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ガルミッシュ・パルテンキルヒェンはR・シュトラウスの町:旅の12日目

4日間はザルツブルク音楽祭の記事をアップするのがやっとで、旅の記事はお休みしていました。今日はザルツブルク音楽祭を1日、離れて、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンへの小旅行です。バイエルン・チケットを使って、ザルツブルクからミュンヘンを経由して、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンに向かいます。途中、バスを乗り継いで、世界遺産のヴィースの教会を訪ねます。以前、バスでこの教会の前を素通りしたのが残念で、今日は遂に教会を訪れることができました。草原の中に佇む、とっても美しい教会です。

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ヴィースの教会からは直通のバスでガルミッシュ・パルテンキルヒェンに向かいます。ちょっとしたトラブルでガルミッシュ・パルテンキルヒェンへの到着が1時間近く遅れたので、ホテルにチェックインする前にR・シュトラウスのお墓と山荘を訪れます。配偶者からは遅くなったので、墓地はクローズしてるんじゃないのって、指摘されます。場所は事前に把握していたので、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンの駅前から4番のバスで向かいます。市内バスもバイエルン・チケットが有効です。墓地の入り口の建物に着くと、扉は施錠されています。あせって、横に移動して、手当たり次第に入り口らしき戸を開けてみると、施錠していないところがあり、無事、墓地内に入れます。墓地内のR・シュトラウスのお墓はほぼ分かっていたので、一直線でお墓に向かいます。順番に見ていくと、R・シュトラウスのお墓を無事、発見。ひとしきり、リーガースベゴニアで飾れた美しいお墓を眺めます。

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その後、PCを取り出して、フェリシティ・ロットの歌う「4つの最後の歌」を聴きます。森閑とした墓地に美しい音楽が流れます。すると、その音楽に触発されたかのようにさっきまで青空だった空がにわかに暗くなり、雨がぽつり、ぽつり落ちてきます。おまけに、雷鳴まで響きます。R・シュトラウスの霊が目を覚ましてしまったかのようです(アルプス交響曲みたいですね)。傘をさして、お墓の前に座り込んで、「4つの最後の歌」の終曲、Im Abendrotを聴いていると、音楽が心に沁みてきます。まさに今は黄昏時です。4曲聴き終えて、お墓にそっと別れを告げます。バスに乗って、街に戻る頃には雨も上がり、ツークシュピッツェ山に虹がかかっています。R・シュトラウスからのご挨拶でしょうか。
次いで、R・シュトラウスの山荘に向かいます。地図を片手に歩いていくと、高級住宅街の一角に山荘が見えてきます。入り口の鉄柵には、RとSの文字が組み込まれています。その先、芝生の向こうに美しい山荘が見えます。垣根沿いで山荘を見ながら、フェリシティ・ロットの歌う「明日の朝Morgen」を聴きます。美しい山荘の空間に最高に美しい旋律が流れます。

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R・シュトラウスの町、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンを訪れて、本当によかったという感慨が心に広がります。イタリアの盗難事件で失ったIPODは既にありませんが、新しいPCを急遽、セットアップして、自宅サーバーから何とかダウンロードできたフェリシティ・ロットのR・シュトラウス・アルバムはsaraiの心を優しく慰撫してくれました。シュヴァルツコップの絶唱は帰国後、自宅でゆっくりとこのガルミッシュ・パルテンキルヒェンに心を馳せながら、聴くことにしましょう。

感動のガルミッシュ・パルテンキルヒェン訪問でした。


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グリゴリー・ソコロフ・ピアノ・リサイタル@ザルツブルク祝祭大劇場 2017.8.1

今年のザルツブルク音楽祭で遂にグリゴリー・ソコロフのピアノを生で初めて聴きました。結論から言えば、噂にたがわぬ素晴らしい演奏を聴かせてくれました。最後に演奏したベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111のアリエッタの素晴らしいこと、感動しました。今年はアンドラーシュ・シフの来日コンサートに続いて、このベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタの究極の演奏を2度も聴けるなんて、ピアノ好きとしては嬉しい限りです。

前半のプログラムはモーツァルトでしたが、その内容は微妙なところ。テクニックもピュアーな響きもそして、音楽性もすべて素晴らしいのですが、何か、もうひとつ、心に響いてきません。何が問題だったのでしょう。

後半のプログラムはベートーヴェンのソナタ2曲。これは最高に素晴らしい演奏でした。冴えていて、潤いのある響きで実に正統的な演奏です。この演奏を聴いていて、ポリーニの演奏したCDを上回るかなと思いつつ、何か、記憶の端にひっかかるものを感じていました。そして、ふいにある演奏家のことを思い出しました。ヴィルヘルム・バックハウスです。彼は鍵盤の獅子王と呼ばれていましたが、CDで聴いた感じでは、美しい響きで女性的とも思えるなよやかな演奏をしています。グリゴリー・ソコロフもその系譜につながるような演奏をしているように思えます。モーツァルトがもうひとつに感じたのは、あまりに立派な演奏をし過ぎて、ひたむきさとか、詩情が感じられなかったためです。しかし、ベートーヴェンでは、逆にその立派な演奏がプラスに働いて、前向きなテンションの高さ、崇高な諦念というベートーヴェンの精神世界を見事に体現していました。今回の公演は録音・録画していたので、いずれ、DVD,CDになるのでしょう。今日のベートーヴェンは名演として、語り継がれていくことになるでしょう。それにそても、冴えわたった美音で演奏されたアリエッタはまさに天上の世界の天使を思わせる崇高な音楽でした。同じレベルの第31番Op.110の演奏を聴きたいものです。

アンコールははっきりした曲名が言えないので申し訳けありませんが、いずれも耳馴染んだ名曲がソコロフらしい美しいタッチで歌われ、ベートーヴェン同様、素晴らしい音楽でした。シューマンのアラベスクは数日前にシフのアンコールでも聴いたばかり。まるで聴き比べですが、いずれ、アヤメかカキツバタという感じ。いずれも名人・達人のレベルの音楽でした。

今日のプログラムは以下です。

 ピアノ:グリゴリー・ソコロフ

 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番ハ長調K.545
 モーツァルト:幻想曲ハ短調K.475
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457
 
  ≪休憩≫

 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番ホ短調Op.90
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111

  ≪アンコール≫

 シューベルト:楽興の時 D.780より第1番ハ長調
 ショパン:2つの夜想曲 Op.32
 ラモー:『コンセール用クラヴサン曲集』よりL'Indiscrete
 シューマン:アラベスク Op.18
 ドビュッシー:前奏曲集 第2巻より第10曲『カノープ』



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快晴のツークシュピッツェ:旅の13日目

今日は昨日からのガルミッシュ・パルテンキルヒェンへの小旅行の2日目です。ドイツ最高峰の山、ツークシュピッツェに登ります。と言っても、登山鉄道とロープウェイを乗り継ぐだけのことですから、日本の富士山登山とは一線を画します。今日は絶好の晴天。先日のアルプスの悪天候とは大違いです。どっと人出があることを予想して、朝一番の行動を取ります。8時15分のガルミッシュ・パルテンキルヒェン発のツークシュピッツェ鉄道の1番電車に乗ります。意外にそれほどの混みようではありませんが、それでも多くの人たちがこの電車で出かけます。でも、途中の駅から次々と乗客が乗り込んできて、最終的には満席で座れない人までいます。ツークシュピッツェは異様な雰囲気の岩山です。近づくにつれ、こんな切り立った山に登山電車が登れるか、疑問に思えます。アイプ湖を過ぎた後、登山電車は岩山の中のトンネルを進んでいきます。ユングフラウヨッホと同じ方式ですね。やがて、登山電車は山頂のすぐ下のツークシュピッツェ・プラットに到着。ここからはロープウェイで一気に山頂に登ります。山頂には4階建てほどの大きな施設がドイツとオーストリアにまたがって作られています。オーストリア側からのロープウェイもつながっています。快晴の中、360度の大パノラマが楽しめました。
岩山の連なりが見えています。

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切り立った岩山の下にはオーストリア側の村が見えています。

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ツークシュピッツェには雪渓が残っています。その向こうに見えているのはアルプスでしょうか。

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遥か下には先ほど通ってきたアイプ湖が見えています。

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saraiが登頂記念にオーストリア側のショップで野球帽を買ったら、配偶者に年寄りじみて見えるって、揶揄されます。まあ、実際、年寄りなんだから仕方がない。そのまま、ずっと野球帽を被っています。あまり、人で込み合ってしまう前に下山しましょう。また、ロープウェイ、登山電車に乗ります。途中、アイプ湖で降りてみると、登山電車待ちの人が大行列。アイプ湖をちょっと眺めて、早々に登山電車に乗ります。ところが登りの行列に並ばされそうになります。ここは配偶者の押しでスタッフを説き伏せて、行列を迂回して、下りの電車に乗せてもらいます。危ない、危ない・・・。
無事にガルミッシュ・パルテンキルヒェン駅に着くと、ここでも登山電車に乗ろうとする人たちが大行列。凄いですね。朝一番の行動をとって、大正解でした。ミュンヘン経由でザルツブルクに戻りますが、乗り換え時間の1時間を使って、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンのR・シュトラウス研究所に寄っていきます。ところが研究所の扉は固く閉じられています。今日は休館だそうです。残念ですが仕方がありません。予定の電車を乗り継いでザルツブルクに戻りました。もちろん、バイエルン・チケットを使った格安の運賃です。
同じホテルに再チェックインして、夜はグリゴリー・ソコロフのピアノ・リサイタルです。彼は2000年以降は来日していない、日本人にとっては幻のピアニストとなっています。流石の演奏で会場は大盛り上がり。ヨーロッパでは破格の人気のピアニストなんですね。


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アンドラーシュ・シフ・ピアノ・リサイタル3@ザルツブルク・モーツァルティウム大ホール 2017.8.2

アンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタル。3回にわたるミニチクルスの3回目です。今日は最前列中央で聴きます。お隣は何故かまた、前回・前々回と同じ超ファンの年配のご婦人。席の場所は変わったのに一緒にシフトとは奇妙な縁です。もうお会いすることはないでしょうがシフを縁としたつながりを感じます。また、友人であるシフの夫人、塩川悠子さんが彼女に挨拶に来られました。

さて、今日も英語での講義で始まります。

前半のバッハのカプリッチョはアンジェラ・ヒューイットで聴いたばかりですが、シフは豊かな響きの安定した演奏で若きバッハの傑作をしっかりと聴かせてくれました。続くバルトークのミクロコスモスの『ブルガリアのリズムによる6つの舞曲』は力作だけに、シフも渾身の演奏。激しいリズムの難曲をパーフェクトに演奏。前衛的にして、実に音楽的な演奏です。バルトークの真骨頂を見事に表現してくれました。続くバッハのデュエットはそれほど耳馴染みがないせいか、最初あれっと思います。その前のバルトークと同じような前衛的が響きがして、一瞬、まだ、バルトークが続いているのかと錯覚します。考えてみれば、バッハとバルトークほど、抽象的な響きの音楽を作り出した作曲家はいませんね。ピュアーな絶対音楽の世界はいつまで経っても常に前衛的であり続けます。バッハとバルトークは200年の時間の隔たりを乗り越えて、音楽の根っこでつながっているような気がしてなりません。大変な天才です。この二人の間に存在した天才、ベートーヴェンとマーラーは音楽表現に主観と劇的なものを持ち込んでいますから、異質な存在でしょう。ともあれ、バッハのデュエットはシフのますます冴えわたる演奏でバッハの素晴らしさを体感させてくれました。続いて、また、バルトークのミクロコスモスの『ブルガリアのリズムによる6つの舞曲』、バッハの4つのデュエットの残りが演奏され、ますます、音楽が熱くなっていきます。そして、前半のプログラムの最後に置かれたバルトークのピアノ・ソナタの凄まじく素晴らしい演奏には、ただただ圧倒されるだけです。シフって、こんなに熱いピアニストだったんですね。同じハンガリーのバルトークということもあるんでしょうが、音楽的共感に満ちた最高の演奏でした。テクニックも完璧でしたが、それ以上にバルトークの音楽の本質に踏み込んだ演奏と言えます。民俗音楽を抽象音楽に昇華させたバルトーク。彼のピアノ音楽はよく打楽器的な表現と言われますが、確かに乗りの良いリズムがベースにはなっています。しかし、本質はその心地よさを突き抜けたところにある人間の本性、不安や絶望が純粋音楽として描きつくされていることです。そういう、どろどろとしたものをないまぜにして、シフのピアノは純粋な音楽美を見事に表現してくれました。

後半もシフの講義で始まります。

ヤナーチェクの≪霧の中で≫はとても美しい音楽。シフは繰り返して出てくる主題を印象的に感じさせながら、ロマンティックとも言えるような演奏で聴き手の心をぐっと引き寄せます。ヤナーチェクの素晴らしさを教えてくれるような演奏に感銘を覚えました。
今回のチクルスの最後を締めくくるのはシューマンのピアノ曲の最高峰のひとつである幻想曲です。シフはベーゼンドルファーの深くて、豊かな響きを駆使して、シューマンの青春の輝き、ロマン、祝典性、優しい愛を語りかけてきます。シューマンのピアノ曲の多様性をこれ以上はないほどに表出した稀有な演奏でした。何も言うことはありません。こういうシューマンが聴けて、幸せ感に浸るのみです。シューマンって本当にいいなあ!

今日のプログラムは以下です。

 ピアノ:アンドラーシュ・シフ

 J.C.バッハ:カプリッチョ『最愛の兄の旅立ちに寄せて』変ロ長調, BWV 992
 バルトーク:ミクロコスモス~『ブルガリアのリズムによる6つの舞曲』 (第6巻), Sz. 107, No. 1–3
 J.C.バッハ:4つのデュエット第1番 ホ短調, BWV 802(クラヴィーア練習曲集第3部)
 J.C.バッハ:4つのデュエット第2番 ヘ長調, BWV 803(クラヴィーア練習曲集第3部)
 バルトーク:ミクロコスモス~『ブルガリアのリズムによる6つの舞曲』 (第6巻), Sz. 107, No. 4–6
 J.C.バッハ:4つのデュエット第3番 ト長調, BWV 804(クラヴィーア練習曲集第3部)
 J.C.バッハ:4つのデュエット第4番 イ短調, BWV 805(クラヴィーア練習曲集第3部)
 バルトーク:ピアノ・ソナタ, Sz. 80

  ≪休憩≫

 ヤナーチェク:霧の中で
 シューマン:幻想曲 Op. 17

  ≪アンコール≫

 J.C.バッハ:前奏曲とフーガ(平均律クラヴィーア曲集??)
 バルトーク??
 シューマン??

