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バースデーは超高層レストランでディナー

今日はsaraiの??回目の誕生日。実は昨日まで今日が誕生日であることをすっかり忘れており、不意に思い出して配偶者にそれを言うと、あらそうなのってすげない反応。今更、誕生日だからどうだこうだってことはありませんから、構いませんよ。でも夜遅くなって、配偶者から明日はみなとみらいのホテルで食事でもしようかと言われ、その優しさにほろりとなってしまったsaraiです。

お昼過ぎに横浜に出かけて見るだけのショッピングをし、さらにみなとみらいに移動して見るだけのショッピング。レストランの予約の時間になって、慌ててランドマークタワーのロイヤルパークホテルに向かいます。予約したレストランは最上階の70階にあるSIRIUS(シリウス)です。高速エレベーターであっという間に70階に到着。エレベーターホールのすぐ横がSIRIUSの受付です。

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すぐに席に案内されます。当日予約なので、残念ながら窓際の席はいっぱいだそうです。後で窓際からの夜景を撮影しました。クィーンズの3つのビルは遥か下に見えます。大観覧車が電飾で輝いています。ヨットの帆のような形のインターコンチネンタルホテルも遥か下に見えます。その先は横浜港です。右手に張り出しているのが大桟橋でしょう。

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バースデーディナーの開始は白ワインからです。トスカーナのワインです。

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まずは、スモークサーモンとカジキのタルタル仕立てです。あっさりとして、それでいて味わい深く、美味しいです。

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ワインと料理を楽しんでいると、ジャズカルテットの演奏が始まります。生演奏とは思わぬサービスです。

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次の料理は、鴨胸肉と鶏もも肉のローストです。意外に柔らかくて、甘めのソースでさっぱりといただきます。

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次は、ホワイトアスパラガスのクリームスープ。カプチーノ仕立てですね。濃厚なアスパラガスの味がスープに閉じ込められて、またまた美味しくいただきます。

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メインは2人とも魚をチョイス。オマール海老と鯛のポワレです。プリプリのオマール海老とパリッと焼けた鯛が口の中で弾けます。贅沢な味わいです。添えられたライスがパリッと焼けていて、これも美味しいですね。

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最後のデザートです。配偶者はチーズの盛り合わせ。美味しかったそうです。

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saraiはティラミスとブラッドオレンジのソルベ。痛めている歯茎に沁みましたが美味しかったですよ。

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休憩していたジャズカルテットが演奏を再開していて、そのダニーボーイを聴きながら席を立ちます。

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この頃には、食事の客よりもカクテルなどのアルコールをたしなむ客の方が多くなっていました。

誕生日そのものはそう嬉しくはありませんが、美味しいディナーは堪能しました。配偶者の心配りに感謝です。



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旅の準備が遅れてしまった!!・・・ザルツブルク音楽祭の旅

ザルツブルク音楽祭のチケットが取れて、その後、無事にチケットが郵便で届きました。それもあって、安心しているうちに、旅の日程が迫ってきました。まだ、2か月はありますが、3か月は切りました。ということはヨーロッパの鉄道チケットは売り出しが始まっています。しかも夏のヴァカンスのシーズンです。ちょっと焦って、旅の準備を始めます。

準備できているのは、ザルツブルク音楽祭のチケット(これが一番大事!!)とザルツブルグのホテルの予約。それに往復の航空券。これはサーチャージも安くなったので、マイルの特典航空券をANAからゲットしました。往きはパリへの直行便。帰りはウィーンからの直行便です。

さて、旅の後半はザルツブルグ音楽祭ですが、前半はフランスのノートルダム大聖堂(寺院)巡りをすることにしました。
フランスの主なノートルダム大聖堂(寺院)は以下です。ちなみにノートルダムとは「私達の貴婦人」という意味で、聖母マリアのことをさします。イタリアでは、サンタ・マリアとか直接的な表現になりますね。ノートルダム大聖堂はフランス語圏の聖母マリアを守護聖人とした格式の高い(司教座の置かれた)教会で各地にあります。パリのシテ島にあるノートルダム大聖堂はそのひとつです。

ノートルダム大聖堂 (アミアン)  北フランス三大大聖堂 サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
ノートルダム大聖堂 (シャルトル) 北フランス三大大聖堂 「シャルトルの青」のステンドグラスで有名
ノートルダム大聖堂 (ランス)   歴代フランス王の戴冠式が行われました。
ノートルダム大聖堂 (パリ)    訪問済
ノートルダム大聖堂(ルーアン)  北フランス三大大聖堂
ノートルダム大聖堂 (ストラスブール) 訪問済
ノートルダム・デ・ドン大聖堂(ドンのノートルダム大聖堂、アヴィニョン) 訪問済
ノートルダム大聖堂 (ル・ピュイ) ル・ピュイ=アン=ヴレイにあります。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の出発点。黒いマリア像が有名です、

ノートルダム大聖堂_(フルヴィエール、リヨン)  リヨンの丘の上に立つ象徴的な建物
ノートルダム大寺院(レピーヌ、マルヌ県)サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
ノートルダム・デュ・ロゼール大聖堂(ルルド) 聖母の出現の奇跡で知られています。
ノートルダム・ド・ラ・ガルド大聖堂(マルセイユ) 訪問済

ノートルダム=デュ=ポール教会(クレルモン=フェラン) リヨンの先にあります。
ノートルダム=アン=ヴォー教会(シャロン=アン=シャンパーニュ)

これらのうち、まだ訪問していないところを5日間かけて周る予定です。地図を睨みながら、検討します。まず、ルルドは遠いので除外。それ以外は何とか周りたいものです。全部で9つです。詳細はこれから詰めていきます。

その後は、ザルツブルグに向けて、鉄道でスイスの真っ只中を抜けていきます。リヨンからジュネーヴ、ローザンヌ、ベルン、チューリッヒあたりです。そして、いったん、オーストリアのチロルに落ち着き、自然を楽しみます。ちょうど、ボーデン湖畔のブレゲンツで音楽祭をやっているので、オペラ《トゥーランドット》を見る予定です。ザンクト・アントン、アッヘン湖あたりで遊びましょう。詳細は配偶者に委ねます。

そして、ザルツブルグ音楽祭でオペラ、コンサートを怒涛のように楽しみます。
最後はウィーンで半日ほど遊んで帰国。

今日も鉄道チケット、ホテルなど旅の手配を続けます。



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鉄道チケットと格闘

久しぶりにブログ更新を怠ってしまいました。間近に迫ったヨーロッパの旅の鉄道チケットを購入すべく、悪戦苦闘していたんです。フランス国内でのノートルダム大聖堂巡りのための鉄道ルートを確認し、なるべく、安いチケットを購入することが実に手間のかかる作業でした。基本的な方針はフランスレイルパスを購入するか、voyages-sncf.comのフランス国鉄のサイトで個別の割引チケットを購入するか、見極めることです。そのために一つずつ各ノートルダム大聖堂巡りの鉄道ルートをチェックしていきます。

基本的にパリから各地に日帰りで出かけることにします。

第1日:ノートルダム大聖堂 (アミアンAmiens)

 パリ北駅Paris Nordからアミアン北駅Amiensまで1時間半ほどです。これは簡単に済みそうでしたが、実際に鉄道の時刻をチェックすると曜日によって時刻が変わり、当初、行くつもりだった日曜はまともな電車の時刻が表示されません。別の平日に予定を変更して、一応、往復チケットの料金を確認。格安チケットがなく、通常チケットで往復90ユーロ(2人分、ファーストクラス、以下も同様)。

第2日:ノートルダム大聖堂(ルーアンRouen)

 パリ・サン・ラザール駅Paris Saint Lazareからルーアン駅Rouenまで1時間10分ほど。ここでノートルダム大聖堂を見た後、足を延ばして、港町ル・アーブルLe Havreを訪れます。ここはモネの最高傑作の《印象・日の出》が描かれた舞台です。海辺を散策してみましょう。ルーアンまでの料金が28ユーロ。ル・アーブルまでの料金が28.8ユーロ。パリまでの帰路が50ユーロ。

第3日:ノートルダム大聖堂 (ランスReims)ほか

 パリ西駅Paris Eastからランス駅Reimsまで直通のTGVで45分ほどですが、現状、まだ、2か月先までのチケットしか表示されません。一応、発売中の格安チケットTGV 100% Prem'sの価格をチェックします。ランスはシャンパーニュ地方・・・ということはシャンパンの生産地ですね。あわよくば、シャンパンも味わいたいものです。さらに近くにはノートルダム=アン=ヴォー教会(シャロン=アン=シャンパーニュ)があります。ランス駅からシャロン=アン=シャンパーニュ駅まで鉄道で30分ほどです。さらにノートルダム大寺院(レピーヌ、マルヌ県)も近くにある筈ですが、情報がなかなか見つかりません。何とか英語のサイトで情報を見つけます。鉄道駅はなく車で行くしかないようです。バス路線を調べるとフランス語のバス会社のサイトを発見。シャロン=アン=シャンパーニュから110番の路線で20分ほどです。しかし、いかんせん、バスの運行本数が少なくて、とても行けるものではありません。これは現地でタクシーをつかまえて、チャレンジするしかありませんね。タクシー会社はいくつかあるようです。ランスまでの料金は34ユーロ。シャロン=アン=シャンパーニュまでの料金は17.2ユーロ(セカンドクラスのみ)。シャロン=アン=シャンパーニュからパリ西駅までは直通のTGVで1時間ほどで、格安チケットTGV Prem'sが34ユーロです。ただし、事前に帰路の時間は見通しが立たないために事前予約は難しいかもしれません。その場合は2時間ほどかかる在来電車に乗ることになります。これは要検討事項です。

第4日:ノートルダム大聖堂 (シャルトルChartres)とノートルダム大聖堂(フルヴィエールFourvière、リヨンLyon)

 まず、シャルトルですが、パリ・モンパルナス駅Paris Montparnasseからシャルトル駅Chartresまで1時間15分ほどです。いったん、パリまで戻り、荷物を持って、リヨンまで移動します。パリ・リヨン駅Paris Gare de Lyonから直通のTGVでリヨン・パール・デュー駅Lyon Part Dieuまで2時間ほどです。そこで夕暮れのノートルダム大聖堂(フルヴィエール)に駆けつける予定です。そのまま、リヨンに宿泊します。モンパルナス駅とシャルトル駅の往復料金は72ユーロ。パリからリヨンまでのTGVは格安チケットTGV Prem'sが94ユーロです。

第5日:ノートルダム大聖堂 (ル・ピュイLe Puy)

 本当はノートルダム=デュ=ポール教会(クレルモン=フェラン)にも回りたいところですが、時間的に無理なので断念。リヨン・パール・デュー駅Lyon Part Dieuからル・ピュイ=アン=ヴレ駅Le Puy-en-Velayまで2時間半ほどです。これでノートルダム大聖堂巡りは完了。リヨンに戻り、スイスのジュネーヴに移動します。2時間ほどの移動です。これでフランスを離れます。ル・ピュイまでの往復料金は121.2ユーロ。リヨンからジュネーヴまでの料金は92ユーロ。

これでフランスレイルパスの料金をチェックします。ファーストクラスの5日連続のセーバー(2人同行利用)チケットが47800円。リヨンへのTGVの指定料金が2600円。手数料が1500円。チケット郵送料が1500円。合計で53400円。ほかのTGVの指定は現地の窓口でゲットする予定です。現地では1枚3ユーロと安いですからね。もっともフランスレイルパスのパスホルダー席の枠は限られているのでゲットできない可能性もあります。ですから絶対に必要なTGV予約は少し高くても日本でやっておかなければなりません。ですからリヨンへのTGVの予約だけはやっておく必要があります。
個別の格安料金の合計は660ユーロ。フランスレイルパスのほうが安く、なおかつ、事前に列車指定する必要がないので、融通が利きます。これでフランスレイルパスを購入することを選択。早速、注文しました。
大変でした・・・ふーっ。



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フランスレイルパスの予約をした筈が・・・

今日はsaraiの実家の九州に里帰り。ANAのエアバスA320って、初乗りかも。ヨーロッパ内ではよく乗る飛行機ですが、いつの間にか、ANAもエアバス機を導入したんですね。ボーイングのB737-800とほぼ同じ大きさということは、ANAの小型旅客機はこれからエアバス機にかわるんでしょうか?
ともあれ、実家に着いて、ネット環境を整えて、Eメールを開くと、昨日、ようやく購入した筈のフランスレイルパスに関するメールが来ています。一体、何だろうと思って、読んでみると、驚きの内容。saraiの購入したフランスレイルパスでは、ユーレイルパス枠のTGV予約はできないとのこと。どうやら、フランスレイルパスはSNCF(フランス国鉄)独自の国内乗り放題チケットであって、ユーレイルパスとは別物のようです。それで、ユーレイルパス枠のTGV予約はできないようです。Rail Europe Japanの指示に従って、再度、手続きを行って、その旨のメールを送ります。けれども、待てど暮らせど返事が来ません。そのうち、マドリードオープンテニスの錦織選手の試合が始まり、白熱の試合展開に夢中になります。深夜になって、錦織選手が勝利を収めて、ほっとしたところで、再度、Rail Europe Japanの返事メールを確認すると、何とこちらの送った筈のEメールが送られていません。実家でのネット環境でのメール送信に失敗したようです。慌てて、WEBメールに切り替えて、メールを送り直しましたが、先方の指定した期限の夕方5時を大きく過ぎてしまいました。これはまた、フランス国内の鉄道チケットは仕切り直しになります。たかが鉄道チケットの購入程度で旅は最初から暗雲含み。ということで、また、ベルギーの旅の続きはお預けになります。ごめんなさい。ゲントの子羊がもうすぐ登場するんですけどね。



