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追悼:ネヴィル・マリナー・・・名盤ヴィヴァルディ《四季》を聴く

昨日、10月2日に指揮者ネヴィル・マリナーが亡くなったことをヒラリー・ハーンのツイッターHilaryHahnViolinCaseで知りました。御年92歳で指揮者では最長老だったそうです。今年の4月に最後の来日と銘打った公演が東京オペラシティであったことは知っていましたが、saraiは行きませんでした。結局、実演に接することもなく、CDでもあまり良い聴き手ではありませんでした。所有するCDを数えてみると、たったの6枚だけ。それもほとんどは協奏曲の伴奏者としてのCDです。唯一、今年聴いた以下のCDだけがネヴィル・マリナーが主役のCDです。

 ホルスト:惑星、エルガー:威風堂々行進曲第1番・第4番 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

これはなかなか素晴らしい演奏でした。しかし、ネヴィル・マリナーと言えば、彼が共同創設者だったアカデミー室内管弦楽団(正式には、Academy of St. Martin-in-the-Fields)がすぐに思い浮かびます。そして、その名を高めたのは、そのアカデミー室内管弦楽団と演奏したヴィヴァルディの《四季》でした。この名盤の誉れ高いヴィヴァルディ《四季》を実はまだ、ちゃんと聴いた覚えがありません。saraiが中学生だった当時はイ・ムジチ合奏団のLPレコードを聴いて満足していましたからね。ネヴィル・マリナーの訃報に接した今、追悼に聴くべきものはこのヴィヴァルディ《四季》以外にはありえないと思い、家探しをしてみました。すると、ありました! おじさんから継承した遺産LPライブラリーの中にちゃんと眠っていました。

 決定盤!アカデミーの「四季」
  アカデミー室内管弦楽団 
  指揮:ネヴィル・マリナー
  アラン・ラヴディ(ヴァイオリン)

このLPレコードは1枚ものですが、分厚いジャケットになっています。その頃流行ったスコア付きです。ライナーノートを見て、また、びっくり。故吉田秀和が書いています。彼らしい凝った文章が綴られています。《アカデミーの<四季>をめぐって》と題した文章の最後のほうの一節が目を惹きます。

『しかし私が特に指摘しておきたいのは、演奏全体にみなぎる躍動感であって、これこそ正にバロック音楽の特質であるという点である。・・・<いくら何でも、これでは行きすぎだ!>と言う人も少なくあるまいが、その<行きすぎ>こそ実はバロック音楽の核心をなす特質の一つと裏表の関係にある。バロックとは静止した均衡ではなくて、過多から来るダイナミックな活動、躍動をさすのである。』

この文章が書かれたのは1960年代のことだという点は考慮する必要があります。現在のようにピリオド奏法が古楽を席捲していたわけではありません。それにしても、そんなに行きすぎと言うほどの演奏なのかと頭をひねりながら、LPレコードに針を下しました。

おじさんはこのLPレコードがお気に入りだったようで、結構、スクラッチノイズが入ります。演奏は実にノーブル。なよやかな高弦の美しさが印象的です。一気に春から冬まで聴き通しました。これが一世を風靡したネヴィル・マリナー&アカデミーの四季なんですね。一番よかったのは冬の透徹したような演奏です。全体は聴きなれたイ・ムジチ(フェリックス・アーヨ)のほうがよいですが、冬だけはネヴィル・マリナー&アカデミーのほうが上品で奥行きがあって、聴き映えがします。ところで、吉田秀和が言うような<行きすぎ>の感じはありません。1960年代とは時代が変わったのかな。

ネヴィル・マリナーとsaraiのおじさんの魂に合掌・・・



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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