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ルツェルンからザルツブルクへ:旅の7日目

今日はルツェルン、そして、スイスの最終日。ピラトゥス山に登るべく、昨夜から計画を練っていました。朝起きると、微妙な天気。雨は降っていないものの、どんよりと曇っています。これでは山頂からの眺望は望めませんね。残念ですが、ピラトゥス山はすっぱりとあきらめましょう。計画変更して、ルツェルンの街歩きします。午後3時半の電車でザルツブルクに向かうので、それまでの間、散策します。
まずはルツェルン中央駅の隣にあるルツェルン・カルチャーコングレスセンター(KKL)を外から眺めます。ここはルツェルン音楽祭のメイン会場です。こんなにモダンな建物だったんですね。それにルツェルン湖畔という立地が素晴らしいです。

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次はバスに乗って、ライオン記念碑を見に行きます。大きな砂岩の岩塊に死に瀕したライオンの巨大な像が刻まれています。なかなかのものですね。

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隣接する氷河公園を見学した後、ムーゼック城壁に向かいます。丘の上に古い城壁があります。この城壁の上に上り、市内やルツェルン湖、そして、行けなかったピラトゥス山を眺めます。絶景ですね。

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そろそろ時間です。駅に向かいます。予定通り、チューリッヒ駅行のIRに乗り、チューリッヒ中央駅でウィーン行のレールジェットに乗り換えます。無事にザルツブルク到着。明日からはザルツブルク音楽祭で音楽三昧の日が続きます。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

アンドラーシュ・シフ・ピアノ・リサイタル1@ザルツブルク・モーツァルティウム大ホール 2017.7.27

今年のザルツブルク音楽祭、まず、手始めはアンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタル。3回にわたるミニチクルスの1回目です。最前列の良い席で聴きます。お隣の地元の年配のご婦人が良い席ねって話しかけてきます。彼女はシフの大ファンだということで、数知れないほどシフのピアノを聴いてきたそうです。もちろん、シフの奥さんが日本人の塩川悠子だということもご承知です。だから、日本人の我々に親近感を抱いたのかもしれません。彼女がその塩川悠子が5列目の真ん中に座っているわよと言うので、立ち上がって見ると、確かにそれらしい方がいらっしゃいました。実はその後、休憩時間にわざわざ塩川悠子が隣席の彼女のところに挨拶に来たのには驚きました。友人なのかって訊いたら、そうだということ。もしかしたら、シフの最高のファンなのかもしれません。開演に先立って、このモーツァルティウムに移設してあるモーツァルトが魔笛を作曲した小屋を見に行きました。ようやく、間近に見ることができました。作曲小屋はモーツァルトの時代から簡素な木製の小屋ですね。マーラーの作曲小屋と似たものです。

さて、肝心のリサイタルですが、隣席の超ファンのご婦人から、最初にドイツ語でシフが内容の紹介があると教えられていました。彼女からドイツ語は分かるのって訊かれて、全然分からないと答えました。ところが、シフはマイクを持って、今日はドイツ語でなく、英語で話しますと言って、客席に軽いどよめき。インターナショナルな音楽祭なので英語で話すことにしたようです。短いスピーチと言って、話し始めましたが、とっても長い話です。それも前半のバッハとバルトークについてだけです。バッハとバルトークは似た作曲家という観点での話でした。二人とも一流のキーボードプレーヤー。二人とも子供(自分の子供)の練習用のプリミティブな作品を書いたこと。それもプリミティヴなのは子供が弾くときのことで、大人は装飾音やアーティキュレーションで高度な作品に変身すること。最後に二人とも自国のナショナリズムを基盤としながらも、作品はインターナショナルなものに昇華していること。バッハもバルトークの自国の壁を越えて、真のヨーロピアンであったこと。これがシフが一番訴えたいことだったのかな。ヨーロッパも世界もナショナリズムに偏ってきている、困難な時代に直面していますからね。

前半のバッハの2声のインヴェンションはいつも聴きなれている、あの子供の練習曲とは一線を画しています。なめらかなタッチ、めくるめくようなスピード感、とりわけ、長調の曲の演奏が見事です。心に残ったのは、F-durとa-mollの2曲。その素晴らしい響きに酔いしれました。バルトークはさすがに最初の≪子供のために≫は民謡をベースにしたプリミティヴな曲でさほどの感銘はありませんが、楽しくは聴けました。残りのロンドとブルレスケは前衛的な響きをシフらしい優しい表現で包み込んで、同国の先達をリスペクトするような演奏。なかなか聴けない曲と演奏でした。

