヘレン通りにぶつかります。ヘレン通りには巨大なフェルステル宮殿Palais Ferstelの建物が建っています。

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このフェルステル宮殿に沿って、ヘレン通りを北の方に歩きます。宮殿にはパサージュの入口があります。フェルステル・パサージュFerstel Passageです。このパサージュは向こう側の通りのフライウンク広場Freyungまで抜けているようで、フライウンク・パサージュFreyung Passageとも呼ばれています。入口によって、名称が変わるんですね。このパサージュは後で寄ることにして、ヘレン通りを先に進みます。

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フェルステル宮殿の建物には色んなお店が入っています。これはPalais Interiorsという家具屋さんです。

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これがヘレン通りの様子です。左側に見えている建物はずっと先の方までフェルステル宮殿が続いています。本当に大きな建物です。この宮殿は19世紀半ばに造られました。ちなみにフェルステルという名前はこの建物を設計した建築家ハインリッヒ・フォン・フェルステルHeinrich von Ferstelの名前から取られています。フォン・フェルステルはヴォティーフ教会Votivkircheも設計しています。

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ヘレン通りをもう少し進むと、この短い通りの端に達します。フライウンク広場にぶつかり、その先はショッテン通りSchottengasseと名前を変えます。ここにあるのがショッテン教会Schottenkircheです。

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ショッテン教会の中に入ってみましょう。この歴史ある教会はその源を12世紀まで遡れます。もともとはロマネスク様式で建てられましたが、改装が繰り返されて、現在は華麗なバロック様式です。

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入口のすぐ奥には鉄柵があり、祭壇近くに行くことができないのが残念です。天井のフレスコ画はとても美しいです。

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ショッテン教会を出ると、ヘレン通りを挟んで向かいにキンスキー宮殿Palais Daun-Kinskyが見えます。ボヘミアの上級貴族のキンスキー家が所有していた宮殿です。バロックの巨匠、宮廷筆頭建築家のヨハン・ルーカス・フォン・ヒルデブラントが設計した建物です。ベルヴェデーレ宮殿を設計した建築家がフォン・ヒルデブラントです。

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フライウンク広場からショッテン教会の側面を眺めます。

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建物の中央に見える彫像はハインリッヒ二世です。ショッテン教会はバーベンベルク家のハインリッヒ二世によって1155年に建設が開始されたものです。現在も教会の地下聖堂にハインリッヒ二世と夫人のテオドラ、彼らの娘アグネスが埋葬されているそうです。

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フライウンク広場にはオーストリアの泉Austria-Brunnenがあります。これは1846年ウィーン市民からの寄付で制作されたものです。4人の男女の彫像の上に女性の彫像が立っています。この女性の彫像はオーストリアを象徴しているので、オーストリアの泉と呼ばれています。

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フライウンク広場に面したハーラッハ宮Palais Harrachの建物の中にあるChristian L. Einwallerという綺麗なインテリアショップを抜けると明るい中庭が見えます。

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その先に先ほどの美しいパサージュがつながっています。色んなお店が並びます。カフェもあります。

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このパサージュをぶらぶらと店先を覗きながら歩きます。

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やがて、六角形のアトリウムに出ます。中心には泉があります。6mの高さの彫刻の一番上の彫像は手に魚を持つ女性です。ドナウの水の妖精です。

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この泉のまわりを歩きながら、美しい広場の雰囲気を堪能します。

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一周して、また彫像の正面に出ます。この広場からアーケードが伸びています。

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配偶者はこのパサージュでお茶したいようですが、もうすぐお昼なのでパス。再び、ヘレン通りに出ます。フェルステル宮殿の前をミヒャエル広場の方に向かいます。

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フェルステル宮殿の建物の南側にはカフェの名店カフェ・ツェントラルCafé Centralがあります。ここのランチは美味しいのですが、今日は別のお目当てのお店があるのでパス。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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さらに路地散策は続きます。


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今年のヨーロッパ遠征は・・・いざ、ザルツブルク音楽祭へ

今年のヨーロッパ遠征についての第1報です。
今年は思い切って、ザルツブルク音楽祭に行くことにしました。
実はザルツブルク音楽祭のチケット予約の締め切りが1月7日でした。お正月を過ぎたところでザルツブルク音楽祭の分厚いパンフレットをパラパラとめくっていたら、急に行きたくなったんです。
配偶者に相談して(懇願して?)、締め切りの前日にチケット予約をネットから申し込みました。チケットがとれるかどうかは3月末に返答があるとのことで、それまでは祈るような気持で待つしかないと思っていました。

ジャーン!! 思いがけず、今日、音楽祭のチケットビューローからメールが届きました。恐る恐る、メールを読むと、添付のPDFにチケットのコンファメーションがあるとのこと。急いでそのPDFを読むと、申し込んだすべてのチケットが取れています。しかもすべて希望したカテゴリー1の席です。感動です。

ということで、今年のヨーロッパ遠征は初のザルツブルク音楽祭です。おそらく、saraiの人生最後のザルツブルク音楽祭になるでしょう。

今年のザルツブルク音楽祭は7月22日から8月31日までの長丁場です。saraiはそのうち、7月末から8月初旬の8日間、10公演を聴きます。

・トーマス・アデスの新作オペラ《皆殺しの天使》 アデス指揮ウィーン放送交響楽団、オードリー・ルーナ、フォン・オッター、イェスティン・デイヴィス
・プッチーニ:オペラ《マノン・レスコー》(コンサート形式) アルミリアート指揮ミュンヘン放送管弦楽団、アンナ・ネトレプコ、ユーシフ・エヴァゾフ
・R・シュトラウス:オペラ《ダナエの愛》 ウェルザー・メスト指揮ウィーン・フィル、ストヤノワ
・モーツァルト:オペラ《コジ・ファン・トゥッテ》 ダント-ネ指揮ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団、ベヒトルフ演出、クライター、ヤンコヴァ、ヴォッレ
・ハーディング指揮ウィーン・フィル、エトヴェシュ:ハレルヤ(世界初演)、ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲、マーラー:交響曲第10番《アダージョ》
・メータ指揮ウィーン・フィル、ペルト:白鳥の歌、マーラー:亡き子をしのぶ歌(ゲルネ)、ブルックナー:交響曲第4番
・ホフマンスタール:演劇《イェーダーマン》
・イザベル・ファウスト・ヴァイオリン・リサイタル バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲
・ブッフビンダー・ピアノ・リサイタル ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番 シューマン:謝肉祭 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番/第23番
・ベジュン・メータ・カンタータの夕べ ベジュン・メータ(カウンターテノールと指揮)、アンサンブル・ディドロ

航空券のチケットだけはたまったANAのマイルを使って、既に特典航空券を入手しています。ザルツブルク音楽祭以外の日程はこれから詰めていきます。


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ウィーンの路地散策:ヘレン通りの突き当りはミヒャエル広場

2015年6月24日水曜日@ウィーン/4回目

カフェ・ツェントラルCafé Centralの前を通り過ぎて、ヘレン通りHerrengasseをミヒャエル広場Michaelerplatzの方へ向かいます。通りの左側にはシュタイゲンベルガー・ホテル・ヘレンホフSteigenberger Hotel Herrenhofが見えています。この建物は1913年に建築されたものです。ウィーンでは新参者と言ってもいいかもしれませんね。

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ここでヘレン通りを振り返ってみます。右側にはカフェ・ツェントラルが見えています。その先は巨大なフェルステル宮殿Palais Ferstelの建物が続いています。左側の建物はニーダーエスタライヒ宮Palais Niederösterreichです。

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通りを進み、シュタイゲンベルガー・ホテル・ヘレンホフの正面に立ちます。5つ星の立派なホテルで立地も最高です。たまには張り込んで、こういうホテルに泊まりたいものです。

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配偶者の興味は、ホテルの建物の右端にある花屋さんに向けられています。

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花屋さんのショーウィンドウを覗き込んでいます。この花屋さんはBlumensalon Matern。

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ヘレン通りを挟んで、シュタイゲンベルガー・ホテル・ヘレンホフの向かいには地球儀博物館Globenmuseum der Österreichischen Nationalbibliothekがあります。大変マニアックな博物館ですね。でもちょっと興味をそそられます。そのうちに覗いてみましょう。オーストリア国立図書館の付属施設のようですから、内容はしっかりしているでしょう。

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地球儀博物館の建物を眺めていると、ヘレン通りに馬車がやってきます。本来、この通りにはこういう馬車が似合いますが、車の往来が多いのが雰囲気を壊しますね。

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地球儀博物館の隣の建物は入口を警察官が警備しています。もっとものんびりしていますけどね。この建物はオーストリア内務省Bundesministerium für Inneresです。

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内務省の建物の向かいには、さっぱりしたデザインのロースハウスLooshausの建物が建っています。通り沿いには色んなお店が入っています。

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ロースハウスの先にはミヒャエル広場が見えています。ヘレン通りの端まで歩いてきました。

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ヘレン通りを抜けてミヒャエル広場に出ると、ホーフブルグHofburgのミヒャエル門が堂々とした姿を見せています。

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ミヒャエル広場の真ん中には古代ローマの遺跡があります。ウィーンの始まりは古代ローマの軍隊の駐屯地のウィンドボナであったことを思い起させます。ここは騎兵隊の駐屯基地の跡だそうです。それにしても、とっても深くまで発掘が行われていますね。1990年代の発掘調査ということですから、意外に最近のことですね。

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これが、ミヒャエル広場から見る先ほどのロースハウスです。現在の我々が見ても、いかにもあっさりし過ぎた印象は否めません。建設当時に大騒ぎになったのも当然でしょう。バロックの見事なホーフブルグの建物とは調和しないでしょう。しかし、アドルフ・ロースのようなぶっ飛んだような建築家が登場するのも、ある意味ウィーンらしいですね。いつ見てもそのような感慨にふけってしまいます。

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再びヘレン通りに戻ります。左側の先の方の建物はさっきの内務省です。

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内務省の前をさっきとは逆の方向に進みます。

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再びシュタイゲンベルガー・ホテル・ヘレンホフの建物の端にある花屋さんの前まで戻ってきました。ここでヘレン通りに別れを告げて右折し、ファーネン小路Fahnengasseに入ります。

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すぐにヴァルナー通りWallnerstraßeにぶつかりますが、目の前に綺麗な路地があるのでそのままの方向に進みます。この路地はハールホーフHaarhofです。

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ハールホーフの中ほどには小さくて細長い広場があり、レストランかカフェがテラス席を設けています。まだお昼だというのにハッピーアワーの看板が出ています。いつでもハッピーアワーかと思いましたが、よく見ると15:30から17:30がハッピーアワーみたいです。でも、居心地のよさそうなお店です。

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広場の先はまた狭い路地になります。

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少し上り坂の路地を進みます。

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路地の上を見上げると、両側の建物の間の狭い隙間に空が見えています。

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路地の出口で振り返ると路地の先に先ほどの小さな広場が顔を覗かせています。

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ウィーンの路地歩きはなかなか風情があります。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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路地歩きをもう少し続けます。


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ウィーンの路地散策:アム・ホーフ広場からユーデン広場へ

2015年6月24日水曜日@ウィーン/5回目

雰囲気のある路地ハールホーフHaarhofを抜けるとナーグラー小路Naglergasseに出ます。その先のイリス小路Irisgasseの向こうにアム・ホーフ広場Am Hofが見えています。古きウィーンの中心地ですね。

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配偶者の視線はまたもイリス小路の路傍の花屋さんに向けられています。

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これはナーグラー小路の様子です。北西に続いているナーグラー小路は、すぐにアム・ホーフ広場近くの路地にぶつかって消滅します。

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こちらはナーグラー小路の反対方向です。ずっと進むとグラーベン通りGrabenにぶつかります。

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ナーグラー小路を通り越してイリス小路をちょっと進むと、アム・ホーフ広場の端から伸びるボーグナー通りBognergasseが見渡せます。通りの正面にはルイ・ヴィトンの大きな店舗が見えています。数年前に、以前あった場所からここに移転してきたようで、それを知らずに散々このルイ・ヴィトンの店を探し回ったことを思い出します。

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目の前にはアム・ホーフ広場が広がります。広場には、新しいヴィーナー・ルストシュピールハウス WIENER LUSTSPIELHAUSという芝居小屋があります。どうやら音楽付きの《ハムレット》の公演をやっているようです。客席は400席程だそうです。今後も常設(夏だけの仮設かも)で、公演するようです。

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ヴィーナー・ルストシュピールハウスの先には、マリア記念柱Mariensäuleが建っています。これは30年戦争の末期、1646年にカトリックの勝利を祝って建てられたものですね。

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イエズス会がバーベンベルク家の宮殿跡にローマのイル・ジェズ聖堂を模して建てたというアム・ホーフ教会Kirche Am Hofの前に立ちます。ちょっと中を覗いてみましょう。

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教会の内部は真っ白でモダンな感じです。バロック様式ですが、改修前はゴシック様式だったようです。あっさりしていて、それほど見るものはなさそうです。

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早々に教会を出て、アム・ホーフ広場を進みます。アム・ホーフ教会とコッラルト宮との間にアーチのかかるシュールホーフ小路Schulhofがあります。石畳が綺麗ですね。

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この小路では、お決まりのように馬車に出会います。この路地はよほど観光コースなんですね。

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コッラルト宮Palais Collaltoです。このバロック様式の建物もお馴染みのルーカス・フォン・ヒルデブラントの手によるものです。コッラルト宮は、モーツァルトがわずか6歳でウィーンデビューを飾ったことが知られています。

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アム・ホーフ広場からドゥラート小路Drahtgasseに入ります。小路の入口には、ウィーン料理レストランGustl Bauerがあります。

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ドゥラート小路に入ると、左手に魅力的な路地が見えます。レーダーアーホフLedererhofです。

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路地奥の9番地には、居酒屋ブレツルグヴェルプBrezlgwölbがひっそりと佇んでいます。ちょっと寄ってみたいお店ですね。

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また、ドゥラート小路に戻ります。

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ドゥラート小路を抜けると、ユーデン広場Judenplatzです。この広場は13世紀初めからユダヤ人居住地区(ゲットー)として発展したので、そういう広場の名前になっています。広場の中央には、大きな四角い建物があります。これは第2次世界大戦でナチスの残虐行為で犠牲になったオーストリアのユダヤ人、約6万5千人のための記念碑Mahnmal für die ermordeten Juden Österreichsです。

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記念碑の前には、その由来が書いてあります。ただ、これは何語? ヘブライ語?