素晴らしいチクルスでした。シフの音楽的教養の高さを彼のスピーチで知ることができましたが、それ以上に彼の人間性、優しさや温かさが印象的でした。それにピアノを弾くときのシフの表情・・・音楽を慈しむような表情がなんとも素晴らしい。本当に音楽を愛する人なんですね。彼の音楽的進化は留まるところを知らないようです。今年はシフのリサイタルを5回も聴き、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ヤナーチェク、バルトークの代表的な作品を聴かせてもらいましたが、いずれも最上級の演奏でした。いまや、ピアノの世界では最高の巨匠に上り詰めているようです。聴き逃してはいけないピアニストです。次は何を聴かせてくれるでしょう。


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       シフ,  

ガランチャ・メゾソプラノ・リサイタル@モーツァルト劇場 2017.8.3

久々に聴くガランチャの歌声は全音域にわたって、美声が響き渡ります。とりわけ、ソット・ヴォーチェの素晴らしいピュアーな声には参ります。ガランチャの場合、ソット・ヴォーチェと言ってもよく響きますから、クリアかつ繊細です。もちろん、持ち前のドラマチックな超ど級のフォルテッシモの響きは驚異的です。ですから、低域から高域まで、pからffまでの声を駆使して歌われる表現の幅の広さは彼女にしか歌えないと思わせられます。もちろん、ガランチャは歌だけでなく、演技力もありますから、オペラのほうが本領を発揮できるという見方もありますが、今回、初めて、彼女の歌曲を聴いてみて、歌曲においても、頭抜けたものを持っていると感じました。

前半のプログラムはブラームスでしたが、あまりに美声で歌われる歌につい聴き惚れてしまいました。歌の表現うんぬんの前にこれほどの美声で歌われると何も言うことがありません。≪私たちは歩き回ったWir wandelten, op. 96/2≫の美しさにはうっとりと聴き入るばかりです。pの高音の美しさ、繊細さ、そして、安定した中低域。ブラームスが書いた愛の歌が心に迫ります。最後の≪永遠の愛Von ewiger Liebe, op. 43/1≫はキルヒシュラーガーのCDで愛聴して止まない歌ですが、ガランチャはサビの部分で見事に高潮した歌声で感銘させてくれます。まあ、この歌ばかりはキルヒシュラーガーの絶唱を上回ることは難しいですが、それでも十分に堪能させてくれました。前半のプログラムのブラームスはフィンク、キルヒシュラーガーに並び立つ素晴らしさで魅了してくれました。

後半のプログラムはデュパルクの歌曲3曲で始まります。前半のブラームスでは表現上、抑えた歌声でしたが、デュパルクでは思いっきりの響きで圧倒してくれます。ブラームス同様、とてつもない美声の歌声です。まあ、それだけで十分なのですが、デュパルクらしい粋という点では、フランス系の名歌手には残念ながら及ばないのも事実です。ですが、これほどの美声で歌われるデュパルクというのも驚異的ではあります。
続くラフマニノフですが、これはどこをとっても素晴らし過ぎるというのが実感です。ラフマニノフの切なくて熱く燃える心情が余すところなく歌われます。ガランチャの美声とドラマティックな表現が遺憾なく発揮されて、最高のラフマニノフに仕上がっていました。これほどまでにラフマニノフを歌えた歌手はいなかったのではないでしょうか。ヴィシネフスカヤもびっくりという感じです。メゾソプラノとは言え、ソプラノ歌手も凌駕し、さらにメゾの利点を発揮した究極の歌唱です。

アンコールの3曲目、ピアノ伴奏が始まったとたん、あまりの嬉しさで跳び上がりそうになります。先日、R・シュトラウスのガルミッシュ・パルテンキルヒェンの山荘前で聴いた≪明日の朝≫です。本来、ソプラノが歌う曲ですが、そのハンディをものともせずに素晴らしい歌唱で魅了してくれました。saraiの愛聴曲ということもあり、今日、最高の歌でした。

今日のプログラムは以下です。

 メゾソプラノ:エリーナ・ガランチャ
 ピアノ:マルコム・マルティヌー

 ブラームスの歌曲
 愛の誠実Liebestreu, op. 3/1
 愛と春 II Liebe und Frühling II, op. 3/3
 秘密Geheimnis, op. 71/3
 私たちは歩き回ったWir wandelten, op. 96/2
 おお 可愛いほほよO liebliche Wangen, op. 47/4
 サッフォー風のオードSapphische Ode, op. 94/4
 「マゲローネのロマンス」~憩え、いとしい人よRuhe, Süßlichen, im Schatten, op. 33/9
 おお、帰り道を知っていたならばHeimweh II, op. 63/8
 昔の恋Alte Liebe, op. 72/1
 乙女の歌Mädchenlied, op. 107/5
 五月の夜Die Mainacht, op. 43/2
 私は夢を見たEs träumte mir, op. 57/3
 落胆Verzagen, op. 72/4
 永遠の愛Von ewiger Liebe, op. 43/1
 
  ≪休憩≫

デュパルクの歌曲
 戦いの起こった国へAu pays où se fait la guerre
 恍惚Extase
 フィデレPhidylé

ラフマニノフの歌曲
 いや、お願いだ、行かないでO,net,molju,ne ukhodi! op. 4/1
 私は悲しい恋をした Poljubila ja na pechal’ svoju op. 8/4
 夕暮れ Sumerki op. 21/3
 彼女たちは答えたOni otvechali op. 21/4
 私はあなたを待っているJa zhdu tebja op. 14/1
 リラの花Siren’ op. 21/5
 夜は悲しい Noch’ pechal’na op. 26/12
 「美しい人よ、私のために歌わないで」(6つの歌)Ne poj,krasavitsa,pri mne op. 4/4

  ≪アンコール≫

 ブラームス:?
 ラフマニノフ:?
 R・シュトラウス:明日の朝Morgen! Op.27-4



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ザルツブルクの休日:旅の14日目

今日はガルミッシュ・パルテンキルヒェンへの小旅行の疲れもあり、また、それ以上にここ数日の30度を超える猛暑もあり、予定していたヴェルヒェンの氷窟探索は中止。ザルツブルクでゆっくりと過ごすことにします。
朝はホテルの近くのスーパーSPARに朝食の買い出し。牛乳やパンや果物を仕入れます。
ホテルの部屋での朝食後、ザルツブルクの町に出かけます。ホテルから町に出るのは、メンヒスベルクの岩山をくり抜いたトンネルを通ります。猛暑の中でもトンネルに入るとひやっとします。天然の冷房ですね。このトンネルはとても便利で、旧市街にも出られますが、直接、祝祭大劇場、モーツァルト劇場、フェルゼンライトシューレの会場にもつながっています。もちろん、チケットのチェックのスタッフが見張っているので、チケットがなければ入れません。ホテルから会場まで雨にも濡れず、天然冷房の通路を抜けて5分ちょっとで行けるのは贅沢の極みです。
で、トンネルを抜けて、ザルツブルク大聖堂の裏にある郵便局に孫に出す絵葉書の切手を買いに行きます。そこで不便していたPCのイヤホンもゲットしてルンルン。これでヴェッター湖でマーラーとブラームスの作曲した音楽を聴けるでしょう。次にレジデンツ広場にあるMANNERの直営店に行き、お土産を購入。これで堂々と日本に帰れます。次の課題はザルツブルク音楽祭記念のワインを買いに行くこと。これもすんなりと買えました。今日からいただくことにします。

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ネットで評判のお店でランチをいただきます。ここでsaraiはワインを飲み過ぎて、ふらふらしながら、ザルツァッハ川べりの道を戻ります。
今日の総仕上げはトンネル内でみつけたシュテファン・ツヴァイク・センターを訪問することです。午後2時~4時の間しか公開していないんです。ところが、トンネル内のエレベーターの入り口が閉まっていて頑として開きません。ここであきらめるわけにはいかないので、岩山に上る階段をふーふー言いながら歩きます。ようやく、岩山の上の建物につくと、そこはちゃんと開いています。受付の女性に苦情を言うと、おかしいわね、横のボタンを押すとちゃんと入り口は開くはずよ。でも、ごめんなさいねって言います。後でもう一回チェックしてみましょう。センター内のツヴァイクの展示を見て、小冊子と絵葉書を記念にいただきます。カプツィーナー山にある旧ツヴァイクのヴィラの場所も教えてもらったので、時間があれば、見に行きましょう。帰りにエレベーターでトンネル内の入り口に行くと、横に入り口を開錠するボタンがしっかりあって、機能していました。無念!

この後、ホテルで休んで、夜はアンドラーシュ・シフの3回目のリサイタル。素晴らしい演奏にうならされました。



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ザルツブルク近郊の温泉でまったり:旅の15日目

今日も猛暑が続きます。山の温泉で旅の疲れを癒してきましょう。バード・ガシュタインBad Gasteinの温泉に出かけます。ザルツブルクからレールジェットで1時間半ほどです。駅は谷間の町の中腹にあり、まずは坂道を下って、街散策。町のおじさんに道を訊きながら、ツーリストインフォメーションを訪ねます。そこで地図をもらい、町の名物の滝の場所と温泉の場所を教えてもらいます。町の真ん中にある滝はなかなかの迫力。これは見逃せません。

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その後、バスで駅前にあるフェルゼンテルメという温泉に向かいます。ここで温泉三昧。プールやサウナ、日光浴を楽しみ、すっかりリラックスします。ザルツブルクに戻ると、夕方なのにまだ暑い! 急いで支度して、メゾソプラノのエリーナ・ガランチャの歌曲リサイタルを聴きました。相変わらずの凄い美声に酔わされました。



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マーラー紀行:旅の16日目

今日はマーラーを訪ねる小旅行です。マーラーが最も充実した日々に毎年の夏を過ごしたヴェルター湖Wörtherseeの湖畔マイアーニックMaierniggが目的地です。マーラーは相当に裕福だったらしく、ここに広大な敷地(といっても湖畔の山の中ですが)を購入し、湖畔にはヴィラを、山中には作曲小屋を設けました。一番の目的はこの作曲小屋を訪ねることです。公開時間がお昼の1時までなので、急いで行く必要があります。最寄りのクラーゲンフルトKlagenfurt中央駅に11時過ぎに着くためにザルツブルクを8時過ぎのレールジェットに乗ります。3時間という長旅になるので贅沢にファーストクラスに乗ります。お陰で車内はがらがら。ゆったりと鉄道旅を楽しみます。と言っても夜中までブログを書いているsaraiは眠くなって、途中からは爆睡です。目が覚めるともうヴェルター湖です。ヴェルター湖を通り過ぎたところでクラーゲンフルトに到着。ところでこの小旅行にはマーラー以外にもう一つ目的があります。ブラームスもこのヴェルター湖の湖畔の町ペルチャッハPörtschachで夏を過ごし、名作、交響曲第2番、ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタ第1番≪雨の歌≫を作曲しました。ブラームスのファンでもあるsaraiはこのペルチャッハの町も訪れるつもりです。ところがびっくり。レールジェットはクラーゲンフルトに停まる前に何とペルチャッハの駅にも停車。すると、帰りはこのペルチャッハから直接レールジェットに乗ればいいのかもしれません。クラーゲンフルトに到着後、時刻表で調べるとやはり帰りのレールジェットはペルチャッハにも停車します。予定を大幅に変更して、マーラーの作曲小屋を訪ねた後にヴェルター湖のクルーズ船に乗って、ペルチャッハを訪れて、そのまま、そこからレールジェットに乗って、ザルツブルクに戻ることにします。しかし、そうすると、バスの時刻表や船の時刻表を知る必要があります。クラーゲンフルトの駅前でツーリストインフォメーションでもないかと見回しますが、残念ながら見当たりません。その代わり、ポストバスのオフィスが見えます。急いで、そこに駆け込んで、ルートについて相談します。しかし、マーラーの作曲小屋のあるマイアーニックからクルーズ船の桟橋まで直接行くバスはないそうで、近くのバス停から1キロほど歩くしかないと言われます。仕方ありません。歩きましょう。でも地図がありません。ポストバスのオフィスにも地図がないそうで、困っていると、親切なスタッフがPCの画面でグーグルマップを見せてくれます。バス停から桟橋までの行き方はほぼ理解しました。クルーズ船の時刻は分かりませんが、バスの時刻が2時間に1本くらいなので、あまり選択肢はありません。バスの時刻表だけもらってオフィスを辞去します。そうなれば、急いで行動するのみです。日頃は公共交通機関しか利用しないsaraiですが、とりあえず、マーラーの作曲小屋まではタクシーに乗って急行します。タクシーは山道の途中まで行ってくれましたが、その先はプライベートエリアらしく、道はバーで閉じられています。特定の人だけが暗号かキーで開けられるようです。ここでタクシーを降りて、坂道を登っていきます。10分くらいで作曲小屋が見えてきます。

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小屋の前で写真を撮っていると、若い女性スタッフが出迎えてくれます。作曲小屋の中は誰も訪れている人はいません。日本から来たと言うと、遠くから来たのねと言われます。入場料は一人3ユーロ。支払うと、英語とドイツ語のどちらがいいのって訊かれます。もちろん、英語と応えると、立派な英語の資料を手渡されます。その上で、分かりやすい英語で詳細な説明が始まります。ちょうどCDでマーラーの音楽が流れているので、何?って訊くと、バースタイン指揮ニューヨーク・フィルの演奏でマーラーの交響曲第6番でした。とっさには分かりませんね。そのマーラーの音楽をバックに彼女のマーラーストーリーは続きます。もちろん、このマイアーニック時代の話が中心ですが、その時代のしめくくりは娘のアンナ・マリアの死とその思い出の辛さから、マーラーはもう2度とこの地を踏むことはなかったということです。心なしか、説明する彼女も悲しそうでした。その後のマーラーが死に至るまでの話までしてくれました。もちろん、ほとんどは知っている話ではありますが、マーラーが作曲家としての大成した、この作曲小屋で聞くとなんだか、感慨深く感じます。アッター湖の作曲小屋に比べると広くて立派な作曲小屋です。

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ここにグランドピアノを運び込んでいたそうです。壁には金庫まで備え付けられていましたが、これは火事への対策だそうです。大切な作曲中の楽譜が焼けては困りますからね。マーラーの創作活動には、こういう自然の中にいあることが必須だったようです。ハイキング、湖でのボート遊び、登山(山を越えて、スロヴェニアまで遠征したそうです)など、自然の中から創作の素材を得ていたようです。いつもかかさずノートブックを持っていたそうです。一通りの話が終わったところで、彼女にアダージェットを流してくれるようにお願いします。バーンスタインのニューヨーク・フィルとの交響曲全集があるのが分かっていたのでお願いしたんです。彼女は即座にアルマとの思い出の曲ねって、反応してくれました。彼女もマーラーについてはなかなか分かっているようです。ちなみにここでマーラーが作曲したのは、交響曲第4番~第8番、リュッケルト歌曲集、亡き子をしのぶ歌です。この地を去った後、自分の死期を悟り、作曲したのはわずかに3曲。大地、すなわち、人生との告別を込めた不朽の名作、大地の歌、交響曲第9番、交響曲第10番(未完)です。
椅子に腰かけて、ボリュームを上げてもらって、3人(sarai、彼女、配偶者)で静かに美しいアダージェットに耳を傾けます。アルマへの思いが詰まった音楽が、作曲された場所で流れます。saraiはただただ深く感動するのみです。このバーンスタインの演奏はマーラーの音楽がブームになった端緒とも言えるものです。久しぶりに聴きましたが、とても素晴らしいです。演奏が終わって、しばらくはみんな、沈黙して、音楽の余韻に浸らせてくれました。この静かな時間こそ、マーラーの音楽には一番必要なものです。深い感銘を受けて、最高の時間を持てました。こんな幸せはありません。ふと、脳裏にヴィスコンティの名作≪ヴェニスに死す≫の1シーンがよぎります。老作曲家アッシェンバッハ(マーラーがモデル)が妻と娘とヴィラで幸せに過ごしたシーン、娘が亡くなり棺に納めるシーン。これらは映画ではアッシェンバッハが過去を回想するフラッシュバックになっていますが、これはまさにこのマイアーニックでの出来事ですね。saraiがこの映画を見たときにはマイアーニックの存在など知りはしなかったので、今、急に脳裏を横切りました。もう一度、あのヴィスコンティの名作を見たくなりました。
作曲小屋を辞去するにあたり、彼女と一緒に記念撮影。そして、マーラーの湖畔のヴィラへの道を教えてもらいます。山道を下りながら、今度はPCに入れておいたマーラーの音楽を流します。静かな山中にアダージェットの美しい響きが吸い込まれていきます。この道はマーラーが作曲小屋と湖畔のヴィラを思いにふけりながら歩いた道でしょう。ハイティンク指揮ベルリン・フィルの演奏はとても優しい響きの名演です。湖畔の自動車道路に着くころに演奏は終わります。自動車道路を歩いて、ヴィラを探します。しばらく歩くと23番の標識のあるヴィラはありました。今は個人所有になっているので門の外から見るだけです。そうこうするうちに、ポストバスの時間が迫ります。もう数分でバスが来るので急ぎ足でマイアーニックのバス停に急ぎます。バス停では数人がバスを待っています。すぐにバスが来て、ポストバスのオフィスで教えてもらったバス停オイロパパルクEuropaparcまで運んでくれます。名前の通り、広大な公園が広がっています。公園を突き抜けて、湖畔に出ると、やがて、ヴェルター湖のクルーズ船乗り場が見つかります。運よく、2時間おきに運行しているクルーズ船の出航時間は20分後です。待っている女性に訊くと、この船がペルチャッハに行くそうです。また、チケットは船で買えるそうです。一安心です。やがて、船が桟橋に近づいてきます。船から出てきた船員からチケットを買い、乗船します。しかし、今日はとてつもない暑さで湖の上もうだるような暑さ。船内も暑いし、デッキは日が照り付けています。こういう時には配偶者に任せると最上の席を探してくれます。今日もデッキの上で唯一、屋根が日光を遮っている特上の席を見つけてくれます。6名限定の席です。既に数人座っていますが、相席をお願いして、ラッキー! やはり、いい妻を持つべきですね。1時間のクルーズでペルチャッハに向かいます。途中、船上から、マーラーのヴィラが見えます。作曲小屋のお姉さんの話では、1stフロア(つまり、2階)にマーラーの寝室があり、湖に面したバルコニーからヴェルター湖をよく眺めていたそうです。いいものが見られました。これだけでもクルーズ船に乗った甲斐がありました。

