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ザルツブルク音楽祭で音楽三昧

ザルツブルクの2日目、今日もまた音楽三昧。ゆっくりと起き出して、ホテルの近くで朝食兼ランチを食べ、ホテルに戻って、スーツに着替えて、出撃です。
今日は午後3時からのオペラと夜8時半からのコンサートのダブルヘッダーです。オペラはフェルゼンライトシューレでモーツァルトの《コジ・ファン・トゥッテ》。フェルゼンライトシューレは直訳すると岩窟乗馬学校で、乗馬学校の裏の岩山を利用した劇場でサウンド・オブ・ミュージックでもコンクールの会場になっていました。初体験なので、このオープンエアの劇場は今日の雨模様の天気は大丈夫かと気をもみましたが、今は開閉式の屋根が付いているので天候には左右されません。これがその岩山を利用したフェルゼンライトシューレです。

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素晴らしいモーツァルトで大変な感銘を受けましたがそれは別記事でアップ予定です。長いオペラで終わってみれば7時ちょっと前。次のコンサートの前に軽く食事をします。迷っている暇はないので、土地勘のあるレストランに行き、最後のテーブルを確保し、1時間以内で食事を終えました。これがsaraiの食べたツァンダー(淡水魚)のグリル。

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これが配偶者の食べた鱒のグリル。

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コンサートはコレギエン教会でドイツを代表するヴァイオリニストのイザベル・ファウストによるバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲という大演目です。素晴らしい響きに酔いしれましたがリサイタルが終わってみれば、夜中の12時です。普通は2回に分けて行う分量のコンサートですから、休憩を入れて3時間半。お昼のオペラと合わせると7時間を超す音楽体験になりました。このコンサートも別記事でアップ予定。今日は眠いのでひとまず、おやすみなさい。

明日もモーツァルト劇場でトーマス・アデスの新作オペラを鑑賞します。


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最高のモーツァルト!!《コジ・ファン・トゥッテ》@ザルツブルク音楽祭(フェルゼンライトシューレ) 2016.7.31

いやあ、こんな凄い公演が聴けるなんて、さすがにザルツブルク音楽祭ですね。もう満足を通り越して、唖然としてしましました。実は今回のザルツブルク音楽祭でsaraiが購入したチケットで最高額の公演なんです。会場は祝祭大劇場でなく、フェルゼンライトシューレだし、オーケストラはウィーン・フィルでなく、モーツァルテウムだし、指揮者も若手のダントーネだし、歌手も超一流ではないし・・・何故こんなにチケットが高いのって思いで公演に臨みます。そんなに期待していたわけではなく、ザルツブルク音楽祭でモーツァルトのオペラをひとつくらい聴いておかないといけないなっていう軽いノリでした。
会場はモーツァルト劇場と共通の入口です。入るとフェルゼンライトシューレの大きなロビーというか大広間が見えます。その広間の中ほどにホールへの入口があります。このホールは映画《サウンド・オブ・ミュージック》でコンクールのあった会場です。エーデルワイスの大合唱を聴いて感動した青春の日を思い出します。フェルゼンライトシューレは直訳すると岩窟乗馬学校で、乗馬学校の裏の岩山を利用した劇場です。映画ではまさにそういうイメージでしたが、今や、相当に改修されたようで、屋根はついているし(ステージ上方は開閉式)、座席は立派です。痕跡があるのは舞台後方の岩山をくりぬいた大きな3段の回廊と側面に露出している岩肌くらいなものです。このホールに入ると、まだ開演前なのに既に舞台上に役者が10人ほど上がって演技?中です。この舞台は見たことのないような広大なもので幕は下せないようです。野外オペラの一種なんですね。ですから、舞台は丸見えなので何か演技らしきものをしているのでしょう。演出家ベヒトルフの細かい気遣いが感じられます。saraiの席は前から2列目。1列目とも段差があるので、凄く見やすいです。オーケストラピットと最前列の間にはちょっと広めの通路があります。そして、ピットの前には舞台からの狭い通楼が巡らせてあります。オーケストラの前に出て、観客席の前でも歌うようです。まるでコンサート形式みたいです。てなことを観察したり、プログラム(高い! 9.5ユーロもする)を読んだりしているうちに開演です。
普通はここで序曲ですが、先に狂言回しのドン・アルフォンソが登場して、ちょっと何か歌って、さあ、序曲。おっ、なかなか素晴らしい響き・・・ザルツブルク・モーツアルテウムもなかなかやりますね。それにホールの響きもとてもよろしい。もちろん、ピリオド奏法ですが、オーケストラ自体はモダーンオーケストラですから、普通に聴こえます。途中からテンポが速まるところから、ぐっとオペラへの期待に気持ちが引き込まれていきます。序曲が流れるなか、舞台には登場人物は総登場。何故かフィオルディリージ、ドラベッラ、デスピーナの3人は正体不明の男たちに襲われて、眠り薬をかがされて、昏倒します。
このあとの展開は意外に素直な演出。衣装も普通です。もっと現代的な訳の分からない演出を覚悟していたので、ある意味、満足です。あらすじはここでは語りません。まずは若手の指揮者ダントーネの見事な音楽作りとザルツブルク・モーツアルテウムの健闘を称えたいところです。これだったら巨匠率いるウィーン・フィルと変わりませんね。そして、何と言っても、このホール(舞台がとても広い)の特性を生かした面白い演出が最高に素晴らしいです。使えるところはどこでも使うって感じですね。広い舞台のあちこち、オーケストラの前の通楼、奥の岩屋の回廊、観客席最前列の前の通路、どこでもありです。非常に立体的な演出です。音楽的にもよく考えられていて、ここぞという歌唱はオーケストラ前で歌われます。saraiの目の前ですから、とても迫力があります。音楽が分かり、モーツァルトがわかった演出家のなせる業です。さすがに演出家ベヒトルフの面目躍如ですね。
そして、フィオルディリージ役のユリア・クライターの美貌とその美しく澄み切った声の響きに魅了されました。昨年、ベルギーのゲントで聴いたフィガロの伯爵夫人も素晴らしい歌唱でしたが、今や、最高のモーツァルト歌いという感じです。独唱のアリアもよし、ドラベッラとの2重唱の美しさも最高です。また、ドン・アルフォンソを歌ったミヒャエル・ヴォッレの演技と歌、とても貫禄があり、知恵と悪を感じさせるものです。フェルナンドを歌ったマウロ・ペーターの伸びやかなテノールの響きも好感の持てるものでした。まあ、saraiはフィオルディリージとドラベッラが若くて美しく、それに美しい肢体なのが目の保養にもなりました。
ともかく6人の主要キャストが歌も演技も最高に素晴らしく、ザルツブルグのモーツァルトはさすがに格別でした。
ところで終幕は普通はわだかまりはあってもまるく収まりましたというのが通例ですが、お遊びで始めた恋愛ごっこでフィオルディリージとフェルランドは結構本気モードになり、それにやきもちを焼くグリエルモという構図で最後はまるく収まらないというのが今回の演出。saraiは納得の演出です。どうしてかっていうと、やはり、ソプラノとテノールが結ばれるのがオペラの定番ですから、なるべくそれに近い線がよろしいようで・・・。

キャストは以下です。

  指揮:オッタヴィオ・ダントーネOttavio Dantone
  演出:スヴェン・エリック・ベヒトルフSven-Eric Bechtolf

  フィオルディリージ:ユリア・クライターJulia Kleiter
  ドラベッラ:アンジェラ・ブロワーAngela Brower
  デスピーナ:マルティナ・ヤンコヴァMartina Janková
  フェルランド:マウロ・ペーターMauro Peter
  グリエルモ:アレッシオ・アルドゥイーニAlessio Arduini
  ドン・アルフォンソ:ミヒャエル・ヴォッレMichael Volle
  合唱(演技?):ウィーン・フィルハーモニー・アンゲリカ・プロコップ・サマーアカデミーのメンバー
  合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団・コンサートユニオン(Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor)
  管弦楽:ザルツブルク・モーツアルテウム・オーケストラ

モーツァルトの生誕の地で始まったザルツブルク音楽祭で聴くモーツァルトのオペラは一味も二味も異なるものでした。


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イザベル・ファウスト・ヴァイオリン・リサイタル:バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲@ザルツブルク音楽祭(コレギエン教会) 2016.7.31

夜の8時半に始まり、深夜12時までのコンサート。たった一人で演奏したイザベル・ファウストの体力も凄いですが、聴く側のsaraiもへとへとになりました。バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲を生で聴くのは初めてですが、これは大変なものです。会場はコレギエン教会。祝祭大劇場、モーツァルト劇場の目の前ですが、入口は反対側の大学広場です。モーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》を見終わって、1時間半少しの時間があったので急いで夕食をいただき、8時過ぎに会場へ。教会内にはいると、バロック様式の美しい空間が広がっています。ちょうど真ん中がクロッシングになっていて、そこに仮設の高い舞台が作られています。客席はクロッシングから4方に設置されています。4方向から聴く形式です。心配なのは残響が長すぎて、ヴァイオリンの響きがクリアーに聴き取れないことです。配偶者にそれを言うと、演奏者はプロなのだから、大丈夫よと一笑に付されてしまいます。それもそうでしょう。saraiの席は前から3列目。もっとも4方向に席がありますから、3列目は4つあります。スタッフに場所を訊いて、席に着きます。譜面台の置き方から、こちらが正面で演奏するようです。

イザベル・ファウストが出てきます。意外に気の張らないさりげない衣装です。実は演奏もそうだったんです。お人柄そのものなんでしょう。にこやかに笑みを浮かべて、挨拶。さあ、聴きましょう。おっ、意外に小さな音量で繊細な響きです。響きは実にクリアー。教会なのに残響が感じられません。演奏はごく自然なスタイルでまったく力みが感じられません。ノン・ヴィブラートなのは予習した彼女のCDの通りですが、CDと違って、ゆったりとした演奏です。特にソナタはしみじみと真摯に素晴らしい音楽です。どうやらパルティータとは雰囲気を変えて演奏しているようです。なるほどね。弓を弦にあまり強く押し付けないで軽く弾いているような感じがします。それでもストラディヴァリウスはよく響きます。前半3曲を聴き終えたところで、イザベル・ファウストがCD録音時よりも熟成した音楽を聴かせてくれるようになった感じを抱きます。今日は録音も録画もしているようですから、ライブのCD、あるいはテレビ放送があるのかもしれません。CDでこの演奏をじっくりと聴けば、また、その素晴らしさがさらに味わえそうな感じです。

長い休憩後、残りの3曲の演奏が始まります。今度は反対側を向いての演奏なので、背中しか見えません。イザベル・ファウストのヴァイオリンの響きは実に安定していて、一貫性のある表現を保ち続けます。前半と違って、今度は響きが直接的に聴こえてくるのではなく、少し教会の建物の残響を伴って聴こえてきます。クリアーではあり、前半よりも響きという点ではこちらのほうが好ましく感じます。前半はソナタ、パルティータ、ソナタの順でしたが、今度はパルティータ、ソナタ、パルティータの順です。前半と同様にソナタが素晴らしかったのですが、パルティータ2曲も素晴らしい演奏。最後に置かれたシャコンヌで終わるパルティータ第2番は素晴らしい演奏でCDで聴いたちょっと違和感のある演奏を脱却したものです。長大なシャコンヌで見事な演奏の締め。saraiの体力切れで終始、集中できなかったのが残念ではありました。でも、美しい演奏に耳を傾けていると、つい、ふらっとくるのは素晴らしい演奏の証拠かなと強がったりします。よいものを聴かせてもらいました。教会の外に出ると軽く雨が降っています。眠い目をこすりながら、ホテルへ歩きます。今日はモーツァルト、バッハの充実した音楽を楽しめました。

プログラムは以下です。

  バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲

   ソナタ第1番ト短調 BWV1001
   パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
   ソナタ第2番イ短調 BWV1003

    《休憩》

   パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
   ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
   パルティータ第2番ニ短調 BWV1004


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       ファウスト,  

アデスの新作オペラ《皆殺しの天使》@ザルツブルク音楽祭(モーツァルト劇場) 2016.8.1

トーマス・アデスの新作オペラ《皆殺しの天使》The Exterminating Angelの公演をモーツァルト劇場で聴きます。本来は昨年のザルツブルク音楽祭で世界初演される筈でしたが、今年にずれこんだお蔭で聴くことができます。トーマス・アデスのオペラと言えば、昨年、ウィーン国立歌劇場で《テンペスト》を聴いて、大変、感銘を受けました。この新作オペラ《皆殺しの天使》はルイス・ブニュエル監督のメキシコ映画の《皆殺しの天使》El Angel Exterminadorが原作です。この原作の映画は原題が《プロビデンシア(神意、摂理)通りの遭難者たち》でしたが、最終的に《皆殺しの天使》に変更されました。監督のルイス・ブニュエルは脚本家のイス・アリコリサと組んで、この不可解なストーリーを組み上げたそうです。1962年制作の白黒映画です。映画には奇妙な繰り返し(まったく同じシーンが繰り返されます)があって、最初はDVDの再生が故障したのかと思いました。一体、この理解不能とも思える不条理なストーリーをどうオペラ化するのか、興味は尽きないところです。

まず、あらすじはオペラ《ランメルムーアのルチア》を見た紳士・淑女が14名、ブルジョアの邸宅でのアフターオペラの晩餐会に招待されて集まるところから始まります。ところが晩餐会が終わっても誰一人帰ろうとしません。これは不条理ものの典型ですね。結局、彼らは邸宅から出られなくなり、水も食料も尽きます。最後は迷い込んできた羊を殺して、料理して飢えをしのぎます。最終的には大パニックに陥り、殺し合いが始まろうとしますが、ワルキューレというあだ名の外国人の若い女性(オペラ《ルチア》のプリマドンナ)の導きで難局を脱します。

このワルキューレ役を歌うのがオードリー・ルーナ。彼女はオペラ《テンペスト》でも彼女にしか出せない金切り声を上げていましたが、今回も超高音の歌唱。よくあんな声が安定して出せますね。フォン・オッターは末期がんで苦しむ患者レオノーラ役です。幻覚に襲われるシーンでの彼女の素晴らしい歌唱は特筆すべきものでした。ブルジョア邸宅の女主人ルシア役はソプラノのアマンダ・エシャラズ。とてつもない声の響きをホール中に轟かせていました。シルヴィア役のソプラノのサリー・マシューズもまた超高音の美しい声が素晴らしく、よく、こんな人をキャスティングしたものだと感心しきりです。ブランカ役のクリスティーネ・ライスはピアニストを演じつつ、なんとまあ素晴らしく表現力のある見事な歌唱を聴かせてくれました。とここまで書いてきたところでお気づきでしょうが、女声歌手の実に充実していたことは驚異的ですし、彼女らに高音の歌を作曲したトーマス・アデスは余程の女声好きと思えます。しかし、こういうキャスティングをしないといけないとなると、公演できるオペラハウスは限られるかもしれません。現在のところ、来年、英国ロイヤル・オペラ、メトロポリタン歌劇場での公演が決まっているそうですが、少なくともルーナ、フォン・オッター、サリー・マシューズの出演は欠かせないのではないかと思えます。
男声陣ですが、閉じ込められたグループを何とか助けようとする医師の役はジョン・トムリンソン。さすがにボリューム感のある見事な歌唱でした。イェスティン・デイヴィスはちょい悪のシルヴィアの弟フランシスコ役ですが、誠実派の彼が役にはまり込んで見事に歌い切っていました。ブルジョアのホストのノビレ役がチャールズ・ワークマン。いかにもブルジョワ的で、ちょっと突けばひ弱な人間を役になり切って歌っていました。
このほか、トーマス・アレンもロック役で登場。実力派の活躍するオペラでした。ともかく閉じ込められた15人の人間がすべて重要な役どころなので大変なオペラですね。

ところで映画には奇妙な繰り返しがあることは書きましたが、オペラでも冒頭のブルジョワ邸に客が到着するシーンでしっかりと奇妙な繰り返しが演じられました。見事な演出でした。それと舞台に羊は登場するのかなと思っていたら、開演前に3匹の生きた羊が登場。さかんに排出物を出して、お世話係はその掃除に大変そうでした。さすがに幕が開くとすぐに羊たちは退場。迷い込んできた羊を殺して食べるシーンは映像のみでした。
基本的なシナリオは映画と同じですが、最終シーンが映画とは異なり、不条理な閉じ込めから脱出して、神に感謝というところで幕です。映画は神に感謝する教会でまた、閉じ込められてしまい、その後はどうなるか分からないという永遠の不条理で終わります。

トーマス・アデスの音楽ですが、前作の《テンペスト》と同様にノントナールの音楽を軸にしていますが、やはり、耳馴染みのよい響きが多く、聴衆にも受け入れやすそうな雰囲気の音楽です。今回は不条理ものなので、前作ほどの抒情性は引っ込んでいますが、ところどころに抒情的なメロディーが顔を出すのも彼のよさですね。なお、映画はスペイン語でしたが、オペラは英語のテキストでした。前作の《テンペスト》と同様に今後も上演が続きそうな作品です。
saraiが特に気に入ったシーンはやはり、フォン・オッターが幻覚に襲われて歌うシーンと終幕の荘厳なレクイエム(ルクス・エテルナ)です。これはもう一度聴きたいな。

