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ジルヴェスターコンサート@横浜みなとみらいホール 2016.12.31

あけまして、おめでとうございます。今年もsaraiのブログ、よろしくお願いします。

大晦日は恒例のジルヴェスターコンサート@みなとみらいホールで年越しです。saraiと配偶者、娘と婿さんの4人です。

コンサートに先立って、1年を締めくくる贅沢をします。みなとみらいグランドセントラルテラスにある本格イタリアン「LEONE MARCIANO レオーネ マルチアーノ」でのディナーです。レストラン前のアプローチが美しい照明で煌いています。

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お店の入口です。

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美しい内装の店内です。予約してあるので、さっとテーブルに案内されます。まずはワインを注文。チョイスは娘に一任。スプマンテが出てきます。

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泡立つグラスで乾杯。

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スプマンテはいったん、氷のバケツに入ります。

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これが今日のコースのメニュー。お土産付きです。

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まずはバーニャカウダ。しゃきしゃきの野菜が美味しいです。

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2皿目は・・・写真を撮るのを忘れました。生ハムと燻製チーズの美味しい一皿でした。

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もう、ここでスプマンテは飲み切って、娘と婿さんは赤ワインに切り換えです。

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3皿目は2種類のパスタ。もちもちで美味しいパスタです。

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娘と婿さんは次々と赤ワインを飲み続けています。付き合い切れません。

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4皿目はメインの鴨肉のソテー。柔らくて美味しいです。

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最後はデザート。
これは盛り合わせ。パンナコッタ、ソルベなど。

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ゴルゴンゾーラチーズとホワイトチョコレート。デザートは2つからのチョイスになります。

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コーヒーでシメです。

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豪華なディナーを楽しんで、みなとみらいホールに移動。レストランを出ると、ライトアップされたみなとみらいの街が文字通り輝いています。

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みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは今年で第18回目。そして、saraiがジルヴェスターコンサートに通うのもこれで18回。全部聴いてます。よく通ったものです。
今回のプログラムは以下です。

《第1部》

池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
モーツァルト:オペラ「後宮からの逃走」序曲
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調Op.77より(Vn:吉田南)
グラナドス:スペイン舞曲集Op.37より第5番"アンダルーサ"(Pf:中野翔太)
ガーシュウィン:The Man I Love、A Foggy Day(Pf:中野翔太)
ドニゼッティ:オペラ《リタ》より「この清潔で愛らしい宿よ」(Sop:鷲尾麻衣)
ワーグナー:オペラ《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第3幕より優勝の歌「朝は薔薇色に輝き」(Ten:望月哲也)
テレマン:2つのヴァイオリンのための協奏曲(Vn:漆原啓子、漆原朝子)
ライヒ:「クラッピング・ミュージック」(打楽器奏者6名)
カリンニコフ:交響曲第1番 ト短調より第4楽章

《休憩》

《第2部》

ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調より第1楽章(ヴァイオリン/漆原啓子&漆原朝子、ヴィオラ/百武由紀、チェロ/堀了介)
モーツァルト:オペラ《ドン・ジョヴァンニ》より「恋人よ、さあこの薬で」(Sop:鷲尾麻衣)
レオンカヴァッロ:「朝の歌(マッティナータ)」(Ten:望月哲也)
ドニゼッティ:オペラ《愛の妙薬》より二重唱「ラララ」(Sop:鷲尾麻衣、Ten:望月哲也)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調Op.64より第1楽章(Vn:徳永二男)
シベリウス:交響詩「フィンランディア」Op.26【カウントダウン曲】
コダーイ:組曲「ハーリ・ヤーノシュ」よりウィーンの音楽時計
J.シュトラウス2世:美しく青きドナウ
J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲

【出 演】

音楽監督:池辺晋一郎、飯森範親(Cond)、徳永二男(エグゼクティブ・ディレクター/Vn)、朝岡聡(MC)
横浜みなとみらいホール ジルヴェスターオーケストラ(コンサートマスター:会田 莉凡、石田泰尚、扇谷泰朋、神谷未穂、高木和弘、藤原浜雄、ファビアン・ヴェットシュタイン)

今回のジルヴェスターコンサートは昨年と同様に前から2列目の中央の席で聴きました。とってもよく響く最高の席でした。

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ジルヴェスターコンサートはお祭りのようなガラコンサートですから、そんなに素晴らしい音楽ばかりが聴けるわけではありません。
印象を書くほどのことはありませんが、ヴァラエティに富んだ音楽が次々に聴けて、結構、楽しめました。

モーツァルトのオペラ「後宮からの逃走」序曲はなかなか良い演奏で、モーツァルトの音楽の素晴らしさを感じました。

テノールの望月哲也はワーグナーの名アリアを立派に歌い切ってくれました。これほどはなかなか歌えないでしょう。

カリンニコフの交響曲第1番は予想外に見事な演奏でした。

前半のプログラムで目立ったものはこれくらいかな。

休憩後の後半のプログラムはなかなか、よい演奏が続きます。

ソプラノの鷲尾麻衣が歌ったモーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》よりのアリア「恋人よ、さあこの薬で」はとても気持ちよく聴けました。この人はモーツァルト向きかな。

レオンカヴァッロの「朝の歌(マッティナータ)」はまたまた、テノールの望月哲也が見事に歌ってくれました。素晴らしいテノールですね。

で、続く《愛の妙薬》の二重唱も鷲尾麻衣、望月哲也のお二人が楽しく、そして、ドニゼッティらしく、歌い切ってくれました。

この日の最大の衝撃がメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリニストの徳永二男って、こんなに弾けるんですね。失礼ながら、これまで甘く見ていました。これなら、是非、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲も全曲を聴いてみたいものです。奇をてらわずに楽譜そのまま弾いているようで、素晴らしく美しい音楽になっています。ヴァイオリンの美音にも聴き惚れました。

カウントダウン曲のシベリウスの交響詩「フィンランディア」は迫力あふれる演奏。カウントダウンに気をとられたのが残念なところでした。ところでカウントダウンは完全成功!!

最後は例年通り、ラデツキー行進曲を手拍子してコンサート完了。

今年も音楽で新年が始まりました。また、音楽聴きまくりの1年になりそうです。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

新年は・・・金沢八景・野島夕照

大晦日は横浜みなとみらいホールでのジルヴェスターコンサートを娘夫婦と4人で楽しみ、娘夫婦は我が家でお正月。
娘が昨年と同様に新年はたっぷりと散歩したいと言ってます。これもお正月の我が家の年中行事になりそうです。その前にまずはお節料理をいただきます。今年も配偶者が張り切って、お節料理を作ってくれます。なかなか、豪華でしょう。

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お刺身と海老が揃って、お正月料理が完成です。

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お屠蘇代わりのカヴァで新年を祝います。

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お節料理の後はお雑煮でシメ。これが我が家のお雑煮です。鶏肉と野菜たっぷりのお雑煮がsarai家伝統の味。

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カヴァのほろ酔い気分を軽くお昼寝で解消します。
さあ、近くに散歩に出かけましょう。昨年は金沢七福神巡りに出かけました。今年は配偶者が金沢八景の野島に出かけることを提案。それはよさそうです。ルートをネットでチェックして、出発です。

出発点となる京浜急行の金沢八景駅に降り立ち、元旦の散策がスタートです。まずは駅近くの瀬戸神社に初詣に立ち寄ります。しかし、ここにはお参りのための長蛇の列ができています。仕方なく、遠くから手を合わせるだけにします。もちろん、お賽銭はなしですよ。

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瀬戸神社の代わりに国道16号線をはさんだ向かいにある琵琶島神社にお参りしましょう。

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琵琶島神社の前から、瀬戸神社の様子を眺めます。大変な初詣客の行列です。

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琵琶島神社の鳥居をくぐって、参道を進むと、赤い欄干の小さな橋の先に小さな島、琵琶島があります。ここに琵琶島弁財天のお社がありますが、柵が閉じられていて、お参りはできません。写真を撮って、手を合わせるだけにします。ここにはお賽銭箱さえも見当たりません。

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再び、京急の金沢八景駅の前に戻り、そこを通り過ぎて、国道16号線を少し進んで、左手の路地にはいると、次のお目当ての金龍禅院がひっそりと佇んでいます。

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訪れる人もありませんが、驚くほど立派な境内です。臨済宗建長寺派の禅院のお堂も見事です。

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本堂の右手には瑠璃光殿があります。薬師如来が収められています。

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くねくねした路地を抜けて、平潟湾に沿った散策道、平潟プロムナードに出ます。シーサイドラインのモノレールの高架線路が風情を台無しにしていますね。

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平潟プロムナードを進んでいくと、平潟湾を渡る夕照橋(ゆうしょうばし)があります。野島へはこの橋を渡っていきます。橋の先、右手に野島が見えてきます。

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橋の上から平潟湾の先を眺めると水路沿いに釣り船屋が並んでいます。

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この釣り船屋の並ぶ平潟の港は釣りバカ日誌のロケ地でした。

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夕照橋を渡って、振り返ると、まさに夕日が照っていて、夕照橋そのものになっています。この風景はかって歌川広重が描いた金沢八景の名所絵(浮世絵風景画)の一枚、野島夕照(のじま の せきしょう)を思い起こさせるものです。

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ちなみに歌川広重が描いた金沢八景の名所絵には、先ほどの瀬戸神社を描いた瀬戸秋月(せと の しゅうげつ) や平潟湾を描いた平潟落雁(ひらがた の らくがん) などもあります。このあたりは江戸時代の名所だったんですね。

夕照橋を渡って、野島に入ると、染王寺があります。このお寺も立派な門構えですね。

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その立派な門構え故に門の前で立ち止まってしまいます。

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本堂には人影がありません。こんなに立派なお寺なのに初詣客がいないんですね。

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お寺を出て、少し歩くと、野島稲荷神社があります。

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参道を進むと、小高いところにあるお社へ上る石段が見えてきます。

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このお稲荷さんには先客がいます。初詣客です。

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初詣の順番を待ちながら、振り返ると、まぶしいほどの夕日が輝いています。

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初詣を終えて、神社の鳥居を出ようとすると、またまた、美しい夕日が木々の間に見えます。

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野島は明治の元勲の伊藤博文のゆかりの地でもあります。瀬戸神社の近くの東屋旅館で明治憲法の草案を練っていました。そのときにこの地が気に入った伊藤博文はこの野島に別荘を設けました。野島の周りをぐるりと周って、伊藤博文旧別荘を訪ねます。木造平屋建茅葺きの建物が5棟あります。生憎、元旦は休館しています。

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別荘は金沢の海岸に面した風光明媚なところに建てられています。別荘前からの風景です。正面には八景島が見えています。

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八景島をズームアップ。

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さて、野島の山の上に上って、眺望を楽しみましょう。ふーふー言いながら、山の上に上ると一足先に展望台に上っていた娘が予想外の一言・・・“富士山”が見えるよ!!

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いやあ、とっても嬉しいお年玉ですね。夕日に照らされた富士山が見えるとはね。

展望台からは八景島も見下ろせます。

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遠くにみなとみらいも見えます。ランドマークタワーの頭が見えています。

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最後に富士山をズームアップして撮影。綺麗ですね。

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展望台を下りると、山影に夕日が落ちようとしています。

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山登りで喉が渇きました。山を下りるとすぐに自動販売機を発見。コインを投入すると、この自動販売機が“声”を発します。

「あけましておめでとうございます」

えっ、びっくりです。最近の自動販売機は愛想がいいんですねー!!

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今年は新年最初の日からよい運動ができました。それにサプライズもあり、よい元旦でした。でも、ふーっ、疲れた!!



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最後のパリ散策:バガテル公園の薔薇園の夢のような時間

2015年7月9日木曜日@パリ/9回目

ブーローニュの森Bois de Boulogneのバガテル公園Parc de Bagatelleで美しい薔薇にうっとりしています。真っ赤な薔薇が陽光に映えています。

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色とりどりの薔薇が一面に咲き誇っています。

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とても見尽くせないほどの膨大な薔薇たちです。

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薔薇園の北東の隅から高台のパヴィリオンへ上る小路が始まっています。そこから眺めた薔薇園の様子です。高台からは異なる風景が楽しめそうです。

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半分ほど上ると、薔薇園全体が見渡せるようになります。

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高台のパヴィリオンの前に到着。白く綺麗な建物です。

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パヴィリオン前からの薔薇園の眺めです。薔薇園が広大なので、残念ながら一望することはできませんね。

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右手のほうには薔薇園の先に白いオランジェリーの建物が見えます。

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パヴィリオンの中からも眺めを楽しめます。日差しを避けられるので涼しいですね。

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薔薇もよく見えます。

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ズームアップして薔薇の花を眺めます。

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平面の薔薇園内だけでなく、高台への斜面にも薔薇が植えられています。

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薔薇園の中央には薔薇が美しく咲き誇っています。

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円錐形に刈り込まれた木を中心に薔薇の花が配置されています。

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そこら一帯が薔薇、薔薇、薔薇で埋め尽くされていますが、見飽きることがありません。

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いつまで見ていてもきりがありませんから、そろそろ、高台から下りましょう。

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一足先に薔薇園に下りた配偶者がまた飽きることなく薔薇を眺めています。このあたりは白とピンクの薔薇です。

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ここは真っ赤な薔薇が咲き乱れています。

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蔓薔薇の赤さが目に染みます。

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ピンクの花びらが青空に映えて、とっても綺麗です。白とピンクのグラデーションが素晴らしいですね。

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薔薇園での夢のようなひと時もそろそろお終いにしましょう。



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最後のパリ散策:バガテル公園の薔薇園訪問は終了

2015年7月9日木曜日@パリ/10回目

ブーローニュの森Bois de Boulogneのバガテル公園Parc de Bagatelleで薔薇の中での夢のようなひと時を過ごしました。もう、そろそろ、お暇しましょう。
でも、配偶者がまだ、去り難そうに薔薇を眺めています。薔薇が匂い立っていますから、さもありなんです。

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少し場所を変えるだけで、様々な薔薇の花が目に入ってきます。

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赤い色の変わった薔薇です。一重の花びらですね。

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配偶者は一心に薔薇を眺めていますが、saraiは心は薔薇の花を去り、ベンチに座って、次に行くところの検討を始めています。どうしても最後に訪れたいところがあるんです。

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さて、薔薇園の出口のほうに向かいます。薔薇園の先にはオランジェリーの建物があります。

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薔薇園の先の花壇で向日葵の花が咲いています。

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オランジェリーの建物の前を通り過ぎます。綺麗な建物です。

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バガテル公園の出口のほうに向かいます。薔薇園の先にも蔓薔薇のアーチが続きます。