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ユダヤ人記念碑の先には、ドイツ人劇作家レッシングの像があります。彼はユダヤ人です。ナチスによって彼の像はユダヤ人故にいったん取り壊されましたが、1982年に再建されました。

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ユダヤ人の歴史がいっぱいつまった広場ですが、モーツァルトの思い出にも彩られています。ユーデン広場3番地と4番地の建物は、モーツァルトが1783年と1789年から1790年にかけての2回住んでいました。お気に入りの場所だったんでしょう。ここでピアノソナタ第11番K.331《トルコ行進曲付き》とオペラ《コジ・ファン・トゥッテCosì fan tutte》が作曲されました。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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路地歩きはもう少しで終わります。


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ウィーンの路地散策:クレント小路~トゥーフラウベン通り~ホーアーマルクト広場~ルーゲック広場・・・ようやくランチのお店に到着

2015年6月24日水曜日@ウィーン/6回目


ユーデン広場Judenplatzから、もう馴染みとなったクレント小路Kurentgasseに入ります。街歩きしている団体もいますね。

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クレント小路に入ると、すぐにクレント小路10番地にある創業1542年のパン屋グリムの建物が左手に見えます。

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パン屋グリムのお店の角で左折して、ドゥルヒガング(通り抜け)の奥に入ります。建物の下を突き抜けるトンネルが見えています。

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ドゥルヒガングを抜けると、L字型に曲がるクレーブラット小路Kleeblattgasseの角に出ます。右手に路地が続いています。

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正面の方にクレーブラット小路が続いているので、正面に進みます。

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路地を進んでいると、配偶者の足がはたと止まります。また、花屋さんです。ラベンダーやリンドウの花とともに、なんとエーデルワイスの花が並んでいます。これが日本ならば迷わずお買い上げですが、ウィーンで買っても仕方がありません。配偶者はうらめしそうにいつまでもエーデルワイスの花を見つめていました。

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クレーブラット小路を抜けると、トゥーフラウベン通りTuchlaubenに出ます。右の方を眺めると通りの突き当りに、20世紀ウィーンの作曲家アルバン・ベルクの住居跡シェーンブルンナーハウスが見えます。明日はアムステルダムに飛んで、彼の遺作オペラ《ルル》を見ます。感慨深いです。でも、ベルクの住居はここから見るだけにして、トゥーフラウベン通りを反対方向に歩きます。何故って、今日のランチをいただくお店に向かっているからです。

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トゥーフラウベン通りを進んでいくと、ホーアーマルクト広場Hoher Marktに曲がる角に着きます。広場の中央にある《結婚の泉Vermählungsbrunnen》が見えています。

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トゥーフラウベン通りとホーアーマルクト広場の角に立ち、ホーアーマルクト広場の反対方向に伸びるヴィップリンガー通りWipplingerstraßeを眺めます。この通りはショッテンリンクSchottenringの方に続きます。

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トゥーフラウベン通りをここで曲がって、ホーアーマルクト広場の方に歩いていきます。

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《結婚の泉Vermählungsbrunnen》の前に出ます。皇帝レオポルト1世が息子ヨーゼフ1世の結婚を祝って、1729年にフィッシャー・フォン・エルラッハに造らせました。エルラッハと言えば、ヨハン・ルーカス・フォン・ヒルデブラントと並んで、ウィーンのバロック建築の巨匠ですね。石とブロンズでできた泉はバロック期ウィーンの最も重要な泉です。

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アンカー時計Ankeruhr Clockの前に出ます。1917年にできたこの時計は、歴史ある街ウィーンでは比較的新しいものです。それでも、もうすぐ100年経ちますね。

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と、オルガンの音がします。どこで誰が弾いているのかとキョロキョロ探すと、なんとアンカー時計からです。正午の音楽です。もっとも、ちょっぴり正午は過ぎていますけどね。なかなかピッタリの時間には来れないのに、偶然に聞けてしいました。仕掛け時計の12組の人物の人形も動いています。

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ホーアーマルクト広場を過ぎてリヒテンシュテーク通りLichtenstegを抜けると、ローテントゥルム通りRotenturmstraßeにぶつかります。

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この大通りを渡って、さらにまっすぐルーゲック広場Lugeckを進み、グーテンベルクの像とご対面。グーテンベルクの像の後ろには白亜のバロック風の館レーゲンスブルガーホーフRegensburger Hofが控えています。

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ここから左に伸びるケルナーホーフ小路Köllnerhofgasseに入ります。路地の両側には色んなお店が並び賑わっています。

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この路地を少し進むと右側に目的のお店があります。パラチンケンの専門店パラチンケンプファンドルPalatschinkenpfandlです。ここで、今日のランチを頂きます。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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路地散策の果てにようやくランチにありつけます。


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イェスティン・デイヴィス ダウランドを歌う@鵠沼レスプリ・フランセ 2016.2.7

今日は生のイェスティン君を聴けただけなく、それもたった2m先のかぶりつきで聴け、彼の繊細な歌をたっぷりと楽しめました。ちなみに《イェスティン君》という表現はオランダ在住のお友達のレイネさんがいつも彼女のHPでそのように書いているので、我が家では配偶者とそう言い合っているので、そうとしか表現できないので、ここでもそのように書かせてもらいます。《イェスティン君》はカウンターテナーの俊英イェスティン・デイヴィスのことです。レイネさんのHPはここです。イェスティン君の記事やCT(カウンターテナー)の記事が満載です。また、イェスティン君は今年遠征するザルツブルク音楽祭のトーマス・アデスの新作オペラ《皆殺しの天使》でも聴く予定です。

今日のリサイタルの会場は小田急鵠沼海岸駅の近くにあるお洒落なレストランの鵠沼レスプリ・フランセ。ですから、60名の定員の小さな会場です。そのかぶりつきで聴くんですから、音量の小さなリュートはもちろん、幾分、抑え気味で歌っているイェスティン君の歌もクリアーに細部まで聴き取れます。音楽好きにとってはこんな贅沢はありません。
そのイェスティン君の歌ですが、CDで聴く以上にそのセンシティブな表現に心を動かされます。歌心に満ちた歌いまわしです。特に抒情性のあるダウランドの歌曲の素晴らしさにはうっとりとします。女性歌手で言えば、フォン・オッターを思わせるような心のこもった表現に感銘を受けました。

前半の最後で歌ったダウランドの《暗闇に私は住みたい》はとても素晴らしく、途中のMy music・・・musicと歌うあたりでは心が高揚します。この暗い歌は静かに沈み込むように終わります。強い感銘を受けました。休憩後の後半が楽しみです。

期待の後半はとても素晴らしい歌唱が続きます。最初のダウランドの《もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ》は繰り返される甘いメロディーが完璧な歌唱で繊細に歌い尽くされます。最後のフレーズでのテンポを落とした見事な表現には正直、参ります。いやはや、心に沁みます。続く2曲目はダウランドの最も有名な《あふれよ、わが涙》・・・Flow my tearsです。耳馴染んだメロディーですが、イェスティン君の美しい声の響きが冴えわたり、悲しいメロディーに心がとろけてしまいそうです。圧巻の歌唱でした。やはり、生で聴くと素晴らしいですね。続くリュート・ソロの《ダウランドはつねに悲しむ》はダウランドのリョート曲を代表する1曲ですが、トーマス・ダンフォードの演奏の見事なことに圧倒されます。その3曲後に演奏されたリュート・ソロの《ラクリメ》はダウランドのリョート曲で最も有名な曲ですが、これまた素晴らしい演奏です。ダウランドの《涙もの》は泣かされるような名曲ばかりです。このリュート・ソロの後、休みなしで《悲しみよ、とどまれ》が歌い始められます。またしても、ダウランドの《涙もの》です。イェスティン君の繊細な表現力に感銘を受け続けます。そして、この日の最高の歌唱が最後に歌われたダウランドの《今、別れねばならぬ(蛙のガリアード)》です。いやはや、何とも素晴らしいとしか言えないイェスティン君の絶唱です。メロディアスな曲を美しく歌唱し、なおかつ、最後の決めの素晴らしさ。何もこれ以上望むところのない完璧とも思える歌声に感動します。

今日のプログラムは以下です。

  カウンターテナー:イェスティン・デイヴィス
  リュート:トーマス・ダンフォード

  ロバート・ジョンソン: あなたは見たのか、輝く百合を
  トーマス・キャンピオン: 淑女たちには用はない
  ロバート・ジョンソン: 安らぎをもたらす眠りよ
  ジョン・ダウランド: 前奏曲 – 夢 – ファンシー 【リュート・ソロ】
  ジョン・ダウランド: 愛の神の眼を閉じたこの不思議を見よ
  ジョン・ダウランド: 透明な涙よ
  ジョン・ダウランド: デンマーク王のガイヤルド【リュート・ソロ】
  ジョン・ダウランド: 彼女は私の過ちを許すだろうか
  ジョン・ダウランド: 暗闇に私は住みたい

   《休憩》

  ジョン・ダウランド: もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ
  ジョン・ダウランド: あふれよ、わが涙
  ジョン・ダウランド: ダウランドはつねに悲しむ 【リュート・ソロ】
  ジョン・ダニエル: 悲しい雰囲気は
  トーマス・キャンピオン: 雨風にもまれた船が
  ジョン・ダウランド: ラクリメ(涙)【リュート・ソロ】
  ジョン・ダウランド: 悲しみよ、とどまれ 
  ジョン・ダウランド: 今、別れねばならぬ(蛙のガリアード)

   《アンコール》

  エリック・クラプトン:Tears in Heaven <リュート・ソロ>
  ダルツァ:Calata <リュート・ソロ>
  ヘンデル:オラトリオ「サウル」より“おお主よ、あなたの慈しみは限りなく”

アンコールはイェスティン君の英語がよく聞き取れず、推測で書いたものです。もしかしたら、違っているかもしれません。トーマス・ダンフォードのリュート・ソロが見事でした。


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上原彩子、衝撃のラフマニノフ@サントリーホール 2016.2.8

今日は浜松国際ピアノアカデミー・第20回開催記念コンサートシリーズ・東京公演と銘打ったコンサートに出かけました。実際の内容はピアノの上原彩子河村尚子、チョ・ソンジンの3人のガラ・コンサートのようなものです。最初に浜松国際ピアノアカデミーを代表して、ピアニストの中村紘子さんのご挨拶がありました。病気休業中と聞いていましたが、お元気なご様子で安心しました。彼女からは今日出演する3人の小さな頃のエピソードが紹介されて、大変興味深く拝聴しました。特に11歳の上原彩子がペダルにも足が届かない状態でショパンの24のプレリュードやバッハのパルティータ6番を弾き切った話には驚きました。天才とはそういうものなのですね。

最初は河村尚子がモーツァルトのピアノ・ソナタ 第12番を弾きます。どう弾くのかと思っていたら、完璧なテクニック、そして、ピュアーな響きでの演奏・・・しかも、実に深い内容の演奏です。あまりの素晴らしさにあっけにとられて聴き入っていました。河村尚子と言えば、前回、素晴らしいプロコフィエフの戦争ソナタを聴き、バリバリのテクニッシャンだと思っていましたが、古典ものを弾かせても、こんなに弾けるんですね。ある意味、無敵のようなピアニストです。ますます、これからが楽しみな人です。現在、saraiが上原彩子に次いで、注目しているピアニストでしたが、それはやはり、間違いではありませんでした。次回は山田和樹指揮バーミンガム市交響楽団と共演するラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を聴きますが、とっても期待できそうです。

次は今回のお目当てだった上原彩子の登場です。ラフマニノフの前奏曲(Op.32-5)とピアノ・ソナタ 第2番を弾きます。彼女のお得意のラフマニノフですから、とても期待していました。予習したのは、ホロヴィッツ(前奏曲とソナタ)とフィオレンティーノ(ソナタだけ)の二人の凄絶とも思える演奏。上原彩子は今日はYAMAHAのピアノを弾きます。それもいいかもしれません。ガンガンと弾くにはいいでしょう。まずは前奏曲ですが、この短い曲を実に静謐に演奏します。高域のタッチの美しい響きに聴き惚れます。なんとも美しい演奏。ホロヴィッツも美しい演奏でしたが、それ以上に雰囲気のある天国的な演奏です。前奏曲の響きも残るまま、ソナタに突入していきます。上原彩子らしい激しいタッチの演奏が始まります。燃え上がる火花のような激情に包まれたダイナミックな演奏です。それは時として静まりはしますが、ふつふつと燃える感情は消えることはありません。下降音型のパッセージに込められたラフマニノフの思いが上原彩子に乗り移ったかのように鬼気迫る演奏が続き、スリリングな第1楽章があっという間に終わり、また、休みなしに第2楽章が始まります。ラフマニノフのやるせない情感の音楽が見事に表現されていきます。情念に満ちた音楽は終盤、燃え盛っていきます。少し抑まったところで、いきなり、激しいタッチで第3楽章が弾き始められます。ラフマニノフの行き所のないようなやるせない感情が爆発していきます。抑まっては強まり、次第に激情にかられて、物凄い高揚感に満ちたフィナーレにはいっていきます。ある意味、暴力的とも思える音楽を超えた音楽。saraiの頭も真っ白になり、思わず、涙が滲んできます。フィナーレでは彼岸に飛ばされてしまいました。何というラフマニノフでしょう。でも、これがラフマニノフの真の音楽だったんですね。初めて理解できたような気がします。己のどうしようもない、やるせない気持ちと格闘し、それをピアノの鍵盤にぶつけたのがラフマニノフだったというのが上原彩子が伝えてくれたものです。音楽を創造するというのは、これほど自己との葛藤を乗り越えていかないといけないものだとは・・・絶句です。
上原彩子の演奏は実に衝撃的でした。彼女のピアノを長く聴いてきましたが、これがこれまでで最高の演奏です。しかし、彼女は上昇を続けていますから、これで終わることはないでしょう。どこまで上り詰めていくのは、恐ろしいような予感もします。

休憩後は注目のチョ・ソンジンの演奏です。昨年のショパン・コンクールを制した話題のピアニストを初めて聴きます。ですが、まだ、先ほどの上原彩子の衝撃的な演奏が頭に残っています。もしかしたら、チョ・ソンジンも聴いてしまったのかもしれません。ショパンのピアノ・ソナタ 第2番を弾き始めた彼の気合も凄いものです。よい演奏なのですが、少し、肩に力が入り過ぎたような感じもあります。微妙にタッチの美しさが損なわれているような感も否めません。ようやく美しい音楽が感じられるようになったのは第3楽章の中間部あたりからです。今日の彼の演奏で、ショパン・コンクールの覇者の実力を判断するわけにはいきませんね。もう一度、ちゃんと聴かせてもらいましょう。

残りのプログラムはお楽しみのプログラムです。モーツァルトの2台のピアノのためのソナタは河村尚子&上原彩子のお二人が楽しそうに演奏しました。名人の二人ですから、素晴らしい演奏ではありますが、まあ、完璧とまではいきませんね。第3楽章では河村尚子が脱線して、トルコ行進曲のフレーズをサービスしてくれたりします。楽しい音楽・・・ただ、それだけではあります。
最後は3人が1台のピアノに並んで、3人連弾です。滅多に聴けない珍しい曲が聴けて、これも楽しかったというところ。それでも、ロマンスはラフマニノフらしさが散りばめられていたのは流石。