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ゲント散策:聖バーフ大聖堂の祭壇画≪神秘の子羊≫

2015年6月30日火曜日@ゲント/1回目

旅の12日目です。そして、ゲント2日目です。今日は快晴です。この旅で最高に晴れました。気分がいいですが、暑くなりそうです。当分はこの状態が続きそうな気配です。ボートハウスのホテルから眺めるレイエ川の美しい川面は、鏡のように輝いています。

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対岸の川辺にはボートが並んでいます。

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これは宿泊している部屋の舷窓からの眺めです。綺麗ですね。

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このホテルは朝食付きです。この旅で初めてです。ボートとはいえ立派なキッチンがあり、食堂もちゃんとしています。あまりにも普通のホテルと変わらないので、かえってつまらないかもね。ホテルのオーナーがsaraiと配偶者の写真を撮影してくれます。

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コーヒーやゆで卵をオーナーにお願いし、ジュースを飲みながらゆっくりします。

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窓からの川の眺めがよいのもプラスポイントです。

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食堂は白を基調とした装飾で清潔な雰囲気です。

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窓の外を見ていると、対岸のボートが出航していきます。朝の活動が始まっているようです。

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お願いしたコーヒーや卵が届きます。パンがとても美味しく、久しぶりにしっかり朝食を頂きます。

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美味しく朝食をいただきました。

さて、昨日時間切れで対面できなかった≪神秘の子羊≫(聖バーフ大聖堂の祭壇画)に会いに行きましょう。ボートハウスから川岸に上がります。

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昨日と同様に、近くの橋を渡ってレイエ川の対岸に渡ります。

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橋の上からは美しいレイエ川の眺め。橋の欄干の先に突き出したところには、少女像がちらっと見えていますね。

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しばらく昨日と同じ道を歩いていくと、聖バーフ大聖堂Sint-Baafskathedraalの塔の尖端が見えてきます。ここはビスドム広場Bisdompleinです。左手に見えている建物は魔王ゲラルド城 Geeraard de Duivelsteenという恐ろしげなネーミングの要塞です。でも、昨日からゲントでは奇妙なものをたくさん見てきましたから、名前くらいでは驚きません。この要塞はこれまで兵器庫、修道院、刑務所など色々な用途で使われてきましたが、現在は州立公文書館という立派な用途で使われているそうです。

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これが魔王ゲラルド城の全容です。

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魔王ゲラルド城の前には、レエプReepという短い運河もどきが美しい水をたたえています。

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ここから聖バーフ大聖堂はすぐです。ぶらぶら歩いて到着です。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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今日は、昨日のように迷わずに聖バーフ大聖堂に入館します。まっすぐに≪神秘の子羊≫の展示室の入口に向かいます。窓口ではもちろんシニア料金でチケットを購入。1人3ユーロです。

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入場して、≪神秘の子羊≫とご対面です。想像通りの素晴らしい作品です。大きな祭壇画の中央下の部分に子羊が凛とした姿で立っています。

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この絵を見るために今回の旅を企画しました。ゆっくりと詳細を見ていきましょう。



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第21回宮崎国際音楽祭「ヴェルニコフ・トリオ」~ウィーンの風にのせて~@都城市総合文化センター中ホール 2016.5.9

九州の実家に帰省するにあたり、ついでと言っては何ですが、宮崎国際音楽祭も聴いてみようとプログラムをチェックすると、面白そうな室内楽のコンサートを発見。ヴァイオリンのヴェルニコフ、ピアノの菊池洋子、チェロの古川展生でピアノ三重奏をやるようです。もっともその時点ではプログラムは発表されていませんでしたが、何でも構わないでしょう。~ウィーンの風にのせて~というタイトルが付いているので、ベートーヴェンなどのウィーンの作曲家の誰かの作品でしょう。

当日、車を走らせて、都城市総合文化センターに駆けつけました。もちろん、初めて訪れるホールです。なかなか立派なホールです。自由席なので、早めに並んで、2列目の中央の席をゲット。

前半はモーツァルトのピアノ・ソナタとヴァイオリン・ソナタが素晴らしい演奏。そうなんです。前半のプログラムはピアノ三重奏曲ではなくて、ピアノを軸としたデュオとソロの曲でした。久しぶりに聴く菊池洋子のモーツァルトのピアノ・ソナタは流石の演奏。濁りのないタッチでありながら、重量感も感じさせる独特のモーツァルトの演奏ですが、モーツァルト演奏のひとつの規範を示すような会心の演奏です。長大な第3楽章の変奏曲は変奏ごとに表情をがらっと変えながらの多面的なスタイルの演奏で楽趣は尽きません。意外に難しいモーツァルトを見事に弾きこなす菊池洋子はやはり只者ではありません。もっと評価が高まってもおかしくない逸材です。願わくば、聴き逃してしまったモーツァルトのピアノ・ソナタ全曲演奏会をもう一度企画してもらいたいものです。ところで4年ほど前に聴いた菊池洋子のリサイタルの記事はここです。モーツァルトのピアノ・ソナタ、中期の第10番と第14番を聴きました。今日と同様に素晴らしい演奏でした。

続くヴァイオリン・ソナタはヴェルニコフの安定感ある美音と菊池洋子の抑制された表現が相まって、見事としか言えない素晴らしい演奏。これまた、お二人のモーツァルトのヴァイオリン・ソナタの連続演奏会を聴きたいものです。シンプルなK.304の2楽章構成のソナタですが、第1楽章の第1主題はヴァイオリンの響きに物悲しさを感じます。短調の調べなんですね。予習で聴いたグリュミオー&ハスキルはもっと明るい印象がありましたが、より陰影を感じる演奏です。圧巻だったのは第2楽章。パリで最愛の母を亡くしたこともあるのでしょうが、繊細極まりない音楽です。その曲を奏でる2人の演奏はまさに天国的な高みにある美しさ。心にしみじみと響いてきます。これ以上のモーツァルト演奏は考えられないほどのパーフェクトな演奏にうっとりと聴き入りました。saraiがこれまでに聴いたモーツァルトのヴァイオリン・ソナタで最高の演奏でした。この短いソナタを聴くだけでもこのコンサートに足を運んだ甲斐がありました。

後半はシューベルトの晩年の大作の一つであるピアノ三重奏曲第2番 D.929です。晩年の特徴であるとっても長い作品です。50分を超える演奏でシューベルトを堪能しました。随所にシューベルトらしい美しいメロディーはありますが、歌謡性よりもダイナミックな表現が先行します。そのためにシューベルトの作品中、それほどの人気作になっていませんが、聴き込んでいくと、その起伏に富む音楽はシューベルトが晩年に作曲したというよりも、音楽的に絶頂に上り詰めていく過程の作品であることに思い至ります。せめて5年、できれば10年生きていてくれたら、シューベルトは大変な作品を遺してくれただろう・・・そう思わせてくれるような勢いに満ちた作品、そして、演奏でした。特にロンド・ソナタ形式の第4楽章はその長さも含めて、大変、聴き応えのある音楽であり、演奏でした。初聴きでしたが、聴けば聴くほど、その素晴らしさに捉われそうな予感がします。そういう演奏をプレゼントしてくれた3人の音楽家に感謝です。

プログラムとキャストは以下です。

  ヴァイオリン:バヴェル・ヴェルニコフ
  チェロ:古川展生
  ピアノ:菊池洋子

  ベートーヴェン:「ユダス・マカベウス」の「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲 ト長調 WoO.45
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ第6番 ニ長調 K.284
  モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第21番 ホ短調 K.304

   《休憩》

  シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 Op.100 D.929

   《アンコール》

   シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 Op.100 D.929より第3楽章

ところで、慣れない都城市総合文化センターで女性スタッフのかたの献身的とも言えるご親切な対応に感銘を受けました。コンサート待ちのためのカフェを紹介いただいただけでなく、わざわざ案内までしていただきました。地方の文化の醸成に今後も力を尽くしてください。ありがとうございました。


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ゲント散策:聖バーフ大聖堂の祭壇画≪神秘の子羊≫に感動!!

2015年6月30日火曜日@ゲント/2回目

聖バーフ大聖堂Sint-Baafskathedraalの祭壇画≪神秘の子羊Het Lam Gods≫に遂に対面します。375×520cmという大きな多翼祭壇画です。大聖堂内の有料エリアに設置されています。朝一番でまだ見学者もまばらです。ファン・エイク兄弟が描いた油彩画は完璧な出来栄えです。

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画面上でじっとこちらを見つめる子羊の姿は神々しいとしか表現できません。子羊は人類の罪を贖うために十字架に懸けられたイエスを象徴するものです。体から血を流しています。子羊の手前には生命の泉から清らかな水がこんこんと湧き出しています。イエスの復活を象徴しています。圧倒的な画面の美しさに茫然として見入るだけです。いやでも子羊のこちらを見つめる視線に捉われてしまいます。そして、罪深いsaraiの心の中を見透かすかの如くです。もっとまっとうな人生に立ち返らないといけないという切迫した気持ちが沸き起こります。

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聖母マリアやキリスト(神という説もある)も実に細密な表現で、これが油彩画の初期の作品とは信じられません。フランドル絵画を代表するだけでなく、西欧絵画の最大傑作と言っても過言でありません。やはり、人生でこの作品を見るという行為を怠らなかったのは大正解でした。

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現在、修復作業中ですが、パネルを順番に修復していており、現在は扉の裏側のパネル(外装パネル)を修復中。表側の12枚のパネル(内装パネル)は普通に展示されていて、ラッキーです。

12枚のパネル(内装パネル)を順にご紹介しましょう。これらのパネルは《ヨハネの黙示録》で世界の終りの後に訪れる永遠の神の国の幻想のフィナーレで、人類の罪が赦されて、神の国の都《天上のエルサレム》が出現する様を描いています。

上段のパネルを左側から見ていきます。

《アダム》です。(上部は《カインとアベル》)

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《合唱する天使》です。

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《聖母マリア》です。

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《父なる神(キリスト)》です。

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《洗礼者ヨハネ》です。

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《奏楽する天使》です。

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《イヴ》です。(上部は《カインのアベル殺害》)

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下段のパネルを左側から見ていきます。

《正義の裁判官》です。このパネルは1934年に盗難にあい、現在も行方不明です。ここに展示されているのはゲントの祭壇画がナチスの略奪にあった後、戦後、ベルギーに返還された際に損傷したパネルを修復した際に新たに作成された複製画です。

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《騎士》です。

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《神秘の子羊の礼拝》です。

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《隠者》です。

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《礼拝者》です。

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実は最下段にもう1枚、細長いパネルが1枚あったそうです。キリストが地獄の死者を救う場面が描かれていたそうです。これが揃えば、人類の救済という究極のテーマが完璧に完成した筈です。このパネルがもし発見されることがあれば、人類史上の大発見になります。そして、多くの人がこの作品でさらなる安寧を得られることでしょう。

フーベルトとヤンのファン・エイク兄弟は大変な作品を世を遺してくれました。以後の芸術家はこれ以上の作品は描けないと嘆いたそうです。なお、兄のフーベルトはこの作品の制作中の1426年に亡くなり、その画業や生涯は今も謎に包まれたままです。この作品が完成したのはフーベルトの死後6年経った1432年のことだとされています。最終的には弟のヤンが完成させましたが、兄フーベルトの偉業は燦然と輝いています。惜しまれるフーベルトの死でしたが、弟のヤンもこの作品を完成した後、わずか10年でこの世を去ります。saraiの個人的な見解では、あまりに緻密な細密画の制作が二人の命を縮めたんだろうと確信しています。もっとも、その素晴らしい細密画が二人に永遠の命を与えたとも言えます。さても芸術家の運命は過酷なものですね。

この祭壇画は昔、通常は裏のパネル(外装パネル)で閉じられた状態になっていて、特別な場合だけ外装パネルが開かれて、内装パネルが公開されたそうです。有力者や多額の寄進をしたものはその内装パネルを特別に見ることができ、saraiのような一般大衆は祭礼のときだけに多くの群集の雑踏のなかでちらっと見ることだけができたそうです。特別な祭壇画だったんですね。今、こうして、簡単に祭壇画を見ることのできるsaraiはいかに幸福なんでしょう。

祭壇画の裏の外装パネルは、裏に周って見ることができるように展示されています。
裏の外装パネルは抑えた色調で3階建ての家の内部をイメージして描かれています。3階はキリスト誕生を預言する旧約聖書に登場する預言者のふたりと巫女、2階は受胎告知の場面、1階は左右に寄進者ヨドクス・フェイトとその妻、中央に洗礼者聖ヨハネと福音書記者ヨハネが描かれています。

これが左側の裏の外装パネルです。

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これが右側の裏の外装パネルです。

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実際は一部、修復中で見られない外装パネルもありました。そのパネル修復中の様子が見られるそうなので、この後、ゲント美術館に行きましょう。



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ゲント散策:ゲント美術館

2015年6月30日火曜日@ゲント/3回目

聖バーフ大聖堂Sint-Baafskathedraalの祭壇画≪神秘の子羊Het Lam Gods≫への対面を済ませ、今回の旅の大きな目的を果たしました。次は、この祭壇画の一部を修復している様子を見られるゲント美術館Museum Voor Schone Kunsten Gentに行きましょう。ゲント美術館は旧市街の中心から離れているため、トラムでいったんゲント・セント・ピータース駅Gent-Sint-Pietersまで行きます。トラムで5駅ほどです。大聖堂を出て、トラムの発着するコーレンマルクトKorenmarktに向かいます。コーレンマルクトではちょうど学生たちが連れ立って歩いています。ベルギーの女子中学生でしょうか。ミニスカート姿が可憐ですね。

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ベルギーの男の子も負けずに可愛いと配偶者が呟いています。

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コーレンマルクトのトラム停留所で1番のトラムの到着を待ちます。駅まで行く人たちが大勢待っています。

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到着したトラムに乗って、アントワープで購入した回数チケットを打刻機に挿入します。二人だから2度挿入しますね。アントワープとゲントは同じフランドル地方なので、公共交通機関De Lijnのチケットは共通で使えます。この後に行くブルージュも共通です。便利ですね。

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これがその回数チケット。

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ゲント・セント・ピータース駅でトラムを降ります。ここまでの移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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美術館に向かいますが、あまり詳細な地図がないので不安です。トラムの走る大通りKortrijksesteenwegを駅から少し戻り、ヘンドリク・ファン・ブレーデローデ通りHendrik van Brederodestraatに入ります。

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ゲント美術館は広大な森の中にあるようで、その森に辿り着きましたが、それから先がよく分かりません。地図を片手にキョロキョロしていると、犬の散歩をしているおじさんが、美術館に行くのかいと助け舟を出してくれます。丁寧に道順を教えてくれましたが、結局犬を連れて道案内をしてくれることになってしまいました。

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こんな岩をくりぬいたトンネルを抜けて、進んでいきます。

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こんな広大な森の中の道を歩いていきます。この森はシタデル公園Citadel Parkと呼ばれています。

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やがて、ゲント美術館が見えてきます。美術館は森の反対側の一角にあり、道は分りづらいルートでした。本当に助かりました。感謝です。犬も先に立ち、案内してくれました。ありがとう!

