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モーツァルト・マチネ1 ボルトン&ザルツブルグ・モーツァルテウム管、サンドリーヌ・ピオー@ザルツブルク・モーツァルティウム大ホール 2017.7.29

今日はお昼にこのモーツァルト・マチネをザルツブルク・モーツァルティウム大ホールで聴いて、夜も同じ会場でアンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタルを聴くという、まさに音楽三昧の1日。

バロック音楽で実績のあるアイヴァー・ボルトンの指揮でザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団によるモーツァルトを聴きます。

まず、小編成のオーケストラでのセレナータ・ノットゥルノは大変、楽しいものでした。多分、生では初聴きです。まるで協奏交響曲のように2つのヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスの独奏と協奏を交えて、音楽の興が極まるような演奏に嬉しくなりました。ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団の生き生きとした演奏はモーツァルトの本場であることを実感させてくれました。

続くソプラノのサンドリーヌ・ピオーは美声の高音を見事に聴かせてくれました。特にツァイーデのアリアの見事さにはうっとりと聴き入りました。故吉田秀和が彼女の声を評して、「鈴をころがすような声」と言ったそうですが、その意味はあまり分かりませんでしたが、モーツァルトのソプラノの歌にはぴったりの声質に思えました。

最後の交響曲第38番「プラハ」は名曲ですし、とても耳馴染んだ曲です。生き生きとした演奏には何も文句はありません。楽しく聴かせてもらいました。あまりの心地よさに時折、意識をなくしそうになって困りました。演奏は素晴らしかったんです。演奏者の皆さん、失礼しました。

今日のプログラムは以下です。

 指揮:アイヴァー・ボルトン
 ソプラノ:サンドリーヌ・ピオー
 管弦楽:ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団

 モーツァルト:セレナータ・ノットゥルノ K.239
 モーツァルト:オペラ≪ポントの王ミトリダーテ≫K.87からアスパージアのレシタティーヴォとアリア
         予感は当たった“Ah ben ne fui presaga” – 淡い影、あなたが見たものは“Pallid’ombre, che scorgete”
 モーツァルト:オペラ≪イドメネオ≫からイダマンテのシェーナとロンドK.490
         もういいの、すべてを聞いてしまったの“Non più, tutto ascoltai”
          - 心配しなくてもよいのです、愛する人よ“Non temer, amato bene”
 モーツァルト:ガリマティアス・ムジクムGallimathias musicum (クォドリベットQuodlibet) K.32 全17曲

  ≪休憩≫

 モーツァルト:オペラ≪ツァイーデ≫K.344からツァイーデのアリア
         やすらかにお休み、私のいとしい命よ“Ruhe sanft, mein holdes Leben”
 モーツァルト:オペラ≪ポントの王ミトリダーテ≫K.87からアスパージアのレシタティーヴォとアリア
         神に感謝“Grazie ai numi partì” – 私の胸を締め付ける“Nel grave tormento”
 モーツァルト:交響曲第38番ニ長調「プラハ」K.504



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アンドラーシュ・シフ・ピアノ・リサイタル2@ザルツブルク・モーツァルティウム大ホール 2017.7.29

アンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタル。3回にわたるミニチクルスの2回目です。今日も最前列の良い席で聴きます。お隣は前回と同じ超ファンの年配のご婦人。友人であるシフの夫人、塩川悠子さんとドイツ語で話し込んでいました。

さて、今日も英語での曲目に関する講義から始まります。実に丁寧な解説でした。特にバルトークの≪戸外にて≫は、彼のオペラやオーケストラ曲との関連についても触れ、シフの並々ならぬバルトークへの傾倒ぶりがうかがいしれました。