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あっ、忘れてはいけません。ペルチャッハに向かうのですから、PCにイヤホンを装着して、ブラームスの交響曲第2番を聴きます。サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルで第2楽章を聴きます。なるほど、この美しいヴェルター湖にぴったりのイメージです。時間が余ったので、また、マーラーの交響曲第5番のアダージェットを聴きます。うーん、こちらのほうがヴェルター湖の美しい自然にはぴったりですね。美しい湖面と周りの山々が優しく、saraiを包み込んでくれる感じです。これが今日3度目のアダージェットですが、この3回のアダージェットは人生最高のアダージェットです。今後、これ以上の感慨を得ることはできないでしょう。
ペルチャッハに着いて、ヴェルター湖に突き出した半島のようなところの先端から根元に向かって伸びる湖畔の小径、ブラームス通りBrahmswegを歩きます。しかし、なんとも暑い! ここは避暑地ときいたのに、今日は40度近くは温度が上昇している感じです。湖畔の湖水浴のビーチが大混雑です。ブラームスっていう雰囲気はまったくありません。ここからは修行が始まります。ペルチャッハの情報はほとんどありません。とりあえず、町の中心のほう(地図はなく、saraiの頭の中にある地図だけが頼り)に向かいます。と、配偶者が「ツーリストインフォメーションがあったわよ!」。やみくもに歩いていたのにまったくの僥倖です。早速、カウンターにただ一人いたスタッフのお姉さんにブラームスって言いかけると、即座にブラームスのハウスのことね・・・ここには、もう何もないわよって、すげないお答え。あまりにブラームスに冷たいですね。一応、地図でBrahmsliegeという場所を示してくれました。このあたり一帯がゆかりの場所だということです。それではあんまりだと思ったか、奥から≪ブラームスの足跡Auf den Spuren von Brahms≫なる13枚の写真カードの小冊子を出してくれました。裏表紙には一応、ブラームスを巡る散策コースが紹介されています。訊くと、これはなんと無料でいただけるそうです。紹介されているコースを巡る時間はありませんが、すべて写真付きですから、行ったようなものです(違うかな・・・)。まあ、一応、地図にあるBrahmsliege(ブラームスの寝床っていう意味?)に行ってみましょう。ところがこれが大間違い。山の中の坂道を上がっただけです。きっとブラームスの散歩コースの一部なんでしょう。暑くて苦しくて、まるでブラームス修行のようなものでした。ペルチャッハはブラームスが美しいヴェルター湖をここから眺めながら、作曲したんだねって思うだけのところのようです。あとは≪ブラームスの足跡Auf den Spuren von Brahms≫を眺めるだけで十分でしょう。
暑くて、へとへとになって、倒れそうになりながら、ペルチャッハ駅で帰りのレールジェットに乗り込みました。レールジェットのファーストクラスは快適でようやく疲れを回復。レストラン車両に乗ったので、らくらく食事もできて、息を吹き返しました。マイアーニックで素晴らしい感動の体験を持ち、ペルチャッハで苦しい修行をしたヴェルター湖遠征となりました。レールジェットでザルツブルクに戻る際、昨日行ったバード・ガシュタインを過ぎるあたりから雲行きが怪しくなり、凄まじい豪雨。雷鳴まで轟きます。ザルツブルクに戻ると、ここはただただ暑いだけ。早々にホテルの冷房の部屋に逃げ込みます。
いやはや、思い出に残る小旅行の1日になりました。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

オペラ《ムチェンスク郡のマクベス夫人》ヤンソンス指揮ウィーン・フィル クリーゲンブルク演出@ザルツブルク祝祭大劇場 2017.8.5

やはり、ザルツブルク音楽祭は凄い。先日のクルレンツィス指揮ムジカエテルナは今までの音楽の価値観を打ち砕くような演奏でしたが、ヤンソンス、ウィーン・フィルとくれば、驚くべきレベルのオペラを聴かせてくれます。

このオペラはなかなか音楽が難解ですが、オペラ自体を一言で言うとこうなります。愛の不毛は心が凍り付くような恐怖。どこにも救われるところはありません。フィナーレでは配偶者の愛にすがりつきたくなったsaraiでした。

このオペラを見事に表現したのはヤンソンスの力です。こういう音楽で彼がウィーン・フィルを振ると、あの優美で柔らかい響きを持つウィーン・フィルも暴力的ともいえる野性的な響きに変身します。その対極で繊細な音楽も奏でて、愛の不毛とその結果である底なしの恐怖を徹底的に暴き出します。ヤンソンスの棒に応えたウィーン・フィルも底なしの実力です。

歌手もまあよかったのですが、これはオーケストラの演奏を楽しむオペラでしょう。伝統のウィーン・フィルと巨匠ヤンソンスはさすがの超ど級の演奏で、そう簡単に、クルレンツィスとムジカエテルナに牙城を明け渡しませんね。

また、ウィーン国立歌劇場でオペラを見たくなりました。

今日のプログラムは以下です。

 ショスタコーヴィチ:歌劇「ムチェンスク郡のマクベス夫人」

 指揮:マリス・ヤンソンス
 管弦楽:ウィーン・フィル
 演出:アンドレアス・クリーゲンブルク

 カテリーナ:ニーナ・シュテンメ
 ボリス:ディミトリー・ウリャノフ
 セルゲイ:ブランドン・ヨヴァノヴィッチBrandon Jovanovich


多分、この公演はNHKでも放映するでしょうから、その凄さを皆さんも味わってくださいね。ヨーロッパで聴くオペラの凄さを体感しました。そうそう、saraiはヤンソンスに最も近い最上の席でヤンソンスと一緒に指揮している感覚を味わいました。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

シュテファン・ツヴァイクとの邂逅:旅の17日目

今日が最後の現地報告になります。午前11時からのモーツァルト・マチネをモーツァルテウム大ホールで聴き、夜はショスタコーヴィチのオペラ≪ムチェンスク郡のマクベス夫人≫を祝祭大劇場で聴いたのがメインの日程です。これで音楽三昧も明日のウィーン・フィルのコンサートを残すのみになりました。

そのコンサートとオペラの間を縫って、懸案のシュテファン・ツヴァイクのザルツブルクのヴィラを見にカプツィーナー山に行きます。何故、そんなにこだわるかというと、彼の素晴らしい著作≪昨日の世界≫の中でこのザルツブルクのヴィラでの生活が詳しく記されていたからです。先日、シュテファン・ツヴァイク・センターを訪れた際、女性スタッフから詳しく場所を訊いていたので、きっと見つかるでしょう。カプツィーナー山に登るのは2度目なので、道はちゃんと分かっています。キリストの十字架像の飾ってある東屋に向かって坂道を上ります。十字架像を過ぎると、カプツィーナー修道院があります。この修道院の前あたりがツヴァイクのヴィラです。木々で覆われていますが、隙間からヴィラが何とか見えました。今は個人所有で公開されていません。いったん、山道を登って、山の上にあるレストランに向かいます。前回同様、大変な坂道でへとへとになります。レストランでまずは氷入りのオレンジジュースを飲んで、一息ついてから、ランチをいただきました。やはり、前回同様、とても美味しい料理です。すっかり元気になったところで今度は坂道をぐんぐん下ります。また、十字架像のあたりに戻ります。十字架像の横あたりからのほうがツヴァイクのヴィラはよく見えますが、やはり、樹木の隙間からです。十字架像の前の石段を下りると、そこに何とヴィラの入り口があります。表示は5番地になっています。間違いありません。入り口からはヴィラの正面が見えます。木々があるので、すべて見渡せるわけではありませんが、これがベストです。

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やはり、大きな屋敷だったんですね。ナチスの圧力でこの屋敷を去る際のツヴァイクの心境が分かります。
これでザルツブルクでやり残したことはありません。ザルツブルク訪問もこれで最後になるかもしれませんが、心にひっかかっていたことが霧消しました。

この続きは帰国後に書きます。



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プロコフィエフ/ショスタコーヴィチ ネルソンズ&ウィーン・フィル トリフォノフ@ザルツブルク祝祭大劇場 2017.8.6

ザルツブルク音楽祭の最後は日曜のウィーン・フィルの午前11時からの公演を聴きます。それが終わったら、即、帰国です。

前半のプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番はトリフォノフの一人舞台。そうはがんがん弾きまくるタイプではありませんが、曲が曲ですから迫力十分。ものすごい音量というよりも切れのよいタッチが心地よく感じます。抒情的なパートでの雰囲気は素晴らしいです。いずれにせよ、この難曲をパーフェクトに弾き切ってしまいました。恐るべきテクニックの持ち主であることは間違いありません。

後半は前日のオペラに引き続いて、ショスタコーヴィチの作品をウィーン・フィルで聴きます。ショスタコーヴィチはそうウィーン・フィルに向いた曲には思えませんが、さすがに見事な演奏。ただ、やはりネルソンズの指揮よりも師匠格のヤンソンスに一日の長があります。昨日も書いた通り、暴力的とも思える爆演がすさまじかったんです。ネルソンズは熱血漢ではありますが、むしろ、静謐なパートでの弦楽合奏が素晴らしい感じ。でもネルソンズの指揮というよりもウィーン・フィルの素晴らしさかもしれません。弦のアンサンブルに比べて、管のアンサンブルがあまりよくなかったのはどうして?

今日のプログラムは以下です。

 指揮:アンドリス・ネルソンズ
 ピアノ:ダニール・トリフォノフ
 管弦楽:ウィーン・フィル

 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番

  ≪アンコール≫ プロコフィエフ:束の間の幻影??

  ≪休憩≫

 ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」


ところで、これまでのウィーン・フィルのマーラー2回とオペラ1回のコンサートマスターはホーネックで隣にはダナイローヴァが座っていました。昨日は夜のオペラだったので、今朝のコンサートのコンサートマスターは誰なんだろうと思っていたら、シュトイデが登場。しかし、コンサートマスター席の隣に座ります。コンサートマスターは新しく4人目のコンサートマスターになった人のようです。saraiは初めて見ます。ジョゼ・マリア・ブルーメンシャインですね。ケルンWDR響のコンサートマスターだったそうです。ライナー・キュッヒルの後任ということで30歳以上も若返りました。今日はショスタコーヴィチでソロもありましたが、まずまず、美しい響きの演奏。ウィーン・フィルらしい響きにはこれから変身していくのでしょうか。



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最後の音楽三昧:旅の18日目

今、ミュンヘン空港の搭乗待合室でパリのシャルル・ド・ゴール空港行の飛行機の搭乗待ち。あと1時間ほどで出発です。パリ経由で羽田に向かいます。長かったような、短かったような旅も終わりを告げようとしています。

今朝は祝祭大劇場でウィーン・フィルのコンサートを聴き、音楽を聴き納め。その前に朝食代わりにザルツブルクの美味しいケーキを老舗カフェのフュルストで頂きました。さすがにオーストリアのケーキは一味も二味も違います。満足です。コンサートが終わると、小雨模様。構いませんよ。ホテルまではトンネルを通っていけば、ほとんど濡れることはありません。ホテルでビッグなトイレを借りて、旅姿に着替え、ホテル前のバス停からバスでザルツブルク中央駅に向かいます。何故か、日曜のためか道が大渋滞。時間は余裕があるので、慌てることはありません。ザルツブルクからミュンヘン空港に移動しますが、電車も日曜のせいか、雨模様にもかかわらずのレジャー帰りの人たちで大混雑。念のためにファーストクラスのバイエルン・チケットを買っておいたのが大正解。saraiたちは余裕で座席を広々と占領して、移動します。ミュンヘン・オスト駅からのSバーンのS8の電車はファーストクラスがついていませんが、幸運にも並び席がゲットできて、座ったままで移動できました。ミュンヘン空港では、エールフランス航空らしく、荷物タグはセルフサービスで印刷させられますが、特に問題なし。早めに荷物のドロップオフ完了。ということで、今、余裕で最後の現地報告を書いています。

空港は夕日に照らされています。天気も回復したようです。日本は台風が襲来しているようですが、まあ、どこかには着陸できるでしょう。また、日本に帰国後、旅ブログを仕上げます。コンサート・オペラ記事も2回分、抜けていますから、帰国後、記事を作成・アップします。少々、眠くなってきています。では・・・。



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無事、帰国・・・疲れた!暑い!眠い!

今、自宅の愛用PCに向かっています。何日ぶりでしょう。さすがにパリからの11時間を超えるフライトは厳しいです。それに冷房のきき過ぎた機内は厳冬のよう。台風襲来が恐ろしかったのですが、羽田に着陸のときは雨も降っておらず、スムーズなランディング。ところが駐機場に移動しているときに周りが真っ白になるような豪雨。危なかったです。羽田では恒例の和食をいただきます。江戸前の天ぷら蕎麦がなんとも美味しいです。大きな海老が2匹もはいっている豪華版。自宅に向かう電車は運よく座れましたが、眠気が襲ってきます。それでも家でまず、エアコンのスイッチを入れて、体を冷やし、久しぶりにバスタブに浸かります。夏のホテルは高くて、ほとんどはシャワーのみだったんです。それにしても日本の夏は暑くて湿気が多いです。帰る日にはザルツブルクは涼しくなっていました。もう、夏は終わったかもしれません。Eメールをチェックしたりしているうちに遅くなりました。もう、頭はふらふら。配偶者はとっくに寝ました。saraiも今日は早く寝ましょう、って・・・もう2時半か! では。



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旅の後遺症

まだ、旅の後片付けもままならず、書き漏らしているオペラ・コンサートの記事にも手が回っていません。それでも、優先度の高い盗難保険(携行品保証)には連絡して、状況を説明して、提出書類を送ってもらうことになりました。購入時価格の半額ほどの保証になるようです(購入後5年以上経過した場合)。ノートPC2台、IPOD CLASSIC、ノイズキャンセラー機能付きヘッドフォン、PCバッグが主な被害ですから、20万円以上の損害ですが、10万円くらい保証されれば、まあ、いいんでしょうね。イタリアで購入した新しいノートPCの購入価格には及びませんが、仕方がありません。

因みに購入したのは、レノボのノートPCのYOGA 900Sシリーズです。軽量のノートPCはこれくらいしか販売していなかったので、選択の余地はありませんでした。イタリア語キーボードが玉の瑕ですが、ほぼ重量1kgで12.5インチの高解像度(2560x1440)のタッチ機能付き液晶、それに薄さが12.8mmの超薄型、CPUはIntel® Core™ m7-6Y75 Processor (1.20GHz 4MB)という高速CPU、メモリは8GB(LPDDR3 1866MHz)、512GBのSSDという万全の布陣、OSはWindows10です。
特別な機能として、特殊ヒンジを使っていてPCモードとタブレットモードの切り替えができます。通信系は802.11 AC (2x2) + Bluetooth® 4.0でこれも万全ですね。残念なのはメモリカードスロットがないことくらいでしょうか。この仕様では高価でも仕方がありませんね。薄さのせいか、持った感覚が1㎏以下に感じます。バッテリーも強力でヴィデオを再生しても10時間以上持ちます。通常利用では12.1時間持ちます。
当初はもちろん、イタリア語版Windows10でしたが、これでは使えないので、まず、英語版に変更。こここまではイタリアの販売店のスタッフが優秀でやってくれました。saraiはイタリア語はまったく分からないので手が出ませんでした。この先は英語版から日本語版に変更。必要なソフトやデータは自宅サーバからダウンロードしてセットアップ。しかし、最後まで解決できなかった問題があります。それはWindowsのシステム表示が英語のままだったことです。例えば、コピー、貼付け、切取りなどは、copy、paste、cutなどです。実用上は問題ないのでほっておきましたが、気持ちが悪いので、昨夜、ようやく修正に成功。設定の地域・言語メニューで日本、日本語は選択しておきましたが、元がイタリア語仕様のため、システム表示用の日本語フォントが入っていなかったためで、日本語化セットをダウンロードすることで解決しました。