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ゲント美術館の建物はなかなか重厚で趣きのある建物です。

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街の中心から外れているせいか、客も少なく、落ち着いて鑑賞できそうです。受付の人もとても丁寧な対応です。もちろんシニア料金です。これが購入したチケット。6ユーロです。

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地下のコインロッカーに荷物を預けて(無料)、身軽になって鑑賞です。まずはゲントの祭壇画の修復現場を見学。緻密な仕事ですね。2人がそれそれ別の絵を担当して、顕微鏡を覗きこみながら、細い筆を入れています。

さて、所蔵品を見て歩きましょう。いきなり、ボッスを発見。配偶者は大喜びです。彼独特の描写が素晴らしいです。
《十字架を担うキリスト》です。

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ブルューゲルの超有名な絵もあります。この美術館にあったのですね。しかし、よく見ると、ピーテル・ブリューゲル(父)ではなくて、ピーテル・ブリューゲル(子)の作品です。ウィーン美術史美術館にあるピーテル・ブリューゲル(父)を模写した作品です。危うく誤認するところでした。
《農民の婚礼》です。

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同じくピーテル・ブリューゲル(子)の《村の弁護士》です。

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同じくピーテル・ブリューゲル(子)の《屋外での婚礼の踊り》です。これも父親の作品の模写のようです。

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ココシュカを発見し、saraiは満足です。
《ルードヴィッヒ・アドラー博士の肖像》です。

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キルヒナーも発見し、saraiはますます満足です。
《ドレスデンの館》です。

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伯爵画家フランツ・フォン・レンバッハの作品もなかなかよい作品です。
《婦人の肖像》です。

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他にもなかなか素晴らしいものがありました。かなり楽しめました。配偶者はブックショップで、皮のすてきなブックカバーを見つけ、お誕生日がもうすぐの長男へのお土産に買い求めていました。
これで大体のゲント観光は終了です。
が、時間があるので、お城(フランドル伯居城)に上ってみましょう。


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ゲント散策:フランドル伯居城からの絶景

2015年6月30日火曜日@ゲント/4回目

ゲント美術館Museum Voor Schone Kunsten Gentを出ると、そこはシタデル公園Citadel Parkの森の中です。

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この後はまだ時間があるので、お城(フランドル伯居城Gravensteen)に上ってみましょう。そこからの眺めがよいらしいのです(昨日のボートクルーズのお兄さんからの情報)。トラムで、旧市街の中心に戻ります。シタデル公園の前の大通りCharles de Kerchovelaanを通って、トラム乗り場に向かいます。

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トラムでフランドル伯居城前に到着。ここまでの移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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堅固な城塞へのトンネルに入っていきます。

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トンネルの先にはお城が聳え立っています。

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入場券を購入します。お城の入場もシニア料金です。どこでもパスポートの提示を求められないのが残念ですが(笑い)、大いに利用させてもらいましょう。

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お城の展望台を目指して、上っていきましょう。

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途中の低い展望台に出ます。まだ、最高点の展望台は先にあります。

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いったん、お城内部の展示室にはいります。中世の鎧、兜などが展示されています。さっと眺めて、さらに上に上っていきます。

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展望台に着き、ゲントの市街を眺めます。素晴らしい景色に感動します。まずはゲントの3塔が目に飛び込んできます。左から、聖バーフ大聖堂Sint-Baafskathedraal、鐘楼Belfort、聖ニコラス教会Sint-Niklaaskerkです。さらに右手には郵便局の塔も見えます。

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下を覗きこむと、中間にあった展望台、地上のシント・フェールレ広場Sint Veerlepleinが見えます。地上の人は豆粒のように見えています。

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少し右側に視線を向けると、レイエ川の先に聖ミヒエル教会Sint-Michielskerkも見えています。

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銃眼を通しての眺めも趣きがあります。聖バーフ大聖堂と鐘楼が仲良く並んでいます。

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銃眼からの眺めをもうひとつ楽しみます。

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もういちど、ゲントの街の大パノラマを楽しみます。聖バーフ大聖堂、鐘楼、聖ニコラス教会、郵便局の塔、レイエ川、聖ミヒエル教会が並ぶ壮観な眺めです。

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最上階の展望台を後にして、下の階にある展望台に下ります。ここは高い石壁にさえぎられて、展望できる場所が限られています。はためく旗が印象的です。

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こちらは反対方向です。

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展望用の場所に上ると、また、街の美しい景色が眺められます。

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下を覗きこむと、レイエ川の運河リーヴェLieveがちらっと見えています。

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しっかりと眺めると、運河リーヴェがよく見えます。昨日の観光船クルーズを思い出します。

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もう少し、フランドル伯居城の見学を続けます。



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ゲント散策:フランドル伯居城の美しい城郭

2015年6月30日火曜日@ゲント/5回目

フランドル伯居城GravensteenからのゲントGentの街の絶景を楽しみました。お城の見学は続きます。
絶景を楽しんだお城の上から内部の石段を下りて、お城の下に向かいます。

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お城の下に出ました。お城の周りには堅固な城壁が巡らせてあります。

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お城と城壁の間は美しい緑の空間になっています。

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お城の建物を見上げます。さっきまで眺めを楽しんでいたのはこの建物の上からでした。

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重厚で美しい建物ですね。

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お城の建物に沿って、歩いていきます。お城の重量感に感銘を受けます。

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垂直に立ち上がるお城の壁面はもちろん軍事目的ではありますが、現在の平和な時代には美しさも感じられます。

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誇らしげにはためく2本の旗は何を象徴しているのでしょうか。平和な時代を象徴していると信じたいところです。

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お城の美しさに魅了されて、お城を見上げ続けています。

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と、お城の中に入っていく人たちが目に入ります。何かあるのでしょうか。

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我々もお城に入ってみましょう。

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お城の内部には意外な光景が広がっています。青白い光に満たされた異様な空間です。空気もひんやりと冷たいです。何なのか分かりません。でも面白いですね。

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突き当りまで行きますが、別に何もありません。壁には壁龕がありますが、それだけのことです。

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狭い入口からの光は遮られていて、照明ランプの青白い光だけがこの空間を照らしています。奇妙な空間ですね。これもゲントの奇妙さのひとつだと感じます。

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フランドル伯居城の見学は思わぬ形で終わることになりました。階段の上り下りが大変でしたが、フランドル伯居城からのゲントの3塔+1塔の眺めも最高。絶景でした。ゲントは塔の多い街ですね。そして、とってもおしゃれな色合いの街で大好きな街になりそうです。丁寧な案内の表示があり、迷うことなく見学できました。
分厚い城壁を抜けて、お城の外に出ます。

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お城の外に出ると、すぐ前に旧魚市場Oude Vismijnの建物があります。リノベーションされた建物は綺麗になっています。その建物の一画にツーリスト・インフォメーションがあるので寄ってみましょう。今頃になってと言う感じですが、ツーリスト・インフォメーションで日本語で書かれたゲントの街の散策マップをゲット。

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その散策マップに書かれている中世の街並みを感じられると言う地区に行ってみましょう。地図中の22番の場所です。

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レイエ川沿いの美しい通りクラーンレイKraanleiを歩きます。

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中世の街並みに向かっていきます。


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ゲント散策:ベルギー名物のムール貝の美味しさに感動!

2015年6月30日火曜日@ゲント/6回目

レイエ川沿いの美しい通りクラーンレイKraanleiを歩いて、中世の街並みに向かっていきます。レイエ川には観光船クルーズのボートが見えますが、暑いせいか、みなさん、パラソルをさしていますね。

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対岸のカフェも賑わっています。

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通り沿いの建物のファサードには凝った装飾が施されています。古い建物のようです。

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クラーンレイから左手のローデコーニング通りRodekoningstraatに入ります。このあたりが中世の街並みを残すとガイドブックに書いてあったところのはずです。最初の角からコドゥワニールス通りCorduwaniersstraatを覗きます。まあ、それなりの街並みではありますね。

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この角を通り越して、次の角で左に曲がって、プローテルスグラハト通りPlotersgrachtに入ります。確かに古ぼけた感じの建物が並びますが、中世を感じさせる美しさはありません。

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ふらふらと歩きながら、バレン通りBallenstraatを通って、元のクラーンレイに戻ります。

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結局、期待したような中世の雰囲気はなく、大してことはありませんでした。これでゲント観光は終了としましょう。夜のオペラに向けてホテルで休養をしたいところですが、その前にお昼を済ませて帰りましょう。もう2時半ですからね。気温がどんどん上がり暑いのと、平日にもかかわらず多い観光客に圧倒され、食欲もないのですが・・・。しかし、コーレンマルクトKorenmarktに並ぶレストランを覗いていると、ムール貝の看板を発見。俄然食欲がわいてきました。お店の席に座ります。日除けのパラソルの下は暑さがしのげます。

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このお店はブラッセリー・ボルルートBrasserie Borluutというレストランです。赤いメッシュの椅子が目印です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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お店のスタッフにムール貝の看板を指差して、あれが食べたいと言うと、メニュー表を指し示してくれます。ムム・・・時価という感じで値段が書いてありません。量もどれだけと言えないので、もうおまかせと言う太っ腹な注文。もちろんビールもお願いします。ビールはメニューを見て、綺麗な色のビール、Keizer Karel(カレル王?)の2色のビールをお願いします。

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ビールはすぐに運ばれてきます。美味しそうですね。

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適当に注文した料理が運ばれてきます。これが大正解でした。美味しいのは当然ですが、鍋にいっぱいのムール貝です。

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ベルギー名物のフライドポテトもいただき、満足、満足。

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ムール貝の鍋は最後に残ったスープも美味。鍋の底まで食べ尽くしました。

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ビールも美味しく大満足です。しかも安かった!全部で4000円ほどです。これで味を占めて、この後、ベルギーではムール貝を食べまくることになります。
これがこの店に吸い寄せられるきっかけになったムール貝の看板です。


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お店を出ると、目の前に聖ニコラス教会Sint-Niklaaskerkの建物が堂々とした姿で立っています。その向こうには、鐘楼Belfortも見えています。

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ずい分暑くなってきたので、冷たいもののお店に人だかりがしています。

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若い人たちは地面に座り込んで、買い求めたフローズンヨーグルトらしきものを食べています。美味しそうですね。

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彼らを横目に見ながら、鐘楼のほうに歩いていきます。

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また、鐘楼の先端にあるゲントのシンボルである黄金のドラゴンを眺めます。

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ゲントの壮大な建築群を眺めながら、ホテルに戻っていきます。


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レジス・パスキエ&金子陽子 デュオ・リサイタル@横浜上大岡ひまわりの郷 2016.5.15

音楽とは不思議なものです。今日のコンサートは本編の演奏よりも短いアンコール曲のほうが心に響いてきました。それも名も知らぬ作曲家の作品だったんです。アンコールの前にヴァイオリンのレジス・パスキエからアンコール曲についてのコメントがありました。それも彼自身の思い出話を含むもので、異例なことですね。その話をかいつまんで紹介しましょう。まずは聴衆は英語は分かるか、フランス語は分かるかという自明の問から始まります。もっともフランス人としては自明な問いかけではなかったのかも知れません。ゆっくりした英語で彼はさらに問いかけます。自分の音楽教師はナディア・ブーランジェだが、彼女のことをみなさんは知っていますか? 実はsaraiも初めて聞く名前だったのですが、ほとんどの聴衆も知らなかったようです。すると、パスキエは自分が小さな子供の頃にナディア・ブーランジェのもとをレナード・バーンスタインが訪れた思い出を語ります。ナディア・ブーランジェはそれほど著名な音楽教師だったことを言いたかったようです。実際、後で調べてみると彼女に師事した音楽家は実に多彩な顔触れです。特にピアソラへの影響が知られているようです。ともあれ、アンコール曲はそのナディア・ブーランジェの作った曲かと思っていると、そうではなく、彼女の妹のリリ・ブーランジェの短い作品だということで彼のお話は終わります。もちろん、saraiはその作曲家の名前も初耳です。
そのアンコール曲ですが、フォーレを思わせるようなフランスの香り高い音楽です。パスキエの演奏と言ったら、それまで本編で弾いていたウィーンの作曲家の作品とはうって変わって、実にナイーブな感覚の演奏です。思い入れの深い作品のようです。とても素晴らしい演奏にうっとりと聴き入ってしまいました。こういう演奏をするんだったら、本編もラヴェルとかドビュッシーとかフォーレとか言ったフランス音楽を聴かせてくれたらよかったのにと思ってしまいました。この作品を作曲したリリ・ブーランジェはとても才能に恵まれた作曲家で若くしてパリ音楽院で女性として初めてローマ大賞を受賞した人でしたが、幼い頃から臓器不全に冒されていて、24歳で夭折してしまったそうです。パスキエは日本の聴衆にこういう素晴らしい作曲家がいたことを紹介しようとしたんでしょう。素晴らしいアンコール曲の演奏に本編の演奏のとき以上に熱くなって拍手を送りました。きっと、パスキエはリリ・ブーランジェの姉のナディアから直伝でこの曲を学んだに違いありませんね。とてもよいものが聴けて、満足です。