ともかく、今日は上原彩子の凄さに圧倒されたコンサートでした。

今日のプログラムは以下です。

 浜松国際ピアノアカデミー 第20回開催記念コンサートシリーズ 東京公演

  ピアノ:上原彩子
  ピアノ:河村尚子
  ピアノ:チョ・ソンジン

  モーツァルト: ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調 K.332(河村尚子)
  ラフマニノフ: 前奏曲 ト長調 Op.32-5 (上原彩子)
  ラフマニノフ: ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op .36 (上原彩子)
  
   《休憩》

  ショパン: ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35 (チョ・ソンジン)
  モーツァルト: 2台のピアノ・ソナタ ニ長調 K.448 (河村尚子&上原彩子)
  ラフマニノフ: 6手のためのワルツとロマンス (河村尚子&上原彩子&チョ・ソンジン)

   《アンコール》 なし

次回の上原彩子はラフマニノフの前奏曲尽くしを聴きます。どんなラフマニノフを聴かせてくれるでしょう。


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       上原彩子,        河村尚子,  

ウィーンの路地散策:ランチはパラチンケンの専門店パラチンケンプファンドル

2015年6月24日水曜日@ウィーン/7回目

今日のランチを頂くお店のパラチンケンの専門店パラチンケンプファンドルPalatschinkenpfandlに到着。入口横の大きな窓の前に並べてあるプランターのイチゴがお出迎えです。

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お店に入ると思ったよりも小さなお店ですが、運よくテーブルが空いています。席に落ち着くと、なんと日本語のメニューを出してくれます。分かりやすくていいですね。

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でも、ランチメニューは日本語メニューにはなく、ドイツ語のメニューです。

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パラチンケンはクレープのようなもので、中にいろんなものが入っているのですが、中身によってお菓子にも食事にもなります。今日のランチメニューと2種類のパラチンケンの組み合わせをお願いします。
料理を待つ間は、日本語のメニューと一緒に渡された日本語版のウィーン昔話に目を通します。《女王と牛(ウィーンの女性たちが美しいわけ)》と題された物語です。面白いサービスですね。

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料理はまずスープ。定番のウィーン風のスープです。

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飲み物は配偶者は紅茶。

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saraiはコーラ。

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次は野菜サラダ。

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メインのパラチンケンです。なかなか食べごたえがあります。

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揚げてあるパラチンケンもあり、これはコロッケのような感じです。

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シャピニオンとタマネギを巻いたものがなかなか美味しかったのですが、オムレツのような感じです。

せっかくですから、甘いものも頂いてみましょう。メニューをお願いし、シシーSissiと名付けられた3種類の盛り合わせセットをチョイス。

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チョコレートとチーズとマジパン。イチゴとクリームも付いてきます。いずれも美味しいです。

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パラチンケン尽くしのランチを堪能しました。

ランチの後、腹ごなしにシュヴェーデンプラッツSchwedenplatzまで、また路地歩きです。


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ウィーンの路地散策:フライシュマルクト通り~グリーヒェン小路・・・夜はオペレッタ《伯爵夫人マリッツァ》

2015年6月24日水曜日@ウィーン/8回目

パラチンケンの専門店パラチンケンプファンドルPalatschinkenpfandlで美味しいランチを頂だいたので、腹ごなしにぶらぶらと路地散策めいたものを続けます。ですが、目的地はトラムの停留所シュヴェーデンプラッツSchwedenplatzという限定的な街歩きです。お店を出て、ケルナーホーフ小路Köllnerhofgasseを歩きます。すぐの角からはグラスホーフ小路Grashofgasseが右手に伸びています。この路地奥の建物には古そうな壁画が描かれています。面白そうな路地ですが、残念ながら行き止まりのようなので、そのままケルナーホーフ小路を進みます。

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ケルナーホーフ小路を少し進むと、立派な通りにぶつかります。フライシュマルクト通りFleischmarktです。ここで右に折れて、このフライシュマルクト通りを歩きます。フライシュマルクトとは肉市場という意味ですが、昔はこの辺りに肉市場があったそうです。13世紀頃のことです。現在は美しい建物が通りの両側に立ち並んでいます。通りの左側手前の3番地にある黒っぽくて印象的な建物は、1910年にアルトゥール・バロンによって建てられた後期分離派の建築だそうです。よく見ると、中はスーパー(Spar)になっています。歴史的な建築が今は庶民的なスーパーというのが現在のウィーンなんですね。

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その向かいの14番地に建っている建物も素晴らしい装飾のファサードです。これはネオバロックかなと思っていたら、これまた初期分離派の建築です。1899年にフェルディナンド・デームとフランツ・オルブリヒトによって建てられた商業ビル・アパートメントハウスです。ファサードを飾る2体の女性胸像と金の装飾は、確かに分離派の特徴を示しています。分離派建築はオットー・ワーグナーやホフマンだけではないんですね。

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隣の16番地の建物の中央にはトンネルが空いています。ドゥルヒガングのようです。もしかしたら、さっき行き止まりだと思ったグラスホーフ小路につながっているのかも・・・。まだまだ面白い路地歩きができそうですね。でも、ここでは寄り道はしません。

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フライシュマルクト通り9番地の先はグリーヒェン小路Griechengasseの入口辺りの広場になっていて、レストランの綺麗なテラス席が見えます。賑わっている一角です。

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その先の13番地には、外観が目を惹く聖三位一体ギリシャ教会(ギリシャ正教会)Griechenkirche zur heiligen Dreifaltigkeitが建っています。現在の建物は、18世紀末からあったギリシャ教会をアテネのギリシャ建築家テオフィル・フォン・ハンセンが1856年から1858年にかけて改築したものです。ウィーンでは最初のビザンチン様式の教会建築です。もともとこの辺りはオリエント貿易を営むギリシャ商人が多く住んでいた地区で、グリーヒェンフィアテルGriechenviertel と呼ばれていました。ちなみに建築家テオフィル・フォン・ハンセンと言えば、リンク通りの国会議事堂や楽友協会の建物も建てた重要な人物です。

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このギリシャ教会の手前にあるグリーヒェン小路に入ります。路地の右手には、有名なウィーン料理店グリーヒェン・バイスルGriechenbeislの入口が見えます。ベートーヴェンやシューベルトも通ったという由緒あるお店ですね。以前、saraiも食事の折、有名人のサインのある部屋を見せてもらいました。

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グリーヒェン小路を抜けると、このグリーヒェンフィアテル地区にあるもうひとつのギリシャ正教会のゲオルク教会Sankt Georgkircheにぶつかります。

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その横の小さな階段を下ります。階段下からグリーヒェン小路をふりかえって見上げたところです。

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これで、今日の散策は終了。リング通りを南から北に突っ切る散策になりました。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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旧市街を端から端まで散策しました。これにて終了とし、ホテルに戻りましょう。シュヴェーデンプラッツでトラムに乗って、リンク通りをグルリと周って帰ります。リンク通りを走るトラムから、ベルゼBörse(証券取引所)の建物を眺めます。明日見るベルクのオペラ《ルル》の中で、殺される前にシェーン博士が向かうのがこのベルゼなので、見ておかないとね。この建物も、先ほどの聖三位一体ギリシャ教会を改築した建築家テオフィル・フォン・ハンセンが1870年から1877年の間に建築したものです。

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トラムがベルゼの前を通り過ぎていきます。

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今回の訪問での路地歩きでだいぶんウィーンに詳しくなったような気がします。次はいつウィーンに来れるでしょうか。

いったんホテルで休息して、夜はフォルクスオーパーVolksoperに出かけます。オペレッタ《伯爵夫人マリッツァ》を見ます。これがチケット。かぶりつきではありませんが、2列目のsarai好みの席です。

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中央正面ですから、舞台も近いですね。

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真横にはバルコン席がそそり立っています。

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オペレッタ《伯爵夫人マリッツァ》は充実した公演です。
これはケスラーが演じる伯爵夫人マリッツァとエダーが演じるジュパン男爵です。

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これはプロハスカが演じるタシロ伯爵です。(左側の人物)

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これはフォルクスオーパー総裁のロベルト・マイヤー。ここの舞台には欠かせない人ですね。

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このオペレッタ《伯爵夫人マリッツァ》の詳細記事はここです。

これで今日の日程は完了。ウィーンの日程も完了です。

明日はアムステルダムに飛んで、3度目の正直で遂に国立美術館でフェルメールを見ます。そして、夜はベルクの遺作のオペラ《ルル》です。


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御礼:ランキング最高順位 達成!!

本日、ブログランキングの最高順位を更新しました。

何と、11位ですっ!!!

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瞬間的な記録には過ぎませんが、ようやく、目標の10位以内も近づいてきました。

読者の皆様にお礼を申し上げるだけでなく、今後ともよろしく応援いただくよう、お願いします。

記念にぽちっとクリックして投票してくださいね。

では、今日の記事へどうぞ。


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ウィーンからアムステルダムへひとっとび

2015年6月25日木曜日@ウィーン~アムステルダム/1回目

旅の7日目です。

今日からは、ウィーンに別れを告げて、オランダ編の開始です。オランダのアムステルダムで今日と3日後の2回、ベルクの遺作のオペラ《ルル》を聴くのが主たる目的で、4日間滞在します。その4日間を最大限に活用して、大いに楽しむ予定です。その後はベルギーに向かいます。
今回の旅の移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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今日はこのルートの中での、ウィーンからアムステルダムへの空路での移動です。


ウィーン最後の朝は、雲ひとつない青空です。ようやく好天になったのにウィーンを離れるのはちょっと残念な気分です。が、こんな青空だと暑くなるでしょう。ウィーン滞在中は曇り空で涼しく、雨にも降られなかったのだから良しとしましょう。

ちゃんと早起きして、シュヴェヒャート空港Flughafen Wien-Schwechatに向かいます。ホテル近くのレンヴェーク駅Wien RennwegからSバーンの電車1本で空港まで行けます。なんとも便利なホテルでした。
空港は混んでいます。既にwebチェックインは済ませ、ホテルで搭乗券もプリントしてあります。搭乗手続きは不要です。

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しかし、せっかくwebチェックインしてあったのに、荷物を預けるのにかなり並ばされます。荷物を預けた後、どうしてこんなに歩かせるのかしらと腹立たしくなるほど歩きに歩いて搭乗口に到着です。お土産物として買うものもなく、これでよかったのかな・・・と思いながら搭乗を待ちます。

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窓辺に寄ると、搭乗予定の飛行機が見えそうです。

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窓に張り付くと、出発準備中の飛行機が見えます。

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飛行機の全体を眺めるために別の窓に移動します。今度は頭が見えませんが、その後ろは全部見えます。尾翼のKLMのマークが印象的です。

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搭乗が始まり、ボーディングブリッジの中を歩きます。モニターカメラでとらえた飛行機周辺の映像を、ここでチェック中です。準備状況をチェックしているんですね。

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主翼後方の席に座ります。もちろん、配偶者は大好きな窓際の席です。彼女はここから外を眺めるのが趣味なんです。

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今日は絶好のフライト日和です。ほとんど雲も見えませんね。

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KLM機はほぼ満席で飛び立ちます。オーストリアの美しい緑の田園がぱーっと目に入ってきます。ああ、これで今年のウィーンともお別れだなと感慨が胸によぎります。

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眼下に広がる風景は美しく冴え渡り、ますます心に沁みてきます。

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麦秋と緑の畑のパッチワークが綺麗です。さらば、ウィーン・・・この美しい風景は心の中にしまい、再び訪れる日を楽しみに待ちましょう。

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快晴のフライトは順調に続き、眼下の景色は遠く靄っていきます。

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やがて、ドナウ川が見えてきます。ドナウ川にもお別れです。

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蛇行するドナウ川が見えています。どうやら、今回の旅の最初の日に訪れたヴァッハウ渓谷の辺りですね。川辺の町はクレムスKremsのようです。

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深く蛇行するヴァッハウ渓谷がよく見えます。蛇行の始まるあたりがデュルンシュタインの町のようですが、小さな町の姿はなかなかとらえられません。

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スナック菓子と飲み物のサービスの後はぐっすりお休み。だいぶんお疲れです。今日は早く起きたしね。

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目が覚めると、眼下にはオランダらしい運河の町が見えています。

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飛行機は高度を下げて、間もなく着陸のようです。

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快晴のスキポール空港Luchthaven Schipholに到着です。空港はものすごく混んでいます。そろそろ夏休みなのかな。空港の中には、いかにもオランダらしいチューリップの球根のお店があります。

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預けた荷物を無事にゲットして、空港のショップの間を歩いて外に向かいます。

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バスに乗ってアムステルダム市内に向かいますが、その前に難関のOVチップカールト(プリペイドカード)へのチャージを済ませないといけません。


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アムステルダムで美術三昧:ホテルへ到着・・・早速、シーフードランチ

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/2回目

スキポール空港Luchthaven Schipholに到着しましたが、まずは足の確保です。アムステルダムAmsterdamとオランダ国内の移動はすべて、プリペイドカードのOVチップカールトを使います。一昨年来たときに作ったOVチップカールトを、しっかり持ってきました。これにお金をチャージして使います。そのために空港内の鉄道駅近くにやってきました。空港内は人であふれかえっています。

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自動チケット販売機の前も長蛇の列です。OVチップカールトにチャージする機械を見つけられず、インフォメーションで教えてもらいます。OVチップカールトにチャージする機械の前はそれほど混んでいないので、少し並んで待ちましょう。

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それなりに列は進み、もうすぐsaraiの番です。

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saraiの番になりますが、案の定苦労します。なかなかチャージできません。

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後ろに並んでいたお姉さんが痺れを切らして、助けに入ります。おかげで無事にチャージ完了。ご迷惑をおかけしました。ごめんなさい。
さて、中心部のホテルに向かいましょう。空港内のバスターミナルに移動。一昨年も経験しているので、それなりに様子が分かります。

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十分な金額をチャージしたOVチップカールトを持って、バスを待ちます。

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前回利用した197番のバスを利用します。乗り換えなしで行けるので、大荷物を持っているときは便利なんです。バスの到着予定表示板を見ると、もうすぐ197番のバスがやってくるようです。

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待ち行列のほぼ先頭に立って、バスを待ちます。

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到着した197番のバスに乗り込みます。まずは忘れずにOVチップカールトでチェックインします。バスは、乗客が乗り込むとすぐに発車。座席は十分空いています。空港周辺の道路を走っていきます。

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広大な空港の周りをしばらく走ります。

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滑走路の飛行機が見えます。

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なかなか空港から離れられませんね。しばらくは空港関連のバス停を巡るようです。

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空港内の大駐車場の前にやってきます。おびただしい数の車が駐車しています。

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駐車場前のバス停に停車。KLMのキャビンアテンダントのお姉さんは、逆向きの空港に向かうバスを利用するようですね。空港関係者もここに車を停めて、バスを利用するようです。

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バスはようやく空港から抜け出して、下に見える高速道路に向かうようです。

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ところが高速道路に乗らずに一般道路を走り続けます。それでも一般道路にはしっかりバスレーンがあるので、バスは順調にビュンビュン飛ばせます。

