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情感あふれるベルリオーズに感銘・・・スダーン&東京交響楽団@サントリーホール 2016.9.24

東京交響楽団の創立70周年記念公演と銘打って、ベルリオーズの大作、劇的物語「ファウストの劫罰」を海外からの豪華な歌手陣と共に演奏するというのでこれは聴き逃がせません。特に最近、活躍中のソフィー・コッシュとミハイル・ペトレンコへの期待が大きいところです。また、東京交響楽団は声楽を含む大作への取り組みも魅力です。今年4月に聴いたブラームスのドイツ・レクイエムはソプラノのチェン・レイスと合唱(東響コーラス)が素晴らしかったんです。今回も合唱の東響コーラスに期待大です。

冒頭、いきなり、素晴らしいヴィオラの演奏にうっとりします。とても美しい響きです。続いて弦楽セクションによる抒情的な旋律にも魅了されます。ベルリオーズは幻想交響曲以外はあまり聴いたことがありませんが、ベルリオーズのロマンあふれる、みずみずしい抒情性には心を奪われます。ファウスト役のテノールのマイケル・スパイアーズのリリックな歌唱もこの音楽にぴったりです。このテノールはまったく知りませんでしたが、歌手陣のなかで最高に素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。このファウスト役を得意にしているそうですね。東京交響楽団とスパイアーズによる情感あふれる演奏が今日のベルリオーズの音楽を一貫して素晴らしい高みに押し上げていたと思います。もちろん、指揮者のユベール・スダーンのベテランらしいタクトも貢献していました。そして、忘れてはならないのが原作の《ファウスト》を書いたゲーテの美しい詩句です。この詩句があるからこそ、ベルリオーズが情感に満ちた音楽を作り上げたわけだし、その音楽の流れに忠実に再現したのが今日の演奏家たちです。

後半の第3部になって、期待のメゾ・ソプラノのソフィー・コッシュが登場しました。saraiはこのソフィー・コッシュを過去3回聴いたことがあります。

 2001年9月29日 バイエルン国立歌劇場の来日公演、東京文化会館、歌劇「フィガロの結婚」、指揮:メータ コッシュはケルビーノ役
 2002年10月5日 ウィーン国立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、楽劇「ナクソス島のアリアドネ」、指揮:ハーガー コッシュは作曲家役
 2003年12月15日 パリオペラ座、パリ・オペラ座(ガルニエ)、楽劇「ナクソス島のアリアドネ」、指揮:スタインバーグ コッシュは作曲家役

最初に聴いたバイエルン国立歌劇場の来日公演がソフィー・コッシュの初来日で今回はそれ以来の来日だそうです。当時はソフィー・コッシュではなく、ゾフィー・コッホとドイツ語読みで表記されていたので、てっきりドイツ系のソプラノと思っていました。今回初めて、そのときのドイツ語表記が誤りで実はフランス語表記のソフィー・コッシュだと知りました。両親ともフランス人の生粋のフランス人なのだそうです。ともあれ、当時も今もズボン役を歌うことが多く、今は楽劇「薔薇の騎士」のオクタヴィアン役で頭角を現しています。2014年のザルツブルグ音楽祭でストヤノヴァとエルトマンの3人で素晴らしい公演を行ったことはNHKのBSでも放映があり、話題になりました。このほか、歌劇「ウェルテル」でも活躍しているようです。実はsaraiは15年ほど前に聴いたときは印象の薄い歌手だったんです。それがいつの間にか、ザルツブルグ音楽祭でオクタヴィアンを歌うようになっていたとはびっくりしました。今回聴いてみて、以前のような初々しさはなくなったもののすっかりと舞台を盛り上げる貫禄、オーラがあるように変わっていました。最後に情感たっぷりに歌い上げるところは見事なものでした。テノールのスパイアーズの素晴らし過ぎる歌唱に食われてはいましたが、saraiの期待を裏切らない歌唱ではありました。

メフィストフェレス役のバスのミハイル・ペトレンコもさすがの歌唱。美しい響きの声で見事な狂言回しを演じていました。彼がメフィストフェレスをやると、その美しい声のためにあまり悪役には聴こえないとこころが弱点といえば弱点です。

東響コーラスは相変わらずの好演です。フランス語の歌詞を楽譜も見ないで歌っていたのは凄い。特に終盤の女性合唱で宗教的な歌を歌っていたところには胸がジーンときました。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ユベール・スダーン
  ファウスト(テノール):マイケル・スパイアーズ
  メフィストフェレス(バス):ミハイル・ペトレンコ
  マルグリート(メゾ・ソプラノ):ソフィー・コッシュ
  ブランデル(バス・バリトン):北川辰彦
  児童合唱:東京少年少女合唱隊(合唱指揮:長谷川久恵)
  混声合唱:東響コーラス(合唱指揮:安藤常光)
  管弦楽:東京交響楽団

  ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」Op.24

東京交響楽団の次の声楽ものはモーツァルトの歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》です。saraiの大好きなソプラノ、ミア・パーションの声が聴けるのが嬉しいな。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子
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