ところで、高価なPCなので、販売店で気をきかせてくれて、免税品の処理をしてくれました。それはいいのですが、海外であまり高価な買い物はこのところしていないので、空港での免税手続きの最近の状況があまり分かっていないんです。EUの場合、最終出発地での手続きですね。ミュンヘンからパリ経由で羽田に飛ぶので、きっとパリのCDGでの手続きです。でも、パリの乗り継ぎの時間はわずか1時間。免税手続きよりも、ちゃんとトランジットできることのほうが優先です。ですが、何とか免税もしたいものです。乗り継ぎは2Fに着いて、2Eからの出発になります。税関の場所を調べると、到着の2Fにも出発の2Eにもあります。本来は出発の2Eで手続きするんでしょうが、きっと混み合いそうです。できれば到着の2Fで手続きしたいですね。で、パリのCDGには定刻に到着。急いで2Fで税関を探します。当然、トランジットする2Eに向かう途中にあると思い込んでいましたが、途中に大きな注意書きを見つけます。各国語で表示されていて日本語もあります。免税手続きは出発ロビーは混み合うので、ここで済ませておいてくださいとのことです。場所は出口と書いてあります。ん? 出口って? で、今度は英語の表示を読みます。出口というのは、Baggage-Exitのことのようです。そちらに向かいます。荷物の受け取りの場所で空港スタッフに場所を訊くと、いったん、外に出ろとのことです。変ですが、まあ、言われるとおりにします。外でうろうろ探すと、確かに税関のオフィスがあります。それも閑散としていて、誰もいません。本当は外で携行している免税品の免税手続きはできないはずですが、そんなことを考えている時間はありません。さっそく、免税書類、パスポート、搭乗券を窓口に差し出すと、税関職員がしばらく書類をながめた後、あっさりとスタンプを押してくれました。現地で使用中のPCですから、免税になるかどうかは若干心配ではあったんです。最近は免税手続きは結構、扱いが緩いんですね。ちなみにここから再度、出発ロビーに抜けていくのが大変。場所が分かりづらく、少し探しましたが、入り口付近でどこかの航空会社職員の方が、近道を通してくれたので、最後はスムーズに手荷物検査、出国できて、無事に搭乗口にたどり着きました。と言っても、既に搭乗中ではありました。

まあ、PC関連の話はそれくらいですが、実はザルツブルクで右手の親指が腫れてきて、帰国するころにはとっても痛くなり、配偶者からは入国するときに検疫に申告しないといけないんじゃないのって、散々からかわれる状況でした。帰国の翌日、かかりつけの内科医院で診てもらうと、一目で、これはひょうそ(ひょう疽)だから、皮膚科で膿を出してもらって、治療してもらいなさいとのことです。で、今日、皮膚科で治療を受けました。針のようなもので皮膚に穴を開けて、思いっ切り、指をしぼりあげて、膿を出してくれますが、激痛です。大量の膿が出ましたが、2度とこんな目にはあいたくないですね。海外で雑菌に汚染されたんでしょう。とんだ後遺症でした。



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モーツァルト・マチネ2 アントニーニ&ザルツブルグ・モーツァルテウム管、ベザイデンホウト@ザルツブルク・モーツァルティウム大ホール 2017.8.5

オランダのフォルテピアノの名手、クリスティアン・ベザイデンホウトは初聴きです。今日はもちろん、スタインウェイでしたが、モーツァルトにふさわしいピュアーなタッチのピアノの響き。いい演奏なのですが、最近、クララ・ハスキルが弾くモーツァルトのピアノ協奏曲に魅了され尽しているので、もう一つ、詩情に欠けていると感じます。もっとも、誰が弾いても今のsaraiは満足できないでしょう。あのクララのピアノの響きったら、唯一無二なものです。でも、ベザイデンホウトは特に第3楽章はよい演奏でした。ということで、休憩時間に彼のサイン会があるというので、様子を見に行きました。でも、どこでやっているのか、全然、分かりません。と、配偶者があれじゃないと言うので、そちらを見ると、テーブルにバケツに入ったシャンパンのボトルがあり、シャンパングラスを持つ人がいます。確かに彼です。でも、誰もサインを求めている人がいません。彼のCDを購入していませんが、プログラムがあるので、それにサインしてもらいましょう。と、まさにサインをしようとする彼の手が止まります。そして、彼の目線が上がります。その目線の先を追うと、カメラを構える配偶者! それにしてもベザイデンホウトは完全なカメラ目線。徹底したファンサービスの人ですね。

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ところでシャンパンではありませんでしたね。ミネラルウォーターをただのワイングラスで飲んでいたようです。
サインはこちら。こんなお洒落なサインはもらったことがありません。さすがにオランダ人です。

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サインをもらった後で、彼に今日のアンコール曲を尋ねると、モーツァルトのSuiteだと答えてくれました。まさかモーツァルトだとは思っていなかった上、モーツァルトに組曲:Suiteがあるとは知らなかったので、聞き違えかと思って、えっと言う顔をしていると、重ねて、Suiteと言った上で、K.399と教えてくれました。サンキュウ! 後で調べると、モーツァルトはこの時期、バロックショックを受けて、J.C.バッハやヘンデルの音楽を研究していたんですね。とりわけ、ヘンデルに傾倒していて、このアンコール曲もヘンデルの組曲に倣ったもののようです。saraiは実はフレンチ・バロックかと思って聴いていました。モーツァルトもまだまだ知らない曲がありますね。

前半のプログラムの最初に演奏されたモーツァルトの交響曲第29番はごく少人数の室内オーケストラという感じで演奏されましたが、このザルツブルク・モーツァルティウム大ホールにはよく響きます。モーツァルトの当時では、この規模のオーケストラも大編成って感じだったんでしょうね。ちなみにオーケストラの人数を数えたらちょうど29人。まさか第29番に語呂合わせで人数を揃えたんじゃありませんよね。第1ヴァイオリンが7人、第2ヴァイオリンが6人、ヴィオラが5人、チェロが4人、コントラバスが3人、オーボエが2人、ホルンが2人です。その彼らの演奏はアンサンブルがぴったりと揃い、耳馴染んだ曲が気持ちよく聴けます。
前半の最後はクリスティアン・ベザイデンホウトが弾くモーツァルトのピアノ協奏曲第24番。ピアノのソロが目立った演奏でした。

後半はシューベルトの交響曲第4番ハ短調「悲劇的」。何でモーツァルト・マチネでシューベルトかと思いましたが、それはそれとして、とても素晴らしいシューベルトの演奏でした。とりわけ、終楽章の主題、何かに追われているような切羽詰まったような感じがとても印象的です。これが繰り返し、現れながら、疾風怒濤のような雰囲気を醸し出します。あまり、聴き込んでいない曲ですが、中期のシューベルトもなかなか聴き応えがあります。最近、後期を中心にシューベルトの魅力に捉われつつありますが、後期以前のシューベルトもなかなかいいですね。

今日のプログラムは以下です。

 指揮:ジョヴァンニ・アントニーニ
 ピアノ:クリスティアン・ベザイデンホウト
 管弦楽:ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団

 モーツァルト:交響曲第29番イ長調K.201
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491

  《アンコール》モーツァルト:ピアノ組曲ハ長調 序奏とフーガ K.399

  《休憩》

 シューベルト:交響曲第4番ハ短調「悲劇的」D.417


今回はこのザルツブルク・モーツァルティウム大ホールに5回も足を運んでしまいました。この小ぶりで美しいホールはホールトーンの響きもなかなか美しい、よいホールでした。なお、お隣の建物がザルツブルク・モーツァルティウム音楽院です。明日を目指す音楽家たちのピアノの音やソプラノの声が漏れ聞こえていました。若い音楽家たちには、音楽の祭典、ザルツブルク音楽祭など、無関係で己の進む道をめざしているのですね。



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オペラ《アイーダ》ヴェローナ野外音楽祭@アレーナ・ディ・ヴェローナ 2017.7.20

パソコンが電車の中で盗難にあって、そのドタバタ騒ぎの後、あまり落ち着く暇もなく、ヴェローナ野外音楽祭で大スペクタクルオペラの≪アイーダ≫を鑑賞することになりました。予定ではホテルでゆっくりと休養を取ってオペラを聴きに出かける予定でしたが、日本からパリ経由ミラノへの長距離のフライトとヴェローナへの電車移動の後、休養もなく、走り回った末のオペラ鑑賞。その割にはオペラの第1幕あたりは意外に頭がすっきりして、ヴェルディの力作に集中できます。野外のオペラなので、お祭り騒ぎのような公演を予想していましたが、意外に聴きごたえのある歌唱に惹きこまれます。やはり、ヴェルディは男声の重唱が素晴らしいです。第1幕第2場のラダメスとラムフィスの雄々しい歌唱はヴェルディならではと、うならせられます。ところで野外なのにマイクなしのように思えましたが、声も管弦楽もしっかりと響いています。古代ローマのアレーナって、そんなに音響がいいんでしょうか。第1幕が終わったところで早々と長い休憩です。
第2幕にはいると、音楽はヒートアップしてきます。第2場での「凱旋行進曲」はやはり素晴らしいですね。第2幕が終わって、また、長い休憩です。次第に疲労感が重なってきます。うーん、眠いぞ!
第3幕はアイーダとラダメスの歌がとても魅惑的です。音楽も高潮してきます。しかし、それに反比例して、saraiの集中力はどんどん落ちていきます。もう、限界です。
本来はゆっくり昼寝でもして、出かけるつもりのところ、寝不足と時差ボケで3回目の休憩にはいったところで参った!です。最後の幕を聴かずして撤退。まるで野球の9回の攻防を前に早めに帰る観衆みたいです。残念でした。それでも時刻は12時をまわっていました! もう40分も聴き続けることなんて、とてもできる状態にはありませんでした。 ヴェローナ野外音楽祭の≪アイーダ≫は長過ぎます。幕ごとに3回も休憩が入るなんて、想像もできませんでした。まあ、聴きどころは聴けたので、満足ではあります(負け惜しみ・・・)。

今日のプログラムは以下です。

 ヴェルディ:歌劇「アイーダ」

 指揮:ジュリアン・コヴァチェフJulian Kovatchev
 管弦楽:アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団、合唱団Arena di Verona Orchestra, Chorus
 演出:カルルス・パドリッサ、アレックス・オレ、ラ・フラ・デルス・バウス(演出家集団)Carlus Padrissa e Àlex Ollé / La Fura dels Baus

 アイーダ:イリーナ・チュリロワIrina Churilova
 ラダメス:ファビオ・サルトーリFabio Sartori
 アムネリス:アンナマリア・キウーリAnna Maria Chiuri
 エジプト国王(ファラオ):ロマーノ・ダル・ゾーヴォRomano Dal Zovo
 ラムフィス:マルコ・ミミカMarko Mimica
 アモナスロ:レオナルド・ロペス・リナレスLeonardo López Linares


やっと、これで今回のヨーロッパ遠征の音楽記事をすべて書き終えました。でも、この記事は20日遅れで、細部の記憶も正直、曖昧です。オペラの前後は新PCのセットアップに躍起になっていましたから、仕方のないことではありましたけどね。ふーっ・・・。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

旅のしめくくりに向けて

ようやく、書き残していたコンサートとオペラの記事も書き終えて、旅の総括でもしようかと思っていましたが、突如、ジェットラグに見舞われて、夜は眠くなって早く寝るものの早朝に目覚め、朝食後にまた、猛烈に眠くなり、爆睡状態にはいります。配偶者にまさか夜まで眠り続けるわけじゃないでしょうねってと起こされますが、頭はぼーっとしたまま。今も眠くなり、とても総括できるような状態ではありません。ザルツブルク音楽祭はハイティンク指揮のウィーン・フィルで究極のマーラーの交響曲を聴き、オペラ2つは新時代の到来を告げるクルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルトのオペラ《皇帝ティートの慈悲》とその対極にあるような巨匠ヤンソンスと伝統のウィーン・フィルが組んだショスタコーヴィチのオペラ《ムチェンスク郡のマクベス夫人》の見事に成熟した公演と贅沢な音楽三昧で、そのあたりについて、総括しないといけませんが、saraiの体がついていきません。そうそう、旅の前半のPC盗難事件や悪天候のアルプスっていうのも、ある意味、印象的な旅の思い出ではあります。旅はよいことも悪いこともひっくるめて、有機的な統合体として存在するものです。逆境にどう立ち向かうかということこそ、旅の醍醐味でしょう。・・・てなことを思いながら、段々、夢の国に誘われていきます。むにゅむにゅ・・・・


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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

旅のしめくくり

旅をしめくくってみましょう。

その1 全般

 旅の前半はトラブルとミスの連発でめろめろ。後半はいつもの調子に戻ったかな。トラブルとミスを列挙します。

 ・PC盗難事件
   ヨーロッパに到着した日にミラノからヴェローナに鉄道移動。魔がさしたのか、いつもは上げない網棚にPCバックを上げてしまいました。気が付かないうちに隣席の大きな男が横から手を伸ばしてPCバックを盗んで、途中の停車駅で降りたようです(隣席のご婦人が目撃)。ノートPC2台とIPOD、ヘッドフォンなどが入っていました。いずれも愛用の品でした。ぐすん。

 ・ホテルへのチェックインのトラブル
   その後、ヴェローナに到着し、ホテルにチェックインしようとすると、別の客たちがホテルの前庭で待機中。聞けば、ホテルのスタッフが不在でチェックインできないようです。とりあえず、ヴェローナ駅に戻って、警察に盗難届を出して、また、ホテルに取って返しますが、依然としてスタッフ不在。一部の宿泊客の主導で自主的に空いている部屋に順次、侵入し、それぞれの部屋として確保します(いいのかなあ・・・)。部屋に荷物を置いて、いったん、ヴェローナの町へ代替のPCを購入に出かけます。首尾よくPCをゲットしてホテルに戻り、オペラに出かけるために着替えます。オペラにでかけようとすると、ホテルの入り口のキーを開けている男性と鉢合わせ。実はホテルの入り口は暗証番号でロックされているのですが、宿泊客同士が情報交換して、暗証番号を教えあっていたんです(それも変ですね)。てっきり、別の宿泊客かと思っていたら、どうやら、この男性がホテルのスタッフのようです。別の宿泊客が挨拶して、握手しています。でも、その宿泊客は昨日から宿泊しているそうですが、ホテルのスタッフに初めて会ったそうです。腹立たしいのですが、saraiもスタッフと挨拶し、勝手に部屋を確保したことを説明します。で、握手! 部屋のシャワーでお湯が出ないと苦情を言うと、一応、ボイラーのチェックをして、問題ないはずだとのこと。でも、水しか出なかったんだよ! あまり、時間がないので、それ以上追及せずに、明日のチェックアウトについて確認します。さすがにそのスタッフは宿泊料金のことを気にします。こちらがExpediaで既に前金で支払い済だと言うと、急に興味をなくし、そのまま出ていってくれればいいとのこと。いやはや、あきれました。まるで無法地帯です。部屋が綺麗に掃除してあったのだけが救い・・・それとエアコンがあったので部屋が涼しいこともプラス。こんなホテルって、許されるんでしょうか。長い間、ヨーロッパに出かけていますが、こんなに無茶苦茶な管理のホテルは初めてです。

 ・電車へ乗り間違え・・・あわや!
   翌日、ヴェローナからミラノへ電車移動。今回はsaraiと配偶者のほかにsaraiの姉と姪っ子の4人連れの旅です(旅の前半だけ)。電車が来たので、急いで、saraiと姪っ子で電車に荷物を積み込んでいると、荷物を3個積み込んでsaraiが電車を降りたところでドアがすーっと閉まります。ええーっと驚いていると、荷物と姪っ子を乗せた電車が走り出します。さすがにこれには焦りました。まだ、発車時間じゃなかったはずです。実はこの電車はsaraiが乗るはずの電車のひとつ前の電車。姪っ子とスマホで連絡を取り合って、ミラノ中央駅で待ち合わせすることにして、大事に至りませんでした。姪っ子には電車のチケットを渡していませんでしたが、車掌さんは事情を了解してくれたそうです。よかった、よかった。ひやひやものでした。