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公園の塀に沿って、色んな草花が植えられています。緑が豊かでとっても綺麗です。

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蔓薔薇のアーチが続きます。

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アーチを抜けていきますが、薔薇以外の緑のアーチもありますね。

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アーチは塀沿いに続いています。塀やその周りにも花が植えられて、あたり一帯は規模の大きな花園になっています。

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花園の散策は気持ちがよいものです。

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花園もここまでです。生垣の向こうの大きな建物はレストランのようです。

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バガテル公園の出口に着きます。正装した紳士・淑女のみなさんが集まっています。きっと何かのイベントでレストランにやってきた人たちでしょう。

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バガテル公園を見終わってもまだ夕方5時頃。最後は、saraiのお楽しみの時間にしましょう。旅の最後はオルセー美術館Musée d'Orsayで締めくくりましょう。こんな時間からオルセー美術館と思われるかもしれませんが、今日は木曜日。木曜日は運よく夜間展示の日で、なんと9時45分まで鑑賞できるんです。帰国便が11時20分出発ですから、ゆっくり鑑賞できます。それに6時以降は割引料金で見られるというおまけもつきます。
バガテル公園を出て、バス停に向かいます。今度はちゃんとバス停の場所が分かっていますから、一目散にバガテル公園の塀に沿って、歩いていきます。

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バガテル公園を探しているときに道を尋ねたお店があります。時間はそんなにありませんが、ちょっと喉を潤していきましょうか。

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さて、バス停に無事に到着。ここからバスとメトロを乗り継いで、オルセー美術館に向かいます。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(1)

2015年7月9日木曜日@パリ/11回目

ブーローニュの森Bois de Boulogneのバガテル公園Parc de Bagatelleから、バスとメトロ、PERで印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayに移動します。途中でエッフェル塔の横を通るので、見上げて御挨拶です。1時間ほどでオルセー美術館に到着。美術館の白い壁が青空に映えています。

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チケット購入の列に並ぶと、ちょうど6時になりました。割引料金の時間です。

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意外に列は短いです。列の先頭に出て、セキュリティチェックを待ちます。

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まず、入館チケットを購入。割引チケットは一人8.5ユーロです。

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館内マップはフランス語/英語/スペイン語で書かれています。日本語版はありません。

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改装後のオルセー美術館は初めてです。オルセー美術館を訪問するのは、2011年4月以来、およそ3年ぶりです。前回の訪問では、改装工事中のなか、無理な展示を見て、がっかりしました。改装後はどうなったんでしょうか。中に入ると、かなり多くの人がいます。まず、2階のゴッホとゴーギャンの展示コーナーを見て、満足。ゴッホの後期の名作の充実度は今回の旅で見たアムステルダムのゴッホ美術館を上回ります。ちょっと気になったのは勝手にぱちぱちと写真を撮っている人がいることです。美術館のスタッフも見て見ぬふりのようです。今回の訪問で驚いたのは、実はゴッホ、ゴーギャンの作品以外は写真撮影ができるようになっていたことです。以前は全面的に撮影禁止だったんですが、ヨーロッパの趨勢は写真撮影を可にしているところが増えてきており、このオルセー美術館もその流れに乗ったようです。ですから、撮影禁止のゴッホ、ゴーギャンのコーナーでも写真を撮る人がいたんですね。でも、どうやら、これもsaraiの勘違いでゴッホ、ゴーガンも写真撮影禁止ではなかったのかもしれません。日本でも特別展は別ですが、常設展は写真撮影を許可してもらいたいものですね。美術の大衆化が進むでしょう(最近は上野の国立西洋美術館の常設展は撮影可能になっていますね)。ですから、ゴッホとゴーガンの写真は残念ながらありません。
続いて、5階の印象派の大展示スペースに移動します。ここにはモネ、ルノワールなど名だたる印象派の画家の作品が一堂に会しています。ここからは写真を撮れるので、初めて、オルセー美術館の作品を写真でご紹介します。

まず、目に飛び込んできた絵はこれ。

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これって、マネの有名な《草上の食事》と構図が一緒ですが、着衣だし、マネっぽくないし、絵が2つに分断されているし、ええっと言う感じです。
慌てて、絵の説明板を見ると、クロード・モネが1865年~1866年に描いた作品です。

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マネが《草上の食事》を発表したのが1863年ですから、その2~3年後にモネが描いたんですね。絵が2つに分断されているのは、家賃を滞納した貧乏人のモネが家主に家賃代として取り上げられて、その後、取り戻した時には絵の損傷が激しくて、仕方なしに2つに分断したそうです。

クロード・モネの《かささぎ》です。1868-69年頃に描かれた作品です。これは素晴らしい作品ですね。代表作の《印象・日の出》(1872年)に先立つ3~4年前に描かれたものですが、やはり、モネの画力は凄いことを実感させられます。雪景色がとても美しく、標題のかささぎが画面の左端のほうにポツンと描かれています。文句なしの傑作です。ところで、かささぎはさっき、バガテル公園で見たばっかりですね。なにか、今日はかささぎに縁があります。

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クロード・モネの《ひなげし》です。1873年頃に描かれた作品です。1874年の第1回印象派展に《印象・日の出》などとともに出品されました。これも大好きな作品です。この頃のモネは特によかったですね。

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カミーユ・ピサロの《エルミタージュの丘、ポントワーズ》です。1873年頃に描かれた作品です。ピサロは同名の作品が何点か、あります。ピサロは1872年からセーヌ川下流のオワーズ川流域のポントワーズの裏側にあるエルミタージュ地区に住み、80年代まで中心的画題として、その地の風景を描きました。この作品もそのうちのひとつです。ピサロは印象派の画家のなかでは比較的地味な存在ですが、その作品は落ち着いた品格があり、saraiの好きな画家の一人です。

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ポール・セザンヌの《自画像》です。1875年頃に描かれた作品です。ごつごつしたタッチでまったく自分を美化しないところがセザンヌですね。

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ポール・セザンヌの《オーヴェール=シュル=オワーズの首吊りの家》です。1873年頃に描かれた作品です。セザンヌ初期の代表作です。この作品も第1回印象派展に出展されました。後年の作品に比べると、随分、柔らかいタッチで描かれていますが、大胆な画面構成はセザンヌならではのものです。なお、「首吊りの家」という奇妙な名前の家は画面の左上にある家で、一見すると2軒に見えますが、L字型の1軒の家だそうです。後年、このオーヴェール=シュル=オワーズに移り住んで一生を終えたゴッホもこの「首吊りの家」を逆の側から描いています。共通の友人のガシェ医師の示唆によるものかもしれません。この「首吊りの家」は現在でもほぼそのままの姿で残っているそうです。

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ポール・セザンヌの《農家の庭》です。1879年頃に描かれた作品です。一見、何でもない作品に見えますが、なかなか、手強い作品です。まず、その大胆な構図に驚きます。画面の両側が壁で切り取られ、強制的に真ん中の家に視線を集中させられます。そして、中央が葉の落ちた幹だけの木で分断されます。色彩も上から、青、緑、赤、茶、緑のブロックに区切られています。まるで具象的なイメージで描かれた抽象画の体をなしています。セザンヌが印象主義を脱却し、構成主義に移行した頃の作品です。

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カミーユ・ピサロの《赤い屋根、村のはずれの冬の印象》です。1877年頃に描かれた作品です。この作品もさきほどのピサロの作品と同様にポントワーズのエルミタージュ地区の風景を描いたものです。エルミタージュ地区のコート・デ・パブ(牛の丘)で制作しました。画面の手前の果樹園の木がリズミカルな構成で描かれ、その木立の先に並ぶ赤い屋根の家々との対比がとても絶妙です。ピサロの渾身の一作です。

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アルフレッド・シスレーの《ルーヴシエンヌの雪》です。1878年頃に描かれた作品です。いやはや、理屈抜きでとっても美しい作品です。この1枚だけでシスレーを好きになってしまいますね。シスレーは雪景色を多く描きましたが、なかでも彼が好んで描いたのがルーヴシエンヌの雪景色です。この作品は一番、雪深い景色で、雪道の奥にぽつんと黒い人影が見えます。なんとも印象深い作品です。

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こうやって見るとシスレーの絵も印象派としてはモネに並ぶレベルなのが分かります。

まだまだ、印象派の作品群は続きます。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(2)

2015年7月9日木曜日@パリ/12回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

ベルト・モリゾの《ゆりかご》です。1872年頃に描かれた作品です。ベルト・モリゾは印象派を代表する女流画家です。姉エドマと、その2人目の娘ブランシュの姿を女性ならでは優しい目で描いた傑作です。1874年開催の第1回印象派展に出品されました。

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ベルト・モリゾの《蝶々捕り》です。1874年頃に描かれた作品です。1874年、姉エドマの嫁ぎ先のパリ近郊モンクールを訪れて制作しました。捕虫網を持ってこちらに対峙して立つ姉エドマとその娘のブランシュ、ジャンヌをモデルに描いたものです。素晴らしい作品ですね。一見して、モネの作品と誤認するほどの完成度の高いものです。

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ベルト・モリゾの《舞踏会の装いをした若い女性》です。1879年頃に描かれた作品です。舞踏会の華やかさとそれに参加した女性の張りつめた緊張感が伝わってくるような作品です。単なる描写を超えて、空気感までが描き込まれています。印象派の真骨頂ですね。

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このベルト・モリゾはエドゥアール・マネの絵のモデルも務めていました(正確には務めさせられていた?)。
エドゥアール・マネの《すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ》です。1872年頃に描かれた作品です。作品そのものよりもモデルのモリゾの美しさが印象的な作品です。モリゾがモデルになったモネの作品としては、《バルコニー》も有名です。

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ギュスターヴ・カイユボットの《屋根の上の雪、パリ》です。1878年頃に描かれた作品です。裕福な家庭で育ったカイユボットは印象派の画家たちのパトロンとして、印象派絵画をコレクションして、オルセー美術館の印象派コレクションの基盤を作りましたが、近年、画家としての再評価も進んでいます。パリの街の雪の風景を描いたこの作品も見事な出来です。

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クロード・モネの《モントルグイユ街、1878年6月30日の祭日》です。1878年に描かれた作品です。この作品は1878年6月30日、3回目のパリ万博の成功を記念に催された祝祭の喧騒が描かれています。ナポレオン3世による第二帝政は普仏戦争での敗北をもって終焉し、パリ・コミューンの蜂起の後、街の中で市民が集まることが禁止されていたため、久々に行われた、この祭りは大いに盛り上がりました。モネは絵の具箱を抱えてモントルグイユ通りを歩いていましたが、そのとき適当なバルコンを見つけて、そこの階まで上がり、絵を描かせてもらえるように頼み込みました。そこの女主人の許可を得て描いた絵がこの作品です。この6月30日は当時のジュール・デュホール政府が、博覧会開催中のこの日を「平和と労働の日」として祭日と制定しましたが、2年後の1880年の法律によって廃止され、7月14日が新たに祭日と決められました。フランス共和国の成立を祝う日であるパリ祭です。なお、この日、モネは別の場所でも同様の作品《サン=ドニ街、1878年6月30日の祭日》(ルーアン美術館所蔵)を描いています。よほど、モネもこの祝祭に浮き立っていたようです。

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クロード・モネの《サン・ラザール駅》です。1877年に描かれた作品です。有名なサン・ラザール駅の連作7枚のうちの1枚です。この連作を描くためにモネはわざわざ駅の近くにアトリエを借りて、連作を制作しました。もっともお金に困っていたモネがアトリエの費用を負担できるわけはなく、友人のカイユボットに借りてもらったようです。それにしても、この作品は大きな駅の構内と蒸気機関車のもくもくとした煙という、およそ絵の題材になりにくいものを見事に空気感まで描き尽くした大傑作です。当時はまだコンクリート製のプラットホームがありませんでしたが、現在でもほぼ同じ形のサン・ラザール駅を見ることができます。機関車の先の巨大な空間はユーロッパ広場です。この作品は1877年に開催された第3回印象派展に出展されましたが、当時の評判はさんざんだったようです。この作品がいかに先進的な絵だったか、分かりますね。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《女性の肖像、ジョルジュ・アルトマン夫人》です。1874年に描かれた作品です。この女性は、早くからルノワールに目を掛けてくれていたコレクターで音楽編集者のジョルジュ・アルトマンの妻です。豪華なドレスを身にまとった女性を堂々たる姿で描いています。室内の豪華さも目を惹きます。しかし、ルノワールの描く女性はどうして、みんなボリュームたっぷりなんでしょう。豊満さが美をあらわしていたんでしょうか。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《ヴェールをつけた若い女性》です。1875年~1876年に描かれた作品です。後ろ姿が描かれて、横顔が少しだけ見える謎のような絵です。あえて、モデルの顔をはっきりと描かなかったのは何故でしょう? 後ろから描き、さらにヴェールで顔を隠すという念の入れ方です。かえって、この女性への興味がわきますね。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《ジョルジュ・シャルパンティエ夫人》です。1876年~1877年に描かれた作品です。ルノワールはシャルパンティエ家の家族の絵をよく描いています。ジョルジュ・シャルパンティエはフロベール、ドーデ、ゾラなどの作品を出版していたジョルジュ・シャルパンティエ書房を経営する出版業者でした。しかし、これらの作家の作品を出版したために経営的には立ちいかなくなり、破産しました。この作品はシャルパンティエ夫人のブルジョワ階級の豊かさを余すところなく描いています。幸福を描く画家、ルノワールの真髄ですね。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《ブランコ》です。1876年に描かれた作品です。ルノワールの代表作《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》と同時期に描かれた傑作です。当時ルノワールが借りていた家(コルトー街12番地)のブランコのある大きな庭園で過ごす人々を描いた作品で、ブランコに乗る女性は《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》にも登場する若き女優ジャンヌをモデルに描かれたと言われています。木漏れ日を浴びて、幸福感にあふれる光景を描いたこの作品は《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》同様、ルノワールの真骨頂とも言える永遠の名画と言わざるをえませんね。

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まだまだ、印象派の作品群は続きます。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(3)

2015年7月9日木曜日@パリ/13回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

エドガー・ドガの《ダンス教室(バレエの教室)》です。1875年頃に描かれた作品です。ドガが数多く手がけた主題である≪踊り子≫を描いた作品の代表的作品のひとつです。主題の≪踊り子≫は、普仏戦争への従軍の際に寒さで目をやられたための視力の低下や、普仏戦争とその敗戦を機に起こったパリ・コミューンなどの社会的不安を感じたドガが1872年10月から約半年間、アメリカへ旅行した後に描かれるようになった主題です。裕福な家に育ったドガはオペラ座の定期会員の特権として、オペラ座の楽屋や稽古場に自由に立ち入ることが許されていたこともバレエの≪踊り子≫を主題に選んだ理由のひとつだったようです。この作品は、熱心な収集家であったバリトン歌手ジャン・バティスト・フォールの依頼により制作されました。画面中央でバレエ教師ジュール・ペロが指導する踊り子らの日常的な姿や年相応の仕草が描き込まれています。