肝心の本編の演奏ですが、モーツァルトもベートーヴェンも真面目できっちりした演奏で文句の付け所はありませんが、saraiとしてはもっと柔らかいウィーン風の演奏が好みです。シューベルトも同じ感想ですが、それでも、最後の幻想曲は名曲ですから、第2楽章の美しさには聴き入ってしまいました。それにしても幻想曲は演奏上、大変な難曲であることも分かりました。それに晩年のシューベルトはどれも長いですね。

今日のプログラムは以下です。

  ヴァイオリン:レジス・パスキエ
  ピアノ:金子陽子

  モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第41番 K.481
  ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第7番 Op.30-2

   《休憩》

  シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第1番 D.384
  シューベルト:幻想曲 D.934

  《アンコール》

  リリ・ブーランジェ:ヴァイオリンとピアノのための夜想曲 ヘ長調

実はレジス・パスキエの演奏はこの同じホールで5年ほど前に聴いています。そのときのブログの記事を読んでみると、まったく今日と同じような感想だったので思わず笑ってしまいました。やはり、フランスものがよいようです。それに硬質な演奏はバルトークにむいているようです。そのときの記事はここです。


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トッパンホール室内楽フェスティバル:2日目@トッパンホール 2016.5.16

トッパンホールが15周年シーズンの特別企画として、6回にわたる室内楽フェスティバルを開催中です。ヴァイオリニストのクリスティアン・テツラフを中心にピアノのラルス・フォークト、妹のチェリストのターニャ・テツラフ、ヴィオラのレイチェル・ロバーツなどテツラフ・ファミリーを中心としたメンバーで、ブラームス、シューマン、シューベルトというロマン派の作曲家の作品を取り上げています。実はsaraiはまだ、彼らの演奏は聴いていなかったので、ちょうど良い機会なので聴いてみることにしました。6回のうちの3回、クリスティアン・テツラフを中心に聴いてみます。今日は室内楽フェスティバル自体は2回目ですが、saraiはこれが最初に聴くコンサートです。

今日のプログラムは以下です。

  ブラームス:チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99
     チェロ:ターニャ・テツラフ
     ピアノ:ラルス・フォークト

  シェーンベルク:浄められた夜 Op.4
     ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ
     ヴァイオリン:久保田 巧
     ヴィオラ:レイチェル・ロバーツ
     ヴィオラ:原 麻理子
     チェロ:ターニャ・テツラフ
     チェロ:マリー=エリザベート・ヘッカー


   《休憩》

  シューマン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.63
     ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ
     チェロ:ターニャ・テツラフ
     ピアノ:ラルス・フォークト

最初はブラームスのチェロ・ソナタ第2番。saraiは耳馴染みのある曲ではありません。手持ちのCDで予習しておくことにします。フルニエかデュ・プレかビルスマかロストロポーヴィチですが、今回のコンサートのチェリストは女性なので、デュ・プレ&バレンボイムを聴くことにします。デュ・プレの演奏は女性と思えないくらいダイナミックで熱い演奏です。一方、今日のターニャ・テツラフは演奏はスケール感のあるものですが、アタックは柔らかくて、深々とした響きに満ちた演奏。とてもよい演奏に感じました。ややもすると、チェロは気迫だけが先走ってしまう演奏が多いのですが、彼女の演奏は知情意のバランスのとれた温かみのある演奏で、熱くなるべきところはしっかりと熱い演奏になっていて、気持ちよく聴けました。

次のシェーンベルクの《浄められた夜》はある意味、衝撃的な演奏。やはり、シェーンベルクは天才的な作曲家であったことを再認識させられました。まずは6人の弦楽器奏者がステージに現れるところでビックリします。リーダーのクリスティアン・テツラフ以外はすべて女性。それも色とりどりの鮮やかなドレスを身にまとっています。ステージが妙に華やぎます。低弦から静かに曲が始まりますが、どんどん曲が進行するにつれて、6人の弦楽器が多様な響きでそれぞれの個性を発揮します。この曲はこんな曲だったのかと驚かされます。いわば、アンチ・アンサンブルとも思えます。アンサンブルが合っていないのではなく、あえて、和声感を出さないような演奏です。とても新鮮に感じます。終盤に至って、これが見事に和声感のある演奏に収束していきます。シェーンベルクが後期ロマン派の絶頂、そして、黄昏に放った作品は和声を超えた和声の音楽だったんですね。この表題音楽のメロドラマに惑わされて聴いていた自分の不明さに今更ながら気づかされます。それにしてもこの演奏をリードしていたクリスティアン・テツラフの抑制した知的な演奏表現には脱帽です。彼の演奏でシェーンベルクの何たるかを教えられた思いです。もちろん、この後期ロマン派の傑作は色んな解釈があるでしょうが、テツラフの卓越した音楽解釈は素晴らしいとしか言いようがありません。

休憩後のシューマンのピアノ三重奏曲第1番はさらに素晴らしい演奏。クリスティアン・テツラフのヴァイオリンに魅了され尽くしてしまいました。彼が支配した演奏と言えるでしょう。それにしてもシューマンの作り出した素晴らしい音楽に感銘を受けました。特に第3楽章のインティメットな音楽・・・それを繊細な表現で聴かせてくれたクリスティアン・テツラフのヴァイオリン。そして、第4楽章はシューマンらしい祝祭的な主題に満たされた音楽をテツラフを主体としたトリオが華やかに盛り上げます。久しぶりに素晴らしいシューマンの室内楽を満喫しました。圧巻の演奏でした。

次は第3回目のコンサートを聴きます。クリスティアン・テツラフのブラームスが楽しみです。


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ゲント散策:最後の街歩き、そして、夜は極上のオペラ

2015年6月30日火曜日@ゲント/7回目

美味しいランチをいただいて、上機嫌でホテルに戻ります。もうこれでゲントの美しい街を見るのもお終いですから、しっかりと目に焼き付けておきましょう。聖ニコラス教会Sint-Niklaaskerkを過ぎると、鐘楼Belfortが間近に聳え立ちます。その手前には、少し掘り込んだ低い地面に綺麗なエミール・ブラウン広場Emile Braunpleinがあります。陽光を浴びながら、芝生で寛ぐ人たちがいますね。

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青空を背景にすっくと立つ鐘楼を見上げます。かって大いに栄えたゲントの富の象徴ともいえる建造物です。

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シティホールStadshalの大屋根の下を歩き、そこから鐘楼に連なる繊維ホールLankenhalleの大きな建物を眺めます。その繊維ホール建物の上に聖バーフ大聖堂Sint-Baafskathedraalの塔が頭をのぞかせています。繊維ホールの手前の部分は旧看守の家のファサードと呼ばれています。写真ではちょっと見ずらいのですが、ファサード上部にある彫刻には、牢獄の老人シモンが生き続けられるように娘のペロが胸を吸わせている伝説が刻んであります。どうもゲントには少し面白いというか、奇妙というか、まっとうではないものが多いようです。

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左のほうを眺めると市庁舎Stadhuis Gentの建物が見えています。

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ちゃんと市庁舎の建物を見ていなかったので、その前に行ってみます。この東ファサードはルネサンス様式です。市庁舎の建物は様々な建築様式が複合した建物になっています。

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市庁舎前から裏通りを通って、ホテルのほうに向かって歩きます。途中、ザンドベルク通りZandbergで後ろを振り返ると、聖バーフ大聖堂の塔が見えます。これがゲントの3塔の見納めとなります。

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やがて、レープ運河沿いのニーウブルグカーイ通りNieuwbrugkaaiに出ます。

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レープ運河reepがレイエ川に合流するポイントで運河にかかる橋を渡ります。ボートハウスのホテルと旧市街をつなぐルートで必ず渡る橋なので、何度となく渡ったお馴染みの橋です。

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レイエ川沿いに歩くと、対岸にボートハウスのホテルが見えてきます。美しいレイエ川の眺めです。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ホテルでしっかりお昼寝をして、オペラに出かけます。配偶者は、暑さもものともせず、着物でビシッときめて出かけます。かなりの距離を歩いて、ゲント・オペラ劇場に到着。石造りの綺麗な建物です。

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ここでフランダース・オペラ(ゲントとアントワープが本拠地)でオペラ《フィガロの結婚》を聴きます。最前列の席をゲットしてあります。これがネットで購入し、自宅に郵送されてきたチケットです。

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席につくと、オーケストラ・ピットが目の前です。

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こじんまりしたホールです。音響がいかにもよさそうです。まだ、お客さんがちらほらですが、もう開演15分前なんです。

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バロック風の内装は美しく、天井はこんな感じ。

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最前列席の様子です。

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オペラは極上の出来栄えに大満足です。ヨーロッパは大都市のオペラハウスはもちろんですが、地方都市のオペラハウスも驚くほどのレベルにありますね。このオペラ《フィガロの結婚》の詳細記事はここです。

満足感でいっぱいになって、ホテルに帰還します。美しい満月を眺めながらぶらぶらと戻ります。暗闇の中、無事にホテル前に到着。レイエ川沿いに点々と光る明かりでボートハウスの姿が浮かび上がっています。

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ボートハウスホテルの対岸の建物がレイエ川の暗い水面に映り込んでいます。

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ボートハウスホテルでは、遅い到着のお客があったようで、オーナーがまだいるようです。彼の姿が船室(実際はホテルのレセプション)に見えています。

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レセプションに歩み入ると、オーナーは配偶者の着物姿を褒めてくれます。しかし、その後、指導があります。部屋の電気を点けるときは必ず窓をしっかり閉めるようにとのことです。でないと、虫が大量に入り込むとのこと。昨夜は窓が開いていたようです。確かに、今夜は虫は入ってきません。ただし、扇風機を最強で回しても暑いんです。
ゲントの最後の夜は更けていきます。寝るときに電気を消して、窓を開けます。これがボート生活の常識! ちょっと勉強になりました。

明日はブルージュに移動します。


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トッパンホール室内楽フェスティバル:3日目@トッパンホール 2016.5.18

今日はトッパンホール室内楽フェスティバルの3日目ですが、saraiが聴くのはこれが2回目のコンサートです。今日はブラームスの室内楽をたっぷりと聴かせてもらいます。

今日のプログラムは以下です。

  ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78《雨の歌》
     ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ
     ピアノ:ラルス・フォークト

  シューマン:詩人の恋 Op.48
     テノール:ユリアン・プレガルディエン
     ピアノ:ラルス・フォークト


   《休憩》

  ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番 イ長調 Op.26
     ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ
     ヴィオラ:レイチェル・ロバーツ
     チェロ:ターニャ・テツラフ
     ピアノ:ラルス・フォークト

最初はブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番《雨の歌》です。これは期待通りのとてもよい演奏でした。特に第1楽章の第1主題のひそやかでとてもロマンティックなヴァイオリンの演奏にすっかり魅了されました。繰り返し演奏されるたびに胸にジーンと響いてきます。クリスティアン・テツラフのあえて抑制した響きと表現にうっとりします。決して美音ではないのですが、やはり、音楽は最終的に心を打つ表現力に尽きます。彼の弱音での表現力の素晴らしさは特筆すべきものです。もっとも強音ではもっと美しい響きが欲しいものですが、二兎を追うことは困難なことかもしれません。彼はかってストラディヴァリウスを弾いていたそうですが、現在、ドイツの現代楽器を選択したとのことで、それが彼の響きと表現に関連しているのではないでしょうか。saraiは今回がクリスティアン・テツラフの初聴きなので、過去の演奏と比較することはできません。小さな響きに耳をそばだてて聴き入ってしまいました。ラルス・フォークトのピアノもクリスティアン・テツラフのヴァイオリンにもっと寄り添って、繊細な表現を志向してもらいたかったところです。トータルにはラルス・フォークトのピアノも決して悪い演奏ではなかったんですが・・・。

次のシューマンの《詩人の恋》は最高の演奏とは言えませんが、何と言っても作品が素晴らしいことで、トータルにはとても満足して聴けました。歌曲でこれほどのピアノパートを作曲したシューマンのありあまるほどの才能には改めて驚愕の思いです。ラルス・フォークトのピアノも時として、鍵盤を強く叩き過ぎることを除くと、とても素晴らしい演奏でした。シューマンのピアノ独奏曲が聴きたくなったほどの出来のよい演奏です。宝石のように散りばめられた美しいタッチのピアノの響きに強く惹かれました。テノールのユリアン・プレガルディエンですが、実はsaraiがチケットを買った時点では、彼の父親のクリストフ・プレガルディエンと誤認していて、本当に聴きたかったのは父親のほうだったんです。実際、これまで、トッパンホールには父親のクリストフ・プレガルディエンが何度も登場していたし、そもそも彼の息子もテノール歌手だなんて知りませんでしたからね。ともあれ、ユリアン・プレガルディエンは決して美声ではありませんが、その真摯な表現はこの《詩人の恋》に向いています。しかし、まだ、完成度という点では、今ひとつだったでしょうか。それでも抒情的な曲(作品全体が抒情的ですが、その中でもという意味で)での表現には心惹かれました。特に1曲あげれば、第12曲の《まばゆく明るい夏の朝に》は素晴らしい歌唱でした。全体では最初のうちは固い印象でしたが、徐々に音楽に深く入り込んだ歌唱になり、第4曲あたりからはなかなかの歌唱でした。いずれにせよ、シューマンの傑作を気持ちよく聴かせてくれましたから、お二人の演奏には満足です。

休憩後はブラームスのピアノ四重奏曲第2番。第1楽章はシューマンを思わせる祝祭的な楽曲ですが、4人の演奏者がそれをバランスよく聴かせてくれました。ここでもクリスティアン・テツラフのヴァイオリンの弱音表現の素晴らしさが光ります。第2楽章が美しく抒情的に演奏されて、最後の第4楽章は再び、祝祭的なムードで結ばれます。フィナーレの盛り上がりが一番、印象的でした。何せ、とても長大な作品で、ブラームスを満喫させてもらいました。文句のない演奏でした。

