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プッチーニの遺した“愛”:オペラ《トゥーランドット》@ブレゲンツ音楽祭 2016.7.26

今年は夏のザルツブルク音楽祭を初めて聴くことにしたので、その前哨戦というわけではありませんが、成行き上、ブレゲンツ音楽祭も初めて聴くことになりました。フランス、スイスと周って、ブレゲンツに到着したのはオペラ上演の夜、公演の1時間前という慌ただしさ。ブレゲンツ駅前のメルキュールホテルにチェックインして、音楽祭会場に向かいます。と言っても、ボーデン湖畔の会場はすぐお隣で徒歩1分という便利さです。夕食がまだだったので、会場内の特設レストランで急いで美味しくいただき、会場の席に向かおうとすると、開演15分前なのに入口はクローズされています。既に中に入場した人も外で待っている人もいます。

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どうやら風が強いために公演を実施するかどうか検討中のようです。野外オペラでは天候に左右されます。待つしかありません。結局、30分ほど待って開演が決定。ほっとします。待っている人たちからも大きな拍手が巻き起こります。

席は右手の前から6列目。思ったよりも見やすい位置です。音はどうせスピーカーでの音なのでどの席でも聴きやすさは変わりありません。ステージはボーデン湖の湖上に突き出したところに北京の紫禁城の城壁を模した派手なセットが作り上げてあります。このあたりの感じはメルビッシュ湖上音楽祭と似ていますね。

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オペラはやっぱりいいですね。それもプッチーニとくればなおさらです。お祭りのようなオペラではありますが、オーケストラはウィーン交響楽団だし、しっかりとプッチーニの味を出しています。抒情的なプッチーニの音楽が流れてくると、自然とsaraiの心はオペラモードにスイッチが入ります。なんとも心の襞を優しく撫でてくれるような音楽に胸がジーンと熱くなってしまいます。プッチーニのオペラでは断然、《ラ・ボエーム》が好きですが、この《トゥーランドット》はプッチーニの未完の最終作品。聴けば聴くほどプッチーニのすべてが詰まっているような作品です。実演で聴くのは実に15年ぶり、2度目です。舞台演出はとても派手で踊りあり、火を使った場面あり、飽きさせることはありません。湖面を船が進むシーンなど盛りだくさんです。といってもsaraiにとっては音楽がすべて。別室で演奏しているオーケストラと合唱の音がスピーカー越しに聴こえてくる違和感はぬぐえませんがその迫力と精度はなかなかのものです。舞台上の歌手とどうやって連携しているのかは不思議ですが、ぴったりと合ってはいます。王子カラフを歌ったテノールの歌唱が光りました。《誰も寝てはならぬ》は聴き映えがしました。リューもよかったのですが、saraiの好みではもっとピュアーな声だったらなという感じです。素晴らしいアリアが2曲もあるのでちょっぴり残念。トゥーランドットはなかなか聴かせてくれました。表現力はよかったです。惜しむらくは力強さに欠けるというところ。最後の一声、《それは愛》、最近はやりのアムールですが、これはよかったです。フィナーレは補作部分ですが、合唱の《誰も寝てはならぬ》には感銘を受けます。プッチーニ自身のピアノスケッチではピアノで終わるそうですが、この補作のような感動のフィナーレでもよかったでしょう。

ということでとても満足したオペラでした。それになんとも気楽に聴けるのも音楽祭のよいところですね。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:Paolo Carignani
  演出:Marco Arturo Marelli
  管弦楽:ウィーン交響楽団
  合唱:Bregenz Festival Chorus/Prague Philharmonic Choir/Children's choir of Musikmittelschule Bregenz-Stadt

  トゥーランドット姫
   Erika Sunnegårdh
中国の皇帝アルトゥーム
   Christophe Mortagne
ティムール
   Mika Kares
身分を隠している名前の知れない王子(実はカラフ)
   Riccardo Massi
リュー、若い娘
   Marjukka Tepponen
ピン、皇帝に仕える大蔵大臣
   Matija Meic
パン、内大臣
   Taylan Reinhard
ポン、総料理長
   Cosmin Ifrim
役人
   Yasushi Hirano



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ジュネーブと言えばレマン湖、ただ、それだけ? そして、ブレゲンツ音楽祭

ジュネーブの朝は抜けるような青空です。今日は3時過ぎの電車で移動なので、ゆったりした朝です。レマン湖はホテルからすぐそこで、大噴水がすぐに目に入ります。凄い勢いで、高く吹き上がる噴水は、絵になりますね。でもそれ以外なにもない・・・。ぶらりと散策してみましょう。レマン湖の橋を渡ります。目玉の花時計があります。特にどうということはありませんね。湖畔カフェで朝ごはんにしましょう。湖からの風がとっても気持ちよく、いい気分ですっかりのんびりしてしまいます。
ずっと眺めている大噴水に近づいてみましょう。近くまで堤防が延びています。一箇所、風にあおられて水しぶきが飛んでくるところがありましたが、それほど濡れることなく突端までいけました。

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大聖堂に向かいます。これが大変なことに・・・saraiが道を間違えたというか、方向を見誤ったというか。かなり遠回りをしてしまいました。ちょっと小高い丘にあるので見晴らしもよいのですが、大聖堂も大したことなく、疲れただけになってしまいました。観光船が出る時間が迫り、急いで乗り場に移動しましょう。始発のモンブラン乗り場に行ったので、なんと一番に乗船出来、デッキの日覆のある席をゲット。すぐに出航です。1時間かけてレマン湖を巡ります。特に何か見るべきものがあるわけではなく、風が涼しく気持ちがいいです。
驚いたのは、レマン湖に突き出した突堤が泳ぐ人でいっぱいだったり、ビーチが出来ていて水泳を楽しんでいる人がいたりしたこと。レマン湖の楽しみ方は、観光ではないのですね。

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これでジュネーブ観光は十分です。ジュネーブ駅から電車に乗りこみます。チューリッヒを通り、ボーデン湖のほとりのブレゲンツまで、一気にスイスを走り抜けます。オーストリアのブレゲンツに到着です。
ホテルはすぐそこ。その先は、音楽祭の会場ですが、もう人で大いに賑わっています。急ぎましょう。まずは食事が出来るところを探します。ビュッフェのようなコーナーあるのですが、よくしくみが分かりません。係りに人に案内されるままに従うと・・・席について、食べたいものを伝えると、そのコースのチケットがもらえ、それを持って、料理を提供してくれるコーナーに行けばよいらしい。saraiはお肉、配偶者はお魚を選び、付け合わせをお皿に乗っけていただきます。かなりお高めですが、美味しいです。ワインも美味しいです。

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オペラは時間になっても始まらず、気をもみましたが30分遅れで開始。遅れた理由は分かりません。オペラはなかなか楽しめました。終了したら、すぐホテルというのが配偶者にとっては最高だったそうです。

明日はブレゲンツを見物して、チロルに向かいます。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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