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電車の線路と並行してアムステルダム市内に向かって走ります。

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やがて、アムステルダムの市内に近づきます。

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市内の住宅地を抜けていきます。

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低層の建物の間の並木道をバスは進みます。

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ようやく、ゴッホ美術館Van Gogh Museumや国立美術館Rijks Museumのあるミュージアム広場Museumpleinのバス停に到着です。saraiの降りるバス停はもうすぐです。

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ミュージアム広場の前をバスは走ります。広場の奥には国立美術館の建物も見えています。後で訪問する予定です。

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広場の前の通り、ファン・バールレ通りVan Baerlestraatを挟んだ向かいには、世界を代表するコンサートホールであるコンセルトヘボウHet Concertgebouwの建物も見えています。今回はここでのコンサートが聴けないのが残念です。

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最寄りのバス停(国立美術館前Rijksmuseum)に到着です。しっかりとOVチップカールトでチェックアウトしてバスを降車します。
バス停付近は、高層ではない3階建てくらいの可愛い街並みです。もちろん、ここオランダでは自転車がガンガン走っています。並木は美しいです。でも、路地に散らかるゴミが気になります。スペインの街の清潔さとは対照的ですね。少し歩いて、緑豊かなフォンデル公園Vondelpark前の環境のよいホテルに到着です。今日から4泊するホテル ピート ヘインHotel Piet Heinです。アムステルダムの建物は、入り口が階段を数段上ったところにあります。これがなかなか大変です。エレベーターもないしね。荷物を持ちあげて、よっこらしょとホテルのロビーに入ります。お洒落なバーカウンターが目に入ります。

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レセプションのお姉さんは、なかなかきびきびした愛想のよい人で、楽しいおしゃべりをしながらチェックイン完了です。

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宿泊する部屋はやや狭いですが、窓からは寛ぎの中庭が見え、なかなかよい感じです。ベッドも広くて気持ちよく寝られそうです。

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デスクもしっかりしていてPCでの作業もはかどりそうです。もちろん、無線LANもばっちりつながります。

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バスルームは綺麗でバスタブもちゃんとあります。

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荷物を部屋に放り込んで、すぐにお昼を食べに行きます。お隣が、シーフードのお店なんです。ホテルの受付のお姉さんも美味しさに太鼓判です。シーフードレストランSeafood Barです。本当に真っ白で明るい店内は今風で、大いに賑わっています。何とか席を確保できました。

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店内は奥に細長く続いており、その広い店内にぎっしりとお客さんがつめかけています。評判のお店のようです。期待できますね。

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お店のスタッフのお兄さんお勧めのシーフードの盛り合わせを、贅沢にもお願いします。
まずは白ワインを飲みながら料理を待ちます。

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だんだんとお腹が空いてきて、料理が待ち遠しいなあ。


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アムステルダムで美術三昧:美味しいシーフードランチを食べて、いざ、国立美術館へ

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/3回目

シーフードレストランSeafood Barでランチをいただこうとしているところです。白ワインを飲みながら料理を待っていると、まず美味しいフランスパンが出てきます。白ワインにとっても合いますね。ところでこのフランスパンはお洒落に袋に入れて出されました。余ったパンはそのまま持ち帰れますね。実際、ホテルに持ち帰りました。

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とっても豪華なシーフードの盛り合わせが運ばれてきます。蟹や海老が満載でとても美味しいです。

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かなり高価なランチになりましたが、シーフードを満喫できました。人気のレストランであることも納得です。
お店を出る際に、食材が並べられている冷蔵ケースを覗きます。いかにも新鮮そうなシーフードがいっぱいです。

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シーフードレストランSeafood Barの入口です。入店の際は急いでいたので写真を撮り逃していました。

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お店の前はファン・バールレ通りVan Baerlestraat。トラムの線路もあります。通りの両側に見えている緑の木々はフォンデル公園Vondelparkです。フォンデル公園は、このファン・バールレ通りを挟んで両側に広がっています。

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ファン・バールレ通り沿いには小さなお店が並んでいます。建物は低層のものが多いですね。これはアムステルダムの街の特徴でもあります。

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ちょっと所用のためにホテルに寄っていきます。これがホテル ピート ヘインHotel Piet Heinの正面の全景です。美しいファサードですね。

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ホテルの前にはファシウス通りVossiusstraatが続いています。通りの両側にはびっしりと車が駐車しています。まるで駐車場みたいですが、これはヨーロッパのどの街でもお馴染みの風景です。

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この駐車場もどきのファシウス通りは、緑濃いフォンデル公園に沿った通りです。公園は柵で隔てられているので、直接入れないのが不便ではあります。

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これはホテルの入口。通りから高い階段を上って入ります。

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部屋の窓から下を見下ろすと、中庭にはソファが並べられています。寛ぐのによさそうですね。中庭の先にあるガラス屋根の建物が、先程のシーフードレストランSeafood Barかな?

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いよいよ3度目の正直で、フェルメールやレンブラントを観賞しに国立美術館Rijks Museumに向かいます。並木の綺麗な裏通りを歩きます。裏通りも両側に車が駐車しています。

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表通りに出ると、通りの先に国立美術館の建物が見えてきます。

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ミュージアム広場Museumpleinに入ると、広場の向こうに国立美術館の建物が威容を誇っています。

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広場は多くの人たちで賑わっています。お疲れモードでベンチで休んでいる人もいますね。

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国立美術館の建物に近づいてきましたが、この大きな建物はその全容を写真に収めきれません。

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国立美術館の建物の真ん前まできました。煉瓦で装飾された壁面、柱に埋め込まれたような芸術家の彫像、アーチの連なる入口空間・・・さすがに歴史ある建造物です。

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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。

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建物の入口を入ると、美術館ロビーが下に見下ろせます。吹き抜け構造の明るい空間です。

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上を見上げると、ドームのような屋根がガラス張りになっていて、燦々と光が降り注いでいます。

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この国立美術館は本当に長い間、改装のために閉館してたのです。それで、これまでに2回訪問しましたが、その度にに入れませんでした。今日は意外にそんなに人が多くはないようです。

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混み合っているだろうと思いネットでチケットを購入してありますが・・・空いてる! チケット売り場には1人も並んでいません。館内はそれなりに賑わっていますけどね。システムがよいのかしら。

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これがネットで購入したEチケットです。

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インフォメーションカウンターで館内の案内ガイドをもらって入場します。案内ガイドは日本語版があります。

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さて、入口はどっちでしょう。いくつかの入口があるようです。


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アムステルダムで美術三昧:国立美術館の傑作はフェルメールとレンブラントのこの5点

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/4回目

いよいよ国立美術館Rijks Museumに入りますが、入口を見定めます。こっちかな。

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Eチケットを見せて入口を抜けます。まず見たのはこれ。これって作品? 時間は合っているので、時計の役割もはたしています。

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多くのいろんな作品がありますがそれらは後回しにして、まずはお目当ての作品を鑑賞しましょう。
お目当てのフェルメールとレンブラントは2階にあります。直行です。すぐに発見できて十分に余裕を持って鑑賞することが出来ます。美術館内は写真撮影OK。さすがに太っ腹ですね。

これは誰でも知っているレンブラントの《夜警》です。美術館のスタッフが腕を組んで見張っています。お陰で絵の大きさがよく分かります。

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今度はスタッフを外して、絵に焦点を合わせてちゃんと撮影。遂に本物を見ました! 今更、絵の内容がどうのこうのとコメントする必要はありませんね。レンブラントが人生の絶頂期に描いた集団肖像画の傑作です。レンブラントは36歳。この絵が描かれた1642年はアムステルダムも繁栄の絶頂期を迎えていました。色んな意味で記念碑的な作品です。ところで本物の絵を見ればはっきりと分かりますが、題名の《夜警》という名称に反して、この絵はお昼の場面が描かれたものです。大がかりな洗浄作業が行われる前は煤で表面のニスが汚れていたために、夜の場面と誤解されていました。

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レンブラントの次は、もちろんフェルメール。本来は先にフェルメールを見るのがsaraiの趣味ですが、巨大な《夜警》の絵が先に目に入ってしまったこととフェルメールの絵は既に日本で鑑賞済だったためです。

これはフェルメールの最高傑作の《牛乳を注ぐ女》。saraiの大好きな絵です。フェルメールの絵では、《デルフトの風景》と並んでsaraiの一番のお気に入り。見るのは2度目ですが、日本で見たときと違ってゆっくりと観賞することができます。永遠の時を切り取ったような超名作です。静止画にもかかわらず、まるで動画のように注がれる牛乳の流れは動きを感じます。それでいて画面の静謐さはどうでしょう。静と動・・・あらゆる美がびっしりと詰められた最高の絵画です。じっくりと見入ってしまいました。この1枚を見るだけでも、この美術館に足を運ぶ価値があります。

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この美術館にはフェルメールはもっともっとあります。これは《恋文》です。フェルメールの絵画で手紙は定番です。当時は郵便制度が整備されたこともあって、絵画の重要なテーマになりました。それにしても、したり顔の召使女を描かせたら、フェルメールの右に出る人はいませんね。絵画の中にドラマを感じさせるのもフェルメールならではの手法です。

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フェルメールは続きます。これも素晴らしい風景画の《デルフトの小路》です。デルフトの街でこの絵が描かれた場所を探し回ったことを思い出します。この辺りという所には行きましたが、結局は《ここ》という確信は得られませんでした。きっと、絵の中にすべてがあるんでしょう。

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もう1枚、フェルメールがあるはずです。《手紙を読む青衣の女》です。美術館のスタッフにも聞きましたが何故か「ないよ」というすげないお答えです。残念ですね。

これでもう、この美術館に来た目的は果たしたようなものです。
あっ、もう1点、絶対に見逃せない作品がありました。
レンブラントの《ユダヤの花嫁》です。レンブラント晩年の名作です。saraiの趣味では《夜警》よりもずっと好きな作品です。2人の情愛あふれる姿が静謐に描き出されています。こういう優しい愛の形はとてもいいですね。

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アムステルダム国立美術館の最高の5枚をご紹介しました。今回はここまでにしておきましょう。ゆっくりとこの5点の名画を味わってください。


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アムステルダムで美術三昧:国立美術館はレンブラントだらけ!!

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/5回目

アムステルダム国立美術館Rijks Museumの至宝、フェルメールとレンブラントの5作品を鑑賞しました。これでこの美術館に来た目的は果たせたようなものですが、それ以外の作品も見てまわりましょう。
まずはレンブラントの残りの作品を見ましょう。

レンブラントの《トビトとアンナ》です。1626年、レンブラント20歳頃に描かれた作品です。若きレンブラントが最も初期に描いた作品の一つです。旧約聖書外典≪トビト記≫から題材を取って描いた見事な作品です。老人が己の猜疑心を悔やんでいる様子が迫真のタッチで表現されています。こういう素晴らしい作品を見るにつけ、やはり、レンブラントは天才だったと感嘆してしまいます。

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レンブラントの《自画像》です。1629年、レンブラント23歳頃に描かれた作品です。同時期に同一構図で描かれた作品がミュンヘンのアルテ・ピナコテークにも所蔵されています。よほど気に入った作品、あるいは自信作だったのでしょうか。若きレンブラントの強い眼差しが印象的です。この時期、何も恐れるものはないという意思が見てとれます。

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レンブラントの《幻想的な衣装の若い女性(サスキア)》です。1633年、レンブラント27歳頃に描かれた作品です。これも厳格な肖像画ではなく、妻サスキアを描いたトロニーです。レンブラントの愛情あふれると感じてしまうのは皮相的な印象でしょうか。

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レンブラントの《ヨハネス・ウエンボールトの肖像》です。1633年、レンブラント27歳頃に描かれた作品です。実にうまいとしか言えません。

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レンブラントの《肖像(Haesje Jacobsdr. van Cleyburg)》です。1634年、レンブラント28歳頃に描かれた作品です。しっかりと描かれてはいますが、晩年の内面性に比べると外面的な美しさが目立つように感じます。

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レンブラントの《オリエント風に装った男》です。1635年、レンブラント29歳頃に描かれた作品です。注文されて描かれた肖像画ではなく、モデルを雇って描いた「トロニー(顔)」と呼ばれるものです。いわば、自分の実力を誇示するための宣伝用の絵画みたいなもののようです。実際、自信に満ちた素晴らしい作品ではありませんか。それでも一時、この作品は真作ではないと疑われるほど、レンブラントは贋作や工房作品や他人の作品が紛れ込むことが多い画家です。それほど作品数も膨大なんですね。

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レンブラントの《マリア・トリップの肖像》です。1639年、レンブラント33歳頃に描かれた作品です。20歳の商人の娘を描いたものです。レンブラントが描いた女性の中では最も美しいのではないでしょうか。光り輝くようです。結構、sarai好みの絵画です。

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レンブラントの《修道士に扮するティトゥス》です。1660年、レンブラント晩年の54歳頃に描かれた作品です。モデルのティトゥスはレンブラントの息子です。愛妻サスキアが残した最後の子供です。ここでも晩年のレンブラントの冴えた筆が修道士の精神性を見事に描き出します。

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レンブラントの《アムステルダムの織物商組合の見本調査官たち》です。1661年、レンブラント晩年の55歳頃に描かれた作品です。レンブラントが描いた最後の集団肖像画です。《夜警》を描いてから約20年経っています。《夜警》の外面的な革新性に比べると、表現はおとなしくなっているものの、人物の内面に踏み込みつつ、画面の緊張感を盛り上げる大人の革新的表現が見事に感じられます。

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レンブラントの《聖パウロに扮した自画像》です。1661年、レンブラント晩年の55歳頃に描かれた作品です。生涯に渡って描き続けた自画像でも内面的な表現がより深まってきています。そういう意味の芸術性が高まることと反比例するように世間からの人気・評判は凋落の一途だったのは皮肉なことです。これはすべての先進的な芸術家の宿命でもありますね。

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レンブラントの歴史画《クラウディウス・キウィリウスの謀議》です。1662年、レンブラント晩年の56歳頃に描かれた作品です。ストックホルム国立美術館の所蔵品ですが、2014年3月21日から一時的に借り受けて、展示しているそうです。この歴史画はアムステルダムの新市庁舎を飾るために注文を受けた大作でした。しかし、ダム広場の新市庁舎に短期間展示されただけで画家に突っ返されます。その内面的な表現が理解されなかったと言われています。報酬も支払われなかったそうです。この作品が結局はスウェーデンに渡ってしまった経緯は謎のようです。晩年のレンブラントの不遇を象徴するような話ですが、遂にここアムステルダムに一時的にせよ、この絵が戻ってきたのはレンブラントの面目躍如ですね。

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既にご紹介した2作品を加え、ここに紹介しただけでレンブラントは13作品もこの国立美術館にあります。凄いですね。それも傑作揃いです。
次回はレンブラント以外の作品をご紹介して、国立美術館の鑑賞を終えます。