次は第6回目のコンサート、すなわち、最終日のコンサートを聴きます。シューベルトの傑作、弦楽五重奏曲が楽しみです。


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ブルージュ散策:ゲントを発って、ブルージュへ

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/1回目

旅の13日目です。

ゲント3日目ですが、今日はゲントGentを出発して、ブルージュBruggeに向かいます。
ボートハウスホテルで朝食を頂き、すぐにチェックアウトをします。居合わせた若者は、日本に2ヶ月ほどいたことがあるとのこと。オーナーは、日本に行きたいけど何月に行くのが良いかと聞いてきます。4月か10月に是非と勧めます。結構日本は人気がありますね。
ボートハウスホテルを出て、最後にボートハウスと辺りの景色を頭の中にしまいます。

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荷物を引っ張って、最寄りのゲント・ダンポールト駅Gent-Dampoortまで歩きます。ほんの10分ほどです。
エレーベーターでホームに出ます。荷物用と思われる大きくて無骨なエレベーターです。このエレベーターは、取っ手を横に引いて手で開けるんですよ。待っていても乗れません。これに気づいたsaraiはエライ!と配偶者が持ち上げてくれます。

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駅は海水浴に向かう子供たちで大騒ぎです。いよいよ夏の行楽シーズン突入ですね。

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いやはや、大変な人数です。ぞろぞろ歩いてきます。

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ホームから見下ろした駅前の街並みです。ゲントの街の玄関口の駅はここではないので、駅前の賑やかさはありません。

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IC(インターシティ)の入線を待っていると、やってきたのは何と貨物列車。

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今度こそICがやってきたと思うと、またしても貨物列車。ベルギーは貨物列車が多いようです。

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貨物列車が轟轟とした音を残して走り去っていきます。海水浴へ行く子供たちはホームに座り込んでいますね。

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すぐにまた電車がやってきます。今度こそはICが入ってきます。

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我々はファーストクラスなので余裕かと思ったら、車内はかなり混んでいます。相席しか見つかりません。と、4人掛けの席を自転車が占拠してます。これってひどいよね。持ち主は誰?と言う感じで仁王立ちしていると・・・ここに座りたいのかい?と近くの2人席に座っていた人が言ってきます。もちろん! 別の2人席の方に自転車を移動させてもらい、ようやく座れました。

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ところで、ここはファーストクラスです。かなり高額なのです。なのに、座っているのは、ほとんど若者です。何か特別なサービスがあるのかしらね。
これがネットで購入したチケット(自宅でプリント)です。

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走り出したICはすぐにゲントの玄関口のセント・ピータース駅Station Gent Sint-Pietersに到着。本来はこの駅で乗り降りするところですが、たまたまsaraiが宿泊したボートハウスのホテルがゲント・ダンポールト駅に近かったので、そちらを利用することになりました。

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車内の様子はこんな感じ。ファーストクラスなのにとても混み合っています。

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セント・ピータース駅を出たICは、ゲントの街並みを駆け抜けて緑の中に入っていきます。

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やがて、レイエ川(あるいは運河?)を越えていきます。

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車窓には広い牧草地が広がります。オランダで見た風景と同じですね。

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今度は畑地です。

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長閑な風景がどこまでも続きます。

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おや、ここも牧場ですが、数頭の馬が草を食べています。牛や羊はいないようです。珍しいですね。

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ゲントとブルージュの中間あたりで小さな街を通り過ぎます。

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再び、緑の美しい大地の中をブルージュに向かって走っていきます。

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35分でブルージュBruggeに到着です。

ゲントからブルージュまでの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。

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今日からブルージュに2泊して、運河の街で美術や街歩きを楽しみます。



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ブルージュ散策:ブルージュ観光は運河クルーズから

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/2回目

ブルージュBruggeに到着しました。まずは、ブルージュの駅構内にあるツーリストインフォメーションで、ブルージュのシティ・カード3日券と公共交通機関3日乗り放題チケットを購入します。窓口は空いています。

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これがブルージュのシティ・カード3日券です。プラスティックのしっかりしたカードです。

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これで主要な美術館や博物館にタダで入場できます。1人45ユーロと結構高額ですが、いくつかの美術館に入れば、すぐ元は取れるでしょう。ブルージュのシティ・カードが有効な施設の案内が記載されたパンフレットもいただきます。

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これが公共交通機関3日乗り放題チケットです。アントワープで購入した回数券と表面はまったく同じデザインですが、裏面に3日間有効なパスとプリントされて、有効な期日もプリントされています。1人10ユーロですから、お得なチケットです。実はアントワープで購入した回数券もまだ使い切っていませんが、それでもこの3日乗り放題チケットは安くて、お得です。

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この乗り放題チケットを使って、駅前から11番のバスで旧市街の中心地マルクト広場Grote Marktの先のバス停ウォレ通りBrugge Wollestraatまで移動します。バスの車内では行き先の表示がありません。が、Google Mapで予習済みのsaraiは、しっかりホテルの最寄りのこのバス停で下車です。そこから、運河に面するホテルはすぐそこです。事前にGoogle Mapのストリートビューで何度もホテルのレセプションまでの移動イメージをチェックしていたので、初めての場所とは思えないほど頭にしっかりと画像が焼き付いています。今日から宿泊するホテル ブールゴンシュ ホフHotel Bourgoensch Hofは、運河沿いの可愛いホテルです。通りから路地に入るとホテルの入口があります。そこからはブルージュの運河が見渡せます。ブルージュと言えば運河ですから、運河の眺めを楽しむためにこのホテルを選んだんです。

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駅からホテルまでの移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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ホテルに足を踏み入れると、運河沿いのスペースに気持ちのよさそうなレストランがあります。明日からの朝食はここで運河の眺めを楽しめそうです。そのためにあえて、朝食付きのプランを予約してあります。

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廊下を奥に進むと、誰もいないレセプションがあります。まだ午前中ですから、チェックインする客もいませんからね。

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予想通りチェックインは出来ませんが、チェックインの書類に記入は済ませて荷物を預かってもらいます。

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ホテルの廊下には、いかにもフランドル地方らしい絵が飾ってあるのが印象的です。

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廊下の壁に張ってある古地図は、ブルージュの街の地図のようですね。

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ホテルの出口に向かうと、陽光にあふれた路地がガラス窓から見えます。

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さあ、ブルージュの街歩きを始めましょう。ホテルの路地から表通りに出ます。ウォレ通りWollestraatです。通りの先に見えている尖塔は高さ83mを誇る鐘楼Belfortです。マルクト広場に面する建物です。

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その鐘楼の方へは後で行くことにして、反対方向に歩いて、まずは運河を見物しましょう。すぐに運河に架かる橋の前に出ます。

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橋の上から運河を見下ろします。ダイフェル運河Dijverです。

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運河沿いのローゼンフートカーイ通りRozenhoedkaaiを歩いていると、運河クルーズの観光船が目に入ります。

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次々と観光船がやってきます。

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運河を走る観光船を見たsaraiは、もう我慢できません。近くにある筈の観光船乗り場に一目散です。このハイデンフェッテルス広場Huidenvetterspleinの先に乗り場がある筈です。

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再び、運河の前に出ます。

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観光船乗り場に到着です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ところで、運河クルーズはシティカードがあるので無料なんです。運河の街ブルージュの街歩きは運河クルーズで開始します。歩かなくて済むので楽ちんです。



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ブルージュ散策:運河クルーズで巡る美しい風景

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/3回目

ブルージュBrugge観光は運河クルーズで始めます。これがブルージュのシティ・カードで無料でゲットした観光船のチケットですが、何故か有料チケットを渡されます。

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これが観光船の出発を待っている面々です。一隻分の人数が集まったところで船が出るようです。

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観光船乗り場は運河の橋から階段を降りたところにある木製の桟橋上にあります。

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観光船乗り場の対岸には煉瓦造りの古めかしい建物が建っています。いかにもフランドル地方らしい美しい建物です。

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よく見ると、この煉瓦の壁を建物に固定する鉄製のアンカーで数字が描かれています。1614年というのがこの建物が造られた年のようです。ちょうど400年前です。

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この建物を改めて見直します。素晴らしい建物ですね。どうやら、この建物は市庁舎Stadhuisの裏側のようです。市庁舎自体は1376年に造られたようですから、この運河沿いの建物は増設部分なんでしょうか。

ようやく、人が集まり、運河クルーズが始まります。気持ちのよい川風を受けながら、ブルージュの街を一巡りです。

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観光船が最初の橋をくぐると、左手にまた、市庁舎と同じような煉瓦造りの建物があります。こちらは1608年の建物のようです。さっきの建物と同じ頃の建物ですね。もしかしたら、これも市庁舎の一部かも。

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おや、次に我々の運河クルーズを出迎えてくれるのは2階の窓から顔を出している犬君です。もっとも、こちらに関心はなさそうですけどね。

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石橋の下をくぐり抜けます。ぎりぎりです。この橋はメーストラート橋Meestraat Bridgeです。

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運河沿いには煉瓦造りの建物が続きます。煉瓦の壁を緑の蔦が覆って、綺麗です。

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美しい景色が続きます。

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どこまでも美しい運河がまっすぐに続きます。

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運河沿いに見える建物は13世紀に造られた古い病院を改装したノートルダム・ド・ラ・ポッテリー博物館Musée Notre Dame de la Potterieのようです。

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ここで運河が2方向に分かれています。こちらは右方向の運河です。運河沿いにテラス席が並んでいます。

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観光船はそちらではなく、左方向に舵を取り、ホーフ通りHoogstraatの橋をくぐって、先に進んでいきます。

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後ろを振り返ってみると、今くぐってきた橋が見えています。

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またまた、美しい煉瓦造りの切妻屋根の建物が並んでいます。

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美しい建物を眺めながら、運河クルーズはどんどん進んでいきます。

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スピノラライ通りSpinolareiの橋に差し掛かります。

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橋の先には運河に張り出したウッドデッキのようなものがあり、その上に水着姿の若い男女の姿があります。まさか運河で水泳でもないでしょうから、日光浴でも楽しんでいるんでしょうね。

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ここで観光船は舵を左に取り、ランゲライLangereiの運河に進んでいきます。

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やがて、運河の突き当りにやってきます。大きな塔も見えます。

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この突き当りはヤン・ファン・エイク広場Jan van Eyckpleinです。偉大なフランドルの画家ヤン・ファン・エイクの銅像が立っています。昨日、彼の最高傑作の《神秘の子羊》を見たばかりです。ヤン・ファン・エイクはブルージュで活躍した画家だったんです。もっとも、この銅像は運河からは後ろ向きです。また、陸のほうから訪れてみましょう。大きな塔の建物は《ポールテルス・ロッジ》と呼ばれる15世紀の建物で市民の集会所として使われていました。現在は国立古文書館です。

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観光船はここで折り返します。ここまでの運河クルーズのルートを地図で確認しておきましょう。

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運河クルーズはこの後、同じルートを戻って、観光船乗り場の反対方向の運河を巡ります。



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トッパンホール室内楽フェスティバル:6日目@トッパンホール 2016.5.22

今日はトッパンホール室内楽フェスティバルの6日目ですが、saraiが聴くのはこれが3回目のコンサートです。今日がこの室内楽フェスティバルの最終日です。今日はシューベルトの最晩年の名作を聴きます。

今日のプログラムは以下です。

  シューベルト:白鳥の歌 D957
     テノール:ユリアン・プレガルディエン
     ピアノ:マーティン・ヘルムヘン

   《休憩》

  シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D956
     ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ
     ヴァイオリン:日下紗矢子
     ヴィオラ:鈴木 学
     チェロ:ターニャ・テツラフ
     チェロ:マリー=エリザベート・ヘッカー


最初はシューベルトの《白鳥の歌》です。これは先日の《詩人の恋》のそこそこの出来から言って、そんなに期待しないで聴き始めます。ところが素晴らしい歌唱だったんです。前半はルートヴィッヒ・レルシュタープの詩による7曲ですが、第6曲の《遠い地でIn der Ferne》の心のこもった歌唱に魅了されます。そして、圧巻だったのは後半のハイネの詩による6曲。まずは第8曲の《アトラスDer Atlas》のデモーニッシュとも思える歌に圧倒されます。続く第9曲の《あの娘の絵姿》の美しい歌唱にうっとりさせられます。ユリアン・プレガルディエンって、こんなに美声だったんでしょうか。そして、最高に素晴らしかったのは第12曲の《海辺でAm Meer》。詩の内容に深く入り込んだ絶唱です。もちろん、シューベルトの音楽も最高です。感動しました。さらにハイネの詩の歌曲の最後の第13曲の《もう一人の俺Der Doppelgänger》も暗く沈んだ心情が心に響いてくる素晴らしい歌唱。最晩年、それもシューベルトの早過ぎる死に先立つこと、わずか3か月前に書かれた作品の凄絶な内容をユリアン・プレガルディエンがいかに素晴らしく表現したか、驚愕するような歌唱に感銘を受けました。ピアノのマーティン・ヘルムヘンもとてもバランスのよい演奏でした。

休憩後はシューベルトの弦楽五重奏曲。これもシューベルト最晩年の傑作です。シューベルトの死のわずか2か月前に作曲されたそうです。これは大変、期待して聴きました。名人揃いなので、演奏の質は高かったのですが、もうひとつ、saraiの心には響いてきません。第4楽章などはクリスティアン・テツラフらしい弱音のアンサンブルの表現に耳を傾けるところもありましたが、肝心のシューベルトらしいメロディの魅力に乏しいと感じました。第1ヴァイオリンを弾くクリスティアン・テツラフの問題です。彼は素晴らしい音楽家ですが、こういうドイツ的な抒情性を特徴とするシューベルトの歌謡性の音楽には向かないのかもしれません。もっとなよやかなロマン性を素直に表出してもらいたいのですが、彼のような知性派の音楽家は考え過ぎるのかもしれませんね。約2か月前に聴いたロータス・カルテット&ペーター・ブック(元メロス・カルテット)の素晴らしかった演奏に軍配を上げます。そのときの演奏についての記事はここです。
また、予習で聴いたCDが素晴らしかったことも付記しておきます。以下のCDです。

