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ブリュッセルで美術三昧:ベルギー王立美術館、ピーテル・パウル・ルーベンス

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/10回目

ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの古典絵画エリアを鑑賞しているところです。現在見ているのはフランドル絵画、オランダ/ベルギー絵画です。
15~16世紀の絵画、とりわけ充実した初期フランドル絵画のコレクションを見終えて、次は17~18世紀の絵画のコレクションを見ます。


まずはバロック期のフランドルを代表する画家ピーテル・パウル・ルーベンスの作品を見ていきましょう。この旅でもアントワープでルーベンスの家を見てきたばかりです。

ピーテル・パウル・ルーベンスの《黒人の顔・四つの習作》です。制作年は不明です。ルーベンスとしては珍しい作品だなと思っていたら、顔を描くための習作でした。しかし、こういう構成の絵画があってもおかしくありません。習作ながら、ルーベンスはあえて、芸術的な仕上げを試みたんでしょうか。ルーベンスがもっと近代に生まれていたら、どんな作品を描いたんだろうと想像してしまいました。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《聖母マリアの戴冠》です。1620年頃、ルーベンス43歳頃の作品です。これは美しい絵ですね。ルーベンスの妙などぎつさもなく、爽やかでさえあります。色彩もあっさりしています。ただし、これはルーベンス工房の作品なので、あまり、ルーベンスの絵筆が入っていないのかも知れません。この作品はかつてアントワープにあったレコレトリュム修道会からの注文で制作されました。レコレトリュム修道会はフランス大革命時になくなってしまったそうです。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《聖母被昇天》です。制作年は不明です。これは2段階の構成の凝った構図になっています。奥の聖母被昇天の画面の手前に聖母マリアの棺を覗き込んで驚いている使徒たちが描かれています。劇的な表現と言えばそうですが、やり過ぎといったら、やり過ぎですね。これもルーベンス工房の作品です。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《聖フランチェスコのいるピエタ》です。制作年は不明です。これもルーベンス工房の作品です。この作品もアントワープにあったレコレトリュム修道会からの注文で制作されたようです。レコレトリュム修道会は聖フランチェスコ派の修道会でした。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《聖母マリアと聖フランチェスコの神への仲介が神の否妻を止める》です。制作年は不明です。これもルーベンス工房の作品です。この作品はゲントにあったレコレトリュム修道院の主祭壇画として制作されました。レコレトリュム修道院というとアントワープのレコレトリュム修道会もほかの作品を注文しています。ルーベンス工房の重要な注文主だったんですね。この作品の主題は、人の世が悪いことで堕落、腐敗したことに怒ったイエスが神の稲妻で世界を焼き尽くそうとするのを聖母マリアと聖フランチェスコが止める場面です。ここにも聖フランチェスコが登場するのはレコレトリュム修道会が聖フランチェスコ派の修道会だったからでしょう。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《聖リヴィナスの殉教》です。1633年頃、ルーベンス56歳頃の作品です。これもルーベンス工房の作品です。この作品の主題は、キリスト教の聖人リヴィナスが殉教する場面です。いい意味でも悪い意味でもルーベンスらしいダイナミックで迫真性のある表現です。こういう表現ではルーベンスは抜きん出る存在ですが、ワンパターンと言えばワンパターンです。どうもsaraiは好きになれません。ルーベンスほどの画力があれば、もっと上品に描けるのにね。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《東方三博士の礼拝》です。1618~1620年頃、ルーベンス41歳~43歳頃の作品です。これもルーベンス工房の作品です。これは見事な出来の作品ですね。この作品はフランドルの南西部の町トゥルネのカプチン会修道院からの注文で制作されました。この作品の制作には当時工房の弟子だったヴァン・ダイクが参加していました。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《ゴルゴダの丘行き》です。制作年は不明です。これもルーベンス工房の作品です。この作品はキリストが十字架を背負って、ゴルゴダの丘に登る場面が描かれています。倒れたキリストの頭の血を自身の頭巾の白い布で拭っているのが聖ヴェロニカです。この布がもとになったのが有名な聖骸布伝説です。

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ピーテル・パウル・ルーベンスの《エレーヌ・フールマンの肖像》です。1630年代、ルーベンス53歳以降の作品です。これはルーベンス工房の作品だという説もありますが、この活き活きとした表現はルーベンス自身の筆になるものだとsaraiは感じます。1626年最初の妻イザベラ・ブラントが死去し失意に暮れるルーベンスは年来の友人であったアントワープの絹織物商ダニエル・フールマンの娘エレーヌと1630年、ルーベンス53歳、エレーヌ16歳と歳の差婚を果たし、人生の喜びを取り戻します。ウィーン美術史美術館に有名な裸体画《エレーヌ・フールマン》が残されていますが、このベルギー王立美術館の作品はより、エレーヌの若々しいキュートさが愛情深く描き込まれています。saraiはこういうルーベンスのほうが好きです。画家の素直な愛が感じられるからです。

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さすがにルーベンスの本場ベルギーだけあって、ルーベンスのコレクションは充実しています。もっとも工房で絵画を大量生産したルーベンスはヨーロッパの多くの美術館が充実したコレクションを誇っていますけどね。

次はフランスの新古典派の巨匠ダヴィッドの作品を見ていきます。フランスの画家ダヴィッドはこのブリュッセルと縁が深いんです。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

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3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai

昨日は祝日でゆっくりオンライン視聴できました。

全盛期から技術的衰えはあると思いましたが、彼のベートーヴェンは何故こう素晴らしいのか…高齢のピアニストとは思えな

03/21 08:03 

《あ》さん、再度のコメント、ありがとうございます。

ブッフビンダーの音色、特に中音域から高音域にかけての音色は会場でもでも一際、印象的です。さすがに爪が当たる音

03/21 00:27 sarai

ブッフビンダーの音色は本当に美しいですね。このライブストリーミングは爪が鍵盤に当たる音まで捉えていて驚きました。会場ではどうでしょうか?

実は初めて聴いたのはブ

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