 ・電車を降り間違え・・・ひえーっ!
   ミラノで姉たちと別れ、saraiと配偶者はトリノ観光に出かけます。ミラノ中央駅からトリノまで快適なファーストクラスで寛ぎます。これまで色んなことがあったし、電車の中でも新しいPCのセットアップに余念がありません。ふと停車した駅で駅名を見ると、Torinoって書いてあります。泡を食って、PCと荷物を掴んで、電車を飛び降ります。あー、危なかった。さあ、トリノ散策を始めましょう。ん、駅のどの出口に向かえばいいのか、よく分かりません。それもその筈。ここはトリノには違いありませんが、目的の駅であるトリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅Torino Porta Nuovaではなく、トリノ・ポルタ・スーザ駅Stazione di Torino Porta Susaです。ピッカピッカの新しい駅です。トリノへは初訪問なので、まったく、地理が分かりません。駅員さんに訊くと、トリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅へは30分後の各駅停車の電車に乗るしかないそうです。まあ、このミスも盗難事件の余波ですね。あー、まったく。

 ・やっぱり、イタリア国鉄は時間通りに走らない・・・はらはらどきどき!
   翌日はまた、姉たちと別れ、saraiと配偶者はクレモナ観光に出かけます。クレモナからの帰りの電車がずいぶん遅れます。そう言えば、最初の盗難事件の発端も電車の遅延からだったんです。電車がシステム制御の問題とかで途中で停まっているときに盗難が起きたんです。このシステム制御の問題というのがずっと続いています。昨日もヴェローナからミラノ経由でトリノに行く際も同様に電車遅延。このときもはらはらだったんですが、乗り換える電車も遅れていたので問題なかったんです。今日はクレモナからミラノに戻った後、スイスのベリンツォーナ行きの電車に乗り換えます。姉たちとホテルで待ち合わせでしたが、ぎりぎりになりそうです。イライラしながら、ミラノへ向かいます。姉に携帯で連絡し、ミラノ中央駅での待ち合わせに変更。そこそこの遅れでミラノに到着し、脱兎のごとくホテルに荷物を取りに行き、駅に戻り、何とかベルンツォーナ行きの電車に駆け込みます。姉たちとも合流できました。ふーっ・・・。

 こうして、トラブルとミスを連発したイタリアから抜け出して、スイスに到着。着いた日と翌日は好天でしたが、アルプスはずっと悪天候。旅の前半はなんだか不調でした。


その2 音楽編
 
 この後、旅の後半はザルツブルク音楽祭。素晴らしい音楽に浸って、満足、満足。とりわけ、3つのコンサート、オペラに大変な感銘を受けました。

 ・ハイティンク&ウィーン・フィルのマーラー:交響曲第9番
   意外に平静な気持ちで聴けました。決して、最高の出来ではなかったかもしれませんが、saraiの究極の目標であった音楽が聴けたという事実がすべてです。28年前から続けてきたヨーロッパ音楽の旅が終わったという感慨でいっぱいです。これだけ音楽を聴けて、素晴らしい人生だったと深い思いにかられました。今も幸せの実感をかみしめています。

 ・クルレンツィス&ムジカエテルナのモーツァルト:オペラ《皇帝ティートの慈悲》
   まさに新時代の音楽が始まったという驚きと感銘でいっぱいです。クルレンツィスのまばゆいほどの才能と音楽性。その彼にふさわしい素晴らしい音楽集団ムジカエテルナ。彼らの未来こそ、音楽の新地平という確信を持ちました。ただ、saraiの音楽人生はもう終焉間近。彼らの未来への前進を見届けることはないでしょう。少し寂しくはありますが、新しい時代の幕開きを見られたということだけで満足しましょう。

 ・ヤンソンス&ウィーン・フィルのショスタコーヴィチ:オペラ《ムチェンスク郡のマクベス夫人》
   クルレンツィス&ムジカエテルナで驚かされましたが、どっこい、ヤンソンス&ウィーン・フィルもそうそう簡単に引き下がるものではありません。ショスタコーヴィチのオペラ《ムチェンスク郡のマクベス夫人》というまだまだ未開拓な音楽に新しい光を与えるような見事な演奏を聴かせてくれました。伝統のオーケストラが20世紀のオペラに挑戦し、巨匠ヤンソンスの棒が猛々しい響きを引き出して、ショスタコーヴィチのオペラで最高とも思える演奏を残しました。多分、ヴィデオが発売されるでしょうが、このオペラの決定版になるでしょう。

 当記事を持って、今回の旅のしめくくりにします。いったん、昨年のチロルの旅、そして、昨年のザルツブルク音楽祭に戻って、その後に今回の旅の詳細編を書く予定です。



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マイヤーホーフェンの1日:ツィラータール鉄道のイェンバッハ駅へ

久しぶりに昨年のチロルの旅の続きを再開します。今年と同じザルツブルク周辺なので、今年の旅と混同しないでくださいね(笑い)。

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/1回目

旅の10日目、イェンバッハJenbachの2日目です。

イェンバッハの朝です。ホテルの部屋の窓を開けると、曇っています。あらあらと思いながらよく見ると、細かい雨が降ってます。あ~、いよいよ好天も昨日までかと観念します。でも、空は明るいのでかすかに期待してみましょう。

昨日の疲れ(ザンクト・アントンのハイキングは相当きつかった!!)がかなり残っており、お天気も今一つということで、だらだらと朝の片付けをしていると、いつの間にか雨は止んでいます。それでは予定通り出かけないとね。今日は、ツィラータール鉄道ZillertalbahnでツィラータールZillertalの奥にあるマイヤーホーフェンMayrhofenに出かけます。まずは、朝食を頂きましょう。朝食は、定番の朝食です。

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朝食を終えて、ちょっとホテルの外に出てみると青空が見えています。お天気はよくなるようです。

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部屋で身支度を整えます。部屋の窓からは雲が晴れてくる山々が見えています。

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さあ、出発です。ホテルを出ます。ホテルは花で飾られて、いかにもチロルの宿の風情ですね。

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昨日と同じくハイキングスタイルで出かけます。

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荷物もなく下り道なので、駅までぶらぶら歩いていきます。駅への標識があります。

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やがて、駅が見えてきます。盛大に蒸気機関車の煙がもくもくと上がっています。

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駅までやはり10分はかかりますね。昨日のハイキングのダメージが残っています。元気よくとは言い難い状況です。イェンバッハ駅に到着です。蒸気機関車が見えていますが、これは明日乗る予定のアーヘンゼー鉄道Achenseebahnです。

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アーヘンゼー鉄道の大きな看板の下をくぐりぬけます。

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アーヘンゼー鉄道の客車はもう乗客でいっぱいです。

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イェンバッハ駅は手前がアーヘンゼー鉄道で、その先がオーストリア国鉄、一番、向こうがツィラータール鉄道です。ツィラータール鉄道のホームへは地下通路を進んでいきます。

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ツィラータール鉄道のホームに到着。既にホームにはディーゼルカーが停車しています。

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予定では、9時47分発の蒸気機関車に乗るつもりだったのですが、だらだらしていて乗れませんでした。蒸気機関車は、1日に1回しか走らないんです。3両編成ののどかなディーゼルカーです。このディーゼルカーも可愛いですね(負け惜しみ・・・)。

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ちょうどホームにいた車掌さんに訊くとチケットは車内で販売してくれるとのこと。30分に1本の電車の出発をゆっくり待ちましょう。あと15分ほどです。

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車内に乗り込んでのんびり出発を待ちます。車内はがらがらに空いています。

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出発までホームをぶらぶらしましょう。それにしても長閑です。



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マイヤーホーフェンの1日:ツィラータール鉄道、出発GO!

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/2回目

イェンバッハ駅Jenbachのツィラータール鉄道ZillertalbahnのホームでマイヤーホーフェンMayrhofen行のディーゼルカーの出発を待っているところです。車内にはツィラータール鉄道のイェンバッハからマイヤーホーフェンまでのルートが貼られています。途中には16の駅がありますね。

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出発までに、まだ15分ほどあるので、いったん車内を出て、ホームを見て回ります。このイェンバッハ駅はツィラータール鉄道のターミナル駅です。線路の終端の車止めがあります。

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これが今から出発する3両編成のディーゼルカーです。ローカル色に満ちています。

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ホームから見える低い山には、まだ、雲がかかっていますが、青空も広がってきています。天気が回復していくのを期待しましょう。

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イェンバッハ駅の構内案内図があります。北側(図では上)にオーストリア国鉄ÖBBの駅舎があり、その右にアーヘンゼー鉄道Achenseebahnがあります。真ん中にオーストリア国鉄の1~4番線のホームがあり、南側の21~23番線のホームがこのツィラータール鉄道です。このようにイェンバッハ駅はチロル観光の拠点になっています。蒸気機関車の走るローカル線が2つも集約されている駅って、極めて珍しいですね。

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でも、残念ながら、今から乗るのは、このディーゼルカーです。もう、1時間早く行動すれば、1日に1本の蒸気機関車に乗れたんですけどね。実は後で、嬉しい驚きが待っていましたが、それは後のお楽しみ。

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ところでこれがその蒸気機関車のパンフレット。時刻表も記載されていますが、帰りの時刻はマイヤーホーヒェン12時7分発なので、もちろん、乗るのは無理です。

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さて、黄色い建物が見えますが、これはツィラータール鉄道のオフィスです。チケットもそこで買えるようですが、車内でも買えるそうなので、あえて行きません。その向こうには車庫も見えています。ここがツィラータール鉄道の本拠地です。

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もう、出発まで10分ほどです。そろそろ、車内に戻りましょう。配偶者は車内で待っています。

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出発直前になって運転手が乗り込んできます。車掌さんはホームで誰かと話し込んでいて、出発時刻になって、ようやく乗車。実にのんびりしています。さあ出発です。駅構内に停車している貨車には木材が満載されています。チロルの山から切り出した木材の集積地でもあるようです。

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すぐに緑の野に出ます。美しいですね。

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車掌さんが車内を回ってきます。マイヤーホーヒェンまでのチケットを購入します。一人14.8ユーロです。まあまあの価格ですね。

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チケットの販売と改札を終えた車掌さんは隣の車両に移動していきます。人のよさそうなおじさんです。

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チロルらしい風景の中を走ります。山がまだ雲で覆われています。でも綺麗な景色です。

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停車した駅で小さな子供たちが車両に乗り込んできます。遠足にでも出かけるんでしょうか。このローカル鉄道は観光客のものではなくて、地域の人たちの足になっているんですね。

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まだ、ツィラータール鉄道は走り出したばかり。ローカル鉄道の旅をゆっくり楽しみましょう。



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マイヤーホーフェンの1日:ツィラータールのメルヘンのような風景

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/3回目

イェンバッハ駅Jenbachからツィラータール鉄道ZillertalbahnのディーゼルカーでマイヤーホーフェンMayrhofenまで向かっているところです。
沿線で目立つのはヨーロッパでは定番の自転車野郎たちです。野郎といってはいけませんね。女性も多いです。電車に自転車を積み込む人たちも多いのですが、この人たちは車に自転車を積み込んで移動しているようです。

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ツィラータール鉄道は両側が山に囲まれたツィラータールZillertalという盆地のようなところを走ります。その平坦地は緑の牧草地になっていて、長閑に牛たちが草を食んでいます。村には小さな教会が立ち、この世の平和を絵に描いたような風景を作り出しています。

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イェンバッハの方向を眺めると、まだ、雲がいっぱい出ていますが、どうやら、その雲を置き去りにして、青空のマイヤーホーヒェンに向かっているような気がします。これが希望的観測でないことを願っています。

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谷あいのような盆地に牧草地がずっと続いています。

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山の斜面にも緑の牧草地が広がっていて家が点在しています。これがチロルらしい眺めだと感じます。メルヘンのような美しい風景です。

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山の斜面の牧草地は樹木で囲まれて、まるで区画に分かれているような感じです。こういう風景を人が営々と作り上げてきたんですね。

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車窓に見えるチロルの風景に魅了されて、ずっと見入ってしまいます。

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どこまでも美しい風景が続きます。

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線路に沿ったサイクリングコースを多くの人がたくましく走っていきます。気持ちよさそうに風を切って走っていますね。

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サイクリングコースと緑の牧草地、斜面がパッチワークのように牧草地と樹木になった山、それらがセットになって続いていきます。写真では見えませんが清流も並行して流れています。

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目的地に向かって走っていると、どんどんお天気がよくなってきます。マイヤーホーヒェンは快晴に違いありません。

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牧草地の牛たちも美しい風景の一部と化しています。

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最初はがらがらだった車内も駅に停車する度に乗客が増えていきます。50分ほどでマイヤーホーフェンに到着です。駅に着いてびっくりです。いろんな所からのバスも来ているようですが、どこからやってきたのかウォーキングスタイルの人でごった返しています。

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さてと、どっちに向かおうか、駅前に出て、方向を定めましょう。

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実はこのマイヤーホーフェンでもロープウェイで山に登ります。駅の構内を見渡すと、ロープウェイ乗り場への方向を示す案内板があります。ペンケンバーンPenkenbahnとアホルンバーンAhornbahnへの標識です。

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そちらの方向に向かおうとすると、驚きの光景に出会います。それは・・・。



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マイヤーホーフェンの1日:ツィラータール鉄道の蒸気機関車に遭遇!!

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/4回目

ツィラータール鉄道ZillertalbahnでマイヤーホーフェンMayrhofenに到着。ロープウェイ乗り場へ向かおうと駅構内を歩いていると、前方に人だかりがしています。一体何だろうと近づいていくと、そこには蒸気機関車が煙を上げています。

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saraiはカメラを手に近づきます。すると横からおじさんがsaraiに親しげに話しかけてきます。ファンタスティックだろう!って言ってます。相槌を打って、saraiは機関車を撮影。

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ぴかぴかに磨き上げられて美しい車体です。乗り損なった蒸気機関車に出会えるとはラッキー!!

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小さな蒸気機関車ですが、機械としての美を感じます。なぜか、最新の超高速電車以上の魅力を放っているようにも思えます。確かにファンタスティックですね。俄か鉄ちゃんになってしまいました。

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蒸気機関車を名残惜しく見ながら、ロープウェイ乗り場のほうに足を踏み出します。

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駅からロープウェイ乗り場までは10分ほど歩かないといけません。ロープウェイのゴンドラが見えているので地図がなくても迷わずに歩くことができます。

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ロープウェイに向かう街の目抜き通りハウプト通りHauptstrasseは、もう人であふれています。ここは大観光地なんですね。
ロープウェイはペンケン山頂に登るペンケンバーンPenkenbahnとアホルン山頂の中腹まで登るアホルンバーンAhornbahnの2つがあります。両者は町を挟んで両側にそそり立つ山に登るロープウェイです。山頂まで楽ちんで登れるペンケンバーンに乗ることにします。しかし、うっかりペンケンバーン乗り場の前を通り越して、アホルンバーンの乗り場まで行ってしまいます。

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慌ててペンケンバーンのほうに戻ります。川の向こうにゴンドラが見えています。ずいぶん、無駄足を踏んでしまいました。

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目抜き通りを戻っていきます。なぜ、通り過ぎてしまったのか、反省しながらの歩きです。

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通りの傍らにエーデルワイスの花が咲いている鉢が並んでいます。一鉢7.9ユーロで販売中です。1000円ほどですから、結構、高価ですね。配偶者は興味津々で眺めています。

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すぐ正面にペンケンバーンのロープウェイ乗り場が見えてきます。なるほど、これはちゃんと見ていないと、ロープウェイ乗り場には見えませんね。

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乗り場の建物の横を進んでいくと、チケット売り場があります。

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早速、チケットを購入。一人往復19.3ユーロです。それほど高い料金設定ではありません。

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saraiがチケットを購入しているとき、配偶者は建物の裏のほうを見ていました。小さな川が流れています。ツィラー川Zillerです。綺麗な流れです。

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ここまで歩いた道を地図で確認しておきましょう。

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ゴンドラ乗り場に向かいます。



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マイヤーホーフェンの1日:ロープウェイ、ペンケンバーンで山頂へ

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/5回目

マイヤーホーフェンMayrhofenのロープウェイ、ペンケンバーンPenkenbahnの乗り場に到着。乗り場の向かいにある窓口でチケットを購入します。

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2階にあるロープウェイ乗り場に上がります。

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乗り場は空いています。黄色くて、全面ガラス張りの綺麗なゴンドラが次々にやってきます。

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早速、ゴンドラに乗り込みます。大型のゴンドラですが、saraiと配偶者の2人で独占します。

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ゴンドラはロープウェイ乗り場の建物を出ていこうとしています。ゴンドラから見るパノラマ風景に期待が弾みます。

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出発したゴンドラはペンケン山に向かって進み始めます。絶好の青空に恵まれます。