キャストは以下です。

  指揮:トーマス・アデスThomas Adès
  演出:トム・ケアンズTom Cairns

  ルシア:アマンダ・エシャラズAmanda Echalaz
  レチチア:オードリー・ルーナAudrey Luna
  レオノーラ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッターAnne Sofie von Otter
  シルヴィア:サリー・マシューズSally Matthews
  ブランカ:クリスティーネ・ライスChristine Rice
  ベアトリッツ:ソフィー・ベヴァンSophie Bevan
  ノビレ:チャールズ・ワークマンCharles Workman
  ラウル:フレデリック・アントゥーンFrédéric Antoun
  コロネル:デヴィッド・アダム・ムーアDavid Adam Moore
  フランシスコ:イェスティン・デイヴィスIestyn Davies
  エドゥアルド:エド・リヨンEd Lyon
  ルッセル:エリック・ハーフヴァーソンEric Halfvarson
  ロック:トーマス・アレンThomas Allen
  医者:ジョン・トムリンソンJohn Tomlinson
  ジュリオ:モーガン・ムーディMorgan Moody

  合唱:ザルツブルク・バッハ合唱団Salzburger Bachchor
  管弦楽:ウィーン放送交響楽団ORF Radio-Symphonieorchester Wien




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ザルツブルク音楽祭の音楽三昧は続く

ザルツブルクの3日目。教会の前のホテルというのは考え物ですね。今日も鐘の音で目が覚めました。もっともsaraiは平気で寝てますけど。それでも、昨夜は早めに寝たからか、9時には起床。でも。昨日のコンサートのブログが2つも残っています。執筆業に取り掛かります。と言うわけで、配偶者は朝食の買出しに行きます。美味しく気楽に朝食を頂きました。
ようやくsaraiが昨日までのブログを書き上げたので、出かけましょう。ふらふらと出かけますが、いきなりsaraiが、昼食代わりにザッハーでザルツブルガー・ノッケルン(ザルツブルクの名物お菓子)を食べようと配偶者に提案。今までに2回チャレンジしましたが、惨敗。3つの山を連ねた形のスフレでとっても大きいのです。デザートに食べようとするから駄目なのだから、昼食代わりなら食べられるだろうという作戦です。注文後、カメラを構えて、ノッケルンの登場を待ちます。ノッケルンが届き、見事に激写。

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特に用事もないので、メインストリートのゲトライデ通りを歩きますが、ものすごい人です。さすが大観光地。人混み渋滞がおき、前に進むのが大変です。

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ここで帰国に向けてのお土産をゲットしておきたいの、ザルツブルクのチョコレート有名店のフュルストに向かい、お土産をゲット。これで帰国できます。
ホテルに戻り、一服して、出陣の準備です。数日前に世界初演を迎えたオペラの2回目の公演ですから、タキシードに着物で決めます。さすが、皆さんおしゃれしていますね。気分は最高です。
トーマス・アデスの新作オペラ《皆殺しの天使》は、原作の映画で予習した甲斐あって、楽しめました。難解なストーリーですが、不条理ものですから、分からないのが当然。分かったというと嘘になります。音楽が付いて、オペラに仕立て上げられると、普通に見られるような気もしますね。充実した女声陣5人の強烈な歌唱に驚嘆しました。

明日は夜のコンサートの前にお天気が良ければ、ウンタースベルクにでも登ってみましょう。ただし、ロープウェイで楽ちんでね。


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圧巻のベートーヴェン!!ルドルフ・ブッフビンダー・ピアノ・リサイタル@ザルツブルク音楽祭(祝祭大劇場) 2016.8.2

ウィーンを代表するピアニストと言っても過言でないルドルフ・ブッフビンダーのピアノ・リサイタルを聴きます。祝祭大劇場が満員になったのはびっくり。彼の人気の度合いが分かりますね。実はこれまで機会がなく、saraiはブッフビンダーのピアノを生で聴くのはこれが初めてなんです。うつむき加減で元気なく舞台に現れたブッフビンダーはピアノの前に座るとシャキッとします。最初のハイドンのピアノ・ソナタを弾き始めますが、驚くほど色彩感豊かな響きです。もちろん美しい響きです。これがハイドンかと言う感じの豊かな響きですが、決してもたれるような音楽の流れではありません。残念ながらハイドンのピアノ・ソナタはほとんど聴き込んでいないので、詳細な部分までは聴きとることができませんがとても美しい演奏でした。2曲目のシューマンの謝肉祭は男性的というか、スケール感のある演奏です。そもそもシューマンのピアノ曲は大好きなので、とても楽しんで聴けます。シューマンらしい気分がくるくると変わっていくような曲想をダイナミックに演奏していきます。繊細で美しい部分と激しく大胆な部分のコントラストがくっきりとした演奏で特に強いタッチの演奏が目立ちます。最初と最後の祝典的なパートの演奏が見事です。パーフェクトな演奏という感じではありませんが、シューマンを満喫させてくれる演奏でした。シューマン好きとしては満足の演奏です。ロマンチストたるシューマンの爽やかさを楽しみました。

後半のベートーヴェンになると、ブッフビンダーの演奏がガラッと変わります。やはり、この人はベートーヴェン弾きなんですね。特にピアノ・ソナタ第10番はパーフェクトとも思える見事な演奏です。実に流麗で磨き抜かれた響き。この曲はこんな響きだったのかと再認識させられました。ピアノ・ソナタ第23番《熱情(アパッショナータ)》もピアノ・ソナタ第10番ほどでないにしても素晴らしい演奏です。ダイナミックというよりも繊細さが勝った演奏です。これがウィーン風なんでしょうか。ほどほどの熱さですが、とても美しい演奏です。引き込まれるように集中して聴いてしまいました。ブッフビンダーのベートーヴェンには脱帽です。こういう演奏が生で聴けるのは嬉しい限り。ベートーヴェンの偉大さも今更ながら感じさせられます。

アンコールがあるようです。曲目を紹介しますが、声が聴きとれません。演奏が始まった途端、あっと驚きます。ベートーヴェンの名曲中の名曲、《テンペスト》の第3楽章です。まさか、アンコールでこういう曲を取り上げるとは思ってもみない嬉しい驚き。《アパッショナータ》以上の素晴らしく充実した演奏でした。感激です。こんなものを弾いてくれたのでアンコールはもうお終いと思っていたら、もう1曲、弾くようです。今度もシューベルトという声が聴けただけ。弾き始めると、即興曲です。流麗な美しい響きの素晴らしい演奏。見事です。ここで満場、スタンディング・オベーション。すると、舞台を去るフェイントをかけて、また、ピアノに戻り、3曲目のアンコール。バッハです。耳馴染みのある曲ですが、曲名は思い当たりませんでした。心を落ち着かせてくれる演奏です。再び、満場、スタンディング・オベーションで名演奏を称えます。素晴らしいピアノ演奏でした。

プログラムは以下です。

  ハイドン:ピアノ・ソナタ第62番 変ホ長調 Hob.XVI:52
  シューマン:謝肉祭 Op.9

    《休憩》

  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番 ト長調 Op.14-2
  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57《熱情(アパッショナータ)》

    《アンコール》

  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2《テンペスト》 より 第3楽章 アレグレット
  シューベルト:即興曲 Op.90,D.899 第2番 変ホ長調
  バッハ:??



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ウンタースベルクからの絶景・・・ザルツブルク音楽祭の音楽三昧の合間

ザルツブルクの4日目。今日も、鐘の音で配偶者は起床。熟睡しているsaraiをおいて、1人でお買い物です。パンと牛乳とヨーグルトをゲットして、戻ります。ようやく起きだしたsaraiと、朝食です。
今日もよいお天気です。ザルツブルクの裏にそびえるウンタースベルクに出かけてみましょう。ロープウェイで山頂までいけるので気楽に思っていましたが、標高1700もあるということで、しっかり身支度をします。ウィンドブレーカーも持ちます。
25番のバスに乗って、ウンタースベルクに向かいます。見上げるような大きな山です。終点のバス停ウンタースベルクバーンで降りるとすぐに、ロープウェイ乗り場です。厳しい岩山がそそり立っています。この山頂までロープウェイで一気に登ります。

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ゴンドラは満員で出発です。一気に山頂を目指します。山頂駅からちょっと歩くと小高い展望台に登れます。ここからは4方が見渡せます。あれっ、懐かしのヴァッツマン山も見えるようです。ちょっと山の陰にはなっていますが山頂がちょっぴりと見えます。

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ケールシュタイン山荘あたりも見えます。その麓はベルヒテスガーテンのようです。一昨年の旅の復習みたいですね。
ザルツブルグのほうを見ると、遥か下にホーエンザルツブルグ城、メンヒスベルクが見下ろせます。ザルツァッハ川の向こうにはカプツィーナー山、さらにはテレビ塔の立つガイスベルクも見えます。ザルツブルグ中央駅やザルツブルグ空港も見えます。つまり、ザルツブルグの町がすべて上から見下ろせます。何と面白い。双眼鏡でも持って来れば、もっと子細に観察できたでしょう。大いに眺めを楽しみました。

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お昼を食べていきましょう。眺めと昼食を楽しんでいると・・・日本語が!
この旅ではほとんど日本人に会っていません。こんにちはと声をかけると、愛想のよいお二人で、楽しくおしゃべりが始まりました。見晴台に行ってくると言うので、一旦別れましたが、その後は、下りのロープウェイでも一緒、ザルツブルグへのバスでも一緒。ザルツブルクの街に戻ってくるまで、いろんな話で盛り上がりました。明日からウィーンに向かうというお二人と別れ、ホテルに戻ります。一服して、ブッフビンダーのピアノ・リサイタルに出かけます。素晴らしいベートーヴェンが聴けました。今日も楽しいコンサートでした。

明日はカウンター・テノールのコンサートです。お天気がよければガイスベルクの丘にでも登ってみましょう。



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鉄壁のCT!ベジュン・メータ カンタータの夕べ@ザルツブルク音楽祭(モーツァルト劇場) 2016.8.3

ヨーロッパで音楽を聴く楽しみの一つはバロック音楽を聴けることとそれに関連してカウンター・テノール(CT)を聴けることです。今回のザルツブルグ音楽祭では人気と実力のCTの一人であるベジュン・メータの《カンタータの夕べ》と題されたコンサートを聴くことができました。saraiはもちろん、初聴きです。
フィリップ・ジャルスキーやフランコ・ファジョーリほどのスター性がないせいか、それほど評判にはなっていないようですが、その実力たるや、なかなかのものでした。まず、CTにありがちな不安定さがまったくないこと、それに高音から注低音までの声の均質性に優れていること、さらには強弱のコントロールがきっちりとできるために表現の幅が広いことなどが印象的でした。こういう資質はオペラで聴けば、その素晴らしさが感じられるだろうなあと思いました。前半のプログラムでは、アジリタが上滑り気味で物足りないと感じましたが、後半には調子を上げて、素晴らしいアジリタを聴かせてくれて大満足です。強い声のCTにもかかわらず、抒情性に優れているのもプラスポイントです。ただ、やっぱり、ジャルスキーやファジョーリのようなカリスマ性・スター性に欠けるのは残念ですね。ヘンデル、バッハは素晴らしい歌唱でしたし、ヨハン・クリストフ・バッハのラメントのような地味な曲でも哀調のある歌唱で聴かせてくれたのはよほどの実力ならではことでしょう。なお、彼は名前から分かるようにインド系のアメリカ人でズービン・メータの親戚だそうですね。若いのに頭を剃り上げているのは何故でしょうね。終演後、会場は大変な盛り上がりでスタンデョング・オベーションの嵐でした。saraiは十分に評価できるCTだと思いました。いずれ、オペラで聴きたいものですね。

プログラムは以下です。

  カウンター・テノール:ベジュン・メータBejun Mehta
  指揮:デイヴィッド・ベイツDavid Bates
  古楽アンサンブル:ラ・ヌオヴァ・ムジカLa Nuova Musica

  ヘンデル:カンタータ「汝らは露にぬれたばら」HWV 162 よりアリア
  ヘンデル:カンタータ「私の胸は騒ぐ」HWV 132c
  コレッリ:合奏協奏曲ヘ長調Op.6-9
  ヨハン・セバスチャン・バッハ:カンタータ「我は満ち足れリ」 BWV 82

    《休憩》

  ヨハン・クリストフ・バッハ:ラメント「ああ、私の頭が水で満ちていたなら」
  ヴィヴァルディ:カンタータ「涙と嘆き」 RV 676
  ヘンデル:5声のソナタ 変ロ長調 HWV 288
  メルヒオール・ホフマン:カンタータ「いざ、待ち望みたる時を告げよ」 BWV 53
  ヘンデル:歌劇(オラトリオ?)「ヘラクレスの選択」HWV 69 より ”Yet can I hear that dulcet lay“ (私はその甘美な歌を聴くことができようか:sarai訳)

そうそう、古楽アンサンブルのラ・ヌオヴァ・ムジカは2007年にイギリスで指揮者のデイヴィッド・ベイツ(彼は元々歌手)が立ち上げたグループだそうで、今日は登場しませんでしたが声楽も含んでいるそうです。いわば、BCJのような存在のようですが、saraiの耳では、まだまだの実力に聴こえました。もっともBCJなどと比べては酷かもしれませんけどね。色々とハプニングがあり、会場では受けていましたが、やはり、音楽の実力で受けないとね・・・。



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ガイスベルクからの絶景・・・ザルツブルク音楽祭の音楽三昧の合間

ザルツブルクの5日目。
慣れとは恐ろしいものですね。あれほど教会の鐘に起こされていた配偶者も、今日は9時までぐっすりお休みです。
今日は、ガイスベルクの山に行ってみましょう。ウンタースベルクとは、ザルツブルクの街を挟んで反対側にあります。出かける頃になって、saraiが出かけるのが遅くなってバスがない!と叫んでしまいます。日に5本ほどしか直通バスがないのです。少々朝がのんびりしすぎて11時のバスが行ってしまったんです。次は2時です。それまで、バスが出るミラベル宮殿辺りをぶらぶらしましょう。その前に、毎朝起こされている教会を見に行きましょう。聖セバスチャン教会というなかなか由緒ある大きな教会で、モーツァルトのお父さんのレオポルドや奥さんのコンスタンツェのお墓があるらしいのです。ネットで大体のお墓の位置と形を確認していきます。それなりに広い墓地が、ぐるりと回廊に囲まれています。キョロキョロ探すとモーツァルト家の墓が見つかります。きちんと整備されていて、お花も植えられています。それにしてもど真ん中がコンスタンツェのお墓でお父さんのレオポルドは横っちょです。

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本当か嘘か、分かりませんが、モーツァルトの姉のナンネルがこれに腹を立てて、ホーエンザルツブルグ城のケーブルカーの下にある墓地に入ってしまったとか・・・。(ナンネルの墓を探しに行くほど、saraiは墓マニアではありません)
次に、ミラベル宮殿横にあるモーツァルテウムに向かいます。モーツァルトが魔笛を作曲した小屋が移築されているはずで、それを見たいんです(そんなもの見たいのって、配偶者は呆れ顔ですが、見たいものは見たいんです)。モーツァルテウムはザルツブルグの音楽大学で、学生が出入りしていますが、観光客らしき人も出入りしています。我々も中に入りアチコチ探しますが、見つかりません。と、日本人の男性が声をかけてくれます。彼は作曲小屋の存在は知っており、見たこともあるそうですが、一般には公開していないので見れないかもとの情報をくれます。やはり、モーツァルテウムのホールで公演があるときにしか見られないようです。彼は見られるかどうかを事務所で聞いてくれようとしてくれましたが、残念ながらちょうどお昼休み中でした。でも諦めきれずに大体の場所を聞いて行ってみます。垣根越しに小屋らしきものを見つけ、写真を撮って、saraiは一応満足します。

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ミラベル宮殿の中庭をぶらぶらします。今日は夏空が広がり暑いほどの好天。もうバラは終わり、刈り込んであります。それでも夏が盛りの品種なのか1種類の赤いバラが満開でした。

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ミラベル宮殿前の端っこにあるF乗り場に定刻にガイスベルク行の151番バスはやってきます。どんどん郊外に出て行きます。テレビ塔のあるガイスベルクの山が見えてきます。このバスがまさに頂上まで運んでくれるんです。山を登り始めます。素晴らしいドライブウェイで、ガンガン飛ばし、快適なドライブです。頂上のガイスベルクシュピッチェに到着です。なんとバッツマン山もよく見えます。昨日はバッツマン山の山系のうち、クライネ・ヴァッツマン山(左側の小さな峰)しか見えませんでしたが、今日はバッツマン山全体が見えます。