前半のバッハの3声のシンフォニアはもちろん、素晴らしい演奏。ただ、やはり、フランス組曲やパルティータが聴きたくなります。むしろ、前半はバルトークの演奏の素晴らしさが際立ちました。シフは現在、最高のバッハ演奏者ですが、バルトークも他の追随を許さないでしょう。前半のプログラムの最後に置いた≪戸外にて≫の第4曲「夜の音楽」、第5曲「狩」は凄い演奏でした。第4曲「夜の音楽」はシフの解説でもあったオペラ≪青髭公の城≫の湖の場面を思い起こさせるような冷たくて荒涼な雰囲気を見事に表現していました。もちろん、野外の夜の自然の匂いやおどろおどろしたところも感じさせます。ディープでダークな最高の演奏でした。第5曲「狩」は一転して、激しく攻撃的な音楽が展開されます。シフの解説したとおり、≪中国の不思議な役人≫の終盤の音楽を思い起こさせられます。“追跡”chaseの音楽です。追跡しているのか、されているのか、聴き手の受け取り方次第でしょう。激しくヒートアップして、圧巻のフィナーレでした。

後半もシフ教授からの講義で始まります。最初、ぐっと考え込んだ挙句の一言。政治と芸術はセパレートされているものだというメッセージ。含蓄のある言葉です。知性派のシフらしい表現に会場からは拍手があがります。ヤナーチェクのピアノソナタはチェコの政治にまつわる人間の死に触発されて作曲されたそうです。シフはそういう経緯で作曲された音楽も、純粋な人間の精神性のなかに昇華していくものだということを言いたかったのではないでしょうか。最後にヤナーチェクもシューマンも偉大な詩人だという言葉で締めくくりました。なるほどね。
ヤナーチェクのピアノ・ソナタは執拗に繰り返される主題が心に沁みてきました。詩情に満ちた素晴らしい演奏でした。ヤナーチェクらしいモラヴィア風の語法も見事に表現されて、彼のオペラの音楽を聴いているような感覚に陥りました。なんと素晴らしいヤナーチェクでしょう。続くシューマンも詩情に満ちた演奏。二人の偉大な詩人の音楽を表現できるシフこそ、ピアノの詩人でしょう。

アンコールでバッハのイタリア協奏曲を聴くのは3度目です。シフのお気に入りのアンコール曲なんでしょう。

今日のプログラムは以下です。

 ピアノ:アンドラーシュ・シフ

 J.C.バッハ:3声のシンフォニア, BWV 787–791
 バルトーク:組曲, Op. 14 Sz. 62
 J.C.バッハ:3声のシンフォニア, BWV 792–796
 バルトーク:戸外にて - 5つの小品, Sz. 81, No. 1–3
 J.C.バッハ:3声のシンフォニア, BWV 797–801
 バルトーク:戸外にて - 5つの小品, Sz. 81, No. 4–5

  ≪休憩≫

 ヤナーチェク:ピアノソナタ 変ホ短調『1905年10月1日 街頭にて』
 シューマン:ピアノ・ソナタ 嬰へ短調, Op. 11

  ≪アンコール≫

 バルトーク:3つのブルレスク, Sz 47から第2曲
 バルトーク:民謡の旋律による3つのロンド, Sz. 84から??
 J.C.バッハ:イタリア協奏曲第1楽章

チクルスの最終回になる3回目はさらに素晴らしいものになるような予感がします。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico

kicoさん、初めまして。saraiです。

心配ですね。私はそのまま、沈静化するのを待っています。シュターツオーパーのチケットも購入しました。何としても行こうとは思って

03/09 22:12 sarai

はじめまして。私も同じ時期にウィーン滞在の計画をしており、楽友協会でのベルリンフィルのチケットを購入しました。が、新型コロナの件で、そもそも旅行に出られるのかど

03/09 16:59 kico

お役に立てて、なによりです。我が家では今でもメインのCDプレーヤーとして活躍しています。ただ、最近はCDはいったんリッピングしてHDDに格納し、USBオーディオでオーディ

01/18 15:18 sarai

父からアンプとセットで譲り受けたもののトレイが動かず困っていましたが、
ブログを見て自分で購入・修理することができました。
利益目的でもなくまた素人でも分かる記事

01/18 13:50 hisa

のりしんさん

saraiです。コメントお寄せいただき、ありがとうございました。
同じ追っかけ仲間、今後ともよろしくお願いいたします。
彼女の声は素晴らしいですね。

12/01 12:07 sarai

私も中村さんの追っかけやっております。昨日の演奏も圧倒的でしたね。中村さんの歌を聴いていると、なぜか涙腺が緩んで来ます。

12/01 09:39 のりしん
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