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鉄壁のアンサンブルのショスタコーヴィチ・・・インバル&東京都交響楽団@サントリーホール 2016.9.20

今日でインバルの80歳記念&都響デビュー25年記念のアニバーサリーコンサートシリーズもシメです。東京芸術劇場を皮切りに東京文化会館、サントリーホールで3回続いたコンサートはいずれも圧巻の出来でしたが、今日はその中でも最高の出来栄え。共演者も変わり、演奏曲目も多彩な3回のコンサートでしたが、一体どれだけリハーサルを重ねたら、ここまでやれるのって感じで驚かされました。

とにかく、今日のメインの曲目、ショスタコーヴィチの交響曲第8番はその解釈が難しい音楽ですが、ある意味、今日の演奏はそういう懸念を嘲笑うかのような驚きの演奏。この音楽が持つ歴史的な意味合い、戦争や絶望といった劇的な解釈からは離れて、純粋に音楽芸術を追及した究極の演奏ではなかったかと思います。音楽そのものが持つ自立性、いわゆる絶対音楽そのものです。都響はこれまでも素晴らしい音楽を聴かせてくれましたが、今日はまさに鉄壁のアンサンブル。美しくて分厚い弦の響き、安定感のある管の響き、自在なテンポの揺れ。世界的にみても超一流のオーケストラのみが実現できる最高の音楽を展開してくれました。おそらく、この音楽を引き出したのは指揮者のインバルでしょう。最弱音から最強音までアンサンブルが崩れることはまったくありませんでした。ショスタコーヴィチの音楽も見事に表現されていました。インバルは無理にショスタコーヴィチが音楽に内在させた意味合いを追及することなしに譜面に書かれた音楽の美しさを徹底的に表現しようとしたのではないでしょうか。その結果、これまで聴いたことのないような純粋な音楽美をこの曲から感じとることができました。ゲルギエフのような戦争シンフォニーとしてのアプローチもあるでしょうが、インバルのような純粋音楽のアプローチもまた素晴らしいものでした。これからインバルと都響のショスタコーヴィチの音楽への取り組みをそういう観点から聴いていきたいと思います。また、楽しみが増えました。

前半のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番もとても素晴らしい演奏でした。冒頭の都響の弦の響きだけでモーツァルトの音楽の愉悦が感じとられて、思わず、saraiはにんまりとしました。小編成のオーケストラの最高の響きです。以前、ハイティンク指揮のシカゴ交響楽団の演奏でモーツァルトの交響曲第41番を聴いたときの記憶が戻ってきました。あのとき、最高のモーツァルトの音楽の響きを聴きましたが、それに優るとも劣らないようなアンサンブルの素晴らしさです。ヴァイオリンのオーギュスタン・デュメイは最初は期待していたほどの響きが聴けませんでしたが、次第に調子を上げ、その艶やかな高音の響きが冴えわたるようになりました。とりわけ、第2楽章の天上のような音楽は期待以上のものでした。第3楽章も肩から力が抜けたような絶妙のヴァイオリンの響きで魅了してくれました。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲で、ピアノ協奏曲にもひけをとらないような演奏が聴けるとは驚き以外の何ものでもありませんでした。

およそ3カ月ぶりのサントリーホールでしたが、とても素晴らしい音楽を聴けて、幸福でした。台風襲来を恐れずに出かけてきて、本当によかった!!

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:エリアフ・インバル
  ヴァイオリン:オーギュスタン・デュメイ
  管弦楽:東京都交響楽団

  モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
  《アンコール》 なし

   《休憩》

  ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 Op.65



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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