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下にはツィラー川Zillerの清流が見えています。先ほど配偶者がロープウェイ乗り場の建物の裏手で見ていた清流です。その先のマイヤーホーフェンの町は建物がいっぱい建て込んでいます。

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山際まで建物が続いています。

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ゴンドラは山に向かって、ぐんぐんと登っていきます。

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振り返ると、ツィラー川の先にロープウェイ乗り場の建物が見えます。乗り場の先にはマイヤーホーフェンの町の目抜き通り、ハウプト通りHauptstrasseがありますが、上から見ると、大きな通りには見えませんね。

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山際にはツィラー川の支流が流れています。

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山の間の狭い平坦地に沿って、集落が続いています。ツィラータールZillertalがどこまでも伸びています。

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ツィラータールの美しい風景にいっとき、見入ります。

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ゴンドラは山肌に沿って、上り始めます。

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ペンケンバーンの終点がだんだんと近づいてきます。最後は岩山になっています。チロルの高い山の特徴はこの岩山ですね。

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空の旅も終盤です。



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マイヤーホーフェンの1日:ペンケンバーンの山頂駅は美しい野原の中

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/6回目

マイヤーホーフェンMayrhofenのロープウェイ、ペンケンバーンPenkenbahnのゴンドラに乗って、ペンケン山頂を目指しているところです。下界には美しいチロルの風景が広がり、遠くチロルの山々も望めます。

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まさにパノラマ風景で見渡す限り、ぐるっと山々が見えています。遠くの山は雪を抱いたアルプスでしょうか。

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だんだんと雪を抱いた山々の姿がはっきりと見えてきます。今日は昨日以上の好天でどこまでも遠くの風景が見渡せます。

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やがて、ペンケンバーンの終点に到着。ペンケンバーンの山頂駅の前は工事中です。

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工事中の現場の先にまたロープウェイが見えます。コンビバーン・ペンケンKombibahn Penkenというロープウェイです。購入したチケットで乗れるか不安ですが、ともかく行ってみましょう。乗り場の前に係員がいるので、このチケットで乗れるかと訊くと、乗れるよっていうことです。ほっとします。ゴンドラ乗り場に行くと、ここも空いていて、すぐに乗れます。

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今度はちょっとこぶりのゴンドラに乗って、ペンケン山頂を目指します。

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少し上がったところで振り返ると、さきほどの乗り換え駅が見えます。どうやら、コンビバーン・ペンケンの駅を建築中なんですね。その向こうにはチロルの山々が下のほうに見えています。ずいぶん、高く上ってきたようです。

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それでも、ゴンドラはさらにぐんぐん上っていきます。おいおい、どこまで上るんだという感じです。

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ずいぶん高所まで上ってきたにもかかわらず、周りには緩やかな傾斜の緑の野原が広がっています。チロルの夏の風景です。

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ゴンドラのすぐ下にはハイキングコースがあり、自転車に乗っている人たちがいます。自転車コースでもあるんですね。ヨーロッパの夏山の楽しみなんでしょう。

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もうすぐコンビバーン・ペンケンの山頂駅に到着です。山頂は花々が咲く美しい野原です。別のリフトも見えています。

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山頂駅に到着して、ゴンドラを降ります。

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ここからはチロルやアルプスの山々が遠くまで見渡せます。素晴らしい景色に感動です。

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ここはペンケン山の山頂の野原です。山頂の地図を見ると、山頂にはなだらかな高原が広がっています。その高原にハイキングコース・自転車コースが巡っています。

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配偶者はこの美しい高原の花咲く野原に座って、サウンド・オブ・ミュージック気分に浸っています。

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ところで、ここに上ってきた人たちには、また別のお楽しみがあったようです。それは・・・。



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マイヤーホーフェンの1日:ペンケンバーンの山頂はパラグライダー天国

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/7回目

マイヤーホーフェンMayrhofenのロープウェイ、ペンケンバーンPenkenbahnとコンビバーン・ペンケンKombibahn Penkenのゴンドラを乗り継いで、ペンケン山頂に到着しました。山頂には野の花が咲き乱れる美しい野原が広がっています。そこへ奇妙ないでたちの男たちが現れます。彼らはゴンドラで後から上がってきた人たちです。背中に大きなリュックを背負っています。もしかしてと思って、パラグライダーで飛ぶのかと訊くとそうだよと言うことです。次々とパラグライダーを背負った人がやってきます。その一人の男性が我々を見て、「オハヨーゴザイマス」と声を掛けてきます。驚いていると、今度は「サイコーデス」。まるでプロ野球の助っ人のヒーローインタビューですね。面白そうなので、彼らの後に着いて歩きます。すぐにパラグライダーのフライトポイントに到着。たくさんのパラグライダーで飛ぶ人が準備中です。まわりには多くの野次馬も並んでいます。我々も野次馬の一員に加わります。

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野原の向こうにはパラグライダーで飛び降りた人たちがふわりふわりと空に浮かんでいます。

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今まさに飛ぼうとしている人もいます。

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見事にテイクオフ成功!

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ぐんぐん、空の向こうに遠ざかっていきます。

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手際よく準備しているのはパラグライダーのプロたちです。タンデムで飛ぶようです。

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見物している野次馬の人たちです。我々もその一員です。

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大きなリュックから取り出されたパラグライダーは野原に順番に広げられていきます。

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次にテイクオフする人がお客さんの支度もして、何やら注意事項を説明して、広げたパラグライダーを一度空中に浮かせてテストをして、お客さんと一緒にダッシュし始めます。

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2人がつながって、離陸。ふわっと空中に浮きあがります。まわりからは拍手が沸き起こります。

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やがて、例の日本語を話した男性もフライトの準備を終えます。

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こちらに挨拶を送って、パラグライダーのロープをつなごうとします。

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最終的な準備完了です。

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お客さんと空中に浮きあがります。やんやの拍手を送ります。

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いったん下に下りていくかと思うと上昇気流をつかんで、ふわふわ空中散歩。

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saraiももう少し若ければ、体験したかったところです。きっと日本人の客も多いのでしょう。だから日本語を覚えたんでしょうね。
あたりの空にはパラグライダーがふわりふわりと飛んでいます。

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見ていると面白くて飽きませんが、いつまでも見ているわけにはいかないので、ぶらぶらとそのあたりを歩き回ってみましょう。



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マイヤーホーフェンの1日:ペンケン山頂のお花畑でベンチ争奪戦・・・勝ったのは?

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/8回目

マイヤーホーフェンMayrhofenのペンケン山頂Penkenでパラグライダーのフライトの野次馬になっていました。いい加減見たところで切り上げて、山頂の綺麗な野原を散策することにします。野原の間にあるハイキング道を歩き始めます。

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山頂の案内図があります。今はロープウェイの山頂駅(15番の場所)から少し下ったパラグライダーのフライトポイントから再び山頂駅に向かって歩き出したところです。

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山小屋風のレストハウスの前に出ます。家畜止めのゲートがあります。山頂でも牧畜が行われているんですね。

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ハイキング道の周りには綺麗なお花畑が広がっています。サウンド・オブ・ミュージックそのもののような風景です。

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山頂には広い敷地があり、色んなアトラクションがあるようです。池の前に出ます。人工のような池です。

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池では丸いビニールのバルーンの中で子供たちが回転に失敗して転んで喜んでいます。人気のアトラクションのようです。

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池の向こうには少し雲のかかった、なだらかな山の連なりが見えています。

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池の横を通って、散策を続けます。

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美しい野原がどこまでも広がっています。世の中には、こんなに綺麗な場所があるんですね!!

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まわりには雪を抱いたチロルの山々の絶景も望めます。

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この穏やかな野原と同じくらいの高さで、チロルの険しい山々があるというのが不思議な感じです。これがアルプスの風景なんですね。

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お花畑の中に足を踏み入れる見晴らしのよさそうなところにベンチがあり、ちょうど空いたところです。あそこで眺望を楽しみながら休憩しましょう。周りは美しい景色です。

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ベンチに行く前に配偶者がお花畑の中でポーズを決めているので写真撮影していましたが・・・。

なんと、後ろから追い越していった一人のおじさんが凄い勢いでベンチのほうに駆けあがり、長いベンチを確保したと遠くの仲間にアッピールしています。負けました。我々はすごすごと彼の前を通り過ぎて、近くの草原に腰を下ろします。眺望は変わりありません。素晴らしい眺めに大満足。

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ベンチに座るのと何が違うと言えば、草原の湿り気で少し湿っぽくなります。ベンチには仲間たちがやってきて、おじさん3人とおばさん一人が腰かけています。少しすると、あれあれ、そのおばさんがベンチを離れていきます。残りの仲間も立ち上ります。せっかく、先発のおじさんが意気揚々と確保したのにあまり受けなかったようですね。それではとそのベンチに我々が移動。このベンチの居心地のよいところは木陰になっていて涼しいことです。今日は絶好の好天のため、山の上でも直射日光の陽射しがとても暑いんです。ゆったりとベンチで持参したおかきをぽりぽりかじりながら、チロルの絶景、さらにはアルプスの遠景を思う存分楽しみます。

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気持ちの良い時間がゆっくりゆっくりと流れていきます。ゆったりと周りの景色を楽しむのみです。

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これが癒しの時間というものですね。時間はたっぷりあります。



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マイヤーホーフェンの1日:ペンケン山頂のお花畑はこの世のパラダイス

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/9回目

マイヤーホーフェンMayrhofenのペンケン山頂Penkenのお花畑にあった貴重なベンチで40分ほども気持ちのよい時間を過ごしてしまいました。何せ、こんなに眺めがいいベンチで、おまけに気持ちの良い木陰にもなっているんです。

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十分に満足したところでベンチを離れます。それを待ちかねたようにカップルがすぐにベンチにやってきます。どうぞ、ゆっくりお使いください。得難いベンチですよ。
ベンチの前に広がるのは素晴らしいお花畑です。

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可憐な小花の向こうには、雪を抱いたチロルの山々の絶景が広がっています。まるでこの世のパラダイスみたい・・・。

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しばらく、この美しい野原をぶらぶらしましょう。

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20~30分ほどすると、まわりに少し霧が近づいてきます。そろそろひとつ下のポイントまでおりましょう。コンビバーン・ペンケンKombibahn Penkenのゴンドラに乗ってペンケンバーンPenkenbahnとの乗り継ぎ駅まで下りると、そこにはペンケン山頂のようなお楽しみは何にもないようです。あるのはレストハウスだけ。景色を楽しみながら、何か冷たいものをいただきましょう。レストハウスは結構、賑わっています。

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飲み物はジュースとミルクです。配偶者が飲んだチロルのミルクは美味しかったそうです。

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飲み物のお供はアイス付きのアプフェルストゥルーデルです。

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景色を堪能しながら、おやつと飲み物でしばしの休息。

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そして、ペンケンバーンのゴンドラで下界に下ります。帰りはゴンドラが混み合い、満席状態。みなさんも帰る時間なんですね。
ゴンドラからは綺麗な景色が見えます。山頂が霧に覆われても、下界は晴れ渡っています。

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チロルの山々の絶景がまだ、かろうじて見えていますが、まさに見えなくなりそうです。もう2度と目にすることはないでしょう。さらば・・。

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マイヤーホーフェンの町がくっきりと見えてきます。箱庭のような風景です。

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町の建物が大きく見えてきます。

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ツィラー川Zillerの支流の清冽な流れも見えてきます。

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ロープウェイ乗り場の建物が見えてきます。

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マイヤーホーフェンの町に下りてきました。
鳥瞰図でロープウェイの復習をしておきましょう。今、上ってきたところはマイヤーホーフェンの町からペンケンバーンとコンビバーン・ペンケンの乗り継いでいったペンケン山です。鳥瞰図ではフィンケンベルクFinkenbergとも書かれていますね。逆サイドにはアホルンバーンAhornbahnというロープウェイもありますが、山頂へはロープウェイを降りたところから、かなり歩いて登らないといけないようです。鳥瞰図の上半分はチロルの峰々がびっしりと連なっています。先ほど見えた山々のようです。山に分け入れば、氷河も見られるそうですが、交通が不便なので、行くのは断念しました。

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まだ、時刻は午後3時。マイヤーホーフェンの町はよく見ていないので、ちょっとうろついてみます。



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マイヤーホーフェンの1日:マイヤーホーフェン散策・・・猛烈な暑さに早々に退散

2016年7月29日金曜日@イェンバッハ~マイヤーホーフェン/10回目

マイヤーホーフェンMayrhofenのロープウェイ、ペンケンバーンPenkenbahnとコンビバーン・ペンケンKombibahn Penkenのゴンドラを乗り継いで、ペンケン山頂Penkenに上り、美しいお花畑とチロルの山々の絶景を楽しんできました。
その後、下界のマイヤーホーフェンの町で散策を楽しむことにします。
マイヤーホーフェン駅のほうに向かって、メインストリートのハウプト通りHauptstraßeを歩きます。スポーツ店が多いのですが、どのお店もバーゲン真っ最中です。と言っても旅先なので、かさむようなスポーツ用品を買い込むわけにはいきませんね。もうひとつ、どうやら、マイヤーホーフェンの町では明日からの週末はお祭りが催されるようで、舞台の設営や屋台の準備中です。

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マイヤーホーフェンのカトリック教会です。チロルらしく、可愛い雰囲気です。

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町の中心地では、お祭りに向けてテラスの準備で忙しそうです。今日以上に大勢の人が押しかけてくるのでしょうね。

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このあたりで食事とも思い、レストランを物色しますが、それ以前に、朝とは違い気温が上昇し暑くてたまりません。食事の時間まで留まる元気が出ません。そろそろ退散しましょう。

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お祭りの横断幕が出ています。サイクリングの人たちの祭典みたいです。音楽のイベントもあるようです。

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最後にツーリストインフォメーションを発見します。ちょっとだけ寄っていきましょう。

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タウンマップをいただけました。その地図でここまでの散策ルートをチェックしておきましょう。

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帰りはまた、ツィラータール鉄道Zillertalbahnのレトロなディーゼルカーです。ツィラータールZillertalの美しい自然の中を走り抜けていきます。

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配偶者は車窓に張り付いていますが、疲れたsaraiはウツラウツラ・・・。

イェンバッハJenbachに戻ってきました。明日はこの駅に荷物を預けておきたいのでコインロッカーを探します。コインロッカーの表示があり、発見出来たのでホッと一安心です。なかなか立派なコインロッカーがあります。いつもコインで苦労するので、いくらなのか確認しておきましょう。ところが、試してみるとうまく作動しません。どれも故障してるのでしょうか。仕方がないので駅員さんに確認すると、コインロッカーは使えないよとのつれない返事。ぬか喜びでした。でも、確認しておいてよかったです。カバンを持って出かけてきてしまったら、面倒なことになるところでした。そうこうしていると、明日乗る予定のアーヘンゼー鉄道の蒸気機関車が帰ってきます。大勢の人が降りてきて賑やかです。大人気のようですね。蒸気機関車も大サービスで、盛大に汽笛を鳴らしています。その中で、突然日本語が聞こえてきてビックリです。数人の高齢の日本人です。観光客かしら? 現地にお住まいの方かしら? 彼らはインスブルック行きの電車に乗りこんでいきました。この旅では一度日本人の家族連れと出会いましたが、それ以外は全く日本人には会っていません。こんなところにわざわざ出かけてくる人は少ないようですね。

疲労回復をはかって、今日もホテルまでタクシーを奮発します。ホテルの部屋にはエアコンがないのでさぞかし暑いだろうと思っていたら、東向きの部屋は日が陰っていて、涼しくてほっとします。早く戻ってこられたので、配偶者は洗濯、saraiは明日のプランの再検討です。さて、7時になったので、夕食にしましょう。今夜もホテルのレストランで贅沢な食事です。レストランはなんと一番乗り。まだレストランには電燈も点いていなくて、とっても暗いです。一瞬、今日はレストランはお休みかとびっくり。すぐにスタッフが電燈のスイッチを入れて、テーブルに案内してくれます。
まずはオーストリア産の白ワインで好天のチロルの山巡りを祝して、乾杯!