 ヴェーグ四重奏団&パブロ・カザルス

ともかく、第1ヴァイオリンのシャンドール・ヴェーグの個性的な表現が素晴らしいです。ちょっと古めかしい演奏かもしれませんが、シューベルトの本質を突くような演奏です。

シューベルトの弦楽五重奏曲は今一つでしたが、このトッパンホール室内楽フェスティバルを通じて、クリスティアン・テツラフの大変な才能には惹き付けられるものを感じました。これから、注目していきましょう。


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ブルージュ散策:運河クルーズで見る美しい聖母教会

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/4回目

ブルージュBruggeで運河クルーズを楽しんでいます。観光船はヤン・ファン・エイク広場Jan van Eyckpleinまで走り、そこからいったん、同じ航路を最初出発した観光船乗り場まで戻ります。
今、後ろにまだヤン・ファン・エイク広場の《ポールテルス・ロッジ》の塔が見えています。

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やがて、ランゲライLangereiの運河の突き当りのあたりまで戻ります。この先、右に曲がって、元来た運河を進みます。

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先ほども通った美しい煉瓦造りの切妻屋根の建物の前を過ぎます。

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運河の分岐ポイントのホーフ通りHoogstraatが近づいてきます。そこで右に舵を取ると、出発点は間近です。

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分岐ポイントを曲がって、市庁舎Stadhuisが近づいてきます。その手前の運河沿いの緑の広場には寝そべった銅像が見えます。

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市庁舎に続く1608年の建物の前を過ぎます。

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観光船乗り場の前を通過します。ここからは新たなルートです。

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正面に見えているのがsaraiが宿泊するホテル ブールゴンシュ ホフHotel Bourgoensch Hofです。カナルビューの部屋を予約しているので、このどれかの窓がsaraiの宿泊する部屋になる筈です。眺めがよさそうです。

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ホテルの前で観光船は左に舵を取ります。

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ホテルの入口前では老夫婦が記念撮影中です。

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この先、ダイフェル運河Dijverのクランクのように折れ曲がった運河を抜けると、先ほど歩いて渡ったウォレ通りWollestraatのネポムク橋Nepomucenusbrugが見えてきます。その先には聖母教会Onze-Lieve-Vrouwekerk Bruggeの高い塔が見えます。塔の街ブルージュを代表する高さ122mを誇る塔です。

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橋の下をくぐり抜けて、観光船は聖母教会を目指して走ります。

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運河の傍らでは、観光客を満載したボートが出発準備中です。ここにも観光船乗り場があるようです。

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運河沿いのダイフェル通りDe Dijverはまるで公園のようになっていて、美しい緑の並木が続きます。その並木の上に聖母教会の塔が頭を出しています。

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聖母教会が真正面に見えてきます。何とも美しい塔ですね。

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塔が間近です。周りでは皆、カメラのシャッターを切っています。絶景です。

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ダイフェル通りの並木の向かい側の建物を眺めると、人形がずらりと窓に並んでいます。何かの博物館でしょうか。

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聖母教会前に架かる小さな石橋、ボニファティウス橋Bonifaciusbrugに差し掛かります。こちらは聖母教会の反対側です。この辺りは観光客の多いところですから、運河を覗き込む人たちがたくさんいます。

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ボニファティウス橋をくぐり抜けると、右手に聖母教会が見えてきます。

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左手にはホテル・ボニファティウスHotel Bonifaciusの古めかしい建物が見えます。

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ここまでの運河クルーズのルートを地図で確認しておきましょう。

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運河クルーズはもう少し続きます。



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ブルージュ散策:運河クルーズを満喫

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/5回目

ブルージュBruggeの運河クルーズも終盤にさしかかります。美しい聖母教会Onze-Lieve-Vrouwekerkを過ぎて、マリア通りMariastraatにあるマリア橋Mariabrugをくぐり抜けると、聖ヨハネ施療院Sint-Janshospitaalの古色蒼然とした建物が右手に鎮座しています。この聖ヨハネ施療院内の一部はメムリンク美術館Hospitaalmuseum Memling in Sint Janになっており、メムリンクの傑作が展示されています。ブルージュに来た目的はヤン・ファン・エイクの作品を見ることと同じくらいメムリンクの作品を見ることが楽しみなんです。後でここを訪れる予定です。

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運河が左に湾曲していきます。左に見える建物には白い花が美しく壁を覆って咲き誇っています。

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後ろを振り返ると、その白い花の建物の向こうに聖母教会が見えています。

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やがて、運河クルーズの終着点、ベギン会修道院Begijnhuisjeにやってきます。観光船を白鳥が出迎えてくれます。美しい一画です。

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白鳥と別れを告げて、元来たルートを戻ります。

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白鳥は水面だけでなく、水辺でも遊んでいます。ベギン会修道院と言えば、白鳥なんですね。もっとも隣にある愛の湖公園Minnewaterparkから遊びに来ているだけかもしれません。

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ベギン会修道院橋Begijnhofbrugに戻ってきました。このあたりは観光客で凄く混み合っています。

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ベギン会修道院橋をくぐり抜けました。この橋は名前の通り、ベギン会修道院の入口に通じています。

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また、白い花が満開の美しい庭を持つ建物の前を過ぎていきます。

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聖ヨハネ施療院の先に聖母教会が見えてきます。

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ダイフェル通りDe Dijverの美しい並木の前を過ぎていきます。木陰のベンチにはカップルが座っています。絵になりますね。

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やがて、出発地点近くまで戻ってきました。ローゼンフートカーイRozenhoedkaaiのあたりです。運河はクランクのように折れ曲がっていますが、ちょうど正面にマルクト広場Grote Marktに立つ鐘楼Belfortが見えています。昔は運河がマルクト広場近くまで延びていたそうですが、現在はここで途切れています。

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左手の我らがホテル(ホテル ブールゴンシュ ホフHotel Bourgoensch Hof)の横を通り過ぎます。

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これで運河クルーズは終了。30分ほどでブルージュの町のほとんどを体験しました。
ここまでの運河クルーズのルートを地図で確認しておきましょう。

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観光船乗り場からハイデンフェッテルス広場Huidenvetterspleinに出ると、いかにも美味しそうなお菓子がショーウィンドウに並んでいます。ベルギーもスイーツの美味しいところのようです。

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しかし暑い。ガンガン気温が上がっています。ひとまず美術館に行きましょう。グルーニング美術館Groeningemuseumです。運河沿いのダイフェル通りDijverを歩いていきますが、建物の日陰を選んで歩きます。しばらく歩くと旗の立っているところが見えてきます。グルーニング美術館のようです。

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入り口こっちという案内に従い、庭園の中に足を踏み入れます。

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花の美しい庭園を抜けていきます。

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アジサイが咲いています。

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煉瓦塀に綺麗な入口があります。

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緑が目に沁みます。こんなに庭が美しい美術館も珍しいですね。

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ようやく美術館の建物に到着。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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これから楽しみにしていたヤン・ファン・エイクの傑作を鑑賞します。



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ブルージュ散策:グルーニング美術館のヤン・ファン・エイクの名画

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/6回目

ブルージュBruggeで一番楽しみにしていたグルーニング美術館Groeningemuseumに入館します。今回の旅のメインテーマはフランドル絵画、なかんずく、ヤン・ファン・エイクの作品を見ることです。
まずはブルージュのシティ・カードを提示して、無料チケットをゲット。

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館内マップもいただきます。2番の展示室にヤン・ファン・エイクとメムリンクがあるようです。

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ヤン・ファン・エイクの絵に急行しますが、その前に何とボッシュの絵に目が留まります。これは見逃せません。そう言えば、ボッシュもフランドルの画家のひとりですね。

これがヒエロニムス・ボッシュの《ヨブ トリプティーク(3連祭壇画)》です。画題になっているのは旧約聖書のヨブ記です。ヨブは裕福で家族にも恵まれ、神への忠誠も厚かった人物でした。しかし、その忠誠心が神の使いのサタンによって試されます。財産と家族を失い、さらに悪性の皮膚病を患います。それでも忠誠心を失わなかったヨブは再び、神によって、2倍の財産とよき家族を与えられて、140歳の幸福な一生を過ごしたというものです。この作品は一見して、そのヨブ記が描かれていることは分かりません。ボッシュが深い含意を込めて描いたのでしょうか。作品自体もボッシュらしさはあまり感じられませんね。もしかしたら、工房の作品でしょうか。

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ちょっと寄り道をしてしまいましたが、ヤン・ファン・エイクの名画《ファン・デル・パーレの聖母子》と対面。昨日の《神秘の子羊》と同様に実に細密な表現に驚かされます。この作品はブルージュの聖職者ヨリス・ファン・デル・パーレがヤン・ファン・エイクに依頼して制作されたものです。オーク板に油彩で描かれています。中央に聖母子を配し、その右側に依頼主のファン・デル・パーレが跪き、その彼を守護聖人の聖ゲオリギウスが聖母に紹介するようなポーズをとっています。聖ゲオリギウスは聖母に敬意を表して、兜を上げています。聖母の左側には、ブルージュ聖堂参事会の守護聖人である聖ドナトゥスが描かれています。何といっても、画面全体に人物も衣装も背景も緻密に描かれていることが素晴らしいです。そして、あまりの緻密さ故か、立体的にも感じてしまいます。恐ろしいほどの完成度を誇る作品です。

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この絵にしばらく見入ります。その間、何人もの鑑賞客が通り過ぎていきます。誰もいなくなったとき、真正面から、この絵を独り占めします。素晴らしいですね。ヤン・ファン・エイクの宗教画の特徴でもありますが、この作品も精神性に満ちた表現になっています。ファン・デル・パーレは手に祈祷書を持ち、メガネを外して、聖母子を凝視するかのようです。それまで祈りを捧げていたファン・デル・パーレの心の中に奇跡のように聖母と聖人たちが現れてきたんでしょう。ヤン・ファン・エイクはファン・デル・パーレの心の中の風景を描き出しました。そして、その風景が何と美しいのでしょう。これこそヤン・ファン・エイクが描き出した奇跡です。

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写真では光が反射して見づらいので、この作品の綺麗な画像をご覧ください。

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続いて、2枚目のヤン・ファン・エイクの作品を見ましょう。《マルガレーテ・ファン・エイクの肖像》です。ヤン・ファン・エイクの妻の肖像です。当時、妻のマルガレーテは33歳だったそうです。それにしてはずいぶん、老けて見えますね。画家の冷徹な目は例え、相手が妻であったとしても曇ることはないのでしょう。絵画表現は見事の一言です。

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それにしても、ヤン・ファン・エイクの作品を2枚も持っている美術館って凄いですね。もっとも以前訪れたベルリン絵画館には3枚もありましたけどね。

次はハンス・メムリンクの《モレール三連祭壇画》です。

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中央のパネルに注目します。聖クリストフォロスが幼子イエスを肩に乗せて川を渡る場面が描かれています。以前、クラナッハの作品でこの物語の内容を説明したことがありますが、もう一度ご説明しましょう。クリストフォロスはキリストの教えに帰依するために隠者の勧めによって、急な流れの川を渡る人たちを無償で助けていました。ある日、小さな子供を背負って、川を渡ります。ところが背負った子供がどんどんと重くなってきます。この子供は実はイエス・キリストで、この重さはキリストが人類の罪を背負っているための重さでした。何とか川を渡り終えたクリストフォロスはキリストに祝福されて、手に持つ木の杖を地面に差すように言われます。すると、その杖は大木に育ったそうです。この話がその地の王に伝わり、クリストフォロスは拷問の末に惨殺されました。キリスト教は認められていませんでしたからね。クリストフォロスの名はキリストを背負うものという意味だそうです。このメムリンクの作品ではクリストフォロスは軽々と幼子イエスを背負っているように見えますね。

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次はロヒール・ファン・デル・ウェイデンの《聖母子を描く聖ルカ》です。これも素晴らしい作品です。残念ながら、これはオリジナルではなく複製だそうですが、美しいものは美しいことに変わりはありません。ファン・デル・ウェイデンはヤン・ファン・エイクにも並ぶほどの画力を持っていると感じます。

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ズームアップして、この精緻な表現を見てみましょう。素晴らしいですね。

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次もロヒール・ファン・デル・ウェイデンの《フィリップ善良公の肖像》です。これもオリジナルではなく複製だそうです。

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ここでフランドル絵画はお終いです。ベルギー絵画に移ります。この美術館にはさりげなくデルヴォーやマグリットがあり、ベルギーに来たという実感がします。

ポール・デルヴォーの《Serenity(静寂?)》です。デルヴォーらしい作品です。実は明日は北海沿岸の小さな町にあるポール・デルヴォー美術館を訪ねる予定なんです。その前祝いのような作品に出会えました。

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もう一枚、ポール・デルヴォーの《日の出?(Le Lever)》です。デルヴォーには珍しい普通?の裸婦像です。

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次はルネ・マグリットの《The Assault(暴行?)》です。マグリットのトレードマークのような青空が描かれています。マグリットもこの後、ブリュッセルで堪能する予定です。

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おや、フェルナン・クノップフもありますね。《秘密-反射》です。これはパステル画です。クノップフもブリュッセルで楽しむことにしています。

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これでグルーニング美術館の鑑賞は終了ですが、最後にあの絵をもう一度見ておきましょう。いやはや、素晴らしい!!

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この2日間、ヤン・ファン・エイクの代表作を見ることができて、saraiの心は満足感と幸福感で満たされました。永年の夢が実現できましたからね。

さて、次はメムリンク美術館に行きましょう。


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ブルージュ散策:メムリンク美術館って、聖ヨハネ施療院のことなの?