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アムステルダムで美術三昧:国立美術館って、作品はこれだけ? 夜はオペラ《ルル》

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/6回目

アムステルダム国立美術館Rijks Museumの作品群を見ていきます。ここまで、フェルメールとレンブラントを見てきました。ここからはそれ以外の作品を見ていきます。

フランス・ハルスとピーテル・コッデの《痩せた警備隊(分隊長レイニール・レアルと副官コルネリス・ミヒースルゾーン・ブラーウの部下たち)》です。 1633-37年頃、ハルス51歳~55歳頃に描かれました。もっともハルスはほぼ左半分だけを描き、残りの右半分はコッデが完成させました。ハルスはハーレム以外の地では絵の注文を受けず、例外的にこの絵だけがアムステルダムからの注文でした。絵の注文主はアムステルダムで絵を完成させるようにハルスに求めましたが、ハルスが拒否したため、最後はコッデが絵を完成させたということになりました。いずれにせよ、これぞ集団肖像画という作品ですね。

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バルトロメウス・ファン・デル・ヘルストの《ルロフ・ビッケル隊長とヤン・ミヒールスゾーン・ブラエーウ副官とその士官達》です。 1639年頃、ヘルスト26歳頃に描かれました。ヘルストはレンブラントと同時期にアムステルダムで活躍した画家です。特にレンブラントの人気凋落期には流行の肖像画家としての地位を獲得していきました。ヴァン・ダイク風のスタイルが人気を博したようです。とても大きな作品です。《夜警》の近くには集団肖像画が並んでいますが、ひときわ目立ちます。

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ハルスの《陽気な酒飲み》です。1628-1630年頃、ハルス46歳~48歳頃に描かれた作品です。いかにもハルスらしい作品で、彼の代表作の中の1枚です。ハルスは明日、彼の地元であるハーレムを訪れて、フランス・ハルス美術館で彼の作品をたっぷりと鑑賞する予定です。

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ヘダ・ウィレム・クラースの《鍍金した酒杯のある静物》です。1635年頃、ヘダ41歳頃に描かれた作品です。ヘダは、17世紀オランダ絵画黄金期において流行したモノクローム・バンケッチェ(モノクローム風の晩餐図)の画家です。恐ろしいくらい緻密に描かれています。

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国立美術館は建物自体も見事です。美しいステンドグラスにも見とれてしまいます。

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美術館にも壁画があるんですね。これって、美術作品なんでしょうか。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《王子ウィレム2世と メアリー・スチュアート》です。1641年、ヴァン・ダイク42歳頃に描かれた作品です。英国王室の宮廷画家ヴァン・ダイクによって、オランダ総督のオラニエ家の王子ウィレム2世(15歳)と英国王チャールズ1世の長女メアリー・スチュアート(10歳)の結婚を記念して描かれた作品です。オラニエ家からの注文によるもので、オラニエ家としては英王室との結婚を喧伝する意図があったようです。しかし、この夫妻は若くして(ともに20代)亡くなったそうです。その長男はウィリアム3世として、英国王になりました。さすがにヴァン・ダイクの筆は冴え渡っていますね。

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ヘンドリック・アーフェルカンプの《スケートをする冬の風景》です。1608年、アーフェルカンプ23歳頃に描かれた作品です。アーフェルカンプは17世紀のオランダ画派最初の風景画家の1人であり、当時流行した冬景色を得意とした画家たちの1人です。この作品もまさしく、そういう作品の代表的なもの。ちょっと見るとブリューゲルっぽいですが、よく見ると比べるべくもありません。

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ここにもゴッホがあるのでびっくりです。ゴッホは後日、ゴッホ美術館でたっぷりと鑑賞する予定です。

ゴッホの《下生え》です。1887年、ゴッホ34歳頃に描かれた作品です。この年の夏に暑いパリを離れて、ピサロやシニャックとともにパリの北西のセーヌ川近くで描いたものです。

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ゴッホの《カラフェとレモンの乗った皿》です。1887年、ゴッホ34歳頃に描かれた作品です。パリ時代、印象派やジャポニズムを吸収していたころの静物画。

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ゴッホの《自画像》です。1887年、ゴッホ34歳頃に描かれた作品です。パリ時代、既に彼の画風は確立しつつありましたが、この自画像の完成度は素晴らしいですね。

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ゴヤの《ドン・ラモン・サトゥの肖像》です。1823年、ゴヤ76歳頃に描かれた作品です。モデルは友人だった裁判官です。2011年にこの絵画がニュースになりました。X線で調べたところ、この絵の下に別の未完成の絵が隠されていたということです。政治的な理由でゴヤはその未完成の絵を隠したと言われています。絵に描かれていたのはジョーゼフ・ボナパルト、ナポレオン・ボナパルトの兄で1808年から1813年までスペインの王でした。ナポレオン没落後、ゴヤはフランスと距離を置こうしたそうです。絵画にも色んな物語があるものですね。

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最後にとても素晴らしい絵画が待っていました。

カルロ・クリヴェッリの《マグダラのマリア》です。1475年頃、クリヴェッリ45歳頃に描かれた作品です。クリヴェッリはイタリアのルネサンス初期の画家です。この作品はクリヴェッリの代表作で、金箔を施した黄金地のパネルに石膏地の浮彫や打刻文様などの工芸的な技法で、精緻を極めた表現によって、宗教画にもかかわらずエロティシズムに満ちた作品になっています。クラナッハを思い起させるとも言えますし、さらには数百年後のクリムトの出現も予感させるような素晴らしい絵画作品です。もっと喧伝されて然るべき傑作です。

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これにて鑑賞を終了。絵画は意外に少なくて装飾品が多いです。それに、ルートがわかりづらく大変です。でも、作品は少なくても珠玉の傑作があり、楽しめました。

美術館を出るときにチケット売り場を見ると、がらがらに空いています。明日、ハーレムのフランス・ハルス美術館で購入予定だったMuseumkaartをここでゲットしましょう。

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Museumkaartは1人59.90ユーロで、1年間多くの美術館が無料入館可能になります。それもアムステルダム市内だけでなく、オランダ国内すべて有効です。美術館以外の施設にも使え、とてもお得なカードなんです。カードはこういう封筒に入っています。

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ガイドマップもいただけます。

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つい時間を忘れて、絵に見入ってしまいました。お蔭でホテルでほとんど休む間もなく、夜のオペラ《ルル》に出かける羽目に。
これがネーデルランドオペラの本拠地ミュージックシアターMuziektheaterです。現代的な建物です。

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もうぞろぞろと入場中です。

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今日の演目はベルクの遺作オペラ《ルル》。扇情的とも思える画像での宣伝ですが、これは実際の内容とはまったく関係なし。一体、何でこういう無関係な画像を流すんでしょう。

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チケットはネットで購入して、自宅プリンターで印刷したものです。かぶりつきの最前列です。

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今日朝早くウィーンから移動して、休みなしで若干頭がぼーっとした状態ではありますが、それでも長時間のオペラは素晴らしいオーケストラと歌手のアンサンブルで感動しました。このオペラ《ルル》の詳細記事はここです。

まだまだ音楽三昧は続きます。おやすみなさい。


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ジャニーヌ・ヤンセン ヴァイオリン・リサイタル@紀尾井ホール 2016.2.17

昨年、ユトレヒト音楽祭で室内楽の演奏を聴かせてもらったジャニーヌ・ヤンセンが来日リサイタルを開くというので紀尾井ホールに足を運びました。ちなみにオランダのユトレヒト音楽祭はジャニーヌ・ヤンセンが音楽監督を務めています。ユトレヒト音楽祭では教会での演奏でもあり、ジャニーヌ・ヤンセンは地味な装いでしたが、今日はドレッシーな黒い衣装をまとい、美しさが際立っていました。


前半はブラームスとバルトークのソナタ。特に期待していたのはバルトークです。まず、ブラームスはなかなかロマンティックで繊細な演奏なのですが、ホールにヴァイオリンが響き渡らない感じで少々インプレッシブさが不足する感じです。バルトークもソフィスティケイトされた演奏なのですが、野性味に欠けるというか、変な言い方かもしれませんが、前衛さが感じられないという思いに駆られます。若手の演奏家なのですから、もっとバリバリと弾いてもらいたいと思います。もっとも、こういう繊細な演奏はかぶりつきで聴かないと正当な評価は難しいかもしれません。微妙なところです。

前半は若干欲求不満気味でしたが、後半は硬さがとれたよい演奏です。最初のバルトークのルーマニア民俗舞曲はストレートな表現でばりばりと弾きこなしていきます。こうでなくっちゃね。エンターテインメント性の高い演奏ではありますが、それはそれで楽しめます。次のクライスラーは《愛の悲しみ》以外は耳馴染みのない曲なので、もうひとつピンときません。素晴らしかったのはファリャのスペイン舞曲。すかっとする乗りのよい演奏。胸のすくようなヴァイオリンの響きで圧巻の演奏。これくらい思いっきり、切れ込んだ演奏をしてくれれば、何を言うこともありません。

後半のプログラムがまるでアンコール曲のような小曲で構成されていたので、一体、アンコールはどうするのかと思っていたら、ちゃんとアンコール曲は用意されていました。1曲目はそれこそ前衛的な曲ですが、素晴らしい気迫に満ちた演奏です。これはルトスワフスキのスビト。ルトスワフスキが人生の最後に完成させた音楽だということです。最後まで刺激的な音楽を描き続けたんですね。いいものを聴かせてもらいました。アンコールの最後はフォーレの《夢の後に》。うっとりするような美しい演奏。心に沁みるようなしみじみとした表現です。リサイタルを閉じるのにふさわしい音楽です。この日、一番心に響いた素晴らしい演奏でした。最後がよければ、満足です。

今日のプログラムは以下です。

  ヴァイオリン:ジャニーヌ・ヤンセン
  ピアノ:イタマール・ゴラン

  ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.100
  バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第2番 BB.85 / Sz.76
  
   《休憩》

  バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 BB.68 / Sz.56
  クライスラー:ウィーン小行進曲
  クライスラー:愛の悲しみ
  クライスラー:シンコペーション
  ファリャ/クライスラー(編):歌劇「はかなき人生」第2幕 スペイン舞曲第1番
  ファリャ:7つのスペイン民謡より(第1曲~第6曲)

   《アンコール》

  ルトスワフスキ:スビト
  フォーレ:夢の後に


今日はNHKのTV収録がありました。放送予定は決まっていないそうですが、きっとBSのクラシック倶楽部での放映でしょう。とすれば、55分枠でのリサイタルを抜粋した放映になるでしょうが、絶対にアンコール曲2曲は外さないでね、NHK殿。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ハーレム~ライデンの1日:アムステルダム中央駅からハーレムへ

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/1回目

旅の8日目です。

アムステルダム2日目。薄い雲はかかっていますが、雨の心配はなさそう。今日は1日観光モード。アムステルダム近くの古都を巡ります。ハーレムとライデンです。せっかくのお出かけですから、それなりの時間には出かけないとね。8時には起床。身支度を整えて出かけましょう。部屋から外を眺めていた配偶者が、お隣のシーフードバーの高窓を掃除している人を見つけます。オランダ人は朝早くからよく働きますね。

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朝のアムステルダムは、大人も子供も自転車でお出かけです。オランダの自転車大国ぶりにはいつ来ても驚かされます。

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大通りに出ると、自転車の大群がまさに風を切って凄いスピードで走り抜けていきます。気を付けて歩かないと自転車に轢かれそうです。

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アムステルダム中央駅Amsterdam Centraalまでトラムで向かいます。途中で見かけた通り沿いの建物は真っ赤な花で綺麗に飾られています。

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20分ほどで中央駅に到着。駅の構内への入口には、まるで自動改札口のようにOVチップカールトのチェックイン機が並んでいます。これではチェックインを忘れることはありませんね。

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チェックインの前にやっておくことがあります。OVチップカールトのアクティベーション(有効化)です。バスやトラムはこのアクティベーション(有効化)は不要ですが、NS(オランダ国鉄)に乗車する前には、このアクティベーション(有効化)を行って、ファーストクラスとセカンドクラスのどっちを利用するかを設定しておく必要があります。今回のオランダ国内移動は近距離なので、セカンドクラスを利用するつもりです。しっかりと自動券売機でこのアクティベーション(有効化)をやります。

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電車に乗りましょう。さてどの電車に乗ろうかと考えていると、案内人がいます。若くて感じのよさそうな2人組です。

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ハーレムまで行きたいんだけど・・・というと、最速の3分後の電車を教えてくれます。なんとも慌ただしいですが、せっかくだからそれに乗りましょう。急いでホームに移動し、無事に乗車できました。2階席に座ります。窓からはホームを覆う大天蓋が見えます。

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天蓋のガラス屋根を通して明るい光が差し込んできます。

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朝ごはんをゲットしようと思っていたのですが、あまりの早い展開で買い損ねました。手持ちのものをつまみながら朝食代わりにします。アムステルダム中央駅を出発した電車は、美しい水面に沿って走ります。

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今度は美しい牧草地の中を走ります。広大な草原の中で牛が草を食べています。

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牧草地の向こうには風力発電ユニットが見えます。いかにも環境先進国の雰囲気がありますね。

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見慣れたお店も見えます。IKEAです。どこにもありますね。

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窓の外の風景を楽しむうちに、アムステルダム中央駅からICは15分でハーレム駅Haarlemに到着。構内の連絡道を歩いて移動。

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構内からの出口にはチェックアウト機があります。忘れずにOVチップカールトのチェックアウト。

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チェックアウトして出たところで振り返って、駅の構内を眺めます。

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OVチップカールトでNSを利用するのは初めてなのでちょっと不安になり、自動券売機でOVチップカールトの状況をチェック。アクティベーション(有効化)もチェックイン/チェックアウトもうまくいったようで一安心です。他国の交通システムは慣れるまで一苦労です。

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ハーレム駅の外に出ます。これが駅のファサードです。煉瓦作りの古い雰囲気がいいですね。

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駅前の通りをバスが走っています。

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駅前の通りを右の方に向かって歩きます。そこから駅の建物を振り返ります。駅舎の2本の塔が面白いですね。何のための塔なんでしょう。

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古い駅舎に続いて、比較的新しい駅ビル(高さは低い)が並んでいます。

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その駅ビルにはお店が並んでいます。予定より早めの到着なので、コーヒーくらい飲んでいきましょう。駅ビルのコーヒーショップへ。コーヒーをお願いすると、「サイズは、ストロング?レギュラー? 僕はストロングマン!」と面白いお兄さん。レギュラーをお願いして、写真をパチリ。

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駅のコーヒーショップでおどけたスタッフとじゃれあいながらカプチーノをいただき、楽しい旅の気分になります。