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ここでちょっと展示室から、テラスに出ます。セーヌ川をはさんで、チュイルリー公園Jardin des Tuileriesの緑とそのずっと先にモンマルトルMontmartreの丘が見えます。

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絵画鑑賞を再開します。

ピエール=オーギュスト・ルノワールの《ジュリー・マネあるいは猫を抱く子供》です。1887年頃に描かれた作品です。ジュリー・マネはエドワ―ル・マネの弟ウ―ジェーヌ・マネと画家ベルト・モリゾとの間の一人娘です。ルノワールは友人夫妻の9歳の娘を温かい目で描いています。ジュリー・マネの子供とは思えない大人びた美しさと笑みを浮かべたような猫の可愛さが印象的です。ベルト・モリゾも娘ジェリーを多く描いています。後にジュリー・マネ自身も画家になりました。

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クロード・モネの《日傘の女(右向き)》と《日傘の女(左向き)》です。1886年頃に描かれた作品です。とっても有名な作品ですね。モネはもう1枚、日傘の女を描いています。ワシントン・ナショナルギャラリー所蔵の《散歩、日傘をさす女》です。それは約10年前の1875年に描かれました。その最初に描かれた絵のモデルは妻のカミーユで顔の表情も描かれています。一方、10年後に描かれた2枚の絵のモデルは再婚する女性アリスの連れ子の娘だと言われており、顔は描かれていません。モネは一体、どんな思いでこの2枚の絵を再び、描いたのでしょうか。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《母性(ルノワール夫人と息子ピエール) 》です。1885年頃に描かれた作品です。当時はまだ恋人であったアリーヌ・シャリゴがルノワールとの間に産んだ息子ピエールに授乳している場面を描いたものです。二人は1890年に正式に結婚します。ルノワールは純朴な田舎娘のアリーヌと都会育ちの知性的なシュザンヌ・ヴァラドンとの間で大きく心が揺れ動いていましたが、結局、アリーヌを選択します。この作品からもルノワールのアリーヌに対する並々ならぬ愛情が見てとれるようですね。

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カミーユ・ピサロの《ルーヴシエンヌの栗林》です。1879年頃に描かれた作品です。シスレーの描いた《ルーヴシエンヌの雪》も素晴らしい絵でしたが、ピサロも同じく、ルーヴシエンヌの雪景色を描いていたんですね。印象派の画家にとって、雪景色は特別の題材だったようです。

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ポール・セザンヌの《カード遊びをする人々》です。1894年~1895年頃に描かれた作品です。とても有名な作品です。この《カード遊びをする人々》は同名の絵が5枚あり、画面構成はほとんど同じですが、5人、4人、2人が画面に登場する3つのバージョンあります。2人が登場するバージョンが3枚ありますが、このオルセー美術館の所蔵する作品が一番、有名です。なお、5人のバージョンはバーンズ財団(フィラデルフィア)所蔵、4人のバージョンはメトロポリタン美術館所蔵、2人のバージョンはオルセー美術館のほか、コートールド・ギャラリー(ロンドン)所蔵と個人所蔵です。個人所蔵はカタールの王族が2011年に購入したもので、その購入金額はなんと推定で2億5千万ドルから3億2千万ドルという記録的な金額だったそうです。芸術の価値はお金では決められませんが、途方もなく、人気が高い作品であることが分かります。
この作品では煙管をくゆらせてカード遊びをするプロヴァンスの農民たちが描かれています。登場人物はすべて男性で顔をうつむけてカード遊びに熱中しています。このスタイルは17世紀のオランダとフランスの風俗画を翻案したものですが、セザンヌ流に簡素化された画面になっていて、一種の渇いた空気が漂い、ハードボイルド風とでも言うような作品に仕上がっています。

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ポール・セザンヌの《サント=ヴィクトワール山》です。1890年頃に描かれた作品です。あまりに有名な作品ですね。セザンヌはこの故郷の山を取りつかれたように描き続けました。油絵、水彩、素描で数十点が描かれているそうです。セザンヌがこんなに入れ込んだ山って、どんな山なんだろうと以前、saraiも気になって、気になって、遂に見に行ってしまいました。確かに存在感のある山でした。そのときの記事はここここここです。このサント=ヴィクトワール山を見るためにマルセイユからエクス・アン・プロヴァンスまで遠征したんです。
ともあれ、この作品の素晴らしいこと、この上なしです。手前に木を配置した構図は日本の浮世絵の影響だと言われていますね。でも主役のサント=ヴィクトワール山の色彩ブロックでごつごつと描かれた存在感は凄い重量感で迫ってきます。マッシブって感じです。実際にこの目で見たサント=ヴィクトワール山もまったく同じ印象でした。セザンヌの底知れぬ画力の凄さに驚嘆するばかりです。

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セザンヌの作品がまだ続きますが、いったん、今日はこの驚異的な作品でブログを終えましょう。セザンヌの作品群の素晴らしさにも魅了されるばかりです。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(4)

2015年7月9日木曜日@パリ/14回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

ポール・セザンヌの《たまねぎのある静物》です。1895年頃に描かれた作品です。セザンヌのお得意の静物画です。でも、やっぱり、たまねぎの質感はもうひとつに感じます。やはり、りんごとかの果物の静物画のほうがいいですね。

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ポール・セザンヌの《坐る農夫》です。1900年~1904年頃に描かれた作品です。saraiは昔はセザンヌが苦手だったんです。最近は《サント=ヴィクトワール山》とか、静物画とかを見るといいなあと思うようになりましたが、こういうクールな人物画はあまりに地味過ぎて、とっかかりようがありません。肖像画の名人のように人物の内面に迫ろうとしているわけではないし、どう鑑賞したらよいのか、途方にくれます。とは言え、何となく、セザンヌらしい雰囲気は嫌いではありませんけどね。

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ポール・セザンヌの《レスタックから望むマルセイユ湾》です。1878年~1879年頃に描かれた作品です。比較的、初期の作品です。この作品も一見、単なる風景画のように見えますが、そこはセザンヌ。近景と遠景の描き分けが気になります。昔風に言えば、空気遠近法・色彩遠近法ということになるのでしょうが、ある意味、それを悪用して、遠景の質感を見事に描き出しています。この後に描くことになるサント=ヴィクトワール山のような雰囲気です。近景の南フランスの漁村、レスタックはきっちりと描いているように見えますが、セザンヌの対象への思い入れはあくまでも遠景のマルセイユ湾にあります。色彩を抑えた灰色のブロックでごつごつした質感を出して、マルセイユ湾の山々の存在感を浮き彫りにしています。この絵が描かれた当時は、セザンヌの意図は受け入れられたんでしょうか?

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ポール・セザンヌの《水浴の男たち》です。1890年~1892年頃に描かれた作品です。この水浴という主題もセザンヌが度々取り上げたものです。この作品はその水浴を主題とした一連の作品のひとつの到達点とみなされています。注目すべきはまず構図です。中央の直立する2人の男性と左右の端の体を中央の方に傾けた男性、そして、中央の不自然なほどに直立した樹木によって、全体の3角形の構図が作り上げられています。それはこの画面に安定感をもたらすものです。また、中央の2人の裸の男性の盛り上がった筋肉は古典的な彫像を連想させます。実際、セザンヌはルーヴル美術館での古代彫刻のデッサンをもとに裸の男性の筋肉隆々とした肉体を描いたそうです。これによって、この作品にモニュメンタルなイメージを盛り込んでいます。神聖な雰囲気とまで言えば、言い過ぎでしょうか。セザンヌの並々ならぬ意欲が見てとれる作品に仕上がったいますね。

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ポール・セザンヌの《台所のテーブル(生姜壷のある静物、籠のある静物)》です。1888年~1890年頃に描かれた作品です。またまた、セザンヌのお得意の静物画です。これはさきほどの静物画と違って、とっても分かりやすい作品です。セザンヌの静物画の代表作と言っても差し支えないでしょう。果物の質感、多視点で構成された画面の完成度、どこをとっても傑作の誉れです。絵画の美を表現するためには、いかなる不自然さも許容してしまう勇気と自由奔放さ。これこそ、来るべき20世紀絵画への道を指し示したともいえるエポックメーキングな作品です。

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ポール・セザンヌの《モデルヌ・オランピア(近代のオランピア、新オランピア)》です。1873年~1874年頃に描かれた作品です。この作品は、1865年のサロンに出品されたマネの《オランピア》をうけて、セザンヌが制作した作品です。題名の“モデルヌ”は近代の、とか、最新の、という意味で、マネが物議を醸してでも描いた、それまでの美術のお約束事であった、女性の裸体画は神話の世界の女神に限るということを打破した室内の娼婦の裸体を描くということを、さらに推し進めて、印象派の技法で描き出すということを目指したものです。ただし、saraiの目には、残念ながら、この作品はセザンヌの美的傾向からは外れた作品にしか思えません。まあ、初期の作品ですから、若気の至りっていうところでしょうか。

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ポール・セザンヌの《女とコーヒーポット(婦人とコーヒー沸かし)》です。1890年~1895年頃に描かれた作品です。セザンヌのエクス・アン・プロヴァンスの邸宅(父ルイ=オーギュスト・セザンヌが購入した家)で働いていた家政婦を描いたものです。いわゆる労働者階級を描いたものですが、なかなか威厳に満ちた姿に描いています。セザンヌのこの女性に対する畏敬の念の現れと見るべきでしょう。まるで画家自身の妻を描くようなまなざしに思われます。例によって、女性の内面に迫るアプローチではなく、画面構成や色彩感、質感にこだわった、静物画的なアプローチに思えます。ただ、即物的なクールさだけでなく、人間的な温か味も感じられる作品ではあります。

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今回は前回に引き続き、セザンヌの傑作群をご紹介しました。

セザンヌはある意味、印象派を突き抜けた存在ではありますが、まだまだ、印象派の作品群は続きます。



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ブルックナー:交響曲第5番を美演・・・東京都交響楽団@サントリーホール 2017.01.10

今日の都響のブルックナーの演奏の美しさったら、表現するのが難しいくらいです。そもそも、音楽を言葉で表現するのは難しいことですが、特に純音楽的な場合はことさらです。神に音楽を捧げるために音楽美を追求したようなブルックナーの音楽の場合、その演奏が素晴らしければ素晴らしいほど、言えることはただ“美しい”の一語になってしまいます。今日の場合がそうでした。都響って、こんなにうまかったっけと驚嘆するほどの素晴らしい響き。特に第2楽章の天国的な美しさ。そして、極め付きは終楽章の対位法的な展開部の極めて美しい演奏。響きの美しさだけをとれば、インバルが指揮したときのマーラーも上回るかもしれません。今日指揮した小泉和裕の力量のほどを見直さざるを得ません。音楽的な内容について言えば、まあ、自然な表現だったのではないでしょうか。この作品に関しては、それでいいのだと思います。これだけの素晴らしい響きで演奏することのほうが重要だったでしょう。
これ以上はsaraiの音楽力では書けそうにありません。“美しい”の一語です。

予習ですが、以下の名盤を聴いて、万全の準備をしました。

 セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル 1993年録音 ライブ
 ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団  1995年録音 ライブ
 ギュンター・ヴァント指揮ミュンヘン・フィル  1995年録音 ライブ
 オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1964年録音 オットーボイレン修道院における記念ライヴ
 ベルナルト・ハイティンク指揮ウィーン・フィル 1988年録音

実は大本命の

 オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1986年録音

はあえて聴いていません。楽しみにとってあるんです。それに以下のCDも今回は聴けませんでした。

 ベルナルト・ハイティンク指揮バイエルン放送交響楽団 2010年録音
 セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル 1986年録音 東京ライブ
 ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘン・フィル  1975年録音
 フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1961年録音
 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィル 1956年録音
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル 1951年録音 ザルツブルク音楽祭ライヴ

さすがに名盤が目白押しですね。
今回予習したCDもすべてが素晴らしい演奏でした。名うてのブルックナー指揮者揃いですからね。なかでも一押しはチェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルです。いつもながら、その精密極まりない超美しい演奏には驚嘆するばかりです。ライブとは信じられませんが、拍手が入っているので間違いなくライブです。また、ヴァント指揮のミュンヘン・フィルもチェリビダッケのような精密さはありませんが、別の意味でブルックナーを極めた演奏です。北ドイツ放送交響楽団のライブも同様に素晴らしい演奏です。ハイティンク指揮ウィーン・フィルも美しい演奏ですが、ハイティンクに関しては、最新のバイエルン放送交響楽団を聴かないといけませんね。ヨッフムも美しい演奏ですが、大本命の新しく出るヨッフム&コンセルトヘボウ管弦楽団のブルックナー交響曲選集(新リマスタリング)を入手して聴く予定です。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:小泉和裕
  管弦楽:東京都交響楽団

  ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調 WAB105(ノヴァーク版)

予習も楽しかったし、本番も素晴らしい演奏で満足しました。指揮者コールまで起こるような会場の盛り上がりでした。
これで今年の9月までは都響のサントリーホール公演はお休みになります。再開が待ち通しいですね。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(5)

2015年7月9日木曜日@パリ/15回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

クロード・モネの《ロンドンの国会議事堂、霧を貫く陽光》です。1904年頃に描かれた作品です。ロンドンとテムズ川の風景の連作の中の一枚です。モネがターナーの茫洋たる作品を継承・発展させたことを思い起こさせる作品です。第1回印象派展に出展した《印象・日の出》でも既にターナーの影響を感じさせられましたが、この作品はそのものズバリという感じです。霧の空気感、その中に赤く浮かび上がる陽光、まさにこれこそ傑作です。