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/7回目

グルーニング美術館Groeningemuseumでヤン・ファン・エイクの名作を堪能して、外に出ます。庭園の塀越しに聖母教会Onze-Lieve-Vrouwekerkの塔が見えています。

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次はメムリンク美術館Hospitaalmuseum Memling in Sint Janに行きますが、その前に、あまりの暑さに、昼食と言うより冷たいものを求めてチョコレートカフェに行くことにします。メムリンク美術館の近くにある筈です。運河沿いのダイフェル通りDijverを歩いて運河を渡ると、グルウザセ通りGruuthusestraatに入ります。聖母教会の前でマリア通りMariastraatにぶつかります。右の方を見ると、建物越しに救世主教会の塔が見えています。ブルージュは塔の街の異名があります。

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左に折れてマリア通りを進みます。聖母教会を過ぎて聖ヨハネ施療院Sint-Janshospitaalの前に来ると、通りの向かいにチョコレート屋さんがあります。さすがにベルギーはチョコレート屋さんが多いですね。

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マリア通りを進み運河に架かるマリア橋Mariabrugを渡ると、すぐに通りの右側にチョコレートカフェのデ・プルーヴェリーDe Proeverieがあります。ショーウィンドウの綺麗なカップケーキを見ながら、店内に入ります。店内のガラスケースの中に美味しそうなケーキが並んでいます。

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店内はまだ空席があります。テーブルに着き周りを見渡すと、意外にシックな内装のカフェです。

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カウンターの奥は食器が清潔に片づけられています。

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カップケーキが可愛いお店ですので、配偶者はちょっと迷った挙句にカップケーキを注文。カップケーキは併設したアトリエで作っているようで、様々なデザインのものが揃っています。その中からチョイスしたのがこれです。

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saraiは定番のチョコレートケーキです。もちろん、ホイップクリームを添えてもらいます。

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飲み物はミルクセーキをいただきます。

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かなり甘さにも慣れてきましたが、やはり水は必須です。カフェの店内は依然として空いているので、お茶の時間を楽しみながらゆったりと過ごします。

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一息ついたので、美術館を周りましょう。これが窓際に並べられているカップケーキの数々です。可愛いデザインですね。

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聖ヨハネ施療院にあるメムリンク美術館に行きます。マリア通りを戻ると、目の前には聖母教会の塔が聳えています。この聖母教会の向かい側の手前に、聖ヨハネ施療院の入口があります。

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聖ヨハネ施療院の入口です。我々を出迎えてくれるのは何とも優し気な聖母子像です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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さて、ここでもブルージュのシティ・カードを提示して、無料チケットをゲット。

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入館の際に聖ヨハネ施療院の英語版パンフレットをいただきますが、説明は聖ヨハネ施療院のことだけでメムリンク美術館にはまったく触れていません。不思議です。

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ともあれ、聖ヨハネ施療院に足を踏み入れます。うーん、これは普通の意味での美術館ではありませんね。最初はここはメムリンク美術館ではないのかとも思いますが、聖ヨハネ施療院の広い館内にぽつぽつと美術品が展示されているようです。聖ヨハネ施療院は12世紀に創立された病院と宗教施設の複合体のようなもので、20世紀後半までは機能していたようです。その病院施設の建物および関連資料の公開とメムリンクの美術作品の展示のハイブリッド型施設が、現在の聖ヨハネ施療院の姿です。なかなかユニークですね。その館内でsaraiが探すのは、もちろんメムリンクの作品群です。計6点が展示されているようなので、うろうろしながら探します。一番見たいのは《聖ウルスラの聖遺物箱》です。
ようやく見つけました。これが、ベルギー7大秘宝の一つとされる素晴らしい美術品です。

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 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) File:Saint-ursula-shrine-2037.jpg


じっくりと鑑賞しましょう。



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尖がったバルトーク、最高!!庄司紗矢香@川口リリアホール 2016.5.27

庄司紗矢香の初の無伴奏ヴァイオリン・リサイタルです。そして、期待を裏切ることのない素晴らしいリサイタルにsaraiは嬉しいばかりでした。バッハとバルトーク、200年以上の隔たりはありますが、無伴奏ヴァイオリンの頂上に君臨する名作です。それが敬愛する庄司紗矢香のヴァイオリンで聴けるのですから、1年間期待して待ち続けてきたリサイタルです。さらに庄司紗矢香のために書かれた細川俊夫の新作まで聴けるのですから、期待するなというのが無理です。ただ、心配だったのは、これほどの作品を彼女が弾き切るだけの体力があるのかということです。バッハもバルトークも緊張感を持続して演奏することを演奏家に強いる作品です。そう言えば、バルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタが初演された1944年のユーディ・メニューヒンのリサイタルでもバッハが弾かれたそうです。もちろん、そのことを意識した庄司紗矢香のプログラムなんでしょう。さらに細川俊夫の新作の初演まで絡めるとは実にチャレンジャブルなプログラムではありませんか。

今日のプログラムは以下です。

  J.S.バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV542(ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ編)
  バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117

   《休憩》

  細川俊夫:ヴァイオリン独奏のための「エクスタシス」・・・新作(2016)《庄司紗矢香委嘱作品・世界初演》
  J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004

会場は初遠征の川口リリアホール。川口駅のすぐ駅前にありました。横浜からは東京・上野ラインで赤羽まで直通で行け、京浜東北線でその赤羽の隣の駅が川口です。
今日のチケットは早々に完売したそうです。少し小ぶりな音楽ホールはもちろん満席です。saraiはこの日のチケットを入手するために川口リリアホールの会員になり、優先販売のチケットを入手しました。

開演時刻になり、静まり返るホールのステージに庄司紗矢香が登場。新しい赤い水玉のスカートのドレスで気合十分なようです。

最初はバッハの幻想曲とフーガ。原曲はオルガン独奏曲。バッハの傑作のひとつです。この曲ほどオルガンの特性が活かされた曲もないと感じるので、ヴァイオリン独奏ではスケール感が出ないだろうと危惧していましたが、さにあらず。庄司紗矢香の朗々と響き渡るヴォリューム感のあるヴァイオリンの演奏は見事の一言。前半の幻想曲は自在な演奏でありながら、どっしりと安定感もあります。これって、ヴァイオリン独奏のために書かれた曲なのかと錯覚するような演奏です。後半のフーガはさらに素晴らしい演奏。フーガの様式感を完全に手の内に収めた見事な演奏です。ともかく庄司紗矢香の美しいヴァイオリンの音色に唖然としました。とてもよく響きました。

次はいよいよ、バルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ。saraiの予想では、バルトークを古典のようにリリックに演奏するのではないかと思っていました。しかし、最初の1小節でそれは間違いだと思い知らされます。72年前の作曲された時点に遡ったような前衛的で攻撃的な演奏です。尖がった演奏で丸まったところは微塵もありません。素晴らしい音色とテクニックでバルトークの音楽の本質を突いてきます。そうです・・・バルトークはこうでなくっちゃね。この作品はバルトークがナチスの手から逃れてアメリカで亡命生活を強いられ、白血病で闘っていた頃、大ヴァイオリニストのユーディ・メニューヒンが委嘱したものです。当初はヴァイオリン協奏曲を委嘱したかったようですが、バルトークの病状を見て、もう少し軽い作品ということで無伴奏ソナタを委嘱したようです。軽い・・・とんでもないです。バルトークは不屈の魂で燃えるような作品を作り上げました。バルトークは病にも逆境にも負けずに最後まで前衛的な作曲家でありつづけました。そういう作曲経緯を知っていれば、この無伴奏ヴァイオリン・ソナタを古典的な演奏で流すことなどはできる筈がありません。庄司紗矢香の芸術家魂を改めて感じました。外面は美しく、そして内面は燃えるような素晴らしい演奏でした。72年の時を超えてつながった二人の芸術家の心にsaraiの心も熱くなりました。
予習は以下の5枚のCDを聴きました。

 ユーディ・メニューヒン3枚 1947年、1957年、1974年
 イザベル・ファウスト
 ヴィクトリア・ムローヴァ

ファウストは彼女のデビュー盤です。古典的とも思える演奏でなかなか聴き応えがあります。庄司紗矢香もこの路線かと思いましたが、違いましたね。メニューヒンは魂の演奏とでも言いましょうか、とても突っ込んだ演奏です。聴くほうも辛くなるような演奏です。それでも年を経るうちに少しずつ角がとれてきて、最後の1974年が一番聴きやすい感じです。ムローヴァは基本的にはメニューヒン路線ですが、かなり、マイルドではあります。正統派のムローヴァか、古典演奏路線のファウストか、どちらかが良さそうに思いました。しかし、庄司紗矢香の演奏はメニューヒンの最初の1947年が一番近い感じです。きっと、1944年の初演の演奏を目指したんじゃないでしょうか。今日の庄司紗矢香の演奏を聴いて、saraiは猛烈に反省しました。芸術家への敬意に欠けていたようです。もっとメニューヒンの本質的な演奏に耳を傾けてみましょう。

休憩後は細川俊夫の新作です。おろそかに感想は書けません。なかなかの力作で美しさと力を兼ね備えた作品で庄司紗矢香の演奏も見事です。作曲家自身はシャーマニズムを念頭に置いて、庄司紗矢香をシャーマン(巫女)に見立てたとのことですが、庄司紗矢香の演奏は巫女のような演奏ではなく、現代に生きる音楽家そのものに思えます。そのギャップをどう埋めていくか、庄司紗矢香の演奏はまだ発展途上のようです。saraiは再度、聴く予定があるので、そのときにもう一度、この作品と演奏について考えてみたいと思います。

最後はバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番です。名曲中の名曲。庄司紗矢香のヴァイオリンは愉悦に満ちたバッハの世界を美しく演奏していきます。何も言うことのない演奏。ただただ、満足して、うっとりと聴き入ります。庄司紗矢香がこういうバッハを演奏してくれることにsaraiは嬉しく思うばかりです。最後のシャコンヌでsaraiの意識は宇宙に飛ばされた感じ。あまりの満足感でふーっと意識が朧げになっただけですが、それも致し方ないような美しい演奏です。バッハと庄司紗矢香でsaraiは幸福感でいっぱいになって、それがすべて。今度はバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータの全曲演奏会を是非、実現させてください→庄司紗矢香様!

10日後にもう一度、同じプログラムを聴く予定です。楽しみです。


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テーマ : クラシック
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       庄司紗矢香,  

ブルージュ散策:メムリンクの傑作《聖ウルスラの聖遺物箱》

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/8回目

聖ヨハネ施療院Sint-Janshospitaal内のメムリンク美術館Hospitaalmuseum Memling in Sint Janでメムリンクの最高傑作の《聖ウルスラの聖遺物箱》に対面します。この聖遺物箱はこの聖ヨハネ施療院の依頼で作成されたものです。まずはその豪華な意匠に惹き付けられます。ゴシック様式の聖堂を模した形になっており、その側面にメムリンクが手掛けた絵が配置されています。前後側面に2枚、左右側面にそれぞれ3枚ずつが配置されて、聖女≪聖ウルスラ≫の伝説が展開されています。

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 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) File:Saint-ursula-shrine-2037.jpg


細部を見ていきましょう。
まず、前面には『聖母子と女性寄進者ヨコザ・ヴァン・ドゥゼーレとアンナ・ヴァン・デン・モールテレ』が描かれています。とても小さい絵ですが、メムリンクらしい楚々としたマリアが印象的です。

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後面には『聖女ウルスラと聖女たち』が描かれています。聖女ウルスラと聖女たちの大きさのバランスが極端に違い、聖女ウルスラに重きがあることを明確にしています。聖女ウルスラもマリア同様、楚々とした女性に描かれています。

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右側面には、≪聖ウルスラ伝≫から、5世紀の英国王の娘、聖女ウルスラがローマ巡礼に行くところまでが描かれています。

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左の絵から順に見ていきましょう。
これは『ケルン上陸』の場面です。船でライン川を遡るのですね。

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次は『バーゼル上陸』の場面です。さらにライン川を遡ります。

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次は『ローマ教皇キリアクスとの対面』の場面です。ローマ巡礼が果たせました。

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左側面には、≪聖ウルスラ伝≫から、聖女ウルスラのローマ巡礼からの帰途が描かれています。この帰途にケルンのフン族の襲撃に遭い、巡礼に同行した1万1000人の処女と共に殉教することになります。なお、同行した処女は11人とする説もあるようです。

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左の絵から順に見ていきましょう。
これは『バーゼルからの帰途』の場面です。ここで船に乗船してライン川を下るのですね。

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これは『ケルンでのフン族の襲撃』の場面です。ここでフン族の襲撃に合います。

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これは『聖ウルスラの殉教』の場面です。ここに聖女≪聖ウルスラ≫の伝説が生まれることになります。ケルン、ライン川地方、ネーデルランド、ヴェネツィアなどでは聖ウルスラは信仰を集めることになりました。

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一枚一枚の絵はごく小さいので、それほどインパクトはありませんが、立体的な聖堂に組み上げられた途端に、素晴らしい美に昇華することになりました。特異な美の世界です。

すぐそばに古い聖遺物箱も展示されています。素朴さが魅力ですね。

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前面、後面にはキリストの象徴である羊が描かれています。

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次はメムリンクの絵画を見ましょう。途中、十字架のキリストの彫刻に目が留まります。こういうものがさりげなく配置されています。

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これは《ヤン・フロレインスの三連画 》です。素晴らしい作品です。

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これが中央のパネルです。東方三博士の礼拝が描かれています。中央にゆるぎない姿で座るマリアの楚々としていながら、凛とした美しさはメムリンクならではのものです。その大いなる優しさには誰でもひれ伏してしまいそうです。

