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最後のパリ散策:オルセー美術館(3)

2015年7月9日木曜日@パリ/13回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

エドガー・ドガの《ダンス教室(バレエの教室)》です。1875年頃に描かれた作品です。ドガが数多く手がけた主題である≪踊り子≫を描いた作品の代表的作品のひとつです。主題の≪踊り子≫は、普仏戦争への従軍の際に寒さで目をやられたための視力の低下や、普仏戦争とその敗戦を機に起こったパリ・コミューンなどの社会的不安を感じたドガが1872年10月から約半年間、アメリカへ旅行した後に描かれるようになった主題です。裕福な家に育ったドガはオペラ座の定期会員の特権として、オペラ座の楽屋や稽古場に自由に立ち入ることが許されていたこともバレエの≪踊り子≫を主題に選んだ理由のひとつだったようです。この作品は、熱心な収集家であったバリトン歌手ジャン・バティスト・フォールの依頼により制作されました。画面中央でバレエ教師ジュール・ペロが指導する踊り子らの日常的な姿や年相応の仕草が描き込まれています。

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ここでちょっと展示室から、テラスに出ます。セーヌ川をはさんで、チュイルリー公園Jardin des Tuileriesの緑とそのずっと先にモンマルトルMontmartreの丘が見えます。

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絵画鑑賞を再開します。

ピエール=オーギュスト・ルノワールの《ジュリー・マネあるいは猫を抱く子供》です。1887年頃に描かれた作品です。ジュリー・マネはエドワ―ル・マネの弟ウ―ジェーヌ・マネと画家ベルト・モリゾとの間の一人娘です。ルノワールは友人夫妻の9歳の娘を温かい目で描いています。ジュリー・マネの子供とは思えない大人びた美しさと笑みを浮かべたような猫の可愛さが印象的です。ベルト・モリゾも娘ジェリーを多く描いています。後にジュリー・マネ自身も画家になりました。

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クロード・モネの《日傘の女(右向き)》と《日傘の女(左向き)》です。1886年頃に描かれた作品です。とっても有名な作品ですね。モネはもう1枚、日傘の女を描いています。ワシントン・ナショナルギャラリー所蔵の《散歩、日傘をさす女》です。それは約10年前の1875年に描かれました。その最初に描かれた絵のモデルは妻のカミーユで顔の表情も描かれています。一方、10年後に描かれた2枚の絵のモデルは再婚する女性アリスの連れ子の娘だと言われており、顔は描かれていません。モネは一体、どんな思いでこの2枚の絵を再び、描いたのでしょうか。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《母性(ルノワール夫人と息子ピエール) 》です。1885年頃に描かれた作品です。当時はまだ恋人であったアリーヌ・シャリゴがルノワールとの間に産んだ息子ピエールに授乳している場面を描いたものです。二人は1890年に正式に結婚します。ルノワールは純朴な田舎娘のアリーヌと都会育ちの知性的なシュザンヌ・ヴァラドンとの間で大きく心が揺れ動いていましたが、結局、アリーヌを選択します。この作品からもルノワールのアリーヌに対する並々ならぬ愛情が見てとれるようですね。

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カミーユ・ピサロの《ルーヴシエンヌの栗林》です。1879年頃に描かれた作品です。シスレーの描いた《ルーヴシエンヌの雪》も素晴らしい絵でしたが、ピサロも同じく、ルーヴシエンヌの雪景色を描いていたんですね。印象派の画家にとって、雪景色は特別の題材だったようです。

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ポール・セザンヌの《カード遊びをする人々》です。1894年~1895年頃に描かれた作品です。とても有名な作品です。この《カード遊びをする人々》は同名の絵が5枚あり、画面構成はほとんど同じですが、5人、4人、2人が画面に登場する3つのバージョンあります。2人が登場するバージョンが3枚ありますが、このオルセー美術館の所蔵する作品が一番、有名です。なお、5人のバージョンはバーンズ財団(フィラデルフィア)所蔵、4人のバージョンはメトロポリタン美術館所蔵、2人のバージョンはオルセー美術館のほか、コートールド・ギャラリー(ロンドン)所蔵と個人所蔵です。個人所蔵はカタールの王族が2011年に購入したもので、その購入金額はなんと推定で2億5千万ドルから3億2千万ドルという記録的な金額だったそうです。芸術の価値はお金では決められませんが、途方もなく、人気が高い作品であることが分かります。
この作品では煙管をくゆらせてカード遊びをするプロヴァンスの農民たちが描かれています。登場人物はすべて男性で顔をうつむけてカード遊びに熱中しています。このスタイルは17世紀のオランダとフランスの風俗画を翻案したものですが、セザンヌ流に簡素化された画面になっていて、一種の渇いた空気が漂い、ハードボイルド風とでも言うような作品に仕上がっています。

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ポール・セザンヌの《サント=ヴィクトワール山》です。1890年頃に描かれた作品です。あまりに有名な作品ですね。セザンヌはこの故郷の山を取りつかれたように描き続けました。油絵、水彩、素描で数十点が描かれているそうです。セザンヌがこんなに入れ込んだ山って、どんな山なんだろうと以前、saraiも気になって、気になって、遂に見に行ってしまいました。確かに存在感のある山でした。そのときの記事はここここここです。このサント=ヴィクトワール山を見るためにマルセイユからエクス・アン・プロヴァンスまで遠征したんです。
ともあれ、この作品の素晴らしいこと、この上なしです。手前に木を配置した構図は日本の浮世絵の影響だと言われていますね。でも主役のサント=ヴィクトワール山の色彩ブロックでごつごつと描かれた存在感は凄い重量感で迫ってきます。マッシブって感じです。実際にこの目で見たサント=ヴィクトワール山もまったく同じ印象でした。セザンヌの底知れぬ画力の凄さに驚嘆するばかりです。

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セザンヌの作品がまだ続きますが、いったん、今日はこの驚異的な作品でブログを終えましょう。セザンヌの作品群の素晴らしさにも魅了されるばかりです。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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