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まさかザルツブルグからバッツマン山が見えるとは思っていなかったので、バッツマン山好きのsaraiは大喜びです。ちなみにsaraiのバッツマン山好きはフリードリッヒの描いたバッツマン山の絵を見たときから始まりました。しばし山々を眺めて楽しみます。昨日登ったウンタースベルクももちろん、ばっちりと見えています。ヒトラー山荘のあるケールシュタインの山も見えています。遠くアルプスの峰々も見えています。それほど今日は快晴で眺望がいいんです。ここでもパラグライダーを楽しんでいる人たちがいます。気持ちよさそうです。
ホテルに戻り、一服してコンサートに出かけます。会場前でホールの開場を待っていると、男性が声をかけてきます。先ほどモーツァルテウムでいろいろ親切にしてくれた彼です。かれも、今夜のコンサートを聴くとのこと。彼は、ウイーン在住6年のテノール歌手で、シュターツオーパーでも合唱団で出演しているとのこと。ザルツブルク音楽祭にも出ているとの事です。今度聴くオペラ《ダナエの愛》にも合唱で出演するそうです。
CTのベジュン・メータのコンサートは思いのほか、素晴らしいコンサートでした。今日も楽しい夕べでした。おやすみなさい。明日はアンナ・ネトレプコの出演するオペラを見ます。ネトレプコを聴くのは久しぶりで楽しみです。プッチーニのオペラ《マノン・レスコー》です。



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久しぶりのネトレプコは?《マノン・レスコー》@ザルツブルク音楽祭(祝祭大劇場) 2016.8.4

久々に聴くスーパースターのネトレプコですが、正直、こんな出来では満足はできません。普通の歌手ならば、素晴らしかったと絶賛するところですが、ネトレプコはこんなレベルの歌手ではないでしょう。単に一流のソプラノという感じ。ですから、決して悪かったというわけではありません。それなりに楽しませてもらいました。ただ、これまでに聴いたときのようなスーパースターの輝き、そして、突き抜けるようなピュアーなソプラノの響きを感じられなかったんです。演目の選択の問題、周りの歌手との兼ね合い、色んな問題もあるのかもしれません。saraiが最後に聴いたのは2011年春のウィーン国立歌劇場での《アンナ・ボレーナ》。そうです。ガランチャと競うように歌った絶唱でした。狂乱の場の素晴らしさは今もって耳に残っています。あれから5年。新しい伴侶との舞台ですが、事実上、彼女の独り舞台のようなオペラ。こういう形でのオペラ出演は決してよくないように感じます。第1幕の平凡な出来から徐々に調子を上げて、第2幕では声の響きが素晴らしくなり、後半に期待も持たせるような感じでした。第2幕のアリア「このやわらかいレースに包まれても」がこの日の最高の歌でした。ですが、第3幕でまた調子を落とし、第4幕では絶唱に至りませんでした。今回は3回の公演があるので、ほかの日はもっとよいのかもしれませんね。今日は絶好調ではなかったのでしょう。もっとも今までネトレプコは決して期待を裏切る歌唱をしたことがないので、やや、心配ではあります。比較するのも変ですが、先日のトーマス・アデスの新作オペラ《皆殺しの天使》で歌った女声歌手たちの輝きのある歌唱のほうがよっぽど素晴らしかったというのがいつわざるところです。ネトレプコも新境地で他の歌手たちと切磋琢磨したほうがいいのじゃないかとさえ思ってしまいました。誤解のないように言いますが、saraiはネトレプコの大ファンなんです。だから、残念なんです。今日はコンサート形式なので、普通のオペラとは条件が異なりますが、歌と音楽という点では変わりがありませんから、そういう面での問題ではありません。この後、メトロポリタンオペラでは普通のオペラでこの作品をやるようですが、どうなるんでしょうね。

キャストは以下です。

  指揮:マルコ・アルミリアート

  マノン・レスコー:アンナ・ネトレプコ
  騎士デ・グリュー:ユシフ・エイヴァゾフ
  マノンの兄レスコー:アルマンド・ピニャ
  ジェロンテ・デ・ラヴォワール:カルロス・ショーソン
  エドモント:ベンジャミン・ベルンハイム
  
  合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
  管弦楽:ミュンヘン放送交響楽団

ところで第3幕の舞台はル・アーヴルの港。今回の旅で訪れたばかりの町なので何か懐かしい感じ。その第3幕の前で演奏された間奏曲はミュンヘン放送交響楽団の素晴らしい演奏でした。ドイツの放送局オケはどこも大変な実力を持っていますね。



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ザルツブルグの木曜市と老舗カフェのトマッセリ

ザルツブルクの6日目。
今日木曜日は、週に一度の大規模な市が立つ日です。早目に出かけてましょう。ミラベル広場前の市場に近づくと、市場は相当な人で賑わっています。花屋が多いのに驚きます。夏ですね、ひまわりの花がずらっと並んでいます。

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後は、肉屋、魚屋、八百屋、チーズ屋、パン屋がズラ~リと軒を連ねています。配偶者から見るとどれも同じようなお店なので、どのようにしてお店を選ぶのか頭を捻っています。ブドウとチーズ、そして、鶏の足を1本丸ごと素上げしたものを求めます。どれも味わい深くて美味しいです。
いったんホテルに戻り、ちょっと休憩した後、saraiが、老舗のコンディトライ・カフェのトマッセリに行こうと提案。実は、モーツァルト劇場のロビーでアイスクリームを売っていたのがとっても美味しかったんです。そのお店がトマッセリだったのです。お昼代わりにケーキを食べることにして出かけます。アルテマルクト広場にあるトマッセリ本店には珍しく2階にテラス席があります。

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上がってみると、上手い具合に、下が見下ろせる席が一つだけ空いています。席に着くなり、ケーキはいかがと可愛い女性の店員がプレートいっぱいにケーキを乗せて持ってきます。このお店は、この女性からケーキを買い、清算もするシステムなんです。飲み物は、普通に紅茶をお願いして、ケーキを頂きます。甘さは控えめで、なんとなく素朴な感じのするケーキです。美味しいですよ。ここで配偶者が、アイスクリームも食べようよと提案。アイスクリームの美味しさは何度も劇場で体験済ですからね。下の広場を眺めながら、美味しく頂きます。バニラアイスに生クリーム、カボチャの種の油とカボチャの種がトッピングされています。

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ホテルに戻り、お昼寝です。体力勝負ですからね。今日は夜のオペラですから、タキシード&着物で出かけます。
オペラはスーパースターのアンナ・ネトレプコの一人舞台のようなもの。彼女にしては実力が出切っていない感じでしたが、まあ、楽しく聴けました。
ホテルに戻り、市場で買い求めたチーズとブドウを頂きます。今日もよく遊びました。明日は最後のオペラ。期待のR・シュトラウスのオペラ《ダナエの愛》なのでまた、タキシード&着物で出かけます。



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静謐の美に深く感動!!《ダナエの愛》@ザルツブルク音楽祭(祝祭大劇場) 2016.8.5

R・シュトラウスの晩年の音楽って、何て素晴らしいんでしょう。彼の書いた15のオペラのうち、最後の2つ、《ダナエの愛》と《カプリッチョ》はなにものにも代えがたい作品。そして、R・シュトラウスを聴くんだったらウィーン・フィルほど、色んな意味でふさわしいオーケストラはないでしょう。3年前に聴いた《カプリッチョ》に続き、遂に《ダナエの愛》もウィーン・フィルで聴くことができました。それもザルツブルグ音楽祭という特別な機会ですから、R・シュトラウス好きとしては感慨深いものがあります。1944年、R・シュトラウス自身でザルツブルグ音楽祭で初演する筈だったのが無念のゲネプロで終わり、R・シュトラウスの生前は結局、上演されることはありませんでした。そして、1952年に盟友クレメンス・クラウスの指揮で初演されたのもザルツブルグ音楽祭でした。いずれもオーケストラはウィーン・フィル。このザルツブルグ音楽祭でウィーン・フィルの演奏でこの《ダナエの愛》が聴けたのは望外の喜びです。

演奏は第3幕の後半、オーケストラの間奏のような美しい音楽が奏でられて、ダナエが心の平安と愛をしっとりと歌い上げるところから後はもう静謐な美に包まれて、静かな感動に心を浸すのみです。主役はウィーン・フィルの美しい響き。そして、それを引き出したウェルザー・メストのタクト。ストヤノヴァの美しい歌唱も心に響きます。ユピテル役のトマス・コニエチュニーのしみじみとした歌唱も心に沁みます。ウィーン・フィルの響きが静かに消えて、音楽が終わった後、本当の感動が心に残りました。R・シュトラウスは何て素晴らしい音楽を遺してくれたんでしょう。第2次世界大戦の激しい戦闘中に作られた音楽とは思えません。

今回の公演は第1幕、きらびやかな衣装と舞台装置で華々しく幕を開けます。ウィーン・フィルの演奏もウィーン国立歌劇場合唱団の合唱もそれにふさわしく、実に華々しく演奏されます。この派手とも思える劇的な展開は第2幕まで続きます。そして、第3幕後半に至り、それまでの展開の裏返しのように貧しさの中の愛と平安の物語に移り変わります。この対比が素晴らしいんです。見る者はこの物欲からの脱却に美を感じるでしょう。R・シュトラウスの芸術の力です。そして、今回の公演に参加した人々すべての熱意の結晶がこの素晴らしい演奏・舞台につながったのだと思います。
これまで、このオペラはあまりヴィデオ化されてきませんでしたが、今日はオーストリア放送協会が多くのカメラで録画していたので、きっとヴィデオ化されるでしょう。この素晴らしいオペラが正当に評価されるきっかけになることは間違いありません。また、今後、この公演をもとにウィーン国立歌劇場でも上演されることを望みたいと思います。

キャストは以下です。

  指揮:フランツ・ヴェルザー・メスト
  演出:アルヴィス・ヘルマニス

  ダナエ:クラッシミラ・ストヤノヴァ
  ユピテル:トマス・コニエチュニー
  ミダス(クリゾフェル):ゲルハルト・ジーゲル
  メルクール:ノルベルト・エルンスト
  ポリュックス:ヴォルフガング・アプリンガー=シュペルハッケ
  クサンテ:レジネ・ハングラー
  セメレ:マリア・チェレン
  オイローパ:オルガ・ベツメルトナ
  アルクメーネ:ミカエラ・ゼーリンガー
  レダ:ジェニファー・ジョンストン
  
  合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
  管弦楽:ウィーン・フィル

ところで先日、ひょんなこと(モーツァルテウムでの魔笛の作曲小屋探し)で日本人テノールのKさんと知り合いました。彼はウィーン国立歌劇場合唱団の一員として、今回の舞台の中央に立って、活躍していました。同胞として、嬉しかったです。今後の活躍をお祈りします。昨日の《マノン・レスコー》の合唱にも参加されていたようです。



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       ウィーン・フィル,  

レジデンツはオール・イン・ワンなの? そして、有名店で美味しいお昼ご飯

ザルツブルクの7日目。
あれ~、雨音です。しとしととしっかり降っています。この旅で、初めての雨です。
さて、雨の一日をどうしましょうか。ザルツブルクも4回目になりますが、実はレジデンツにまだ入ったことがありません。ザルツブルクの権力者の領主大司教の館を見ていないのはいけませんね。絶好のチャンスです。行ってみましょう。1人12ユーロと少し高価ですが、音声ガイダンスも含まれています。今日は、じっくり時間をかけて見て廻りましょう。レジデンツの大司教の公的な部分、私的な住まい、さらにレジデンツ・ギャラリーという美術館と見て廻ります。これで終了かなと思ったら、なんとザルツブルグ大聖堂の2階の回廊につながっています。高いところから大聖堂を見下ろすなんて面白い体験です。前方に見えているパイプオルガンの一つはモーツァルトが弾いていたオルガンです。

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さらに、ザンクト・ペーター修道院のギャラリーにもつながっています。町の中心の主要な建物をぐるっと見て廻った感じです。こんなに見るところが多いとは思いもしませんでした。12ユーロは安い。雨の日にはお勧めのコースです。
さて、お昼にしましょう。超有名店シュティフツケラー・ザンクト・ペーターで豪華な食事としましょう。ここで食べるのはこれで3回目。雨なので室内の席に案内されます。好物のターフェルシュピッツを食べます。二人分が銅鍋に入れられて登場です。その場で取り分けてくれます。

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配偶者は、すかさず「スープも頂いていいかしら」。もちろんと言って、2人分にスープ皿に取り分けて持ってきてくれます。よく失敗してスープを飲み損なった経験がここで生きてきます。美味しいスープ付きでターフェルシュピッツを頂きました。満足満足。

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ホテルに戻り、一服してオペラに出かけます。雨はまだ降り続いているので、配偶者は着物は諦め、saraiはもちろん、またタキシード。
会場は祝祭大劇場。このところ、毎日のように来ています。とても音響の素晴らしいホールです。

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オペラはR・シュトラウスの晩年の名作《ダナエの愛》。ウィーン・フィルの素晴らしい演奏、そして、ダナエを歌ったストヤノヴァの素晴らしい歌唱に陶然としてしまいました。
オペラが終わる頃に、ようやく雨が止みます。明日は、晴れるといいな・・・お休みなさい。明日はザルツブルグ音楽祭を聴く最終日。劇《イェーダーマン》とウィーン・フィル演奏会を楽しみます。



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マーラーはやっぱりウィーン・フィルで聴かないとね@ザルツブルク音楽祭(祝祭大劇場) 2016.8.6

ザルツブルク音楽祭を聴くのもこれが最後になってしまいました。ちょうど1週間前のウィーン・フィルの演奏会に始まり、最後もウィーン・フィルの演奏会。ウィーン・フィルは昔からザルツブルグ音楽祭の顔です。今日の指揮は80歳を過ぎたズビン・メータ。1週間前の演奏会と同じく、今日のプログラムもすべてウィーン・フィルが初演した曲で固めてあります。なかでもマーラーの《亡き子をしのぶ歌》は作曲家マーラー自身の指揮で初演ですから凄いですね。そのマーラーの《亡き子をしのぶ歌》は圧巻の演奏でした。ウィーン・フィルのしみじみとしたなよやかな演奏には強く胸を揺さぶられます。そして、その伴奏で歌うゲルネの歌唱も抑えた歌唱を中心に時として激しく燃焼し、マーラーの傑作を見事に歌い上げます。昨日のR・シュトラウスも素晴らしかったですが、やはり、マーラーもウィーン・フィルで聴くと格別のものです。指揮のメータも巨匠への道を歩いていくかのごとく、少ないタクトの動作でウィーン・フィルの自発性のある演奏をインスパイアしていきます。《亡き子をしのぶ歌》は5曲とも素晴らしく、第5曲の最後の言葉、ムッターハウスMutter Haus(生家にいるかのように・・・)は胸に深く刻みつけられます。そして、静かに静かにウィーン・フィルの演奏は閉じていきます。こういう音楽が聴きたくて、ここへ来たのだという気持ちが沸き起こります。思い切って、ザルツブルグ音楽祭に来てよかったと強く感じました。

最初に演奏されたペルトの《白鳥の歌》は一定のリズムと旋律が繰り返される一種のミニマル・ミュージックですが、静かな抒情性に満ちた魅力的な音楽でした。
後半のブルックナーの交響曲第4番はメータに触発されたかのようにウィーン・フィルが激しい響きを立てます。いつもはそれでも柔らかい響きに満ちていますが、今日は狂奔するがごとき響きに少々、辟易とします。それでも段々とその響きに耳慣れしたのか、第4楽章ではそのダイナミックかつ大胆な演奏に魅了されます。いささか芝居がかったような音楽にも思えますが、意外にそれがいいんです。ブルックナーの交響曲第4番はこういう演奏が分かりやすくていいのかもしれません。この祝祭大劇場ではやたらに響き過ぎの感もありますが、ウィーン楽友協会だったら響き過ぎでももっと感じが違ったかもしれませんね。まあ、退屈の対極にあるような演奏で結構でした。

プログラムは以下です。

  指揮:ズビン・メータ
  バリトン:マティアス・ゲルネ
  管弦楽:ウィーン・フィル

  ペルト:白鳥の歌
  マーラー:亡き子をしのぶ歌

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』

結局、最初も素晴らしいマーラーで始まり、最後も素晴らしいマーラーで終わったザルツブルグ音楽祭でした。昨日のR・シュトラウスの《ダナエの愛》が白眉。アデスの《皆殺しの天使》もよかったし、《コジ・ファン・トゥッテ》は最高でした。多分、これが最初で最後のザルツブルグ音楽祭になるかと思うと寂しさもあります。


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       ウィーン・フィル,  

メンヒスベルクの丘の上の絶景ハイキング

ザルツブルクの8日目。実質、最終日です。
今日は昨日の雨も上がって曇り空ながら、まあまあのお天気です。気温は低め。とても夏には思えません。高原の爽やかさですね。
昨日の雨で予定していたメンヒスベルク~リヒター高台~ホーエンザルツブルグ城の散策をキャンセルしたので、今日はそれをリカバリしましょう。
まずはケーブルカーで楽ちんにホーエンザルツブルグ城に登り、久々にお城見学。お城の高台からは雲で隠れていたウンタースベルクが次第に顔を覗かせて、saraiは大喜びです。