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コーヒーの後はいよいよ散策開始です。


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ハーレム~ライデンの1日:ハーレムの路地散策を開始

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/2回目

ハーレム駅前のコーヒーショップで楽しい一時を過ごした後、ハーレム駅前からハーレム散策の開始です。

駅前の広場にはバスがずらりと並んでいます。バスに乗ってもいいのですが、街の中心までは歩いても10分強なので、ぶらぶら歩いていくことにします。

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バスターミナルの先にはちょっとした広場のスタションス広場Stationspleinがあります。広場の真ん中に男女の彫像が立っています。これは、スペインからの独立のために戦った80年戦争で活躍したハーレムの英雄達です。男性は、スペイン軍によるハーレム包囲戦(1572年~1573年)の折にオラニエ公ウィレムに忠誠を尽くして、8か月もの間ハーレムを守り抜いた市民軍のリーダーのWigbolt Ripperdaです。この包囲戦は結局、食料も物資も尽きてスペイン軍に降伏し、彼は囚われの身になった数日後にこれから向かうハーレムのグローテ・マルクト広場で打ち首になりました。女性は、材木商を営む傍ら、ハーレム包囲戦で女性グループのリーダーとしてスペイン軍と英雄的に戦ったKenau Simonsdochter Hasselaerです。2人は今でもハーレムで大切な存在のようです。

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駅前から伸びるバス通りのクライス通りKruisstraatを歩きます。なかなか素敵な街並みです。

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このクライス通りは、まるで自転車専用の道のように見えます。先程バスは走っていきましたけどね。

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クライス通りに交差するランゲ・ヘーレン通りLange Herenstraatを見ても駐車している車は見えますが、やはり走っているのは自転車だけ。歩行者は我々だけです。

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ようやく歩行者とすれ違います。先の交差点ではバスも見えます。自転車以外が見えるのが稀です。

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パルクラーン通りParklaanとの交差点にさしかかります。樹木の生い茂っている公園通りです。

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交差点の信号が青になるのを待って横断します。バスも歩行者もいますね。

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通りの真ん中まで来ると、綺麗いなフラワーボックスもあり、まさに公園です。

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次にぶつかるのはオランダらしく運河です。

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運河にかかる橋を渡ります。

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これが左手の方に見えるニーウェ運河Nieuwe Gracht。運河沿いには立派な建物が並んでいます。

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こちらが右手に続くニーウェ運河。橋もいっぱい架かっています。

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橋の上から運河を眺めます。美しいですね。

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運河を渡って、さらにクライス通りを進みます。街の中心が近くなって、だんだんと賑やかになっていきます。

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オランダではお馴染みのスーパーのアルバート・ハインAlbert Heijnです。オランダ国内に700店舗ほどあるそうです。

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通りの右側にレンガ造りの古い切妻屋根の建物があります。こういう切妻屋根の建物がハーレム名物なんだそうです。美しい建物です。

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左手には美しい路地があります。ニーウェ・クライス通りNieuwe Kruisstraatです。路地にはオープンテラスのテーブルが並んでいます。

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オランダではデートも自転車ですね。

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ここでクライス通りを振り返ります。この辺りはタイル張りの綺麗な道になっています。古都の中心らしい町並みです。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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街の中心のグローテ・マルクト広場ももうすぐです。



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ハーレム~ライデンの1日:バルテルヨリス通りからグローテ・マルクト広場へ

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/3回目

ハーレムHaarlemのクライス通りKruisstraatを街の中心地に近づいています。と、何やら、街の中心には似合わないものを発見。通りの右手に美しい鉄柵で囲まれた一角があります。贅沢な邸宅の雰囲気です。何かの公的な施設なのでしょうか。

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鉄製の美しい門の中には綺麗な庭園とお屋敷が見えます。鉄製の門の上部には黄金で飾られた文字がデザインされています。調べてみると、ここはオランダの歴史的な「ホフィエHofje」の1つHofje van Oorschotでした。金文字は、その名称とここが造られた年号1769を示しています。オランダでは昔から、個人の慈善や慈善団体によって、高齢のために働けなくなった人(特に未亡人などの女性が対象となることが多い)のために慈善事業として救貧院が建てられました。救貧院といってもいろいろありますが、高齢者を対象にしているのが他の救貧院とは違っています。また、宗教施設でもありません。救貧院には必ず専用の中庭が付属しており、その建物の住人専用の中庭は「ホフィエHofje」と呼ばれます。ハーレムには21のホフィエがあるのですが、ここはアムステルダムの豪商だったWouterus van Oorschotが1768年の死亡時に遺言で財産を寄託して作られたホフィエで、Hofje van Oorschotという名称で呼ばれています。

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門の隙間から、よく中を覗いてみましょう。救貧院と言えば粗末な施設を想像しますが、中庭も建物も大変立派です。これもオランダの栄華の遺産なのでしょうか。

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ハーレムではホフィエの建物が近代的に建て替えられたものもありますが、そのひっそりとした入口などは当時のままだそうです。ホフィエは一般に公開されているので、季節ごとの庭園めぐりが楽しめるようです。ちなみにハーレムの主要なホフィエは以下の通り。左の数字は建てられた年号です。

1395 - Hofje van Bakenes / de Bakenesser kamer
1440 - Vrouwe- en Antonie Gasthuys
1472 - Brouwershofje
1489 - Hofje van Loo
1607 - Frans Loenenhofje
1609 - Hofjes Codde en (1684) Van Beresteyn (verplaatst)
1610 - Bruiningshofje
1615 - Luthers Hofje
1616 - Hofje In den Groenen Tuin
1616 - Hofje van Guurtje de Waal
1640 - Zuiderhofje
1650 - Hofje van Willem Heythuijsen
1662 - Wijnbergshofje
1730 - Hofje van Staats
1760 - Hofje van Noblet
1769 - Hofje van Oorschot
1773 - Remonstrants Hofje
1787 - Teylers Hofje
1866 - Proveniershof (voormalig Proveniershuis)

このように書き並べてみると、ここにあったホフィエは歴史的には比較的新しいものなのですね。再びこのハーレムの街を訪れる機会があれば、ホフィエ巡りというのも一興ですね。
煉瓦塀には、このホフィエの入いり方が書いてあります。10時から開場するようですから、もうすぐですね。でも今日はパスして、次の機会にしましょう。

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このホフィエの先でクライス通りKruisstraatはスメーデ通りSmedestraatにぶつかって、終わります。通りの左手の角には、オランダ発の生活雑貨店エマHEMAの店舗が見えます。ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグ、フランス、イギリス、スペインにも店舗を構えるチェーン店ですが、オランダ国内には500店舗近くも展開しているそうです。雑貨、衣類のみならず食料品まで揃えています。

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この角から右の方を眺めると、緑豊かなクロヒト通りKrochtが続いています。

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スメーデ通りにぶつかった正面には宝飾品店F.J. Driessen Juweliersがありますが、そのお店の前に道標が立っているので、道を確認しましょう。

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これが道標です。チェックすると、街の中心Centrumにあるツーリスト・インフォメーションとフランス・ハルス美術館Frans Hals Museumが同じ方向です。そちらに向かうことにします。

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宝飾品店の右横からの路地、バルテルヨリス通りBarteljorisstraatに入ります。色んなお店が立ち並ぶ賑やかな路地です。路地の左側にチーズ専門店トロンプKaashuis Trompがあります。オランダならではの魅力的なお店ですね。旅先でなければ、たくさん買っていきたいところです。

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その2つ先にはお馴染みのH&M。H&Mは美しい路地のスカウテン通りSchoutensteegの角にあります。その路地の向かいには、コリー・テン・ボーム博物館Corrie ten Boomhuis Museumがあります。日本ではアンネ・フランクの家は知っていても、このコリー・テン・ボーム博物館は知られていません。もちろん、saraiも知りませんでした。オランダには、ナチスの支配に対して、ユダヤ人や抵抗運動のオランダ人をかくまっていた家が多数あったそうです。時計店を営んでいたテン・ボーム家もそういう活動をしていて、最上階にあったテン・ボーム家の末っ子コリーの寝室のキャビネットの裏に隠し部屋を作り、多くの人をかくまっていました。しかし、戦争終結も間近い1944年に密告で、ゲシュタポがテン・ボーム家に乗り込み、一家全員が捕えられて強制収容所に送られました。結局、生き残ったのはコリーただ1人という悲惨な結末を迎えました。戦後コリーは、戦争の悲惨さと限界状況の中で人間性を失わないことを世界中で訴えたそうです。それがヨーロッパ人の良心なのですね。我々日本人も見習いたいと心の底から思わずにはいられません。現在、このテン・ボーム家の建物は博物館として、コリーの寝室の隠し部屋などを公開しています。路地で若い女性たちが入場を待っているようですね。

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コリー・テン・ボーム博物館の2つ先は切妻屋根の建物があります。1階は服飾店になっています。

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2つ先の建物も煉瓦造りのいかにもオランダ風の建物。このバルテルヨリス通りには、こういう建物が立ち並んでいます。歩いているだけで楽しい路地です。

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オランダらしいと言えば、配偶者は路地に停められている自転車に興味をそそられたみたいで、じっと観察を始めます。これは木製の自転車。

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これは前部に荷物を載せて運ぶ自転車ですね。実用車です。

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普通の自転車はこれ。がっちりした実用一点張りの自転車ですね。もっとファッショナブルにすればよいのではと思うのは日本人の感性でしょうか。

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バルテルヨリス通りを抜けて、ゼイル通りZijlstraatに出ます。目の前の立派な煉瓦造りの大きな建物は市庁舎に連なる建物です。

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ゼイル通りをちょっと左に出ると、そこはグローテ・マルクト広場Grote Marktです。街の中心に到着です。駅から歩いて15分でした。

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広場の路面を見ると、煉瓦を敷き詰めています。ある意味、オランダは煉瓦文化ですね。

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これは広場の北側。緑の木々が綺麗です。

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今歩いてきたバルテルヨリス通りを振り返って眺めます。車が多く駐車しているのが美しくないですね。

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広場の西側にはツーリスト・インフォメーションがあります。その後ろに見えているのは市庁舎の建物です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ツーリスト・インフォメーションで有料50セントの市内地図を買い、いろいろ教えてもらいます。対応してくれたスタッフは、とっても綺麗な英語を話すテキパキしたおば様です。そうそう、孫達にまだ絵葉書を出していません。絵葉書を買おうとすると、切手もどう?と聞いてくれます。もちろんお願いします。さらに、後で絵葉書を持ってきてくれれば出してあげるわよとのこと。本当に何から何までよく気の付く人で、ありがたいです。
ツーリスト・インフォメーションを出て、広場の周りの観光を始めましょう。



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ハーレム~ライデンの1日:グローテ・マルクト広場の聖バフォ教会

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/4回目

ハーレムHaarlemの観光はグローテ・マルクト広場Grote Marktから始めます。古い建造物に囲まれた美しい広場です。ひときわ目立つのは聖バフォ教会Grote of Sint-Bavokerkです。その手前に見える旧肉市場Vleeshalも素晴らしいですね。

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広場に立つ銅像は活版印刷の発明家コステルです。活字を持った手を上に掲げています。

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広場ではもちろん自転車が走っています。自転車家族です。

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まずは、広場に面して聳えている聖バフォ教会に行ってみましょう。残念ながら、ここは昨日ゲットしたMuseumkaartは使えません。料金を払って入場します。英語版の案内パンフレットをいただきます。

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教会の内部はとても立派です。後期ゴシック様式の巨大な空間ですが、まず目に留まるのは美しく大きなパイプオルガンです。これは10歳(11歳?)のモーツァルトが弾いたミューラー作のオルガンだそうです。ヨーロッパ中に、モーツァルトゆかりのパイプオルガンがありますね。

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子供たちが説教壇のようなところに座っています。えっと思っていると、その向かいには牧師さんと思われる人がいて、子供たちにお話をしています。

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いやはや素晴らしい内部空間です。こちらは内陣の方向です。

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見上げると、天井の模様が美しいです。

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ステンドグラスも綺麗です。

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あらっ、カフェコーナーもあります。教会の中にあるのは初めてみました。ここは、もう教会としての役目はしていないようです。

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こちらには何かがあります。お墓のようです。

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床の上にあるのがフランス・ハルスのお墓です。ハルスは人生のほとんどをハーレムで過ごし、ここに葬られました。

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お墓があったのは、柵で仕切られた内陣の中です。

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聖バフォ教会の外に出ます。教会は文字通り聳えたっています。

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広場にはオープンテラスのテーブルがずらっと並び、まだ午前中なのに賑わいつつあります。そのオープンテラスの向こうには市庁舎Stadhuisが見えています。市庁舎も見学できるとの情報があるので行ってみましょう。

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市庁舎の建物に近づき、窓から中を覗いてみます。美しい部屋が見えます。これは中に入って見てみたいですね。

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正面の入口は閉まっています。横の方に回ってみましょう。

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建物の横に入口のようなものがあります。そこから入ってみます。

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入口付近に面白い自転車が置いてあります。何かの業務用でしょうか。

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美しい中庭に入れます。ここから建物に入る入口も開いています。

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中庭から建物に入りますが、そこから先には進めません。どうやら市庁舎は中庭までしか入れないようです。でも市庁舎の建物はとても立派です。荒れ果てていたのを修復したようです。是非、公開してほしいですね。
グローテ・マルクト広場の観光はこれくらいで切り上げて、肝心のフランス・ハルス美術館に向かうことにします。



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ハーレム~ライデンの1日:グローテ・ハウト通り~ゲデムプテ・アウデグラハト通り~美しい路地、グロート・ハイリグラント通り

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/5回目

ハーレムHaarlemのグローテ・マルクト広場Grote Marktからフランス・ハルス美術館Frans Hals Museumに向かいます。
広場からグローテ・ハウト通りGrote Houtstraatに入ります。角の建物は派手な煉瓦作りです。

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この建物の壁面の下部にフランス・ハルス美術館への案内が出ています。ちなみにこの絵は、ヘダ・ウィレム・クラースのモノクローム・バンケッチェ(モノクローム風の晩餐図)ですね。

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グローテ・ハウト通りを進むと道標があります。ここでもフランス・ハルス美術館への案内を確認しながら進みます。

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通りを歩いていると、オランダ特有のものを発見。オランダの旧市街は、街の景観を守るために建物の正面の壁を壊すことは許されていないようです。そのために、建物を建て替えるときは正面の壁だけを残して、その後ろの建物を建て替えます。残した正面の壁を、鉄のアンカーを打ち込んで新しい建物に張り付けます。その壁面の鉄のアンカーを見つけたんです。

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グローテ・ハウト通りと交差するゲデムプテ・アウデグラハト通りGedempte Oude Grachtに出ます。ここにも親切に道標が立っていて、フランス・ハルス美術館への案内が出ています。

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道標の指示通りここで左折して、ゲデムプテ・アウデグラハト通りの歩道を歩きます。広い歩道ですが、自転車と共用ですね。

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自転車の修理店があります。デザイン性の高い自転車も店先に展示されています。

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その隣には自転車の販売店が続いています。

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お店の中を覗くと、綺麗に自転車がディスプレイされています。Free Wheely Haarlemという自転車販売・修理のお店で、アムステルダムにも店舗があるようです。興味津々で中を見てみたいところですが、先を急ぎましょう。