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左翼のパネルは降臨をテーマにしています。

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右翼のパネルは神殿への奉献をテーマにしています。

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ともかく、聖母マリアの魅力が満載です。

次は《アドリアーン・レインズの三連画》です。中央のパネルには、ピエタが描かれています。聖母マリアの後ろにはマグダラのマリアが控えめに立ちすくんでいます。哀しみに満ちた表現が印象的です。左右のパネルには寄進者が描かれています。

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まだまだ、メムリンクの作品の鑑賞は続きます。


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ブルージュ散策:メムリンクの傑作《聖ヨハネ祭壇画》

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/9回目

聖ヨハネ施療院Sint-Janshospitaal内のメムリンク美術館Hospitaalmuseum Memling in Sint Janでメムリンクの最高傑作の《聖ウルスラの聖遺物箱》を始め、メムリンクの名品の数々と対面しています。

次は《聖ヨハネ祭壇画》(聖カタリナの神秘の結婚)です。これは礼拝堂のようにしつらえられた一画に展示されています。これもメムリンクの最高傑作のひとつでしょう。素晴らしい作品です。

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これが中央のパネルです。聖母マリアに抱かれた幼子イエスによって、聖カタリナの指に指輪がはめられています。聖カタリナのモデルになったのはブルゴーニュ公国の美しき姫君マリー・ド・ブルゴーニュだという説があるそうです。マリー・ド・ブルゴーニュはハプスブルグ家出身の神聖ローマ帝国皇帝マキシミリアン1世と結婚しますが、若くして落馬事故でこの世を去ることになります。彼女はブルゴーニュ公国の最後の君主で民衆から絶大な人気があったそうです。ですから、ここでも聖カタリナのモデルになったんでしょう。ちなみにハプスブルグ家はこの結婚で大きく領土を広げることになりました。絵の話に戻りましょう。エジプト・アレキサンドリアの知事コンストゥスの娘だった聖カタリナは名声、富、容姿と知性に恵まれていましたが、キリスト教の隠者から「その方(キリスト)の美は太陽の輝きよりも勝り、知性は万物を治める。富は世界の隅々にまで広がっている」と諭されて、自分の結婚相手にふさわしい人物はキリストということを自覚するようになります。そして、彼女は幻想のなかで天国に行き、キリストと婚約することになります。この中央のパネルはその場面を描いたものです。したがって、この祭壇画には『聖カタリナの神秘の結婚』という副題が付けられています。それにしても、この天国のシーンでの女性たちがみな美しいですね。メムリンクの素晴らしい筆さばきです。

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左翼のパネルには洗礼者聖ヨハネが斬首された場面が描かれています。

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右翼のパネルには福音書記者聖ヨハネが流刑先のパトモス島で黙示録を書き終えた後、天国を見に行った様子が描かれています。そこには神を讃える4つの生き物と24人の長老がいたそうです。

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左翼のパネルの裏面は閉扉時に見られるものですが、ここには聖ヒエロニムスとパドヴァの聖アントニウス、2人の寄進者アントニオ・セーヘルスとヤコプ・デ・ケウニンクが描かれています。

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右翼のパネルの裏面も同様に閉扉時に見られるものですが、ここには聖アグネスと聖クララ、2人の女性寄進者アグネス・カセンブロードとクララ・ヴァン・フルセン(聖ヨハネ施療院の看護人と婦長)が描かれています。

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聖ヨハネ施療院のシンボルとしてメムリンクに委嘱した絵画ですが、本当に素晴らしい出来栄えの作品です。この作品を見ずして、メムリンクは語れません。

次は《マールテン・ニューエンホーフェの二連画》です。左翼にはとびっきり美しい聖母マリアが描かれています。マリアはイエスにリンゴを渡そうとしています。リンゴは人類の救済、すなわち受難の象徴だそうです。イエスが新たなアダムとしての役割を担って、自らを犠牲にして原罪を消し去るということです。右翼にはこの二連画の寄進者マールテンが描かれています。右の窓のステンドグラスには聖マルティヌスが描かれています。聖マルティヌスはマールテンの守護聖人です。
この二連画はのちにブリュージュ市長となったマールテン・ファン・ニューエンホーフェが23歳のとき、信仰の証しとして寄進したものです。なお、背景に描かれているのはブルージュの愛の湖Minnewaterだということです。まさにこのブルージュゆかりの作品です。

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次は《若い女性の肖像》です。女性は両手を額縁に置いているように見えますね。だまし絵の技法です。

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これでメムリンクの6作品すべてを見ることができました。メムリンクの素晴らしさを堪能しました。なかでもベルギー7大秘宝の一つとされる《聖ウルスラの聖遺物箱》、それに《聖ヨハネ祭壇画》の素晴らしさはどうでしょう。大変、素晴らしい作品を楽しめました。

いやぁ、半端じゃない暑さです。ホテルで休憩しましょう。市街の中心にあるホテルは助かります。もうチェックインの時間です。ホテルのレセプションでは先客がいますが、すぐにチェックインできます。

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早速、部屋に入ります。カナルビューの部屋を予約しておきました。運河に面した素敵な部屋です。窓からは運河が見下ろせます。

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使いやすそうなデスクです。壁には雰囲気のよい絵が架かっています。

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ベッドの上から窓を通した外の風景が楽しめそうです。

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2つの窓から風景を楽しめます。

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水回りもチェック。依頼しておいた通り、ちゃんとバスタブがあります。

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窓の外、左のほうには、市庁舎の裏の建物が見えています。

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運河を見下ろします。右手前には運河クルーズの乗り場が見えます。先ほど観光船に乗ったところです。

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部屋にいながら、ブルージュの景色が楽しめます。窓を全開し、小さな扇風機を最強にしてベッドに横になっていたら、眠り込んでしまいました。気持ちのよい午睡です。部屋の窓から運河を見おろしながら、惰眠をむさぼります。じっとり汗ばんで目覚めました。本当に暑いです。
配偶者は、とりあえずお洗濯、saraiはせっせとブログ書き。
夕方を過ぎても一向に暑さは尋常ではありませんが、夜7時半ころになったので、食事にでかけることにします。



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ブルージュ散策:今日も飽きずにムール貝とベルギービール

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/10回目

ブルージュで最初の夕食に出かけます。ガイドブックで色んなレストランにあたりを付けていましたが、ホテルから遠くに出かけるのも面倒なので、近くのレストランに行くことにします。先ほど運河クルーズのために観光船乗り場に行きましたが、そのときに目を付けていたレストランです。ハイデンフェッテルス広場Huidenvetterspleinにあるブラッセリー・モーツァルトハウスBrasserie Mozarthuysという海鮮料理店。あたりはまだまだ明るい日差しです。すぐ近くに魚市場があります。市庁舎Stadhuisのあるブルグ広場Burgからは運河の橋を渡るとすぐのところです。地図でブラッセリー・モーツァルトハウスの場所を確認しておきましょう。

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レストランのテラス席に腰を落ち着けて、まずはベルギー・ビール。これが癖になっています。美味しいですからね。ヨーロッパの他の国ではsaraiは白ワインしか飲みません。

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広場の向かいには煉瓦造りのオテル デュ ドゥ ブルゴーニュHotel Duc De Bourgogneが建っています。

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広場にはテラス席がずらっと並んでおり、多くの人達で賑わっています。

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レストランの窓にはモーツァルトの顔のロゴマークが見えます。実は、このレストランはその昔はホテルだったそうで、モーツァルトが7歳のときに始めた3年にわたる演奏旅行でのロンドンからの帰途、このブルージュで泊まったホテルです。この旅行はモーツァルト一家の旅でした。旅の目的はモーツァルトの演奏を各地で披露することでした。天才少年モーツァルトの評判は大変なものだったようです。先週訪れたオランダのハーレムHaarlemの聖バフォ教会Grote of Sint-Bavokerkで10歳のモーツァルトがパイプオルガンを弾いたのもこの旅の途中でした。

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昨日のゲントのレストランでの美味しさが忘れられず、今日の料理もまたまたムール貝にします。2つかい?と聞かれ、いやいや2人で1つと言うと、日本語で「分けるの?」と言われびっくりです。こんにちは、さようなら、ありがとうなどは、もう世界中で知られている気がしますが、分けるという言葉も教えられたのですね。これはありがたいです。どう考えても、日本人には量が多すぎます。周りでは、皆さん1人で1つの鍋と向かい合っていますけどね。

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やがて、鍋にいっぱいのムール貝と添え物のポテトが運ばれてきます。

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この店のスタッフはお勘定という言葉も知っていました。彼の話では、このブルージュを訪れる日本人の観光客はとっても多く、写真を撮りまくっているそうです。でも、今日は日本人は我々以外に1組だけです。日本の観光シーズンは終わったのかな。ところで、今回はブルージュ・ビール蒸しにしてみました。苦味がありこれまた美味しいのですが、スープはナチュラルのバター味が美味しいです。

大満足でホテルに戻りますが、まだまだ暑い! 後で聴いたところでは、ヨーロッパ中が暑かったそうで、パリはこの夏最高の気温39度を記録したそうです。そのパリも、1週間後に訪れる頃には気温が20度に下がるのですから天候は分からないものです。
ホテルへの途中、運河越しにマルクト広場Grote Marktに立つ鐘楼Belfortが見えます。夕暮れの運河の水面には周りの建物が映り込んで綺麗です。

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ウォレ通りWollestraatを歩いてホテルに向かいますが、通りの先には鐘楼が見えています。

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通り沿いのカフェの壁には、ベルギーワッフルの看板飾りのようなものがぶら下がっています。

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これがホテルへの路地の入口です。分かりにくいんです。一応、小さな案内板はあります。

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これがホテルへの路地です。

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路地の一番奥の左側の切妻屋根の建物がホテルです。

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路地の奥は運河にぶつかります。そこからの運河の眺めです。正面の建物はオテル デュ ドゥ ブルゴーニュです。その裏がレストランのあったハイデンフェッテルス広場です。鏡のように建物が映り込む水面の美しさに思わず、息を呑み込みます。

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運河の美しい眺めに目を奪われます。

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こちらは市庁舎の建物に沿った運河です。

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部屋に戻り、ひとっ風呂浴びてさっぱりします。ブログを書いているうちに、ようやく陽が沈みます。ちょっとライトアップされた街並みを見てきましょう。まだまだ暑いですね。通りに出るとライトアップされた鐘楼が見えます。マルクト広場に行ってみましょう。

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マルクト広場に出ます。州庁Provinciaal Hofの建物が明るく輝いています。

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鐘楼も明るく輝いています。

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広場の周りには、切妻屋根のギルドハウス風の建物が並びます。広場の中央の銅像のまわりには、涼を求めて夜景を楽しむ人たちが座り込んでいます。

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州庁の明るく輝く建物を見ながらマルクト広場を後にします。

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ホテルに戻り、入口の前から運河の夜景を眺めます。運河もライトアップされて美しいです。

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部屋の窓からも運河の夜景を楽しみます。暗い水面に運河沿いの建物が映り込んでいます。幻想的な風景に魅了されます。

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さあ、今日もよく遊びました。でも、休養にもなったかな。おやすみなさい。

明日は北海に面したオステンドOostendeの近くの小さな町にあるポール・デルヴォー美術館を訪ねます。



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北海沿岸のポール・デルヴォー美術館:ブルージュからオステンドへ

2015年7月2日木曜日@ブルージュ~オステンド~シント・イデスバルド/1回目

旅の14日目、ブルージュ2日目です。

今日はブルージュBruggeから北海沿岸の小さな町シント・イデスバルドSint-Idesbaldにあるポール・デルヴォー美術館Museum Paul Delvauxまで日帰り遠征します。

今日も青空です。朝のうちは涼しくて清々しいですが、また日中は暑くなるのでしょうか。
このホテルの宿泊にも朝食が付いています。1階の落ち着いた雰囲気の食堂に行きます。運河に面した窓際の席に着きます。パンとハム・チーズ、ゆで卵、ヨーグルト、ジュースにコーヒー・紅茶というのがベルギーの朝食の定番のようですね。

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ポール・デルヴォーの美術館は、北海沿岸の町オステンドOostendeから海岸線をずっと行った所にあります。ブルージュ駅まではバスに乗ります。バスのチケットは3日間乗り放題チケットを買ってあります。バス乗り場のあるマルクト広場Grote Marktまで歩きます。ホテルからは数分歩くだけです。晴れ上がった朝のマルクト広場は綺麗です。

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広場のシンボルはもちろん、鐘楼Belfortです。

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広場の様子を眺めながら、14番のバスの到着を待ちます。

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すぐにやってきたバスに乗ってブルージュ駅に着くと、今日もお出かけの子供たちで賑わっています。

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このボーイスカウトの集団は山にでも登るのでしょうか。ベルギーにも山はあるのかな。

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プラットホームへはエスカレーターがあるので楽ちんで上れます。流石に観光地の駅は設備がいいですね。

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あれっ、ホームはがらんとしています。海の方に行く人はいないのかな。

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隣のホームもほとんど人がいませんね。

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ゆっくりと電車の到着を待ちましょう。

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オステンド行きのICは10分弱でやってきます。

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ちょっと遅れてICがホームに入ってきます。

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電車のチケットはネットで格安の往復チケットを購入済です。乗車時間が短いのでセカンドクラスのチケットにしました。

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電車の中もがらがらで、saraiと配偶者はばらばらになって車窓に張り付きます。

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オステンド経由シント・イデスバルドまでのルートを地図で確認しておきましょう。

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駅を出た電車はブルージュの新市街の住宅地を抜けていきます。ブルージュと言っても、旧市街とはずいぶん雰囲気が違いますね。

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鄙びた田舎町の風情です。立派な住宅ばかりですけどね。

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町を抜けると、美しい緑の野原が続きます。

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大規模な温室があります。ハウス栽培はオランダと同様にベルギーでも盛んなようです。

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真っ平らな緑の国土というのはオランダと同じですね。

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ここは家畜の放牧地です。

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緑の野の中をまっしぐらにオステンドに向かいます。

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オステンドへの到着はもうすぐでしょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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