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ランス大聖堂&シャンパーニュ地方:えっ、シャガールのステンドグラス?

2016年7月23日土曜日@パリ~ランス&シャンパーニュ地方/6回目

ランス大聖堂Cathédrale Notre-Dame de Reimsの内部を鑑賞中です。これから内陣の奥に進みます。
右手の後陣の最初の礼拝堂は聖テレジア礼拝堂Chapelle absidiale de Sainte Thérèseです。見事なステンドグラスが飾られています。因みに聖テレジアとは、二人いるのでややこしいですが、多分、アビラの聖テレジアのことでしょう。スペインのローマ・カトリック教会の神秘家であり、カルメル修道院改革に尽力した人物です。カスティーリャのアビラで生まれたので、アビラの聖テレジア、もしくは、イエスのテレジアとも呼ばれています。崇高な宗教的恍惚感を繰り返し経験したことが有名です。ベルリーニの代表作《聖テレジアの法悦》にも圧倒的な美しさでその恍惚感が表現されています。ところで、もう一人の聖テレジアはフランスで生まれたリジューの聖テレジアで、日本でも人気があるそうです。アビラの聖テレジアを大テレジア、リジューの聖テレジアを小テレジアと言い分けてもいます。二人ともカルメル会修道院に属していました。

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ランス大聖堂のステンドグラスのほとんどは新しく作り変えられたものでしょう。第2次世界大戦でこのランス大聖堂も壊滅的に破壊されたそうですからね。遠くから見ると内陣の一番奥のステンドグラスが美しそうです。それを見ていた配偶者が「あの青いステンドグラスはシャガールじゃないの」って、馬鹿なことを言っています。青けりゃシャガールってわけはないでしょう。近くに寄って、その綺麗なステンドグラスを見ていると、なおも配偶者はシャガールだわって言っています。

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ほとんど聞き流しながらsaraiは内陣奥を周りながら、ステンドグラスを眺めます。saraiがステンドグラスを写真に収めていると、ステンドグラスの説明板を見ていた配偶者が興奮した面持で「やっぱり、シャガールだったわよ」と言います。えっと叫んでsaraiが説明板を見ると、確かにシャガールって書いてあります。これは恐れ入りました。

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3枚のシャガールのステンドグラスの詳しい説明が書かれています。

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これがそのシャガールの美しいステンドグラスです。
真ん中のステンドグラスにはアブラハムの物語が描かれています。そして、右上には十字架に架けられたキリストも描かれています。左上には十字架から降ろされてマリアの手に抱かれるキリスト、さらにキリストの復活が赤く描かれています。最上部の薔薇窓には精霊が描かれて、その上には神の手が描かれています。

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左側のステンドグラスにはエッサイの家系樹が描かれています。エッサイはユダヤ王ダヴィデの父で、右下に横たわるエッサイの腹から上に伸びている木の枝に彼の家系が描かれています。一番右上にはエッサイの家系に属するイエス・キリストと聖母マリアが描かれています。左側には、サウルとハープを持つダヴィデが描かれ、右の真ん中では王冠のソロモンが裁判を行っています。左上は聖母子に祈りを捧げる人々が描かれています。最上部の薔薇窓には救世主キリストの到来を告げる預言者たちが描かれ、その上にはイスラエルの光を象徴する、二人の天使が灯す燭台が描かれています。

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右側のステンドグラスにはこの大聖堂にまつられているフランスの王たちが描かれています。クローヴィス、シャルル7世、聖ルイなどです。最上部の薔薇窓には神の小羊(キリストのことですね)の周りに4人の福音史家の象徴が配置され、その上には剣と裁きの手で飾られた王冠が描かれています。

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ひとしきり、このステンドグラスに見入ります。こんなところでシャガールに遭遇できるとはね。後で大聖堂のショップでそのシャガールのステンドグラスの説明パンフレットを求めます。日本に戻って、じっくりと研究させてもらいます。英文版です。(上記のステンドグラスの説明はその成果です)

ようやく、シャガールのステンドグラスを離れて、今度は左側の後陣に周ります。
ここには、ジャンヌ・ダルク礼拝堂Chapelle de Jeanne d'Arcがあります。中央にあるのがジャンヌ・ダルク像です。

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再び、クロッシングに戻り、南翼廊の薔薇窓とステンドグラスを眺めます。

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シャガール以外のステンドグラスも美しいです。古い大聖堂の中に新しいステンドグラスが不思議なくらいマッチしています。素晴らしいですね。フランスの美意識は凄いです。

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おや、大聖堂の塔の案内があります。階段を上るようです。いつもは高いところが大好きなsaraiですが、パリのノートルダム大聖堂の塔に上った疲れ(後遺症)が残っているので、これは残念ながらパスします。

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最初に入ってきたところに戻ってきました。大聖堂の素晴らしい空間をもう一度味わいます。

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この身廊の一番後ろから内陣奥をズームアップ。下に見えているステンドグラスはシャガールのステンドグラスの中央のものです。最初からずっとシャガールのステンドグラスは見えていたんです。

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側廊に出ます。

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大聖堂の外に出ます。西ファサードの前に美しい並木通りが続いています。ロクフェレ通りRue Rockefellerとその先のリベルジェ通りRue Libergierです。

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その並木通りを歩き始めます。最後に振り返って、ランス大聖堂を眺めます。これでフランスのノートルダム大聖堂巡りも4つ目まで完了です。

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次はこれまた世界遺産だというサン・レミ聖堂Basilique Saint-Remiに向かいます。



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06/18 12:46 sarai

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06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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