クリュニー美術館Musée de Clunyはソルボンヌ大学に近い美しい建物が建ち並ぶ賑やかなところに位置しています。サン・ジェルマン大通りBoulevard Saint-Germainからサン・ミッシェル通りBoulevard Saint-Michelに右折すると、すぐに左手に鉄柵が現れ、その鉄柵の奥にローマ遺跡のような建物が見えてきます。

パリの街のど真ん中にこんな廃墟のようなものがあるとはね・・・。

このクリュニー美術館の建物はありますが、なかなか入口が見つかりません。建物に沿って、左に曲がって、ソメラール通りRue du Sommerardを進みます。しかし、この通り沿いには入口がなく、さらに左に折れて、ポール・パンルヴェ広場Square Paul-Painlevéに入ると、ようやく、入口が現れます。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

入口を抜けて、前庭にはいると、目の前に、ゴシック後期のフランボワイヤン様式とルネッサンス様式が混合した古めかしい建物が出迎えてくれます。

一気に15世紀にタイムスリップしたような錯覚に襲われます。大きな建物は頭を巡らせないと見ることができません。右側のほうを眺めます。

今度は左側のほうを眺めます。

この建物は、14世紀にブルゴーニュのクリュニー修道会がパリの拠点として建設した修道院長の別邸を起源としています。15世紀になって大幅に再建されたものが現在の建物です。その敷地は1世紀から3世紀にかけて作られたローマ時代の浴場跡とその付近です。
入口のほうを振り返ると、高く堅固な石の塀が外部とこの前庭を仕切っています。観光客がその石塀の前のベンチに座り込んでいますね。この中世の雰囲気を堪能しているのか、単に観光に疲れたのか、どちらなんでしょう。

前庭にある古井戸です。まさに中世そのものの雰囲気です。

しばらくはこの中世の雰囲気に浸っていたいところですが、saraiの目的はあくまでも《貴婦人と一角獣》のタペストリーです。早速、建物の右手にあるエントランスから美術館の中に入ります。まずは入館チケットを購入。一人9ユーロ、1000円ほどです。

英語版のパンフレットもいただきます。日本語版はありません。

入口を入るとミュージアムショップがあります。そこを抜けると、展示室が始まります。
まずは15世紀の彫刻が並んでいます。

厨子に収められた3体の彫像です。保存がよく、綺麗ですね。

その先にステンド・グラスの展示室があります。12世紀から13世紀のオリジナルのステンド・グラスを展示しています。間近で鑑賞するステンド・グラスの精細さは見事以外の何物でもありません。

ここからは墓石の並ぶ通廊がますます中世の雰囲気を感じさせます。墓石は12世紀の葬礼芸術なのだそうです。

墓石の通廊から右の大きなノートルダム展示室に入ると、ノートルダム大聖堂の正面を飾る「諸王の像」が並んでいます。ユダヤとイスラエルの王様達です。これらはフランス革命時にフランス国王像と間違われ、落とされ破壊されてしまいました。その後、ノートルダム大聖堂の諸王のギャラリーは復元されましたが、ここにあるのがオリジナルの王様達です。

壊れた石像の一部が展示されています。なお、この場所はかつての浴場の一部です。

まだ、1階の見学が続きます。
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