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クロード・モネの《ルーアン大聖堂 グレーの時》です。1892年頃に描かれた作品です。ルーアン大聖堂の連作の中の一枚です。モネは全部で33点ものルーアン大聖堂の作品を描きましたが、ほとんどすべて、大聖堂のファサードを斜めから眺めた同じような構図で描いています。違いはファサードを照らす光が朝の光であったり、夕方の光であったり、曇りの光であったりします。この作品はオルセー美術館が所蔵する4枚のうち、曇り日の弱い光を受けた大聖堂が描かれたものです。まるでモノクロのような色彩ですが、かえって、大聖堂の壁の石の質感が感じられます。そして、入口の木の扉の茶色だけが印象的です。木の質感を出すために泡立てた絵具で描いたそうです。モネの執念のようなものがこもった作品です。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《椅子に座る娘》です。1908年~1909年頃に描かれた作品です。ルノワールの手にかかると、すべての女性が輝いて見えますが、特に少女の可愛さは最高です。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《大きな裸婦》です。1907年頃に描かれた作品です。ルノワールのお得意でもあり、終生のテーマでもあった裸婦像です。この古典的とも思える構図はルノワールが数年前から描き続けたものですが、この作品はその集大成とも言える傑作です。古典の構図を借りて、ルノワールが彼の特有、そして理想とする女性像を描き出しています。その姿はどこまでも柔和さを醸し出しています。女性の肌の柔らかな質感はルノワールならではのものです。この作品が発表された当時は批評家からアングルとの関連を指摘されたそうですが、新古典主義のアングルの精密で完璧とも言える裸婦とはまったく方向性が違い、ある意味、どこにでもいるような現実の女性の美しい姿が描かれているのがルノワールの素晴らしいところですね。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《後ろ姿の横たわる裸婦》です。1909年頃に描かれた作品です。ルノワールは終生のテーマ、裸婦像にこだわり続け、様々な構図にチャレンジします。この作品はスペインの巨匠ディエゴ・ベラスケスが描いた唯一の裸体画『鏡を見るヴィーナス(ロークビーのヴィーナス)』(ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵)をもとにしたと言われています。ちなみにベラスケスは厳しいカトリックの影響下にあったスペインでは禁断とされていた裸体画を描いたことで窮地に陥ったそうです。そのおよそ250年後に描かれたのが本作ですが、何を描いても自由な時代、正直、後ろ姿では物足りませんね。肌の柔らかい質感は素晴らしいのですが、顔がないのは何とも残念です。

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このあたりで印象派の展示を見終わります。さすがにオルセー美術館の印象派作品の充実度は並外れています。そして、リニューアルされたことで作品が明るくて、見やすくなりました。壁面の抑えた色調も効果的です。大変、満足しました。オープンなレストランコーナーもありますが、これから帰国するので、魅力的ではありますが、パスします。

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最後の仕上げに一番下の0階に下ります。そこで象徴派のギュスターヴ・モローの傑作群に再会しますが、それは次回にご紹介します。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(6)

2015年7月9日木曜日@パリ/16回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

最後の仕上げに場所を0階に移します。そこで楽しみなのは象徴派のギュスターヴ・モローの傑作群です。

ギュスターヴ・モローの《イアソン》です。1865年頃に描かれた作品です。ギュスターヴ・モローの初期の作品ですが、何と言う完成度の高さでしょう! この作品は1865年にサロン出品されメダルを獲得しました。作品の主題は、イオルコスの王子イアソンが怪物を退治して、黄金の羊の毛皮を手に入れる神話物語を描いたものです。王子イアソンは叔父ペリアースからイオルコスの王位を取り戻すために、黒海の果てコルキスにあるという伝説の黄金の羊の毛皮を持ち帰る冒険の旅に出発します。その遠征のために巨大なアルゴー船を建造し、乗組員として、ヘラクレス、双子のカストールとポリュデウケースたちを集めます。この一行はアルゴナウタイと呼ばれ、アルゴナウタイの冒険が始まります。紆余曲折して、コルキスに到着しますが、コルキスのアイエテス王は宝物である黄金の羊の毛皮を渡さないように画策します。ところがアイエテス王の娘のメディア王女は王子イアソンに強い恋心を抱き、黄金の羊の毛皮を守る怪物を眠り薬で眠らせて、王子イアソンは首尾よく怪物(伝説上では龍とされる怪物は本作では鷲の上半身と獅子の下半身をもつグリフォンの姿で描かれています)を退治して、黄金の羊の毛皮を手に入れます。その場面がここに描かれています。王子イアソンは高々と右手を上げて、勝利を宣言しています。足で怪物を踏みつけて、後ろにメディア王女が寄り添っています。まさに神々しいシーンが見事に描かれています。しかし、それで終わらないのがモローの凄いところです。この場面をよく見ると、王子イアソンは英雄らしくなくて、単なる色男のように描かれています。そして、後ろのメディア王女の妖しい視線がこの絵画の最大の見ものになっています。この怪物退治は実はメディア王女の魔力によるものであったこと、そして、この後の二人の運命さえも暗示しています。メディア王女の過剰な恋心と魔力で王子イアソンは破局に至ります。それは古代ギリシア三大悲劇詩人の一人エウリピデスによる戯曲《メディア》で描かれています。オペラの題材にもなっていますね。
それにしてもとても美しい絵画です。saraiもメディア王女の妖しい魔力の虜になってしまいそうです。

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ギュスターヴ・モローの《ヘシオドスとミューズ》です。1891年頃に描かれた作品です。ギリシャの吟遊詩人ヘシオドスがボイオーティアの寒村アスクラの東にあるヘリコーン山を訪れたときに、芸術家に霊感(インスピレーション)を与える女神ミューズによって、突然、詩人としての才能がヘシオドスに与えられた瞬間を描き出しています。何と表現してよいか分からないほどに超絶的に美しい絵画です。幻想的でありながら、細部まで綿密に描き込まれた驚異的な作品です。モローの想像力と創造力に舌を巻くしかありません。モローこそ、女神ミューズによって、霊感を与えられたのではないでしょうか。

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ギュスターヴ・モローの《ガラテイア(ガラテア)》です。1880年頃に描かれた作品です。古代ローマの詩人オウィディウスの最も有名な著書「変身物語(転身物語)」に基づいて制作された作品です。モローが参加した最後の1880年のサロンへ出品され、モローが審査員を務めた1889年の万国博覧会へも出品されました。巨人族キュクロプスの中で特に粗暴で知られる一つ目の巨人ポリュペモスが、海神ネレウスの娘の中のひとりで、水晶より輝き白鳥の綿毛より柔らかいと称された美しい海のニンフ「ガラテイア(ガラテア)」を見初める場面が描かれています。いやはや、ガラテアが本当に輝くように美しく描き出されていることに驚きを禁じえません。絵画でこんな表現が可能なものか、我が目を疑うような気持になります。そして、モローの偉大な知性を尊敬するばかりです。

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ギュスターヴ・モローの《シクストゥス5世の少年時代》です。1853年~1854年頃に描かれた作品です。ごくごく初期の作品です。この頃はドラクロアの影響を受けていました。後のモローの萌芽も見えますが、まだまだ、象徴派としての道は遠いですね。2009年にオルセー美術館に購入された作品のようです。

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ギュスターヴ・モローの《エウロペの略奪》です。1869年頃に描かれた作品です。モロー初期の作品です。作品の主題は、フェニキアの都市テュロスの王アゲノルの娘エウロペが侍女らと海辺で戯れる姿を見て、エウロペを見初めた主神ユピテルが、白く優美な雄牛に姿を変えてエウロペに近づき、心を許したエウロペが雄牛の背中に乗ると、雄牛(主神ユピテル)が駆け出し、そのまま海を渡りクレタ島へと連れ去ってしまったという神話の物語によっています。

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ギュスターヴ・モローの《ゴルゴタの丘》です。1867年頃に描かれた作品です。モロー初期の作品です。キリストが十字架にかけられるという、珍しく宗教的な題材です。

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象徴派のギュスターヴ・モローの完成作品のあまりの素晴らしさに驚天動地。ここまで描くかという超精密さで彼の内面世界(心象風景)をきらびやかに表現しています。
ギュスターヴ・モロー美術館には膨大な未完成作品が展示されていますが、あれらがすべて完成されていたたら、凄かったでしょうね。

0階での鑑賞はまだまだ続きます。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(7)

2015年7月9日木曜日@パリ/17回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

0階で象徴派のギュスターヴ・モローの傑作群を鑑賞し、続いて、0階の他の画家の作品の鑑賞に移ります。一連のピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの作品群を鑑賞します。充実のコレクションです。

ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《希望》です。1871年頃に描かれた作品です。シャヴァンヌは無理に分類すると象徴派ということになるのだそうですが、モローとはまったく肌合いが異なります。幻想的ではありますが、とてもロマンティックな雰囲気を湛えています。少女が左手に持っているのはオリーブの枝でしょうか。普仏戦争の後、平和への希望をイメージしているのでしょうか。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《若い母》です。1887年頃に描かれた作品です。聖母子と聖ヨハネをシャヴァンヌ風にイメージした作品なのでしょうか。静かで安らぎに満ちた雰囲気が画面に漂っています。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《夢》です。1883年頃に描かれた作品です。この作品は1883年のサロンに出品されており、作者自身は作品の主題について「彼は夢のなかで愛と栄光と富が現れるのを見る」と説明しています。画面には松の根元に旅人が体を横たえて、夢を見ているようです。空を飛んでいる3人の精霊はそれぞれ、薔薇を差しだしている「愛」、月桂冠を掲げている「栄光」、金貨を蒔いている「富」を象徴していると思われます。旅人はこのなかのいずれを望んでいるのでしょうか。人生の究極の選択をロマンティックな雰囲気で描き上げています。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《化粧》です。1883年頃に描かれた作品です。この作品はあたかも印象派でもあるかのような寝室での光景が描かれていますが、画風はあくまでもシャヴァンヌ風です。まるで古典的な絵画であるような雰囲気です。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《瞑想》(左)、《物語》(中央)、《警戒、監視》(右)です。1866年頃に描かれた作品です。これらは連作なんでしょうか。特に両脇の女性を描いた作品はギリシャかローマの古典彫刻でも目指したような方向性がうかがえます。シャヴァンヌの絵画に込めた思いが詰まった作品なのでしょう。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《気球》です。1870年に描かれた作品です。1870年の普仏戦争でパリが包囲されている時に描いた作品ですが、この作品でシャヴァンヌは黒衣の女性がマスコット銃を右手に支え、左手で便りを託した気球を見送っているシーンを描きました。ナポレオン3世が起こした無謀な戦争の悲惨な結果に多くのパリ市民同様にシャヴァンヌも深い挫折感を抱いたか、あるいは愛国心を刺激されたか、かなり、思い入れのある作品だったようです。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《鳩》です。1871年に描かれた作品です。《気球》と対になる作品です。同じ黒衣の女性が今度は敵が放った鷹から鳩を胸に抱いて守っています。背景は雪に埋もれたシテ島です。最初にご紹介した《希望》もどうやら、同じテーマの連作なんですね。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《海辺の娘たち》です。1879年に描かれた作品です。この作品で、ようやくシャヴァンヌは彼の描きたかった理想郷を描き出せたようですね。それは古典中の古典、ヴィーナスの世界、パラダイスを具現化することです。世の中はもはや、印象派の画家たちが席捲しようとしていたわけですが、シャヴァンヌは壁画作家として、古典の中に彼の美の理想を見出していたんでしょう。芸術家は己の信じる道を進むしかありませんからね。まあ、それにしても、大変、美しい絵画です。生まれる時代が違っていれば、彼ももっともっと評価の高い画家であったかもしれません。

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シャヴァンヌの作品のコレクションは大変、素晴らしく、美しさの限りを尽くした作品が並んでいました。芸術性の観点では賛否両論あるでしょうが、とりあえず、美しければ、いいんじゃないでしょうか。saraiの目は楽しめました。以前、日本で開催されたシャヴァンヌ展@Bunkamuraザ・ミュージアム(2014年)は残念な内容にがっかりしましたが、さすがにオルセー美術館には傑作が揃っていますね。

0階での鑑賞はまだ続きます。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(8)

2015年7月9日木曜日@パリ/18回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

0階での鑑賞を続けます。

エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズの《王女サブラ》です。1865年頃に描かれた作品です。この頃のバーン=ジョーンズはラファエル前派に心酔しており、この作品もロセッティの絵画を思わせる雰囲気です。この作品で描かれている庭園で読書してる王女サブラは聖ゲオルギウスの有名な竜退治で救われる女性です。バーン=ジョーンズは友人たちと訪れたイタリアで15世紀イタリア絵画に関心を抱きました。中でもヴェネツィア派の画家カルパッチョの《聖ゲオルギウスと龍》から大きな影響を受け、その主題に基づく連作絵画《聖ゲオルギウス》を制作しました。この作品はその7枚の連作絵画の1番目になるものです。バーン=ジョーンズが描く女性はとても美しいですね。ロセッティに肉薄するほどの素晴らしさです。

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エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズの《運命の女神の車輪》です。1877年~1883年頃に描かれた作品です。連作「運命の車輪」の4枚の絵画のうちの1番目のものになります。この1番目の《運命の女神の車輪》にはバーン=ジョーンズは思い入れが強かったようで、ほとんど同じ構図で7枚も描いています。オルセー美術館の作品はそのうちの6番目の作品のようです。さて、この作品の主題の「運命の車輪」というのは、ローマ神話の運命の女神フォルトゥーナFortunaが司る運命の車輪のことで、人々の運命を決めると言われています。saraiはすぐ音楽のことを連想してしまいますが、カール・オルフ作曲の世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》の冒頭とフィナーレの有名な合唱が「おお、運命の女神よ」で、この運命の女神フォルトゥーナを主題としていますね。この作品は先ほど鑑賞したシャヴァンヌとはまた異なる画風で古典彫刻を思わせるものです。このバーン=ジョーンズも時代の趨勢を超越した絵画作品を残しましたが、最近、再評価されているようです。何と言っても作品が美しいですからね。芸術の根本は“美”であると信じています。

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モーリス・ドニの《ミューズたち》です。1893年頃に描かれた作品です。ドニは1890年にボナール、ヴュイヤールらとナビ派を結成します。ナビと言うのは、ヘブライ語で預言者のことで、絵画の世界で新しい表現を目指すという心意気をあらわすものだったそうです。同時にドニは1890年に発表した絵画理論の中で、「絵画は、本質的に、ある順序で集められた色彩で覆われた平坦な表面である」という有名な言葉を残しています。まさにその頃に描かれたのがこの作品です。平坦な表現でパステル画のような色調で輪郭線を強調した独特の画面を構成しています。画面には、9人のミューズたちが描かれていますが、決して、神話の世界の雰囲気ではなく、まるで現実の風景であるかのように描かれています。その独特の色彩感とデフォルメされた人物や木々は見る者の視線を捉えて離しません。saraiもこの作品の前にじっと立ち尽くしてしまいました。ところで何となく、ミューズたちがみな同じような印象を受けると思ったら、すべてモデルは妻マルタだったようです。画家の妻たちはみなモデルでもありますね。