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お城からメンヒスベルク方面への道を探しますが、お城から抜け出す道を見つけられずにいったんケーブルカーで下に下ります。岩山沿いにメンヒスベルクのほうに歩いていくと、祝祭大劇場・モーツァルト劇場の大きな建物の手前に岩山に上る石段を発見。これを登るとメンヒスベルクの丘の上の道に出ます。ここからさらに石段をどんどん登っていくと景色のよいハイキングコースに出ます。まずはシュタットアルムの展望台にあるレストランでザルツブルグの町を見下ろしながらのランチです。向かい側の山の上にはさっきまでいたホーエンザルツブルグ城が見えます。その手前には今日もコンサートを聴く祝祭大劇場が見えます。

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ここでゆっくりとしていたら、そろそろ、5時からの演劇《イェーダーマン》の時間も迫ってきます。メンヒスベルクの丘の上にある現代美術館に行き、下に下りるエレベーターの料金を見ると、上りも降りも一人2.3ユーロ。馬鹿馬鹿しいので、元来た道を戻ります。途中、メンヒスベルクの丘に巡らせてある巨大な城壁をくぐり抜けます。

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最後は祝祭劇場の横に自力で降ります。そこから演劇の会場の大聖堂広場に向かいます。大聖堂広場は演劇の公演のために完全にクローズされています。まだ開場にならないようです。裏側の入口からも入れるようですが、時間があるので、大聖堂の前に周って、そこから入場します。しばらくすると開門して、中に入れます。仮設のスタンドができていて、そこの指定席から演劇を鑑賞します。仮設の木製の舞台の向こうには大聖堂のファサードが見えています。

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野外公演なので、お天気が心配でしたが青空も見えてきます。1時間ほどの公演のつもりでしたが、2時間もある長い公演でした。金持ちの男が神の使いの《死》から突然の死を告げられて、あたふたとしますが、最後は信仰心にも目覚め、これまでの生き方を悔いて、清々しい死を迎えるという、ある意味、ありきたりの話ですが、天才劇作家ホフマンスタールの筆にかかると感動的なストーリーの変身します。ドイツ語の分からないsaraiですら、最後に死を弔う大聖堂の鐘の音が響くと静かに感動してしまいました。この演劇はザルツブルグ音楽祭が始まった頃からずっと演じられている由緒のあるものなんです。
ホテルにとって返し、タキシードに着替え、最後の公演、ウィーン・フィルの演奏会に臨みます。ホテルを出ると、何と軽く雨が降っています。野外演劇の最中に雨にならなくてよかったと胸を撫でおろします。
ウィーン・フィルは素晴らしいマーラーに感動。最後に素晴らしい音楽が待っていてくれました。これでザルツブルグ音楽祭の予定はすべて終了。
さあ、明日はウィーンから帰国しましょう。長いようであっという間に終わってしまった今回の旅でした。この後の報告は帰国後になるでしょう。しばらくの間、お別れです。旅の報告に付き合って、最後まで読んでくれた読者のかたがたに感謝します。


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束の間のウィーンを楽しみ、無事、帰国

本日、無事に帰国しました。昨日、ウィーンからのオーストリア航空の成田直行便に乗って、予定よりも30分ほど早く到着。何度もこのオーストリア航空のウィーン‐成田直行便に乗りましたが、これが乗り納めです。9月4日の成田発ウィーン行きがラスト・フライトだそうですから、もう、運航期間は1ヵ月を切りましたね。感慨深いです。別にこれでウィーンへの足が遠のくわけではありませんけどね。日本路線撤退が決まったオーストリア航空の直行便ですが、現在は以前に比べて、ウィーン発の時刻が遅くなって、夕方の5時50分発です。これは便利です。ウィーンで遅くまで遊んでから、空港に向かうことができます。saraiもこれを利用することにして、ザルツブルグから朝早いレールジェットに乗って、ウィーンに移動。今回は短い滞在になりますが、ちょうど15回目のウィーン訪問になります。1年ぶりの訪問です。まずはウィーン・ミッテ駅にあるシティ・エアー・ターミナルでオーストリア航空のチェックインを済ませて、大きなスーツケースを預けて、身軽になります。ここから地下鉄(Uバーン)を乗り継いで、シュテファンズプラッツまで移動して、即、お気に入りのカフェ・ハイナーに行き、ちょっと早いランチ。美しい店内はまだ午前中のせいか、日曜のせいか、えらく空いています。

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今日のランチはターフェルシュピッツのゼリー寄せのサラダという、なかなか凝ったものです。

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勝手知ったるカフェなので、請求書を持って、2階のカフェから1階の店舗に降りて、クレジットカードで精算しようとすると、ウェートレスのおばさんから待ったがかかります。食い逃げと間違えられたようです。クレジットカードで払いたいと告げると、一緒に1階のレジまで付いてきてくれます。ちゃんとカード決済を済ませて、一件落着。シュテファンズプラッツのドゥルヒガングにある行きつけの紅茶屋さんに紅茶を大量買いするつもりでしたが、よく考えてみると今日は日曜日。お店はみんなお休みですね。案の定、紅茶屋さんはクローズしています。残念! ところで紅茶さんの内部は改装中で日曜でなくてもクローズしていたかもしれません。じゃあ、街でもぶらつきましょう。街のシンボル、聖シュテファン大聖堂は相変わらず、堂々としています。ただ、外壁の補修工事中なのが残念です。いつもどこか工事中ですね。

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シュテファンズプラッツからグラーベン通りを歩き、コールマルクトに出るというお決まりのコースです。途中、レオポルド美術館のポスターでシーレとクリムトの傑作展というのを見て、心が動かされます。コールマルクトのカフェ・デーメルでお土産ものを求め、ホーフブルグ、美術史美術館と抜けて、ミュージアムクォーターのレオポルド美術館に到着。ここで素晴らしいクリムトとシーレのコレクションに再会。特にクリムトの中国趣味のアトリエの復元したものが目新しいところです。

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シーレは年代順の展示に変えられていますが、最晩年の部屋は傑作の作品が並んでいて、素晴らしいです。特に妻エディットをモデルにした作品がsaraiのお気に入りです。

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ココシュカやゲルストルの作品もじっくりと鑑賞して、世紀末ウィーンの美術を堪能。
さあ、最後は再び、カフェ・ハイナーに戻って、今度は美味しいケーキをいただきます。saraiはザッハートルテをミット・シュラーク(ホイップした生クリーム付き)でいただきます。カフェ・デーメルほどではありませんが、ここのザッハートルテも美味。

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さきほどのウェートレスのおばさん(ここはみなチロル風の民族衣装を着ています)がまた来たのって感じで笑いかけます。会計は今度はキャッシュでテーブル席で払おうとすると、あら、クレジットカードじゃなかったのってまた笑っています。もう、これでヨーロッパを離れるので余っているキャッシュを使ってもいいんです。

ほんの5時間ほどの短いウィーン滞在でした。これまでのウィーン訪問の中で、もちろん最短の滞在になります。



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帰国後、日常の生活に復帰?

昨日帰国したら、日本中、オリンピック一色。それに暑い!! 今更ながら、日本の8月はこんなに暑いってことを思い知りました。東京オリンピックって、こんなに暑い8月にやったら、ヨーロッパの人たちが本当にびっくりしますよね。それって、いいんでしょうか。もちろん、ヨーロッパだって、夏は暑い日は暑いですが、どっちかと言えば、7月が一番暑いような気がします。少なくとも去年と今年はそうでした。8月は20度くらいでしたから、高原に避暑に行ったような感覚でした。
そんなことを思いながら、暑い夜、リオのオリンピック中継のテレビを見ていたら、早朝まで起きていることになりました。時差ぼけならぬ、オリンピックぼけになりそうです。
ということで朝寝を決め込もうとしているとピンポーンとチャイムが鳴り、配偶者(彼女は正常な生活を送っています)がなりやら、やりとりをして玄関のドアを開けているようです。どうやら、成田空港で昨日、宅配を頼んだスーツケースが届いたようです。昨日、宅配を頼んだときは横浜のsaraiの自宅がある区へはその日の配達はできずに翌日の午前になるってことでしたが、こんなに早く(と言っても9時は過ぎているようです)届くんですね。でも、横浜も区によってはその日に配達できるようですから、同じ横浜って言っても、saraiが住む横浜は田舎のようです。
ともかく、それで目が覚めてしまい、目をこすりながら、起きます。配偶者から体操男子団体が金メダルを取ったことを告げられて、きっと、九州の母親が喜んでいるなと思います。母親は90歳を超えていますが、大のスポーツ好きで今回のオリンピックではこの体操を一番楽しみにしていたからです。案の定、後で電話をしてみると、嬉しくて、涙が出そうだったそうです。よかった、よかった!! オリンピックのテレビ放送を見ながら、久しぶりの和食の朝ごはん。卵入りの味噌汁にアジの干物。何よりのご馳走です。
カバンを開けて、電動歯ブラシと電動シェーバーを取り出して、急いで身づくろいをして、かかりつけの内科医院に出かけます。月に1回の診察と薬の処方のためです。こうして、日常が戻ってきます。近所の八百屋や肉屋にも顔を出して、久しぶりの買い物。みなさんに訊かれるのはヨーロッパの安全状況です。何も問題ないことを説明し、あとは日本の異常な暑さが話題になります。ヨーロッパは涼しかったかったことを話すと皆、意外そうです。もう、すっかり、日常ですね。久しぶりにラーメンが食べたくなり、家系ラーメンのお店で昼食。配偶者には、すっかりと外食癖がついたのじゃないかと言われますが、ほぼ、1ヵ月ぶりに日本の美味しいラーメンが食べたくなっただけです。
家に帰ると、やはり暑い!! そして、昨夜の寝不足がたたって眠い。エアコンのスイッチを入れて、しばし、お昼寝です。
起きて、また、オリンピックを見ながら、美味しいすき焼きをいただきます。やはり、日本食も旨いですね。
テレビの番組表をチェックすると、NHKのBSプレミアムで《寅さん》をやっています。配偶者が飛行機の中で《寅さん》を見て、面白かったと言っていたのを思い出して、思わず、見てしまいました。以前、全作品を見た筈ですが、今日の作品はどうにも見た覚えがありません。見損ねていたものでしょうか。かなり初期の作品(男はつらいよ 奮闘篇:第7作)のようですが、なかなかの名作で感動に近い感情を覚えます。
そうこうするうちにまた夜が更けてきて、オリンピックの中継も始まります。国民的アイドルの愛ちゃんが見事な卓球の試合を勝ち抜き、ベスト4に進出したのを見届けると、もう12時。ということで、ブログが今日の1日を書くことでお茶を濁します。そろそろ、昨年のベルギー編を再開しないといけませんね。ブリュッセルに着いたところで一時休止しています。ちょっと待ってください。



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ザルツブルグ音楽祭への遠征の経緯、そして、演劇《イェーダーマン》のこと

今回の旅の総括を書いておきたいと思います。
もともと、夏の音楽祭は避けてきていたんです。その心境が変わったのは1冊の本との出会いです。
昨年の秋、神田神保町の古書店を覗いていたときにその本を見つけました。

 植村攻著、巨匠たちの音、巨匠たちの姿、東京創元社刊、1996年初版

この本のことはネットでその存在を知っていましたので、すぐに手に取って、ぱらぱらと拾い読み。とても面白そうなので即、購入。定価2000円ですが、600円と安価で状態も良好。帰りの電車でむさぼるように読み始めました。著者は戦後間もない1955年から4年間、ロンドンで勤務して、当時のヨーロッパの巨匠たちの演奏に接することができたという羨ましい体験をこの本の中に書いています。中でもハイライトはモーツァルト生誕200年の1956年のザルツブルグ音楽祭、そして、1958年のバイロイト音楽祭です。記念の年のザルツブルグ音楽祭はもちろん、1958年のバイロイト音楽祭と言えば、クナッパーツブッシュが音楽祭を支配した年として有名です。その2つの音楽祭をつぶさに体験した話が実にいきいきと書かれています。
この本を読んで、ザルツブルグ音楽祭とバイロイト音楽祭への憧れがぐっと高まりました。
この本で初めて知ったのが演劇の《イェーダーマン》です。1920年に始まったザルツブルグ音楽祭はこの演劇でスタートしました。意外なことに、ザルツブルグ音楽祭は当初、演劇が主力だったそうです。ザルツブルグ音楽祭は演劇人のマックス・ラインハルトが詩人のフーゴー・フォン・ホフマンスタールに呼びかけたのがその開始の経緯です。音楽界からもR・シュトラウスとフランツ・シャルクもその立ち上げに加わりますが、さらにウィーンのブルク劇場の舞台監督だったアルフレッド・ローラーが芸術委員に就任すると、一挙に音楽よりも演劇に比重が高まり、1920年、ホフマンスタールの詩作を原作とした演劇の《イェーダーマン》がマックス・ラインハルトの演出で上演されました。以来、ザルツブルグ音楽祭の重要な柱として、この《イェーダーマン》が大聖堂広場(ドーム広場)が毎年、演じ続けられています。ドイツ語を解さないsaraiですが、この《イェーダーマン》は見逃すわけにはいきません。
今年のお正月に最終的にザルツブルグ音楽祭への遠征を決めたとき、プログラムから《イェーダーマン》の公演を探し、鑑賞スケジュールに組み入れました。その《イェーダーマン》の公演の感想は次回、お伝えしましょう。


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何故か胸にぐっときた!《イェーダーマン》@ザルツブルク音楽祭(大聖堂広場) 2016.8.6

ホフマンスタールの演劇《イェーダーマン》はザルツブルグ音楽祭に欠かせないものです。ザルツブルグ音楽祭立ち上げのメンバーでもあったホフマンスタールが書いた詩作を原作に、同じく立ち上げメンバーだったマックス・ラインハルトが演出して1920年に上演されたのがザルツブルグ音楽祭の開始でした。ザルツブルグ音楽祭に折角行くので、この作品だけは絶対に見逃がせないと思いました。

とは言え、この演劇はドイツ語で演じられます。ドイツ語はちっとも分からないので、頭に入れておいたあらすじを参考に劇の進行を見ていきます。イェーダーマンというのは英語で言えばエヴリマン。つまり、どこにでもいる誰かという感じでしょうか。劇の中では固有名詞のように主役の金持ちの男がイェーダーマンという名前で呼ばれます。冒頭は《神》(少年の姿)が《死》(白装束の老人)を呼び出して、イェーダーマンに死を告げるように命じます。これは別に不条理劇などではなく、単に日常的な死がいつも隣り合わせにあるということを示すだけのことです。《神》と《死》が舞台から去ると、イェーダーマンが現れます。彼は大変な金持ちであることを誇示します。貧乏人が施しを求めると、さんざんにからかいながら、コインを1個与えるだけ。さらに、警官に連行される男が現れます。イェダーマンに借りた金を返せなかったために逮捕された男です。男の妻や子供も現れますが、イェーダーマンは非情です。イェダーマンの母親が現れて、イェーダーマンに神への信仰を大切にするように諭します。根負けしたイェーダーマンは信仰について考えることを約束し、母親は喜んで帰ります。やがて、賑やかな一団が現れます。その中に自転車に乗った美しい若い女性がいます。イェーダーマンと親密です。にぎやかな宴が続きます。イェーダーマンはその親密な女性にプロポーズします。宴もたけなわになったところで突如、鐘が鳴り、周り四方からイェーダーマンと呼ぶ声が聞こえてきます。それはイェーダーマンにしか聞こえません。やがて、《死》が現れて、イェーダーマンは今日死ぬことを告げます。イェーダーマンは驚き、その告知をなかなか受け入れられません。やがて、イェーダーマンは1日でいいから、死を待って欲しいと懇願しますが、《死》は聞き入れません。《死》はしばらく離れるから、キリスト教徒として残された時間を有益に過ごすように言い、いったん消え去ります。イェーダーマンは悪あがきを始めます。友達に救ってくれるように頼みますが、誰も逃げ腰でしかありません。やがて、大きな箱から異形の怪物があらわれます。お金の神様マモンです。奇妙な動きを見せた後、どんな金持ちも死ぬときは裸で死んでいくと言って、また、箱の中にはいります。次は高い棒の尖端の椅子に腰かけた、病人のような《善い行い》がイェーダーマンに諭します。実はこの《善い行い》はイェーダーマンのこれまでの善行の生き写しなので、あまり善行を積んでこなかったイェーダーマンの生き方を反映して、病弱な姿をしています。《善い行い》が女性の姿をした《信仰》を呼び出します。《信仰》に神様が救ってくれると諭されて、次第にイェーダーマンは気持ちがほぐされます。イェーダーマンがお祈りを捧げていると、《神》(少年)に手を引かれた母親が私の息子は救われたと感謝しながら通り過ぎます。ようやく信仰心が得られそうになったイェーダーマンは大聖堂の中に入っていきます。突如、舞台の下から現れた悪魔がそのイェーダーマンを追いかけようとします。しかし、《善い行い》と《信仰》に行く手を阻まれて、悪魔は引き下がります。やがて、イェーダーマンが大聖堂から出てきて、《善い行い》と《信仰》に導かれて、イェーダーマンが静かに死への道に自ら入っていきます。横たわって布を掛けられたイェーダーマンの上に皆が土をかけていきます。大聖堂の鐘が鳴ります。イェーダーマンの死です。

