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気迫の演奏!!庄司紗矢香:無伴奏ヴァイオリン・リサイタル@紀尾井ホール 2016.6.7

庄司紗矢香の無伴奏ヴァイオリン・リサイタルを今日もまた聴きます。saraiが聴くのは2回目ですが、今日の公演は国内ツアーの8回目にして、最終公演です。最後が東京公演で締めということで、庄司紗矢香も気合の入れ方が尋常ではありません。それは彼女の表情からも窺い知れます。終始、しかめっ面での演奏です。いつもはふんわりとした柔らかい表情での演奏が多いのですが、よほどの気持ちの入れ方なんでしょう。そのため、実に気迫のこもった演奏が続きます。ただ、少し、肩に力が入り過ぎなのか、前回聴いたときよりもヴァイオリンの響きがもうひとつに感じます。音色のピュアーさも欠ける印象です。
最初の曲、バッハの《幻想曲とフーガ》は前回のような朗々とした響きはありませんが、厳しい演奏で、それはそれで素晴らしいです。
次のバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタは第1楽章の冒頭は音程に安定感がありません。心配して聴いていると、徐々に安定感を増して、第3楽章は弱音の美しい音色に聴き惚れます。第4楽章も素晴らしい演奏。ただ、響きも含めた全体の演奏は明らかに前回が素晴らしい演奏でした。

休憩後、後半は見事な演奏でした。細川俊夫の新作は前回聴いた曲と同じ曲とは思えないほどの気迫の演奏。鬼気迫るものがあります。作曲家自身はシャーマニズムを念頭に置いて、庄司紗矢香をシャーマン(巫女)に見立てたとのことですが、前回と異なり、まさに庄司紗矢香は巫女が乗り移ったかのごとき演奏です。現代日本の天才音楽家二人が見事な音楽を作り上げてくれました。大変な感銘を受けました。
最後のバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番は前回同様、素晴らしい演奏。聴き惚れました。ただ、気迫が優り過ぎて、少し前のめりの感はあります。前回聴いたときのような愉悦感は欠けたかもしれません。まあ、それは贅沢過ぎる感想でしょう。十分に素晴らしい演奏でした。

今日のプログラムは以下です。

  J.S.バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV542(ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ編)
  バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117

   《休憩》

  細川俊夫:ヴァイオリン独奏のための「エクスタシス」・・・新作(2016)《庄司紗矢香委嘱作品・日本初演》
  J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004

前回、川口リリアホールで聴いたときと感想記事はここです。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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