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モーリス・ドニの《9月の夕べ》です。1891年頃に描かれた作品です。この作品も《ミューズたち》同様にドニの絵画理論通りに描かれています。画面全体が装飾的に構成されています。もう少しでマティスの世界が始まりそうな気配すら感じてしまいます。

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モーリス・ドニの《10月の夕べ》です。1891年頃に描かれた作品です。《9月の夕べ》と連作なのでしょうか。似たようなイメージではありますが、それぞれ独自の美しさに包まれていて、1枚1枚、見入ってしまいます。

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オルセー美術館には、モーリス・ドニの珠玉の作品が並んでいます。もっとほかの作品も見たくなります。ドニの魅力にはまってしまいそうです。

0階で鑑賞すべき作品はもう残り少なくなってきました。ロートレックとミレーくらいはさっと見ておきましょう。



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最後のパリ散策:オルセー美術館(9)

2015年7月9日木曜日@パリ/19回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

0階での鑑賞を続けます。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの《踊るジャンヌ・アヴリル》です。1892年頃に描かれた作品です。ロートレックは1891年にムーラン・ルージュのために描いた最初のポスターが評判になりました。当時、ムーラン・ルージュのスターであったジャンヌ・アヴリルを描いたのがこの作品です。活き活きとした動きが描き込まれています。

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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの《手袋の女(オノリーヌ・プラツェル嬢)》です。1891年頃に描かれた作品です。ロートレックの素早い絵筆のタッチの見事さが印象的です。

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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの《ムーラン・ルージュのダンス》です。1895年頃に描かれた作品です。ムーラン・ルージュのダンス風景がささっと描かれています。

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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの《ムーア人のダンス》です。1895年頃に描かれた作品です。これも《ムーラン・ルージュのダンス》と対になる作品ですね。

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アモーリ=デュヴァルの《ロインズ夫人》です。1862年頃に描かれた作品です。0階に展示されている絵を見ているときにふっと、この絵が目に入りました。どきっとするような美しい女性が黒いドレスを身にまとって、こちらを見つめています。画家の名前も知らないし、この絵も初めて見ますが、とても通り過ぎるわけにはいかない雰囲気を湛えています。絵のモデルになっているロインズ伯爵夫人はこの絵が描かれたときには、まだ、単なるジャンヌだったそうです。ランス出身の労働者階級の両親を持つ彼女はその類稀なる美しさで第2帝政時代の社交界でのしあがったそうです。彼女の眼差しの強さはいかにもファム・ファタール(運命の女)を感じさせますね。しかし、悪女と言うには、あまりに美し過ぎます。

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オルセー美術館でミレーの絵を見ないわけにはいかないので、ミレーの絵を探します。目立たない場所に展示されていました。

ジャン=フランソワ・ミレーの《落穂拾い》です。1857年頃に描かれた作品です。農民画の画家ミレー屈指の名作です。何の説明もいらないでしょう。

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ジャン=フランソワ・ミレーの《晩鐘》です。1855年~1857年頃に描かれた作品です。これも何の説明もいらないでしょう。

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ジャン=フランソワ・ミレーの絵がこんなに無造作に展示されています。さすがにオルセー美術館というか、あるいはもっと、ちゃんと展示してよって感じも無きにしもあらずです。

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ジャン=フランソワ・ミレーの《羊飼いの少女》です。1864年頃に描かれた作品です。saraiが学生時代に初めて、本物の油絵を見た、思い出の絵です。田舎出身のsaraiが本物の油絵を見て、感動したというか、びっくり仰天したことを覚えています。それまで教科書の小さな印刷写真しか見ていなかったのですが、本物のあまりにも素晴らしい輝きに満ちた神々しさにただただ、呆然としてしまいました。もう、あれから50年近く経ちます。

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オルセー美術館の最後のシメはこの絵しかありません。アングルの不朽の名作です。

ドミニク・アングルの《泉》です。1820年~1856年頃に描かれた作品です。新古典派の巨匠アングルがフィレンツェ時代の1820年頃にこの作品の制作を開始しましたが、完成させたのは76歳になった1856年のことでした。天才画家アングルが一生をかけて描き上げた超傑作です。これも本物を見ないと、その凄さが分かりませんね。

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これでオルセー美術館での鑑賞は完了です。1時間半ほどで特急で好きな作品だけをピックアップして、楽しみました。ところで、皆が絵画を楽しむようになるのはよいことだと思いますが、テーマパークに来たような感じで若者が寛いでいるのには、ちょっと違和感を感じます。そのようなコンセプトにしたのでしょうか。印象派の陳列の仕方も、テーマ別にいろんな人を取り混ぜて展示しているので、見づらいと言えば見づらいです。配偶者の感想は、こんなに混ぜこぜにすると、印象派ってみんな同じなのかな~なんて思ったそうです。そんなこんなで、ちょっと、オルセー美術館から気持ちが離れたという感もなくはないです。もちろん、素晴らしい作品があった事実は間違いないんですけどね・・・。



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旅はグランド・フィナーレ

2015年7月9日木曜日@パリ/20回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の鑑賞を終えました。最後にオルセー美術館のかまぼこ型の巨大な空間を眺めます。確かに元駅舎の雰囲気が残っています。駅舎を美術館にリニューアルするなんて、フランス人の考えることは凄いですね。

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オルセー美術館の外に出ます。まだ、明るく青空が広がっています。これでも、もう夜の8時近いんです。美術館の前の広場には大きな動物の彫像が並んでいます。特に犀の彫像は素晴らしいものです。

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この時間になっても美術館の入口には大行列ができています。今日は木曜日で夜間鑑賞の日。9時45分まで鑑賞できますから、まだ、たっぷり2時間ほどは見ることができます。さすがにパリは美術の都です。

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この大行列を横目に見ながら、美術館を離れます。

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オルセー美術館の建物は夕日に輝いています。

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メトロに乗って、パリ北駅に移動します。北駅で荷物をピックアップして、空港へ向かいましょう。北駅の荷物預かり所には今度は迷わずに直行。こんな時間には閑散としています。

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ロッカーがずらっと並ぶ中、一番奥のほうにあるロッカーに荷物を入れてあります。ロッカーの差し込み口にレシートを入れると、バンと扉が開いて、荷物とご対面です。荷物を持って、空港行きの電車に向かいます。空港行きのチケットは一人10ユーロとなかなか高額です。

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シャルル・ド・ゴール空港に向かう電車は空いています。北駅からは空港までノンストップのせいなのか、チケットが高額だからなのでしょうか。空港に到着。さっさと荷物を預けて、お茶でもしましょう。が、荷物を預ける列がとんでもない大行列。不安になって、saraiが係の人に聞きに行きますが、その列に並んでくれとのこと。それなりに前に進むのですが、並んでいる人が多いだけに一向に自分の番になりません。ようやく先頭近くになって、ようやく理由が分かりました。荷物をドロップオフするのは、セルフ・サービスのようです。順番が回ってくると、搭乗券を機械にかざして、荷物預けのシールを印刷して、かばんに取り付けます。それから、荷物預けのカウンターに行き、ベルトにかばんを自分で乗っけます。重量が大丈夫なら、そのまま奥に押し込みます。すると、荷物が流れていきます。

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さようなら~と手を振っている人もいます。確かに、いつも航空会社の人がやっていることそのまま自分でやるだけですし、特に難しいことはありません。でも、戸惑いはあるので、さっさとは進みません。荷物の数が多い人や重量オーバーなどのイレギュラーの人は大変そうです。客の教育期間中なのか、職員はたくさんいて、しっかりサポートはしてくれますが、いかんせん時間はかかります。なんでWEBチェックインしたのか分からなくなります。普通はWEBチェックインしていれば、荷物のドロップオフは簡単に終わる筈です。前日、ホテルのスタッフにお願いして、WEBチェックインのボーディングパスを折角印刷してもらったのに、あんまり、役に立たなかったみたいです。

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荷物の預けが終わると、自動的に出国審査の列が始まります。これはさすがに係員がいますが、彼らもうんざりしています。この時間に乗客が集中していたのかも知れません。空港内はこんなに大勢の人でごったがえしています。

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手荷物検査も大行列。これも自分で通します。問題があると係官が寄ってきます。配偶者はボディチェックをされました。配偶者は心の中で、なんにもないよっ!って叫んでいるようです。超余裕の時間に空港に行ったのに、搭乗ゲートに着いたときには既に搭乗が始まっています。空港に着いてから2時間近く立ちっぱなしです。そのまま搭乗の列に並び、あれよあれよと言う間に機内へ。トイレへ行くのも忘れてました。今回のエール・フランスは確かに運賃が安かったのですが、すべてが効率化、オプション化でLCCみたいになっています。これじゃ、リピーターになる気にはなれませんね。少々高くてもANAのサービスが素晴らしいと思えてしまいます。ただ、エール・フランスはシステムが悪いだけで、スタッフの人たちの対応がよかったのには救われました。

飛行機が飛び立つと、まずは機内食をいただきます。ポークカレーと鶏肉のソテーです。あんまり、味は覚えていません。

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羽田までは機内食を食べた後はぐっすり。朝食で起こされるまで眠りこけていました。羽田には何と予定よりも40分も早い到着。3週間ぶりに日本ということで、配偶者の強い提案で4階の江戸小町でお蕎麦を美味しく食べて、旅の成功を祝いました。

無事、帰国し、懐かしの我が家でゆったりというよりもぐったりしています。やはり、3週間の旅は疲れました。

これで旅はグランド・フィナーレです。



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フランス/ノートルダム大聖堂・チロル・ザルツブルグ音楽祭の旅を開始

2016年7月20日水曜日~8月8日月曜日@フランス~スイス~チロル~ザルツブルク

昨年、2016年のヨーロッパの旅の詳細編を開始します。既に半年ほど経過していますが、新たな気持ちで書き進めます。よろしくお付き合いください。

今回の旅のテーマは何と言っても初めてのザルツブルク音楽祭に行くことです。まあ、それだけだと何なので、前半は音楽に関係のない旅を楽しみます。その旅のテーマはフランスのノートルダム大聖堂巡り。大聖堂巡りの後はフランスからザルツブルクに移動する途中でチロル地方に寄って、山とハイキングを楽しみます。

まずは旅のルートを地図で確認しておきましょう。

羽田空港から出発して、まずはパリに到着。
パリを起点に、シャルトル大聖堂、ルーアン大聖堂、ル・アーヴルの港、ランス大聖堂、シャンパーニュ地方のノートルダム教会、アミアン大聖堂を巡ります。。
次にリヨンに移動し、ル・ピュイのノートルダム大聖堂、ノートルダム大聖堂(フルヴィエール)を周ります。
スイスのジュネーヴで街歩きとグルメ。
次は鉄道でスイスを突っ切って、ブレゲンツに移動し、ブレゲンツ音楽祭を楽しみます。
チロルではザンクト・アントン、イェンバッハ、マイヤーホーフェンでちょっとしたハイキングを楽しみます。
最後はザルツブルグ音楽祭で音楽三昧。
ウィーンから直行便で成田空港に戻ります。

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具体的な日程は以下の20日間の旅になります。パリ4泊、リヨン1泊、ジュネーヴ1泊、ブレゲンツ1泊、ザンクト・アントン1泊、イェンバッハ2泊、ザルツブルグ8泊です。

1日目はパリ到着後、パリ宿泊。

2~6日目はノートルダム大聖堂巡り。パリ宿泊、リヨン宿泊、ジュネーヴ宿泊。
 
 7月21日 シャルトル大聖堂を訪問。パリのノートルダム大聖堂では鐘楼に上ってみます。
 7月22日 ルーアン大聖堂を訪問。ル・アーヴルまで足を延ばし、モネの風景を眺めます。
 7月23日 ランス大聖堂を訪問。シャンパンと美食を楽しみ、シャロン=アン=シャンパーニュでノートルダム大寺院(レピーヌ)とノートル・ダム・アン・ヴォー教会を訪問。
 7月24日 アミアン大聖堂を訪問。その後、リヨンに移動。リヨン宿泊。
 7月25日 ル・ピュイ=アン=ヴレイのノートルダム大聖堂を訪問。リヨンでノートルダム大聖堂(フルヴィエール)を訪問後、ジュネーヴに移動し、ラクレットとチーズ・フォンドュを楽しみます。ジュネーヴ宿泊。

7日目はジュネーヴの街歩きを楽しんだ後、スイス国内を鉄道で抜けて、ボーデン湖畔のブレゲンツに移動し、ブレゲンツ音楽祭を楽しみます。ブレゲンツ宿泊。

8日目はブレゲンツのプフェンダー山の上からの眺めを楽しみ、街歩きした後、チロルのザンクト・アントンに移動。ザンクト・アントン宿泊。

9日目はザンクト・アントンのハイキングを楽しんだ後、イェンバッハに移動。イェンバッハ宿泊。

10日目はツィラータール鉄道でマイヤーホーフェンに遠征し、ロープウェイで山に上り、眺望を楽しみます。イェンバッハ宿泊。

11日目はアーヘンゼー鉄道のSLに乗ってアーヘン湖へ行き、クルーズを楽しみます。ザルツブルクに移動し、ザルツブルク音楽祭の開始。

11~18日目はザルツブルグ音楽祭。ザルツブルグ宿泊。

 7月30日 ハーディング指揮ウィーン・フィル
 7月31日 モーツァルト:オペラ《コジ・ファン・トゥッテ》 イザベル・ファウスト・ヴァイオリン・リサイタル
 8月1日 トーマス・アデス:新作オペラ《皆殺しの天使》
 8月2日 ブッフビンダー・ピアノ・リサイタル
 8月3日 ベジュン・メータ・カンタータの夕べ
 8月4日 プッチーニ:オペラ《マノン・レスコー》アンナ・ネトレプコ
 8月5日 R・シュトラウス:オペラ《ダナエの愛》
 8月6日 ホフマンスタール:演劇《イェーダーマン》 メータ指揮ウィーン・フィル

19日目は午前中にウィーンに鉄道で移動し、夕方まで街歩きを楽しみます。その後、直行便で帰国の途。

20日目に成田空港に帰着。

さあ、新たな旅の始まりです。


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いざ、ヨーロッパへ:羽田空港を出発

2016年7月20日水曜日@羽田空港~パリ

1年ぶりにヨーロッパ遠征の旅に出かけます。昨年と同じく羽田空港から飛び立ち、パリに向かいます。もっとも今回は昨年のエールフランス便に懲りて、ANAにしました。と言ってもマイル特典航空券なんですけどね。