事前の情報ではちょうど1時間の上演だということでしたが、実際は2時間に及ぶ長い上演でした。ドイツ語は分からなくてもとても見ごたえがあって、じっと見入っていました。楽しいシーンや賑やかなシーンが多かったのですが、人間の死というテーマをあまり深刻ぶらずに見せるという意図もあるのでしょう。最後にイェーダーマンが静かな死を迎えるところは素晴らしいものです。死というものは誰にも一度は起きるもの。金持ちも貧乏人もどんな人にも等しく起きることですが、気持ちの整理がついて、清らかに死んでいく人がこんなにも清々しいものであることを見て、そして、感じて、強い感動を受けます。素晴らしい演劇でした。ザルツブルグ音楽祭の看板とも言っていい演目であることを実感しました。よいものを見ることができました。

なお、1920年のオリジナルの演出はマックス・ラインハルトでしたが、その後、多くの演出家による演出が行われました。2013年からは現在のBrian Mertes/Julian Crouchの演出になっています。オリジナルとはかなり変わった演出になっています。音楽アンサンブルの演奏が大きな特徴です。オリジナルのマックス・ラインハルト演出の舞台も見てみたいものです。

この演劇は1920年以来、ずっと野外の大聖堂広場(ドーム広場)で上演されてきました(雨の場合は祝祭大劇場などの屋内で振替上演されます)。この日も前日が丸1日雨が降り続いたので、とても心配でしたが、晴れ女の配偶者の力もあって、上演時は青空も見える絶好のお天気。伝統の演劇をオリジナルの場所で見ることができて幸運でした。終演後、ホテルに戻って、次のコンサートに向けて、タキシードに着替えて、外に出ると、何と雨でした。公演直後に雨になったんです。ますます、自分の幸運に感謝するやら、驚くやらの《イェーダーマン》でした。



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夏休み

昨日、書き残していた演劇《イェーダーマン》の記事をアップして、今年のザルツブルグ音楽祭への遠征の記事は完了。今後、詳細編で改めて、旅の詳細をご紹介します。
今日からはsaraiの家族が房総に集結して、3日間の夏休み。ブログもその間はお休みです。15日からは休止していた昨年のベルギーの旅の詳細編を再開する予定です。


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房総で夏休み中

今、房総・勝浦のリゾートマンション。家族全員集合で楽しい夏休み。
間抜けにも事前に知りませんでしたが、昨日は勝浦の若潮祭りだったんです。異常な人出にびっくり。有名な花火なんですね。saraiはリゾートマンションの窓辺から楽ちんの花火見物。次々打ちあがる花火を堪能。とりわけ、初めて見たのが水中花火。海上の船から花火が開き、海上にまるで花が開いたような感じでその美しさを楽しみました。

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今日は久しぶりの海水浴。勝浦の海水浴場は大変な人出。砂浜も海も人・人・人。夏にしては過ごしやすい気候でみんなハッピー。子供も若い男女もそして、saraiのような熟年も夏の一時を享受しています。

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海に入った後は配偶者に砂をかけてもらって、孫娘と砂風呂もどき。

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日本の夏もいいものですね。



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夏休みのお終いは《濃溝(のうみぞ)の滝》

房総・勝浦での夏休みを楽しみ、帰りに最近話題の《濃溝(のうみぞ)の滝》を見てきました。房総の海岸は海水浴客で大賑わいで車は大渋滞。さぞや《濃溝(のうみぞ)の滝》も駐車場が満杯かと観念していましたが、配偶者が交通整理のおじさんに「空いてるの?」って訊くと、何と「空いてるよ」とのことです。わずか30台程度の第1駐車場に運よく滑り込むことができました。

《濃溝(のうみぞ)の滝》は朝日が差し込んで、光の反映でハート型に見える幻想的な洞穴の滝の美しさがインスタグラムで紹介されて大ブレークしています。真昼の《濃溝(のうみぞ)の滝》はこんな感じです。とても綺麗です。

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話を戻して、これが駐車場からの道。滝までは綺麗な並木道が続いています。駐車場から滝まで徒歩451歩だそうです。saraiの足だと900歩くらいかな?(笑い)

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滝に到着すると、大勢の人が滝の洞穴の前の浅瀬の水に入っています。夏の風景ですね。残念ながら、幻想風景ではなくて、夏のレジャーって感じです。

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人がいなければ、saraiの芸術写真も可能だったかも・・・。

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で、芸術写真は下記のインスタグラムをご覧くださいね。

 濃溝の滝のインスタグラム
 

《濃溝(のうみぞ)の滝》は千葉県君津市の清水渓流公園にあります。道が空いていれば、都心から車で1時間ほどで行けます。早朝ならば、人も少ないかも・・・。


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ウィーン・オランダ・ベルギー・パリの旅を再開

1ヵ月以上お休みしていましたが、昨年(2015年)のウィーン・オランダ・ベルギー・パリの旅を再開します。明日からの再開に向けて、準備中です。
昨年のヨーロッパ遠征は羊年にちなんで、ベルギーのゲント(ヘント)Gentの聖バーフ大聖堂St.Baafskathedraalにある《神秘の子羊》を見に行くことがメインテーマでした。フーベルト・ファン・エイクとヤン・ファン・エイクの天才兄弟が描いた中世フランドル絵画の傑作中の傑作は是非とも見ておきたかったんです。したがって旅はベルギーを巡ることを中心に据えました。もちろん、ウィーンを中心に音楽三昧することも欠かせません。アムステルダムとパリでも音楽三昧です。
既に旅はウィーン、オランダ(アムステルダム、ハーレム、ライデン、ユトレヒト)を経て、ベルギーに入っています。アントワープを経由し、ゲントで無事に《神秘の子羊》と感動の対面を果たし、ブルージュの美しい運河風景を楽しみ、ブリュッセルに到着したところです。そこから旅は再開します。なお、ブリュッセルで残忍なテロ事件が起きる半年ほど前のことでした。テロ現場になった欧州議会近くにも行きました。このときはギリシャ問題の討議でやはり騒然とした雰囲気ではありましたが、まさか、事件が起こるとは予想だにしていませんでした・・・。
今、日本の夏は暑さ本番という感じですが、このときのブリュッセルも日本の夏に負けない、うだるような暑さでした。その暑さにめげずにブリュッセルで美術とグルメを楽しみます。

明日からの再開をお待ちくださいね。


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ブリュッセルで美術三昧:マグリットの家を探してウロウロ

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/1回目

旅の16日目、ブリュッセル2日目です。

昨日のブリュッセルBruxellesの蒸し暑さに辟易し、エアコンをガンガンかけて朝寝坊を決め込みます。9時過ぎに起き出し、紅茶を淹れて、向かいのスーパーで買っておいたサラダと果物で朝食を済ませます。

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東向きの部屋の窓は、強い日差しで、触ると暑いほどです。窓から道行く人を眺めると、洋服がなびき、木々の葉も揺れています。少しは風が吹いているようです。7階の高層のホテルの部屋の窓は開かないので、外の暑さの様子が分かりません。とは言え、まさか1日ここで過ごすわけにも行きませんね。意を決して出かけます。何と11時です。う~、暑いです。いやはや、ブリュッセルの暑いこと! 日本も顔負けの蒸し蒸しした暑さ。ビルの電光掲示板には34度と表示されています。

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もう、真夏ですね。こんな日は美術館巡りに限ります。まずは配偶者が大ファンのベルギーのシュールレアリストのマグリットに敬意を表して、マグリットの家Musée René Magritteに行きます。なお、マグリットの絵画はマグリット美術館Musée Magritteに展示されています。マグリットの家はマグリットが住んでいた家が博物館になったものです。マグリット美術館は明日、予約を入れてあります。
マグリットの家に行くには、ガイドブックでは94番のトラムで行くようになっていますが、トラム停留所の案内には94番なんてありません。改めて、停留所の路線図で検討すると、93番が行くことが分かります。

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3年前のガイドブックなので、路線が変更になったのか、ガイドブックの間違いなのか・・・。ともかく、方針が立ったので、チケットを買いましょう。ガイドブックによるとトラムの停留所には自動販売機があると書かれているのですが、ありません。

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すぐそこの、地下鉄の駅ボタニークBotaniqueで買ってきましょう。地下鉄の駅の自動販売機には英語表記の切り替えもあり、しっかり1日乗車券を購入できます。

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1日乗車券は一人7.5ユーロです。

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明日の分も合わせて4枚購入します。
トラム停留所ボタニークBotaniqueに戻り、93番のトラムに乗って、北の方に20分ほど、街中を抜けていきます。途中、ボックスタルBockstael駅前の広場では土曜市が盛大に開かれていますが、暑くて、とても見て回る気分ではありません。

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そのままトラムに乗って最寄りの停留所シメティエール・ド・ジェットCimetière de Jetteに到着です。
ここまでのトラムでの移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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このあたりは郊外の住宅街です。簡単な地図を見ながらマグリットの家の方向に進むと、案内板があります。

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ところが一筋通りを間違えて、ぐるりと迂回。目印になるようなものが何もなくて、分かりにくい街並みなんです。

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再び、マグリットの家の案内板を発見。

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何とか番地表示を見て、マグリットの家を探します。マグリットの家はEsseghem通りの135番地です。

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この辺りのようです。

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この辺りという場所までやってきても、本当に気づかずに通り過ぎてしまうほどさりげない普通の家らしいのです。見回してもそれらしい建物が分かりません。

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そのつもりで探すとありました。普通の家なので、見たって分かりはしません。

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確かにこれは通り過ぎてしまいます。

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しっかりと番地を確認して、これだと確信します。

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看板も出ているのですが、駐車車両の陰になっていて分からなかったんです。

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マグリットの家への行き方を簡単な地図にまとめてみます。93番のトラムを停留所シメティエール・ド・ジェットで降りて、そこから少しトラムの走るJules Lahaye通りを戻ります。Esseghem通りの交差するところで右に曲がって、まっすぐに進んで行き、Dansette通りを通り過ぎると、すぐ右側にマグリットの家があります。右側の歩道を歩くと看板があるので分かります。Esseghem通りの135番地を探してもいいでしょう。

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この建物はマグリットが一番長く住んだというアパートで、今でも本当に普通の家のドアです。ドアは閉まっていますが、ドアに何やらメッセージを書いた紙が張ってあります。何故か、意味がするりと分かると思ったら、日本語です!!(日本語のほかは、フランス語、オランダ語、英語、ドイツ語が併記されています。)「ベルを2度鳴らしてください」というメッセージです(日本語表記は「2回リング」)。

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2度ベルを鳴らすと、しばらくして、女性が出てきて、招き入れてくれます。
さあ、マグリットの家を見学させてもらいましょう。


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ブリュッセルで美術三昧:マグリットの家の1階のアパルトマンとアトリエ

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/2回目

ブリュッセルBruxellesのジェットJette地区にあるマグリットの家Musée René Magritteを訪問しています。少し探し回りましたが、ようやく、発見して、館内に迎え入れてもらったところです。
ドアを入ったところで女性スタッフが立ち話で、館内の細かい説明をしてくれます(フランス語などではなく分かりやすい英語です)。入館料一人7.5ユーロを支払うと、2階から日本語の案内パンフレット(貸し出しのみ)を持ってきてくれます。それにしても、日本人対応がこんなにいいのは、余程、日本人の訪問者が多いのでしょう。マグリットは日本人受けがいいのですね。
ここはベルギーのシュールレアリストの巨匠ルネ・マグリット(1898-1967)がまだ売れない頃(1930年~)に24年間借りていたアパルトマン兼アトリエです。今saraiがいる1階がマグリットが住んだアパルトマン部分です。それがそのまま見学できます。2階と3階にいろいろな資料や作品が展示されています。4階は屋根裏部屋で昔はマグリットが作品保管に使っていたそうです。丁寧な日本語の案内パンフレットを見ながら見学します。
1階、ドアを入って左手にはリヴィングルームがあります。暖炉は絵の素材になったものです。暖炉から列車が飛び出してくる有名な絵に使われています。壁の色も使われていますね。

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窓も絵の素材になっています。

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隣の寝室に続く扉も絵の素材です。マグリットは身の回りはすべて絵の素材にしていたんですね。驚きです。

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案内パンフレットの中に、マグリットの絵のどこにどの素材が使われているのかが説明されています。面白いですね。

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2階へ上る階段も重要な素材のひとつです。

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階段の前から振り返ると、玄関の扉があります。チャイムを鳴らして入ってきた扉です。

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案内パンフレットの別のページも見てみます。リヴィングルームの暖炉の絵が紹介されています。

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今度は寝室です。えっと驚きますが、生きている犬ではありませんね。可愛い犬です。愛犬なのでしょうか?

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リヴィングルームに続く寝室の扉です。

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これはマグリットのトレードマークのような帽子と傘ですね。

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これはキッチンの隣ですから、ダイニングルームでしょうか。サロンのような役割も果たしているようです。

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本棚の本がU字のような形で並べられています。これもマグリットの趣味、あるいは癖なんでしょうか。

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家から庭に出ると鳥小屋があります。そういえば、マグリットの絵には小鳥がよく登場しますね。

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細長い庭の向こうにアトリエがあります。全面ガラス戸になっています。

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アトリエの前から振り返ると、マグリットの住んでいたアパルトマンが見えます。小さな建物ですが、3階建てで屋根裏部屋付きです。

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ガラス戸越しにアトリエの中を覗き込みます。結構、いい環境で絵を描いていたんですね。

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こちらはアトリエの左半分です。籐椅子や寝椅子でリラックスしていたようです。

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また、建物のほうに戻ります。井戸のポンプのようなものが取り付けられています。

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建物の壁を見上げます。装飾はありませんがすっきりとしてモダンです。

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外から浴室を覗きます。

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同様にキッチンも覗き込みます。これもすっきりしてモダンですね。質素とも言えますけどね。

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同様に寝室も覗きます。リヴィングルームと続き部屋で結構、広いですね。

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1階のアパルトマンとアトリエを見終わったところで例の階段を上って、上の階を見学します。

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次回、もう少しだけ、マグリットの家を見て周ります。



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おめでとう、高橋・松友ペア

マグリットの家の記事を書いている途中で、オリンピックのバドミントンの決勝戦が始まり、目が釘付けに・・・。最後はもう駄目だとあきらめましたが、奇跡のような大逆転劇。感動で胸が震えました。
このオリンピックは卓球団体女子の金メダルにも匹敵するような銅メダルもあり、目が離せない大会になり、毎日、深夜・早朝まで起きていて、寝不足です。今日もそうなりました。しかも明日は歌舞伎を見るので、そろそろ寝ないといけません。ということで、申し訳けありませんがベルギーの記事はお休みです。そういえば、高橋・松友ペアと決勝戦で激戦を演じたのはベルギーペアでしたね。何か、縁があるベルギーです。


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テーマ : 今日の出来事。
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ブリュッセルで美術三昧:マグリットの家のコレクションを拝見

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/3回目

ブリュッセルBruxellesのジェットJette地区にあるマグリットの家Musée René Magritteを訪問しています。1階のアパルトマンとアトリエを見終えて、2階、3階の資料や作品の展示を見ます。
思ったよりもたくさんの作品が展示されています。制作年の順にご紹介していきましょう。


これは映画のポスターの原画のようですね。若い頃はこういうものを描いていたんですね。

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これはシュールな絵画の萌芽がみられる作品です。可愛い絵ですね。微笑ましい感じです。

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《抽象化》です。これは1923年、25歳のときの作品です。若い頃はこういう抽象絵画も描いていたんですね。色合いはやはりマグリットらしくシンプルで明るいです。

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《剣士》です。これは1926/1927年、28歳/29歳のときの作品です。シュールですが、女性ヌードも描いていたとは驚きです。

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《空間の問題》です。これは1928年、30歳のときの作品です。これはいかにもマグリットらしいユーモアのある作品です。

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《ビルボケ(剣玉遊び)の自己満足》です。これは1928年、30歳のときの作品です。なかなかの力作です。モティーフがビルボケ(日本の剣玉の原型と言われるフランスの古いおもちゃ)というのが面白いですね。

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《分離された風景》です。これは1928年、30歳のときの作品です。吹き出しのある漫画のような作品ですが、吹き出しには『私は風景のまわりには何も見えない』というようなことが書いてありますが、意味が分かりません。

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《せっかち》です。これは1928年、30歳のときの作品です。格闘技ですね。妙な作品です。

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《メンタルな計算》です。これは1931年、33歳のときの作品です。この前年からこのアパルトマンに居を定めたんですね。

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《巨人》です。これは1936年、38歳のときの作品です。シュールレアリズムとはこういうもの・・・さらにはマグリットらしさも満載の会心の作品です。

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《フェアプレイ》です。これは1936年、38歳のときの作品です。シュールレアリズムの作品は時として、意味不明・・・。

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《悪循環》です。これは1937年、39歳のときの作品です。これは何と言うか・・・ちょっと気持ちが悪い! やり過ぎですね。

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《終わりなき連鎖》です。これは1938年、40歳のときの作品です。これは単純にシュールで面白いですね。

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《老いた砲手》です。これは1947年、49歳のときの作品です。これは秀逸な作品ですね。シュールだけどロマンチックって感じです。

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《Esseghem通り》です。これは1950年、52歳のときの作品です。題名はこのアパルトマンがある通りの名前です。自宅周りの風景を自画像付きで描いたものですね。このマグリットの家にあってこその作品です。

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《桜の季節》です。これは1951年、53歳のときの作品です。マグリットには珍しい女性ヌードですが・・・。

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《はがき》です。これは1960年、62歳のときの作品です。頭の上の球体は何なのか・・・月?岩?街灯?