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saraiはビーフステーキをいただきます。

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配偶者はコルドンブルーです。

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食事をしながら、壁の装飾を眺めていると、1890年のイェンバッハの町の様子を描いた絵があります。さびしい田舎町ですが、なんと蒸気機関車は走っていたようです。

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食事が終わり、最後にコーヒーを頂こうということになり、メランジェを・・・とお願いすると、それ何?という表情をされます。コーヒーだけどというと、エスプレッソねといいます。いえいえミルク入りの・・・と言うと、ノーマルねと言ってコーヒーが出てきました。ここは、オーストリアでしょ。メランジェが通じないなんて・・・。チロルはウィーンが遠く、イタリアに近いのね。ものすごい驚きと新知識となりました。

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明日はアーヘン湖Achenseeを見物して、その後、ザルツブルクに移動して、いよいよ、夜はザルツブルク音楽祭。早速、ウィーン・フィルの演奏を聴きます。わくわくです。



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アーヘン湖の1日:アーヘンゼー鉄道のSLは準備完了!

2016年7月30日土曜日@イェンバッハ~アーヘン湖/1回目

旅の11日目、イェンバッハJenbachの3日目です。

イェンバッハの朝です。ガ~ン、ガ~ンと鳴り響く鐘の音で目が覚めます。外はまだ暗いです。何時かと時計を見ると6時! 土曜日はこんな時間に鐘がなるのかしら。50回以上は鳴りましたよ。もう一度布団をかぶって寝なおします。7時半の目覚ましで起きると、真っ青な空が広がっています。昨日にも増して青空です。結局、チロルの3日間はお天気に恵まれました。日頃の行いがよいのね。午後にはザルツブルクに移動しますが、チロル最後のお楽しみはアーヘン湖Achensee訪問です。さっさと朝食を済ませて、チェックアウトします。荷物を預かってもらいましょう。と、何時頃に戻ってくるのかと聞かれます。1時半頃だよと答えると、その頃はホテルはクローズしてるとのこと。裏口の鍵の解除のカードを作ってくれて、荷物を預かってくれます。と言うことは、タクシーは自分で呼ぶのね。到着したときに乗ってきたタクシーから手渡された名刺が役に立ちそうです。
駅まではブラブラ歩いていきます。チロルっぽい装いのホテル・イェンバッハホーフHotel Jenbacherhofを出発します。右手に見える別館の入り口がホテルのレセプションの人が言った裏口のことのようです。

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カスバッハKasbachという小川に沿って、ポストガッセPostgasseという通りを下っていきます。

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小川には山からの清水が流れています。

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途中、地図の看板が2枚立っています。地図によると、この小川カスバッハはアーヘン湖から流れ出しているようですね。

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もしかしたら、この小川カスバッハが昨日のツィラー川に流れ込んでいるんでしょうか。(実際はカスバッハはイン川に流れ込み、そのイン川に流れ込む別の支流がツィラー川。地図に表示されている大きな川はイン川で左端がイェンバッハの町です。)

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小川カスバッハに沿った小路ポストガッセをどんどん下っていきます。昨日も歩いた道なので、もう、地図も見ないで歩けます。

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小川カスバッハは白いしぶきをあげながら、轟轟と流れています。

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そろそろ、左に曲がるところです。間違えずに曲がりましょう。

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左に折れて、路地、シャルサーザイテン小路Schalserseitenwegを少し進みます。

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駅に向かう路地、ロートルツァー小路Rotholzerwegがあります。ここで右折。道標があるので、間違えないで済みます。

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この細い路地ロートルツァー小路を進んでいきます。

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路地ロートルツァー小路の先の石段を下りて、さらに別の路地(名前は同じロートルツァー小路)を進むと駅に到着です。この石段さえなければ、荷物を引いて、ホテルから駅まで歩けるんですけどね。
駅の一番手前のホーム、1Aがアーヘンゼー鉄道Achenseebahnのホームです。

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イェンバッハ駅のアーヘンゼー鉄道Achenseebahnに到着すると、すでに大勢の人が蒸気機関車を待っています。今日は土曜日の行楽日和だから、早めに行かないと大人気の蒸気機関車に乗れないよと言う配偶者の提案で早目に出かけてきたのが大正解です。

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アーヘン湖からの帰りはバスにするのですが、うっかりして何も言わずに乗車券を買うと、往復の乗車券を渡されます。すぐに気が付いて、片道の乗車券に交換してもらいます。差額の13ユーロを返金してもらいます。たった13ユーロですが、帰りのバス賃はこれでおつりがくるんですから、馬鹿にできません。

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往復は一人29.5ユーロ、片道は一人23ユーロと圧倒的に往復乗車券が価格的に有利です。普通は往復の乗車券を購入するのでしょうね。saraiは午後早くにザルツブルクに移動するので、アーヘン湖から早めに帰って来ないといけないので、昨日、時刻表をじっくりと検討した結果、帰りはバスで帰ってくるのが都合がいいことが分かりました。
これは蒸気機関車とアーヘン湖のクルーズ船の時刻表です。バスの時刻はネットでチェックしました。

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のろい蒸気機関車よりもバスのほうがずっと速いんです。それに蒸気機関車は片道乗れば十分でしょという配偶者の意見もあります。配偶者は鉄子じゃありません。ちなみにバスは片道一人5.4ユーロ。蒸気機関車に比べて、ずっとお得な料金です。蒸気機関車はあくまでも観光用なので、高目の価格設定なんでしょう。ともかく片道の乗車券を買い、スタンバイします。
これが乗車券です。なかなか古めかしい乗車券です。厚紙でできています。昔の日本の国鉄の乗車券もこれでしたね。鉄道ファンが喜びそうです。

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賑やかなホームで蒸気機関車の到着を待ちます。周りが山に囲まれたイェンバッハ駅は風情があります。

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ホームから見ていると、蒸気機関車は既に黒煙を上げ、準備完了のようです。

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蒸気機関車の様子を眺めていると、自分も鉄ちゃんになった気分になります。ワクワク・・・。



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アーヘン湖の1日:人気のSLは満席状態

2016年7月30日土曜日@イェンバッハ~アーヘン湖/2回目

イェンバッハJenbachの駅のアーヘンゼー鉄道Achenseebahnのホームでアーヘン湖Achensee行きの蒸気機関車の到着を待っているところです。既にホームには大勢の乗客がスタンバイしています。真っ青に晴れ渡った青空の下、イェンバッハ駅は長閑な雰囲気です。

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アーヘンゼー鉄道の蒸気機関車は真っ黒な煙をモクモクと上げながら、構内を動き回っています。出発の準備を整えているようです。

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可愛い蒸気機関車が目の前にやってきます。昨日見たツィラータール鉄道Zillertalbahnの美しく磨き上げられた蒸気機関車とはかなり印象が異なります。より小型ですが、パワーはありそうです。昔乗ったザルツカンマーグートのシャーフベルク鉄道の登山鉄道用の蒸気機関車に似た形です。

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まるでデモンストレーションでもしているように我々乗客の前で愛嬌をふりまいています。みんな夢中でカメラのシャッターを切っています。

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蒸気機関車は車庫の中に向かっていきます。

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その車庫の中の2両の客車を連結して、戻ってきます。

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また、客車を連結した蒸気機関車は我々の前に戻ってきます。ただし、なぜかホームには入らずに向こうの線路に停車します。

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蒸気機関車は客車を押しながら、向こうに進み始めます。

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どんどん遠ざかっていきます。あれっ・・・?

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車庫の横を通り過ぎて、向こうに進んでいきます。

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いつの間にか、さっき開いていた車庫の扉は閉じています。客車を引き出した後、誰かが閉めたようです。

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車庫の向こうで蒸気機関車は本線の線路に乗り入れた後、ホームにバックしてきます。
発車時刻にはまだ少し時間がありますが、ホームに入ってくるようです。

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混み合いそうなので、列車にはちゃっちゃっと乗り込みたいところですが、小さい子供たちが大勢いるので、その子達を押しのけて乗るわけには行きませんね。どうしようかと思案していると、上手い具合に、目の前に客車のドアが停まります。向かい合わせの木製のベンチごとにドアがあるので、ドアは多いのですが、少しずれると、真っ先に乗り込めません。早速、一番手で乗り込み、奥の窓側の向かい席をしっかり確保します。

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後から後から乗客がやってきて、どんどん席が埋まっていきます。すぐに満席です。たったの2両しか客車がないので、詰め込んでも、そう大勢の人は乗れません。そう言えば、シャーフベルク鉄道も大変な混雑だったことを思い出します。

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窓際の席に座っていますが、窓ガラスなんてものはありません。まるで屋根の付いたトロッコみたいなものですね。風通しはよいので、走りだせば、気持ちよく風を受けそうです。

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発車までにまだ15分ほどありますが、客車はほぼ満員です。後から来た人は席を探して右往左往しています。我々は首尾よく座れたので、ゆったりと出発を待ちましょう。



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ファビオ・ルイージ、渾身のR・シュトラウス:読売日本交響楽団@みなとみらいホール 2017.8.25

ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルのコンサートを聴いたのを最後にしばらくは音楽を聴いていませんでした。やはり、旅の疲れが残っていたからです。10日ほどして久しぶりに聴いたCDはクララ・ハスキルのピアノでモーツァルトのピアノ協奏曲。またかと言われそうですが、現在、彼女のモーツァルトの全録音を聴いているところで、第20番K.466の計11枚のCDを聴いています。ハスキルの美音を聴いていると旅の疲れも癒されます。そして、国内のコンサートへの回帰はファビオ・ルイージ指揮の読売日本交響楽団でR・シュトラウスを今日聴きました。今年のザルツブルク音楽祭ではマーラー、モーツァルト、ショスタコーヴィチは聴きましたが、R・シュトラウスを聴けなかったのが残念でしたが、早速、ここで聴けたのはラッキー。それにしても夏枯れの8月に何故、ルイージがわざわざ、来日して、R・シュトラウスを振ってくれるのか、とても不思議です。ルイージと言えば、やはり、R・シュトラウスが一番似合います。以前、シュターツカペレ・ドレスデンを率いて、来日公演でR・シュトラウスの素晴らしい演奏を聴かせてくれたのが思い出されます(『ツァラトゥストラはかく語りき』だったかな)。ともあれ、今日のコンサートの感想に移りましょう。

前半のR.シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」とハイドンの交響曲第82番「熊」もよかったのですが、やはり、圧巻だったのは、後半のR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」です。冒頭の低弦の分厚い響きの英雄のテーマから、ぐっと惹きつけられます。そこにヴァイオリン群がのっかってくるあたりの雄々しい響きには身震いするほどです。読響の弦のアンサンブルも素晴らしいのですが、ルイージのまとめかたも見事です。こういうのを聴いていると、やはり、ルイージはメトロポリタン歌劇場でオペラを振っているよりも、シュターツカペレ・ドレスデンでドイツの後期ロマン派の作品を振っていたほうがよかったのにと思われてなりません。もっとも今、シュターツカペレ・ドレスデンはティーレマンが掌握しているので、もう出る幕はありませんね。さて、今日の「英雄の生涯」ですが、抒情的なパートの演奏もパーフェクト。しっとりと聴かせてくれます。特にフィナーレは珍しく初稿での演奏だったこともあり、静かに消え入るような感じでしめくくられましたが、その見事なこと、素晴らしいです。この作品はR.シュトラウスの比較的、早い頃に作曲されたものですが、まるで晩年を見据えたような雰囲気すら漂っています。ルイージ、読響ともに会心の出来だったのではないでしょうか。saraiもこの作品は、ハイティンク指揮シカゴ交響楽団、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンの超ど級の演奏を聴いていますが、派手さを除けば、内容的に納得できる高レベルの演奏で非常に満足しました。付け加えておくと、ルイージの指揮はまるでR.シュトラウスの楽劇を聴いているようにも思える感じです。交響詩「英雄の生涯」の筋書きを忘れて聴くと、もう一つの《ばらの騎士》でも聴いているようで楽しいこと、この上なしでした。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:ファビオ・ルイージ
  管弦楽:読売日本交響楽団 長原 幸太(コンサートマスター)

  R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
  ハイドン:交響曲第82番「熊」

   《休憩》

  R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」


最後に予習について、まとめておきます。

R.シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」は以前、ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団のコンサートの折にまとめて聴きました。以下はそのときの引用です。

軸となったのはフルトヴェングラー指揮のものです。

 フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィル(1942年2月17日、ライヴ録音)
 フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィル(1947年9月16日、放送用録音)
 フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィル(1951年3月1日、ローマでのライヴ録音 )
 フルトヴェングラー指揮/ウィーン・フィル(1953年8月30日、ザルツブルグ音楽祭でのライヴ録音)
 フルトヴェングラー指揮/ウィーン・フィル(1954年3月、スタジオ録音)
 フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィル(1954年4月27日、ティタニア・パラストでのライヴ録音 )
 クレメンス・クラウス指揮/ウィーン・フィル(1950年6月録音、スタジオ録音)
 カラヤン指揮/ウィーン・フィル(1960年、スタジオ録音)
 カラヤン指揮/ベルリン・フィル(1972年、スタジオ録音)。カラヤンはベルリン・フィルと1982年に再録音。これは以前聴いたのでパス。
 フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団(1954年、スタジオ録音)。ステレオ録音。素晴らしい音質。
 フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団(1961年、スタジオ録音)。
 クラウス・テンシュテット指揮/ロンドン・フィル(1986年、スタジオ録音)。
 ゲオルク・ショルティ指揮/シカゴ交響楽団(1973年、スタジオ録音)。
 ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1973年、スタジオ録音)。

フルトヴェングラーは濃密とも思える後期ロマン派の香りに満ちた魅力的な演奏。ベルリン・フィルとの演奏では、1947年と1951年が切れ込み鋭く、ロマンティックさも兼ね備えた大変な演奏。ウィーン・フィルとの演奏では、1953年8月30日、ザルツブルグ音楽祭でのライヴ録音の緊張感、1954年3月のスタジオ録音の高音質で柔らかい表現のいずれも必聴ものです。
このフルトヴェングラーの演奏に並ぶのがクレメンス・クラウス指揮のウィーン・フィルです。シャープできびきびした表現はさすがにR.シュトラウスの盟友ならではの表現。
カラヤン、ライナー、テンシュテット、ショルティ、ハイティンクはいずれも音質のよいステレオで、それぞれの持ち味を出した名演揃い。
ともかく、この曲は聴き込むほど、その素晴らしさが身に沁み入ってきます。

《引用終わり》

まあ、ともかく、この曲はフルトヴェングラーに尽きるということですね。ということで、今回は聞き漏らしていた以下の演奏を聴きました。

 フルトヴェングラー指揮/ウィーン・フィル(1950年9月25日、ストックホルムでのライヴ録音 )


演奏はフルトヴェングラーとしては並みの出来でしょうか。音質はあまりよくありません。しかし、これでフルトヴェングラーが指揮したベルリン・フィルとウィーン・フィルの録音はすべて聴いたことになります。あと残りはストックホルム・フィル(1942年)とヴェネズエラ交響楽団(1954年)を残すのみです。

ハイドンの交響曲第82番「熊」は以下を聴きました。

 バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィル(1962年5月7日、セッション録音)
 ジギズヴァルト・クイケン指揮/ラ・プティット・バンド(1988年、セッション録音)


モダーン・オーケストラの代表として、バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルを聴きましたが、この頃のバーンスタインは実に颯爽として、かっこいい演奏です。録音も素晴らしいです。一方、オリジナル楽器派の代表として、ジギズヴァルト・クイケン指揮/ラ・プティット・バンドを聴きました。これまた素晴らしい演奏ですが、あまり、オリジナル楽器を感じさせないところも見事です。

R.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」は以前、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンのコンサートの折にまとめて聴きました。以下はそのときの引用です。

CDを聴いたのは以下の9つの演奏。

 クレメンス・クラウス指揮/ウィーン・フィル(1952年録音、スタジオ録音)
 フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団(1954年、スタジオ録音)。ステレオ録音。素晴らしい音質。
 カラヤン指揮/ベルリン・フィル(1959年、スタジオ録音)。カラヤンの戦後DGへの初録音。カラヤンは最後はベルリン・フィルと1985年にも録音。これは以前聴いたのでパス。
 ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1970年、スタジオ録音)。
 ゲオルク・ショルティ指揮/ウィーン・フィル(1977年録音、スタジオ録音)
 アンドレ・プレヴィン指揮/ウィーン・フィル(1988年録音、スタジオ録音)
 クレスティアン・ティーレマン指揮/ウィーン・フィル(2002年録音、ライヴ録音)
 サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィル(2005年録音、ライヴ録音)
 ベルナルト・ハイティンク指揮/シカゴ交響楽団(2008年、ライヴ録音)。

いずれも選び抜いたCDなので、素晴らしい演奏ばかり。なおかつ、いずれも卓越したオーケストラばかりでその力量も凄い。また、コンサートマスターの独奏も見事。新鮮に響いたのはハイティンクの旧盤(1970年のコンセルトヘボウ管)とティーレマン。ハイティンクの旧盤でのヘルマン・クレバースのヴァイオリン独奏は素晴らしい。カラヤンは世評も高いが、できればウィーン・フィルで聴きたかったところです。ウィーン・フィルはクレメンス・クラウス以降、どの演奏も素晴らしいです。R・シュトラウスとウィーン・フィルの相性は最高。その頂点がティーレマンの指揮したCDです。

《引用終わり》

今回はそのとき聴かなかった演奏を聴くことにしましたが、以前、印象に残らなかったサイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルも再度聴き直しました。

 サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィル(2005年録音、ライヴ録音)
 ヤニック・ネゼ=セガン指揮/ロッテルダム・フィル(2010年6月録音、セッション録音)
 ファビオ・ルイージ指揮シュターツカペレ・ドレスデン(2007年録音、セッション録音)

ラトル指揮/ベルリン・フィルは極めて素晴らしい演奏です。これだけ聴けば、決定盤にも思えるほどです。明快極まりない演奏で何の不足もありません。ラトルをまた見直しました。ハイティンク、ティーレマンの演奏にも並び立つ演奏です。セガン指揮/ロッテルダム・フィルもよかったのですが、録音がもう一つだったのが残念です。ルイージ指揮シュターツカペレ・ドレスデンは素晴らしいオーケストラの響きを前面に出した演奏で、ルイージの指揮も見事です。



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アーヘン湖の1日:蒸気機関車の楽しみ、極まれり・・・でも、うるさい!