後半もシフ教授からの講義で始まります。ヤナーチェクの『草かげの小径にて』はロマンティックな小路の散策を思わせる、雰囲気たっぷりの演奏。ヤナーチェクらしいモラヴィアの語法も感じさせるところはさすがです。特に左手の使い方が見事でした。ピュアーな美しさは何か哀感をはらんでいるような感じてしまいます。また、ヤナーチェクのオペラを彷彿とさせる部分もあり、ヤナーチェクの独特の音楽世界を堪能しました。
続くシューマン。シフの弾くシューマンもいいですねー! 瑞々しくて、ロマンティックなシューマン・ワールドを満喫しました。まさに心の琴線にふれる風情の演奏でした。

アンコールはシューマンの有名曲。耳馴染んだ名曲で楽しめました。アラベスクのフィナーレのロマンティックさにはうっとりとして、桃源郷にいる心地でした。締めの『楽しき農夫』は子供のためのアルバムという今日のテーマに合わせたんでしょう。あまりの有名曲に会場がざわつきました。

今日のプログラムは以下です。

 ピアノ:アンドラーシュ・シフ

 J.C.バッハ:2声のインヴェンションBWV 772–776
 バルトーク:子供のために~10の小品, Sz. 42 初版
  28. Mr. White Goes to Jailパルランド「ホワイトさんは刑務所に行く」
  29. Dinner at My Houseアレグロ「我が家の夕食は…」
  31. I remember Mamaアレグロ・スケルザンド「ママを思い出すの」
  32. Wedding Day and Nightアレグロ・イロニコ「婚礼の昼と夜」
  33. Light the Way to My Loveアレグロ・イロニコ「婚礼の昼と夜」
  35. Old Maidアレグロ・ノン・トロッポ「古くからのメイド」
  36. Absent is My Sweetheartアレグレット「お休みは私の恋人」
  37. The Lovely Girls of Budapestヴィヴァーチェ「ブダペストの可愛い少女」
  38. In a Good Mood「上機嫌で」
  42. The Swineherd's Danceアレグロ・ヴィヴァーチェ「豚飼いの踊り」
 J.C.バッハ:2声のインヴェンション, BWV 777–781
 バルトーク:民謡の旋律による3つのロンド, Sz. 84
 J.C.バッハ:2声のインヴェンション, BWV 782–786
 バルトーク:3つのブルレスク, Sz 47

  ≪休憩≫

 ヤナーチェク:『草かげの小径にて』(第1集) 
 シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集, Op. 6

  ≪アンコール≫

 シューマン:アラベスク
 シューマン:「子供のためのアルバム」より第10曲『楽しき農夫』

コンサート終了後、夫人の塩川悠子さんと目が合ったので、素晴らしかったですと賛辞をおくると、ありがとうございますという返事をいただきました。

なお、J.C.バッハ、ヤナーチェク、シューマンはシフのCDで予習しました。ヤナーチェク以外は若い頃の演奏で、今日の演奏は驚くべき円熟を感じるものでした。バルトークはコチシュのバルトーク全集で予習しました(子供のためにはシャンドール)。
いよいよ明日はわが人生をかけたコンサートです。saraiの音楽人生の締めくくりになるでしょうか。期待と恐れの入り混じった心境です。そう、この旅の目的である敬愛するハイティンクの指揮するウィーン・フィルで最愛の曲、マーラーの交響曲第9番を聴きます。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico

kicoさん、初めまして。saraiです。

心配ですね。私はそのまま、沈静化するのを待っています。シュターツオーパーのチケットも購入しました。何としても行こうとは思って

03/09 22:12 sarai

はじめまして。私も同じ時期にウィーン滞在の計画をしており、楽友協会でのベルリンフィルのチケットを購入しました。が、新型コロナの件で、そもそも旅行に出られるのかど

03/09 16:59 kico

お役に立てて、なによりです。我が家では今でもメインのCDプレーヤーとして活躍しています。ただ、最近はCDはいったんリッピングしてHDDに格納し、USBオーディオでオーディ

01/18 15:18 sarai

父からアンプとセットで譲り受けたもののトレイが動かず困っていましたが、
ブログを見て自分で購入・修理することができました。
利益目的でもなくまた素人でも分かる記事

01/18 13:50 hisa

のりしんさん

saraiです。コメントお寄せいただき、ありがとうございました。
同じ追っかけ仲間、今後ともよろしくお願いいたします。
彼女の声は素晴らしいですね。

12/01 12:07 sarai

私も中村さんの追っかけやっております。昨日の演奏も圧倒的でしたね。中村さんの歌を聴いていると、なぜか涙腺が緩んで来ます。

12/01 09:39 のりしん
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