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《王の美術館》です。これは1966年、68歳のときの作品です。ほぼ最晩年の作品です。いいですね。何も文句ありません。これぞマグリットです。

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展示作品を見終えて、最後は屋根裏部屋を覗きます。雑多なものが並んでいます。ボリューミーな裸婦の絵はマグリットの作品でしょうか。なかなかいいですね。

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最後にマグリットの家の上からの眺めを楽しみます。こういう何の変哲もない住宅街の中で稀代のシュールレアルストが自己の芸術を磨き上げていったのですね。

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マグリットという人間の一面を見ることが出来、マグリット好きの配偶者にはとても面白かったようです。saraiとしても彼の生活が垣間見え、興味深い訪問になりました。スタッフの女性は、風の入る窓際の事務室で、ずっとお友達とおしゃべりしていました。そこで、数枚、ここでしか手に入らないようなマグリットの絵葉書を購入して見学終了です。



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ブリュッセルで美術三昧:エクセル美術館へ向かうもまたウロウロ・・・

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/4回目

ブリュッセルBruxellesのジェットJette地区にあるマグリットの家Musée René Magritteへの訪問を終えて、さっきのトラム乗り場に向かいます。周りのアパルトマンを見上げると、バルコニーがなかなかお洒落ですね。

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次は有名ではないけれど、評価する人もいるエクセル美術館Musée d'Ixellesに向かいます。来たときとは逆向きの93番のトラムに乗って、また、ブリュッセルの街なかに戻ってきます。

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ホテルの前を素通りし、街の中心のブリュッセル公園 Parc de Bruxellesの緑の横をトラムは走ります。

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ロワイヤル広場Place Royaleを過ぎたところにある停留所ロワイヤルRoyaleでトラムを下ります。ここでバスに乗り換えます。バス停に移動しますが、このロワイヤル広場にはマグリット美術館Musée Magritteと王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueがあります。明日訪問予定なので、ちょうどよい下見になります。ここへはホテルからトラム1本で来られるのでとても便利です。おやっ、王立美術館の入口には日本語で《ベルギー王立美術館》という表示があります。先ほどのマグリットの家といい、ブリュッセルには日本語が氾濫していますね。

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ロワイヤル広場のバス停の前に立ちます。ここで71番のバスに乗ります。広場に面する聖ヤコブ教会L’église Saint-Jacques-sur-Coudenbergが見えます。

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この丘を下った先にグラン・プラスがあります。

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バス停の通りの向かい側には特徴ある建物があります。楽器博物館Musée des Instruments de Musiqueですね。興味はありますが、見物する時間を捻出するほどではありません。

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71番のバスに乗って、エクセル美術館の最寄りのバス停のエクセル美術館前Musée d'Ixellesでバスを降ります。
ここまでのトラムとバスでの移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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ここでsaraiの足がはたと止まります。あれ、どうやって行くんだっけ・・・。え~っ! 最寄り駅までは調べたんだけど、その後の地図などはどうしたんだっけと思いながらカバンの中をごそごそと探しますが、何も出てきません。困りましたね。何か標識があるはずですが、バスを降りた交差点で四方を見渡しますが何も案内はありません。右も左も分かりません。途方に暮れていると、配偶者は坂道を見て、不思議な気分がするねって言ってます。そういえば、アムステルダム、フランドル地方はまっ平らな土地だったので坂道を見るのは久しぶりなんです。でも、そんな暢気なことを考えている場合ではありません。一応、次の交差点まで歩いてみますが、全く道が分かりません。こういうときは、地元の人に訊くしかありません。でも、誰でもよいわけではありません。美術館に興味のない人は、隣にあっても分かりませんからね。配偶者が、この人と見込んだマダムに声をかけます。当たり!です。何とか美術館へのルートを訊き出します。「エクセル美術館は、次の道を右に曲がって、まっすぐ行けばあるわよ」「通りの名前はヴォルセムよ」「真っ直ぐ行くと小さな広場があるから、その先ね」と、いろいろ情報を出してくれます。やったね。情報を訊きだした配偶者はsaraiにその旨を告げます。半信半疑で教えられたほうに向かうと途中で案内表示があります。

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ここが教えられた小さな広場のようです。地元のおばさんたちが集まっています。アンリ・コンシャンス広場Place Henri Conscienceという名前のようです。

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案内表示の通り、ジャン・ヴァン・ヴォルセム通りRue Jean Van Volsemをまっすぐに進みます。

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通りを少し進むと、右手に本当に美術館があります。配偶者の手柄です。感謝しましょう。

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美術館の入口の前に立ちます。ほっとします。

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地図でバス停からのルートを確認しておきましょう。この地図があれば、簡単に来れたのにね。

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でも、大きな美術館だし、もっときちんと標識があってもいいのにね。美術館に来館している人は少ないです。中に入り、とりあえず冷たいジュースを1杯頂きます。暑さの中で美術館を探しましたから、喉もからからです。

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さあ、鑑賞開始しましょう。まずはチケットを購入です。シニアチケットがありますね。我々はシニアだと言うと、身分証明書の提示を求められます。はぁい、とパスポートを見せて、シニアチケットを購入です。通常は一人8ユーロのところ、シニアは一人5ユーロとお得な料金です。ちなみに、ここは60歳以上がシニアなんですよ。我々は50代に見えたのか~。

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パンフレットもいただきます。いまさらながら、パンフレットには案内地図がありますね。

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ガラーンと大きな展示室に入館します。これから鑑賞です。


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ブリュッセルで美術三昧:エクセル美術館はベルギーの作品が充実、そして、何故かロートレックも・・・

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/5回目

ブリュッセルBruxellesのエクセル美術館Musée d'Ixellesに入館します。とても広い展示スペースです。めぼしい作品を探しながら、どんどん奥に進みます。

ややっ、クノップフの作品があります。
クノップフの《シメール(キメラ)》です。1910年、クノップフ52歳のときの作品です。題名のキメラはギリシア神話に登場する怪物で、ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持っています。画面の中央下に描かれています。その背後にはクノップフの妹マルグリットが描かれています。幻想的なイメージが感じられる素晴らしい作品です。

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クノップフの《肩(イギリス人女性)》です。制作年不明のデッサンです。ちょっと見た目にはクノップフの妹マルグリットがモデルかと思いましたが、題名からすると、もしかしたらラファエル前派のモデルのジェーン・モリスのようにも見えます。クノップフはバーン・ジョーンズとも親交があったので、彼の恋人だったマリア・ザンバコがモデルかもしれません。クノップフは妹のマルグリットにぞっこん入れ込んでいたので、彼女以外を描いていたとすると大変例外的なことです。

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クノップフの《反抗》です。1893年、クノップフ35歳のときの作品です。クノップフの妹マルグリットが丹念に描き込まれた作品です。異常なほどの妹への愛情が感じられます。

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次はジェームズ・アンソールの《嵐を鎮めるキリスト》です。1900年、アンソール40歳のときの作品です。自然と宗教を描き込んだ力作です。こういうアンソールがあるんですね。

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次はエミール・ベルクマンスの《直射日光で石鹸を使わないでください》です。1897年、ベルクマンス30歳のときの作品です。エミール・ベルクマンスはベルギーのリエージュ生まれの画家にして、ポスター作家で、20世紀初頭に活躍しました。漫画っぽいデザインがお洒落ですね。

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次は何とロートレックの作品がずらっと並んでいます。

ロートレックの《エルドラド(アリスティード・ブリュアン)》です。1892年、ロートレック28歳のときの作品です。モンマルトルが生んだ伝説の歌手アリスティード・ブリュアンが描かれた石版画のポスターです。写楽の役者絵の影響を受けて、ロートレック独自の作風を確立した傑作です。

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ロートレックの《ジプシー》です。1899年、ロートレック35歳のときの作品です。アントワーヌ劇場の宣伝ポスターですね。

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ロートレックの《喜びの女王》です。1892年、ロートレック28歳のときの作品です。デフォルメの完璧さ、それに洒脱さが見事な作品ですね。

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ロートレックの《メイ・ベルフォール》です。1895年、ロートレック31歳のときの作品です。アイルランド出身の歌手で踊り子の通称「メイ・ベルフォール」ことメイ・イーガンが「プティ・カジノ」に出演するときに制作されたポスターです。

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ロートレックの《シンプソンのチェーン》です。1896年、ロートレック32歳のときの作品です。自転車とチェーンを製造する英・シンプソン社のパリ支店のために制作されたポスターです。ロートレックは自転車競技にも大変興味を持っていたようです。

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次はポール・デルヴォーです。
ポール・デルヴォーの《窓辺》です。1936年、デルヴォー39歳のときの作品です。フリードリヒの有名な《窓辺の婦人》を意識した作品でしょうが、デルヴォーも只者ではありません。婦人が窓の外にいるというトリッキーな構成になっています。

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ポール・デルヴォーの《埋葬》です。1951年、デルヴォー54歳のときの作品です。ポール・デルヴォー美術館でも骸骨を素材とした作品を多く見ました。あまりsaraiの好みではありません。

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次はルネ・マグリットです。
ルネ・マグリットの《幸福な贈与者》です。1966年、マグリット68歳のときの作品です。先ほど《マグリットの家》でもほとんど同じ構図の作品《王の美術館》を見ましたが、この作品はさらにマグリットらしさが満載で素晴らしい作品です。

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ルネ・マグリットの《呪い》です。1963年、マグリット65歳のときの作品です。何てことない青空と白い雲ですが、これこそマグリットです。この当たり前の絵がシュールです。

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最後はジャン・デルヴィルの《魂の愛》です。1900年、デルヴィル33歳のときの作品です。ジャン・デルヴィルはベルギー象徴主義の画家です。ラファエル前派からの発想をもとに自己の作風を磨き上げました。この美術館で初めて知った画家です。何故か、この作品に惹かれるものがありました。クノップフ同様、両性具有美を描き出しています。今後、ちょっと気になる画家の一人です。いぜれにせよ、象徴主義の画家は気になる人が多いですね。

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エクセル美術館の総括としては、素敵なクノップフの絵があったのが大収穫。デルヴォーやマグリットがあるのはベルギーだから当然かな。クノップフ、デルヴォー、マグリットというベルギーの画家の作品が見られたのでここを訪問したのはよしとしましょう。何故か、ロートレックの作品も揃っていて、得した気分。時間的に余裕のある方は訪問してみてください。



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ブリュッセルでグルメ三昧:ベルギーといえば、ワッフルでしょ!!

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/6回目

ブリュッセルBruxellesのエクセル美術館Musée d'Ixellesでの絵画鑑賞を終えて、これで今日の予定は基本的に終了です。グラン・プラス近くでベルギー名物のワッフルでも頂きましょう。
美術館の建物を出ると、前庭は大きな木が繁って、心地よさそうな緑の陰を作っています。

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木を見上げると、小さな白い花が咲いています。何の木でしょうね。

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美術館の前のジャン・ヴァン・ヴォルセム通りRue Jean Van Volsemをバス停に向かって歩きます。坂道を下っていきます。

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坂道を下ると、アンリ・コンシャンス広場Place Henri Conscienceに着きます。この小さな広場の真ん中には幹をカラフルな編み物で飾った木があります。折しも近所のかたが木に登って、飾り付けの最中です。どうやら、その横のパラソルの下で装飾用の編み物を作っているようですね。

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この広場はエクセル美術館への案内表示板が立っている広場です。美術館へ行く場合の目印になる広場です。

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広場には八百屋さんもあり、市井の人たちの生活が感じられます。

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通りの名前Jean Van Volsemの銘板も見えます。

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ジャン・ヴァン・ヴォルセム通りをまっすぐに進んでバス停に向かいます。帰り道で迷うことはありません(笑い)。

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おやっ、途中にある木にも飾り付けがされていますね。街路樹を大切にしているのですね。

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バス通りに出ました。左に折れて、さっきとは逆方向に走るバスのバス停に向かいます。

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無事にバス停に到着。バスがやってくる方を見ながらバスを待ちます。

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ここまで歩いたルートを地図で確認しておきましょう。

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また、71番のバスに乗って、ブリュッセル中央駅Gare de Bruxelles-Centralに移動。
バスのルートを地図で確認しておきましょう。

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駅を通り抜けて、グラン・プラスのほうに歩いていきます。

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少し歩いて、グラン・プラス近くのマルシェ・オー・エルブ通りRue du Marché aux Herbesで有名なワッフル屋さんゴーフル・ド・ブリュッセルGaufre de Bruxellesを発見。観光客で混み合っていますが、何とかテラス席を確保して座ります。

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テラス席はワッフル売り場の前にあります。ワッフル以外にも色んなスイーツを販売しています。

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まずは喉が渇くので、飲み物。
飲み物は、コーラと水。氷も入れてくれます。今日は暑いものね。

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ワッフルですが、暑いので、冷たいアイスクリームの乗ったワッフルを頂きましょう。ピスタチオのアイス(チョコレートソース添え)にします。どうです・・・美味しそうでしょう。

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たっぷりチョコレートをかけて食べます。甘さにも慣れてきました。とても美味しいです。

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元気を回復したところで、ブリュッセル一番の観光スポット、グラン・プラスGrand-Placeへ向かいます。



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ブリュッセルで美術三昧:美しきギャルリー・サン・チュベール/グラン・プラス

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/7回目

ゴーフル・ド・ブリュッセルGaufre de Bruxellesでワッフルを食べ、元気が出たところでグラン・プラスGrand-Placeへ向かって歩きだします。
途中で素晴らしいギャルリーを発見。こんなものがあるということは知りませんでしたからびっくりです。ギャルリー・サン・チュベールLes Galeries Royales Saint-Hubertです。

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ゲートをくぐって、ギャルリーの内部に入って、また、びっくり。口あんぐりの状態です。こんなに美しい贅沢なギャルリーは初めて見ました。高級店がずらっと並んでいます。

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これでもギャルリー全体の半分にもならないようです。見えている範囲は女王のギャルリーGaleries de la Reineと呼ばれる部分で、この先に王のギャルリーGaleries du Roi、王子のギャルリーGaleries des Princesがあるそうです。このギャルリーは1847年に完成した、ヨーロッパで最も古いギャルリーのひとつです。日本はまだ、江戸時代の頃ですね。
ショーウィンドウの中も美しく豪華です。まさにウィンドウショッピングを楽しめます。これはパリに本店があるマリアージュの紅茶やマカロンですね。

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少し入ったところでギャルリーの入口のほうを振り返ります。いやはや、何とも美しい!!