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その先の角にまた道標が立っています。ここで右に折れるようです。

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これは左に折れる路地です。このスカーゲル通りSchagchelstraatを歩くと、元のグローテ・マルクト広場に戻ってしまいます。

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ゲデムプテ・アウデグラハト通りを挟んだ向かいのグロート・ハイリグラント通りGroot Heiliglandに入ります。

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グロート・ハイリグラント通りに入ると、またまたフランス・ハルス美術館への案内が出ています。この絵はハルスの絵ですね。

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この美しい素敵な路地は家々の前が花で飾られていて、歩いていて楽しくなります。

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街並みはレンガ壁の建物が美しく、まるでフェルメールの世界。可愛い街並みなのですが、路地が車の駐車場になっていると、雰囲気が今一つになってしまい残念ですね。

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路地先のバラが綺麗です。皆さん、花作りが大好きなようですね。

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路地裏などの車の入れない所はとても美しいので、時間をかけて素敵な路地を歩くことがこの町を楽しむ秘訣です。これはグロート・ハイリグラント通りから左に入るゴルテ通りGortestraatです。とても綺麗な路地です。

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グロート・ハイリグラント通りを進んでいくと、片側駐車が道の右側から左側に変わります。駐車車両が目障りなのは変わりません。

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グロート・ハイリグラント通りの右手に、とっても狭い路地オンヴァルスポールトOmvalspoortがあります。人がすれ違うのも大変ですね。路地というよりも通り抜けみたいなものです。

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このオンヴァルスポールトの角の建物は、グロート・ハイリグラント通りの正面の壁に鉄製のアンカーが打ち込まれているだけでなく、オンヴァルスポールトの路地際の側面の壁にもアンカーが打ち込まれています。外部に面する壁は街並み保存の対象なのでしょうね。

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ひどく興味をそそられて、このオンヴァルスポールトの路地の奥に入り込んでみます。路地奥にはちょっとした広場があります。路地のコミュニケーションの場なんでしょう。その先はさらに狭い路地が続きます。この辺りで引き返しましょう。

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路地を引き返していきます。ずいぶん先に路地の入口が見えています。路地は意外に緑が多いですね。

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またグロート・ハイリグラント通りに戻って、路地歩きを続けます。
ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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フランス・ハルス美術館はすぐ近くです。



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ハーレム~ライデンの1日:美しい路地の先にフランス・ハルス美術館

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/6回目

とても狭い路地オンヴァルスポールトOmvalspoortから、グローテ・ハウト通りGrote Houtstraatに戻ります。煉瓦造りの建物が並ぶ美しい通りです。

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右手に伸びる美しいラフェリング通りRavelingsteegが現れます。ここは路地の入口から眺めるだけにします。

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グローテ・ハウト通りにも煉瓦造りの切妻屋根の建物があります。20世紀初頭にできたようですね。

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フランス・ハルス美術館Frans Hals Museumに到着です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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あれっ、入口の扉が閉まっています。オープン時間の11時は、既に5分過ぎています。

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???と思っていると、扉が開きます。待っていた人たちがぞくぞくと入っていきます。我々も入りましょう。

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チケット窓口でMuseumkaartを提示して、無料のチケットをゲットします。

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これがゲットしたチケット。料金が0ユーロとプリントされています。

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これは案内パンフレット。オランダ語と英語の併記です。

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これは館内マップもゲット。これもオランダ語と英語の併記です。マップによると、美術館は中庭を中心にしてグルリと展示室が配置されています。

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入口の横にはミュージアムショップがあります。帰りに覗くことにしましょう。オランダらしくチューリップも飾ってありますね。

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館内には花が綺麗に飾ってあります。美術館に花って結構珍しいですね。花の絵なら普通ですけど。

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カフェもありますが、まだ開店してませんね。

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さて、絵画鑑賞を始めましょう。ところで、この美術館は写真は撮り放題です。ヨーロッパの美術館は半数以上は写真が自由に撮れます。いいですね。

フランス・ハルス美術館はその美術館の名前からしても、ハルスの作品だけかと思っていましたが、同時代の別の画家のものもあります。

ゲリック・アドリアーンズ・ベルクハイドの《ハーレムの聖バフォ教会》です。 1688年頃、ベルクハイド58歳頃に描かれました。これは現在、クリスチャン・ミューラー作製の有名なパイプ・オルガンが配置されている西側の方を描いていますが、この絵が描かれたときはまだパイプ・オルガンはなく、代わりに素晴らしいステンドグラスがありました。パイプ・オルガンは1735年から3年間かけて作られました。この絵が描かれた約50年後ですね。その違いを除くと、驚くほど先ほど見た教会の内部と変わりがありません。

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コルネリス・ファン・ハーレムの《ハーレム市警団鉄砲隊の宴会》です。 1583年頃、コルネリス21歳頃に描かれました。ハーレム市から初めて依頼を受けて描いた集団肖像画です。彼はその後、ハーレムのマニエリスム派の主要なメンバーとなります。

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いよいよ、次はフランス・ハルスの集団肖像画です。この後、まとめて見ていきます。



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ハーレム~ライデンの1日:フランス・ハルス美術館~ハルスの集団肖像画の芸術的価値は?

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/7回目

フランス・ハルス美術館Frans Hals Museumにはハルスの集団肖像画が8枚も所蔵されているそうです。アムステルダム国立美術館でもハルスの集団肖像画を見ましたが、あれは左半分だけがハルス自身が描き、残りはほかの画家が完成させたものでしたから、まだ、ハルスの完全な集団肖像画は見ていません。楽しみです。では見ていきましょう。


フランス・ハルスの《聖ゲオルギウス市警備隊の士官たちの晩餐》です。 1616年頃、フランス・ハルス34歳頃に描かれました。画面を斜めに横切る旗が効果的な構図を作っています。ハルスが画期的な斜形構図で従来からの三角形(台形)の構図からの脱却を果たしました。集団肖像画の新しい旗手の誕生を告げる作品です。聖ゲオルギウス市警備隊はこの後も1627年、1639年に描かれます。ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》を想起させるような人物間の語らいの波が感じられる活気あふれる画面です。

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フランス・ハルスの《聖ゲオルギウス市警備隊の士官たちの晩餐》です。 1627年頃、フランス・ハルス45歳頃に描かれました。ここでも斜めに画面を横切る旗が効果的ですが、1616年の作品よりも構図が柔らかに感じられます。ハルスの筆の熟達と余裕が画面に奥行きを与えているようです。

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フランス・ハルスの《聖ゲオルギウス市警備隊の士官たち》です。 1639年頃、フランス・ハルス57歳頃に描かれました。聖ゲオルギウス市警備隊は1616年、1627年にも描かれましたが、この作品は構図が前列の士官たちが横一直線に描かれて、古典的な構図に戻っているのが特徴です。画面の安定感は増して、作画の技術はさらに熟達して見事ではありますが、作風が後退してしまった印象は拭えません。ハルスは晩年に向けて、アヴァンギャルドさではなく、内面の充実度を目指しているのかもしれません。賛否両論のあるところですが、この作品に関してはある意味、中途半端の感は否めません。ところで、後列左から2番目の人物はハルスの自画像と言われています。画像が不鮮明で申しわけありません。

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一応、ハルスの自画像の部分を拡大してみました。中央の人物がハルスだそうです。

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フランス・ハルスの《聖ハドリアヌス市警備隊の士官たちの晩餐》です。 1627年頃、フランス・ハルス45歳頃に描かれました。同じ年に描かれた《聖ゲオルギウス市警備隊の士官たちの晩餐》とも一見似たような構図にも思えますが、ここ作品は画面中央に中心を置いた斜め十字の構図が秀逸です。シンプルですが、画面の賑やかさはどうでしょう。ダイナミックにして、デラックスという感じの集団肖像画です。聖ハドリアヌス市警備隊は聖ハドリアヌスを守護聖人とした火縄銃警備隊ですが、1633年にもまた描かれることになります。

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フランス・ハルスの《聖ハドリアヌス市警備隊の士官たち》です。 1633年頃、フランス・ハルス51歳頃に描かれました。この作品は以前、1627年に描かれた同一題材の作品に比べると、より古典的な安定した構図で描かれています。しかし、それほど作風が後退した印象を感じないのは聖ハドリアヌス市警備隊の2分隊が左右できちんと描き分けられて、人物描写も深い観察眼で描かれており、単調な画面になっていないからでしょう。

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フランス・ハルスの《ハーレムの聖エリサベト養護院の理事たち》です。 1641年頃、フランス・ハルス59歳頃に描かれました。ハルスがそれまで描いていた集団肖像画は警備隊を対象としたものでしたが、この作品は理事たちを描いた最初の集団肖像画です。何といっても、この作品の特徴は黒を基調にしたモノクロームの色彩にあります。色彩も抑え、構図も地味になり、ハルスは晩年の円熟に向かっていきます。それは外面性から内面の深いところを目指したものでもあります。それは後にレンブラントが辿ることになる道を指し示しているかのようです。

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フランス・ハルスの《養老院の理事たち》です。 1664年頃、フランス・ハルス82歳頃に描かれました。ハルス晩年の傑作です。集団肖像画ではありますが、もはや、その言葉の意味を失い、一人一人の内面を浮彫にするような6枚の肖像画の集合体のような作品です。それはこの時代にはまだ十分、その価値が評価されるものではなく、後世の画家たちが看破するまではハルスはある意味忘れ去られる運命にありました。最も理解できたのは同じオランダ出身のゴッホです。特に「ハルスの黒」の魅力を見破ったのです。ゴッホは「彼は27色の黒を使っている」と言ったそうです。ゴッホ自身も緑を混ぜた黒など、ハルスの手法を応用しています。そして、黒の得意な画家と言えば、マネですが、彼もハルスの色使いにたどり着き、当時流行した黒いフロックコートを描くための悩みを解決できたそうです。ハルスはモノクロームの世界で様々な黒を使って、人間の内面表現の深みに切り込んでいき、晩年の高みに達しました。

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これでハルスの集団肖像画を7枚見ることができました。残りは1枚。それも晩年の傑作です。ところがどこにも展示されていません。これは残念です。しかし、最後に修復室を覗くと、なんとそこで修復中です。親切にも修復室のガラス窓を通して見えるように置いてあります。一応、見ることができて満足です。8枚すべてを見ることができました。

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ズームアップして見てみましょう。
フランス・ハルスの《養老院の女理事たち》です。 1664年頃、フランス・ハルス82歳頃に描かれました。この作品は同じ年に描いた《養老院の理事たち》と対をなす作品で、ハルスの芸術の頂点にある最高傑作です。4人の女理事と養老院の寮母の一人一人の個性を描き分け、内から輝く女性たちの魅力を余すところなく描き出しました。黒の表現は高いレベルで完成の域に達し、背景の壁にはイエローオーカーを混ぜた黒、スカートはマーキュロクロムで赤みを付けた黒、帽子はランプなどの煤を原料にした純粋な黒というように技術と表現の結合が図られています。これら、晩年の作品は一見渋い作品に見えてしまいますが、何度も足を運んで、その魅力を感じ取るという類の芸術性の高い作品であるように思います。saraiは予備知識なしに鑑賞したので、まだまだ、その作品の芸術的価値の一端に触れただけに過ぎないのが残念です。なお、このフランス・ハルス美術館は以前は養老院として使用されていた建物です。その養老院を管理していたのがこの女理事たちだったんです。この作品と美術館の建物は切っても切り離せない縁があるんです。

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ハルスの集団肖像画の素晴らしさを堪能しました。この美術館にはまだ、ハルスの描いた肖像画の数々もあります。残った時間、さらにハルスの魅力に迫りましょう。


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ハーレム~ライデンの1日:フランス・ハルス美術館~ハルスの肖像画、美しい中庭

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/8回目

フランス・ハルス美術館Frans Hals Museumでハルスの8枚もの集団肖像画を堪能し、満足しました。残った時間でハルスの肖像画も見ておきましょう。

美術館はその昔、養老院として使われていました。貧窮した高齢者の面倒をみるための私設の建物です。富裕層が多額の寄付をすることでこういう施設が充実していました。もちろん、困窮した人たちを救うための善意からの行為ではありましたが、キリスト教ではこういう善行を積むことで死後は天国に迎い入れられるという気持ちも多く働いていたようです。そういう施設ですから、貧相な建物になるはずもなく、実に立派な建物が建てられています。これは会議室なのか、理事室なのかは分かりませんが昔の栄華を感じられる素晴らしい部屋があります。

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部屋の中の調度品も素晴らしく、壁掛け時計の素晴らしさには思わず息を呑みます。

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それもなんと2つもあります。もちろん、今でも正しい時を刻んでいます。

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フランス・ハルスの《Nicolaes Woutersz Van Der Meer》です。 1631年頃、フランス・ハルス49歳頃に描かれました。この人物はハーレムのビール醸造者で市警備隊の士官なども歴任した有力者でした。その威厳のある風格がよく描き込まれています。

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フランス・ハルスの《ある男の肖像、おそらく、Willem van Warmondt》です。 1640年頃、フランス・ハルス58歳頃に描かれました。この人物も醸造所を所有し、市警備隊の士官なども歴任した有力者でした。1927年に描かれた集団肖像画の《聖ハドリアヌス市警備隊の士官たちの晩餐》にも登場しています。

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フランス・ハルスの《手袋を持つ女の肖像》です。 1645年~1650年頃、フランス・ハルス63歳~68歳頃に描かれました。この女性が誰なのかは分かっていません。一対の白い皮の手袋を片方は手にはめ、片方は持っています。穏やかでしっかりした女性の内面が滲み出ています。

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フランス・ハルスの《宿屋の女主人の肖像》です。 1623年~1625年頃、フランス・ハルス41歳~43歳頃に描かれました。この女性はハルスの行きつけの宿屋の女主人のようで、ハルスも懇意な仲だったようです。彼女への親しみの感情があふれるような作品です。

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フランス・ハルスの《Pieter Jacobsz Olycan》です。 1630年頃、フランス・ハルス48歳頃に描かれました。この人物はハーレムのビール醸造者で有力者でした。後にハーレム市長も努めます。謹厳な性格が表れています。

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以上の3枚の肖像画は並べて展示されています。

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フランス・ハルスの《Jacobus Zaffius》です。 1611年頃、フランス・ハルス29歳頃に描かれました。ハルスのごく初期の肖像画です。この人物はハーレムのカトリック教会の最高位の聖職者でした。ハーレムはプロテスタントの街で正式にはカトリックは禁止されていました。ハーレム市当局はZaffiusがカトリックの活動を行うのを目をつぶって、許していたそうです。

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フランス・ハルスの《不詳の男の肖像》です。 1638年頃、フランス・ハルス56歳頃に描かれました。残念ながら、この人物が誰なのかは不明なのだそうです。やわらかい表情で描かれた、この肖像画はハルスらしい作品に仕上がっています。