今回はいつもの羽田発深夜便ではなく、羽田を朝11時発のパリ直行便です。昨日、WEBチェックインは済ませてあります。

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朝は普通に起きてゆったり出かければよいのに、なぜかsaraiは6時にゴソゴソと起きだします。ipodに曲を入れるとか・・・。1年ぶりの旅で興奮しているのかもね。
混みあう朝ですから、京急の特急は避けて、各駅停車の羽田行きに乗りましょう。少々時間はかかるけど、出勤の皆様の迷惑にもならないしね。お蔭でずっと座れます。
羽田の国際線乗り場は、ますます賑わってきましたね。チェックインは済んでいますが、荷物を預けないとね。窓口の列に並びますが、それほどは列が長くなくてホッとします。

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羽田空港のロビーも立派な建物ですね。

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国内線と同様に荷物のドロップオフは自分で預け入れの操作をするのかと思いましたが、国際線はまだ職員がやってくれるようです。

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自分の順になり、荷物を預けます。問題の荷物重量は2人のスーツケース合わせて、32.2キロ。OKです。帰りもあんまり、増えないようにしたいものです。

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リモワのスーツケースともしばしのお別れです。

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出国審査もスムーズに終了。お金の両替は、出国審査を済ませた中のお店に予約してます。行列もなく、次がsaraiの順番です。

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が、せっかく予約してあったのに、なぜか非常に時間がかかります。両替額が10万円を超えると高額とかで何度も何度もチェックをしてます。10回ほどユーロの札のチェックをやって、ようやく納得したようです。
さて、搭乗口のほうに向かいます。

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搭乗まで1時間ほど余裕があるので、朝ごはんを頂きましょう。「UDON」という看板を発見。日本を離れる前にはいいですね。

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席に着くなり、saraiはさっき両替してもらったユーロを整理します。金額はあんなにチェックしていたので、再確認の必要はないでしょう。

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店内は日本趣味の内装。外国人観光客向けなんでしょう。

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稲庭うどんのような細い上品なうどんです。
配偶者は温かいうどん。

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saraiは冷たいうどん。

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さて、いよいよ、搭乗口に移動。108Aのゲートにやってきました。

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まだ、出発ロビーはがらがらです。

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出発ロビーには、パソコンコーナーが充実しています。もちろんsaraiは出発ぎりぎりまでパソコンに向かっています。

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搭乗予定のANAのB787は出発準備中。

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定刻に搭乗します。空席が目立ちますね。配偶者はいつもの窓際の席に着きます。

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問題なく、予定時刻に飛び立ちます。

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雲の上に出ます。

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雲の切れ間から地上の家々が見えています。

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雲の多い山並みを超え、日本海に出ると、よく晴れています。

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佐渡島もよく見えています。

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穏やかな日本海の上空を飛んでいきます。

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おつまみと飲み物をいただきながら、食事を待ちます。

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ここまで1時間半ほど飛行しましたが、まだまだ、ヨーロッパは遠いですね。



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いざ、ヨーロッパへ:無事にパリに到着

2016年7月20日水曜日@羽田空港~パリ/2回目

羽田発パリ行きのANAの旅客機は日本海をあっという間に超え、ロシアの沿岸が近づいてきます。

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やがて、ロシアの上空に侵入します。時折、雲間から見える緑が美しいです。

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そろそろ食事です。いつもどおりの食事内容ですね。
これは和食。

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これは洋食。どちらもそうは変わりませんね。それでも、いつものようにsaraiと配偶者でシェアして、2つの味を楽しみます。

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ロシアの大地を眺めながら、食事を美味しく頂きます。

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大きな川と川に沿った市街地が見えています。

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お昼の便のせいか、とってもゆったりとした食事や飲み物の提供です。雲が少なくて、ずっと、ロシアの大平原が見えています。

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食事の最後にはアイスクリームをいただきます。ハーゲンダッツは美味しいです。

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シメはコーヒーをいただきます。

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食事が終わると、時間的にはお昼なのですが、ライトが落とされ、寝るモードです。機内も静かになります。普通はここで窓を閉めるところですが、さすがにB787は最新鋭ジェット旅客機です。窓にはどこにも物理的なブラインドなぞはありません。自動的に窓が深いブルーに染まり、外部からの光が遮断されます。窓の外はこんな感じです。まるで夜空のようです。

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saraiはこれは液晶シャッターの一種かなと推察しましたが、ちょっと違うようです。これはGENTEX社の開発したジェル状のエレクトロクロミック材料を用いた航空機用電子カーテンシステムだそうです。窓の中にこのエレクトロクロミックジェルが透明電極付きの透明板で挟み込んであって、この電極に電流を流すことで色が変わるんだそうです。我が家の窓にも欲しいもんですね。
と言うことで、機内は人工的に夜の状態になります。配偶者は映画三昧、saraiはしっかりお昼寝。順調なフライトです。外は、ずっと明るいようです。夏ですから白夜なのかしらね。羽田から10時間ほど飛行したところで二度目の軽食が出されます。
これが和食です。そぼろご飯ですね。

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これが洋食です。マカロニですね。

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国際線で初のB787搭乗なので、噂のシャワレットを体験しておきましょう。シャワレットのボタンを押すと水がピューッとかかります。空の上で初体験です。快適です。さすがに短時間で水は自動的に止まるのね。変なところに感心します。これで日本に戻るまではシャワレットとしばしの別れです。

いよいよパリが近づきます。パリはうす曇。麦秋の畑の中を降りていきます。

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平原の中に小さな集落も見えてきます。

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羽田からパリへの12時間のフライトは無難に終え、定刻にシャルル・ド・ゴール空港に着陸。

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駐機スペースに停まり、ボーディングブリッジも接続されました。さあ、機内から降りて、パリに入りましょう。

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空港に到着して、すぐに携帯の電源を入れて、機内モードを解除すると、あら不思議。自動的にパリの電波を感知して、すぐに現地のアクセスポイントに繋がり、時間もパリ時間に自動的に変更されます。スマホだと周知のことでしょうが、ガラケー人間としてはこれが初体験。今まではグローバル設定を手動でやっていたのに便利な世の中になったんですね。ガラホの威力を思い知りました。同時にすぐさまAUからのSMSが届き、パリでの利用の注意事項が通知されます。ふむふむ、SMS(Cメール)は受信は無料。送信は一通100円なのね。

空港の窓からANAのB787にお別れです。遠距離、ご苦労様でした。

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空港内を移動します。動く歩道で楽ちんです。

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どうせ急いでも荷物の受け取りで待たされますから、ゆったりと行きましょう。

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芸術の都、パリらしく、壁はアートギャラリーになっています。退屈しませんね。

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これから空港からパリの市内のホテルへの移動です。



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テーマ : ヨーロッパ
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壽新春大歌舞伎@新橋演舞場 2017.1.21

新春はやっぱり歌舞伎を見たいですね。今回は初めて新橋演舞場に出かけます。
夕方4時半からの開演ですから、ゆっくりと出かけます。新橋演舞場は歌舞伎座のすぐ近くですから地下鉄の都営浅草線の東銀座駅が最寄り駅。まずは歌舞伎座の地下でお弁当を調達。下鴨茶寮 舞妓と天むすの地雷也の清澄の2つの豪華弁当をゲット。おやつとお茶も調達して、新橋演舞場に向かいます。今日は3階の最前列中央でなかなか見やすい席です。難を言えば、花道が見づらいです。

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配偶者がネットからプリントした演目の解説を予習しているとすぐに開演。

まずは義太夫狂言の名作、源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)の2段目、義賢最期(よしかた さいご)です。平家物語の世界です。主役の木曽義賢は木曽義仲の父親です。要は源氏方に組していることが見破られた木曽義賢が平家方に討ち取られて、最期を迎える場面を描いたものです。見どころは市川海老蔵が扮する木曽義賢が大立ち回りを演じる最後のシーンです。いやはや、海老蔵が大奮闘して、やってくれました。大迫力の演技にやんやの喝采が飛びます。最期を迎えるときにどーっと階段の上から真っ逆さまに下に倒れ込みます。「仏倒れ」という有名なシーンなんだそうです。凄い迫力の終わり方でした。

ここで1回目の休憩。お弁当をぱくつきます。まずは1個目の京料理の下鴨茶寮のお弁当です。

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中身はこんな感じ。高価なお弁当は美味しいです。

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続いて、三代目市川右團次の襲名披露の口上です。ずらっと幹部俳優が並んで口上を述べます。司会は中村梅玉。さすがに彼は何をやらせても上手いです。市川右近はその名前で41年演じてきて、今回、80年以上名跡を継ぐものがなかった市川右團次を襲名するそうで、よかったですね。6歳の可愛い息子さんも今まで父親が名乗っていた市川右近を襲名するとのことでダブルにお目出度いことです。

ここでまた休憩。残りの地雷也の天むすのお弁当とおやつをいただきます。なんだか、食べてばっかりです。お弁当の写真は撮り忘れました。
幕は市川右團次の襲名披露の記念の幕がかかっています。

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続いて、錣引(しころびき)の摂州摩耶山の場です。これも源平合戦の時代を描いた作品です。細かい内容よりも立ち回りが見どころです。襲名披露の市川右團次と名優、中村梅玉が演じる平家と源氏の英雄同士の一騎打ちが見事な様式美に満ちていました。

ここでまた休憩。最後のおやつをいただきます。本当に食べてばっかりです。これが歌舞伎の楽しみではあります。

最後は、猿翁十種のひとつである人気舞踊劇、黒塚(くろづか)の摂州摩耶山の場です。これは音楽をたっぷりと堪能します。長唄三味線と箏、尺八の見事な演奏に聴き入ります。普通、歌舞伎では箏、尺八がはいることは滅多にありませんが、やはり、風流でよいものです。市川猿之助の踊った安達ケ原の鬼女も最初の静かでスムーズな舞から、激しく躍動する鬼の舞まで、素晴らしいです。これではバレエにも負けませんね。まるで体操選手並みの筋力とリズム感です。市川猿之助は初めて見ましたが、立派に先代を継ぐ名優になりそうです。

盛りだくさんの内容で見ているだけで疲れました。5時間近い長時間の公演です。まるでワーグナーの楽劇をひとつ見たようなものです。新春から、よいものを見せてもらいました。

今日の公演内容は以下です。

《夜の部》

1.源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき) 義賢最期

2.三代目市川右團次襲名披露 口上

3.錣引(しころびき) 摂州摩耶山の場

4.猿翁十種の内 黒塚(くろづか) 摂州摩耶山の場
    
主な出演者

 市川右團次
 市川猿之助
 市川中車
 市川海老蔵
 中村梅玉



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テーマ : 伝統芸能
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いざ、ヨーロッパへ:空港からパリ市内にエールフランスバスで直行

2016年7月20日水曜日@羽田空港~パリ/3回目

到着したパリのシャルル・ド・ゴール空港内を移動しています。ちょっと入国審査で待たされますが、いろいろ物騒なご時勢ですから、セキュリティ強化も仕方がないですね。

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荷物を無事に受け取って、空港からパリ市内に移動します。パリの拠点は、リヨン駅の近くのホテル。空港からの移動は直行のバスが便利です。バス乗り場を探して、空港ビルの外の外周道路に出ます。

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到着したのはシャルル・ド・ゴール空港のターミナル1(CDG1)なので、リヨン駅行きのエールフランスバスの乗り場は3階の36番にある筈です。

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バス乗り場がありました。LE-BUS DIRECTって言うのね。

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4番のモンパルナス駅行きのバスがリヨン駅を経由して行きます。あと15分ほどで来るようです。

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ロワッシーバスが通過します。これはパリ・オペラ座(ガルニエ宮)行きです。

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係りのお兄さんがバスの到着を待っています。彼に密着していれば、乗り遅れることはありませんね。一応、リヨン駅行きのバスに乗ることを伝えておきましょう。

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ようやく、待っていたバスがやってきます。

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係りのお兄さんがカバンの積み込みなども手伝ってくれます。料金が一人16.5ユーロから17ユーロに値上げにはなっていましたが、バスの車内でチケットをクレジットカードで購入できたのには驚きます。便利なものですね。

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空港内の道路を走り抜けていきます。バーゲンセール中のIKEAも見えます。

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高速道路を順調に走ります。夕方の高速は自動車が多く混んでいますが、さほどの渋滞もありません。

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パリ市内の繁華街に入り、もうすぐリヨン駅に到着です。

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スムーズにリヨン駅に到着です。ここにも係りの人が待機し、荷物の取り出しをしてくれます。空港からリヨン駅まで、このエールフランスバスの直通バスは1時間もかかりません。とっても便利で楽ちんです。
ここまでは順調過ぎるほど順調でしたが、難関のホテル探しが待っています。やはり見つからず、駅の周りをグルグルウロウロ・・・。何周かしてようやく発見。

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入口が意外に狭くて、目立たないので分かり難かったんです。今日から4泊するオテル テルミヌ リヨンHotel Terminus Lyonです。

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早速、チェックインしましょう。

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部屋に入ります。けっして広くはないけど、なんとエアコンも付いていてガンガン冷やしてあります。配偶者は寒いと言いながら消します! 贅沢な不満ですね。ベッドも広くて快適そうです。

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予約時にリクエストしていた通り、バスタブもあります! 快適に4日間を過ごせそうです。

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部屋の窓からの眺めは中庭が見えるだけ。でも、映画「裏窓」っぽい雰囲気もありますね。

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さっそくネットをつなぎ、無事にパリ到着のメールを送って一服です。

まだまだ陽が高いので、リヨン駅Gare de Lyonをぶらりと下調べ。堂々たる外観の駅舎です。南仏への玄関口ですからね。

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リヨン駅のプラットホームです。多くの旅人で賑わっています。パリにやってきた実感が湧きます。

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構内には豪華な装飾のレストランのル・トラン・ブルーLe Train Bleuもあります。

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リヨン駅の窓口でフランスレイルパスのヴァリデーションをお願いしますが、これは利用日当日でないと駄目だそうです。昔、ユーレイルパスは空港で前日にヴァリデーションできたのにね。

購入済みの鉄道チケットを発券したり、メトロのチケット10枚セット(カルネ)を購入します。明日からの旅の準備です。

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駅でやれることはすべて完了。駅前に出ます。意外に人が少ないですね。

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駅前の通り、ディドゥロ通りBoulevard Diderotに出ると、すぐそこが宿泊しているホテルです。ホテルは超便利な場所にあります。

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ホテルに戻る前にもう一度、リヨン駅の堂々とした建物を振り返って眺めます。

