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ブリュッセルで美術三昧:ベルギー王立美術館、バーン=ジョーンズからミュシャまで

2015年7月5日日曜日@ブリュッセル/16回目

ベルギー王立美術館Musées royaux des beaux-arts de Belgiqueの世紀末部門Musée Fin-de-Siècle Museumの珠玉の作品群を見ています。
フェルナン・クノップフの素晴らしい作品群を見て、大満足。残りの作品も見ていきましょう。

エドワード・バーン=ジョーンズの《プシュケの結婚》です。1895年頃、バーン=ジョーンズ62歳頃の作品です。バーン=ジョーンズはラファエル前派とみなされることもありますが、彼独自の作風で精巧でロマンあふれる作品を描いています。この《プシュケの結婚》及び、一連のプシュケ・シリーズもそういう彼の作風を代表するものです。プシュケはギリシャ神話の世界の登場人物で大変な美貌の持ち主です。その美貌ゆえに愛の神キューピッドからの求婚を受け、神の世界に迎い入れらえます。この絵はプシュケがキューピッドの花嫁になるために天上の世界に向かう場面を描いたものです。華やかな場面の筈ですが、この絵では暗い沈んだ印象があります。結婚というよりもむしろ、神への生贄になるという見方もできるのかもしれません。ただ、そういう穿った見方よりも、プシュケの後の運命を象徴しているのかもしれません。プシュケは結婚のときの契約であったキューピッドの姿を見ないということを破ったためにキューピッドの愛を永遠に失ってしまうんです。

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画面の右側を拡大して見てみましょう。先頭の松明を掲げる乙女に続いて、4人の乙女が薔薇の花びらを撒き、その後ろが花嫁のプシュケです。いずれの乙女もその美しさと言ったら言葉もありませんが、ひときわ、プシュケの美しさが秀でていますね。

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プシュケを拡大して見てみましょう。とても美しいですね。モデルは誰でしょう。

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フランツ・フォン・シュトゥックの《家族のグループ》です。1909年頃、シュトゥック46歳頃の作品です。これはまるでベラスケスの描いたマルガリータ王女のパロディーですね。シュトゥックはミュンヘンで世紀末に活躍した異形の画家です。そのうちにミュンヘンのヴィラ・シュトゥックを訪れて、彼の業績の一部でも垣間見たいと思ってはいます。

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アンリ・ド・グルーの《リヒャルト・ワーグナー》です。1895年頃、ド・グルー29歳頃の作品です。世紀末にワーグナー信奉者が多くいたそうですが、このド・グルーもその一人なのでしょう。

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アンリ・ド・グルーの《ワーグナーの楽劇「ニーベルンクの指輪」からの場面、ハーゲンに殺されるジークフリード》です。1890年頃、ド・グルー24歳頃の作品です。『ニーベルングの指環』四部作の最後を飾る『神々の黄昏』を描いたのですね。

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ヤコブ・スミッツの《ケンペン(地方)のシンボル》です。1901年頃、ヤコブ・スミッツ46歳頃の作品です。印象派的な作品でしょうが、とても厚塗りの作品です。日常風景にキリストやマリアが登場するのはドイツ印象派のフリッツ・フォン・ウーデもよく用いていた手法ですね。

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ヤコブ・スミッツの《Mater Amabilis(慈愛深い母)》です。1901年頃、ヤコブ・スミッツ46歳頃の作品です。もちろん、聖母子をイメージした作品でしょう。

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アルフォンス・ミュシャの4点セットの一つ、連作《一日の四つの時刻》です。1899年、ミュシャ38歳の作品です。ゴシック様式のステンドグラスを思わせる連作になっています。左から《朝の目覚め》、《昼の輝き》、《夕べの夢想》、《夜のやすらぎ》の4点です。シャンプノワ社が販売したパネル・セットの中の1セットです。当時の価格は40フランだったそうです。今はどれくらいの価値があるんでしょう。

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アルフォンス・ミュシャの《ナチュール(自然)》です。1899年~1900年、ミュシャ38歳~39歳の作品です。ミュシャがこういうブロンズ像を制作しているのは知りませんでした。ブロンズ像でもやっぱりミュシャらしい作品に仕上がっていますね。

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折角のブロンズ像ですから、左右からも眺めてみましょう。実に美しい女性像ですね。

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このあたりで鑑賞を終えます。最後にもう一度、バーン=ジョーンズの《プシュケの結婚》とクノップフの《妖精の女王》を眺めておきましょう。いや、素晴らしく美しいです!!

出口へのエレベーターに乗り込むと、びっくり。最後まで楽しませてくれます。エレベーターの中まで、なかなかベルギー王立美術館はきめ細かい演出をしてくれますね。ここでゆっくりしていきたいくらいです。

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出口への通路にはさりげなく、面白い木彫作品が置いてあります。

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最後は地上への階段を上って、世紀末部門もお終い。配偶者の後ろ姿からも満足感と精気が感じとれます。saraiの気持ちが反映しているのかもしれません。

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世紀末部門ではバーン・ジョーンズの作品もとても魅力的でした。まあ、それにしても、素晴らしいクノップフを見られたことで最後は大満足のベルギー王立美術館でした。
粘って粘って探して本当によかったです。11時の開館と同時に入館し、お昼ご飯も含めて、5時まで滞在。結局6時間も滞在してしまいました。ベルギー王立美術館は古典美術館、マグリット美術館、近代美術館(実際は世紀末部門)の3つのドメインに分かれていますが、地下通路で結合されているため、ずっと建物からは出ずじまい。その間、外では雨が降った模様ですが、まったく気が付きませんでした。また、館内はガンガンに冷房が効いていて、寒いくらい。暑い日にはこの美術館にこもるのが一番です。もっとも、今日は雨になったこともあり、昨日までの暑さは一段落。ようやく普通の陽気に戻ったようです。よかったです。
次は王立美術館を出て、明日の遠征のための鉄道チケットを購入するためにブリュッセル中央駅に向かいます。


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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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