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ハルスの絵は、十分楽しめました。このあたりでフランス・ハルス美術館での鑑賞は切り上げましょう。最後に美術館の中庭に出ます。

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素晴らしい中庭です。これもホフィエみたいなものですね。

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中庭の中央には天球儀のようなものがあります。

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見事な扉の前にはオブジェも飾られています。

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建物、中庭、そして、所蔵する美術作品、すべてが第1級の美術館でした。


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ハーレム~ライデンの1日:運河と路地を歩いて、Jopenビール醸造所へ

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/9回目

フランス・ハルス美術館Frans Hals Museumを堪能した後は、そろそろ昼食にしましょう。お友達から推薦されたJopenビール醸造所の直営レストランに向かうことにします。美術館を出ると、美しい運河があります。その畔で佇みます。和みますね。

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カンペルシンゲル運河Kampersingelが続いています。運河にはびっしりとボートが係留されています。運河遊びがこの辺りの日常なのでしょう。

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ぶらぶらと、美しい運河沿いのガストハイスフェスト通りGasthuisvestを歩いていきます。

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運河沿いには柳の枝が垂れ下がっていて、心地よい木陰を作っています。


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これは、フランス・ハルス美術館のあるグロート・ハイリグラント通りGroot Heiliglandと並行する次のクライン・ハイリグラント通りKlein Heiliglandです。どこかで右折する必要があるのですが、歩きたい美しい路地を選びましょう。この路地はパスして、もっと先に進みます。

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運河沿いの道をさらに進みます。この先は大きな通りに出るようです。

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運河に架かるグローテ・ハウト橋Grote Houtbrugが見えます。これは先ほどグローテ・マルクト広場Grote Marktから歩いたグローテ・ハウト通りGrote Houtstraatの先にある橋です。ですから、ここで右折してグローテ・ハウト通りをグローテ・マルクト広場の方に向かってもよいのですが、同じ道を歩くのは能がないので、このまま運河沿いに進みます。

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運河沿いはますます緑の野原が広くなって、とても気持ちのよい散策ができます。ここから運河沿いの道はラームフェスト通りRaamvestに名前を変えます。

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雰囲気の良さそうなアウデ・ラーム通りOude Raamstraatがあります。駐車車両もない美しい路地です。右折して、この路地に入りましょう。

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思った通りとても美しい路地です。

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花とベンチがこの街の路地を飾っています。落ち着いた生活を過ごせるような街の雰囲気です。人々が作り上げてきた街づくりの素晴らしい成果を見る思いに駆られます。

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この短い路地を抜けると、急に広いところに出ます。ニーウェ・ケルクス広場(新教会広場)Nieuwe Kerkspleinです。新教会Nieuwe Kerkの建物が広場に聳え立っています。この教会は17世紀にプロテスタント教会に改装されたものです。ここにあるパイプ・オルガンはもともと聖バフォ教会にあったものを1791年に移設されたものです。内部をみるのはやめておきましょう。

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ニーウェ・ケルクス広場に面して新教会の向かいに立つ煉瓦造りの美しい家々です。

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この広場で左に曲がり、ニーウェ・ラーム通りNieuwe Raamstraatを西の方に向かいます。ここも煉瓦造りの家々が並ぶ綺麗な通りですが、残念ながら片側駐車の通りです。

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やがて、大きなゲデムプテ・ラームグラハト通りGedempte Raamgrachtにぶつかります。あまり大きな通りは歩かずに路地歩きに徹したいので、このまままっすぐに歩きます。

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配偶者の目が一軒の赤いツルバラの絡む家に留まります。綺麗ですね。

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おやおや、綺麗な緑に飾られた建物の屋根の上に猫が鎮座していますね。あたりを睥睨しているようです。

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ソフィア通りSophiastraatの角に出ます。

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この通りをまっすぐに進むと、Jopenビール醸造所直営レストランJopenkerk Haarlemを発見。名前の通り、外見は教会のような建物です。中に入ってみると、ステンドグラスの前に大きなビールの醸造設備が並んでいます。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ここでランチをいただきましょう。


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ハーレム~ライデンの1日:Jopenビール醸造所で美味しいビールとランチ

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/10回目

ハーレムHaarlemのJopenビール醸造所直営レストランJopenkerk Haarlemでランチをいただきます。
まずは、このJopenビール醸造所直営レストランのパンフレットをいただきました。それによると、ここはやはり、もともとは古い教会の建物だったそうです。

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Jopenビール醸造所の前にはもちろん広いテラス席がありますが、屋内もなかなかよい雰囲気です。赤を主調にした色彩感がお洒落です。屋内でランチをいただくことにしましょう。

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見上げると、天井も立派です。さすがに教会の建物だったことはあります。しかも改装の際に綺麗な2階も作ったようです。

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まずはビールです。ビールのメニューも豊富です。

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オランダのお友達からのご推奨のビールJopen Mooie Nel IPA があります。それと黒ビールをお願いします。

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女の子がランチメニューを持って来てくれます。オランダはコロッケが名物です。コロッケとローストビーフをお願いします。

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料理を待つ間は、ビール醸造所の様子を眺めながらビールを楽しむことにします。実は。これがこの旅でのビール三昧の始まりだったんです。いつもは白ワインを好むsaraiは滅多にビールは飲みません。この旅ではこの後、ビールの聖地とも言えるベルギーを訪れることになるので、必然的に白ワインならぬビールを飲むことになります。

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なかなか美味しいビールです。順調に胃に流れ込んでいきます。

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おやっ、配偶者も順調ですね。

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コロッケ(正確にはクロケットですが)が運ばれてきます。オランダ辺りではたいてい、パンの上にコロッケなどを乗せたオープンサンドのような形で出てきます。マスタードが添えられているのも嬉しいですね。それをフォークとナイフで頂きます。

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おやっ、いつの間にか新しいビールが出ていますね。順調、順調!

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ローストビーフもようやく運ばれてきます。これは美味しそう。

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ビールも料理もとても美味しいです。館内を眺めながら楽しみます。

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お客さんは館内にはまばらです。やはり、ほとんどの人はテラス席にいます。そういうものです。

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ビールと料理を十分に楽しんだところでお会計。ここはヨーロッパには珍しく、自分のテーブルでの会計ではなく、会計機のところに行っての会計です。

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バーカウンターを眺めますが、磨き上げたグラスがずらっと並んで壮観です。

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古い建物にモダンな意匠のお洒落なビール醸造所でした。

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saraiはビールの追加までしたので、上機嫌です。配偶者に言わせると少々よっぱらいおじさん状態なんだそうです。配偶者はsaraiに「サービスしてくれた女の子と一緒に写真を撮ったり、時計の13時を3時と勘違いしたり、困ったもんだね。」とぼやいています。

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ちょっとふらふらしながらも、もう少し路地散策を楽しみましょう。ハーレムは散策するには程よい大きさの街ですからね。


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ハーレム~ライデンの1日:グローテ・マルクト広場からスパールネ川へ

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/11回目

Jopenビール醸造所直営レストランJopenkerk Haarlemを出て、ハーレム散策の起点グローテ・マルクト広場Grote Marktに向かいます。
ドロスセ通りDrossestraatの綺麗な路地をまっすぐに抜けていきます。アフテルラングス通りAchterlangsの角に美味しそうなパン屋さんVinkが見えます。ふらふらっと入ってしまいたいところですが、生憎ランチを食べたばかりだし、アルコールも回っています。仕方なくパスします。

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比較的新しい建物が並ぶドロスセ通りをさらに進んでいきます。

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大通りのゲデムプテ・アウデグラハト通りGedempte Oude Grachtにぶつかりますが、この通りを突っ切って、さらにまっすぐ進みます。通りの名前はヤコバイネ通りJacobijnestraatに変わります。この路地を歩いていきます。

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路地を歩いていくと、緑の綺麗な一画が現れます。プリンセンホフPrinsenhofの辺りです。これはHet Stedelijk Gymnasium Haarlem(市立ギムナジウム・ハーレム)というオランダでももっとも古い学校の一つです。 1389年にハーレムに設立されたラテン語学校が起源です。

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さらにこのヤコバイネ通りを進むと、コーニング通りKoningstraatにぶつかります。この路地を左に進んでいくと、グローテ・マルクト広場の入口に出ます。ここでなにやら綺麗に着飾った男女の団体がいます。これはきっと結婚式でしょう。この広場には市庁舎も教会もありますからね。

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残念ながら花嫁の姿を見つけることができませんでした。

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ツーリスト・インフォメーションの親切なおば様にランチのときに書いた絵葉書の投函をお願いし、旧肉市場Vleeshalを見学します。

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旧肉市場のファサードは切妻屋根になっていて素晴らしい外観です。

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壁面には由緒ありげな紋章が張り付けられています。

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この旧肉市場の建物は1600~1840年頃まで、肉の市場として使用されたルネサンス様式の建造物です。現在は、フランス・ハルス美術館Frans Hals Museumの別館として現代美術品が展示されています。
ちょっと中に入ってみましょう。展示物が並んでいます。

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綺麗な展示がされていますが、saraiの興味を引くようなものは見当たりませんね。

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早々に外に出ます。目の前にそびえる聖バフォ教会Grote of Sint-Bavokerkにはやはり圧倒されますね。

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配偶者の目は、むしろ教会の横に置かれているオートバイにいってしまったようです。宅配用ですが、SUMOと書いてあり、お相撲さんのイラストが添えられています。和食の宅配なんでしょうか。

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聖バフォ教会の建物の東側に回り込みます。素晴らしい建造物です。

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教会の奥の方は建物で囲まれていて、行き止まりです。よく見ると、建物の中にトンネルのような通路が続いています。シモン・デ・フリースホフSimon de Vrieshofという路地になっています。この路地を抜けていきましょう。そっちにはスパールネ川がある筈です。

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やはり、スパールネ川Binnen Spaarneに出ることができました。向こうには跳ね橋も見えています。

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こちらはスパールネ川の反対方向です。スパールネ川は小さな川で、これまでのハーレムの運河と比べても大きな運河といった風情ですね。

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跳ね橋の方に向かって歩きます。

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スパールネ川の対岸には、レストランに改装され係留されたボートがあります。ボートの甲板上のテラス席で食事を楽しんでいる人たちがいます。気持ちよさそうですね。

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白くて低い船体の細長いボートも係留されています。クルーズツアー用のボートでしょうか。

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スパールネ川沿いに古めかしい建物があります。これはテイラー美術館Teylers Museumです。1778年に開館したオランダ最古の美術館です。デッサンのコレクションが有名で、ミケランジェロやレンブラントのものもあるようです。Museumkaartがあるので無料で入れますが、時間的な余裕もないのでパスします。

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おやおや、スパールネ川をお年寄りが優雅にボートを走らせていますね。オランダにはこういうボート文化が根付いていますね。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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散策は続きます。跳ね橋も目の前です。


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ハーレム~ライデンの1日:スパールネ川の跳ね橋~バーケネッセル運河~ハーレム駅

2015年6月26日金曜日@アムステルダム~ハーレム~ライデン/12回目

スパールネ川Binnen Spaarneに架かる白い跳ね橋Gravestenenbrugの上を歩きます。

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跳ね橋の中央部へはかなりの傾斜がついていて、高く上っていきます。

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跳ね橋の対岸には切り妻屋根の美しい建物が並んで建っています。

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跳ね橋の最高点からスパールネ川の西方向を望んだところです。左の岸辺には先ほど見たレストラン・ボートが見えています。

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さて、ここから跳ね橋を降りて橋の袂に戻ることにします。

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ハーレム駅の方に向かうことにしましょう。スパールネ川から、そこに流れ込んでいるバーケネッセル運河Bakenessergrachtに沿った道を歩きます。

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運河の向こうにバーケネッセル教会Bakenesserkerkの尖塔が頭を覗かせています。

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ナウウェ・アッペラール通りNauwe Appelaarsteegの角にさしかかると、その路地の先に聖バフォ教会Grote of Sint-Bavokerkの尖塔の先っぽがちょっとだけ見えています。

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少し運河沿いに進むとバーケネッセル教会Bakenesserkerkの尖塔の全体が見通せます。なかなか立派な塔ですね。

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バーケネッセル運河を進んでいきます。両側の通りには煉瓦造りの立派な建物が並んでいます。

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運河沿いの通りは路地の雰囲気たっぷりで花やベンチで飾られています。

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やがて、運河沿いの道は突き当たりになります。道標が立っています。ここで道標の示す《デ・アドリアーンMolen De Adriaan》の方に行っていればと悔やまれます。とても美しい風車が見られた筈だったんです。Molenが風車を現す単語だということが分からないsaraiの語学力の欠如のためです。
気が付かずに、反対方向の左の方に曲がってしまいました。

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あーあ、コルテ・ヤンス通りKorte Jansstraatに行ってしまいます。

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この先、ヤンス通りJansstraatで右に曲がって少し進むと、ニーウェ運河Nieuwe Grachtに架かるヤンス橋Jansbrugに出ます。もうここからは直接は見えませんが、ニーウェ運河がスパールネ川に合流するポイントにデ・アドリアーンの風車が立っているんです。

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あまりに風車を見逃したのが残念なので、行ったつもりになってGoogle Mapから借用した画像を掲載します。これが対岸から見たデ・アドリアーンの風車です。美しい風車ですね。

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デ・アドリアーン風車を見逃したsaraiは、一路ハーレム駅を目指して歩いています。ヤンス通りをどんどん進みます。周りには煉瓦造りの美しい建物があります。これは、現在はコンピューターのソフトウェアの会社Widgets BVが入っている建物です。

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これは、その隣の建物。その前にハーレム駅への道標が立っています。

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アルコールに程よく酔って、ふらふら気持ちよく運河沿いや路地を歩き、ハーレム駅に戻ってきました。楽しかったハーレム観光も終了です。
ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ところで、ここまでハーレムの散策を続けてきましたが、ハーレムの街の名前は何か引っかかるものがありますね。そうです。ニューヨークのハーレムの方が地名としては有名ですね。実はニューヨークのハーレムは、新大陸に渡ったオランダ人が故国のハーレムの街を懐かしんで、ニューハーレムと命名したのがその起源だそうです。ですから、このオランダのハーレムがオリジナルの地名だそうです。

次はライデンLeidenに向かいましょう。ここでsaraiは、バスでライデンに行こうと配偶者に提案します。電車より少々時間はかかりますが、街中を行くバス旅は違った面白さがありますからね。駅前のターミナルのバスの多さを見ても、ライデン行きのバスはきっとあるはずです。電光掲示板を見ると、すぐにライデン行きのバスを発見。15分おき位にあるようですが、次のバスはもう5分後に来るようです。バスでライデンに向かうことに決定。早速、バス乗り場に直行。

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ライデン行のバスはすぐにやってきました。バスに飛び乗ります。もちろん、OVチップカールトでチェックインします。

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これから、ライデンへのバス旅が始まります。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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07/08 15:53 じじい@

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