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さて、今日は早めにブログを書いて休みましょう。

明日からは早速、ノートルダム大聖堂巡り。まずはシャルトルブルーで有名なシャルトル大聖堂に出かけます。



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シャルトル大聖堂:モンパルナス駅からシャルトルへ

2016年7月21日木曜日@パリ~シャルトル/1回目

今日から早速、ノートルダム大聖堂巡りの開始。まずはシャルトルブルーのステンドグラスで有名なシャルトル大聖堂に出かけます。
今朝、空は曇っていますが、雨は降りそうにはありません。でも、突然の雷雨の予報もあるので傘は持ちましょう。まあ、涼しいのが何よりです。
まだ時差で頭がおかしく、saraiらしくなく朝早く起き出します。朝6時過ぎです。滅多にないことです。もったいないので予定よりも早い電車に乗ることにします。さっさと身支度して、7時前にホテルを出ます。まずはリヨン駅Gare de Lyonに向かいます。

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最初に必要なのは、今日から使い始める列車のフランスレイルパスのヴァリデーションをすることです。窓口の案内係に行くと、一番有能そうなお姉さんが忙しいようです。テーブルの上にフランスレイルパスとパスポートを用意して待ちます。テーブルの上にはスタンプも置いてあります。

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その有能そうなお姉さんが対応していた乗客の扱いが完了したところで早速、saraiのところに来てくれてフランスレイルパスのヴァリデーションをしてくれます。パスに必要事項を書き込んでくれて、スタンプも押してくれます。

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ほっと一安心。これで5日間フランス国鉄のファーストクラスは乗り放題です。これがヴァリデーション済のフランスレイルパスです。このパスで2人が乗れます。362ユーロですが、日本で購入した価格は約5万円ほどでした。それでも、まあリーズナブルな料金ですね。

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リヨン駅から地下鉄の14号線でベルシー駅Bercyに行き、そこで1回乗り換えて、6号線でモンパルナス駅Paris Montparnasseに到着。インフォメーションで教えてもらった最上層のホームに行くと、数分後にはシャルトルChartres行の列車が出ます。朝ごはんを購入したいのですが、あきらめて乗り込みます。すぐに発車。まだ、7時40分です。列車はガンガン走り、最初の駅に到着です。駅名を見ると、ベルサイユ駅Gare de Versailles-Chantiersです。

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思いがけない駅名にびっくりです。ベルサイユ宮殿の最寄駅ですね。次に停車したのはランブイエ駅Gare de Rambouilletです。ここにはランブイエ城があり、現在は大統領の別邸になっています。第1回先進国首脳会議、いわゆるサミットが最初に開かれたところです。通称ランブイエ・サミットですね。

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車内はこんなにがらがらです。折角、ファーストクラスにしたのに今日はあんまり意味がありませんね。

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のどかな郊外を走り抜けていきます。

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どこまでもまっ平らな農地が続きます。フランスは農業大国です。

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やがて、小さな町にさしかかります。

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エペルノンÉpernonという初めて聞く名前の町です。ここまでモンパルナスから急行で40分ほどです。シャルトルまで半ばを過ぎました。

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また、小さな村々を通り過ぎていきます。

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マントノンMaintenonの駅に到着。とても小さな町です。

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ジュイJouyの駅に到着。また、小さな町です。

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サン=プレストSaint-Prestの駅に到着。いよいよ次の停車駅はシャルトルです。あと5分ほどです。

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シャルトルの町にはいっていきます。意外に大きな町ですね。

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電車はスピードを緩めて、シャルトルの駅に滑り込んでいきます。

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朝8時50分にシャルトル駅に到着。ずいぶん、早く到着しました。モンパルナス駅からは1時間10分ほどでした。

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電車を降りると、いきなり、シャルトル大聖堂と思しき建物が目に飛び込んできます。

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駅舎の入口の上にも大きな紋章の左に大聖堂の建物が描かれています。シャルトルは間違いなく、大聖堂の町ですね。

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さあ、シャルトル大聖堂に向かいましょう。



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シャルトル大聖堂:シャルトル駅から大聖堂へ

2016年7月21日木曜日@パリ~シャルトル/2回目

急行電車に乗って、1時間ちょっとでモンパルナス駅Gare de Montparnasseからシャルトル駅Gare de Chartresに到着しました。鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。

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シャルトル駅の駅舎にはいると、朝食を食べ損ねているところへ、とっても美味しそうなパンの焼ける匂いがします。駅で軽く朝食を済ませていきましょう。りんごパンとエスプレッソコーヒーを頂きます。焼きたてアッツアッツで美味しいです。

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駅前広場から見えているシャルトル大聖堂Cathédrale Notre-Dame de Chartresに向かいます。

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駅前広場に面して、寿司レストランがあります。ヨーロッパでは今や日常的な光景です。

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駅前広場を渡ったところで振り返って、シャルトル駅の駅舎の全景を眺めます。地方の駅としては立派ですね。

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駅前からジュアン・ド・ボース通りAvenue Jehan de Beauceを南東のほうに歩きます。

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最初の四つ角から左手にシャルトル大聖堂が大きく見えるようになります。

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四つ角の先は大きな広場になっています。シャトレ広場Place Châteletです。ここからはほとんど遮るものがなく、シャルトル大聖堂が見通せます。やはり雄大な建物ですね。

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シャトレ広場をシャルトル大聖堂に向かって、どんどん進んでいきます。

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シャトレ広場の端までやってきました。逆に目の前の建物が邪魔で大聖堂が見えにくくなります。

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広場の端には緑で囲まれた円形の施設がありますが、これは地下駐車場の上部のようです。何かの記念碑も見えています。

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このあたりはちょっと道が曲がり込んでいます。道標にあるカテドラルのほうに向かいます。

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広場から右に折れるとサント=メーム通りRue Sainte-Mêmeにはいります。

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サント=メーム通りの一つ目の角で左に折れて、シュヴァル・ブラン通りRue du Cheval Blancにはいると、もう目の前がシャルトル大聖堂です。

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大聖堂前広場Cloître Notre Dameに出ます。シャルトル大聖堂が圧倒的な迫力で迫ります。

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惹き付けられるようにどんどん、大聖堂に近づいていきます。

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いやもう、大変な迫力です。

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saraiはぐんぐん大聖堂に引き寄せられます。

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大聖堂の西ファサード前に立ちます。うーん、凄い!

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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大聖堂の外観をしっかり目に焼き付けておきましょう。その後でいよいよ内部に入ります。



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シャルトル大聖堂:シャルトルブルーって?

2016年7月21日木曜日@パリ~シャルトル/3回目

シャルトル大聖堂Cathédrale Notre-Dame de Chartresの西正面のファサード前に立っています。空にそそり立つ石の壁を思わず、見上げます。左右の塔は2本ちゃんとありますが、作った年代が違うようで形がまったく異なります。まあ、どこでもそんなものでしょうが、対称性の美学には反しますね。それでも、右側の旧鐘塔(南塔)、左側の新鐘塔(北塔)の尖塔の先は空に突き刺さる勢いです。それらの鍾塔の間に美しいファサードがあります。中央の大薔薇窓がとてもインパクトがあります。

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視線を下に下げると、3つのアーチからなる王の扉口があります。石材とは思えないような繊細な装飾が施されています。それぞれの扉口を子細に眺めてみましょう。

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右側の扉口です。扉上部のタンパンにはキリスト降誕の物語が刻まれています。中央には聖母子がいます。出入り口の左右の3体ずつの人物柱も見事なものです。

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中央の扉口です。扉上部のタンパンには4人の福音史家の象徴(獅子、牡牛、人間、鷲)に囲まれた栄光のキリスト像が刻まれています。その下には、12人の使徒とその左右に2人の弟子がいます。上にあるヴシェール(弧帯)には、内側の列に12人の天使、外側の2列に24人の黙示録の長老たちがいます。この出入り口の両側にも背の高い人物柱があります。これらの人物はキリストが現れることを予告する旧約聖書の人物です。

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左側の扉口です。扉上部のタンパンにはキリスト昇天の物語が刻まれています。上部のヴシェールには黄道十二宮が刻まれています。この左側の扉口の彫像は一部、損傷がありますね。

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もう一度ファサードと鍾塔を眺めます。とても大きな建物です。でもストラスブールの大聖堂に比べると少しこぶりに見えます。ファサードの3つの扉の彫刻は他のノートルダム大聖堂と同様に実に精緻を極めた膨大な彫刻が施されて見るものを圧倒します。ひとしきりそんなことを考えながら、ファサードの鑑賞が終わったところで大聖堂の内部空間に足を踏み入れます。シャルトルブルーという言葉ばっかりを頭に入れていたので、内部はブルーの光に包まれているような潜入感がありましたが、別にごくフツーの空間です。ステンドグラスもシャガールのステンドグラスのようにブルー一色に染められているわけではありません。ある意味、愕然としますが、ちゃんと見てまわると納得するんです。

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よくよく見ると、実に精細な表現で聖書の物語をステンドグラス上に色んな色で作り上げており、そのベース色がブルーになっています。

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順にステンドグラスを見ていきましょう。

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これは小さな天使像。

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身廊を進んでいきます。

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振り返って、西側のステンドグラスを眺めます。薔薇窓とその下に3面の大ステンドグラスがあります。

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大薔薇窓は最後の審判を描いています。これらのステンドグラスは13世紀に制作されたものです。

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翼廊と交差するクロッシングあたりまでやってきました。

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翼廊の南面の大薔薇窓と大ステンドグラスです。

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この大薔薇窓はパリのノートルダム大聖堂の工房で13世紀に制作されたもので、ヨハネの黙示録を表しています。救世主は中央で玉座に座しています。下のランセット窓は中央に聖母子がいて、左右に4人の福音史家が並んでいます。

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シャルトル大聖堂の内部、特にステンドグラスの鑑賞はまだまだ続きます。



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シャルトル大聖堂:美しい色彩に満ちたステンドグラスの神秘

2016年7月21日木曜日@パリ~シャルトル/4回目

シャルトル大聖堂Cathédrale Notre-Dame de Chartresの内部を鑑賞しています。身廊を進み、翼廊までやってきました。そこから身廊を振り返って眺めます。側廊の上部に並ぶステンドグラス群と西側の大薔薇窓とランセット窓の美しいステンドグラスが見えています。天井のヴォールトも美しいですね。

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翼廊の北面の大ステンドグラスを眺めます。薔薇窓はパリのノートルダム大聖堂の工房で13世紀に制作されたもので、聖母マリアを賛美するテーマになっており、中央には聖母子がいます。下の5面のランセット窓は左から、メルキゼデクとネブカドネザル、ダビデとサウル、マリアを抱く聖アンナ、ソロモンとヤロブアム、アロンとファラオをあらわしています。

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身廊の南面にはパイプオルガンがあります。1971年に修復されたものですが、14世紀から16世紀にかけて制作されたものです。

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内陣の北面の最初の部分には、柱の聖母がその上の大きなステンドグラスを従えて、鎮座しています。

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美しい聖母子ですね。

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内陣の周囲には、精細な彫刻で聖書の物語が表現されています。そのレースのような繊細な彫刻ごしに美しいステンドグラスが顔をのぞかせています。美の究極を感じさせます。

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主祭壇の聖母被昇天像です。とても美しい彫刻ですが、この作品は時代が18世紀になってからのもので、ゴシック様式の教会とは異質の存在になっています。バロック期のマニェリスムに基づくものです。

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主祭壇前から身廊を眺めます。広大なゴシック様式の空間です。

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内陣の天井を見上げます。天井のヴォールトが周りに伸びて、そこには大きなステンドグラスが並び、色彩に満ちた光が内陣の空間に降り注いできます。ゴシック様式の美の極みです。

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聖母被昇天の像がまるでそのステンドグラスの光に吸い込まれて天上に上っていくような雰囲気です。ゴシックとバロックの様式の違いを乗り越えて、アウフヘーベンしたような美も感じてしまいます。

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視線を身廊のほうに巡らせると、天井のヴォールトの波がステンドグラスからの光に包まれて、さざ波のように広がっています。

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内陣の束ね柱は色大理石が使われた美しい柱です。

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内陣の周囲の聖書物語の彫刻群に目を遣ります。16世紀のスーラの作品と言われています。イエスの降誕の場面や東方3博士の礼拝の場面などが並んでいます。

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内陣の南面の最初の部分には、美しき絵硝子の聖母・カナの婚礼(左側のステンドグラス)があります。12世紀のサン・ドニの工房で制作されたもので、このシャルトル大聖堂のステンドグラスを代表する美しい作品です。

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美しき絵硝子の聖母の部分をズームアップしてみましょう。聖母マリアの衣は美しいブルーです。

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内陣の奥を巡ってみましょう。東の面には大きくて美しいステンドグラスが並んでいます。

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どのステンドグラスも朝の光が差し込んで美しい色彩に染まっています。

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とても魅了される美しさです。

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朝の光がよく当たっているステンドグラスはなんともいえない美しいブルーに染まっています。なるほどこれがシャルトルブルーなのねって納得のステンドグラス群に魅了されます。

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夢中になって、ステンドグラスの色彩を見入っています。時間の経つのを忘れそうです。

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もうしばらく、光の変化を楽しみましょう。



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シャルトル大聖堂:シャルトルブルーのステンドグラスを堪能、そして、大聖堂の南側面を鑑賞

2016年7月21日木曜日@パリ~シャルトル/5回目

シャルトル大聖堂Cathédrale Notre-Dame de Chartresの内部を鑑賞しています。
内陣の奥の東の面の美しいステンドグラスをうっとりと眺め続けています。

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大聖堂にはだんだんと朝の強い光が満ちはじめ、来た時よりもより美しいシャルトルブルーの世界になってきます。

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もう一度、内陣の周囲の繊細な彫刻を眺めます。内陣を支える柱の美しさも魅惑的です。

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すっかりと満足しました。そろそろ、出口に向かいます。翼廊を通り過ぎるときに、あの素晴らしい南面の大ステンドグラスをひと時眺めます。素晴らしい薔薇窓です。それにさっきよりも強い光に満ちています。

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身廊を歩きながら、南側の側廊に並ぶステンドグラスを鑑賞します。このシャルトル大聖堂には、もともとあった186作品のステンドグラス窓のうち152作品が残っていますが、身廊にある13世紀のステンドグラスは名作揃いです。真正面に見えているステンドグラスは、善きサマリア人の譬え(たとえ)です。その左のステンドグラスは、聖母マリアの永眠・葬儀・被昇天の物語です。右のステンドグラスは、福音史家聖ヨハネの物語です。身廊には素晴らしいステンドグラスが並んでいます。すべて、ご紹介できないのが残念です。

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身廊の南側の上層部にあるステンドグラスです。ここにも聖母マリアがいます。ノートルダム大聖堂ですから、至るところに聖母マリアがいます。

