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シューベルト&ショスタコーヴィチ ツィクルス II:ハーゲン・カルテット@トッパンホール 2017.7.4

ハーゲン・カルテットの〈ハーゲン プロジェクト 2017〉と銘打った3夜連続のコンサート・シリーズの2夜目です。シューベルトとショスタコーヴィチの後期の作品を並べたものですが、今日は2人の最後から2番目の弦楽四重奏曲、第14番が演奏されました。

前半のショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第14番は昨日の第3番に比べると、創作力自体は下回っているかもしれませんが、晩年のショスタコーヴィチの思いが詰まったような作品で大変聴き応えがありました。特に第2楽章のアダージョの悲哀に満ちた音楽を第1ヴァイオリンのルーカス・ハーゲンが表情たっぷりに演奏し、合の手にチェロのクレメンス・ハーゲンがリッチな響きで応えるという風情は素晴らしいものでした。途中、慟哭のように4人が凄い響きで奏するパートの盛り上がりも大変なものでした。ショスタコーヴィチは自分の人生を重ねたのか、あるいは矛盾に満ちた政治状況を告発したのか定かではありませんが、思いのたけが詰まった音楽です。そして、第3楽章のコーダは哀愁に満ちた雰囲気で静かに音楽を閉じていきます。ハーゲン・カルテットの成熟した音楽性が遺憾なく発揮された素晴らしい演奏でした。

後半のシューベルトは昨日ほどではないにしても、やはり、素晴らしい演奏でした。とりわけ、両端楽章の気迫に満ちた演奏が圧倒的でした。第4楽章は終始、その迫力に魅惑される思いで聴きましたが、コーダの高潮ぶりは凄まじいものでした。有名な第2楽章、《死と乙女》の主題と変奏ですが、これはハーゲン・カルテットとしては普通の出来に思えました。昔日の演奏、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団、ブッシュ四重奏団の鄙びたような味わいの演奏はもう今日的なカルテットの演奏では不可能とも思えてしまいます。20世紀の中頃までの時代でないと出せない味わいではないかと思えてなりません。今日はもしかしたら、ハーゲン・カルテットが時代を遡った奇跡のような演奏を聴かせてくれるかとも期待しましたが、見果てぬ夢に終わりました。まあ、これもsaraiの趣味の問題かもしれません。ああいう昔日の名演奏に捉われてしまっているんです。第2楽章を除けば、理想的とも思えるシューベルトの演奏で満足しました。

今日のプログラムは以下のとおりです。

 〈ハーゲン プロジェクト 2017〉シューベルト&ショスタコーヴィチ ツィクルス II

ハーゲン・カルテット Hagen Quartett
    ルーカス・ハーゲン Lukas Hagen (ヴァイオリン)
    ライナー・シュミット Rainer Schmidt (ヴァイオリン)
    ヴェロニカ・ハーゲンVeronika Hagen (ヴィオラ)
    クレメンス・ハーゲン Clemens Hagen (チェロ)

  ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第14番 嬰ヘ長調 Op.142

   《休憩》

  シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810《死と乙女》

   《アンコール》

  ハイドン:弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.76-4より 第2楽章 アダージョ



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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