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最後のパリ散策:オルセー美術館(7)

2015年7月9日木曜日@パリ/17回目

印象派の殿堂、オルセー美術館Musée d'Orsayで名画の数々を鑑賞中です。

0階で象徴派のギュスターヴ・モローの傑作群を鑑賞し、続いて、0階の他の画家の作品の鑑賞に移ります。一連のピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの作品群を鑑賞します。充実のコレクションです。

ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《希望》です。1871年頃に描かれた作品です。シャヴァンヌは無理に分類すると象徴派ということになるのだそうですが、モローとはまったく肌合いが異なります。幻想的ではありますが、とてもロマンティックな雰囲気を湛えています。少女が左手に持っているのはオリーブの枝でしょうか。普仏戦争の後、平和への希望をイメージしているのでしょうか。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《若い母》です。1887年頃に描かれた作品です。聖母子と聖ヨハネをシャヴァンヌ風にイメージした作品なのでしょうか。静かで安らぎに満ちた雰囲気が画面に漂っています。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《夢》です。1883年頃に描かれた作品です。この作品は1883年のサロンに出品されており、作者自身は作品の主題について「彼は夢のなかで愛と栄光と富が現れるのを見る」と説明しています。画面には松の根元に旅人が体を横たえて、夢を見ているようです。空を飛んでいる3人の精霊はそれぞれ、薔薇を差しだしている「愛」、月桂冠を掲げている「栄光」、金貨を蒔いている「富」を象徴していると思われます。旅人はこのなかのいずれを望んでいるのでしょうか。人生の究極の選択をロマンティックな雰囲気で描き上げています。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《化粧》です。1883年頃に描かれた作品です。この作品はあたかも印象派でもあるかのような寝室での光景が描かれていますが、画風はあくまでもシャヴァンヌ風です。まるで古典的な絵画であるような雰囲気です。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《瞑想》(左)、《物語》(中央)、《警戒、監視》(右)です。1866年頃に描かれた作品です。これらは連作なんでしょうか。特に両脇の女性を描いた作品はギリシャかローマの古典彫刻でも目指したような方向性がうかがえます。シャヴァンヌの絵画に込めた思いが詰まった作品なのでしょう。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《気球》です。1870年に描かれた作品です。1870年の普仏戦争でパリが包囲されている時に描いた作品ですが、この作品でシャヴァンヌは黒衣の女性がマスコット銃を右手に支え、左手で便りを託した気球を見送っているシーンを描きました。ナポレオン3世が起こした無謀な戦争の悲惨な結果に多くのパリ市民同様にシャヴァンヌも深い挫折感を抱いたか、あるいは愛国心を刺激されたか、かなり、思い入れのある作品だったようです。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《鳩》です。1871年に描かれた作品です。《気球》と対になる作品です。同じ黒衣の女性が今度は敵が放った鷹から鳩を胸に抱いて守っています。背景は雪に埋もれたシテ島です。最初にご紹介した《希望》もどうやら、同じテーマの連作なんですね。

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ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの《海辺の娘たち》です。1879年に描かれた作品です。この作品で、ようやくシャヴァンヌは彼の描きたかった理想郷を描き出せたようですね。それは古典中の古典、ヴィーナスの世界、パラダイスを具現化することです。世の中はもはや、印象派の画家たちが席捲しようとしていたわけですが、シャヴァンヌは壁画作家として、古典の中に彼の美の理想を見出していたんでしょう。芸術家は己の信じる道を進むしかありませんからね。まあ、それにしても、大変、美しい絵画です。生まれる時代が違っていれば、彼ももっともっと評価の高い画家であったかもしれません。

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シャヴァンヌの作品のコレクションは大変、素晴らしく、美しさの限りを尽くした作品が並んでいました。芸術性の観点では賛否両論あるでしょうが、とりあえず、美しければ、いいんじゃないでしょうか。saraiの目は楽しめました。以前、日本で開催されたシャヴァンヌ展@Bunkamuraザ・ミュージアム(2014年)は残念な内容にがっかりしましたが、さすがにオルセー美術館には傑作が揃っていますね。

0階での鑑賞はまだ続きます。



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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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