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大聖堂の外に出ます。できれば、時間とともに変わる光によってステンドグラスの輝きがどう移ろうのか、ずっと見ていたかったのですが、通りすがりの旅人にはそんな贅沢な時間を持つことは許されません。

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西正面のファサードから南側面にまわります。旧鍾塔を南側から見上げます。旧鍾塔の足元には、日時計の天使とヴィエールを弾くロバの彫像も見えています。

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日時計の天使(レプリカ)とヴィエールを弾くロバの彫像をズームアップしてみましょう。

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南側面を眺めますが、なかなかの建築美を誇っています。

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南側面の前は広場になっていて、レストランのテラス席がありますが、まだ、朝早いので、人の姿は見えません。

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南側面に沿って、奥に進んでいきます。大聖堂の大きな建物全体を眺めることはなかなか難しいです。

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南側面の中央にある南扉口の前あたりにやってきます。13世紀に造られた南扉口は比較的、簡素な佇まいです。薔薇窓とその下の5つのランセット窓は内部の翼廊で見たものの裏返しです。その下に石の屋根を持つ3つのアーチの扉口が並んでいます。

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南側面は工事車両が入って、ちょっとした工事をやっているようです。

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これが南側面の左側の様子です。旧鐘塔から南扉口までで南側面のほぼ半分です。旧鐘塔の先に新鐘塔も見えていますね。

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ずっと奥のほうに進んで、広場の端っこにへばりついて、南側面のほぼ全体を眺めます。まだ、右にあるアプスは見えていませんが、これが精いっぱいのところです。

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これは南側面の右側の様子です。南扉口から内陣までで南側面のほぼ半分です。

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また、南扉口の正面に戻って、3つの扉口のうち、中央の扉口を眺めます。扉の中央の柱には救世主キリストが宣教する姿で立っています。扉の両側には使徒と聖パウロがいます。扉の上のタンパンには最後の審判を下すキリスト、その両側には、裁かれる人間たちをとりなそうとするマリアと聖ヨハネがいます。タンパンの上のヴシェール(弧帯)には、天国と地獄を啓蒙する物語が刻まれています。13世紀の貴重な遺産です。

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これでシャルトル大聖堂の鑑賞は終了。シャルトル大聖堂は外部も内部も素晴らしい建築美で装飾されています。すっかり、シャルトル大聖堂の美に魅了されました。
これから、シャルトルの町を散策しましょう。



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シャルトルの町歩き:サンテニャン教会へ

2016年7月21日木曜日@パリ~シャルトル/6回目

シャルトル大聖堂Cathédrale Notre-Dame de Chartresの鑑賞を終了。素晴らしい建築美を堪能しました。
これから、シャルトルの町を散策しますが、その前にランチをする予定のお店に予約の電話を入れますが誰も電話の呼び出しに出ません。まだオープン前でしょうからね。また、後で電話することにして、散策に出発。シャルトル大聖堂の南側面の前の広場の真ん中あたりに狭い路地があります。この路地を歩いて、まずはツーリストインフォメーションに向かいます。オー・エルブ通りRue aux Herbesの路地に歩み入ります。

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オー・エルブ通りを進み、路地のオー・レ通りRue au Laitにぶつかると、何とその角にランチをする予定のレストラン、オ・ティル・ブションO Tire Bouchonがあります。しかもお店は開いていて、開店の準備中でおじさんがいます。直接、そのおじさんにランチの予約をします。これで一安心。店内は掃除中です。

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ここからさらにル・プティット・コルドヌリー通りRue de la Petite Cordonnerieの路地を歩きます。その路地がぶつかる正面の建物がツーリストインフォメーションです。古い木骨造り(ハーフ・チェンバー様式)の建物を利用しています。

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ツーリストインフォメーションでシャルトルの町の詳細な地図を貰います。町歩きの大切な道具です。

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ガイドブックも貰います。

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驚くべきことに、このガイドブックは多言語版で日本語での記載もあります。

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気を良くして、ツーリストインフォメーションを出て、町の散策を開始します。ポワッソヌリ広場Place de la Poissonnerieが散策の出発点です。ユール川の向こうの景色がよく見えます。

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ポワッソヌリ通りRue de la Poissonnerieを抜けて、シャンジュ通りRue des Changesに出ます。この通りを南下して、サンテニャン教会、サン・ピエール教会に向かいます。
通りの左側に青果市場Marches aux Legumesがありますが、今は時間外のようです。

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人通りの少ないシャンジュ通りを進みます。

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古い建物が並ぶ通りは蛇行して、先のほうの様子が分かりません。

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ポルト・サンドルーズ通りRue de la Porte Cendreuseと交差します。角から眺めると、この通りは下っています。ユール川に向かっているようです。

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ポルト・サンドルーズ通りを通り過ぎると、シャンジュ通りはグルネ通りRue des Grenetsと名前を変えます。グルネ通りをどんどん歩いていきます。

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後ろを振り返ってみます。狭い路地をずい分歩いてきました。まったく歩いている人がいませんね。

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右手の15番地の建物の大きな扉が半開きになっています。ワーオ! 奥に綺麗な中庭が見えています。

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やがて、左にサンテニャン教会Eglise Saint Aignanが現れます。16世紀に再建された古い教会です。

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ちょっと寄っていきましょう。風変わりな形のファサードですね。

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一応、名票を確認しますが、ちゃんとサンテニャン教会と記されています。

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これから教会の内部を見学します。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。もちろん、この地図はツーリストインフォメーションで貰った地図です。

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ショパンとチャイコフスキーのピアノ協奏曲を堪能、仲道郁代 ピアノ・コンサート@サントリーホール  2017.1.29

昨年から続いている仲道郁代さんの一連のデビュー30周年プロジェクトのコンサートです。saraiがデビュー30周年コンサートを聴くのはこれでお終いです。ショパンとチャイコフスキーの有名なピアノ協奏曲を一挙に聴かせてくれます。指揮は小林研一郎ということで手堅いですね。

やはり、前半のショパンのピアノ協奏曲第1番が聴きものです。メロディーラインが実に美しく、そして、明快に演奏されます。粒立ちのよい響きも魅力的です。ショパンらしいロマンチックな音楽ですが、特に第1楽章、第2楽章ではショパンの祖国に寄せる郷愁も心に響いてきます。ピアノの響きがオーケストラに比べて大きくて、バランス的には何ですが、今日は仲道郁代さんのピアノを聴くのが目的ですから、これでいいでしょう。まるでピアノの独奏を聴いている感じです。仲道郁代さんが30年間、特にショパンに注ぎ込んできた愛情が実ったという感じです。プレイエルを弾き込んできた成果も感じられます。もっとも今日はスタインウェイです。前回のリサイタルで弾いたYAMAHAのCFXをリクエスト(saraiのブログ)しましたが、やっぱり、大ホールではスタインウェイが正解でしょうか。フィナーレの迫力がもう一つだったのだけが残念ですが、ともあれ、ショパンの協奏曲をここまで弾いてくれるとsaraiも満足です。

後半のチャイコフスキーは正直、不安でした。仲道郁代さんはあんまり、ばりばりと弾くタイプではありませんからね。シューマンあたりのほうが無難じゃなかったっけと配偶者に話したりしていました。ところがです。流石に一流のピアニストは色んな引き出しがありました。冒頭のあの有名なパートから、豪快なピアノを聴かせてくれます。まさにヴィルトゥオーゾ風の演奏でした。スケールの大きな演奏で、もちろん、リリシズムにも満ちています。若干のミスはありますが、ライブでは付き物で気にはならないレベルです。こんな演奏が聴けるというのはサプライズでした。

最後に一番、感動的なものが残っていました。アンコール曲のショパンのノクターンの第20番は美しく、そして、心にしみじみと響いてきました。演奏したご本人も感極まった様子。彼女のこの曲の演奏はこれまで何度も聴いてきましたが、今日ほどの素晴らしい演奏はありませんでした。

今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:仲道郁代
  指揮:小林研一郎
  管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

  チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 Op.48より第1楽章
  ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11

   《休憩》

  チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23

   《アンコール》

     ショパン:夜想曲第20番(遺作)嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」
     エルガー:愛の挨拶 Op.12

ところで、今日のショパンとチャイコフスキーのピアノ協奏曲は大変、有名な曲ですが、意外にこれまでアルゲリッチ以外の演奏をあまり聴いてこなかったことに気が付きました。それほど、アルゲリッチの演奏に満足していたということなんですけどね。ということで、世評に高い演奏を中心に予習しました。

まず、ショパンのピアノ協奏曲第1番で予習したのは以下です。もちろん、いずれも聴き応えのある素晴らしい演奏ばかりです。なかでもポリーニの演奏には参りました。アルゲリッチはもちろん、文句なし。ピリスの美しい響きにも耳を奪われました。ツィマーマンは噂通り、オーケストラ演奏がユニークですが、ピアノもパーフェクト。ただ、あまり、感銘がありません。むしろ、ジュリーニと組んだ旧盤を今度聴いてみましょう。番外はリパッティ。音質が悪くて、正直、評価できません。もう少し聴き込まないと本質が見えません。ブレハッチは案外の演奏でした。ハスキルの録音が残っていないのが残念です。第2番はあるのにね。

 ディヌ・リパッティ、オットー・アッカーマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 1950年。
 マウリツィオ・ポリーニ、パウル・クレツキ指揮フィルハーモニア管弦楽団 1960年。
 マルタ・アルゲリッチ、クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団 1968年。 LPレコード
 マリア・ジョアン・ピリス、エマヌエル・クリヴィヌ指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 1997年。
 クリスティアン・ツィマーマン(ピアノと指揮)、ポーランド祝祭管弦楽団 1999年。
 ラファル・ブレハッチ、セムコフ指揮ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団 2009年

次に、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番で予習したのは以下です。リヒテルのピアノが思ったほど豪快でないのが意外でしたが、やはり、素晴らしい演奏です。アンチェルと組んだ演奏も聴きたかったところです。しかし、アルゲリッチの演奏は大変、迫力がありました。ホロヴィッツとかも聴きたかったところです。ギレリス、ボレット、ソコロフ、ガヴリーロフも聴いてみたかったところです。

 スヴャトスラフ・リヒテル、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン交響楽団 1962年。
 スヴャトスラフ・リヒテル、エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル 1962年。 LPレコード
 マルタ・アルゲリッチ、クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィル 1994年。



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シャルトルの町歩き:美しきサンテニャン教会

2016年7月21日木曜日@パリ~シャルトル/7回目

シャルトルChartresの町歩きをしています。サンテニャン教会Eglise Saint Aignanを訪れているところです。
教会の内部に入ってみます。内部はこじんまりとしています。誰も訪れている人はいません。

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これは北側の側廊です。ステンドグラスが並んでいます。

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これは南側の側廊。

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南側の側廊に小さな像が飾ってあります。近づいて、よく見ると、ジャンヌ・ダルクの像です。

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こちらは聖エニャン(サンテニャン)の像です。この教会はこのオルレアンの司教の名前サンテニャンから名付けられています。オルレアンつながりでジャンヌ・ダルクの像も飾ってあるのでしょうか。因みにオルレアンの司教サンテニャンは451年、オルレアンに迫ったアッティラの軍勢から町を守ったことで人々の尊敬を受けた人です。15世紀、百年戦争でイングランドからオルレアンの町を守ったジャンヌ・ダルクと重なるところもありますね。

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内陣です。よく見ると、なかなか豪華な内装のようです。

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ステンドグラスが素晴らしいです。16~17世紀に制作されたものです。シャルトル大聖堂よりもかなり後に作られたものですね。

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マリア被昇天の像とステンドグラスの美しさはどうでしょう。素晴らしいですね。

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内陣から後ろを振り返ります。

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このステンドグラスも美しいです。

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シャルトル大聖堂とは比べものにはなりませんが、観光客も訪れない閑静で美しい教会で心が洗われるような気持ちになります。
また、シャルトルの町歩きを続けましょう。



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シャルトルの町歩き:美しきゴシックのサン・ピエール教会

2016年7月21日木曜日@パリ~シャルトル/8回目

シャルトルChartresの町歩きをしています。サンテニャン教会Eglise Saint Aignanの内部を見終えました。そこを出て、また、散策を始めます。
グルネ通りRue des Grenetsに戻り、ちょっと進んだところで左に折れて、エタップ・オー・ヴァン広場Place de l'Étape au Vinに出ます。静かな一画です。

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広場を進んで、広場の端からテルトル・サン=フランソワTertre Saint-Françoisの階段を下っていきます。階段の途中で急に視界が開け、saraiは配偶者に左のほうを指さします。

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サンテニャン教会が内陣のあたりが見えたんです。高台に重厚な姿を見せています。

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石段を下り終えると、サン・ピエール通りRue Saint-Pierreの路地にぶつかります。右に折れて、通りを南に進みます。

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サン・ピエール通りは途中で名前を変えて、ペシオン通りRue Pétionになります。そして、サン・ピエール広場Place Saint-Pierreにぶつかったところにサン・ピエール教会église St Pierreが堂々とした姿で建っています。

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例によって、名票でサン・ピエール教会の名前を確認。

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早速、教会の内部に入ります。ゴシック様式の重厚な空間が広がっています。

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内陣のほうに歩み寄ります。内陣の高い天井まで開けられた大きなステンドグラス窓から明かるい光が燦々と差し込んで美しい光景を作っています。

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何とステンドグラス窓は少し開けられて、外気を入れています。夏の暑さ対策でしょうか。ステンドグラス窓が開けられているのは初めて見ます。

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見渡すと、身廊の高いところの窓はみんな開けられています。そもそもステンドグラス窓は羽目殺しだろうと今まで思っていましたが、違うんですね。

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もう一度、内陣の上のほうを見上げます。高いところのステンドグラスが大変美しいです。

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内陣のあたりから、身廊のほうを見渡します。美しい空間です。

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これは聖母マリアの像でしょうか。美しいですね。

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十字架のキリスト像もあります。

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床の一部を発掘しています。古い時代の名残りを調査しているのでしょうか。この教会も古い歴史を持っているようです。

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サン・ピエール教会のゲートタワーの考古学調査だと書かれていますね。何でしょう。色んな過去があるようです。

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こちらには、人体の骸骨の写真まであります。発見された成果なのでしょうか。

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再び、入ってきたところから、サン・ピエール教会の内部全体を眺めます。誰も訪れる人もいない教会ですが、美しい時間が流れていました。

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外に出ると、教会前のサン・ピエール広場は緑と花の綺麗な公園になっています。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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見るべき教会は見ることができました。この後はユール川沿いに歩いてみようかな。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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