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道幅の広いギャルリーはまだまだ奥まで続いています。

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ようやく、女王のギャルリーの端近くまでやってきます。その先には王のギャルリーが続いています。

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一応、王のギャルリーにも足を踏み入れてみます。ため息の出るような美しいギャルリーが続いています。

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テラス席も賑わっています。さっきワッフルを食べたばっかりですから、また、ここで落ち着くわけにはいきませんが、この美しいギャルリーを眺めながらのお茶もいいでしょうね。

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左手にある美術書専門の本屋さんリブレリー・ド・ギャルリーLibrairie des Galeriesのショーウィンドウを見ると、お店の内容が8カ国語で並記されています。その中に日本語で《アートブックストア》と書かれています。ここで美術書を買い求める日本人がいるんですね。凄いですね。

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王のギャルリーは入口付近で引き返すことにします。再び、女王のギャルリーに戻ります。チョコレートの有名店ノイハウスNeuhausがありますね。

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ちょっと店内を覗きましょう。美味しそうなチョコレートが並んでいます。お土産を買いたいところですが、この暑さでは持って帰る途中で溶けて形が崩れてしまいそうです。残念です。
お店を出て、ギャルリーの入口のほうに戻ります。

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ギャルリーを出て、コリンヌ通りRue de la Collineに入り、グラン・プラスに向かって歩きます。流石に凄い人出ですね。

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コリンヌ通りの中ほどにベルギーの人気キャラクターのタンタンのショップがありますが、もう閉まっているようです。もっとも、そう興味があるわけではありません。

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グラン・プラスに出ましたが、凄いです。大変な観光客です。いきなり、正面に壮麗な市庁舎Hôtel de Ville de Bruxellesの建物が見えます。素晴らしいですね。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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広場の中に進み、広場全体を見渡します。広場の周りは市庁舎、王の家Maison du Roi、ギルドハウスなど贅を凝らした建物が立ち並んでいて壮観です。ジャン・コクトーが《豊穣なる劇場》と評したのが正鵠を射ていると感じます。当時、余程の富に恵まれて、官民一体で築き上げた一大建造物群だったのでしょう。

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広場の北側には、王の家やギルドハウスなど素晴らしい建造物が建ち並びます。

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これは想像以上に素晴らしい広場です。腰を据えて、広場の周りの建物をきっちりと見ていきましょう。



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ブリュッセルで美術三昧:《豊穣なる劇場》グラン・プラス

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/8回目

ブリュッセルBruxellesのグラン・プラスGrand-Placeは想像以上に素晴らしい広場です。saraiは、写真を撮りまくりです。

グラン・プラスは110m×70mの長方形の広場で周りにはギルドハウスが建ち並んでいます。以下の見取り図を参照しながら見ていきます。

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まずは広場の南面から見ていきます。南面の右側には壮麗な市庁舎Hôtel de Ville de Bruxellesが聳え立っています。

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中央にはゴシック様式の尖塔が立っています。これは96メートルの高さを誇り、建物の中では最後に1455年に建てられました。

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これが塔の下の部分です。壁面には細かい装飾が施されています。扉の上には彫像が並んでいます。

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塔の尖端には竜を打ち倒す天使ミシェル像が飾られています。天使ミシェルはブリュッセルの守護天使です。

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これが左翼部分です。この左翼部分が最初に1402年に建てられました。壁面にびっしりと施された装飾が美しいですね。

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左翼部分の中央下には、ライオンの像が両脇を固めるライオンの階段があります。

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こちらは右翼部分です。この右翼部分が1445年に増築されました。何故か左翼部分に比べて短かくなっています。

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建物の前に立つ街灯は綺麗な花で飾られています。

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次は南面、市庁舎の左側に立つ5つのギルドハウスです。見取り図の8~12番の建物です。

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一番右の8番は星L'Etoileと呼ばれる建物、9番は白鳥Le Cygneと呼ばれる肉屋のギルドの建物です。白鳥の像も見えますね。建物には年号1698年も見えます。

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その隣の10番は黄金の木L'Arbre d'Or/白いバラと呼ばれる鞣革商、絨毯販売、ビール醸造のギルドの建物です。屋根の上の騎馬像が見事ですね。現在はビール博物館になっています。11番はバラRoseと呼ばれる建物、12番はタボール山Mont Taborと呼ばれる建物です。

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次は東側の建物を見ていきましょう。これはブラバン公爵の館Maison des Ducs de Brabantと呼ばれています。歴代のブラバン公の胸像が正面に飾られているので、そう呼ばれています。見取り図の13~19番です。実際は仕立屋、製粉業者、大工、彫刻家・石工・左官・スレート採取工のギルドの建物ですが、建物に区切りがありませんね。現在はレストランやホテルになっています。

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次は北面の建物を見ていきましょう。北面の中央には《王の家》が堂々とした姿で建っていますが、まずはその右側の建物、見取り図の20~28番です。

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一番右の20番は鹿Cerf-Volantと呼ばれる建物、21・22番はジョセフJosef、アンナAnneと呼ばれる建物です。

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その隣の23番は天使L'Angeと呼ばれる建物、24・25番は黄金の汽艇La Chaloupe d'Or(仕立屋の家とも言う)と呼ばれる建物です。写真では見えていませんが、仕立屋の家の上には仕立屋の守護聖人像があります。

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その隣の26・27番は鳩Le Pigeonと呼ばれる画家のギルドの建物、28番はブラバン公の武器Chambrette de l'ammanと呼ばれる建物です。26・27番の鳩にはかつてヴィクトル・ユゴーが逗留したそうです。

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次は王の家Maison du Roiです。実際に王が住んでいたことはないそうです。15世紀にブラバント公の行政庁が置かれたことから《公の家》と呼ばれましたが、公がスペイン王になると《王の家》と呼ばれるようになりました。その後、16世紀前半にカール5世の命で後期ゴシック様式の塔が建てられました。現在はその姿を見ることはできません。フランスのルイ14世の命で砲撃されたため、建物は破壊されました。現在の建物はカール5世の時代の設計図をもとに1875年にネオゴシック様式で再建されたものです。現在は1985年に改築され、市立博物館Musée de la ville de Bruxellesになっています。3階には有名な小便小僧の衣装のコレクションがあります。

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これが中央に建つ塔の上部ですが、本来はもっと立派だったんでしょうか。

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次は北面左側のギルドハウスです。見取り図の34~39番です。

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一番右の34番は兜Heaumeと呼ばれる建物です。

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その隣の35番は孔雀La Paonと呼ばれる建物、36番は子狐Petit Renardと呼ばれる建物です。35番の孔雀は18世紀の特徴的な切妻が印象的です。

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その隣の37番は柏の木Chêneと呼ばれる建物、38番はサント・バルブSaint Balbeまたは丸テーブルと呼ばれる建物、39番はロバAneと呼ばれる建物です。

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最後は西側のギルドハウスを見ていきましょう。見取り図の1~7番です。残念ながら、これらは幕がかかって工事中です。

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幸い、垂れ幕に写真が貼ってあるので、それで建物を想像しながら見ていきましょう。
1・2番はスペイン王の家Roi d'Espagne、またはパン屋の家と呼ばれるパン屋のギルドの建物です。聖ユベール像とスペイン王カルロス2世像で飾られています。
3番は一輪手押車La Broouetteと呼ばれる油商のギルドの建物です。聖ジル像で飾られています。
4番は袋Le Sacと呼ばれる高級指物師、樽屋のギルドの建物です。外観は指物師の道具で飾られています。
5番は雌狼La Louveと呼ばれる射手のギルドの建物です。建物下部のレリーフには、雌狼に育てられたロムルスとレムスが描かれています。
6番は小角笛Cornetと呼ばれる船頭のギルドの建物です。
7番は狐Le Renardと呼ばれる小間物商のギルドの建物です。屋根の上に聖ニコラの像が飾られています。


美しいグラン・プラスの写真を撮りまくって、ご機嫌になったところで、お腹も空いてきます。美食の国ベルギーの首都ブリュッセルの美味しいディナーをいただきましょう。



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ブリュッセルでグルメ三昧:美食の街の名店シェ・レオン

2015年7月4日土曜日@ブリュッセル/9回目

ブリュッセルBruxellesのグラン・プラスGrand-Placeの美しさに酔いしれた後は美食の宝庫での美味しいディナーをいただきましょう。
やはり本場中の本場ですから、もう一度ムール貝を食べましょう。ブリュッセル一番の有名レストラン、シェ・レオンに食べに行くしかありませんね。広場から歩いてすぐの筈です。
王の家の横に伸びる路地のシェエール・エ・パン通りRue Chair et Painを歩き、マルシェ・オー・エルブ通りRue du Marché aux Herbesに出ます。この辺りにもレストランが並んでいます。

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マルシェ・オー・エルブ通りをそのまま通り過ぎて、まっすぐに進むとプティ・ブシェ通りPetite Rue des Bouchersに入ります。周りにはレストランが多くなります。

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やがて、ブシェ通りRue des Bouchersにぶつかると、この一角はすごいです。レストランがひしめいています。

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どのお店も立派ですが、やはり、ここはシェ・レオンChez Léonでしょう。ひときわ大きな店舗です。

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角を周り込んだところにもシェ・レオンのテラス席が続いています。こちらのほうが人通りが少なくて落ち着きますね。こちらの席にしましょう。

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ところがお店のスタッフに表通りのブシェ通り側のテーブルに案内されてしまいます。仕方がありませんね。お陰でこの後、通りを歩く観光客にじろじろと眺められる羽目になります。まあ、実害はないし、晴れがましい感じではあります。早速、メニューを見て、オーダーを検討します。

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気のいいスタッフが日本語メニューを持ってきてくれます。

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店員の薦めに従い、セットメニュー(コンプリート・レオン:トマトの小エビファルシ+ムール貝+フライドポテト+ビール1杯)と追加のもう1杯のベルギービールにします。
まずはビールが届きます。右がセットのレオン特製ビールBiere Leon、左がグリムベルゲン・ブリューンGrimbergen Bruneです。いずれも美味しいベルギービール!!

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通りの様子を眺めながら、ビールを楽しみます。

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料理の3点セットが届きます。

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鍋一杯に盛られたムール貝が美味しそうです。

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ムール貝はベルギーに来て、3度目です。saraiはここが1番だと断じます。配偶者は、ゲントで最初に食べたお店のムール貝の鍋のスープの味の感動が忘れられないそうです。観光客に見られながらの食事になりますが、それが気にならないほどの美味しさに夢中になります。

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暑かったけど、大満足の夕食になりました。
グラン・プラスからシェ・レオンまで歩いたルートを地図で確認しておきましょう。

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これで今日の日程は完全に完了。夜になってもブリュッセルの街は燃えたぎっています。早く、ホテルに戻って、エアコンを利かせた部屋で涼みましょう。
71番のバスと92/93番のトラムを乗り継いで、ホテルに戻ります。
移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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ホテルのエレベーターで乗り合わせた人は、兄弟が東京に住んでいるということで日本語で挨拶してくれます。凄いね、日本!
今日も暑い中をよく遊びました。ブログを書いて、やすみます。

明日も美術三昧。王立美術館とマグリット美術館を訪問します。明日も暑そうです。



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ブリュッセルで美術三昧:ブリュッセル公園から王宮へ

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/1回目

旅の17日目、ブリュッセル3日目です。

今日も暑いのでしょうか。ホテルの7階の窓からは全く分かりません。
ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueに11時の開館と同時の入館予約をネットで済ませてあります。10時半前にホテルの玄関を出ると、それほど暑くはありません。それに雲もあります。何とかしのげそうです。92/93番のトラムでベルギー王立美術館のあるロワイヤル広場Place Royaleに向かうことにします。ホテル前のトラム停留所に到着。トラムがやってくるほうを眺めると、ロワイヤル通りRue Royaleの突き当たったところにロワイヤル・サント・マリー教会Eglise Royale Sainte-Marieの美しい姿が見えます。

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これから向かう方向を眺めると、真正面にロワイヤル広場にある聖ヤコブ教会l’église Saint-Jacques-sur-Coudenbergが見えています。その後ろに見えている高層ビルはザ ホテル ブリュッセルThe Hotel Brusselsのようです。昔はヒルトン・ホテルだった27階建てのビルです。

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saraiが宿泊中のホテル・ブルームHotel BLOOM!の前にはトラムの停留所が2つあり、当初はボタニークBotaniqueを利用していましたが、昨日、詳細に検討した結果、ジヨンGillonのほうが近いという結論に達し、今日もこの停留所の前に立っています。

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が、なかなかトラムが来ません。やはり日曜日は本数が少ないですね。待っている人たちもうんざりしているようです。

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ようやく来たトラムに乗りますが、そろそろロワイヤル広場に到着するときになって、トラムがストップします。

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何事かと思ったら、市民マラソンです。皆さん、この暑い中をよく走りますね。

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トラムはランナーが道路を横断するのをちょっと待っただけで、すぐに進み始めます。道路はブリュッセル公園Parc de Bruxellesに沿っています。まだベルギー王立美術館の開館の11時には少し時間があるので、ロワイヤル広場の一つ前の王宮前Palaisの停留所で降りて、王宮Palais de Bruxellesの写真でも撮っていきましょう。

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ここまでのトラムのルートを地図で確認しておきましょう。

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停留前の歩道を市民ランナーが走っていきます。ブリュッセル公園内から道路を渡ってきた人たちですね。ご苦労様。

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おやおや、歩いているランナーもいますね。暑いので無理は禁物です。

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パレ広場Place des Palaisに出ると、王宮Palais de Bruxellesの大きな建物が目に入ってきます。

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ブリュッセル公園の入口があるので、公園の中を歩いて、王宮のほうに向かいましょう。公園の中は大きな樹木が濃い緑の景色を作っています。

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これが今、入ってきた公園のゲートです。立派な彫像が門柱を飾っています。

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公園とパレ広場の道路は鉄柵で仕切られています。鉄柵沿いに進んでいきます。

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鉄柵の先に次のゲートが見えてきます。そろそろ王宮の前あたりでしょう。このあたりで公園の外に出ることにします。

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公園にはライオンの石像が飾られています。その先には広々とした緑の空間が広がっています。

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広いブリュッセル公園Parc de Bruxellesでは、マラソンやいろんな運動をする人で賑わっています。市民の憩いの場ですね。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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公園を出て、王宮の建物を鑑賞します。



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ブリュッセルで美術三昧:王宮からロワイヤル広場へ、そして、王立美術館へ

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/2回目

ブリュッセル公園Parc de Bruxellesのゲートを出ると、王宮Palais de Bruxellesの真っ正面です。王宮は今はもう国王の住まいとしては使われていないらしいのですが、国王が国内にいるときは王宮に国旗が上がっているそうです。今日は国内にいらっしゃるようですね。

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王宮はとても大きな建物です。全体は見渡せません。左に視線を移すとこんな感じです。

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ちょっと左側のほうに移動して、王宮を眺めます。前庭はフランス式庭園になっています。

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これが王宮前のパレ広場Place des Palaisです。向かい側がブリュッセル公園になっています。パレ広場は自動車道路になっています。

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これが王宮のゲートです。さすがに威厳がありますね。

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いかにも王宮という感じの金を多用した柵です。

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少しずつ、ベルギー王立美術館のほうに移動しながら、王宮を色んな角度から眺めます。

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パレ広場の東のほうを眺めます。右が王宮、左がブリュッセル公園になります。正面に見えているのがアカデミー宮Palais des Académiesです。この新古典様式の建物は現在は学術機関に使用されています。

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そろそろベルギー王立美術館も開館でしょう。ロワイヤル通りRue Royaleに出ると、ツーリスト・インフォメーションがあります。寄っている暇はないのでパスします。

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ロワイヤル広場Place Royaleに出ると、聖ヤコブ教会l’église Saint-Jacques-sur-Coudenbergの建物が目に入ってきます。広場中央には第1次十字軍の指導者で、エルサレムの初代聖墓守護者となったゴドフロワ・ド・ブイヨンGodefroy de Bouillonの騎馬像が建っています。

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通りの反対側に渡って、そこからロワイヤル広場を眺めます。

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さらに聖ヤコブ教会の向かいから、ロワイヤル広場を眺めます。聖ヤコブ教会も含めて、ロワイヤル広場は新古典様式で造られています。

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聖ヤコブ教会のほぼ正面からロワイヤル広場を眺めます。

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最後に少し右側のほうからも眺めます。

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そのうちにマグリット美術館Musée Magritteの建物を通り過ぎ、ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの本館の建物の間の通りの前に来ます。右がマグリット美術館、左がベルギー王立美術館の本館になります。マグリット美術館はベルギー王立美術館の分館なので、別の建物にはなっていても実は地下通路でつながっています。

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本館の建物は古めかしい彫像で飾られています。

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ベルギー王立美術館は新古典様式の堂々たる建物です。

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何故か、日本語で《ベルギー王立美術館》と書かれています。

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美術館の入口前に行くと、ちょっと入館待ちの列が出来ています。開館5分ほど前です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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いよいよ、ベルギーの美術の殿堂、ベルギー王立美術館の鑑賞が始まります。


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ブリュッセルで美術三昧:ベルギー王立美術館、イタリア絵画~ヤン・ブリューゲル、ハルス、レンブラント

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/3回目

ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの入口前は朝11時の開館直前で入館待ちの行列ができています。

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saraiは予約チケットを持っているので、並ぶ必要はないのですが、入館するにはこの列に加わるしかありませんね。ガランガランとロワイヤル広場前の聖ヤコブ教会l’église Saint-Jacques-sur-Coudenbergの鐘が鳴り響いています。しばらくすると入り口のドアが開きます。整然と行列のまま、入館します。

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中に入ると、エントランスホールのあまりの広さに戸惑います。素晴らしく豪華な内装にも圧倒されます。

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建物の装飾自体が美術品みたいなものですね。

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王立美術館への矢印とともに、マグリット美術館Musée Magritteへの矢印もあります。隣の建物のはずですが、ここからも行けるようですね。そう言えば、マグリット美術館も王立美術館の一部なんですね。マグリット美術館は午後2時の予約をしているので、まずは王立美術館をじっくり見ていきましょう。チケットはネットで購入済です。ちゃんとシニアチケットを購入していますよ。

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王立美術館(古典絵画エリア)の案内パンフレットだけ、いただきます。古典絵画は本館の3階部分に展示してあるようです。

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自宅でプリントアウトしたチケットをスタッフのかたに見せるだけですっと入場できます。ほぼ、一番乗りです。

王立美術館の古典絵画エリアには、15世紀から18世紀のフランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画の粒よりの作品が展示されています。順に見ていきましょう。

まず、イタリア絵画があります。目に付く作品をざっと見ていきましょう。

グエルチーノことジョヴァンニ・フランチェスコ・バルビエーリの《4聖人と聖母子(Giuseppe Gaetano Righettiの寄進)》です。1616年、グエルチーノが25歳のときの作品です。若い頃はカラッチの影響があったそうです。なかなか、よく描けています。もう少し、後年の作品なのかもしれません。美術館の説明には制作年がありませんでした。

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ジュリオ・チェザーレ・プロカッチーニの《天使に救われる聖セバスチャン》です。制作年は不明です。マニエリスムの影響を少し受けているバロック期のイタリア絵画ですね。

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グイド・レーニの《エジプトへの逃避行》です。制作年は不明です。バロック期にあって、カラヴァッジョ風の陰影表現も見られますが、むしろ、古典的な美の追求こそが彼の最大の美点でしょう。この作品でもそれが感じられます。

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イタリア絵画でめぼしいものは以上の3点。この後はフランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画になります。