2016年7月30日土曜日@イェンバッハ~アーヘン湖/3回目

イェンバッハJenbach駅でアーヘンゼー鉄道Achenseebahnのアーヘン湖Achensee行きの蒸気機関車が牽引する客車に乗り込んだところです。まだ、発車までに15分ほどありますが、客車内は超混雑状態。席を求めて、探している人でいっぱいです。

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我々は窓際の最上の席をゲットしているので、余裕で出発を待っています。やがて、出発5分前になります。

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案の定、乗れない人が出てきます。もう一台蒸気機関車が準備に入ったので臨時便が出るのでしょうか。客車を1両だけ連結しているので、通常の編成ではありませんね。

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私たちが乗った列車は威勢よく汽笛を鳴らして出発します。後のことは分かりませんが、臨時便が出なければ45分後の出発になります。早めに来て本当によかったです。

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客車には通路がなく、1ボックスごとに出入り口があるだけなので、車掌さんの検札も客車の外側からです。車掌さんも大変ですね。

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小さい子供たちと、その付き添いの大勢の大人を乗せた蒸気機関車は、賑やかを通り越してうるさいの何の・・・。シュッシュッポッポッシュッシュッポッポッ、ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ。リズムよく、一直線に急勾配を登っていきます。この鉄道はアプト式軌道なんです。登山列車そのものです。

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沿線の風景は長閑そのものです。

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線路沿いの家の人や沿道を行く人や農作業の人達が手を振ってくれます。大人気です。

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どんどん高台に登っていき、イェンバッハの町も眼下に見えるようになってきます。

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やがて、最初の駅、ブルゲックBurgeckに到着。

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とても鄙びた駅です。

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赤ちゃんを抱いた若いママが乗り込もうとします。超満員なのにどうするかと思っていたら、車掌さんが何とか乗る場所を確保します。ヨカッタ・・・。

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また、蒸気機関車は上り坂を元気よく進み始めます。もちろん、のろのろではありますが、シュッシュッポッポッ・・・。

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山の中に入っていきます。

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チロルっぽい山が見えてきます。

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50分の行程のうち、ようやく半分近く走ってきました。山に登っていくので、とてものろくて、なかなか進まないんです。登山鉄道、そして、蒸気機関車の楽しみが極まるような旅が続いていきます。それにしても、乗客も蒸気機関車もうるさい!



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アーヘン湖の1日:蒸気機関車はフルパワーで山越え

2016年7月30日土曜日@イェンバッハ~アーヘン湖/4回目

アーヘンゼー鉄道Achenseebahnの蒸気機関車に乗って、イェンバッハJenbach駅からアーヘン湖Achenseeまで向かっているところです。登り坂を蒸気機関車はあえぎながら進み、山間部にさしかかります。配偶者は線路の傍らの雑草としか思えない花々に興味を惹かれています。

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どんどん山を登って、眺望も開けてきます。

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車両の後方を眺めると、蒸気機関車がものすごい黒煙を噴き上げて、フルパワーで客車2両を押しています。

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急坂を登り切った蒸気機関車は少し余裕を持って走り出します。

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やがて、峠にあるエーベン駅Ebenに到着です。駅前にはカトリック教会、聖ノトブルガ巡礼教会Pfarramt St. Notburgaがあります。オーストリアの聖女ノトブルガに捧げられた教会です。

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線路はここで自動車道路と交差しています。

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ここまでは蒸気機関車が客車を押し上げる格好でしたが、ここからは下りになるので、蒸気機関車が前に移動し先頭を走ります。編成の入れ替え作業を終えて、蒸気機関車はエーベン駅を出発します。それにしても絶好の天気ですね。

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山の間に開けた盆地のような所を順調に下っていきます。

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おや、こういう山の中の建物の屋根にも太陽光発電パネルが設置されています。時代ですね。

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高い雑草の中をすり抜けていきます。

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また、広々とした野原の中を気持ちよく走り抜けます。

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野原の中に岩山がにょっきりと立っています。小さいですが、チロルらしい山です。

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線路と並行している道にはサイクリングしている人たちがいます。夏のチロルの風景ですね。

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マウラッハ・ミッテ駅Maurach Mitteに停車。

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再び走り出すと、先ほどサイクリングしていた男女が止まっています。ほかにも自転車や徒歩の人たちがいますね。夏のレジャーシーズン真っ盛りと思いましたが、実はまだまだ、こんなものではなかったんです。

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アーヘン湖までは10分ほどです。



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アーヘン湖の1日:アーヘン湖のクルーズ、出航!!

2016年7月30日土曜日@イェンバッハ~アーヘン湖/5回目

アーヘンゼー鉄道Achenseebahnの蒸気機関車に乗って、イェンバッハJenbach駅からアーヘン湖Achenseeまで向かっているところです。蒸気機関車は苦しい山越えを完了し、快調にアーヘン湖を目指して走っています。もっともエーベン駅Ebenで蒸気機関車を最後尾から先頭に入れ換えた時間ロスが響いて、5分ほど遅れています。この後、アーヘン湖のクルーズ船に乗り継ぎますが、少し乗り継ぎに不安があります。ともあれ、蒸気機関車は山に囲まれた平坦地の野原の中を力強く走っていきます。

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岩山の麓には可愛い家々が点在しています。

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線路に並行する道をのんびりと歩いている人たちがいます。蒸気機関車は彼らをゆっくりと追いかけていきます。

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岩山の横を蒸気機関車は通り過ぎていきます。

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岩山を過ぎると、いきなり、アーヘン湖の湖畔に出ます。

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綺麗な湖面が見えてきて、子供たちが大はしゃぎです。

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湖に突き出た桟橋の先に艇庫があります。珍しい光景です。

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湖畔の道にはバックパッカーが歩いています。

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湖に大きなクルーズ船が見えてきます。まさに接岸しようとしています。どうやら出航に間に合ったようです。

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線路に並行して自動車道路があります。帰りのバスはこの道路を走るようです。バス停はどこにあるか、確認しようとしますが残念ながら分かりません。

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こうして蒸気機関車はアーヘン湖ゼーシュピッツ駅Seespitzに到着です。客車から降りると、すぐ近くにクルーズ船の桟橋があります。降車した人たちはそのまま、ぞろぞろと桟橋を渡って、クルーズ船に乗り込みます。我々も後に続きます。

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あれっ、意外に後に続いて乗り込んでくる人がいませんね。

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乗船後、早速、チケットを購入します。

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湖の端から端までの周遊チケットを購入します。一人20ユーロとなかなか高額です。まあ、2時間近くクルーズするので、仕方ありませんね。

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列車の到着を待っての観光船の出航です。よって、到着と出航も少し遅れます。観光船はなかなか立派です。何箇所かの船着場に立ち寄りながらのアーヘン湖一周約2時間の船旅のスタートです。景色を楽しむために船の一番前の席に陣取ります。アーヘン湖は周りの山々に囲まれています。これがチロルの湖の風景なんでしょう。

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このアーヘン湖も氷河に削られてできた湖なのか、両側の山の間に細長い形で伸びています。したがって、湾曲している前方は見通すことができません。前年のケーニッヒ湖を思い出します。ゆったりと船旅を楽しみましょう。



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アーヘン湖の1日:アーヘン湖のクルーズは気持ちがいいけれど・・・

2016年7月30日土曜日@イェンバッハ~アーヘン湖/6回目

アーヘンゼー鉄道Achenseebahnでアーヘン湖Achenseeに到着し、アーヘン湖のクルーズ開始。ゼーシュピッツ港Seespitzを出航したところです。快晴の青空の下、美しい湖面が輝いています。

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湖面に周囲の山が映り込んで、蒼い輝きを放っています。

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アーヘン湖は大きな湖なので、なかなか風景の変化がありませんが、観光船は順調に進んでいきます。

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微妙に景色が変わり、湖が右に大きく湾曲していることが分かります。

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最初の寄港地ペルティサウ Pertisauに到着します。ここから乗船する人も多いようです。

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ペルティサウを出て、湖の奥に進んでいきます。

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やがて、観光船とすれ違います。このあたりが湖の真ん中のようです。アーヘン湖の観光船は2隻が運航しており、1時間ごとの運行になっています。ほぼ同時刻に湖の反対側から出航した観光船はおよそ30分後に湖の真ん中ですれ違います。

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湖岸にそそり立つ岩山に沿って、観光船は走っていきます。

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湖岸に張り付くように続いているハイキング道は結構、起伏がありますが、多くの人たちが歩いています。一体、湖岸一周にどれくらいの時間がかかるんでしょう。

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観光船はハイキングしている人たちをどんどん追い抜いて、滑るように湖面を進んでいきます。

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次の寄港地ガイサルムGaisalmに到着。小さな野原があるだけで何にもなさそうです。乗降客もほとんどいません。

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すぐ近くには切り立った崖が迫っています。

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ちょっとしたビーチで遊んでいる人たちもいます。ともかくアウトドアでの過ごし方を心得ているようです。

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ところで我々の隣のテーブルには、6~7人のおじさん、おばさんグループがいるんですが、彼らは大声でしゃべり、笑い声を立てて、うるさいの何の! 彼らは我々同様、途中で降りずに湖を一周するようです。日本人よりも体の大きな彼らは体の大きさに比例して声もでかいんです。じっと我慢するしかありません。

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次の寄港地がすぐに近づいてきます。この寄港地は先ほどの寄港地ガイサルムの対岸にあります。アーヘン湖は細長い湖なので、両側の岸辺は近いんです。今度の岸辺には、湖に広く突き出した綺麗な野原が広がっています。

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アーヘン湖の一番奥ももうすぐのようです。周りがうるさいことを除けば、とっても気持ちのよいクルーズが続きます。



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アーヘン湖の1日:湖畔のレジャーの王様は日光浴!

2016年7月30日土曜日@イェンバッハ~アーヘン湖/7回目

アーヘン湖Achenseeでクルーズを楽しんでいるところです。次の寄港地はアーベントオイエルパルク・アーヘンゼーAbenteuerpark Achenseeという広い公園の中にあります。

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公園の中は気持ちのよさそうな野原が広がっています。

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野原で日光浴を楽しんでいる人たちもいますが、きっと暑いでしょうね。

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パヴィリオンのようなガラス張りの建物が見えてきます。

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このパヴィリオンの前が寄港地、アーヘンゼーホーフAchenseehofです。

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日光浴の人たちで賑わっています。気持ちのよさそうな野原なので、ここでいったん下船して、この観光船が折り返してくるのを待つというのもちらっと脳裏をよぎります。でも、やはり、アーヘン湖の一番奥まで行ってみたいので、それは断念します。

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もう、アーヘン湖の一番奥も見えています。

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それにしても、ヨーロッパの人たちは日光を浴びるのが好きですね。どんな空間でもすぐ水着になって日光浴とはね・・・。

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結局、この寄港地でも乗降する人はほとんどいませんでした。寄港地を出港します。

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アーヘン湖の最北の地に向けて、出航です。

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アーベントオイエルパルク・アーヘンゼーの公園の緑に沿って、観光船が進んでいきます。

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観光船の進む先にはレジャーを楽しむボートがいます。湖のどこでも、みなさん、色んな楽しみにふけっています。いやはや。

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観光船は小さなボートを避けながら、慎重に進んでいきます。

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右手にはヨットがたくさん係留されています。あまり、ヨットが湖を走っているのは見なかったのですが、何故なんでしょう。

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公園の横をゆっくりと進んでいきます。なかなか大きな公園なんですね。

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アーヘン湖の最北の船着き場、ショラスティカScholastikaも間近です。



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アーヘン湖の1日:湖一周クルーズを堪能

2016年7月30日土曜日@イェンバッハ~アーヘン湖/8回目

アーヘン湖Achenseeでクルーズを楽しんでいるところです。アーヘン湖の最北の船着き場も間近に迫っています。只今、ヨットが数多く停泊しているヨットクラブの前を通過中です。もっとも横にいるのは2艘の真っ赤なカヌーです。

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観光船はアーベントオイエルパルク・アーヘンゼーの公園を少しずつ離れていきます。

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アーヘン湖の北端がはっきりと目に捉えられるようになってきます。チロル風のホテルが数軒建っています。

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アーヘン湖の北端の右手のほうにある船着き場を目指して、進んできます。

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北端の最終寄港地、ショラスティカScholastikaに近づいていきます。

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船に乗ろうとする人たちが待っています。

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船着き場の横のわずかばかりの緑の広場にも椅子に寝そべり水着で日光浴をしている人がいます。この日光を欲する人たちの飽くなき努力には呆れるばかりです。

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ところで、ここまで船首の椅子に座って、風景を楽しみながらのクルーズでしたが、隣のテーブルに陣取った6~7人のおじさん、おばさんグループのあまりの大声と笑い声のうるささに閉口してしまいます。彼らも我々同様、観光船を降りずに湖一周するようです。湖の北端までは我慢しましたが、それ以上は我慢しきれずに船尾のほうの席に移動します。負けました。
観光船は北端の寄港地、ショラスティカを出港して、最初に乗船した船着き場、ゼーシュピッツSeespitzに向かって、折り返していきます。目の前には北端の大きな公園アルペン・カラヴァン・パーク・アーヘンゼーAlpen Caravan Park Achenseeが広がっています。多くのキャンピングカーが押し寄せて、大賑わいです。

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また、湖岸にそそり立つ岩山に沿って、走っていきます。岩山の下のほうにはハイキング道が続いています。

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寄港地、アーヘンゼーホーフAchenseehofに続いて、次の寄港地ガイサルムGaisalmに近づきます。いずれも先ほど寄港した船着き場です。

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湖岸近くの湖面で立ち漕ぎをして遊んでいる人たちがいます。湖の夏のレジャーをそれぞれのやりかたで楽しんでいますね。素晴らしいです。

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再び、湖の真ん中でもう一隻の観光船とすれ違います。ゼーシュピッツから折り返してきたんですね。

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後ろを振り返ると、既に湖の北端は見えません。

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観光船が真横を通り過ぎていきます。

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湖の南岸も望めるようになってきます。ゼーシュピッツへの到着ももうすぐ。クルーズも十分に楽しみました。

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私達は特に何をすると言うこともなく、結果的には、チロルの人達の夏のレジャーの楽しみ方を見せてもらったと言う感じです。ともかくみなさん、よく歩きます。アーヘン湖の周りの道をどんどん歩いていきます。自転車がガンガン走ります。あちこちの草原や椅子に寝そべり水着で日光浴をしています。ビーチもどきの湖水で泳ぎます。舟遊びもしています。そして、カフェは満員です。ともかく、チロルでは、湖は夏のレジャーの中心地なんですね。



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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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