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最後のパリ散策:オルセー美術館(5)

2015年7月9日木曜日@パリ/15回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

クロード・モネの《ロンドンの国会議事堂、霧を貫く陽光》です。1904年頃に描かれた作品です。ロンドンとテムズ川の風景の連作の中の一枚です。モネがターナーの茫洋たる作品を継承・発展させたことを思い起こさせる作品です。第1回印象派展に出展した《印象・日の出》でも既にターナーの影響を感じさせられましたが、この作品はそのものズバリという感じです。霧の空気感、その中に赤く浮かび上がる陽光、まさにこれこそ傑作です。

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クロード・モネの《ルーアン大聖堂 グレーの時》です。1892年頃に描かれた作品です。ルーアン大聖堂の連作の中の一枚です。モネは全部で33点ものルーアン大聖堂の作品を描きましたが、ほとんどすべて、大聖堂のファサードを斜めから眺めた同じような構図で描いています。違いはファサードを照らす光が朝の光であったり、夕方の光であったり、曇りの光であったりします。この作品はオルセー美術館が所蔵する4枚のうち、曇り日の弱い光を受けた大聖堂が描かれたものです。まるでモノクロのような色彩ですが、かえって、大聖堂の壁の石の質感が感じられます。そして、入口の木の扉の茶色だけが印象的です。木の質感を出すために泡立てた絵具で描いたそうです。モネの執念のようなものがこもった作品です。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《椅子に座る娘》です。1908年~1909年頃に描かれた作品です。ルノワールの手にかかると、すべての女性が輝いて見えますが、特に少女の可愛さは最高です。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《大きな裸婦》です。1907年頃に描かれた作品です。ルノワールのお得意でもあり、終生のテーマでもあった裸婦像です。この古典的とも思える構図はルノワールが数年前から描き続けたものですが、この作品はその集大成とも言える傑作です。古典の構図を借りて、ルノワールが彼の特有、そして理想とする女性像を描き出しています。その姿はどこまでも柔和さを醸し出しています。女性の肌の柔らかな質感はルノワールならではのものです。この作品が発表された当時は批評家からアングルとの関連を指摘されたそうですが、新古典主義のアングルの精密で完璧とも言える裸婦とはまったく方向性が違い、ある意味、どこにでもいるような現実の女性の美しい姿が描かれているのがルノワールの素晴らしいところですね。

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ピエール=オーギュスト・ルノワールの《後ろ姿の横たわる裸婦》です。1909年頃に描かれた作品です。ルノワールは終生のテーマ、裸婦像にこだわり続け、様々な構図にチャレンジします。この作品はスペインの巨匠ディエゴ・ベラスケスが描いた唯一の裸体画『鏡を見るヴィーナス(ロークビーのヴィーナス)』(ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵)をもとにしたと言われています。ちなみにベラスケスは厳しいカトリックの影響下にあったスペインでは禁断とされていた裸体画を描いたことで窮地に陥ったそうです。そのおよそ250年後に描かれたのが本作ですが、何を描いても自由な時代、正直、後ろ姿では物足りませんね。肌の柔らかい質感は素晴らしいのですが、顔がないのは何とも残念です。

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このあたりで印象派の展示を見終わります。さすがにオルセー美術館の印象派作品の充実度は並外れています。そして、リニューアルされたことで作品が明るくて、見やすくなりました。壁面の抑えた色調も効果的です。大変、満足しました。オープンなレストランコーナーもありますが、これから帰国するので、魅力的ではありますが、パスします。

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最後の仕上げに一番下の0階に下ります。そこで象徴派のギュスターヴ・モローの傑作群に再会しますが、それは次回にご紹介します。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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