まず、花のブリューゲルことヤン・ブリューゲルです。有名なピーテル・ブリューゲルの次男ですね。有名な父親の作品も兄の作品も後で登場します。彼はアントワープに工房を持ちましたから、ベルギーの画家の一人です。子供のヤンも画家なので、ヤン・ブリューゲル(父)もしくはヤン・ブリューゲルⅠと表記します。彼はルーベンスとも共同制作をしたことが知られています。父親のピーテルとはまったくと言っていいいほど、作風が異なります。父親の模作の多かった兄のピーテル・ブリューゲル(子)とは違った方向に進みました。

ヤン・ブリューゲルの《金の皿と花輪の静物画》です。1618年、ヤン・ブリューゲル50歳のときの作品です。あだ名の花のブリューゲルに恥じない美しい作品です。

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次はオランダの画家、フランス・ハルスです。この旅でもハーレムのフランス・ハルス美術館、アムステルダム国立美術館でたくさんの絵画を見てきました。

フランス・ハルスの《ウィレム・ファン・ヘイトハイゼンWillem van Heythuysenの肖像》です。1650年、フランス・ハルス68歳頃のときの作品です。いかにもハルスらしい、くだけた表現でいて本質を突いたような肖像です。

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次もオランダの画家、レンブラント・ファン・レインです。彼の傑作《夜警》をアムステルダム国立美術館で見てきたばかりです。

レンブラント・ファン・レインの《ニコラース・ファン・バムベークの肖像》です。1641年、レンブラント35歳頃のときの作品です。アムステルダムの豊かな商人を描いた肖像ですが、レンブラントらしい陰影のくっきりとした端正な佇まいの作品です。

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次はまとめて、フランドルの画家、アンソニー・ヴァン・ダイクを見ていきます。


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ブリュッセルで美術三昧:ベルギー王立美術館、アンソニー・ヴァン・ダイク

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/4回目

ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの古典絵画エリアを鑑賞しているところです。現在見ているのはフランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画です。
次はまとめて、フランドルの画家、アンソニー・ヴァン・ダイクを見ていきます。彼は肖像画家として知られています。ここでも肖像画を中心とした展示になっています。

アンソニー・ヴァン・ダイクの《彫刻家フランソワ・デュケノワの肖像》です。制作年は不明です。きりっとした目は知的な内面を感じさせます。見事な肖像画ですね。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《ポルツィア・インペリアーレと彼女の娘マリア・フランチェスカの肖像》です。1628年、ヴァン・ダイク29歳の作品です。この母と娘はイタリアのジェノヴァの貴族の銀行家の家系に属していました。ヴァン・ダイクはジェノヴァ滞在中に貴族のファミリーの肖像画をたびたび描いています。黒いガウンをまとって座る母の決然とした姿と娘の優しく無邪気な姿を対照的に描いた佳作です。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《ジェノバ総督ジャン・ヴィンチェンツォ・インペリアーレの肖像》です。1626年、ヴァン・ダイク27歳の作品です。かつてジェノヴァ艦隊の司令官も務めたジェノバ総督ジャン・ヴィンチェンツォ・インペリアーレの威厳ある姿を完璧に描き上げています。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《アントワープ市の書記アレクサンドル・デッラ・ファイユの肖像》です。制作年は不明です。ヴァン・ダイクは肖像画において、眼差しを描くのが特に見事です。市の行政を預かる謹厳な性格がきっちりと描き込まれています。少し堅苦しいと思えるほどの姿勢も性格を表すためには有効だと思えます。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《聖ペトロの殉教》です。制作年は不明です。ヴァン・ダイクは肖像画家として有名ですが、歴史画、宗教画、神話画にも才能を発揮しました。この作品は一瞬、ルーベンスかと思ってしまいました。ルーベンス工房で師ルーベンスの薫陶を受けたことが分かります。ルーベンスに比べると、少し粗いタッチで淡い色彩が印象的です。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《酔ったシレノス》です。制作年は不明です。ヴァン・ダイクの宗教画に続いて神話画です。シノレスはギリシャ神話に登場する山野の精です。醜い年寄りですが、賢く、預言術や音楽に精通しているため、ディオニソスの養育係ともみなされています。ソクラテスがシレノスになぞらえられたのは、その容貌の醜怪な点だけではなく、その知の深さと皮肉好きな点からだととされています。この作品も師匠のルーベンス仕込みですね。こういうたるんだ肉体の表現がそれはそれでなかなかのものではあります。saraiの趣味ではありませんけどね。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《年老いた女性の肖像》です。制作年は不明です。ヴァン・ダイクもまあ地味な肖像画を描いたものですね。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《イエズス会神父ジャン=シャルル・デッラ・ファイユ》です。制作年は不明です。優し気な眼差しでこちらを眺めています。地球儀やコンパスが描かれているので、神父と言っても科学に明るい教育者なのでしょう。ヴァン・ダイクは本当にその人の醸し出す雰囲気を絵の中に込めることが見事です。穏やかな画面が素晴らしいです。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《年老いた男の肖像》です。制作年は不明です。これは人生を悟りきったような老人の眼差しが印象的です。

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こんなにまとめて、ヴァン・ダイクの作品を見たのは初めてかもしれません。やはり、肖像画家として、多様な人間性を描き出す術を心得ていたようですね。

次はベルギーの画家、ピーテル・ブリューゲル親子の作品をまとめて見ていきましょう。



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ブリュッセルで美術三昧:ベルギー王立美術館、ピーテル・ブリューゲル親子

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/5回目

ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの古典絵画エリアを鑑賞しているところです。現在見ているのはフランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画です。
次はまとめて、ベルギーの画家、ピーテル・ブリューゲル親子の作品を見ていきます。彼ら親子は同じ名前ピーテル・ブリューゲルなので、ピーテル・ブリューゲル(父)、ピーテル・ブリューゲル(子)またはピーテル・ブリューゲルⅠ、ピーテル・ブリューゲルⅡという表記で区別することになっています。ピーテル・ブリューゲル(子)はピーテル・ブリューゲル(父)の長男で、父の作品の模作が多いので、美術館でちょっと見ただけでは結構、父親の作品と誤認することがあります。名前も同じなのでややこしいですね。その点、次男のヤン・ブリューゲルは作風も異なり、名前も区別がつくので問題ありません。

まずはピーテル・ブリューゲル(子)の作品から見ていきましょう。

ピーテル・ブリューゲル(子)の《屋外の結婚式の踊り》です。制作年は不明です。ピーテル・ブリューゲル(父)が1566年に描いた同名の作品(デトロイト美術館所蔵)を模作したものだと思われます。模作というのは模写ではないので、まったく同じ絵ではありません。構図や雰囲気、色彩感を参考に作成した作品です。もっとも細部の違いを別にすれば、同じ絵だと誤認するかもしれません。この模作はある意味、素晴らしい出来で、父親の作と言っても通るほどです。

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ピーテル・ブリューゲル(子)の《謝肉祭と四旬節の喧嘩》です。制作年は不明です。ピーテル・ブリューゲル(父)が1559年に描いた同名の作品(ウィーン美術史美術館所蔵)を忠実に模写した作品です。作品のテーマは復活祭の前に先立つ四旬節のさらに前の週に行われる謝肉祭での人々の行き過ぎた行いを戒めるものです。フランドルの謝肉祭では野放図な飲酒や性的放免が横行していましたが、作品では謝肉祭と四旬節の対立する様子を人々の醜い争いを通して描いています。ピーテル・ブリューゲル(父)が得意とした寓意画のシリーズの1枚です。この模写はオリジナルに比べるともうひとつの出来に思えます。

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ピーテル・ブリューゲル(子)の《ベツレヘムの戸籍調査》です。制作年は不明です。この作品も模写です。何とこの作品のオリジナルのピーテル・ブリューゲル(父)が描いた作品もこの美術館に展示されているんです。そちらも合わせて見ていきましょう。

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こちらがピーテル・ブリューゲル(父)の《ベツレヘムの戸籍調査》です。1566年、ピーテル・ブリューゲル(父)の39歳頃の作品です。作品のテーマはキリストの父ヨセフと母マリアがローマ帝国皇帝アウグストゥスの発した住民登録の命に従うために生活していたナザレからヨセフの出生地ベツレヘムに赴いたときの様子です。身重のマリアはそのベツレヘムでキリストを産むことになります。画面中央の黒いマントを着て、ロバに乗っているのがマリアです。ロバを引いて前を歩いているのがヨセフです。遠いベツレヘムに到着して疲れ切っているようです。画面には無数とも思える多くの人々が描き込まれています。宗教画でも寓意画でもブリューゲルの作品のトレードマークのようなものです。雪景色のベツレヘムが印象深い名画です。ピーテル・ブリューゲル(子)の模写に比べて、雪景色がより白い色彩で描かれています。

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また、ピーテル・ブリューゲル(子)の作品に戻ります。
ピーテル・ブリューゲル(子)の《芝居小屋や行列のある村祭り》です。制作年は不明です。この作品も模作もしくは模写のようですが、この作品のオリジナルのピーテル・ブリューゲル(父)の作品は特定できませんでした。英国のケンブリッジ大学のフィッツウィリアム美術館にあるピーテル・ブリューゲル(子)の《聖ユベールと聖アントニーに敬意を表した演劇と行列の村祭り》も同じ作品(どっちが模写かは分かりません)です。

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続いて、父親のピーテル・ブリューゲル(父)の作品を見ていきましょう。

ピーテル・ブリューゲル(父)の《スケーターと鳥の罠の冬景色》です。1565年、ピーテル・ブリューゲル(父)の38歳頃の作品です。この作品は当時、よほど人気があったようで、ピーテル・ブリューゲル(子)は工房の9人の画家をフル動員して、130枚もの模写を作ったそうです。日本の国立西洋美術館にある作品もその1枚です。そのオリジナルがこのベルギー王立美術館にあったんですね。

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ピーテル・ブリューゲル(父)の《反逆天使の失墜》です。1562年、ピーテル・ブリューゲル(父)の35歳頃の作品です。この作品には、大天使ミカエラが彼を助ける熾天使(してんし)たちとともに神に反逆した天使や悪魔の軍勢を打ち破る場面が描かれています。聖書の黙示録に基づいた主題をブリューゲルらしい独特の表現で描いた傑作です。この複雑な構図は同じフランドルの画家ボッスの影響が明らかに感じられます。「彼は第2のボッスというあだ名を持つ」と当時から言われていたそうです。

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ピーテル・ブリューゲル(父)の《イカロスの墜落》です。1558年、ピーテル・ブリューゲル(父)の31歳頃の作品です。この作品は、風俗画、風景画、宗教画を主に描いた彼の唯一の神話画です。主題になっているイカロスは画面の右下の海面に足を出しているのみです。画面に登場している人物たちはイカロスの墜落にはまったく関心を示さずに彼らの仕事に専念しています。父親の忠告に背いて空から転落したイカロスのように己の力量を忘れて破滅することのないように、日々の仕事に励みなさいという教訓を描いています。それにしても素晴らしい風景描写と色彩感に優れた作品です。

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ピーテル・ブリューゲル(父)の《東方三博士の礼拝》です。1556年、ピーテル・ブリューゲル(父)の29歳頃の作品です。この作品も聖書に題材を取って、ベツレヘムの風景を描いたものです。まだ、ブリューゲルらしさはあまり感じられません。修行時代なんでしょうか。

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ピーテル・ブリューゲル(父)の《聖マルティン祭のワイン》です。ただし、これはピーテル・ブリューゲル(父)の真作ではなく、模写みたいです。展示場所も離れたところでした。オリジナルは2009年に世紀の大発見として、プラド美術館で見つかったようです。ということはsaraiもプラド美術館で見たのかな? うーん、覚えていない・・・プラド美術館ではほとんどの展示作品は見ましたが、膨大な数だったし、写真撮影不可だったので、写真も残っていません。残念!! ブリューゲルの描いた作品の中では特大サイズだそうです。

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思いのほか、このベルギー王立美術館にはブリューゲル(父)のコレクションが充実していて嬉しい驚きでした。もちろん、ウィーン美術史美術館のブリューゲル(父)のコレクションが世界最高であることは間違いありませんが、ブリューゲルのファンはこのベルギー王立美術館は必見です。特に《スケーターと鳥の罠の冬景色》と《反逆天使の失墜》と《イカロスの墜落》の3点は見逃せないでしょう。

次はこれまた充実のクラナッハのコレクションを見ていきましょう。saraiはクラナッハの大ファンですから、大いに楽しみます。


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ブリュッセルで美術三昧:ベルギー王立美術館、ルーカス・クラナッハ、ダヴィト、メムリンク

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/6回目

ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの古典絵画エリアを鑑賞しているところです。現在見ているのはフランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画です。
次はいったんドイツ絵画を見ます。ドイツのルネサンス期の画家、ルーカス・クラナッハのコレクションです。クラナッハはsaraiのご贔屓ですから、これまでもドイツを中心に随分、見てきました。この美術館ではどんな作品を見られるか、楽しみです。

ルーカス・クラナッハの《ヴィーナスとキューピッド》です。1531年、ルーカス・クラナッハの59歳頃の作品です。クラナッハの描く女性ヌードは実に素晴らしいですが、このヴィーナスはクラナッハの全作品の中でも傑作の一枚です。いやはや、こういう作品があるとはこの美術館は凄いですね。息子のキューピッドが蜂蜜を盗んで食べたために蜂にさされているのを、美しい母はそしらぬ顔で微笑むばかり。体のバランスが微妙におかしいヴィーナスですが、クラナッハのこういうところが大好きなんです。大変、魅了されて、しばし、この絵の前に立ちすくんでしまいます。

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ルーカス・クラナッハの《アポロンとダイアナ》です。制作年は不明です。クラナッハ得意の神話画ですが、この画題の作品を見るのは多分、初めてです。アポロンは太陽神、ダイアナは狩猟、貞節と月の女神。ダイアナはアポロンの双子の妹とする説もあります。アポロンは「遠矢射るアポロン」として疫病神の性格を持ちますから、この作品の隠れた主題は疫病を払うということなのかもしれません。ダイアナは足のとげを抜くために鹿の背中に腰かけていますが、そのため、あまり、いい姿勢ではなく、ダイアナの美しさが今一つなのは残念です。

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ルーカス・クラナッハ(子)の《カリタス》です。制作年は不明です。クラナッハのヴィーナスにしてはもう一つだと思っていたら、描いたのはクラナッハ息子でした。画題のカリタスは愛を意味します。ただし、神の愛です。転じて、チャリティ、慈善の意味にもなりました。ブリューゲル親子もそうですが、なかなか、親を超える才能の子供はいませんね。

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ルーカス・クラナッハの《ヨハネス・シャイリンク博士の肖像》です。1529年、ルーカス・クラナッハの57歳頃の作品です。ヨハネス・シャイリンク博士はマグデブルグ市長も務めた人物ですが、容貌魁偉ですね。死後に描かれた肖像画です。こういう迫力ある肖像画もクラナッハは描きました。ルターの肖像画が有名です。

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思いがけないクラナッハの傑作に出会えて、saraiは興奮気味です。次はまた、フランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画に戻ります。

ヘラルト・ダヴィトの《ミルクスープの聖母子》です。1520年、ヘラルト・ダヴィトの60歳頃の作品です。この画家は初めて知りましたが、何か惹かれる作品です。聖母マリアの美しい佇まいがとても印象的です。ヘラルト・ダヴィトGerard David,1460年頃 - 1523年8月13日)は初期フランドル派の画家です。彼はオランダ・ユトレヒト州の町オウデヴァーテルで生まれましたが、ブルージュの町で活躍した画家です。

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ヘラルト・ダヴィトの《東方三博士の礼拝》です。1500年、ヘラルト・ダヴィトの40歳頃の作品です。この作品もなかなかいいですね。彼の作品には穏やかな静謐さが漂っています。ブルージュのグルーニング美術館にも彼の作品が展示されていたそうですが、あまり、気に留めませんでした。ちゃんと見ておけばよかったなと後悔しています。

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アードリアン・イーゼンブラントの《臣下はブルージュの聖母教会の7つの悲しみの聖母の祭壇画を残した(聖ゲオルグと聖バルバラに伴われたブルージュ市長のヨリス・ファン・デ・ヴェルデと妻バルバラと子供たち)》です。制作年は不明です。整然と同じ方向に向かって並ぶ人たちが印象的に描いてあります。何か気になる作品です。

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ハンス・メムリンクの《男の肖像》です。制作年は不明です。いよいよ、ベルギーを代表する画家の一人、メムリンクの登場です。まずは精密な人物表現が見事な肖像画です。

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ハンス・メムリンクの《聖母子》です。制作年は不明です。いかにもメムリンクらしい聖母子、特にマリアだなと思っていたら、えっとびっくり。何とマリアの胸から乳房が見えています。イエスが乳を含んでいますね。なかなか大胆な構図ですね。

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ハンス・メムリンクの《聖セバスティアンの殉教》です。制作年は不明です。メムリンクが描くと残虐な場面も静謐な雰囲気になってしまいます。背景の町の様子も丹念に描き込まれています。

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さらにフランドル絵画はまだまだ続きます。


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私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

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